JP3541867B2 - 舵角センサ異常検出装置およびこれを備えた車輌 - Google Patents

舵角センサ異常検出装置およびこれを備えた車輌 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舵角センサを備えた車輌に用いられる舵角センサ異常検出装置並びにこの舵角センサ異常検出装置および後輪転舵装置を備えた車輌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車輌制御、特に後輪転舵制御では、舵角センサで得られた舵角値を制御パラメータの一つとして利用することが多い。このような後輪転舵制御において、舵角センサ出力に異常が生じた場合には、当然に誤った後輪転舵制御が行われてしまう。そのため、舵角センサの状態を監視し、異常があれば何らかの対策を講じる必要がある。
【0003】
このような舵角センサ出力の状態を監視する技術が、特開平1−229773号公報に記載されている。同公報には車輌の後輪操舵装置の発明が開示されており、その中に、ステアリング系の異なる場所に2つの舵角センサを配置し、それぞれのセンサ出力値を比較することにより舵角センサの異常を検出する技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、舵角を検出するという観点からいえば単一の舵角センサで十分であるにもかかわらず、この従来技術によれば2つの舵角センサを用いることになり、取付位置の確保やコストの点で問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の舵角センサ異常検出装置はこのような問題を解決するためになされたものであり、舵角値と舵角変化量とを検出して出力する舵角センサの異常を検出する舵角センサ異常検出装置であって、舵角センサが出力する舵角変化量を積算して演算舵角値を算出する舵角演算手段と、舵角センサが出力する舵角値と舵角演算手段が算出した演算舵角値との偏差が所定値を越えたときに舵角センサ異常であると判定する判定手段とを備えている。
【0006】
舵角センサは、車輌のステアリング系の途中に配置されており、一般に舵角変化量を検知し、この変化量を積算して基準点からの変位を求め、これを舵角値として出力するように構成されている。したがって、舵角値の他に、その元データである舵角変化量も外部に取り出すことが可能である。
【0007】
舵角演算手段では、このような舵角センサから舵角変化量を取り込んで積算することにより演算舵角値を算出し、判定手段でこの演算舵角値と舵角センサから直接得られた舵角値とを比較する。舵角センサが正常に動作している限り、舵角値と演算舵角値は一致するはずであるから、逆に、両者の偏差が所定値を越えたときには舵角センサ異常であると判定することができる。なお、この判定手段による舵角センサ異常には、舵角センサ自身に異常が生じている場合と、操舵速度が大きいために一時的に舵角センサ出力に異常が生じた場合とがある。
【0008】
本発明の車輌は、このような舵角センサ異常検出装置の出力結果を後輪転舵駆動制御に利用するものであり、前輪舵角値および前輪舵角変化量を検出して出力する舵角センサと、舵角センサが出力する前輪舵角変化量を積算して演算前輪舵角値を算出する舵角演算手段および舵角センサが出力する前輪舵角値と舵角演算手段が算出した演算前輪舵角値との偏差が所定値を越えたときに舵角センサ異常であると判定する判定手段を有する舵角センサ異常検出装置と、舵角センサの出力を制御パラメータの一つとして後輪転舵制御を行い、舵角センサ異常検出装置が舵角センサ異常であると判定したときには舵角センサ出力以外の情報に基づいて後輪転舵制御を行う後輪転舵装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
後輪転舵装置では、一般に舵角センサからの前輪舵角値とヨーレイトセンサからのヨーレイトに基づいて後輪目標舵角を算出し、後輪実舵角をこの後輪目標舵角に一致させるように後輪転舵制御を行う。本発明の車輌によれば、舵角センサ異常検出装置が舵角センサ異常と判定したときには、後輪転舵装置は舵角センサが出力する前輪舵角値を利用せずに後輪転舵制御を行う。誤った前輪舵角値を後輪転舵制御に利用しないので、舵角センサが正常のときよりも後輪転舵制御の精度は低下する可能性はあるが、誤動作をすることがない。
【0010】
また、操舵速度が速い場合に舵角センサからの舵角値に基づく後輪転舵を行うと挙動が大きくなりすぎ、運転者にかえって違和感を与えることがあるが、この車輌では、高速操舵に起因する一時的な舵角センサ出力値異常の場合にも、舵角センサが出力する前輪舵角値を利用せずに後輪転舵制御を行うので、そのような違和感を低減できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態である舵角センサ異常検出装置を備えた後輪転舵装置搭載車輌のシステム図である。この車輌では、舵角センサで検出された前輪舵角値を後輪転舵制御のパラメータの一つとして用いており、この舵角センサの異常を検出するために舵角センサ異常検出装置が搭載されている。
【0012】
はじめに、車輌全体のシステムを説明する。この車両2は、ボディ3に取付けられた前輪4,5及び後輪6,7を備える。前輪4,5は、ナックルアーム8,9及びタイロッド10,11をそれぞれ介してフロントステアリングギアボックス12に機械的に接続されている。
【0013】
ギアボックス12は、その軸を中心として回転可能なシャフト13を介してステアリングホイール14に接続されている。シャフト13がその軸を中心として回転すると、シャフト13の回転に応じてギアボックス12内のラックが、モータや油圧機構等による補助力を受けてその長手方向に沿って移動し、ラックに係合したタイロッド10,11が長手方向に沿って移動する。
【0014】
シャフト13は、ステアリングホイール14の操舵に応じて回転するので、ステアリングホイール14を操舵することにより、ナックルアーム8,9にヒンジを介して接続されたタイロッド10,11が、その長手方向に沿って移動し、前輪4,5が操舵される。
【0015】
後輪6,7は、ナックルアーム15,16、タイロッド17,18を介して後輪転舵用のアクチュエータ100の後輪駆動シャフト100aの両端に接続されている。アクチュエータ100(駆動手段)は内部にモータ本体101に接続された減速機構を有しており、この減速機構にリンクした後輪駆動シャフト100aが、その長手方向(矢印Cで示す)に沿って移動することで、前輪4,5と同様に後輪6,7が矢印θで示す方向に転舵される。
【0016】
アクチュエータ100はモータ本体101と、モータ本体101に設けられた3つの磁極センサからなりモータ本体101のロータ回転位置に対応した回転位置信号Θを出力する回転位置センサ102と、後輪6,7の実舵角δrが中立舵角δr0よりも右側又は左側にあることを示す判別信号Dを出力する中立センサ103とを備えている。
【0017】
ここで、アクチュエータ100の内部構造を図2を用いて説明する。図2は、アクチュエータ100をシャフト100aの長手方向に沿って破断した断面図である。本アクチュエータ100は、金属製の円筒状ハウジング104と、ハウジング104の内壁に固着した樹脂材料105と、樹脂材料105によってハウジング104の内壁に固定されたステータ106及びステータ106の内側に配置されたロータ107から構成されるインナーロータ形のモータ本体101と、ロータ107の回転速度を減速して回転駆動力を伝達する減速機構108と、減速機構108の回転運動を長手方向Cに沿った直線運動に変換して駆動力を駆動シャフト100aに伝達する変換機構109とを備えている。
【0018】
ロータ107が回転すると、この駆動力は減速機構108及び変換機構109を介して駆動シャフト100aに伝達され、駆動シャフト100aが長手方向Cに沿って移動する。駆動シャフト100aの両端にはタイロッド17,18のアクチュエータ側端部17a,18aがボールジョイントによって連結されているため、ロータ107を回転させると後輪6,7が転舵される。
【0019】
減速機構108は、ロータ107を原動軸としてロータ107先端部に固定された太陽歯車108aと、ハウジング104の内面に固着した樹脂によって形成された固定内歯歯車108bと、太陽歯車108aと固定内歯歯車108bの間に介在する複数の遊星歯車108cとからなる第1遊星歯車機構を備える。
【0020】
減速機構108は、第1遊星歯車機構と共通の固定内歯歯車108bと、第1遊星歯車機構の太陽歯車108aに対して同軸配置された原動軸としての太陽歯車108eと、太陽歯車108eと固定内歯歯車108bの間に介在する複数の遊星歯車108fとからなる第2遊星歯車機構を更に備える。
【0021】
第1遊星歯車機構の遊星歯車108cの回動軸は、第2遊星歯車機構の原動軸108eに固定された腕108dの先端部で回動可能に支えられており、第2遊星歯車機構の原動軸108eは第1遊星歯車機構の従動軸を構成する。ロータ107を回転させることによって第1遊星歯車機構の太陽歯車108aを回転させると、太陽歯車108a及び固定内歯歯車108bに噛合した遊星歯車108cが太陽歯車108aの周囲を公転し、遊星歯車108cを軸支する腕108dの基端部に固定された第2遊星歯車機構の原動軸108eが太陽歯車108aと同軸で回転する。第2遊星歯車機構の原動軸108eが回転すると、第1遊星歯車機構と同様にその従動軸となる変換機構109のナット109aが原動軸108eと同軸で回転する。
【0022】
変換機構109は、内面に螺子溝の形成されたナット109aと、この螺子溝に噛合する螺子109bとからなる。ハウジング104に固定され連通した筒状部材104aは、内面に長手方向Cに沿って延びた凸条104bを有しており、筒状部材104a内に位置する駆動シャフト100aの一端部には長手方向Cに沿って延びた溝100bを有している。
【0023】
駆動シャフト100aの溝100b及び筒状部材104aの凸条104bは噛合してスプラインを構成し、駆動シャフト100aの軸を中心とする回転を制限している。また、ロータ107及びナット109aはボールベアリングBによってハウジング104内で支えられており、ハウジング104に対して回転することができる。なお、駆動シャフト100aは、右端筒状部材104a、ナット109a、太陽歯車108e,108a、ロータ107、左端筒状部材104c内面に固定された支持材104dの中空部を貫いており、ハウジング104に対して長手方向Cに沿って移動することができる。
【0024】
ナット109aは、スプラインによる制限によって駆動シャフト100aに対して相対的に回転できるため、ナット109aがロータ107の回転によって駆動シャフト100aの軸を中心として回転すると、駆動シャフト100aの一部をなす変換機構109の螺子109bが駆動シャフト100aの長手方向Cに沿って移動し、後輪6,7が転舵される。
【0025】
ロータ107は外表面を円周方向に囲む磁石107aを有しており、ロータ107を取り囲むステータ106は鉄心の積層コア106a及び磁石107aに対向する位置の積層コア106aに巻かれた巻線106bを有している。ECU1から制御信号Pが巻線106bに入力されると、ステータ106に対してロータ107が回転する。なお、ステータ106はガラス繊維を含有した樹脂材料105内に少なくとも一部分が埋設されている。
【0026】
ロータ107の回転位置はロータの一端部に固定された磁石102a及びホール素子102bから構成される回転位置センサ102によって検出される。すなわち、磁石102a及びホール素子102bはロータ107の回転位置に応じて出力信号が異なるように非接触配置されている。回転位置センサ102によって検出されたロータ107の回転位置情報に基づいてECU1はステータ106に制御信号Pを供給し、ロータ107を回転させる。すなわち、本アクチュエータ100に用いられるモータは、ロータ107の回転位置を非接触で検出してステータ106に制御信号Pを供給する回転界磁形のDCブラシレスモータである。
【0027】
駆動シャフト100aの長手方向Cの大体の位置は中立センサ103によって検出される。すなわち、中立センサ103は、後輪駆動シャフト100aの表面の一部を磁化することによって形成されたN極領域103a及びS極領域103bと、磁化領域103a,103bに対向する位置に固定されたホール素子103cとから構成される。N極領域103a及びS極領域103bは、後輪駆動シャフト100aの移動方向C、すなわち、後輪駆動シャフト100aの長手方向Cに沿って整列している。
【0028】
このようなアクチュエータ100によって転舵される後輪6,7は、ボディ3内に配置されたエンジン19の駆動力によって回転する駆動輪であり、エンジン19からの駆動力はディファレンシャルギア20を介して後輪6,7に伝達される。なお、エンジン19はボディ3内に設けられたイグニションスイッチIGをオン状態とすることによって起動する。
【0029】
この車両2は、ステアリングシャフト13に取り付けられ前輪舵角値を検出して出力する舵角センサ21と、前輪4,5の車輪速に対応した車輪速信号v1,v2をそれぞれ出力する車輪速センサ22,23と、駆動輪6,7の車輪速に対応した車輪速信号v3を出力するスピードセンサ24と、車両ヨー方向の角速度に対応したヨーレイトγを出力するヨーレートセンサ25とを備える。
【0030】
舵角センサ21は、舵角変化量Aを常時検出しており、内蔵された舵角カウンタのカウンタ値を舵角変化量Aに応じて増減させる。この舵角カウンタの値が前輪舵角値θs2である。なお、ECU1は、舵角変化量Aを取り込んで、これを積算することにより、演算前輪舵角値θs1を常時算出している。また、この演算前輪舵角値θs1は、ECU1における後述する中立補正処理により算出された補正値Δθを用いて、実舵角に一致するように補正される。
【0031】
車両2の車速vは車輪速信号v1,v2,v3のいずれか1つ、平均値、又は各信号v1,v2, v3に重みづけを行ったものを車速とする。
【0032】
車両2に搭載された電子回路ユニット(ECU)1には、上述した各センサ21〜25,102,103の出力及びイグニションスイッチIGのオンオフ情報を含めた車両状態情報が入力され、ECU1は入力された車両状態情報に応じてアクチュエータ100を駆動し後輪6,7の転舵の制御を行う。
【0033】
すなわち、後輪舵角制御装置は、車両状態情報をECU1に与えるセンサ21〜25,102,103と、これらの各センサから入力された情報に応じてアクチュエータ100を制御するECU1とを有し、ECU1は入力される車両状態情報に応じて後輪6,7の転舵されるべき後輪目標舵角δr*を演算し、演算された後輪目標舵角δr*に後輪6,7の実舵角δrが一致するようにアクチュエータ100を制御する。
【0034】
後輪目標舵角δr*は、次式に基づいて求める。
【0035】
δr*=K1・θs1+K2・γ …(1)
ここに、K1およびK2は車速(車体速度)に応じて変化する係数であり、車速との関係をそれぞれ図3および図4に示す。
【0036】
後輪目標舵角δr*はヨーレイトセンサ25に異常があったときには次に示す(2)式に基づいて決定され、前輪舵角センサ21に異常があったときには(3)式に基づいて決定される。
【0037】
δr*=K1´・δf …(2)
δr*=K2´・γ …(3)
K1´およびK2´もK1およびK2と同様に、車速(車体速度)に応じて変化する係数であり、車速との関係をそれぞれ図5および図6に示す。
【0038】
つぎに、本実施形態の舵角センサ異常検出装置について説明する。舵角センサ異常検出装置の機能はECU1の一機能であり、ECU1が図7に示すフローチャートを実行することにより達成される。なお、図7は舵角センサ異常検出のためのフローチャートであるが、前輪舵角値の中立補正処理も含んでいる。
【0039】
この図7に示す舵角センサ異常検出処理ルーチンは、ECU1において24ms毎に実行される。
【0040】
まず、ステップ201において、前輪の演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1を求める。演算舵角値θs1は舵角センサ21からの舵角変化量Aに基づいて算出され、推定舵角値θsa1は左右の車輪速度v1、v2に基づいてつぎの(4)式から算出される。
【0041】
【数1】
Figure 0003541867
【0042】
つぎに、ステップ202に進み、演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1を算出する。ここでは、演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1について、それぞれ所定値以上の車速で走行しているときの過去数百回分のデータを積算してその平均を採る。したがって、イグニッションスイッチを投入してIG−ONとなってから、最初の演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1が算出されるまでは、ステップ201および202を繰り返し実行する。
【0043】
演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1が一旦算出されれば、以後は、演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1の最新データを取り込む同時に最も古いデータを捨てることにより、このルーチンを実行する毎に最新の演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1を算出することができる。
【0044】
ステップ202で演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1が得られたらステップ203に進み、演算舵角積算平均値θms1から推定舵角積算平均値θmsa1を減算して中立補正値Δθを算出する。そして、さらにステップ204に進んで、演算舵角値θs1から中立補正値Δθを減算したものを今回の演算舵角値θs1とする。
【0045】
この中立補正処理は、左右の車輪速度に基づいて算出された推定舵角値θsa1の方が舵角センサからの舵角変化量Aに基づいて算出された演算舵角値θs1よりも平均的には正確な舵角を示しているという考え方に基づいている。
【0046】
つぎに、舵角センサ異常検出処理を行う。まず、ステップ205で第1異常判定を行う。舵角センサ21からの舵角値θs2と中立補正済みの演算舵角値θs1の差の絶対値が所定値、ここでは5degより大きいか否かを判断する。肯定の場合は、異常であるとしてステップ206に進み第1異常フラグF1を1とし、否定の場合は、正常であるとしてステップ207に進んで第1異常フラグF1を0にする。
【0047】
なお、ステップ205の判定は、通常走行中であることを前提としており、本実施形態では車速が30km/h以上であることを付加条件としている。
【0048】
ステップ205で異常判定された場合には、さらにステップ208に進んで、高度の異常であるか否かを判定する第2異常判定を行う。ここでは、舵角値θs2と演算舵角値θs1との差の絶対値が10degより大きいか否かを判断する。肯定であればステップ209に進み、高度異常であるとして第2異常フラグF2を1とし、否定であればステップ210に進み、高度異常ではないとして第2異常フラグF2を0とする。
【0049】
第1および第2異常判定が終了すると、まず、ステップ211で第1異常フラグF1が0であるか否かを判断し、F1=1の場合にはステップ212に進んでフェイルカウンタCNTの値をその最大値である10に設定し、さらに、ステップ215に進んで後輪転舵駆動制御について上記(3)式に従う代替制御を実行する。
【0050】
ステップ211でF1が0であれば、ステップ213に移行してフェイルカウンタCNTの値を前回値から1を減算した値に置き換える。ただし、フェイルカウンタCNTのとり得る値は0〜10であり、前回値が0の場合には0が維持されるだけである。
【0051】
ステップ213の処理結果が0でなければステップ214からステップ215に進み、後輪転舵駆動制御について(3)式に従う代替制御を実行し、0であれば、ステップ216に移行して上記(1)式に従う通常制御を実行する。
【0052】
後輪転舵駆動制御について通常制御が選択された場合には、ステップ217において第2異常フラグF2が1であるか否か、すなわち、第2異常状態から正常状態に移行したものであるか否かが判断される。F2が1であれば、ステップ218に移行して、中立補正値Δθを算出するための演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1の基礎データである数百回分の演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1をすべてクリアし、その後、ステップ219に移行して第2異常フラグF2を0に置き換える。
【0053】
判断ステップ217でF2=0であれば、演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1をクリアすることなく、再びこのルーチンのスタートに戻る。
【0054】
以上の説明で判るように、本実施形態では舵角センサが第1の異常であると判定されると、フェイルカウンタCNTの値が最大値である10にセットされて後輪転舵制御について代替制御を行い、異常判定後は、舵角センサの正常判定が連続して10回続いた場合に限り通常制御に復帰する。
【0055】
異常判定がなされる場合としては、舵角センサ自身に異常が生じている場合と、操舵速度が大きいために一時的に舵角センサ出力に異常が生じた場合の2つがある。そこで、後者の場合には、異常判定後に正常判定が行われれば、通常制御に復帰するようになっている。ただし、通常制御と代替制御を短時間に何度も切り替えることは、制御の安定性の面で好ましくないので、異常判定後に正常判定がなされても直ちに通常制御に復帰させず、正常判定がある程度連続した場合にのみ復帰させている。
【0056】
また、舵角センサの異常の程度が大きい第2異常状態である場合には、中立補正値Δθを算出するための演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1の基礎データをすべてクリアして、基礎データの取り込みを最初からやり直す。この場合、中立補正値Δθの算出が完了するまで、舵角センサ出力に基づく後輪転舵制御は、一時的に中止され代替制御となる。
【0057】
図8は、本実施形態の舵角センサ異常検出装置を実施した場合のフェイルカウンタCNTの動作およびそれに伴う後輪転舵制御の制御状態を示す図である。
【0058】
各種センサに異常ななく、後輪転舵制御について通常制御が行われている状態から、時刻t1において異常判定が為されると、フェイルカウンタCNTのカウンタ値は直ちに10となり、後輪転舵制御は(3)式に従う代替制御に切り替わる。その後、時刻t2の直前まで正常判定が続くとフェイルカウンタCNTのカウント値は正常判定される毎に1づつ減少するが、カウント値が0には至らないので、代替制御は維持される。
【0059】
時刻t2では再び異常判定され、フェイルカウンタCNTのカウント値が10に戻る。その後、時刻t3の直前まで正常判定が連続するためフェイルカウンタCNTの値は減少する。時刻t3からt4までは連続して異常判定が行われたために、フェイルカウンタCNTは10が維持される。時刻t4以後は正常判定が連続し、フェイルカウンタCNTのカウント値は時刻t5で0になる。フェイルカウンタCNTが0になると、制御状態は通常制御に復帰する。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の舵角センサ異常検出装置によれば、舵角センサの異常を検出するために別の舵角センサを設ける必要がないので、低コストで舵角センサ異常を検出できる。
【0061】
また、本発明の車輌によれば、舵角センサ自身の異常が生じたり、操舵速度が大きいために一時的に舵角センサ出力異常が生じたりしたときには、舵角センサ出力に基づく後輪転舵制御が中止される。そのため、誤った後輪転舵や運転者に違和感を与えるような後輪転舵を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である舵角センサ異常検出装置を備えた車輌のシステム構成図。
【図2】後輪舵角制御に用いられる後輪転舵駆動手段100の構造を示す断面図。
【図3】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中の定数K1を表すグラフ。
【図4】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中の定数K2を表すグラフ。
【図5】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中の定数K1´を表すグラフ。
【図6】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中の定数K2´を表すグラフ。
【図7】ECU1による舵角センサ異常検出処理を示すフローチャート。
【図8】本実施形態の舵角センサ異常検出装置を実施した場合のフェイルカウンタCNTの動作およびそれに伴う後輪転舵制御の制御状態を示す図。
【符号の説明】
1…ECU、2…車輌、6,7…後輪、21…舵角センサ、22,23…車輪速センサ、25…ヨーレイトセンサ、100…後輪転舵駆動手段。

Claims (2)

  1. 舵角値と舵角変化量とを検出して出力する舵角センサの異常を検出する舵角センサ異常検出装置において、
    前記舵角センサが出力する舵角変化量を積算して演算舵角値を算出する舵角演算手段と、
    前記舵角センサが出力する舵角値と前記舵角演算手段が算出した演算舵角値との偏差が所定値を越えたときに舵角センサ異常であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする舵角センサ異常検出装置。
  2. 前輪舵角値および前輪舵角変化量を検出して出力する舵角センサと、
    前記舵角センサが出力する前輪舵角変化量を積算して演算前輪舵角値を算出する舵角演算手段および前記舵角センサが出力する前輪舵角値と前記舵角演算手段が算出した演算前輪舵角値との偏差が所定値を越えたときに舵角センサ異常であると判定する判定手段を有する舵角センサ異常検出装置と、
    前記舵角センサの出力を制御パラメータの一つとして後輪転舵制御を行い、前記舵角センサ異常検出装置が舵角センサ異常であると判定したときには前記舵角センサ出力以外の情報に基づいて後輪転舵制御を行う後輪転舵装置と
    を備えたことを特徴とする車輌。
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