JP3541619B2 - コンテナ用冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、コンテナ用冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13及び図14には、従来のコンテナ用冷凍装置63の概略構造を模式的に示しており、同各図において符号64は矩形偏平状の外観形態をもち、コンテナ60の開口61部分にその外側から嵌挿状態で架装されるケーシングである。このケーシング64の庫内側には庫内ファン66,66と蒸発器65とが備えられる一方、庫外側には図示しないが凝縮器、圧縮機等が備えられている。そして、庫内空気は、上記蒸発器65において熱交換され、吹出空気(冷風)としてコンテナ60の庫内へ吹き出される。この場合、庫内温度の均一化を図るために、上記ケーシング64の背面側には背面通風路75を、上記開口61の両側部には該開口61内に嵌挿架装された上記ケーシング64の側面に近接対向して上下方向に延びる側面通風路76,76と、上記背面通風路75と側面通風路76の下端に連通して上記コンテナ60の底部をその長手方向に延びる底部通風路77とを設け、上記蒸発器65からの吹出空気を、上記背面通風路75と上記各側面通風路76,76を介して上記底部通風路77側に導入し、該底部通風路77から上記コンテナ60内に適宜吹き出すようにしている。
【0003】
一方、庫内温度の均一化をさらに促進すべく、上記蒸発器65のパス取りにも工夫をしている。即ち、庫内温度の均一化を図るには、上記蒸発器65から吹き出される吹出空気の温度が該蒸発器65の全域において可及的に均一化されていることが望ましい。このため、図13に示すように、分流器68から延びる分流管69,69,・・を、上記蒸発器65の一端65a側と他端65b側とに接続し、該蒸発器65に対してその両端からそれぞれ対向するようにして冷媒を循環させる、いわゆる「ダブルインレット方式」を採用することで、上記蒸発器65の一端65a側から冷媒が流入する伝熱管と、他端65b側から冷媒が流入する伝熱管との間において「乾き域」を相殺し、「乾き域」側を通過する吹出空気温度が「湿り域」側を通過する吹出空気温度よりも高くなることに起因する吹出空気の温度分布の不均一を可及的に解消するようにしている。
【0004】
また、冷凍装置63の運転制御には上記吹出空気温度を検出する温度センサ71の設置が必要があり、しかもこの温度センサ71の設置場所は、吹出空気温度の最も低い位置、即ち、最下点位置に設定する必要があるが、かかる「ダブルインレット方式」を採用した場合には、上記蒸発器65から吹き出される吹出空気の温度は該蒸発器65の全域で略均等とされるので、従来は図13及び図14に示すように、上記温度センサ71を上記蒸発器65の下流側空間に臨ませて取り付けている。また、この温度センサ71が正常に作動しているかどうかを上記吹出空気温度を直接計測して検査する必要があり、このため温度計挿入口部材72をも備えるが、従来はこの温度計挿入口部材72を上記ケーシング64の庫外から上記蒸発器65の下流側空間に臨むようにして嵌挿配置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のように上記蒸発器65のパス取り方式として「ダブルインレット方式」を採用した場合には、その配管構成が複雑となることもあって、該蒸発器65の製造コストが高くつき、延いては冷凍装置63のコストアップを招来することになる。このため、蒸発器のパス取り方式を、従来の「ダブルインレット方式」から、製造コストの低い「シングルインレット方式」に変更することが試みられている。
【0006】
ところが、かかる「シングルインレット方式」を採用した場合には、上述のように蒸発器から吹き出される吹出空気の温度に偏りが生じるため、この吹出空気温度の偏りを考慮した上で、上記温度センサ及び温度計挿入口部材の配置位置を設定することが必要となる。
【0007】
そこで本願発明は、蒸発器のパス取り方式として「シングルインレット方式」を採用したコンテナ用冷凍装置において、吹出空気の温度検出用の温度センサと、該温度センサの作動検査用の温度計取付用の温度計挿入口部材の好適な取付構造を提案することを目的としてなされたものである。
【0008】
【発明の技術的背景】
本願発明者は、上記の如き技術課題を解決するための手段を検討するに際して、「シングルインレット方式」の蒸発器を備え、且つ該蒸発器からの吹出空気を、少なくともケーシングの側方に配置されたコンテナ側の側面通風路を介して庫内側へ吹き出すように構成されたコンテナ用冷凍装置を対象とし、吹出空気の温度分布を実験により調べた。この実験結果によれば、蒸発器が「シングルインレット方式」のパス取りであることから、該蒸発器からの吹出空気温度は、分流器に近い側(即ち、伝熱管の「湿り域」に対応する部位)が低いこと、及びこの吹出空気を上記蒸発器の両端側にそれぞれ配置される側面通風路を介して底部通風路に流すことから、左右両側の側面通風路のうち、上記分流器に近い側の側面通風路内における空気温度が最も低いこと、が知見された。
【0009】
そこで本願発明者は、温度センサは吹出空気温度の最下点位置に設置する必要があることを考慮して、上記分流器に近い側の側面通風路内の空気温度を検出し得るように温度センサを配置することとするとともに、該温度センサの作動検査用の温度計を挿入する温度計挿入口部材も上記側面通風路内の空気温度を計測できるように配置するものとした。
【0010】
さらに、このように上記温度センサ及び温度計挿入口部材を上記側面通風路に臨んで配置する場合、該側面通風路はコンテナの開口の側部に沿って設けられるものであり、これに対して上記温度センサ及び温度計挿入口部材はコンテナ用冷凍装置のケーシング側に配置されるものであって、該ケーシングは冷凍装置を上記コンテナの開口に嵌挿状態で架装する際に架装方向において該開口あるいは上記側面通風路の通路壁に対して相対移動し、しかも上記ケーシングの側面と上記開口の口縁及び側面通風路の通路壁とは近接対向状態とされているので、上記冷凍装置をコンテナの開口に架装する際には上記ケーシングの側面側に取り付けられる上記温度センサ及び温度計挿入口部材が上記開口の口縁及び側面通風路の通路壁と干渉して損壊しないようにその取付構造を考慮することも必要である。
【0011】
以上の如き実験による知見事項、及びその知見事項に基づく取付構造において考慮すべき事項を比較勘案した上で、以下に述べる如き具体的構成に想到したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の如き技術背景に立脚して、本願各発明では上記課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0013】
本願の第1の発明では、図4及び図12に例示するように、略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング2に蒸発器8、凝縮器11等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口53を備えるとともに該開口53の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路32,32をそれぞれ設けたコンテナ50の上記開口53に対して、上記ケーシング2の両側面2a,2bを上記側面通風路32,32にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記ケーシング2の両側壁2a,2bから上記側面通風路32,32側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置において、上記蒸発器8を、その一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし且つ上記ケーシング2に対してその両側壁2a,2bに該蒸発器8の両端8a,8bをそれぞれ対向させた状態で配置する一方、上記ケーシング2の上記両側壁2a,2bのうち、上記蒸発器8の上記一端8aに対応する側壁2aに、該ケーシング2の内部側へ凹入し且つ上記コンテナ50への架装状態において上記側面通風路32に臨ましめられる凹部40を形成するとともに、該凹部40内に温度センサ21を、その先端が少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置せしめられた状態で取り付けたことを特徴としている。
【0014】
本願の第2の発明では、図6、図7及び図9に例示するように、略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング2に蒸発器8、凝縮器11等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口53を備えるとともに該開口53の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路32,32をそれぞれ設けたコンテナ50の上記開口53に対して、上記ケーシング2の両側面2a,2bを上記側面通風路32,32にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記ケーシング2の両側壁2a,2bから上記側面通風路32,32側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置において、上記蒸発器8を、その一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし且つ上記ケーシング2に対してその両側壁2a,2bに該蒸発器8の両端8a,8bをそれぞれ対向させた状態で配置する一方、上記ケーシング2の上記両側壁2a,2bのうち、上記蒸発器8の上記一端8aに対応する側壁2aに、上記吹出空気を導入する空気孔18を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材15を備えるとともに、上記温度計挿入口部材15を、少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置する収納時姿勢と、上記側面通風路32内に突出する使用時姿勢との間において姿勢変更可能なる如く構成したことを特徴としている。
【0015】
本願の第3の発明では、図6、図7及び図9に例示するように、略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング2に蒸発器8、凝縮器11等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口53を備えるとともに該開口53の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路32,32をそれぞれ設けたコンテナ50の上記開口53に対して、上記ケーシング2の両側面2a,2bを上記側面通風路32,32にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記ケーシング2の両側壁2a,2bから上記側面通風路32,32側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置において、上記蒸発器8を、その一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし且つ上記ケーシング2に対してその両側壁2a,2bに該蒸発器8の両端8a,8bをそれぞれ対向させた状態で配置する一方、上記ケーシング2の上記両側壁2a,2bのうち、上記蒸発器8の上記一端8aに対応する側壁2aに、該ケーシング2の内部側へ凹入し且つ上記コンテナ50への架装状態において上記側面通風路32に臨ましめられる凹部40を形成する一方、該凹部40内に、上記吹出空気を導入する空気孔18を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材15を備えるとともに、上記温度計挿入口部材15を、少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置した状態で該凹部40内に収納される収納時姿勢と、上記側面通風路32内に突出する使用時姿勢との間において姿勢変更可能なる如く構成したことを特徴としている。
【0016】
本願の第4の発明では、図6に例示するように、上記第3の発明にかかるコンテナ用冷凍装置において、上記温度計挿入口部材15を、弾性材により形成され、上記ケーシング2の上記コンテナ50の開口53への架装時には該開口53又は上記側面通風路32の通路壁55との干渉により弾性変形して上記収納時姿勢とされ、上記開口53又は上記側面通風路32の通路壁55との干渉が解消された状態ではその弾性復元力により上記使用時姿勢とされるように構成したことを特徴としている。
【0017】
本願の第5の発明では、図7に例示するように、上記第3の発明にかかるコンテナ用冷凍装置において、上記温度計挿入口部材15を、折曲可能とし、折曲操作によって上記収納時姿勢と使用時姿勢とを任意に選択し得るように構成したことを特徴としている。
【0018】
本願の第6の発明では、図9に例示するように、上記第3の発明にかかるコンテナ用冷凍装置において、上記温度計挿入口部材15を軸方向に伸縮可能に構成し、その縮小状態においては上記収納時姿勢とされ、その伸長状態においては上記使用時姿勢とされるようにしたことを特徴としている。
【0019】
本願の第7の発明では、図11に例示するように、略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング2に蒸発器8、凝縮器11等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口53を備えるとともに該開口53の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路32,32をそれぞれ設けたコンテナ50の上記開口53に対して、上記ケーシング2の両側面2a,2bを上記側面通風路32,32にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記ケーシング2の両側壁2a,2bから上記側面通風路32,32側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置において、上記蒸発器8を、その一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とされ且つ上記ケーシング2に対してその両側壁2a,2bに該蒸発器8の両端8a,8bをそれぞれ対向させた状態で配置する一方、上記ケーシング2の上記両側壁2a,2bのうち、上記蒸発器8の上記一端8aに対応する側壁2aに、該ケーシング2の内部側へ凹入し且つ上記コンテナ50への架装状態において上記側面通風路32に臨ましめられる凹部40を形成するとともに、該凹部40内に、上記吹出空気を導入する空気孔18を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材15を、その先端が少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置せしめられた状態で取り付けたことを特徴としている。
【0020】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0021】
▲1▼本願の第1の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、蒸発器8をその一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし、且つ該蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記蒸発器8の両端8a,8b側にそれぞれ設けた上記側面通風路32,32を通して庫内へ吹き出す構成とした場合において吹出空気温度の最下点位置である上記蒸発器8の一端8a寄りの側面通風路32に臨んで対向する上記ケーシング2の側壁2aに上記凹部40を設け、この凹部40内に温度センサ21を取り付けているので、該温度センサ21によって吹出空気温度を最も温度の低い位置で確実に検出することができ、該温度センサ21の検出結果に基づく冷凍装置の制御が高精度の下で行われ、コンテナ50の庫内収容物の安定した冷凍貯蔵が実現されるものである。
【0022】
また、上記温度センサ21を、上記ケーシング2の側壁2aに形成した上記凹部40内に、しかも該温度センサ21の先端が少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置するようにして取り付けていることで、冷凍装置を上記コンテナ50の開口53部分に嵌挿状態で架装する場合、上記温度センサ21が上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55と干渉するのが確実に防止され、かかる干渉の気遣いが無用である分だけ上記冷凍装置の架装作業そのものが容易になるとともに、架装時における上記温度センサ21の損壊が未然に防止されることで該温度センサ21の耐久性及び作動上の信頼性が高められることにもなる。
【0023】
▲2▼本願の第2の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、蒸発器8をその一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし、且つ該蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記蒸発器8の両端8a,8b側にそれぞれ設けた上記側面通風路32,32を通して庫内へ吹き出す構成とした場合において吹出空気温度の最下点位置である上記蒸発器8の一端8a寄りの側面通風路32に臨んで対向する上記ケーシング2の側壁2aに、上記吹出空気を導入する空気孔18を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材15を配置しているので、上記温度計挿入口部材15に温度計を挿入して該温度計挿入口部材15内に上記空気孔18から流入する吹出空気の温度を計測することで、最も温度の低い位置での温度計測が実現され、この温度計測に基づいて異常判定が行われる温度センサが吹出空気温度の最下点位置に配置されるものであることからして、該温度センサの異常判定がより的確に行われることになる。
【0024】
また、上記温度計挿入口部材15を、少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置する収納時姿勢と、上記側面通風路32内に突出する使用時姿勢との間において姿勢変更可能なる如く構成しているので、冷凍装置を上記コンテナ50側に架装する場合には上記温度計挿入口部材15をその収納時姿勢に設定しておくことで、架装時において上記温度計挿入口部材15が上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55と干渉するのが確実に防止され、さらに上記冷凍装置のコンテナ50側への架装完了後において上記温度計挿入口部材15をその使用時姿勢に姿勢変更させることで、該温度計挿入口部材15内に温度計を挿入して上記側面通風路32内を流れる吹出空気の温度を計測することができるものである。即ち、この温度計挿入口部材15は、冷凍装置の架装時における損壊防止と架装後における温度計の挿入による適正な温度計測の実現との両立が図れるものである。
【0025】
▲3▼本願の第3の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、蒸発器8をその一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし、且つ該蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記蒸発器8の両端8a,8b側にそれぞれ設けた上記側面通風路32,32を通して庫内へ吹き出す構成とした場合において吹出空気温度の最下点位置である上記蒸発器8の一端8a寄りの側面通風路32に臨んで対向する上記ケーシング2の側壁2aに上記凹部40を設け、この凹部40内に温度計挿入口部材15を取り付けているので、該温度計挿入口部材15に温度計を挿入して該温度計挿入口部材15内に上記空気孔18から流入する吹出空気の温度を計測することで、最も温度の低い位置での温度計測が実現され、この温度計測に基づいて異常判定が行われる温度センサが吹出空気温度の最下点位置に配置されるものであることからして、該温度センサの異常判定がより的確に行われることになる。
【0026】
また、この場合、上記温度計挿入口部材15を、少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置した状態で上記凹部40内に収容される収納時姿勢と、上記側面通風路32内に突出する使用時姿勢との間において姿勢変更可能なる如く構成しているので、冷凍装置を上記コンテナ50側に架装する場合には上記温度計挿入口部材15をその収納時姿勢に設定しておくことで、架装時において上記温度計挿入口部材15が上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55と干渉するのが確実に防止され、さらに上記冷凍装置のコンテナ50側への架装完了後において上記温度計挿入口部材15をその使用時姿勢に姿勢変更させることで、該温度計挿入口部材15内に温度計を挿入して上記側面通風路32内を流れる吹出空気の温度を計測することができるものである。即ち、この温度計挿入口部材15は、冷凍装置の架装時における損壊防止と架装後における温度計の挿入による適正な温度計測の実現との両立が図れるものである。
【0027】
尚、この発明では、上記温度計挿入口部材15を上記ケーシング2の側壁2aに設けた凹部40内に取り付けるようにしているので、上記第2の発明の如く上記温度計挿入口部材15を上記側壁2a上に取り付ける場合に比して、該温度計挿入口部材15を収納時姿勢で収納するために必要なスペースの確保が容易であり、それだけ上記温度計挿入口部材15の構造設計及び配置設計の自由度が向上するという利点がある。
【0028】
▲4▼ 本願の第4の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、上記▲3▼に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記温度計挿入口部材15を、弾性材により形成し、上記冷凍装置の上記コンテナ50の開口53への架装時には該開口53又は上記側面通風路32の通路壁55との干渉により弾性変形して上記収納時姿勢とされる一方、上記開口53又は上記側面通風路32の通路壁55との干渉が解消された状態ではその弾性復元力により上記使用時姿勢とされるように構成しているので、冷凍装置の架装作業時に意図的に上記温度計挿入口部材15の姿勢変更をしなくとも、架装作業の進行に伴って自動的に収納時姿勢と使用時姿勢の間で姿勢変更が行われ、意図的な姿勢変更操作が不要である分だけ冷凍装置の架装作業の容易化が図れるものである。
【0029】
▲5▼ 本願の第5の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、上記▲3▼に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記温度計挿入口部材15を、折曲可能とし、折曲操作によって上記収納時姿勢と使用時姿勢とを任意に選択し得るように構成しているので、冷凍装置の上記コンテナ50への架装作業時における上記温度計挿入口部材15の姿勢変更が該温度計挿入口部材15の折曲操作という簡単な操作で実現され、上記冷凍装置の架装作業の容易化がさらに促進されるものである。
【0030】
▲6▼ 本願の第6の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、上記▲3▼に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記温度計挿入口部材15を軸方向に伸縮可能に構成し、その縮小状態においては上記収納時姿勢とされ、その伸長状態においては上記使用時姿勢とされるようにしているので、冷凍装置の上記コンテナ50への架装作業時における上記温度計挿入口部材15の姿勢変更が該温度計挿入口部材15の伸縮操作という簡単な操作で実現され、上記冷凍装置の架装作業の容易化がさらに促進されるものである。
【0031】
▲7▼ 本願の第7の発明にかかるコンテナ用冷凍装置によれば、蒸発器8をその一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させる構成とし、且つ該蒸発器8から吹き出される吹出空気を上記蒸発器8の両端8a,8b側にそれぞれ設けた上記側面通風路32,32を通して庫内へ吹き出す構成とした場合において吹出空気温度の最下点位置である上記蒸発器8の一端8a寄りの側面通風路32に臨んで対向する上記ケーシング2の側壁2aに凹部40を設け、この凹部40内に温度計挿入口部材15を取り付けているので、上記温度計挿入口部材15に温度計を挿入して該温度計挿入口部材15内に上記空気孔18から流入する吹出空気の温度を計測することで、最も温度の低い位置での温度計測が実現され、この温度計測に基づいて異常判定が行われる温度センサが吹出空気温度の最下点位置に配置されるものであることからして、該温度センサの異常判定がより的確に行われることになる。
【0032】
また、この場合、上記温度計挿入口部材15を、その先端が少なくとも上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55よりも上記開口53の内側寄りに位置するようにして上記凹部40内に取り付けているので、冷凍装置の上記コンテナ50側への架装時に上記温度計挿入口部材15が上記開口53の口縁及び上記側面通風路32の通路壁55に干渉するということがなく、また架装完了後においてはそのまま上記温度計挿入口部材15に温度計を挿入することで上記側面通風路32側の吹出空気の温度をそのまま計測することができる。即ち、この発明によれば、冷凍装置のコンテナ50への架装時及び架装完了後のいずれにおいても上記温度計挿入口部材15を何ら操作する必要がないものであり、例えば上記第3、第5及び第6の発明の如く上記温度計挿入口部材15の姿勢変更操作を必要とする場合に比して冷凍装置の架装作業の更なる容易化が図れ、また上記第4の発明の如く温度計挿入口部材15がその損壊を伴わないものの上記開口53の口縁等と干渉することを前提とする構成の場合に比して、該温度計挿入口部材15の耐久性あるいは信頼性の向上が期待できるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明にかかるコンテナ用冷凍装置を幾つかの好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0034】
第1の実施形態
図1〜図3には、本願発明の第1の実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置1を示している。この冷凍装置1は、矩形断面形状をもつコンテナ50の周壁51の一端に設けられる矩形形状の開口53内にその外方から嵌挿状態で架装されるものであって、全体として矩形偏平状の外観形態をもつケーシング2を備えている。このケーシング2は、上記冷凍装置1を上記コンテナ50の開口53に架装した状態において庫外側に位置する庫外ケーシング3と庫内側に位置する庫内ケーシング4とを、これら両者間に断熱層30(図6参照)を介在させた状態で衝合させ且つこれらを一体化して構成される。そして、このケーシング2は、その背面側(庫内側)の上部に第1機器収容室5Aを、庫外側の下部に第2機器収容室5Bを、それぞれ備えており、上記第1機器収容室5Aにはモーター7により回転駆動される左右一対の庫内ファン6,6と、次述する蒸発器8等の機器が配置され、また上記第2機器収容室5Bには庫外ファン12を備えた凝縮器11と圧縮機13と配電盤14等が配置されている。また、上記庫内ケーシング4の上記第1機器収容室5Aの下端部に対応する位置にはドレンパン9が設けられ、このドレンパン9の上側に上記蒸発器8が位置している。
【0035】
尚、上記蒸発器8は、上述のように上記ケーシング2の上記第1機器収容室5A内に配置されるものであるが、この実施形態においては、この蒸発器8を上記ケーシング2の幅方向に配置するとともに、そのパス取り方式として「シングルインレット方式」を採用し、該蒸発器8の一端8a側に分流器10を配置し、該分流器10からの分流管を全て該一端8a側に接続し、該一端8a側から他端8b側に向けて冷媒を循環させるようにしている。
【0036】
一方、上記ケーシング2における上記庫外ケーシング3と庫内ケーシング4とは、上記第2機器収容室5B部分においては上記庫内ケーシング4が上記庫外ケーシング3の外側に位置しており、該第2機器収容室5Bの側壁は上記庫外ケーシング3の側壁35と上記庫内ケーシング4の側壁43との二層構造とされ、また該第2機器収容室5Bの奥壁は上記庫外ケーシング3の底壁34と庫内ケーシング4の後壁44との二層構造とされている。尚、上記庫内ケーシング4の上記両側壁43,43は、上記ケーシング2の側壁2a,2bを構成するものであり、ここでは説明の便宜上、上記両側壁2a,2bのうち、上記蒸発器8の一端8a寄りに位置する側壁を「側壁2a」とし、他端8b寄りに位置する側壁を「側壁2b」とする。
【0037】
また、上記ケーシング2における上記蒸発器8の両端部にそれぞれ対応する部分は、図1に示すようにそれぞれ開口部27,27が設けられており、上記第1機器収容室5Aの上記蒸発器8の下流側空間はこれら各開口部27,27を介して上記ケーシング2の両側方にそれぞれ開放されている。
【0038】
さらに、上記庫内ケーシング4の後壁44には、上下方向に延びる突条25,25,・・が所定間隔で複数本形成されている。そして、この各突条25,25,・・の先端面上に載置された状態で平板状の裏板24が上記ケーシング2の高さ方向の全域に跨がって取り付けられており、上記庫内ケーシング4の後壁44と上記裏板24との間には、上記各突条25,25,・・の間に位置して上下方向に延びる複数本の背面通風路31,31,・・が形成されている。尚、この各背面通風路31,31,・・は、その上端を上記蒸発器8の下流側空間に開放させるとともに、その下端を上記コンテナ50の底部に設けられた底部通風路57,57,・・に開放させている。
【0039】
一方、上記ケーシング2の両側壁2a,2bのうち、上記蒸発器8の一端8a寄りに位置する側壁2aの、しかも上記第2機器収容室5Bに対応する位置には、図4〜図6に示すように、矩形状の平面形状をもち且つ上記第2機器収容室5B側に凹入する所定深さの凹部40が形成されている。
【0040】
尚、この凹部40は、その上縁部と下縁部とをそれぞれ傾斜面としている。また、この凹部40は、上記冷凍装置1を後述するコンテナ50の開口53に嵌挿状態で架装した状態において、該コンテナ50側に設けた後述の側面通風路32の通路壁を構成する通風路形成部材55に近接対向するとともに、該通風路形成部材55に開口形成した開口部29に対応し、該開口部29を介して上記側面通風路32の内部に臨ましめられる。
【0041】
上記凹部40には、上記蒸発器8からの吹出空気の温度を検出する温度センサ21が、該凹部40の口縁高さ、即ち、上記側壁2aの表面よりも該凹部40側へ没入した状態で取り付けられている。また、この温度センサ21から延びるリード線22は、上記側壁2aに沿って延びる上記突条25に形成した溝41を介して上記凹部40側から上記背面通風路31側へ引き出され、さらに上記後壁44を貫通して上記第1機器収容室5A側へ取り出されており、上記温度センサ21により検出される吹出空気温度に基づいて上記冷凍装置1の運転制御がなされる。
【0042】
さらに、上記凹部40の上記温度センサ21配置位置の側方には、該凹部40部分において上記側壁2aを貫通した状態で次述の温度計挿入口部材15が、上記第2機器収容室5B側から該凹部40側に向けて取り付けられている。この温度計挿入口部材15は、上述のように、上記吹出空気温度を直接計測することで上記温度センサ21の異常検出を行うための温度計(図示省略)を、必要に応じて上記第2機器収容室5B側から嵌挿するためのものであって、次述の第1筒体16と第2筒体17とを備えている。
【0043】
上記第1筒体16は、例えば適度の剛性をもつ樹脂製筒体で構成されるものであって、上記ケーシング2の側壁2aをその厚さ方向に貫通して上記第2機器収容室5Bと上記凹部40との間に跨がって配置されるとともに、上記第2機器収容室5B側の端部が上記側壁2a側に固定されている。また、この第1筒体16の長さは、上記側壁2aへの嵌挿状態において、その先端が上記側壁2aの表面よりも外方へ突出しないような寸法に設定されている。
【0044】
上記第2筒体17は、適度の弾性をもつラバー材で有底筒状に一体形成されるとともにその外周面に多数の空気孔18,18,・・を形成してなるものであって、上記第1筒体16の先端部に該第1筒体16と同軸状に装着固定されている。そして、この第2筒体17は、その自由状態(図6に実線図示する状態)においては、上記第1筒体16と同軸状形態を維持したまま上記側壁2aから外方へ大きく突出し、上記第1筒体16側の開口端側からの温度計の挿入を許容し得るようになっている。これに対して、後述する如く上記冷凍装置1の上記コンテナ50側への架装時に、上記第2筒体17に架装方向への外力が作用した場合には、図6に鎖線図示するようにその基端部分において折曲状態に弾性変形し、上記凹部40内にほぼ収容された状態を維持し得るようになっている。
【0045】
一方、上記コンテナ50は、周壁51によって矩形の断面形状をもつ箱体状に形成されるとともに、その軸方向の一端に位置する端面壁52には矩形の開口53を形成しており、この開口53内に上記冷凍装置1が嵌挿状態で架装されるようになっている。そして、このコンテナ50の上記開口53の左右両側縁の庫内側の隅部には、それぞれ「L」字状の断面形状をもつ通風路形成部材55により上下方向に延びる側面通風路32,32がそれぞれ形成されている。尚、この通風路形成部材55の内側面55aは、上記開口53の内面と同一平面を構成する如くその形成位置が設定されている。
【0046】
上記通風路形成部材55は、図1に示すように、その上部側に開口部28を形成する一方、その下部側には開口部29を形成している(但し、この開口部29は、上記冷凍装置1のケーシング2における一方の側面2aに対応する側のみに設けられる)。そして、上記各開口部28,29は、上記コンテナ50の開口53部分に上記冷凍装置1を架装した時、上記開口部28は上記冷凍装置1側の上記開口部27に対応し、上記開口部29は上記凹部40に対応するように、それぞれその形成位置が設定されている。
【0047】
続いて、上記冷凍装置1を上記コンテナ50の開口53部分への架装作業について説明する。冷凍装置1の架装は、上記ケーシング2の上記凹部40部分に上記温度センサ21と温度計挿入口部材15とを取り付けた状態のまま、上記冷凍装置1をその背面側(即ち、上記裏板24側)から上記コンテナ50の開口53に嵌挿し、その前面側を上記コンテナ50の端面壁52に締着固定することで行われる。この場合、上記ケーシング2の側面2a,2bが、それぞれ上記コンテナ50側の開口53の内面及び上記通風路形成部材55の内側面55aにそれぞれ近接対向していることから、この架装作業時における上記温度センサ21及び温度計挿入口部材15のコンテナ50側との干渉が懸念される。しかしながら、この実施形態のものにおいては、上記温度センサ21は上記側壁2aに形成した上記凹部40内に没入状態で配置されているので上記開口53の内面あるいは上記通風路形成部材55の内側面55aとの干渉は生じない。また、上記温度計挿入口部材15においては、その第1筒体16は上記側壁2aの内側に位置しているため干渉の危険性はないが、上記第2筒体17はその自由状態において上記凹部40よりも外側へ突出しているので該開口53の内面及び上記通風路形成部材55の内側面55aとの干渉が生じることになる。しかし、この場合、上記第2筒体17は弾性変形可能なラバー材で構成されているので、架装作業時にこれが上記開口53の内面及び通風路形成部材55の内側面55aと干渉した場合、該第2筒体17は適度に折曲方向に弾性変形し、上記冷凍装置1の架装を許容する。そして、架装完了状態においては、上記凹部40が上記通風路形成部材55側の上記開口部29と対応し、該第2筒体17の上記通風路形成部材55側との干渉状態が解消されるので、該第2筒体17は自己の弾性復元力により自由状態に復帰し、上記通風路形成部材55の内側の上記側面通風路32内に突出する。
【0048】
従って、上記ケーシング2の側壁2aに上記温度センサ21と温度計挿入口部材15を配置しているものの、かかる各部材21,15の存在によって上記冷凍装置1の架装が阻害されるということがない。換言すれば、架装作業に際して上記温度センサ21及び温度計挿入口部材15の上記コンテナ50側との干渉を気にすることなく架装作業を行え、それだけ架装作業の容易化が図られることになる。
【0049】
次に、このようにして上記コンテナ50側に架装された上記冷凍装置1の運転状態について説明する。上記冷凍装置1が運転されると、上記コンテナ50内の庫内空気は上記庫内ファン6,6により上記蒸発器8側に吸入され、該蒸発器8においてその内部を循環する冷媒との間で熱交換をして温調空気(冷気)としてその下流側空間に吹き出される。この蒸発器8の下流側空間に吹き出された温調空間は、その一部は上記各背面通風路31,31,・・を通って上記各底部通風路57,57,・・側に供給される。また、他の一部は、上記各開口部27,27から上記各側面通風路32,32側に流入し、該各側面通風路32,32を流下して上記各底部通風路57,57,・・に供給される。そして、この各底部通風路57,57,・・に供給された温調空気は、該各底部通風路57,57,・・を通って上記コンテナ50の他端側へ送られる間に、該各底部通風路57,57,・・から適宜庫内に吹き出され、庫内を均一的に冷却することになる。
【0050】
この場合、上記蒸発器8が「シングルインレット方式」のパス取り方式とされ、且つ該蒸発器8からの吹出空気を上記側面通風路32,32側へ導入する構成を採用しているので、該吹出空気温度の最下点位置は、上記蒸発器8の一端8a寄りに位置する上記側面通風路32内とされることは既述の通りである。そして、この実施形態においては、この吹出空気の最下点温度を検出する必要のある上記温度センサ21を上記開口部29を介して上記側面通風路32内に臨ましめているので、該温度センサ21は吹出空気の最下点温度を確実に検出することとなり、該検出温度に基づく上記冷凍装置1の運転制御が精度良く行われることになる。なお、この場合、上記凹部40の上下両縁部分をそれぞれ傾斜面としているので、上記側面通風路32側を流下する吹出空気はこの傾斜面に沿って上記凹部40側へスムーズに流れ込み上記温度センサ21による温度検出がより精度良く行われることになる。
【0051】
一方、必要に応じて上記温度計挿入口部材15に温度計を挿入して吹出空気の温度を計測するが、この場合、上記側面通風路32内を流れる吹出空気が該側面通風路32内に突出している上記第2筒体17の各空気孔18,18,・・からその内部に流れ込み、上記温度計によって容易且つ確実に計測されるものである。また、この場合、上記温度計挿入口部材15が上記凹部40に配置されていることで、該温度計は、上記温度センサ21により検出されると同様の吹出空気温度を計測することとなり、該温度計により計測された計測値と上記温度センサ21により検出される検出値との比較による該温度センサ21の異常判定がより正確に行われることになる。
【0052】
第2の実施形態
図7には、本願発明の第2の実施形態にかかる冷凍装置1の要部を示している。この実施形態のものは、上記ケーシング2の側壁2aに凹部40を設けるとともに、この凹部40内に上記温度センサ21と温度計挿入口部材15とをそれぞれ配置したものであって、その基本構成は上記第1の実施形態と同様である。そして、この第2の実施形態における特有の構成は、上記温度計挿入口部材15の構成である。即ち、この第2の実施形態においては、図7及び図8に示すように、上記温度計挿入口部材15を、上記ケーシング2の側壁2aを貫通してこれに固定配置される第1筒体16と、該第1筒体16の先端部に折曲自在に取り付けた第2筒体17とで構成している。そして、これら各構成部材のうち、上記第1筒体16は上記第1の実施形態における上記第1筒体16と同一構成であるが、上記第2筒体17は上記第1の実施形態における上記第2筒体17とは異なっている。即ち、この実施形態においては、上記第2筒体17を、例えば適度の剛性をもつ樹脂材により有底筒状に形成し且つその周壁に多数の空気孔18,18,・・を形成するとともに、上記第1筒体16及び上記第2筒体17の軸心から外れた位置にピン19を設けている。さらに、上記第2筒体17の基端側の側方にストッパー面17aを設けている。
【0053】
このように構成した温度計挿入口部材15においては、図17に鎖線図示するように、上記冷凍装置1の上記コンテナ50側への架装時には上記第2筒体17を上記ピン19を中心として側方へ回動させることでこれを上記凹部40内に収めることができ、架装時において該第2筒体17が上記コンテナ50側の上記開口53の内面及び上記通風路形成部材55の内側面55aと干渉するのが防止される。
【0054】
一方、上記冷凍装置1の上記コンテナ50側への架装完了後においては、上記温度計挿入口部材15の第1筒体16側から温度計を挿入してその先端で上記ストッパー面17aを押圧すると、上記ピン19が偏芯していることで上記第2筒体17に上記ピン19回りのモーメントが作用し、図8に実線図示するように上記第2筒体17は第1筒体16と略同軸状にセットされ、上記温度計を挿入しての温度計測が可能となるものである。
【0055】
第3の実施形態
図9には、本願発明の第3の実施形態にかかる冷凍装置1の要部を示している。この実施形態のものは、上記ケーシング2の側壁2aに凹部40を設けるとともに、この凹部40内に上記温度センサ21と温度計挿入口部材15とをそれぞれ配置したものであって、その基本構成は上記第1及び第2の実施形態と同様である。そして、この第3の実施形態における特有の構成は、上記温度計挿入口部材15の構成である。即ち、この第3の実施形態においては、上記温度計挿入口部材15を、上記ケーシング2の側壁2aを貫通してこれに固定配置される第1筒体16と、該第1筒体16の先端部に折曲自在に取り付けた第2筒体17とで構成している。そして、これら各構成部材のうち、上記第1筒体16は上記第1及び第2の実施形態における上記第1筒体16と同一構成であるが、上記第2筒体17は上記各実施形態における上記第2筒体17とは異なっている。即ち、この実施形態においては、上記第2筒体17を、軸方向に伸縮自在な蛇腹状に形成するとともに多数の空気孔18,18,・・を形成している。
【0056】
このように構成した温度計挿入口部材15においては、上記冷凍装置1の上記コンテナ50側への架装時には上記第2筒体17を縮小させてその先端を上記凹部40内に収めることで、架装時において該第2筒体17が上記コンテナ50側の上記開口53の内面及び上記通風路形成部材55の内側面55aと干渉するのが防止される。
【0057】
一方、上記冷凍装置1の上記コンテナ50側への架装完了後においては、上記温度計挿入口部材15の第1筒体16側から温度計を挿入し、伸縮状態にある上記第2筒体17を該温度計の先端で前方へ押し出すことでこれを伸長させて上記側面通風路32内へ臨ませる。これで、上記温度計挿入口部材15に温度計を挿入しての温度計測が可能となるものである。
【0058】
第4の実施形態
図10には、本願発明の第4の実施形態にかかる冷凍装置1を示している。この冷凍装置1の基本構造は、上記各実施形態のものと同様であり、上記ケーシング2の一方の側壁2a側に上記凹部40を設けた点もしかりである。そして、この実施形態のものが上記各実施形態のものと異なる点は、上記凹部40に配置される温度センサ21と上記温度計挿入口部材15の配置構造である。以下、この温度センサ21と上記温度計挿入口部材15の配置構造について具体的に説明する。
【0059】
この実施形態における上記各部材の配置構造に対する基本思想は次の通りである。先ず、上記温度センサ21の配置構造に関しては、該温度センサ21を上記凹部40内に収めることで上記冷凍装置1の上記コンテナ50側への架装時における上記開口53の内面等との干渉を未然に回避するという点は、上記各実施形態の場合と同様であるが、これら各実施形態のように上記温度センサ21を直接上記凹部40内に配置するのではなく、図12に示すように温度センサ取付部材23を介して上記凹部40側に配置するようにしたものであり、この点が上記各実施形態の場合と異なっている。即ち、図12に示すように、その先端部分の周壁に多数の空気孔18,18,・・を形成した所定長さの筒体でなる温度センサ取付部材23を用意し、この温度センサ取付部材23の内部先端部分に上記温度センサ21を収納配置し、且つ該温度センサ21から延びるリード線22を上記温度センサ取付部材23の開口端側へ引き出すとともに、該温度センサ取付部材23内に断熱材を充填して上記温度センサ21及び上記リード線22を固定保持するようにしている。そして、この温度センサ21を備えた温度センサ取付部材23を、上記ケーシング2の側壁2aに、上記第2機器収容室5B側から斜め前方へ向けて貫通配置し且つこれを該側壁2aに固定している。尚、この場合、上記温度センサ取付部材23の先端部がほぼ上記凹部40内に収納されるように、該温度センサ取付部材23の上記側壁2aに対する取付位置を相対的に設定している。
【0060】
このように、上記温度センサ取付部材23を介して上記温度センサ21を取り付けた場合、先ず上記温度センサ取付部材23の先端部が上記凹部40内に収められていることで、上記冷凍装置1の上記コンテナ50への架装時に該温度センサ取付部材23が上記開口53の内面及び上記通風路形成部材55の内側面55aと干渉するということが未然に防止され、上記温度センサ21の信頼性が確保されるものである。
【0061】
一方、上記温度計挿入口部材15は、図11に示すように、その先端部に多数の空気孔18,18,・・を備えた所定長さの筒体で一体構成される。そして、この温度計挿入口部材15は、上記温度センサ取付部材23と同様に、上記ケーシング2の側壁2aを上記第2機器収容室5B側から斜め前方へ貫通して配置され且つ該側壁2aに固定される。この場合、上記温度計挿入口部材15の先端部は、上記凹部40内に収められている。このように、筒体でなる温度計挿入口部材15を、その先端部を上記凹部40内に収めた状態で取り付けると、上記冷凍装置1の上記コンテナ50への架装時に上記温度計挿入口部材15が上記開口53の内面及び上記通風路形成部材55の内側面55aと干渉するということが未然に防止される。
【0062】
以上のように、この実施形態のものにおいては、上記温度計挿入口部材15と上記温度センサ取付部材23が共に上記凹部40内に収容状態で配置されるので、上記冷凍装置1の上記コンテナ50への架装時に該温度計挿入口部材15及び温度センサ取付部材23と上記開口53の内面等との干渉を全く気にすることなく作業を行うことができるので、架装作業のより一層の容易化が期待できるものである。
【0063】
また、上記温度計挿入口部材15と上記温度センサ取付部材23とが同一構成であるので、例えばこれら両者をそれぞれ専用部材として構成する場合に比して、部品点数の削減が可能となり、延いては冷凍装置1の製造コストの低減が図れることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置の側面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】図1のIV部の拡大図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】図4のVI−VI拡大断面図である。
【図7】本願発明の第2の実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置の要部断面図である。
【図8】図7に示す温度計挿入口部材の拡大図である。
【図9】本願発明の第3の実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置の要部断面図である。
【図10】本願発明の第4の実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置の側面図である。
【図11】図10のXI−XI拡大断面図である。
【図12】図10のXII−XII拡大断面図である。
【図13】従来のコンテナ用冷凍装置の概念図である。
【図14】図13のXIV−XIV矢視図である。
【符号の説明】
1は冷凍装置、2はケーシング、3は庫外ケーシング、4は庫内ケーシング4、5A及び5Bは機器収容室、6は庫内ファン、7はモーター、8は蒸発器、9はドレンパン、10は分流器、11は凝縮器、12は庫外ファン、13は圧縮機、14は配電盤、15は温度計挿入口部材、16は第1筒体、17は第2筒体、18は空気孔、19はピン、21は温度センサ、22はリード線、23は温度センサ取付部材、24は裏板、25は突条、27〜29は開口部、30は断熱層、31は背面通風路、32は側面通風路、33は前壁、34は底壁、35は側壁、36は固定壁、40は凹部、41は溝、43は側壁、44は後壁、50はコンテナ、51は周壁、52は端面壁、53は開口、55は通風路形成部材、56はバッファプレート、57は底部通風路である。
Claims (7)
- 略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング(2)に蒸発器(8)、凝縮器(11)等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口(53)を備えるとともに該開口(53)の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路(32),(32)をそれぞれ設けたコンテナ(50)の上記開口(53)に対して、上記ケーシング(2)の両側面(2a),(2b)を上記側面通風路(32),(32)にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器(8)から吹き出される吹出空気を上記ケーシング(2)の両側壁(2a),(2b)から上記側面通風路(32),(32)側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置であって、
上記蒸発器(8)が、その一端(8a)側から他端(8b)側に向けて冷媒を循環させる構成とされ且つ上記ケーシング(2)に対してその両側壁(2a),(2b)に該蒸発器(8)の両端(8a),(8b)をそれぞれ対向させた状態で配置される一方、
上記ケーシング(2)の上記両側壁(2a),(2b)のうち、上記蒸発器(8)の上記一端(8a)に対応する側壁(2a)に、該ケーシング(2)の内部側へ凹入し且つ上記コンテナ(50)への架装状態において上記側面通風路(32)に臨ましめられる凹部(40)が形成されるとともに、
該凹部(40)内には温度センサ(21)が、その先端が少なくとも上記開口(53)の口縁及び上記側面通風路(32)の通路壁(55)よりも上記開口(53)の内側寄りに位置せしめられた状態で取り付けられていることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。 - 略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング(2)に蒸発器(8)、凝縮器(11)等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口(53)を備えるとともに該開口(53)の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路(32),(32)をそれぞれ設けたコンテナ(50)の上記開口(53)に対して、上記ケーシング(2)の両側面(2a),(2b)を上記側面通風路(32),(32)にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器(8)から吹き出される吹出空気を上記ケーシング(2)の両側壁(2a),(2b)から上記側面通風路(32),(32)側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置であって、
上記蒸発器(8)が、その一端(8a)側から他端(8b)側に向けて冷媒を循環させる構成とされ且つ上記ケーシング(2)に対してその両側壁(2a),(2b)に該蒸発器(8)の両端(8a),(8b)をそれぞれ対向させた状態で配置される一方、
上記ケーシング(2)の上記両側壁(2a),(2b)のうち、上記蒸発器(8)の上記一端(8a)に対応する側壁(2a)に、上記吹出空気を導入する空気孔(18)を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材(15)が備えられるとともに、
上記温度計挿入口部材(15)が、少なくとも上記開口(53)の口縁及び上記側面通風路(32)の通路壁(55)よりも上記開口(53)の内側寄りに位置する収納時姿勢と、上記側面通風路(32)内に突出する使用時姿勢との間において姿勢変更可能なる如く構成されていることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。 - 略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング(2)に蒸発器(8)、凝縮器(11)等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口(53)を備えるとともに該開口(53)の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路(32),(32)をそれぞれ設けたコンテナ(50)の上記開口(53)に対して、上記ケーシング(2)の両側面(2a),(2b)を上記側面通風路(32),(32)にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器(8)から吹き出される吹出空気を上記ケーシング(2)の両側壁(2a),(2b)から上記側面通風路(32),(32)側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置であって、
上記蒸発器(8)が、その一端(8a)側から他端(8b)側に向けて冷媒を循環させる構成とされ且つ上記ケーシング(2)に対してその両側壁(2a),(2b)に該蒸発器(8)の両端(8a),(8b)をそれぞれ対向させた状態で配置される一方、
上記ケーシング(2)の上記両側壁(2a),(2b)のうち、上記蒸発器(8)の上記一端(8a)に対応する側壁(2a)に、該ケーシング(2)の内部側へ凹入し且つ上記コンテナ(50)への架装状態において上記側面通風路(32)に臨ましめられる凹部(40)が形成される一方、
該凹部(40)内には、上記吹出空気を導入する空気孔(18)を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材(15)が備えられるとともに、
上記温度計挿入口部材(15)が、少なくとも上記開口(53)の口縁及び上記側面通風路(32)の通路壁(55)よりも上記開口(53)の内側寄りに位置した状態で該凹部(40)内に収納される収納時姿勢と、上記側面通風路(32)内に突出する使用時姿勢との間において姿勢変更可能なる如く構成されていることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。 - 請求項3において、
上記温度計挿入口部材(15)が、弾性材により形成され、上記ケーシング(2)の上記コンテナ(50)の開口(53)への架装時には該開口(53)又は上記側面通風路(32)の通路壁(55)との干渉により弾性変形して上記収納時姿勢とされ、上記開口(53)又は上記側面通風路(32)の通路壁(55)との干渉が解消された状態ではその弾性復元力により上記使用時姿勢とされることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。 - 請求項3において、
上記温度計挿入口部材(15)が、折曲可能とされ、折曲操作によって上記収納時姿勢と使用時姿勢とを任意に選択し得るように構成されていることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。 - 請求項3において、
上記温度計挿入口部材(15)が軸方向に伸縮可能に構成され、その縮小状態においては上記収納時姿勢とされ、その伸長状態においては上記使用時姿勢とされることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。 - 略矩形偏平状の外観形態をもつケーシング(2)に蒸発器(8)、凝縮器(11)等の冷凍システム構成用機器を取り付けて構成され、矩形状の開口(53)を備えるとともに該開口(53)の左右両側部に沿って上下方向に延びる側面通風路(32),(32)をそれぞれ設けたコンテナ(50)の上記開口(53)に対して、上記ケーシング(2)の両側面(2a),(2b)を上記側面通風路(32),(32)にそれぞれ近接対向させた状態で架装され、上記蒸発器(8)から吹き出される吹出空気を上記ケーシング(2)の両側壁(2a),(2b)から上記側面通風路(32),(32)側へ導入するようにしたコンテナ用冷凍装置であって、
上記蒸発器(8)が、その一端(8a)側から他端(8b)側に向けて冷媒を循環させる構成とされ且つ上記ケーシング(2)に対してその両側壁(2a),(2b)に該蒸発器(8)の両端(8a),(8b)をそれぞれ対向させた状態で配置される一方、
上記ケーシング(2)の上記両側壁(2a),(2b)のうち、上記蒸発器(8)の上記一端(8a)に対応する側壁(2a)に、該ケーシング(2)の内部側へ凹入し且つ上記コンテナ(50)への架装状態において上記側面通風路(32)に臨ましめられる凹部(40)が形成されるとともに、
該凹部(40)内には、上記吹出空気を導入する空気孔(18)を有し且つその内部に温度計を嵌挿可能とした温度計挿入口部材(15)が、その先端が少なくとも上記開口(53)の口縁及び上記側面通風路(32)の通路壁(55)よりも上記開口(53)の内側寄りに位置せしめられた状態で取り付けられていることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。
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