JP3541534B2 - 回転電機の回転子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電動機などの回転電機の回転子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スタータ等の小型直流電動機の回転子は、回転軸が装着された電機子鉄心に対して、モールド成形を含む整流子製造工程、電機子コイル巻装工程、整流子組み付け工程、整流子片に電機子コイルを接合する接合工程を順番に実施して製造される。
一方、特開昭63−194541号公報は、回転軸に嵌められたモールド樹脂筒(絶縁材)の表面に軸方向に伸びるブラシ接触部を部分的に埋め込み、且つ、モールド樹脂筒の内部に周方向に傾斜しつつ軸方向へ延伸する内側導体を埋め込み、ブラシ接触部の一端から径方向へ外側ライザ部へ延設し、この外側ライザ部と電機子鉄心との間にてこれら両者から電気絶縁しつつ内側導体の一端から径方向に内側ライザ部を延伸させてなる整流子片を開示している。このようにすれば、コイルエンドを省略することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の整流子片は、径大なライザ部を要するので、半径に比例する整流子片の遠心力が従来より格段に増大し、それを担持するモールド樹脂筒の負担が大きく、モータを高速回転することができないという問題を内包する。また、モールド樹脂筒中に整流子片すなわちブラシ接触部及び内側導体の両方を径方向に二段に担持しなければならず、モールド樹脂筒の負担は従来の場合より一層過酷となっている。また、ブラシとの摩擦部で発生した摩擦熱を両ライザ部まで伝達する必要があるので、ブラシ接触部や内側軸方向導体部を支持するモールド樹脂筒はかなりの高温となってしまう。さらに、内側導体を周方向に斜設しなければならないので、モールド樹脂筒の軸方向長を短縮できない不具合がある。
【0004】
上述の問題に鑑み、本発明者は、直流電動機の電機子鉄心の外周面に形成されたスロットに収容されスロットの両端開口部から両端が突出するコイル片と、このコイル片と電気的に接続され電機子鉄心の端面に沿って回転軸側へ延設される一対のコイル端部とからなる半ターンの略コ字形のコイル導体を形成し、各スロットに上記コイル導体を上下一対挿入し上側コイル導体のコイル端部の末端部を所定角離れた下側コイル導体のコイル端部の末端部に接合して電機子コイルを構成した電機子を開発した。
【0005】
そして、本発明者は、図10に示すように、上下コイル導体14、15を挿入するためのスロットを備えた電機子鉄心12と電機子鉄心12の中心に装着された回転軸11とを予め一体としたロータを用意し、これに上記の上下一対のコイル導体14、15を挿入したのち、各上下コイル導体14、15の先端面14d、15dを接合することにより電機子コイル13を構成しようとした。
【0006】
しかしながら、この技術では、回転軸11が上下コイル導体14、15の接合部である先端面14d、15dの近傍に存在するため、電機子鉄心12に予め回転軸11を装着した状態で上下コイル導体14、15の先端面14d、15dを接合しようとすると、接合作業の作業スペースを広く取ることができない。また、この接合を、図10に示すように溶接トーチ47を用いた溶接で実施する場合、接合部近傍に接合部を冷却、保持する保持冷却治具31を配設した状態で溶接作業を実施することとなる。従って、電機子鉄心12に回転軸11が装着されていると、接合部内側に配設されるこの保持冷却治具31を、溶接を確実に行うために十分な形状(特に、肉厚)とすることが不可能となり、治具の強度、保持力の確保、冷却効果、寿命の各項目に関して不具合を生ずることとなる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、上下コイル導体の接合作業性を向上する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る回転電機の回転子の製造方法は、複数のスロット内に収納されスロットの両端から突出するコイル片と、これらコイル片の両端から径方向内側に延び、サーフェイス型の整流子を構成する一対のコイル端部とを有する上層および下層コイル導体を備えた電機子鉄心を準備し、下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部と所定角離れた上層コイル導体のコイル端部の径方向内端部とを、サーフェイス型の整流子より径方向内側であって、しかも電機子鉄心の中心孔より径方向外側にて電気的に接合する接合工程を行って電機子コイルを形成し、その後に、電機子鉄心の中心孔に回転軸を嵌着する。
従って、上層コイル導体と下層コイル導体の各径方向内端部を電気的に接合する接合工程を行う際には、接合部分より径方向内側方向には、回転軸が存在しないため、回転軸が装着される部位に、接合部分の近傍を保持し、かつ接合時の接合部近傍の冷却のための治具を配置させることができるため、保持、冷却のための治具の寸法を大きく、またその熱容量を大きくしたものを用いることができる。
この結果、接合の作業性が向上し、接合部分を確実に接合させることができ、不良品の発生を低下させることができ、生産効率を上げることができる。
【0009】
請求項2では、電機子鉄心の中心に、下層コイル導体を保持するとともに自転自在に配設される冷却治具を備えている。従って、接合工程において、電機子鉄心を、回転可能に保持するとき、同時に、冷却治具によって溶接予定領域の径方向内側で下層コイル導体を保持することによって、電機子鉄心の回動位置に関係なく常に下層コイル導体を保持、冷却することができるため、上下コイル導体の接続部の接合予定領域に近接して溶接機の溶接トーチの先端を近接配置しておくことで、溶接トーチにより溶接予定領域を溶接する溶接工程と、電機子鉄心を所定角度回動させる回動工程とを単純に繰り返すだけで、次々に各溶接予定領域の溶接を行うことができる。この結果、各溶接要請領域の溶接を短時間で終了することができ、生産効率が向上する。
【0010】
請求項3では、冷却治具内に、冷却用液体を循環させるための空間を形成されているため、冷却治具の冷却効果が大幅に増大する。また、冷却治具を常に低温に維持することができるため、接合状態を均一化することができ、接合不良の発生を低減することができる。また、冷却治具の寿命を延長させることもできる。
【0011】
請求項4に係る回転電機の回転子の製造方法は、略円柱形状の電機子鉄心の外周面に形成された複数のスロットにそれぞれ絶縁して収容されスロットの両端から突出するコイル片とコイル片の両端から電機子鉄心の軸芯に向かって所定の角度をなして延設され、サーフェイス型の整流子を構成する一対のコイル端部とからなり互いに絶縁してスロット内に配された上層コイル導体及び下層コイル導体を有し、下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部と所定角離れた上層コイル導体のコイル端部の径方向内端部とが電気的に接続されて電機子コイルを形成する回転電機の回転子の製造方法であって、薄い鋼板から略円盤状にプレスマシンで打ち抜き加工されたプレートを複数枚積層して一体として電機子鉄心を形成し、この電機子鉄心に下層コイル導体との電気的絶縁を確保するための絶縁処理を施した後にスロット内に下層コイル導体を収容し、下層コイル導体と電気的絶縁を確保しつつ上層コイル導体をスロット内に収容し、下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部と所定角離れた上層コイル導体のコイル端部の径方向内端部とを、サーフェイス型の整流子より径方向内側であって、しかも電機子鉄心の中心孔より径方向外側にて接合する接合工程を行って電機子コイルを形成し、その後に、電機子鉄心の中心孔に回転軸を嵌着する。
【0012】
従って、上記請求項1と同様に、上層コイル導体と下層コイル導体の各径方向内端部を電気的に接合する接合工程を行う際には、接合部分より径方向内側方向には、回転軸が存在しない。
このため、回転軸が装着される部位に、接合部分の近傍を保持し、また接合時の接合部近傍の冷却のための治具を配置させることができるため、保持、冷却のための治具の寸法を大きく、またその熱容量を大きくしたものを用いることができる。
この結果、接合の作業性が向上し、接合部分を確実に接合させることができ、不良品の発生を低下させることができる。生産効率を上げることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本実施例の直流電動機の回転子1を示す。
図1の回転子1において、11は回転軸、12は電機子鉄心、13は上層コイル導体14と下層コイル導体15とからなる電機子コイル、21、22、23は絶縁プレートである。
【0014】
電機子鉄心(コア)12は、薄い鋼板から略円盤状にプレスマシンで打ち抜き加工されたプレートを複数枚積層し、打ち出し等によって一体としてある。
電機子鉄心12の外周には、図2に示すように、電機子コイル13を収容するための多数のスロット12aが軸方向に形成され、各スロット12aの両側には、スロット12aの開口を防ぎ、電機子コイル13を固定するための突起12bが同じく軸方向に設けられている。スロット12aの中心側と外周側には、電機子コイル13の下層コイル導体15と上層コイル導体14がそれぞれ収容される。
【0015】
各コイル導体14、15は、図3(a)に示すように、おおよそ厚さが1mmより厚い銅板をプレス打ち抜きによって得られた展開体13Aを、図3(b)に示すように、末端部13cをコイル端部13bに対して約90°折り曲げ加工し、さらに、コイル端部13bをコイル片部13aに対して逆向きに約90°それぞれ折り曲げ加工して図3(c)に示すように、略コ字状に形成したものである。
展開体13Aにおいて、コイル端部13bは、コイル片部13aの両端からコイル片部13aに対して角度θbをなして設けられ、末端部13cは、コイル端部13bに対して角度θcを成して設けられている。
【0016】
これによって、コイル片部13aは、両端が露出してスロット12a内に配され、コイル端部13bは、その両端から電機子鉄心12の軸心へ向かって所定の角度θbをなして延設されて、図4に示すように、電機子鉄心12の軸心に対してそれぞれ角度θbだけずれた方向を指向したサーフェイス型の整流子を構成する。なお、各角度θbは、上層コイル導体14と下層コイル導体15においてそれぞれ別途設定されている。
【0017】
以下、回転子1の電機子コイル13の組み付け工程を図5に基づいて説明する。なお、図5では、多数のスロット12aのうち1スロットについてのみを図示してあり、他のスロットおよび電機子コイル13については図示を省略してある。
【0018】
電機子鉄心12と下層コイル導体15との絶縁を確保するために、電機子鉄心12の軸方向の両端部に絶縁プレート21を装着し、各スロット12aにスロット数と同数の絶縁用のスロットインシュ17を装着する。この絶縁工程は樹脂などを用いた粉体塗装などによって実施してもよい。
次に、各スロット12aのスロットインシュ17の上層にスロット数と同数の略コ字状の下層コイル導体15を装着する。
【0019】
次に、上下コイル導体14、15間の絶縁を確保するために、絶縁プレート22を電機子鉄心12の両端の下層コイル導体15のコイル端部15bの表面に装着し、各スロット12a内の下層コイル導体15の上層にスロット数と同数の絶縁用のスロットインシュ18を装着する。
次に、スロット12a内のスロットインシュ18の上層にスロット数と同数の略コ字状の上層コイル導体14を装着する。
この結果、上層コイル導体14の末端部14c及びコイル端部14bの末端部14c近傍は、所定数だけずれた下層コイル導体15の末端部15c及びコイル端部15bの末端部15c近傍と重なることになる。
【0020】
次に、上下コイル導体14、15の末端部14c、15cの先端面14d、15dの接合を行う。
この接合工程のためのTIG溶接装置100を図6に示す。
図6において、40はベース、41はモータ、42は減速機、43はワーク下側保持具でワークを回転駆動させる。44はワーク上側保持具でワークを保持しながら、ワーク下側保持具43の回転に追従する。
【0021】
45はアースを兼ねた上導体冷却治具で、先端面14d、15dの近傍まで上導体冷却治具45で覆うことによって先端面14d、15d以外の末端部14c、15cの溶融を防止する作用がある。
46は下導体冷却治具で下層コイル導体15の末端部15cの内側に配置され、下層コイル導体15の末端部15cを外周側へ押し拡げることで、上下コイル導体14、15の末端部14c、15cの隙間を無くし、被溶接箇所を保持し、また、接合部である先端面14d、15d以外の末端部14c、15cの溶融を防止する作用も合わせ持つ。
【0022】
47はタングステン電極、冷却水循環路、シールドガスノズルから構成される溶接トーチであって、ベース40に保持され、先端部の位置、姿勢等は可変となっており、接合部の形状、回転速度、アーク出力等により適宜調整される。
48は溶接トーチ47の先端から放出されるアークであり、その熱エネルギによって先端面14d、15dが溶融、結合される。
【0023】
101は溶接コントローラでアーク48のオン・オフ、アーク48の出力制御を行う。102はコンピュータ又はシーケンサで溶接機全体の制御、ワークの脱着、ワークの回転とアークの制御のシーケンス制御を行う。103はモータ制御ユニットでモータ41のオン・オフ、モータ速度を制御する。104はシールドガス供給装置で溶接状態を安定させるためのシールドガスを供給する。105は高周波発生装置で溶接に必要な高周波を発生させる。106は冷却水供給装置で溶接トーチ47内部の冷却水を循環させる。110は電源装置である。
【0024】
以上の構成からなるTIG溶接装置100による接合工程は、図7に示すように、次のように行われる。
上層コイル導体14及び下層コイル導体15等がスロット12a内に装着されたワークを、ワーク下側保持具43内に保持し、さらに上導体冷却治具45及び下導体冷却治具46をワークに保持接触させて、上層コイル導体14と下層コイル導体15の各末端部14c、15cを概ね接触させる。
ワークを上導体冷却治具45、下導体冷却治具46及びワーク下側保持具43とともに一体に、減速機42を介してモータ41によって所定の回転速度で駆動させて、末端部14c、15cの先端面14d、15dにてTIG(タングステン、イナート、ガス)溶接により連続溶接する。
【0025】
このように、先端面14d、15dの接合工程では、回転軸11は電機子鉄心12に装着されていないため、下導体冷却治具46の形状及び寸法が、回転軸11に規制されることがなく、形状の選択の自由度が増す。このため、下導体冷却治具46自体の容積を大きくすることができ、それによって、冷却効果を増加させることができる。
【0026】
上下コイル導体14、15の両端に関して、上記の接合作業を施した後、突起12bを図2の破線のように加締めて、各コイル導体14、15を電機子鉄心12に固定して、その後、必要に応じて、絶縁部材23および補強部材24等を装着して、図8に示すような電機子コイル13が収納された電機子鉄心12を完成し、さらに、電機子鉄心12の中心孔12bに回転軸11を圧入装着して図1に示すような回転子1を製造する。
【0027】
図9に本発明の他の実施例を示す。
この実施例では、下導体冷却治具46に冷却液体を通過させるための液通路46aを形成してある。この液通路46aは、下導体冷却治具46の強度を確保できる範囲内で任意の形状を設定することができる。
図9(a)では、単純な空洞を形成した液通路46aを示しているが、図9(b)、図9(c)では、冷却液体の流入側と流出側とが明確に設定できるような通路となっており、液通路46a内を円滑に通過できるようになっている。
【0028】
上記第1実施例においては、上層コイル導体14および下層コイル導体15をなす電機子コイル13を、コイル片部13a、コイル端部13b、末端部13cを一体に形成しているが、コイル片部13a、コイル端部13bを溶接等で電気的に接続してもよい。
また、第1実施例においては、電機子コイル13は、それぞれコイル片部13a、コイル端部13b、末端部13cを形成した後に、電機子鉄心12のスロット12aに挿入しているが、電機子鉄心12のスロット12aに直線状のコイルを挿入し、コイル挿入後、端部を折り曲げて、コイル端部13b、末端部13cを形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造された直流電動機の回転子を示す軸方向断面図である。
【図2】本発明による製造過程における電機子鉄心の形状を示す部分平面図である。
【図3】本発明の製造方法において使用されるコイル導体を示し、(a)はコイル導体の展開体を示す展開図、(b)はコイル導体の成形過程図、(c)はコイル導体の成形完了斜視図である。
【図4】本発明による製造過程における電機子鉄心とコイル導体のコイル端部との関係を示す電機子鉄心の平面図である。
【図5】本発明の製造方法を説明するための電機子鉄心とコイル導体その他の組み付け図である。
【図6】本発明の製造方法においてコイル導体の先端面の接合を行うための溶接装置を示す概略構成図である。
【図7】本発明の製造方法における溶接装置によるコイル導体の先端面の接合を説明するための部分構成図である。
【図8】本発明の製造方法における溶接装置によるコイル導体の先端面の接合を完了した電機子鉄心を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施例によるコイル導体の接合を説明するための溶接装置及び電機子鉄心を示す部分構成図である。
【図10】本発明前の開発における製造方法によるコイル導体の接合を説明するための溶接装置及び電機子鉄心を示す部分構成図である。
【符号の説明】
1 回転子(回転電機の回転子)
11 回転軸
12 電機子鉄心
12a スロット
13 電機子コイル
13a コイル片
13b コイル端部
13c 末端部(径方向内端部)
14 上層コイル導体
15 下層コイル導体
46 下導体冷却治具
46a 液通路(空間)
47 溶接トーチ
100 TIG溶接層(溶接機)
Claims (4)
- 複数のスロット内に収納され前記スロットの両端から突出するコイル片と、これらコイル片の両端から径方向内側に延び、サーフェイス型の整流子を構成する一対のコイル端部とを有する上層および下層コイル導体を備えた電機子鉄心を準備し、
前記下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部と所定角離れた前記上層コイル導体のコイル端部の径方向内端部とを、前記サーフェイス型の整流子より径方向内側であって、しかも前記電機子鉄心の中心孔より径方向外側にて電気的に接合する接合工程を行って前記電機子コイルを形成し、
その後に、前記電機子鉄心の中心孔に前記回転軸を嵌着することを特徴とする回転電機の回転子の製造方法。 - 前記電機子鉄心の中心に、前記下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部を保持するとともに自転自在に配設される冷却治具を備え、
前記下層コイル導体の前記径方向内端部と前記上層コイル導体の前記径方向内端部との前記接合工程は、
前記電機子鉄心を回転可能に保持し、前記上下コイル導体の接続部の接合予定領域に近接して溶接機の溶接トーチの先端を近接配置し、
その後、前記溶接トーチに近接する前記上下コイル導体を接地しつ前記溶接トーチにより前記溶接予定領域を溶接する溶接工程と、
前記溶接終了後、前記電機子鉄心を所定角度回動させる回動工程とを実施し、
その後、前記溶接工程及び前記回動工程を順次実施する工程であることを特徴とする請求項1記載の回転電機の回転子の製造方法。 - 前記冷却治具内に、冷却用液体を循環させるための空間を形成したことを特徴とする請求項2記載の回転電機の回転子の製造方法。
- 略円柱形状の電機子鉄心の外周面に形成された複数のスロットにそれぞれ絶縁して収容され前記スロットの両端から突出するコイル片と前記コイル片の両端から前記電機子鉄心の軸芯に向かって所定の角度をなして延設され、サーフェイス型の整流子を構成する一対のコイル端部とからなり互いに絶縁して前記スロット内に配された上層コイル導体及び下層コイル導体を有し、
前記下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部と所定角離れた前記上層コイル導体のコイル端部の径方向内端部とが電気的に接続されて電機子コイルを形成する回転電機の回転子の製造方法であって、
薄い鋼板から略円盤状にプレスマシンで打ち抜き加工されたプレートを複数枚積層して一体として前記電機子鉄心を形成し、
この電機子鉄心に前記下層コイル導体との電気的絶縁を確保するための絶縁処理を施した後に前記スロット内に前記下層コイル導体を収容し、
前記下層コイル導体と電気的絶縁を確保しつつ前記上層コイル導体を前記スロット内に収容し、
前記下層コイル導体のコイル端部の径方向内端部と所定角離れた前記上層コイル導体のコイル端部の径方向内端部とを、前記サーフェイス型の整流子より径方向内側であって、しかも前記電機子鉄心の中心孔より径方向外側にて接合する接合工程を行って前記電機子コイルを形成し、
その後に、前記電機子鉄心の中心孔に回転軸を嵌着することを特徴とする回転電機の回転子の製造方法。
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