JP3541442B2 - 温水暖房機の室内機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はファンコンベクタと呼ばれる温水暖房機の室内機の構成ならびに運転制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
温水暖房機には例えば図3に示すようなファンコンベクタと呼ばれる室内機31と、油だき温水ボイラと呼ばれ、前記室内機31の熱源機として利用される室外機32とからなるものがある。室内機31にはその筐体33の後方上部に室内空気の吸込口34が有り、前方下部に室内への吹出口35が有り、内部には室外機32からの温水を熱源とする熱交換器36と、この熱交換器36で暖められた空気を室内へ送出する送風機37と、同送風機37を制御する制御部38とが有り、筐体33の前面上部には運転操作部39が、また、背面下部には図示はされてないが室内温度を検出する温度センサが設けられている。一方の室外機32側には温水を生成するボイラ40と、温水を蓄えるシスタンク41と、温水を室内機31へ循環させるポンプ42と、ボイラ40およびポンプ42等を制御する室外機制御部43が有り、この室外機制御部43と室内機31側の制御部38とは図示されてない信号線で結ばれ、また、室外機32と熱交換器36との間は温水の往き管44と戻り管45で繋がれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、温水を利用する暖房機には上述のように構成された温水(温風)暖房機とは別に床暖房がある。これらは何れも室外機で生成された温水を利用するため、例えば上述の室外機32から室内機31に流入する温水を床暖房に利用できれば便利である。しかしながら、床暖房に用いる温水の温度は60℃以下が適当であるのに対し、室外機32から熱交換器36に流入する温水の温度は約80℃と高いためそのままでは床暖房に利用できないという問題点がある。また、熱交換器36から室外機32に戻る温水の温度は約60℃まで低下しているので何とか床暖房に利用できるが、このような温水温度にするには室内機31側の送風機37を必ず運転しなければならないという条件が伴い、床暖房のみを行うことは不可能であった。したがって、本発明においては、これらの問題点を解決し、熱交換器36に流通させる温水を床暖房にも利用できるようにした温水暖房機の室内機を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、後方上部に室内空気の吸込口を、前方下部に室内への吹出口を設けた筐体の内側に温水を熱源とする熱交換器と、同熱交換器で暖められた空気を室内に送出する送風機と、同送風機等を制御する制御部とを備えてなるものにおいて、前記熱交換器に温風暖房用の熱交換部と、床暖房用の温水を生成させる熱交換部とを一体に設け、温風暖房運転と床暖房運転とを任意に行えるようにするとともに、温風暖房のみの運転では室外機からの温水を前記熱交換器全体に循環させるようにした。
【0005】
【作用】
上記の構成であれば、温風暖房用の熱交換部から床暖房用の熱交換部への熱伝導により床暖房用の温水を生成できるので温風暖房運転と床暖房運転を任意に行うことができると共に、温風暖房のみの運転では室外機からの温水を熱交換器全体に循環させるので熱交換器が有効活用され、温風暖房能力が高まる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1〜図2に基づいて説明する。図1は温水暖房機の概略構成を表したもので、1はファンコンベクタと呼ばれる室内機、2は油だき温水ボイラと呼ばれ、室内機1の熱源機として利用される室外機、3は床暖房パネルである。室内機1にはその筐体4の後方上部に室内空気の吸込口5が有り、前方下部に室内への吹出口6が有る。また、前方上部には運転操作部7が有り、後方には床暖房用の温水タンク8が設けられている。筐体4の内部には室外機2からの温水を熱源とする熱交換器9と、この熱交換器9で暖められた空気を室内へ送出する送風機10と、同送風機10等を制御する制御部11と、床暖房用の温水を循環させるポンプ12が配置されている。一方の室外機2側には図示はされてないが、従来例で説明したような温水を生成するボイラと、温水を蓄えるシスタンクと、温水を熱交換器9へ循環させるポンプと、ボイラおよびポンプ等を制御する室外機制御部等が有り、この室外機制御部と室内機1側の制御部11とは図示されてない信号線で結ばれている。
【0007】
ところで、本実施例の特徴とするところは、熱交換器9に温風暖房用の熱交換部9aと、この熱交換部9aからの熱伝導により床暖房用の温水を生成させる熱交換部9bとを一体に設けて温風暖房運転と床暖房運転とを任意に行えるようにするとともに、熱交換器9と室外機2間および床暖房パネル3間の温水経路を図1に示すように構成して温風暖房のみの運転では室外機2からの温水を熱交換器9全体に循環させるようにしたことである。以下、温水経路について説明する。室外機2と熱交換部9aの入口13との間は往き管14で繋がれ、熱交換部9aの出口15と室外機2とを繋ぐ戻り管16には温風暖房運転時のみ閉じる開閉弁A(17)が設けられている。一方、熱交換部9bの出口18と温水タンク8の入口とを繋ぐ温水経路と、床暖房パネル3と熱交換部9bの入口19とを繋ぐ戻り管20にはそれぞれ床暖房運転時に開く開閉弁B(21)と開閉弁C(22)とが設けられている。また、熱交換部9aの出口15と熱交換部9bの入口19との間、および、同熱交換部9bの出口18と室外機2への戻り管16との間にはそれぞれ温風暖房運転時のみ開く開閉弁D(23)および開閉弁E(24)が設けられている。
【0008】
図2は開閉弁17,21,22,23,24の開閉状態を運転形態別にまとめたものである。このように構成された温水経路を有するものでは、室外機2で生成された温水は往き管14を通って熱交換部9aの入口13から入り、同熱交換部9aの出口15から出て開閉弁17および戻り管16を通り、室外機2に戻る。その時、熱交換部9bで生成された温水は開閉弁21を介して温水タンク8に注がれ、ポンプ12の動作で往き管25から床暖房パネル3に循環し、戻りの温水は戻り管20および開閉弁22を通り、熱交換部9bの入口19に戻る。また、温風暖房運転のみが行われるときは開閉弁17,21,22,23,24が図2に示すような状態に制御されるので、室外機2で生成された温水は往き管14を通って熱交換部9aの入口13から入り、同熱交換部9aの出口15から出た後、開閉弁23を通って熱交換部9bの入口19に入り、同熱交換部9bの出口18から出た温水は開閉弁24および戻り管16を通り、室外機2に戻る。従って、温風暖房のみの運転では熱交換器9全体に室外機2からの温水が流れることになり、熱交換器9全体が有効に活用されることになる。なお、言うまでもないが、床暖房のみの運転では送風機10は運転停止されるようになっている。
【0009】
【発明の効果】
以上、説明したような温水暖房機であるならば、温風暖房用の熱交換部から床暖房用の熱交換部への熱伝導により床暖房用の温水が生成されるので温風暖房運転と床暖房運転が任意に行えるとともに、温風暖房のみの運転では室外機からの温水が熱交換器全体に循環するので熱交換器全体が有効活用され、温風暖房能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す温水暖房機の概略構成図である。
【図2】本発明に係わる開閉弁の動作状態を示す図である。
【図3】従来例を示す温水暖房機の概略構成図である。
【符号の説明】
1 室内機(ファンコンベクタ)
2 室外機(油だき温水ボイラ)
3 床暖房パネル
4 筐体
8 温水タンク
9 熱交換器
10 送風機
11 制御部(室内機制御部)
12 ポンプ
17 開閉弁A
21 開閉弁B
22 開閉弁C
23 開閉弁D
24 開閉弁E

Claims (4)

  1. 後方上部に室内空気の吸込口を、前方下部に室内への吹出口を設けた筐体の内側に温水を熱源とする熱交換器と、同熱交換器で暖められた空気を室内に送出する送風機と、同送風機等を制御する制御部とを備えてなるものにおいて、前記熱交換器に温風暖房用の熱交換部と、床暖房用の温水を生成させる熱交換部とを一体に設け、温風暖房運転と床暖房運転とを任意に行えるようにするとともに、温風暖房のみの運転では室外機からの温水を前記熱交換器全体に循環させるようにしてなることを特徴とする温水暖房機の室内機。
  2. 前記室外機と前記温風暖房用の熱交換部とを繋ぐ温水経路の戻り管に温風暖房運転時のみ閉じる開閉弁Aを設けると共に、前記床暖房用の熱交換部と前記床暖房パネルとを繋ぐ温水経路の往き管および戻り管に床暖房運転時に開く開閉弁Bおよび開閉弁Cを設け、かつ、前記温風暖房用の熱交換部の出口と前記床暖房用の熱交換部の入口との間、および、同熱交換部の出口と前記室外機への戻り管との間にそれぞれ温風暖房運転時のみ開く開閉弁Dおよび開閉弁Eを設けてなる請求項1記載の温水暖房機の室内機。
  3. 前記室内機に床暖房用の温水を蓄える温水タンクと、同温水タンクの温水を床暖房パネルに循環させるポンプとを設けてなる請求項1記載の温水暖房機の室内機。
  4. 前記床暖房用の熱交換部の出口と前記温水タンクの入口間に前記開閉弁Bを設けてなる請求項1〜3記載の温水暖房機の室内機。
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