JP3541401B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規にして有用なる硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、加水分解によって2個以上の水酸基を生成することが可能なるシロキシ基含有化合物用の加水分解触媒として、加熱時において、容易に、分解してカルボン酸を生成することが可能なる、ヘミアセタール基および/またはアセタール基を有する化合物という特定の物質を用いることから成る、とりわけ、保存安定性の良好なる硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車産業においては、ライン塗装用として、塗料の安定性ならびに塗膜諸性能などの面から、アクリル樹脂とメラミン樹脂との組み合わせになる塗料系が、主に用いられている。
【0003】
他方、オフライン塗装用としては、低温硬化性ならびに塗膜外観などの面から、アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との組み合わせになる塗料系が、多く用いられている。
【0004】
しかしながら、目下の主流たる、上記メラミン硬化系においては、高温硬化時の熱収縮に起因して、必ずしも、塗膜外観が優れているとは言い難く、しかも、メラミン樹脂の耐酸性不良から、曝露時の酸性雨によって、塗膜が劣化するなどの問題も残されている。
【0005】
また、ポリイソシアネート硬化系は、塗料の可使用時間が短く、従って、かかる硬化系は、連続的に、しかも、大量に、塗料を使用するようなライン塗装には適さない。
【0006】
別途、イソシアネート基を適当なるブロック剤で以て、ブロックせしめた形のポリイソシアネート化合物を用いれば、貯蔵安定性こそ、著しく向上するものの、現状では、ブロック剤の解離温度が高く、プラスチックなどの耐熱性の低い素材の塗装には適さない。
【0007】
これらの諸問題点を改良すべく、特開昭62−283163号公報に記載されている発明によれば、一分子中に2個以上の加水分解性シロキシ基を有する化合物を用いた硬化系が開発されていることが認められ、低温硬化が可能であって、しかも、既存のポリオール使用系に比して、著しく、作業性の改良が為される処とはなっているものの、シロキシ基の加水分解促進触媒の添加下での長期保存安定性は、まさしく、不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、本発明者らは、上述したような従来技術における種々の問題点の存在に鑑み、分子中にシロキシ基を有する化合物をベースとする、長期の保存安定性にも優れるし、しかも、硬化性にも優れるという、極めて実用性の高い組成物を得るべく、鋭意、研究に着手した。
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一にかかって、常温領域での保存安定性が良好であり、かつ、塗膜外観にも優れるし、しかも、硬化塗膜の諸物性のバランス化にも優れる、という斬新なる硬化性組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、分子中にシロキシ基を有する化合物と、水酸基と反応する官能基を有する化合物とから成る組成物に、あるいは、水酸基と反応する官能基とシロキシ基とを併有する化合物に、シロキシ基の加水分解触媒としての、カルボン酸のヘミアセタールエステル基および/またはカルボン酸のヘミケタールエステル基を有する化合物を配合せしめることによって、長期保存安定性と、硬化性とに優れる組成物が得られることを見い出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0011】
すなわち、本発明は、基本的には、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物(A)と、一分子中に少なくとも2個の水酸基と反応する基を有する化合物(B)と、一分子中に少なくとも1個のカルボン酸のヘミアセタールエステル基および/またはカルボン酸のヘミケタールエステル基を有する化合物(C)とを、必須の成分として含有する硬化性組成物を提供しようとするものである。
【0012】
ここにおいて、上記した、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物(A)とは、下に掲げるような一般式[IV]で以て示されるシロキシ基を、一分子中に少なくとも2個有し、しかも、該シロキシ基が炭素原子に結合した構造を有する化合物を指称するものである。
【0013】
【化4】
【0014】
[ただし、式中のR5 は炭素数が1〜18なるアルキル基、またはフェニル基、アリール基もしくはアラルキル基を、また、R6 は、それぞれ、同一でも異なってもよい、水素原子またはハロゲン原子、あるいは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ニトリル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルカノイル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカノイルオキシ基を表わすものとする。]
【0015】
かかるシロキシ基として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、ジメチルエトキシシロキシ基またはトリエトキシシロキシ基などであるが、就中、トリアルキルシロキシ基またはトリアルコキシシロキシ基が、好ましい構造のものである。
【0016】
こうしたシロキシ基含有化合物(A)として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、分子中に此のシロキシ基を有する、ビニル系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアミド系またはポリウレタン系などのような、種々の重合体類に加えて、該シロキシ基を有する炭化水素類などのような、種々の低分子量化合物などである。
【0017】
当該化合物(A)のうち、まず、ビニル系重合体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アクリル系、ビニルエステル系、芳香族ビニル系、ポリオレフィン系、クロル化オレフィン系またはフルオロオレフィン系などのような、種々の重合体が挙げられる。
【0018】
かかるビニル系重合体を得るには、たとえば、▲1▼ 前掲した如きシロキシ基を有するビニル系単量体を、単独で重合せしめるか、あるいは該シロキシ基含有ビニル系単量体と、該単量体と共重合可能なる他の単量体類とを共重合せしめるとか、あるいは、▲2▼ 予め調製しておいた水酸基含有ビニル系重合体類に、分子中にシリル基を有するクロロシランなどのような、いわゆるシリル化剤と反応せしめるか、または、アルコキシシラン類と水酸基とのアルコール交換反応などのような方法によればよく、このようにして、当該化合物(A)のうちのビニル系重合体を調製することが出来る。
【0019】
上記した▲1▼なる方法によって、此のビニル系重合体(A)を調製する際に使用される、シロキシ基含有ビニル系単量体(m−1)として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルブチル(メタ)アクリレート、トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、トリブチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキシエチルビニルエーテル、4−トリメチルシロキシブチルビニルエーテルまたは2−トリメチルシロキシエチル−アリルエーテルなどである。
【0020】
かかるシロキシ基含有単量体(m−1)を、それぞれ、単独重合せしめて、あるいは、該単量体(m−1)の2種以上を共重合せしめることによって、此のビニル系重合体(A)を調製することも出来るし、さらには、かかるシロキシ基含有単量体(m−1)と、該単量体(m−1)と共重合可能なる他の単量体類とを共重合せしめることによって、此のビニル系重合体(A)を調製することも出来る。
【0021】
その際に使用される共重合可能なる他の単量体類(m−2)として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしくはラウリル(メタ)アクリレートの如き、炭素数が1〜22なる、各種のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートもしくはイソボルニル(メタ)アクリレートの如き、各種の脂環式アルキル(メタ)アクリレート類;
【0022】
ベンジル(メタ)アクリレートもしくはフェネチル(メタ)クリレートの如き、各種のアラルキル(メタ)アクリレート類;燐酸基含有(メタ)アクリレート類;クロトン酸メチルもしくはクロトン酸エチルの如き、各種のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレート、ジブチルフマレート、ジメチルイタコネートもしくはジブチルイタコネートの如き、各種の不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル類;
【0023】
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル単量体類;(メタ)アクリルアミドもしくはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドの如き、各種の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリルもしくはクロトノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単量体類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチエレン、ヘキサフルオロプロピレン、塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、各種のハロオレフィン類;
【0024】
エチレン、プロピレン、イソブチレンもしくは1−ブテンの如き、各種のα−オレフィン類;または酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルもしくはバーサテイック酸ビニルの如き、各種のカルボン酸ビニルエステル類などであり、さらには、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルもしくはシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種のアルキル−ないしはシクロアルキルビニルエーテル類などである。
【0025】
これらの共重合性単量体類(m−2)は、所望の塗膜諸性能に応じて、単独使用でも、2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0026】
以上に掲げられたような、各種のビニル系単量体類から、当該ビニル共重合体(A)を調製するには、公知慣用の方法、たとえば、ラジカル重合開始剤を用いての溶液重合法によって行うことが出来る。
【0027】
かかるラジカル重合開始剤としては、通常、ビニル系単量体類の重合に用いられているようなものであれば、いずれも、使用し得ることは勿論であるが、それらのうちでも特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−tert−ブチルパーオキシドまたはベンゾイルパーオキシドなどであり、また、溶剤類として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、トルエンもしくはキシレンの如き、各種の芳香族炭化水素系;酢酸エチル、酢酸ブチルもしくはセロソルブアセテートの如き、各種のエステル系;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンもしくはメチルアミルケトンの如き、各種のケトン系などである。
【0028】
ただし、アルコール系溶剤類の使用に関しては、水酸基と反応する基がイソシアネート基または酸無水基であるような場合には、硬化反応を阻害することが考えられるし、安定性にも好ましくないという処から、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、あるいは、本発明の効果を損なわない範囲内において、就中、用途別における要求性能を損なわない範囲内の量で以て、使用することが必要である。
【0029】
また、前記した▲2▼なる方法によって、此のビニル系重合体(A)を調製する際に使用される、水酸基含有ビニル系重合体を調製するには、後掲する如き水酸基含有ビニル系単量体類を、単独で使用し、あるいは2種以上を併用して(共)重合せしめるか、前掲した如き共重合可能なる単量体類(m−2)を共重合せしめればよい。
【0030】
こうした水酸基含有ビニル系単量体として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプルピル(メタ)アクリレートもしくは2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;または2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテルもしくは6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル如き、各種の水酸基含有ビニルエーテル類をはじめ、
【0031】
「FMシリーズないしはFAシリーズ」[ダイセル化学工業(株)製品]や、「TONETMM−100」(米国ユニオン・カーバイド社製品)などで以て代表されるような、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの如き、これら上掲の各種水酸基含有単量体と、ε−カプロラクトンとの付加反応生成物;一般名ポリプロピレングリコールモノメタクリレートで以て表わされる「ブレンマー PP−1000」や、一般名ポリエチレングリコールモノメタクリレートで以て表わされる「ブレンマー PEシリーズ」[いずれも、日本油脂(株)製品];
【0032】
あるいは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸の如き、各種の不飽和カルボン酸類と、「カージュラ E」(オランダ国シェル社製の、分岐状脂肪族カルボン酸のグリシジルエステル類)、オクチル酸グリシジルエステルもしくはヤシ油脂肪酸グリシジルエステルの如き、各種の1価カルボン酸のモノグリシジルエステル類;またはブチルグリシジルエーテルの如き、各種のモノグリシジルエーテル類などで以て代表されるような、種々のモノエポキシ化合物との付加物などである。
【0033】
かくして得られる水酸基含有ビニル系重合体から、当該ビニル系重合体(A)を調製する際に使用される、前記したシリル化剤として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、トリアルキルクロルシラン、トリアリールクロルシラン、トリシクロアルキルクロルシラン、トリアラルキルクロルシラン、ジアルキルジクロルシラン、ジアリールジクロルシランまたはジシクロアルキルジクロルシランの如き、各種のクロロシラン類などである。
【0034】
すなわち、かかるクロルシラン類と、此の水酸基含有ビニル系重合体とを、塩基性化合物の存在下に、反応せしめることによって、当該ビニル系重合体(A)を調製することが出来る。
【0035】
それとは別に、前記したアルコール交換反応によって、当該ビニル系重合体(A)を調製する際に使用されるアルコキシシラン類として代表的なるもののみを例示するにとどめれば、テトラメトキシシランもしくはテトラエトキシシランの如き、各種のテトラアルコキシシラン化合物;アルキルトリメトキシシランもしくはアルキルトリエトキシシランの如き、各種のトリアルコキシシラン化合物;
【0036】
あるいは、ジアルキルジメトキシシランもしくはジアルキルジエトキシシランの如き、各種のジアルコキシシラン化合物;またはトリアルキルモノメトキシシランもしくはトリアルキルモノエトキシシランの如き、各種のモノアルコキシシラン化合物などである。
【0037】
当該ビニル系重合体(A)中に導入されるべきシロキシ基の量としては、硬化性などの面からも、シロキシ基を含有する繰り返し単位として、1〜100重量部なる範囲内が、好ましくは、3〜100重量部なる範囲内が適切である。
【0038】
また、当該ビニル系重合体(A)の数平均分子量としては、400〜50,000なる範囲内が、さらには、700〜30,000なる範囲内が適切である。
【0039】
このものの数平均分子量が400未満である場合には、どうしても、硬化性などに劣るようになるし、一方、50,000を超えて余りに大きくなる場合には、どうしても、著しく、保存安定性が低下するようになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0040】
また、一分子中に少なくとも2個の水酸基を有する、ポリエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体またはポリウレタン系重合体から、前述した▲2▼なる方法と同様の方法で以て、当該ビニル系重合体(A)の一つとしての、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物を調製することが出来る。
【0041】
すなわち、これら上掲の各種重合体中に含有される水酸基と、シリル基含有クロロシランなどのような、種々のシリル化剤とを反応せしめるか、あるいは、上掲した如き各種のアルコキシシラン類と水酸基とをアルコール交換反応せしめることによって調製することが出来る。
【0042】
さらには、一分子中に少なくとも2個の水酸基を有する低分子量化合物から、上述した▲2▼なる方法と同様の方法で以て、当該ビニル系重合体(A)の一つとしての、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する低分子量化合物を調製することが出来る。
【0043】
一分子中に少なくとも2個の水酸基を有する低分子量化合物として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、イソペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールもしくはネオペンチルグリコールの如き、各種のアルキレングリコール類をはじめ、
【0044】
さらには、グリセリン、トリメチロールエタンもしくはトリメチロールプロパンの如き、各種の脂肪族トリオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノールもしくは水添ビスフェノールAの如き、各種の脂環式グリコール類;またはビスヒドロキシエチルテレフタレートの如き、各種の芳香族グリコール類などをも挙げることが出来る。
【0045】
上述したような種々のポリオール成分は、所望の塗膜性能に応じて、単独使用でも、2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0046】
次いで、前記した、一分子中に少なくとも2個の水酸基と反応する基を有する化合物(B)とは、かかる水酸基と反応する基として、たとえば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、多価カルボン酸無水基またはエポキシ基などのような、種々の反応性基(官能基)を有する化合物を指称するものである。
【0047】
こうした化合物(B)として代表的なるもののみを例示するにとどめれば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリイソシアネート樹脂またはエポキシ樹脂などのような、種々の樹脂類をはじめ、さらには、上記のものに相当する反応性基(官能基)を有する低分子量化合物などが挙げられる。
【0048】
まず、イソシアネート基を有する化合物として代表的なるもののみを例示するにとどめれば、トリレンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネートの如き、各種の芳香族系ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族系ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(2,6)−ジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくは1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサンの如き、各種の脂環族系ジイソシアネート;
【0049】
上述した如き各種のジイソシアネート類と、エチレングリコール、トリメチロールエタンもしくはトリメチロールプロパンをはじめ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリカプロラクトンポリオールの如き、ポリエーテルポリオールなどのような、種々の多価アルコール類や、イソシアネート基と反応する官能基を有する低分子量のポリエステル樹脂(油変性タイプをも含む。)や、アクリル系共重合体などとの付加物;
【0050】
あるいは、上述した如き各種のジイソシアネート類と水とを反応せしめて得られる、いわゆるビュレット構造を有するポリイソシアネート類、ジイソシアネート類を環化重合せしめて得られる、いわゆるイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート類などが挙げられる。
【0051】
次いで、ブロックイソシアネート基を有する化合物としては、上掲した如き各種のポリイソシアネート類を、活性水素含有化合物で以て、ブロックせしめた形のものが用いられる。
【0052】
ここにおいて、かかるブロック化に使用される、上記活性水素基含有化合物として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、フェノールもしくはクレゾールの如き、各種のフェノール系;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールもしくはベンジルアルコールの如き、各種のアルコール類;
【0053】
マロン酸ジメチルもしくはアセト酢酸エチルの如き、各種の活性メチレン系;またはメチルエチルケトオキシム、ホルムアルドオキシムもしくはアセトアルドオキシムの如き、各種のオキシム系;あるいは、ε−カプロラクタム、2−ピロリドンの如き、各種のラクタム類などであるが、特に、これらのもののみに限定されるものではない。
【0054】
また、上記した多価カルボン酸酸無水基を有する化合物として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、無水マレイン酸や無水イタコン酸などのような、いわゆる酸無水基含有不飽和単量体と、前掲した如き、種々の共重合可能なる他の不飽和単量体(m−2)とを共重合せしめることによって得られる形のビニル系重合体や、無水グリセロールトリス(トリメリテート)または無水エチレングリコールジ(トリメリテート)などである。
【0055】
さらに、上記したエポキシ基を有する化合物として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルもしくはグリセリントリグリシジルエーテルの如き、各種の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
【0056】
フタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシジルエステルもしくはアジピン酸のジグリシジルエステルの如き、各種の多価カルボン酸のポリグリシジルエステル類;またはビスフェノールAないしはビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂もしくはヒダントイン環含有エポキシ樹脂;
【0057】
「エポリードGTシリーズ」[ダイセル化学工業(株)製品]などに代表されるような、一分子中に少なくとも2個の脂環式オキシラン基を有する脂環式エポキシ樹脂;あるいは、p−オキシ安息香酸のグリシジルエステルエーテルの如き、各種のエポキシ樹脂などのような、いわゆるポリエポキシ化合物などであるが、
【0058】
さらには、側鎖にエポキシ基を有する、各種のビニル系重合体、すなわち、グリシジル(メタ)アクリレートや、アリルグリシジルエーテルや、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのような、エポキシ基含有ビニル系単量体を、単独で重合せしめるか、あるいは、かかるエポキシ基含有ビニル系単量体と、該単量体と共重合可能なる他の単量体とを共重合せしめて得られる形の、公知慣用のエポキシ基含有ビニル系共重合体なども用いることが可能である。
【0059】
本発明における、(さらに)もう一つの必須の成分である、加水分解触媒として掲げられる、前記したカルボン酸のヘミアセタールエステル基含有化合物とは、下記するような一般式[I−1]または[III−1]で以て示される基を、一分子中に少なくとも1個有する化合物を指称するものである。
【0060】
【化5】
【0061】
[ただし、式中のXは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が3〜10なるアルキレン基を表わすものとする。]
【0062】
【化6】
【0063】
[ただし、式中のR2 は、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を、また、R4 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基、または水素原子を表わすものとする。]
【0064】
同様に、加水分解触媒として掲げられる、前記したカルボン酸のヘミケタールエステル基含有化合物とは、下記するような一般式[I−2]、[II]または[III−2]で以て示される基を、一分子中に少なくとも1個有する化合物を指称するものである。
【0065】
【化7】
【0066】
[ただし、式中のXは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が3〜10なるアルキレン基を、また、R7 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていてもいなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を表わすものとする。]
【0067】
【化8】
【0068】
[ただし、式中のXは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が3〜10なるアルキレン基を、また、R2 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を表わすものとする。]
【0069】
【化9】
【0070】
[ただし、式中のR2 は、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を、また、R4 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基、あるいは水素原子を、さらに、R8 はシクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていてもいなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を表わすものとする。]
【0071】
かかるヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基含有化合物として代表的なるもののみを例示するにとどめれば、いわゆる低分子量化合物に加えて、ビニル系重合体などのような、種々のの樹脂類などである。
【0072】
かかるヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基含有化合物を調製するには、▲3▼ カルボキシル基含有化合物に、α,β−エチレン性不飽和エーテル化合物を反応せしめるとか、あるいは、▲4▼ カルボキシル基含有化合物に、α−ハロゲノエーテル化合物を反応せしめるとか、などのような種々の方法が採用できるが、前者▲3▼なる方法によるが、最も簡便である。
【0073】
上掲したような方法で以て、かかるヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基含有化合物を調製するに際して用いることの出来る、カルボキシル基含有化合物として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、ビフェニルカルボン酸もしくはナフタレンカルボン酸の如き、各種のモノカルボン酸類;
【0074】
コハク酸、アジピン酸、トリカルバリル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸もしくはナフタル酸の如き、各種のポリカルボン酸類;フルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジクロロ安息香酸もしくはジクロロフタル酸の如き、各種のハロゲン置換カルボン酸類;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸もしくはイタコン酸の如き、各種の不飽和カルボン酸類などをはじめとし、
【0075】
さらには、前掲したような、不飽和カルボン酸のビニル系共重合体をはじめ、カルボキシル基含有ポリエステル、カルボキシル基含有ポリウレタンまたはカルボキシル基含有ポリエーテルの如き、各種のカルボキシル基含有重合体類をも用いることが可能である。
【0076】
前記した▲3▼なる方法で以て、一般式[I−1]または[III−1]で以て示される、当該ヘミアセタールエステル基含有化合物を調製する際に使用される、上記α,β−エチレン性不飽和エーテル化合物としては、下記するような一般式[V]または[VI]で以て示される化合物などが、特に代表的なものである。
【0077】
【化10】
【0078】
[ただし、式中のYは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていてもいなくてもよい、炭素数が2〜9なるアルキレン基を、また、Zは水素原子またはアルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基もしくはハロゲン原子を表わすものとする。]
【0079】
【化11】
【0080】
[ただし、式中のR4 は、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基あるいは水素原子を、また、R2 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を表わすものとする。]
【0081】
さらに、前述した▲3▼なる方法によって、一般式[I−2]、[II]または[III−2]で示されるような、ヘミケタールエステル基含有化合物を調製する際に使用される上記のα,β−エチレン性不飽和エーテル化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、下記一般式[VII]、[VIII]または[IX]で以て示されるような化合物などである。
【0082】
【化12】
【0083】
[ただし、式中のYは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていてもいなくてもよい、炭素数が2〜9なるアルキレン基を、また、R7 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていてもいなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を、さらに、Zは水素原子あるいはアルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基またはハロゲン原子を表わすものとする。]
【0084】
【化13】
【0085】
[ただし、式中のYは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていてもいなくてもよい、炭素数が2〜9なるアルキレン基を、また、R2 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を、さらに、Zは水素原子あるいはアルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基またはハロゲン原子を表わすものとする。]
【0086】
【化14】
R4−CH=CR8−OR2 [IX]
[ただし、式中のR2 は、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を、また、R4 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基あるいは水素原子を、さらに、R8 はシクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アラルキルオキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の原子団で以て置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を表わすものとする。]
【0087】
前掲したような種々のカルボキシル基含有化合物と、前掲したような種々のα,β−不飽和エーテルとを反応せしめて、本発明において使用される、一分子中に少なくとも2個のヘミアセタールエステル基および/またはヘミケタールエステルエステル基を有する化合物(C)を調製するには、反応用触媒として、p−トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸の如き、各種の酸性物質;
【0088】
あるいは、アセチルクロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、p−トルエンスルフォニルクロライド、ベンゼンスルフォニルクロライドまたはp−トルエンスルフォニルブロマイドの如き、各種の活性水素化合物と反応して酸を生成するような、種々の化合物の存在下に、これらの両成分を反応せしめればよい。
【0089】
その際に、カルボキシル基含有化合物が液状である場合には、無溶剤系で以て反応させることも出来るし、あるいは、溶剤中で以て反応させることも出来る。一方、カルボキシル基含有化合物が固形である場合には、溶剤中で以て反応させねばならないけれども、その際には、活性水素を有しないような溶剤類が使用される。
【0090】
かかる溶剤類として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンの如き、各種の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンの如き、各種の脂肪族系炭化水素;シクロヘキサンもしくはシクロオクタンの如き、各種の脂環族系炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルもしくはジ−n−ブチルエーテルの如き、各種のエーテル類;または酢酸エチル、酢酸n−ブチルもしくは酢酸アミルの如き、各種のエステル系溶剤類などである。
【0091】
反応させるに当たっては、上掲したような各原料類を、一括仕込みして反応させたり、カルボキシル基含有化合物類と、触媒との混合物に、α,β−不飽和エーテルを滴下したりする、などのような種々の方法を適用することが出来る。
【0092】
また、反応温度としては、0〜100℃なる範囲内が、好ましくは、10〜70℃なる範囲内が適切である。
【0093】
上述したような方法で以て得られる、一分子中に少なくとも1個のカルボン酸のヘミアセタールエステル基および/またはカルボン酸のヘミケタールエステル基を有する化合物(C)のうち、不飽和カルボン酸のヘミケタールエステル化合物ないしはヘミアセタール化合物は、公知慣用の方法に従って、単独で重合することによって、
【0094】
あるいは、当該不飽和カルボン酸のヘミケタールエステル化合物ないしはヘミアセタール化合物と共重合可能なる他のビニル系単量体とを共重合体することによって、ヘミアセタールエステル基および/またはヘミケタールエステル基を有するビニル系重合体に変換した形で以て、本発明における(C)成分として用いることが出来る。
【0095】
また、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基と、少なくとも2個の水酸基と反応する基を併せ有する化合物(D)としては、かかる2種類の官能基を併有する、ビニル系、ポリエーテル系ポリエステル系、ポリアミド系またはポリウレタン系などのような、種々の重合体類に加えて、さらには、かかる2種類の官能基を併有する炭化水素類などのような、種々の低分子量化合物をもまた、挙げることが出来る。
【0096】
当該化合物(D)のうちでも特に代表的なるビニル系重合体を例示するにとどめれば、それぞれ、アクリル系−、ビニルエステル系−、芳香族ビニル系−、ポリオレフィン系−、クロル化オレフィン系−またはフルオロオレフィン系−ビニル系重合体などである。
【0097】
かかるビニル系重合体は、たとえば、上掲した如きシロキシ基含有ビニル系単量体(m−1)と、水酸基と反応する基を有するビニル系単量体とを共重合せしめる、という方法などによって得られるものである。
【0098】
ここにおいて、上記した、水酸基と反応し得る基を有するビニル系単量体(m−3)として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートもしくは3−イソシアネートプロピル(メタ)アクリレートの如き、各種のイソシアネート基含有不飽和単量体;無水マレイン酸もしくは無水イタコン酸の如き、各種の多価カルボン酸無水基含有不飽和単量体;
【0099】
またはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルもしくは3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートの如き、各種のエポキシ基含有不飽和単量体などであるが、勿論、特に、これらのもののみに限定されるものでは、決してない。
【0100】
以上に挙げられたような、各種のビニル系単量体から、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基と、少なくとも2個の水酸基と反応する基とを併せ有する化合物(D)を調製するには、公知慣用の方法に従って得ることが出来、たとえば、上掲した如き不飽和単量体のうち、少なくとも1種類のシロキシ基含有ビニル系単量体(m−1)と、少なくとも1種類の、水酸基と反応する基を有するビニル系単量体(m−3)とを共重合せしめればよい。
【0101】
その際に、水酸基と反応する基を有するビニル系単量体(m−3)としては、本発明の特徴を損なわない範囲内の量で以て、それぞれ、官能基の異なれる2種類以上の単量体を併用することも可能である。
【0102】
さらには、これらと共重合可能なる他の単量体類(m−2)をも共重合せしめることによって調製することも出来る。
【0103】
当該ビニル系重合体(D)に導入される、それぞれ、シロキシ基と、水酸基と反応する基との当量比としては、硬化性などの面から、前者シロキシ基:後者水酸基反応性基が、1:0.2〜1:5なる範囲内とするのが適切であるし、さらに好ましくは、1:0.5〜1:2なる範囲内とするのが適切である。
【0104】
次いで、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系またはポリウレタン系などの重合体(D)は、たとえば、▲5▼ 予め調製された、一分子中に2個以上ののシロキシ基と、1個以上のラジカル重合性二重結合とを併有する、それぞれの重合体の存在下に、ビニル系重合体(m−3)を必須の成分とする単量体を、ラジカル重合せしめるという方法によったり、
【0105】
あるいは、▲6▼ 予め調製された、一分子中に2個以上の水酸基と反応する基と、1個以上のラジカル重合性二重結合とを併有する、それぞれの重合体の存在下に、ビニル系重合体(m−1)を必須の成分とする単量体を、ラジカル重合せしめることによって、グラフト重合体として調製することが出来る。
【0106】
前掲した如き、(A)、(B)および(C)なる各成分から、本発明の硬化性組成物を得るには、(A)成分中のシロキシ基と、(B)成分中の水酸基と反応する基との当量比が、前者シロキシ基:後者水酸基反応性基が、1:0.2〜1:5なる範囲内となるように、好ましくは、1:0.5〜1:2なる範囲内となるように(A)と、(B)との両成分を配合せしめ、
【0107】
しかも、(A)および(B)なる両成分の固形分総量1,000gに対して、ヘミアセタールエステル基および/またはヘミケタールエステル基の量が、0.5〜0.0005当量となるように、好ましくは、0.25〜0.005当量となるようにして、(C)成分を配合せしめればよい。
【0108】
また、(C)と、(D)との両成分から、本発明の硬化性組成物を得るには、(D)成分の固形分1,000gに対して、0.5〜0.0005当量となるように、好ましくは、0.25〜0.005当量となるように、(C)成分を配合せしめればよい。
【0109】
かくして得られる、(A)成分と(B)成分と(C)成分とから、あるいは、(C)成分と(D)成分とから構成される、本発明組成物の安定性を、さらに一層、向上せしめるために、水結合剤(水分補足剤)を添加することも出来る。
【0110】
当該水結合剤として使用できるもののうちでも、特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチルもしくはオルト蟻酸トリブチルの如き、各種のオルト蟻酸トリアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチルもしくはオルト酢酸トリブチルの如き、各種のオルト酢酸トリアルキル類;
【0111】
オルトほう酸トリメチル、オルトほう酸トリエチルもしくはオルトほう酸トリブチルの如き、各種のオルトほう酸トリアルキル類;テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラブチルシリケート、テトラ(2ーメトキシエチル)シリケートもしくはテトラ(2ークロロエチル)シリケートの如き、各種のテトラ(置換)アルキルシリケート類単体;
【0112】
テトラフェニルシリケートもしくはテトラベンジルシリケートの如き、上記テトラ(置換)アルキルシリケート類の、各種の同効物質(以下、同効単体と略称する。);あるいはテトラエチルシリケートのダイマー、トリマー、テトラマーないしはヘキサマー、または「エチルシリケート40」(コルコート社製のテトラエチルシリケートのテトラマー、ペンタマーもしくはヘキサマーの混合物)の如き、各種の、上掲のテトラ(置換)アルキルシリケート類単体や、該シリケート類の同効単体の縮合物などの加水分解性エステル化合物類;
【0113】
さらには、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルフォニルイソシアネート、p−トルエンスフォニルイソシアネートまたはイソシアネートエチルメタクリレートの如き、各種のイソシアネート基含有化合物類などである。
【0114】
上掲したような種々の水結合剤を添加する場合における、当該水結合剤の使用量としては、本発明組成物中の樹脂固形分の合計量に対して、0.1〜20重量%なる程度、好ましくは、0.5〜10重量%なる程度でよい。
【0115】
かくして得られる、本発明の硬化性組成物に対しては、必要に応じて、レベリング剤、紫外線吸収剤または顔料分散剤などのような、公知慣用の各種の添加剤類をも配合せしめることが可能である。
【0116】
また、公知慣用のセルロース系化合物、可塑剤またはポリエステル樹脂などをも配合せしめることが出来る。
【0117】
かくして得られる、本発明の硬化性組成物を加熱すると、成分(C)中のヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基が熱分解して、カルボキシル基を遊離し、このカルボキシル基の触媒作用によって、成分(A)または成分(D)中のシロキシ基が加水分解して水酸基を生成するようになる。
【0118】
次いで、かくして生成した水酸基と、成分(B)または成分(D)中の水酸基と反応する基との反応を通して、架橋反応が進行する処となる。
このように、ヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基を有する化合物(C)は、加熱によって、カルボキシル基を生成する化合物に変化する潜在酸触媒であるという処から、本発明の硬化性組成物は、常温で以て、優れた安定性を有するものである。
【0119】
本発明組成物の最適硬化条件は、成分(C)中のヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基の構造によっても異なるが、概ね、70〜250℃なる温度範囲で、1分間〜10時間程度、加熱するというようにすればよい。
【0120】
かくして得られる、本発明の硬化性組成物は、そのままの形で以て、あるいは、必要に応じて、上掲した如き各種の添加剤などを配合せしめることによって、塗料として、シーリング剤として、インキとして、あるいは接着剤などとして、多岐に亘って、利用することができるが、就中、一液型で貯蔵安定性の要求されるような分野において、その効果が顕著なものとなる。
【0121】
本発明においては、加水分解性シロキシ基と、水酸基と反応する基とを併有する系に、潜在性の酸触媒として機能するヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基という、特定の官能基をも含有せしめているという処から、架橋反応を、温度ならびに湿度によって制御することが出来るために、硬化性ならびに貯蔵安定性などに優れた硬化性組成物を与えることが出来るという点に、大きなメリットを有するものである。
【0122】
【実施例】
次に、本発明の製造例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明することにするが、以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0123】
製造例1[一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物(A)の調製例]
トリメチルシロキシエチルメタアクリレートの300部、n−ブチルメタアクリレートの200部、n−ブチルアクリレートの200部およびスチレンの300部よりなる単量体混合物と、「ABN−E」[日本ヒドラジン工業(株)製の2,2’−アゾビス−2(メチルブチロニトリル)]の30部およびtert−ブチルパーベンゾエートの5部と、キシレンの300部とよりなる混合物とを、攪拌機、温度計、冷却器および不活性ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、キシレンの700部を仕込んで、不活性ガスを流しながら、110℃に昇温した処へ、各別に、4時間に亘って滴下した。
【0124】
滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持して、不揮発分が50.1%で、かつ、数平均分子量が10,000なる目的化合物(A)溶液を得た。以下、化合物(A−1)と略記する。
【0125】
製造例2(同上)
製造例1と同様の反応装置に、「バーノック D−161」[大日本インキ化学工業(株)製のポリエステルポリオール;水酸基価=150]の100部、メチルエチルケトンの100部およびトリエチルアミンの30部を仕込んだ処へ、トリメチルクロルシランの32部を、2時間に亘って滴下した。
【0126】
滴下終了後は、かくして生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾別せしめることによって、不揮発分が50.9%なる目的化合物(A)の溶液を得た。以下、化合物(A−2)と略記する。
【0127】
製造例3(同上)
製造例1と同様の反応装置に、1,6−ヘキサンジオールの100部、テトラヒドロフランの200部およびトリエチルアミンの190部を仕込んだ処へ、トリメチルクロルシランの205部を、4時間に亘って滴下した。
【0128】
滴下終了後は、トリエチルアミン塩酸塩を濾別して、その濾液から、テトラヒドロフランを留去せしめることによって、粘稠なる、淡黄色の透明な液体である目的化合物(A)を得た。以下、化合物(A−3)と略記する。
【0129】
製造例4[一分子中に少なくとも2個の水酸基と反応し得る基を有する化合物(B)の調製例]
製造例1と同様の反応装置に、スチレンの400部、n−ブチルメタクリレートの300部、n−ブチルアクリレートの200部および無水マレイン酸の40部よりなる単量体混合物と、「ABN−E」の10部と、酢酸イソブチルの450部とからなる混合物とを、トルエンの500部および酢酸イソブチル50部を仕込んで、不活性ガスを流しながら、110℃に昇温した処へ、各別に、5時間に亘って滴下した。
【0130】
滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持して反応を続行せしめることによって、不揮発分が50.2%で、かつ、数平均分子量が10,000なる目的化合物(B)の溶液を得た。以下、化合物(B−1)と略記する。
【0131】
製造例5[一分子中に少なくとも1個の、カルボン酸のヘミアセタールエステル基を有する化合物(C)の調製例]
エチルビニルエーテルの67.1部を、攪拌機、温度計および冷却器を備えた四ツ口フラスコに、ジクロロ酢酸の100部と、キシレン100部とを仕込んで、氷冷しながら、30分間に亘って滴下した。
【0132】
滴下終了後も、同温度に、12時間のあいだ保持して、有効成分が61%なる目的化合物(C)の溶液を得た。以下、化合物(C−1)と略記する。
【0133】
製造例6(同上)
イソブチルビニルエーテルの93.2部を、同量のエチルビニルエーテルに代えて用いるように変更した以外は、製造例5と同様にして、有効成分が66%なる目的化合物(C)の溶液を得た。以下、化合物(C−2)と略記する。
【0134】
製造例7(同上)
2−メトキシプロペンの67.1部を、同量のエチルビニルエーテルに代えて用いるように変更した以外は、製造例5と同様にして、有効成分が63%なる目的化合物(C)の溶液を得た。以下、化合物(C−3)と略記する。
【0138】
製造例10(対照用化合物の調製例)
単量体混合物として、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの200部、n−ブチルメタアクリレートの250部、n−ブチルアクリレートの250部およびスチレンの300部よりなる混合物を用いるように変更した以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が50.0%で、かつ、数平均分子量が10,000なる化合物の溶液を得た。以下、化合物(A’−1)と略記する。
【0139】
実施例1〜4ならびに比較例1〜4第1表に示すような配合組成比に従って、各種の硬化性組成物を調製し、次いで、それぞれの組成物を、厚さが0.8mmなる「ボンデライト #144」処理鋼板に、スプレー塗装せしめた。
【0140】
しかるのち、実施例1〜4ならびに比較例1〜3の場合には、120℃で30分間の焼き付けを、比較例4の場合には、150℃で30分間の焼き付けを行って、それぞれの硬化塗膜を得た。
【0141】
しかるのち、それぞれの組成物の保存安定性と、それぞれの硬化塗膜についての諸特性との、多角的なる比較検討を行った。それらの結果は、まとめて、同表に示す通りである。
【0142】
なお、これらの硬化性組成物の保存安定性と、硬化塗膜性能との評価判定法は、以下の通りである。
【0143】
光 沢……60度鏡面反射率
硬 度……鉛筆による傷付き硬度
エリクセン……エリクセン・テスターを用いて、塗膜に亀裂ないしは剥離が生ずるまでの押し出し距離を以て表示した
【0144】
付 着 性……1mm間隔に、11本の、平行なるカットを縦と横とに入れ、このカット部分に、セロファン・テープを貼付し、次いで、このセロファン・テープを剥離して、残存するゴバン目数を以て表示した
【0145】
耐 酸 性……5%硫酸水溶液を、塗膜上に落とし、70℃で1時間のあいだ乾燥し、水洗したのちの、塗膜の変化の状態を目視により判定耐アルカリ性…5%水酸化ナトリウム水溶液中に、塗板を、24時間のあいだ浸漬し、水洗したのちの、塗膜の変化の状態を目視により判定
【0146】
耐溶剤性………キシレンを浸したガーゼを、塗面と接するように載せて、1.5Kgなる荷重下に、10回のラビングを行ったのちの、塗膜の変化の状態を、目視により判定
保存安定性……硬化性組成物を密閉容器中に入れて、40℃に2週間のあいだ保存したのちの、初期粘度に対しての粘度倍率を以て表示
【0147】
【表1】
【0148】
《第1表の脚注》
【0149】
「バーノック DN−950」…大日本インキ化学工業(株)製のポリイソシアネート化合物;不揮発分=75%、イソシアネート基含有率=12〜13%
【0150】
「エピクロン 850」…………同上社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂;不揮発分=100%、エポキシ当量=184〜194
【0151】
「GT−301」は、「エポリード GT−301」の略記であって、ダイセル化学工業(株)製の多官能脂環式エポキシ樹脂;不揮発分=100%、エポキシ当量=185〜205
【0152】
【表2】
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【表5】
【0156】
【表6】
【0157】
【発明の効果】
第1表からも明らかなように、本発明に係る、それぞれ、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物と、一分子中に少なくとも2個の水酸基と反応し得る基を有する化合物と、一分子中に少なくとも1個のカルボン酸のヘミアセタールエステル基および/またはヘミケタールエステル基を有する化合物とを、必須の成分として含有する形の硬化性組成物は、とりわけ、保存安定性に優れると共に、硬化塗膜の諸物性のバランスの良さをも備えているし、加えて、外観の良好なる塗膜を与える、という極めて実用性の高いものであって、各種のコーティング剤として有用なものである。
Claims (7)
- 一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物(A)と、一分子中に少なくとも2個の水酸基と反応する基を有する化合物(B)と、一分子中に少なくとも1個のカルボン酸のヘミアセタールエステル基および/またはカルボン酸のヘミケタールエステル基を有する化合物(C)とを、必須の成分として含有することを特徴とする、硬化性組成物。
- 前記したヘミアセタールエステル基ないしはヘミケタールエステル基が、下記するような一般式[I]、[II]または[III]で示される構造のものである、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記した一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物(A)が、ビニル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体およびポリウレタン系重合体よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記した一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する化合物(A)が、多価アルコールのシリルエステル化物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記した水酸基と反応する基がイソシアネート基である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記した水酸基と反応する基がカルボン酸無水基である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記した水酸基と反応する基がエポキシ基である、請求項1に記載の硬化性組成物。
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