JP3541243B2 - ごみ処理施設におけるごみ搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ごみ処理施設に運搬されたごみを処理炉へ搬送するごみ搬送装置に係り、特に不燃物、主として金属からなる物(金属物)等を処理炉への搬送中に排除するため、ごみ中に混入した金属物等を検出する装置を備えたごみ処理施設におけるごみ搬送装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、発生するごみは、自家処理を除いて殆ど市町村で収集されている。収集は、ごみの種類によってごみ収集車又は一般トラックを用いて行われている。例えば、燃えるごみ(紙、木製品、綿、衣類等)、生ごみ(食品かす等)及び資源ごみ(プラスチック、ガラスビン、金属屑等)はごみ収集車により、粗大ごみ(家電製品、家具等で大きなもの等)は一般トラックにより収集されている。また、ごみ収集車での収集にあっても、燃えるごみ及び生ごみは同時収集しているが、資源ごみはそれらとは異なる日,曜日に収集しているのが一般的である。
【0003】
これら収集されたごみは、市町村のごみ処理施設に送られ、処理炉(焼却炉,破砕炉等)で、主として焼却処理される。この焼却処理において、不燃物、特に金属からなる物、例えば鉄製のガスボンベ等は爆発の危険があるばかりか、焼却炉として流動床炉を用いている場合においては、それが溶融されずに炉底の循環流動砂出口を塞いで炉の運転を停止させたり、故障を招来させることにもなる。また、処理前の取外し排除を逃れた粗大ごみ中のモータや大形磁器も、焼却炉の円滑な稼働を妨げる。
【0004】
そこで従来は、上記ガスボンベ、モータ等の金属物や大形磁器等の不燃物又はこれらの不燃物を含むもの(これを処理不適物という)を、一次的にはごみ収集車での収集時に、二次的ないし最終的には処理施設内のごみ搬送装置上で、作業者が目視により選別,排除していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来は、爆発の危険があったり、処理施設の炉の円滑な稼働を妨害する処理不適物の選別等を作業者が目視により行っていたが、これでは効率が低く、また見落しも生じやすい。特に、ごみ同士が重なっていたり、処理不適物がごみ袋に入った状態で処理不適物の選別を行う場合に、目視では重なっているごみの手前側、あるいはごみ袋の表面しか見えないので、効率低下が著しく、また見落しも増加し、作業者の危険,作業負担が著しく増大する等の問題点があった。また、処理不適物としての材質の設定を柔軟に変更することが困難であるという問題点もあった。
【0006】
本発明の目的は、処理不適物、主として金属物の処理炉への搬送中における選別が、ごみ同士が重なっていたり、処理不適物がごみ袋に入った状態であっても容易かつ確実に行い得、作業者の危険防止や作業負担軽減に役立ち、また処理炉の円滑な稼働確保に貢献し得ると共に、処理不適物としての材質の設定を容易に変更することもできるごみ処理施設におけるごみ搬送装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、搬送中のごみにX線を照射するX線源と、前記ごみの搬送方向に二分されたX線検出部を具備し前記ごみの透過X線を検出するX線検出器と、前記X線検出部の内の一方に被覆され前記ごみの透過X線の波長を選択して出力するフィルタと、このフィルタに覆われた一方のX線検出部と覆われない他方のX線検出部とに同一のごみの透過X線を検出させてそれらの透過X線の差分量を得る手段と、該得られた差分量からそのごみが低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別する手段と、該選別された物質に基づき色分け又は画像濃度変化を施した画像を得る手段と、該得られた色分け又は画像濃度変化を施した画像を表示する手段と、を備えることにより達成される。
【0008】
【作用】
自動判別用X線検査装置は、搬送中のごみにX線源からX線を照射し、その透過X線をX線検出器で検出し、そのX線検出器からの信号に基づき前記ごみが処理不適物か否かを判別し、処理不適物であると判別したときには処理不適物検出報知信号を出力する。処理不適物検出報知信号は、聴覚又は視覚等に刺激を与えて、例えば警報や光点滅手段を作動して、処理不適物が検出されたことを報知するために用いられる。
【0009】
これにより作業者は、その時、自動判別用X線検査装置のX線照射位置を通過したごみが処理不適物(処理不適物を一部に有する場合を含む。)であることが選別できるもので、搬送中においてごみ同士が重なっていたり、処理不適物がごみ袋に入った状態であっても処理不適物の選別が容易かつ確実に行われ、作業者の危険防止や作業負担軽減、また処理炉の円滑な稼働確保が実現される。
【0010】
また上記自動判別用X線検査装置は、X線検出器のX線検出部をごみの搬送方向に二分し、一方のX線検出部はX線の波長選択性を有するフィルタで被覆して、他方のX線検出部はそれを被覆せずに形成し、X線照射時における両X線検出部からの信号の差分信号を用いて、X線源及びX線検出器相互間を通過したごみが低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別し、この選別結果に応じて色分け又は画像濃度変化を施した画像を得、その画像の予め定められた原子番号物質側の色又は濃度をもつ画素をカウントしてそれが所定の基準値以上になった時に処理不適物であると判別するものである。
【0011】
これにより、例えば前記フィルタの波長選択特性を変えたり、所定の色又は濃度をもつ画素をカウントする際の、カウント対象の色又は濃度を変更する等により、種々の物質を処理不適物として設定することができ、処理不適物としての材質の設定の変更も容易になる。
【0012】
なお、前記処理不適物検出報知信号は、処理不適物のマーキングや排除にも利用され得、作業者による処理不適物の目視,排除が更に援助される。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明によるごみ処理施設におけるごみ搬送装置の一実施例の要部を示す斜視図である。この図1において、11はごみ12を搬送するベルトコンベアで、矢印イ方向に走行する。13は、搬送中のごみ12にX線14を照射し、その透過X線を検出して前記ごみ12が処理不適物12aか否かを判別する自動判別用X線検査装置である。
【0014】
この自動判別用X線検査装置13は、搬送中のごみ12にX線14を照射するX線源(主としてX線管)15と、前記ごみ12の透過X線を検出するX線検出器16と、このX線検出器16からの信号に基づき前記ごみ12が処理不適物12aか否かを判別する自動判別用X線検査装置本体17とを備えてなる。この場合、前記X線検出器16は、そのX線検出部がごみ12の搬送方向イに二分され、一方のX線検出部16BはX線14の波長選択性を有するフィルタ16Cで覆われ、他方のX線検出部16Aはそれが被覆されずに形成されている。
【0015】
自動判別用X線検査装置本体17は、X線照射時における前記両X線検出部16A,16Bからの信号の差分信号を用いて、X線源15及びX線検出器16相互間を通過したごみ12が低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別し、この選別結果に応じて色分け又は画像濃度変化を施した画像を得、その画像の予め定められた原子番号物質側、ここでは高原子番号物質側の色又は濃度をもつ画素をカウントしてそれが所定の基準値以上になった時に処理不適物であると判別し、処理不適物検出報知信号S1を出力するものである。
【0016】
18は処理不適物検出報知信号S1が入力されて警報(音声,光等)を発する警報器、19は自動判別用X線検査装置本体17において色分け又は画像濃度変化を施した画像(画像処理されたX線透視画像)20を表示するテレビモニタである。ここでは、画像20中に処理不適物12aの抽出像20aが表示されている例を示す。
【0017】
上述本発明装置において、ベルトコンベア11上のごみ12がX線検出器16の手前(図中左側)所定位置に達すると、図示しないごみ検出器がそれを検出する。これにより、X線源15はX線14を一定時間照射し、自動判別用X線検査装置本体17はX線検出器16からの信号により前記ごみ12のX線透視像20を得、それを画像処理してそのごみ12のX線透視像20が処理不適物抽出像20aか(ごみ12のX線透視像20中に処理不適物抽出像20aを含むか)否かを判別し、処理不適物抽出像20aである(処理不適物抽出像20aを含む)場合に処理不適物検出報知信号S1を出力する。処理不適物検出報知信号S1が出力されると、警報器18は警報を発して今通過したごみ12が処理不適物12aであること(又は処理不適物12aを有すること)を報知する。
【0018】
作業者(図示せず)は、前記警報によって、今通過したごみ12が処理不適物12aであることを知り得、また、テレビモニタ19で観察することによってもそれが処理不適物12aか否かが確認できる。
【0019】
処理不適物12aであれば、それをベルトコンベア11から排除する。この処理不適物12aの排除は、処理不適物12aをベルトコンベア11から自動排除する図示しない処理不適物排除装置の排除器をX線検出器16の下流側に設け、自動判別用X線検査装置本体17からの前記処理不適物検出報知信号S1を一定時間遅延させて、その処理不適物排除装置の作動信号に用いれば、処理不適物の自動排除が可能となる。
【0020】
前記X線検出器16部分を通過したごみ12、すなわち自動判別用X線検査装置13で検査されたごみ12が処理不適物12aであれば警報器18は警報を発するので、テレビモニタ19の観察者(又は処理不適物12aの目視作業者)はその時点から処理不適物12aの監視を強化すればよく、また警報がないときは、余り集中して観察(又は目視)する必要がないので、長時間の観察作業(又は目視作業)の負担が軽減される。通常は、テレビモニタ19による観察を経て、排除すべき処理不適物12aの最終判断がなされるもので、前記処理不適物排除装置の作動はテレビモニタ19の観察者の手動操作によりなされる。
【0021】
ここで、自動判別用X線検査装置13はテレビモニタ19を省略して警報器18のみ設けたものとし、ごみ12のX線透視像は、自動判別用X線検査装置13とは別個独立に設けた図示しないX線透視検査装置のテレビモニタ(X線透視像表示専用テレビモニタ)に表示するようにしてもよい。この場合、自動判別用X線検査装置13による処理不適物検出報知信号S1を得るまでの画像処理時間は、前記X線透視検査装置におけるX線透視像を得るための処理時間より多くかかるので、自動判別用X線検査装置13のX線照射位置(X線検出器16配置位置)より下流側にX線透視検査装置のX線照射位置(X線検出器配置位置)を設定する。作業者は、X線透視検査装置のテレビモニタに表示されているX線透視像により搬送中のごみ12が処理不適物か否か観察できる。
【0022】
自動判別用X線検査装置13の警報器18からの警報によって、自動判別用X線検査装置13のX線検出器16部分を通過したごみ12が処理不適物12aであることを知り得るので、前記X線透視像表示専用テレビモニタの観察者はその時点から処理不適物12aの監視を強化すればよく、また警報がないときは、余り集中して観察する必要がないので、長時間の観察作業の負担が軽減される。通常は、テレビモニタ19による観察を経て、排除すべき処理不適物12aの最終判断がなされるもので、前記処理不適物排除装置の作動はX線透視像表示専用テレビモニタの観察者の手動操作によりなされる。この場合、処理不適物排除装置を作動させる排除スイッチ(図示せず)はX線透視像表示専用テレビモニタ近傍に配置され、また、前記排除器はX線透視検査装置のX線検出器の下流側に設けられる。
【0023】
更に、前記X線透視像表示専用テレビモニタ近傍に、前記排除スイッチに加えて処理不適物排除自動/手動切換スイッチを配置し、これを自動側に切換操作したときには、前記処理不適物検出報知信号S1が一定時間遅延されて入力され、その処理不適物検出報知信号S1を出力させた搬送中のごみ12を前記排除器によって搬送路上から排除可能で、手動側に切換操作したときには、前記処理不適物検出報知信号S1に基づくごみ12の排除を不能にすると共に、前記排除スイッチによるごみ12の排除を可能に、前記処理不適物排除装置を構成してもよい。これによれば、モニタ観察者は常時モニタ前にいる必要がなくなり、柔軟な作業形態を採ることができる。なお、処理不適物排除自動/手動切換スイッチを自動側に切換操作したときに、前記排除スイッチによるごみ12の排除を不能にする必然性はなく、この場合でも前記排除スイッチによるごみ12の排除を可能に構成してもよい。
【0024】
また、次々と搬送されてくるごみ12のうち、特定のごみ12を処理不適物12aと最終判断しても、それらの対応づけがベルトコンベア11の下流側において困難になる場合がある。この場合には、自動判別用X線検査装置13のX線検出器16の下流側近傍に(テレビモニタ19を省略した自動判別用X線検査装置13にあってはそれに代えて設けられた前記X線透視検査装置のX線検出器の下流側近傍に)ペイント噴射器を設け、また、自動判別用X線検査装置13のテレビモニタ19の近傍に(テレビモニタ19を省略した自動判別用X線検査装置13にあっては前記X線透視像表示専用テレビモニタの近傍に)ペイント噴射スイッチを設け、所望時にペイント噴射スイッチを操作して、その操作直前にそのX線透視像がモニタ表示されたごみ12に前記ペイント噴射器によってペイント吹付け可能に処理不適物マーキング装置を設けてもよい。
【0025】
このペイント吹付けは、前記ペイント噴射器を自動判別用X線検査装置13のX線検出器16配置位置(X線照射位置)の下流側に設け、自動判別用X線検査装置本体17からの処理不適物検出報知信号S1を一定時間遅延させて、前記処理不適物マーキング装置の作動信号に用いれば、その処理不適物検出報知信号S1を出力させた搬送中のごみ12に対し、自動的に前記ペイント噴射器によるペイント吹付け(処理不適物の自動マーキング)が可能となる。
【0026】
更に、前記X線透視像表示専用テレビモニタ近傍に、前記ペイント噴射スイッチに加えてペイント噴射自動/手動切換スイッチを配置し、これを自動側に切換操作したときには、前記処理不適物検出報知信号S1が一定時間遅延されて入力され、その処理不適物検出報知信号S1を出力させた搬送中のごみ12に前記ペイント噴射器によってペイント吹付け可能で、手動側に切換操作したときには、前記処理不適物検出報知信号に基づくペイント吹付けを不能にすると共に、前記ペイント噴射スイッチによるペイント吹付けを可能に、前記処理不適物マーキング装置を構成してもよい。これによれば、モニタ観察者は常時モニタ前にいる必要がなくなり、柔軟な作業形態を採ることができる。なお、ペイント噴射自動/手動切換スイッチを自動側に切換操作したときに、前記ペイント噴射スイッチによるペイント噴射を不能にする必然性はなく、この場合でも前記ペイント噴射スイッチによるペイント吹付けを可能に構成してもよい。
【0027】
また上述実施例では、ベルトコンベア11を間において、その上方にX線源15を、下方にX線検出器16を配置したが、X線源15とX線検出器16の配置位置はこの例のみに限定されることはなく、X線源15及びX線検出器16相互間にごみ12が搬送されて行くような位置関係にあればどのような位置に配置してもよい。また、X線検出器16も図示例のような直線状ではなくL字状とし、その一辺がベルトコンベア11側方から立ち上がり、他辺がベルトコンベア11上方を横切るように向けて配置し、それら両辺にベルトコンベア11を挟んでX線14が照射される位置にX線源15を配置するようにしてもよい。
【0028】
図2は、前記自動判別用X線検査装置13の具体例を示すブロック図で、以下これにつき、図1と同一又は相当部分に同一符号を付し、また図1を併用して説明する。
【0029】
X線源15より放射されたX線14はごみ12を透過して2組のX線検出部16A,16Bに入射する。X線検出部16Aはフィルタ16Cで覆われてなく、、X線検出部16Bはフィルタ16Cで覆われており、2組のX線検出部16A,16Bには異なったエネルギのX線14が入射することになる。
【0030】
上記フィルタ16Cは、銅等の重金属物質からなり、厚さは1mm程度のものが使用される。X線検出部16A,16Bは、各々図3に示すように、X線14を光に変換する蛍光体40、半導体光ダイオード列41及びこの半導体光ダイオード列41を支持する支持体42から構成される。ここで、半導体光ダイオード列41は1画素を構成する光ダイオード41aを直線状に例えばP個並設してなるもので、蛍光体40からの光を電気信号に変換するものである。
【0031】
22A,22Bはアンプで、各々、半導体光ダイオード列41の光ダイオード41aの数Pと同じ個数のアンプ部を備えてなり、光ダイオード41aと各別に接続されている。23A,23Bは、半導体光ダイオード列41の出力信号を読み出すための切換えを行うマルチプレクサで、そのスイッチの数もアンプ22A,22Bのアンプ部と同様に各々P個備えている。
【0032】
さて、ベルトコンベア11により搬送されてきたごみ12がX線検出部16A,16Bを通過するので、X線検出部16Aからはごみ12により減弱されたX線量に応じた信号SAが出力される。X線検出部16Bからはごみ12及びフィルタ16Cにより減弱されたX線量に応じた信号SBが出力される。信号SBはフィルタ16Cにより低いX線エネルギがカットされ、高いX線エネルギのみが残るので高エネルギのX線に対応するものである。信号SAは低エネルギから高いエネルギまでのX線に対応するものであるが、ここでは信号SBとの比較の上で低いエネルギのX線に対応するものとする。
【0033】
X線検出部16A,16Bの出力信号SA,SBは、アンプ22A,22B、マルチプレクサ23A,23Bを介してA/D変換器24A,24Bに入力されてデジタル量に変換された後、補正回路25A,25Bに入力される。この補正回路25A,25Bでは、オフセット補正及び感度補正が行われ、また、X線検出部16Bの出力信号SBについてはフィルタ16Cの分だけX線減弱が大きくなっているので正規化補正も行われる。
【0034】
両補正回路25A,25Bの出力信号は差分演算回路26に入力され、両信号の差分がとられる。この差分信号は、補正回路25A,25Bからの出力信号とレベル比較が行われる。
【0035】
このレベル比較について説明する。図4は、補正回路25A,25Bからの出力信号レベルと2種のエネルギ(E1<E2)による減弱特性の差分信号との関係を示すものである。低原子番号物質では信号レベルの変化に対して差分信号の変化は小さいが、高原子番号物質では差分信号の変化は大きい。このため、両者の中間に弁別レべルがくるよう、図示点線で示す区分レベル51を設定すれば両者の分離ができる。すなわち上記レベル比較は、図4に示す区分レベル51に対し、前記差分信号の量が上側にあるか下側にあるかを分離するため行われるもので、差分信号の量が区分レベル51の上側にあれば高原子番号物質、下側にあれば低原子番号物質と判断される。
【0036】
この結果をもとに低原子番号物質であるか高原子番号物質かをフレームメモリ27に記憶する。このフレームメモリ27の記憶データをもとにテレビモニタ19上で各種色分け表示、例えば高原子番号物質には青色、低原子番号物質には赤色に色付けして表示可能であるが、ここでは自動識別機能を低コストで得るため、白黒の濃淡の配色がなされる。
【0037】
すなわち配色回路28では、フレームメモリ27の記憶内容に基づき、低原子番号物質には白黒濃淡のうち淡い配色、高原子番号物質には濃い配色を割り当てる。配色回路28の出力データはD/A変換器29でアナログ変換された後、テレビモニタ19に与えられ、画像表示される。
【0038】
黒画素カウンタ30は、テレビモニタ19上の所定領域内、ここでは搬送方向上流側に相当するモニタ画面右端側の一定幅領域内の一定濃度以上の黒画素をカウント、ここでは金属物等の処理不適物12aに相当する黒画素をカウントする。処理不適物検出報知信号出力回路31は、テレビモニタ19上の前記所定領域内のカウント値が基準値以上になると、処理不適物12aが検出されたことを知らせる処理不適物検出報知信号S1を出力して警報器18を作動する。これにより警報器18からは警報が発せられ、今通過したごみ12が処理不適物12aであることを報知する。
【0039】
作業者(図示せず)は、上記警報によって今通過したごみ12が処理不適物12aであることを知り得、また、テレビモニタ19で観察することによってもそれが処理不適物12aか否かが確認できる。処理不適物12aであれば、それをベルトコンベア11から排除する。
【0040】
ここでは、上記警報を発するための黒画素のカウントがテレビモニタ19上の搬送方向上流側に相当する画面右端側の一定幅領域内で行うので、ごみ12のX線透視像20(図1参照)がテレビモニタ19に映り始めたところで自動判定し、処理不適物抽出像20aがあった場合、それがテレビモニタ19の中央部にきたタイミングで警報器18による警報を発するように設定できる。また、搬送されているごみ12の収集地域と警報発生回数との対応づけが可能であれば、処理不適物収集の多い地域の割り出し等が可能となる。
【0041】
ここで、自動判別用X線検査装置13による処理不適物判別の原理説明を加えておく。図5はX線のエネルギと減弱係数との関係を示す図で、この図5から分かるように、X線エネルギが変化すると減弱係数も変化し、高原子番号物質と低原子番号物質との比較ではX線エネルギの変化に対する減弱係数の変化率(勾配)が異なる。図5において、前記X線検出部16Aに入射するX線はエネルギE1に対応した減弱を受けたものであり、前記X線検出部16Bに入射するX線はフィルタ16Cの存在によりエネルギE2に対応した減弱を受けたものである。低原子番号物質及び高原子番号物質の厚さとX線検出部16A,16Bの出力信号(正規化後のもの)の大きさとの関係を示すと図6に示すような特性となる。この図6から分かるように、低原子番号物質ではエネルギの違いに対して出力信号の変化は小さいが、高原子番号物質では出力信号の変化が大きい。この特性の差を用いることにより、判別対象物質、ここではごみ12が低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかの判別をすることができる。これにより、前記自動判別用X線検査装置13は処理不適物判別を行っている。
【0042】
図7は前記処理不適物排除装置の一例の要部を示す斜視図で、図中、71は処理不適物排除装置本体、72は排除器である。なお、11はベルトコンベア、11a,11bはベルトコンベア11の側壁、11cは側壁11bの一部に設けられたスライド扉である。処理不適物排除装置本体71は、例えば前記X線透視像表示専用テレビモニタ近傍に設けられた排除スイッチの操作で作動される。これにより、排除器72が点線で示すように前方に突き出て、処理不適物の入ったごみ(図示せず)をベルトコンベア側壁11bのスライド扉11cに押し付ける。この状態から、排除器72が更に前方に突き出ると処理不適物の入ったごみはスライド扉11cを押し開け、下方に落下,排除される。
【0043】
図8は前記処理不適物マーキング装置の一例の要部を示す斜視図、図9は図8中の筐体83のX線源15及びペイント噴射器81相互間部分を切断してペイント噴射器81側を示した図である。こららの図において、81はペイント噴射器、82はペイント噴射器81から噴射されたペイントである。なお、11は矢印イ方向に走行するベルトコンベア、15はX線源、16は自動判別用X線検査装置のX線検出器、83はX線漏洩防止用の筐体である。ペイント噴射器81を作動させる処理不適物マーキング装置本体(図示せず)は、例えば前記X線透視像表示専用テレビモニタ近傍に設けられたペイント噴射スイッチの操作で作動される。これにより、ペイント噴射器81からペイント82が噴射され、処理不適物の入ったごみ(図示せず)にペイント82を吹付ける。図示例では、ペイント噴射器81はベルトコンベア11の幅方向に3分割された各位置から各々選択的にペイント噴射可能に、3つのペイント噴射口81a〜81cを設けてなる。ペイント噴射口81a〜81cは3つの又は3切換操作可能のペイント噴射スイッチ(図示せず)で選択的に開閉制御可能で、ベルトコンベア11の幅が広い場合に好適である。
【0044】
なお上述実施例では、高原子番号物質、すなわち金属物を処理不適物とした場合について述べたが、これのみに限らず、例えばフィルタ16Cの波長選択特性を変えたり、前記黒画素カウンタ29を、これとは異なる濃度値の画素をカウントするカウンタに代える等により、種々の物質を処理不適物として設定することができる。
【0045】
また処理不適物排除装置は、図7に示した構成に限定されることはなく、例えばごみの搬送路から直接落下させるようにしてもよい。また、この処理不適物排除装置に加えて、あるいはそれに代えて、所望時に所望のごみを搬送路上から排除可能のごみ排除装置、例えば先端部に電磁石や引掛金具等を取り付けたアームロボット等を設けてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、処理不適物、主として金属物の処理炉への搬送中における選別が、ごみ同士が重なっていたり、処理不適物がごみ袋に入った状態であっても容易かつ確実に行い得、作業者の危険防止や作業負担軽減に役立ち、また処理炉の円滑な稼働確保に貢献し得ると共に、処理不適物としての材質の設定を容易に変更することもできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例の要部を示す斜視図である。
【図2】図1中の自動判別用X線検査装置の具体例を示すブロック図である。
【図3】図1中のX線検出器の各X線検出部の構成例を示す図である。
【図4】図2中の補正回路からの出力信号レベルと2種のエネルギによる減弱特性の差分信号との関係を示すである。
【図5】X線のエネルギと減弱係数との関係を示すである。
【図6】低原子番号物質及び高原子番号物質の厚さと2組のX線検出部の出力信号(正規化後のもの)の大きさとの関係を示す図である。
【図7】処理不適物排除装置の一例の要部を示す斜視図である。
【図8】処理不適物マーキング装置の一例の要部を示す斜視図である。
【図9】図8中の筐体のX線管及びペイント噴射器相互間部分を切断してペイント噴射器側を示した図である。
【符号の説明】
11 ベルトコンベア
イ ベルトコンベア走行方向(ごみ搬送方向)
11a,11b ベルトコンベア側壁
11c スライド扉
12 ごみ
12a 処理不適物
13 自動判別用X線検査装置
14 X線
15 X線源
16 X線検出器
16a,16B X線検出部
16C フィルタ
17 自動判別用X線検査装置本体
S1 処理不適物検出報知信号
18 警報器
19 テレビモニタ
20 画像(画像処理されたX線透視画像)
20a 処理不適物抽出像
SA,SB X線検出部の出力信号
22A,22B アンプ
23A,23B マルチプレクサ
24A,24B A/D変換器
25A,25B 補正回路
26 差分演算回路
27 フレームメモリ
28 配色回路
29 D/A変換器
30 黒画素カウンタ
31 処理不適物検出報知信号出力回路
71 処理不適物排除装置本体
72 排除器
81 ペイント噴射器
81a〜81c ペイント噴射口
82 噴射されたペイント
83 X線漏洩防止用の筐体

Claims (4)

  1. 搬送中のごみにX線を照射するX線源と、前記ごみの搬送方向に二分されたX線検出部を具備し前記ごみの透過X線を検出するX線検出器と、前記X線検出部の内の一方に被覆され前記ごみの透過X線の波長を選択して出力するフィルタと、このフィルタに覆われた一方のX線検出部と覆われない他方のX線検出部とに同一のごみの透過X線を検出させてそれらの透過X線の差分量を得る手段と、該得られた差分量からそのごみが低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別する手段と、該選別された物質に基づき色分け又は画像濃度変化を施した画像を得る手段と、該得られた色分け又は画像濃度変化を施した画像を表示する手段と、を備えたことを特徴とするごみ処理施設におけるごみ搬送装置。
  2. 搬送中のごみにX線を照射するX線源と、前記ごみの搬送方向に二分されたX線検出部を具備し前記ごみの透過X線を検出するX線検出器と、前記X線検出部の内の一方に被覆され前記ごみの透過X線の波長を選択して出力するフィルタと、このフィルタに覆われた一方のX線検出部と覆われない他方のX線検出部とに同一のごみの透過X線を検出させてそれらの透過X線の差分量を得る手段と、該得られた差分量からそのごみが低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別する手段と、該選別された物質に基づき色分け又は画像濃度変化を施した画像を得る手段と、前記得られた画像の予め定められた原子番号物質側の色又は濃度をもつ画素をカウントし、得られたカウント量が所定の基準値以上になった時に処理不適物検出報知信号を出力する手段と、前記処理不適物検出報知信号が入力された時に警報を発する警報器と、を備えたことを特徴とするごみ処理施設におけるごみ搬送装置。
  3. 搬送中のごみにX線を照射するX線源と、前記ごみの搬送方向に二分されたX線検出部を具備し前記ごみの透過X線を検出するX線検出器と、前記X線検出部の内の一方に被覆され前記ごみの透過X線の波長を選択して出力するフィルタと、このフィルタに覆われた一方のX線検出部と覆われない他方のX線検出部とに同一のごみの透過X線を検出させてそれらの透過X線の差分量を得る手段と、該得られた差分量からそのごみが低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別する手段と、該選別された物質に基づき色分け又は画像濃度変化を施した画像を得る手段と、前記得られた画像の予め定められた原子番号物質側の色又は濃度をもつ画素をカウントし、得られたカウント量が所定の基準値以上になった時に処理不適物検出報知信号を出力する手段と、前記処理不適物検出報知信号が入力された時に前記搬送中のごみにペイントを吹付けるペイント噴射器と、を備えたことを特徴とするごみ処理施設におけるごみ搬送装置。
  4. 搬送中のごみにX線を照射するX線源と、前記ごみの搬送方向に二分されたX線検出部を具備し前記ごみの透過X線を検出するX線検出器と、前記X線検出部の内の一方に被覆され前記ごみの透過X線の波長を選択して出力するフィルタと、このフィルタに覆われた一方のX線検出部と覆われない他方のX線検出部とに同一のごみの透過X線を検出させてそれらの透過X線の差分量を得る手段と、該得られた差分量からそのごみが低原子番号物質であるか高原子番号物質であるかを選別する手段と、該選別された物質に基づき色分け又は画像濃度変化を施した画像を得る手段と、前記得られた画像の予め定められた原子番号物質側の色又は濃度をもつ画素をカウントし、得られたカウント量が所定の基準値以上になった時に処理不適物検出報知信号を出力する手段と、前記処理不適物検出報知信号が入力された時に前記搬送中のごみを搬送路上から排除する排除器と、を備えたことを特徴とするごみ処理施設におけるごみ搬送装置。
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