JP5562193B2 - アルミ合金判別方法および選別設備 - Google Patents
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Description
アルミニウムあるいはアルミニウム合金は、現状においても、省資源化の観点と低コスト化の観点とからリサイクルされることが一般的である。このため、従来から、迅速かつ大量にアルミニウムおよびアルミニウム合金を他の金属から選別して回収する技術が開発されてきた。
なお、特許文献1には、色選別機の代わりに、金属の種類によってX線の透過具合が異なることを利用するX線式選別機を用いた例が記載されている。開示されたX線式選別機は、X線検出センサの前に形状センサを設けて、破砕片の厚さを測定して、単位厚さあたりの透過X線強度を算出し、材質毎に予め取得したデータと照合して、破砕片の材質を推定するものである。
こうして回収したアルミ等から再生した鋳造材は、主として自動車の内燃エンジンに利用されてきた。自動車の生産量は大きく、アルミニウム合金鋳造材の需要が大きいため、回収されたアルミニウムおよびアルミ合金は十分消化されてきた。
このように、将来を案ずると、回収アルミ類は自動車以外の需要先を開拓する必要に迫られている。需要を拡大するためには、自動車需要に頼る鋳造材としての再利用だけでは難しく、展伸材由来の回収アルミニウム合金を展伸材として供給できるようにする必要がある。
しかし従来は、合金系別に区別して判定する適当な方法がなく、区別なく市中から回収されてきた一般廃棄物中の種々のアルミニウムおよびアルミニウム合金を処理して、合金の種類に従って選別回収することができなかった。
開示された方法では、使用済み自動車において展伸材が使用されている部分が明確に知られているところから、第1分別工程で、解体するときに、アルミニウム鋳物の部分や混入するとアルミニウム合金を低品位にする鉄やケイ素などの不純物要因を取り除いて、残りの部分を処理対象として分別する。
開示された方法は、破砕片の形態に基づいて展伸材に由来するものと鋳造材に由来するものとを多変量解析法の一種である判別分析法を用いて識別するもので、重量、体積、面積、縦寸法、横寸法、最大高、重心高などを測定して、判別分析に用いる変数を算定し、これらの変数を予め登録した大量のケースデータに照らし合わせて判定する。ケースデータは、過去において実際に得られた展伸材および鋳造材について測定した結果を蓄積したものである。
たとえば、特許文献2に開示された分別方法は、熟練作業員による第1分別工程に依存するもので、自動化に困難がある。また、特許文献3に開示された判定方法は、各方向から撮影した外形画像を扱う複雑な画像処理と高度な判定アルゴリズムを実行する必要があるうえ、サンプルとして収集した破砕片の形態データと照合して判定するためサンプルと異なる形状をもつ破砕片については的確な判定を行うことができない。
このように、アルミニウム合金の種類別に分けて判定する適当な方法が得られないため、アルミニウム合金の種類別に選別して回収する設備を提供することができなかった。
(1)回収の対象となる第1アルミ合金からなり厚さの異なる複数の校正用試料と排除の対象となる第2アルミ合金からなる対比用試料を準備する工程と、
(2)校正用試料および対比用試料に対してエネルギーの異なる2つのX線を照射して単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
(3)エネルギーの異なる2つのX線に係る透過量をそれぞれ軸とする2次元座標で規定される測定平面に単位面積毎の測定結果を配置する工程と、
(4)校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を上側曲線と下側曲線で挟むようにした判別帯を測定平面中に画定して、測定平面を判別帯の中の中密度領域と、上側曲線より外側の高密度領域と、下側曲線より外側の低密度領域に分ける工程と、
(5)対比用試料に関する測定結果の分布と対比して、高密度領域に含まれる校正用試料に関する測定結果の割合に基づいて校正用試料と対比用試料の選別をする第1閾値を決め、中密度領域に含まれる校正用試料に関する測定結果の割合から校正用試料であることを判定する第2閾値を決める工程と、
(6)被選別試料に2つのX線を照射して、単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
(7)単位面積毎の2つのX線強度測定値を高密度領域と中密度領域と低密度領域に分類する工程と、
(8)高密度領域に含まれる割合が所定の第1閾値より小さくて、中密度領域に含まれる割合が所定の第2閾値より大きいときに、被選別試料が回収対象品であると判定する工程と、
を含むことを特徴とする。
ここで、単位面積は、試料の面積を分割して測定するときに、1つの測定値が出力する最小の面積で、X線センサーの1つの素子が検知する範囲の整数倍の面積になる。
2本のX線検出リニアセンサの一方の面に遮蔽板を置き、X線強度を減衰させることにより、2本のセンサ間で異なるX線強度を測定することができる。遮蔽板は、X線が透過する際にX線強度を適度に減衰させる機能を有するものであって、金属板など各種の材料を利用することができ、薄い銅板であってもよい。一方のX線照射光路に遮蔽板のX線透過特性を加味することにより、実質的に、被測定物を透過した2つのX線の間にエネルギー差を与えたと同じ効果をもたらすことができる。
異なる金属同士を判定するために有効に利用できる測定平面中の判定曲線は、校正用試料を使って校正することにより求めることができる。また、判定に用いる閾値は、校正用試料に係る測定値の分布および排除対象の材料で形成する対比用試料について求めた測定結果に基づいて決定する。
ただし、照射X線のゆらぎやX線透過経路のゆらぎなどのため、同じ厚さの測定点でも、X線強度の測定値は多少のばらつきを示す。そのため、グラフ上には、ある程度の幅を持ったプロット群が形成される。したがって、判定領域は、多くの測定点を包含させるため、幅を持った帯の形になるように決める必要がある。
本発明のアルミ合金判別方法は、アルミニウム合金の系統によってはX線吸収率が僅かに異なること、つまりX線透過強度が低下するアルミニウム合金はいずれも銅や亜鉛などのアルミニウムより重い金属を多く含んでいること、さらに上記のX線透過型判別方法における単位面積毎の測定結果がばらつきをもって分布すること、に注目して、測定結果に対して統計的処理を施して僅かの差異を検出することにより、鋳造材に由来するアルミニウム合金や展伸材に由来するアルミニウム合金について、合金系別に判別することを可能としたものである。
本発明のアルミ合金判別方法は、校正用試料を使って得た判別領域と閾値を利用することにより、測定値の分布の統計的相違を検出して、アルミニウム合金の系別を判定するものである。
これら系別のアルミニウム合金は、重金属を僅かしか含まないので、回収後融合して組成調整することにより、適宜のアルミニウム合金として再生することができる。
第2アルミ合金は、銅や亜鉛がアルミニウムよりX線を多く吸収するので、同じ厚さなら透過X線強度に関する測定結果が上記2次元座標面において、より左上側に位置することになる。
なお、ここで第2アルミ合金とされたものは、観点を変えると、排除により精度良く選別することができる。
厚さが異なる複数の校正用試料について、エネルギーが異なる2つX線の透過X線強度を測定した結果を測定平面にプロットすると、弓形の曲線にそって幅を有する帯状に分布する。したがって、判定曲線は、帯幅を有する弓状の判定帯にする必要がある。
そこで、第1閾値は、第1アルミ合金に関する測定結果が統計的ゆらぎのため高密度領域に含まれる割合が大きくなる場合にも第1閾値を超えない値であって、第2アルミ合金に関しては統計的ゆらぎのため高密度領域に含まれる測定結果が減少しても第1閾値以下にならないような値であることが好ましい。
また、第2閾値は、第1アルミ合金に関する測定結果が統計的ゆらぎのため中密度領域に含まれる割合が小さくなっても第2閾値以下にならないような値を選択することが好ましい。
なお、第1アルミ合金の判定確度をより大きくするためには、十分な回数の試行錯誤を繰り返して決めることが望ましい。
以上のように、本発明のアルミ合金判別方法は、校正用試料を使って得た判別領域と閾値を利用することにより、測定値の分布の統計的相違を検出して、アルミニウム合金の系別を判定できるようにしたものである。
X線透過型金属選別機は、アルミニウムおよびアルミニウム合金の被選別試料を搬送するベルトコンベアと、ベルトコンベアの上方に設けたX線線源と、ベルトコンベアの下に設けて透過してきたX線の強度を測定する2連のX線センサであって、2連のうち一方はセンサにかぶせた金属板を透過させて実質的に異なるエネルギーを持つX線として検出するようにしたX線センサと、2連のX線センサの出力を用い、ベルトコンベアの搬送距離に基づいて、試料の同じ位置における単位面積毎の透過X線の強度を算定し、単位面積毎の2つの異なるエネルギーを持つX線の透過強度を、第1アルミ合金の校正用試料を用いて予め校正して求めた第2アルミ合金との選別を可能とする高密度領域と中密度領域と低密度領域とに分類して、高密度領域に含まれる割合が所定の第1閾値より小さくて中密度領域に含まれる割合が所定の第2閾値より大きいときに、第1アルミ合金と判定し、測定された試料がベルトコンベアの終端位置に到達したときに判定結果に従って第1アルミ合金を第1貯留槽に他のアルミ合金を第2貯留槽に分配させる指令を発生する判定装置と、判定装置の指令に従って試料を回収側と排除側に分配する分配装置とを有するX線透過型金属選別機を備える。
本実施形態に係るアルミ合金判別方法は、図1に示すようなX線透過型金属選別機を使用することにより実施することができる。本実施形態におけるX線透過型金属選別機は、試料21を搬送するベルトコンベア1と、ベルトコンベア1の上方に設けたX線線源3と、ベルトコンベア1の下に設けて試料21を透過してきたX線の強度を測定する2連のX線センサ5と、測定信号を用いて演算することにより試料の判別を行う判定回路7とを備える。
なお、第1X線検出リニアセンサ9と第2X線検出リニアセンサ11の測定位置を対応させやすくするために、X線検出リニアセンサ9,11は、ベルトコンベア1の移送方向と直交するように配置することが好ましい。
X線透過型金属選別機は、金属の元素番号が大きいほどX線透過率が小さくなることを利用して、金属の種別を判定するものである。
X線の透過量は試料の厚みに影響を受けるので、異なる特性を有するX線を照射して得た2つの透過X線強度測定結果を用いて厚みの影響分を補正している。また、X線の測定ではX線放射のゆらぎやX線測定のゆらぎが無視できないため、1つの試料について多数の測定を行い、結果を統計的に処理することにより信頼性を確保するようにしている。
測定平面は、第1X線検出リニアセンサ9の測定出力を縦軸に、第2X線検出リニアセンサ11の測定出力を横軸にした2次元座標面である。測定平面の横軸は、遮蔽板を通さずに元のX線の透過強度を測定した結果を表し、縦軸は、X線検出センサを金属板13でカバーすることにより実質的に弱いエネルギーを持つX線を照射した場合に対応させた透過強度の測定結果を表す。測定平面のスケールは、透過X線強度(強)と表記した横軸および透過X線強度(弱)と表記した縦軸のいずれも、それぞれのセンサの出力範囲と整合させている。したがって、目盛りは物理単位と直接の整合性はない。
なお、図4等のグラフでは、第1X線検出リニアセンサによる測定値と第2X線検出リニアセンサによる測定値について、X線が全く透過しない状態が零点となり、ベルト上に試料が載っていない状態の測定値がフルスケール位置にくるように正規化して表示している。
測定結果は照射X線のゆらぎやX線透過経路のゆらぎなどのためばらつきを持つため、測定結果のプロットは塊状に分布するが、試料の厚い方から薄い方に向かって、原点と右上の端点を結ぶ弓形の曲線にそって分布することが分かる。
測定値のばらつきを考慮し、弓形曲線に上側曲線と下側曲線とで挟まれた判定領域を設定することによって、合金番号6063のアルミニウム合金の測定値の大部分が判定領域に含まれるようにすることができる。
なお、試料のアルミニウム合金より原子量が大きくX線透過率の小さい材料の測定結果はこの弓形曲線より左上側にプロットされ、原子量が小さくX線透過率の大きい材料では弓形曲線の右下側にプロットされる。
図5は、各種のアルミニウム合金で作成した試料について測定した結果と、銅の試料について同じ手順で測定した結果を、同じ測定平面上に一緒にプロットした図面である。
図に見るように、アルミニウム合金全般を含むようにするためには判定領域の幅を少し大きくする必要があるが、銅の測定結果はアルミニウム合金の測定結果より測定平面上左上側に大きくそれていて、アルミニウム合金のための判定領域に含まれる割合は小さい。
図6の表によると、合金番号1050のアルミニウムはもちろん、熱交換器用材などに用いられる合金番号3003、建築用サッシなどに用いられる合金番号6063、溶接構造材などに使用される合金番号5083のアルミニウム合金には、アルミニウムより原子量が大きい重金属を大量に含まないことが分かる。
図7によると、合金番号2024の測定結果のプロット群は、合金番号6063のものより僅かに左上側、すなわち高密度側にずれていることが分かる。
ただし、特に合金番号2024の厚みの薄い試料などは、測定結果のプロットの中心部分が合金番号6063の判定領域にほとんど含まれていて、両者の別を判定することは難しいように見られる。
図8は、本実施形態のアルミ合金判別方法において判定領域と判定のための閾値を決める原理を概念的に説明する図面である。
一方、第2アルミ合金は重金属を含有するため第1アルミ合金よりX線透過率が小さくなり、図中に波線で表わすように、高密度側に偏った測定結果分布を示す。
すなわち、第1アルミ合金の測定が高密度側にゆらいでも、第2アルミ合金とは区別できるような高密度割合を見いだして、第1閾値とする。さらに第1アルミ合金の測定結果が低密度側にゆらいでも、アルミニウムより軽い金属やプラスチックスなどではないと判定できるような中密度割合を見いだして、第2閾値とする。
高密度領域に含まれる測定結果の割合が第1閾値より小さい場合には、廃棄物片は第2アルミ合金ではなく、第1アルミ合金である可能性が高い。さらに、中密度領域に含まれる測定結果の割合が第2閾値より大きければ、第1アルミ合金より低密度の物質である可能性を排除することができる。
なお、判定領域を規定する上側曲線と下側曲線および第1閾値と第2閾値は、判定成績を左右する重要な指標であるが、曲線をどのように規定するかによって閾値が変化する。また判別対象群や判別装置などによって最適値が変化する。したがって、これらの指標は、実際に使用する構成について試行錯誤により求める必要がある。
厚さ1mmの試料では灰色で示す低密度領域と黒で示す高密度領域に含まれる測定点が比較的多くなっているが、厚さが増えるにつれて、中間色で示す中密度領域に含まれる面積が増加しており、厚さにより各密度領域の割合に若干の差が表れる。
本実施例では、判定領域に含まれる第1アルミ合金測定結果の割合は、すべてのケースで、46%以上となっている。しかし、排除したい第2アルミ合金である合金番号2024と合金番号7N01について測定した結果をみると、ほとんどのケースで46%以下になっているが、46%を超えるケースも存在する。
したがって、中密度領域に含まれる割合について下限を定める第2閾値を46%とする上に、高密度領域に含まれる測定点の割合について上限を定める第1閾値を24%に設定して、2つの基準を満たすことを条件とすることにより、第1アルミ合金と第2アルミ合金を区別することができることが分かった。
本実施形態のアルミ合金判別方法では、廃棄物について判定を行う前に、判定基準を決定する。判定基準は判定領域と第1閾値と第2閾値により定まる。その後に、判定対象試料について測定し、判定基準に従って判定する。
こうして、X線透過型金属選別機により被選別試料の仕分けを行うための判定基準を画定する。
被選別試料は、X線透過型金属選別機のベルトコンベアに搭載され、移動中に2つの実質的に異なるX線スリット光に照射され、単位面積毎の透過X線強度が測定され、出力される(S21)。単位面積毎の2つのX線強度測定値を高密度領域と中密度領域と低密度領域に分類する(S22)。測定結果が高密度領域に含まれる割合が先に定めた第1閾値より小さくて、中密度領域に含まれる割合が先に定めた第2閾値より大きいときには(S23)、被選別試料が回収対象品であると判定する(S24)。また、この条件のいずれかが満たされない場合は、被選別試料は排除すべき物と判定する(S25)。
被選別試料の判定をした後に、被選別試料が残っていれば判定工程の初めに戻って判定を繰り返し、すべての被選別試料について判定が済んだら、作業を終了する(S26)。
最下欄に、各合金種について、全試料が第1アルミ合金と判定した場合に○、第2アルミ合金と判定した場合に×を記入している。
第1アルミ合金に含まれる合金番号1000,3003,5083,6063はすべて条件を満たして第1アルミ合金と判定され、第2アルミ合金に含まれる合金番号2024と7N01はすべて条件を満たさず第2アルミ合金と判定されている。このように、本実施形態の判別方法により、試行対象の試料をすべて第1アルミ合金と第2アルミ合金に正しく選別することができた。
従来、迅速かつ大量にアルミニウムおよびアルミニウム合金と他金属を選別するアルミ合金選別設備はあったが、合金系別にアルミニウム合金を迅速かつ大量に選別する技術は見られなかった。
本実施形態のアルミ合金選別設備は、上記説明したアルミ合金判定方法を利用したX線透過型金属選別機を組み込んで、市中から回収された廃棄物などから得られるミックスメタルから選別して得たアルミニウム合金破砕片をさらに選別して、いわゆるアルミニウム合金展伸材を選別して回収するものである。
図12を参照すると、アルミニウムの他に、鉄、銅、ゴム、プラスチックスなどを含んで構成される市中スクラップから得られるミックスサンプルは、篩にかけて10mm角以上の大きさを持った破砕片を選別する。10mm角以下の細かい破砕片は選別機で精度よく分離することが難しいので、除去する。
選別されたミックスメタルは、2段階目の選別としてアルミ選別用に条件設定されたX線透過型金属選別機にかけることにより、アルミ以外の金属と大きな異物が付いたアルミニウム類を除去して、アルミニウムおよびアルミニウム合金の破片で構成されるアルミスクラップを分離する。
本実施形態のアルミ合金選別設備は、合金番号6063のアルミニウム合金を展伸材主原料として十分利用できる高い品位で回収することができる。再生された合金番号6063のアルミニウム合金は、展伸材として、たとえば窓枠サッシとして再利用することができる。
最後に除去されるアルミニウム合金は、2000系や7000系のアルミニウム合金やアルミダイキャストである。これらのアルミニウム合金は、鋳造材として再生利用することができる。
なお、本発明のアルミ合金判定方法およびこれを使用したアルミ合金選別設備は、合金番号6063の再生に限らず、1000系、3000系、5000系のアルミニウム合金を目的として判別するようにすることもできる。また、逆の観点からすると、2000系や7000系のアルミニウム合金を精度良く判別することも可能にするものでもある。
3 X線線源
5 X線センサ
7 判定回路
9 第1X線検出リニアセンサ
11 第2X線検出リニアセンサ
13 金属板
15 照射されるX線
17,19 X線スリット光
21 試料
23,25 測定位置
Claims (5)
- 回収の対象となる第1アルミ合金からなり厚さの異なる複数の校正用試料と排除の対象となる第2アルミ合金からなる対比用試料を準備する工程と、
前記校正用試料および前記対比用試料のおのおのに対してエネルギーの異なる2つのX線を照射して単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
前記2つのX線に係る透過量を2軸とする2次元座標で規定される測定平面に単位面積毎の測定結果を配置する工程と、
前記校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を上側曲線と下側曲線で挟むようにした判別帯を前記測定平面上に画定して、該測定平面を前記判別帯の中の中密度領域と、上側曲線より外側の高密度領域と、下側曲線より外側の低密度領域に分ける工程と、
前記対比用試料に関する測定結果の分布と対比して、前記高密度領域に含まれる前記校正用試料に関する測定結果の割合に基づいて前記校正用試料と前記対比用試料の選別をする第1閾値を決め、前記中密度領域に含まれる前記校正用試料に関する測定結果の割合から前記校正用試料であることを判定する第2閾値を決める工程と、
被選別試料に前記2つのX線を照射して単位面積毎の透過X線の強度を測定する工程と、
前記測定された単位面積毎の2つのX線強度測定値を前記高密度領域と前記中密度領域と前記低密度領域に分類する工程と、
前記高密度領域に含まれる割合が所定の第1閾値より小さくて、前記中密度領域に含まれる割合が所定の第2閾値より大きいときに、前記被選別試料が回収対象品と判定する工程とを含む、
アルミ合金判別方法。 - 前記エネルギーの異なる2つのX線を照射する手順は、1つのX線線源により被測定物を照射して、該被測定物を透過したX線を2本のX線検出リニアセンサにより測定するものであって、該X線検出リニアセンサの1本に一部のX線を吸収する遮蔽板をかぶせることにより、エネルギーの異なるX線を照射したと同様の効果をもたらすことを特徴とする請求項1記載のアルミ合金判別方法。
- アルミニウムおよびアルミニウム合金の被選別試料を搬送するベルトコンベアと、
該ベルトコンベアの上方に設けたX線線源装置と、
前記ベルトコンベアの下に設けて透過してきたX線の強度を測定する2本のX線検出リニアセンサを並列に並べた2連のX線センサであって、一方のX線検出リニアセンサはセンサにかぶせた遮蔽板を透過させてX線強度を弱化させて実質的に異なるエネルギーを持つX線として検出するようにしたX線センサと、
前記2連のX線センサの出力を用い、前記ベルトコンベアの搬送距離に基づいて、試料の同じ位置における単位面積毎の透過X線の強度を算定し、単位面積毎の2つの異なるエネルギーを持つX線の透過強度を、第1アルミ合金の校正用試料を用いて、前記2連のX線センサの出力を2軸とする2次元座標で規定される測定平面を配置したときに、前記校正用試料に関する測定結果を示す点の分布濃度が大きな領域を上側曲線と下側曲線で挟むようにした判別帯を前記測定平面上に画定することにより予め分類した、第2アルミ合金との選別を可能とする前記判別帯の中の中密度領域と、前記上側曲線より外側の高密度領域と、前記下側曲線より外側の低密度領域に対して、前記2連のX線センサの出力に対応する測定結果が前記高密度領域に含まれる割合が所定の第1閾値より小さくて前記中密度領域に含まれる割合が所定の第2閾値より大きいときに、前記第1アルミ合金と判定し、測定された試料が前記ベルトコンベアの終端位置に到達したときに前記判定結果に従って第1アルミ合金を第1貯留槽に他のアルミ合金を第2貯留槽に分配させる指令を発生する判定装置と、
該判定装置の指令に従って前記試料を選別対象側と非対象側に分配する分配装置とを有するX線透過型金属選別機と、
アルミニウムおよびアルミニウム合金の廃棄物を他の廃棄物から選別して回収し、前記X線透過型金属選別機の前記ベルトコンベアに供給する前処理設備と、
を備えるアルミ合金選別設備。 - 前記前処理設備は、
篩い分けして供給される所定寸法以上の廃棄物から非金属品を排除して金属廃棄物を供給する金属選別機と、
該金属選別機から供給された金属廃棄物からアルミニウムおよびアルミニウム合金を選別して供給するアルミニウム選別機を含む、請求項3記載のアルミ合金選別設備。 - 前記アルミニウム選別機は、2連のX線センサの出力を用い、ベルトコンベアの搬送距離に基づいて、試料の同じ位置における単位面積毎の透過X線の強度を算定し、単位面積毎の2つのX線強度を測定平面に配置して、アルミニウムおよびアルミニウム合金の校正用試料を用いて予め校正して求めた前記判別帯より高密度の領域に配置されたときにアルミニウムおよびアルミニウム合金以外の金属と判定して排除する更に別のX線透過型金属選別機である、請求項4記載のアルミ合金選別設備。
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