JP3540914B2 - X線撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線撮影装置に関し、特に、撮像によって得られるX線透視画像およびX線撮影画像のぼけを高速に補正するX線撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線撮影装置を用いてそのまま得られるX線透視画像およびX線撮影画像は通常ぼけが発生しており、本来のX線透視画像およびX線撮影画像を得るためには、当該ぼけを除去する補正処理を施す必要があった。
【0003】
ここで、このぼけの発生原因について、以下説明する。すなわち、X線画像の撮影または透視の方法としては、被検体を透過したX線の強度分布をフィルムに記録する方法、あるいは、2次元検出手段で読み出して、表示およびデジタル記録する方法等が広く用いられている。
【0004】
この2次元検出手段(検出器)としては、たとえば、X線イメージインテンシファイア(以下、「X線I.I.」と記す)と結像光学系とテレビカメラとからなる検出器、蛍光板と結像光学系とテレビカメラとからなる検出器、蛍光板と2次元フォトダイオードアレイと2次元薄膜トランジスタ(TFT)とからなる検出器、および、セレン膜と2次元薄膜トランジスタ配列とからなる検出器等があった。
【0005】
たとえば、X線I.I.と結像光学系とテレビカメラとからなる2次元検出手段を用いた方法では、被検体を透過したX線の強度分布を光学像に変換する過程において、光の拡散現象によってベーリンググレアと呼ばれる拡散光が生じ、該拡散光が直接光と共に計測されることによって、本来のX線強度分布による像にぼけが加わることとなっていた。一般に、X線の強度分布を光学像に変換した後に、該光学像を計測する方法では、光学像が生成される媒体において、光の拡散現象により本来のX線像にぼけが加わるという現象を避けることができなかった。この拡散光は、画像のコントラストを低下させる原因となっていた。
【0006】
そして、本来のX線画像に対してぼけ成分となる原因としては、前述の拡散光の他に、被検体の内部において、X線管から出射したX線ビームの方向とは異なる方向に散乱された散乱X線が、フィルムおよび2次元検出手段すなわちX線画像センサで検出されるというX線の散乱現象があった。このX線の散乱現象も、また、避けることができず、散乱X線がX線画像センサで検出されると、計測されるX線の強度分布にぼけが加わることになっていた。
【0007】
以上説明したように、X線像を光学像に変換し、該光学像を計測する方法では、被検体の内部で発生する散乱X線によるX線画像センサ面におけるぼけと、光学像生成媒体における拡散光によるぼけとの、2つの過程により、本来のX線像に対するぼけが加わり、画質を低下させるという問題があった。
【0008】
特に、被検体の周囲方向の多方向から撮像した複数枚のX線画像に基づいて被検体内部の3次元分布を画像化するコーンビームCT装置等においては、ぼけが加わることによって、画像の値すなわち画素値が同一であるべき領域で、画像毎に該画素値に偏りが生じていた。このため、これらのX線画像から再構成した被検体内部の3次元像においても画質の劣化が生じると共に、CT値の定量性が低下してしまい、正確な診断を行うことができないという問題があった。なお、被検体内部の3次元分布を画像化する方法としては、たとえば、文献1「医用画像工学研究会ジャミットフロンティア95(JAMIT Frontier ’95)講演論文集、23−28頁(1995年)」に記載のデータ補正処理方法がある。
【0009】
そして、これらの拡散光によるぼけと散乱X線によるぼけを補正する方法がいくつか知られており、たとえば、文献2「メディカルフィジックス誌(Medical Physics)、20巻59−69頁(1993)」に記載される、拡散光と散乱X線とを一体として補正する方法を用いたX線撮影装置があった。また、他の方法として、文献3「第15回日本医用画像工学会大会特集号、14巻4号383−384頁」に記載される、拡散光と散乱X線とを分離して補正する方法を用いたX線撮影装置があった。その他の方法として、同一出願による文献4の特願平7−311841号公報に記載のX線画像作成方法およびその装置があった。
【0010】
次に、図6に従来のX線撮影装置による散乱X線および拡散光の補正手順を説明するための図を示し、以下、図6に基づいて、文献4に示す散乱X線および拡散光の補正手順を説明する。
【0011】
文献4に示すX線撮影装置では、画像劣化過程を逆に辿ることにより、散乱X線および拡散光を補正していた。
【0012】
まず、計測画像301に2次元の拡散光分布フィルタ302を畳み込み演算して(303)、拡散光成分画像304を求める。次に、計測画像301から拡散光成分画像304を差し引き(305)、拡散光が補正された拡散光補正画像306を求める。この後、拡散光補正画像306に2次元の散乱X線フィルタ307を畳み込み演算し(308)、散乱X線成分画像(309)を求める。最後に、拡散光補正画像306から散乱X線成分画像309を差し引き(310)、散乱X線が補正された直接X線画像311を求めるというものであった。なお、この補正はフーリエ空間で行うことにより、畳み込み演算の代わりにフーリエ変換により行うことも可能であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述した文献2,3,4に示す従来のX線撮影装置では、拡散光および散乱X線の強度分布関数すなわち拡散光フィルタおよび散乱X線フィルタを求め、これと計測画像との2次元コンボリューション演算(2次元畳み込み演算)を行う構成となっていたので、演算部分の構成が複雑になってしまうと共に、演算に要する負荷が大きくなってしまい、拡散光および散乱X線によるぼけの補正を高速に処理することができないという問題があった。
【0014】
特に、被検体の周囲方向の多方向から撮像した複数枚のX線画像に基づいて被検体内部の3次元分布を画像化する文献1に記載のコーンビームCT装置等においては、一般のX線透視およびX線撮影と比較して、多量のX線画像の補正処理を行う必要があるので、画像の補正に多くの時間がかかってしまうという問題があった。
【0015】
すなわち、図6に示すように、拡散光フィルタ302および散乱X線フィルタ307には、あらかじめ計測により求めた点像分布関数や線像分布関数、あるいはこれらの計測データからガウス関数や指数関数でフィッティングして求めた関数が用いられる。これらの関数は一般に長く裾を引く形状であるので、これらの関数をフィルタとして用いた場合には、拡散光成分画像304あるいは散乱X線成分画像309を求めるためのステップ303,308の畳み込み演算の演算量が膨大となり補正演算処理を高速にできないという問題があった。一方、この演算を高速に行うためには、フーリエ変換を実行することのできる特殊な演算手段が必要とされるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、X線透視画像もしくはX線撮影画像の画質を高速に向上することが可能なX線撮影装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、X線透視画像もしくはX線撮影画像に対して、散乱X線に起因するぼけを高速に補正することが可能なX線撮影装置を提供することにある。
【0018】
本発明のその他の目的は、X線透視画像もしくはX線撮影画像に対して、拡散光に起因するぼけを高速に補正することが可能なX線撮影装置を提供することにある。
【0019】
本発明のその他の目的は、3次元再構成によって得られる3次元再構成像の画質を向上することが可能なX線撮影装置を提供することにある。
【0020】
本発明のその他の目的は、3次元再構成によって得られる3次元再構成像のCT値の定量性を向上することが可能なX線撮影装置を提供することにある。
【0021】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0023】
(1)X線透視画像あるいはX線撮影画像を計測するものであって、該計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から散乱X線成分を除く散乱X線補正手段を有するX線撮影装置において、前記散乱X線補正手段は、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像に基づいて散乱X線強度分布関数を作成する散乱X線強度分布関数作成手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記散乱X線強度分布関数に基づいて前記移動平均演算のウィンドウ幅を計算するウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備する。
【0024】
(2)X線透視画像あるいはX線撮影画像を計測するものであって、該計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から拡散光成分を除く拡散光補正手段を有するX線撮影装置において、前記拡散光補正手段は、拡散光強度分布関数を作成する拡散光強度分布関数作成手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記拡散光強度分布関数に基づいて前記移動平均演算のウィンドウ幅を計算するウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備する。
【0025】
(3)X線透視画像あるいはX線撮影画像を計測するものであって、該計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から散乱X線成分および拡散光成分を除くぼけ成分補正手段を有するX線撮影装置において、前記ぼけ成分補正手段は、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像に基づいて散乱X線強度分布関数を作成する散乱X線強度分布関数作成手段と、拡散光強度分布関数を作成する拡散光強度分布関数作成手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記散乱X線強度分布関数および前記拡散光強度分布関数に基づいて前記移動平均演算のウィンドウ幅を計算するウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備する。
【0026】
(4)前述した(1)ないし(3)の内のいずれかに記載のX線撮影装置において、前記移動平均演算手段は、縦方向および横方向に対してそれぞれ2回づつの移動平均演算を同一のウィンドウ幅で行う手段からなる。
【0027】
(5)前述した(1)ないし(4)の内のいずれかに記載のX線撮影装置において、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像を検者が予め設定した値の画像に縮小する画像縮小手段を具備し、前記各補正手段は、前記縮小画像に基づいて各強度分布関数の作成、移動平均ウィンドウ幅の計算を行う。
【0028】
(6)前述した(5)に記載のX線撮影装置において、縮小後の画像を前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像に拡大する画像拡大手段を具備し、前記差分演算手段は、前記移動平均演算手段が前記縮小画像の縦方向および横方向に対してそれぞれ複数回の移動平均演算を行うことによって得られた画像を拡大した画像と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像との差分を計算する。
【0029】
(7)被検体の周囲方向から計測されたX線撮影画像に基づいて、前記被検体の断層画像あるいは3次元画像を再構成するX線撮影装置およびX線CT装置において、前記計測されたX線撮影画像に基づいて散乱X線強度分布関数を作成する散乱X線強度分布関数作成手段と、拡散光強度分布関数を作成する拡散光強度分布関数作成手段と、前記計測されたX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記散乱X線強度分布関数および前記拡散光強度分布関数に基づいて前記移動平均演算のウィンドウ幅を計算するウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備する。
【0030】
前述した(1)〜(4)の手段によれば、計測したX線透視画像あるいはX線撮影画像である計測画像からぼけ成分を抽出したぼけ成分画像を生成する過程において、散乱X線強度分布関数作成手段あるいは/および拡散光強度分布関数作成手段が作成した散乱X線強度分布関数あるいは/および拡散光強度分布関数に基づいて、ウィンドウ幅算出手段が移動平均演算のウィンドウ幅を計算し、該ウィンドウ幅に基づいて、移動平均演算手段が移動平均演算を行うことにより、ぼけ成分画像を生成することができる。すなわち、従来では、演算量の多いコンボリューション演算が必要なぼけ成分画像の生成を、高速演算が可能な移動平均演算によって生成することができるので、散乱X線あるいは/および拡散光に起因するぼけ成分の補正すなわちX線画像の画質の向上を高速に行うことができる。
【0031】
前述した(5)および(6)の手段によれば、計測したX線透視画像あるいはX線撮影画像である計測画像からぼけ成分を抽出したぼけ成分画像の生成を、縮小した画像すなわち画素数の少ないX線画像に基づいて行うことができるので、演算量が低減できる。したがって、さらに演算速度を高速化することができる。
【0032】
前述した(7)の手段によれば、3次元再構成に使用するX線画像のぼけ成分を精度よく除去することができるので、3次元再構成によって得られる3次元再構成像の画質も向上できる。また、ぼけ成分の除去によって、X線画像中の臓器等のエッジ部分を鮮明化することができる。また、ぼけ成分の除去により画素値の偏りがなくなるので、再構成像におけるCT値の定量性を向上することができる。さらには、複数枚のX線画像を高速に補正することができるので、撮影から再構成像の表示までに要する時間を短縮することができる。したがって、医師等の診断効率を向上することができる。
【0033】
(原理)
次に、図5に本発明により目的のフィルタの畳み込みを移動平均演算器を用いて近似的に行う方法の原理について説明するための図を示し、以下、図5に基づいて、目的のフィルタの畳み込みを移動平均演算器を用いて近似的に行う方法の原理について説明する。
【0034】
図5において、401は計測データ、402は移動平均演算に相当する矩形フィルタ、403は同一の矩形フィルタ402同士を畳み込んで得られる三角フィルタ、404は目的とするフィルタを示す。
【0035】
矩形フィルタ402同士を畳み込むと三角波フィルタ403となることが一般的に知られている。
【0036】
まず、矩形フィルタ402同士を畳み込むと三角波フィルタ403となることを、式を用いて説明する。矩形フィルタを関数p(x)とおくと、関数p(x)は下記の数1で表される。
【0037】
【数1】
Figure 0003540914
【0038】
したがって、この数1を畳み込むと、下記の数2となる。
【0039】
【数2】
Figure 0003540914
【0040】
次に、数2をフーリエ変換すると、下記の数3となる。
【0041】
【数3】
Figure 0003540914
【0042】
この数3は、下記の数4で表されるq(x)のフーリエ変換形である。
【0043】
【数4】
Figure 0003540914
【0044】
これより、数1で表される矩形フィルタp(x)同士を畳み込むと、数4で表される三角波フィルタとなる。
【0045】
すなわち、移動平均演算器を用いて、計測データに数1で表される矩形フィルタp(x)を2回畳み込むことにより、数4で表される三角波フィルタの畳み込みを代行させることができる。
【0046】
したがって、まず、目的のフィルタ404を三角波フィルタ403で近似し、次に、該三角波フィルタ403を矩形フィルタ402に分解して、計測データ401に対して矩形フィルタ402を2回畳み込むことによって、目的のフィルタの畳み込みを近似的に実行できる。ただし、三角波による近似法としては、たとえば、三角波フィルタ403の面積405が目的のフィルタ404の面積406と等しくなるように、最小二乗法を用いてフィッティングを行い、三角波の係数を決定する。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0049】
(実施の形態1)
図1は本発明の一本実施の形態のX線撮影装置であるX線透視撮影装置の概略構成を示すブロック図であり、201は撮影制御装置、202はX線管、203は散乱X線遮蔽グリッド、204は2次元X線画像検出器、205は画像処理装置、206は表示装置、207はX線照射野、208は寝台天板、209は被検体、210は補正演算手段、211はX線I.I.、212は光学系、213はテレビカメラを示す。
【0050】
図1において、撮影制御装置201は、たとえば、検者が図示しない操作卓から入力した撮像条件(計測条件)に基づいて、X線管202に印加する電圧等の照射条件およびテレビカメラ213の光学絞り等の撮影条件を制御する周知の撮影制御装置であり、本実施の形態のX線撮影装置では、X線透視およびX線撮影時の照射条件および撮影条件を処理装置205に出力する。
【0051】
X線管202は周知のX線管であり、被検体209に円錐状のX線ビームを照射する。ただし、X線管202と被検体209との間に、X線ビームのエネルギー分布を変化させるX線フィルタおよびX線ビームの照射野207を制限するX線コリメータを配置してもよいことはいうまでもない。
【0052】
散乱X線遮蔽グリッド203は周知のX線遮蔽グリッドであり、本実施の形態では、2次元X線画像検出器204を構成するX線I.I.211の入力面の前面に配置される。
【0053】
2次元X線画像検出器204は、X線I.I.211、光学系212およびテレビカメラ213からなり、被検体209を透過したX線の強度分布を電気信号に変換した後、処理装置205に出力する。
【0054】
画像処理装置205は、補正演算手段と公知の画像処理を行う画像処理手段とを有する処理装置であり、該画像処理後の画像を表示装置206に出力し表示させる。また、画像処理装置205は、たとえば、テレビカメラの出力信号をデジタル信号に変換する周知のA/D変換器と、補正演算手段および画像処理手段を実現する周知の情報処理装置上で動作するプログラムとで構成される。さらには、画像処理装置205は、撮影制御装置201から入力されたX線透視条件およびX線撮影条件を、たとえば、画像処理装置に接続される図示しない格納手段に格納する。ただし、テレビカメラ213がデジタル出力可能な場合には、A/D変換器は必要なく、テレビカメラ213のデジタル出力を直接用いて信号処理を行うことはいうまでもない。
【0055】
寝台天板208は被検体209の撮影位置を設定する周知の寝台天板であり、該寝台天板208に設定する被検体209の体位は、たとえば、仰臥位とする。また、寝台天板208に設定する被検体209の体位、および、寝台天板209とX線管202との相対的位置は、検者が任意に設定可能なことはいうまでもない。
【0056】
補正演算手段210は、テレビカメラで撮像した被検体209のX線像に含まれる拡散光成分と散乱X線成分とに起因するぼけを補正する補正演算手段であり、図示しない操作卓からの入力指示に基づいて、補正処理を実行するか否かの切り換えを行うことが可能である。なお、補正演算手段の詳細については後述する。
【0057】
X線I.I.211は周知のX線I.I.であり、たとえば、I.I.モードとして、7、9、12インチモードを有する。また、本実施の形態のX線I.I.211は、たとえば、入力面上において、およそそれぞれのインチ数(ただし、1インチを2.54cmとする)を直径とする円の内部の領域でX線を検出する。
【0058】
光学系212は、X線I.I.211の出力面から出力される光学像(X線像)をテレビカメラ213に誘導する周知の光学系である。
【0059】
テレビカメラ213は、光学系212から入力されたX線像を電子信号に変換する周知のテレビカメラであり、本実施の形態においては、たとえば、撮像素子として高解像度CCD素子を使用する。
【0060】
次に、図1に基づいて、本実施の形態のX線透視撮影装置の動作を説明する。
【0061】
X線透視および撮影時において、X線管202から出射されたX線ビームは、被検体209を透過する。このとき、X線ビームは被検体209を透過する際にその一部が被検体209により散乱される。該散乱X線は、X線遮蔽グリッド203により大部分が遮断されるが、その一部は遮断されずにX線遮蔽グリッド203を透過することになる。X線遮蔽グリッド203を透過した散乱X線と被検体209を直接透過した直接X線とは同時にX線I.I.211により検出され、電子像に変換され出力面に結像され、光学像に変換される。このときに、光の散乱が生じ、直接X線成分にさらに拡散光成分が加わる。該光学像は光学系212において図示しない光学絞りを用いて光量を調節された後、テレビカメラ213に結像される。テレビカメラ213は光学像をビデオ信号(アナログ画像)に変換し、出力する。テレビカメラ213から出力されたビデオ信号は、画像処理装置205に設けられた図示しないA/D変換器においてアナログ信号からデジタル信号(デジタル画像)へ変換される。該デジタル信号へ変換されたビデオ信号すなわちデジタル画像は、まず、補正演算手段によって拡散光成分および散乱X線成分が除去される。次に、除去後のデジタル画像に対して、画像処理装置205が公知の画像処理を行なった後に、表示装置206に出力され、表示画面上に表示される。特に、X線撮影時においては、被検体209の見たい部位が表示装置206の表示画面の適正な位置にくるように、図示しない操作卓を用いて位置を合わせ、位置が合った時点において、検者が操作卓からX線撮影開始の指示をすることにより、画像処理後のデジタル画像が画像処理装置205に接続される格納手段に撮影画像として格納される。
【0062】
次に、図2に本実施の形態の補正演算手段の概略構成を説明するためのブロック図を示し、以下、図2に基づいて、演算補正手段の構成を説明する。
【0063】
図2において、221は画像縮小手段、222は最大値抽出手段、223は代表被検体厚さ演算手段、224は散乱X線フィルタ係数演算手段(散乱X線強度分布関数作成手段)、225はフィルタ合成手段、226はフィルタ近似手段、227は矩形フィルタ算出手段(ウィンドウ幅算出手段)、228は移動平均演算手段、229は画像拡大手段、230は差分演算手段を示す。なお、本実施の形態においては、この各手段は、周知の情報処理装置上で動作するプログラムによって実現する。
【0064】
画像縮小手段221は、図示しないA/D変換器から入力された計測画像すなわちデジタル画像を、検者が予め設定したピクセル数(画素数)のデジタル画像に変換(縮小)する周知の縮小手段である。本実施の形態においては、たとえば、64ピクセル四方のデジタル画像に縮小する。このように、A/D変換後のデジタル画像そのものではなく、画素数の少ない縮小後のデジタル画像(縮小計測画像)を用いることにより、後に行う演算量を減少させることができるので、演算を高速化できる。また、入力される画素サイズは、カメラモードの設定によって決まり、たとえば、透視時では512もしくは1024ピクセル、一方、撮影時では1024もしくは2048ピクセルとする。したがって、画像縮小手段221は、A/D変換直後の画像に対する画素加算、あるいは、間引き(サンプリング)によって画像の縮小を行う。例えば、1024ピクセルサイズの画像を縮小する場合は、16ピクセル四方毎に画素加算を行い、その平均値をとることにより、あるいは、16ピクセル毎に間引いて画素を選択することにより画像縮小を行うことができる。
【0065】
最大値抽出手段222は、縮小計測画像を構成する各画素の画素値の内で、最大となる画素値を検索する周知の検索手段であり、たとえば、縮小計測画像を構成する各画素の画素値を順番に比較していくことによって検索する。
【0066】
代表被検体厚さ演算手段223は、被検体厚さと画素値との関係式に基づいて、入力された画素値に相当する被検体厚さを計算する演算手段である。ただし、この被検体厚さと画素値との関係式は、たとえば、予め計測した模擬被検体としての複数種類の厚さのアクリル板とそのときの画素値との関係を周知のフィッティングによって算出したものである。なお、算出方法の詳細については、文献4を参照されたい。
【0067】
散乱X線フィルタ係数演算手段224は、模擬被検体厚さと散乱X線フィルタ係数との関係式に基づいて、入力された被検体厚さに対応する散乱X線フィルタを計算する計算手段である。ただし、予め計測しておいた模擬被検体厚さと散乱X線フィルタ係数との関係式は、模擬被検体としての複数種類の厚さのアクリル板を撮影したときのX線画像すなわち計測値と計測条件から算出した散乱X線成分の点像分布関数と散乱X線成分の直接X線成分に対する強度比である散乱X線強度比との積演算によって得られた散乱X線フィルタ係数と、模擬被検体の厚さと、の関係をフィッティングによって算出したものである。なお、算出方法の詳細については、文献4を参照されたい。
【0068】
フィルタ合成手段225は周知の加算手段からなり、散乱X線フィルタ係数演算手段224が算出した代表散乱X線フィルタと計測条件に基づいて予め算出した拡散光フィルタとを加算して合成フィルタを生成する。ただし、拡散光フィルタ112は、前述した散乱X線フィルタと同様の手順、すなわち、模擬被検体としての複数種類の厚さのアクリル板を透視あるいは撮影したときのX線画像すなわち計測値と計測条件から算出した拡散光成分の点像分布関数と拡散光成分の直接光成分に対する強度比である拡散光強度比との積演算によって得られたものである。なお、算出方法の詳細については、文献4を参照されたい。
【0069】
フィルタ近似手段226は、合成フィルタをたとえば周知の最小二乗法によって、三角波のフィルタにフィッティングする手段であり、本実施の形態においては、特に、合成フィルタと三角波フィルタとの面積が等しくなるように三角波フィルタをフィッティングする。
【0070】
矩形フィルタ算出手段227は、三角波フィルタと矩形フィルタとの関係式すなわち三角波フィルタと矩形フィルタとの係数の関係式に基づいて、入力された三角波フィルタに対応する矩形フィルタの係数すなわちウィンドウ幅および乗数を計算する計算手段である。ただし、三角波フィルタと矩形フィルタとの関係式は、原理の項に示す手順によって、予め算出したものである。
【0071】
移動平均演算手段228は周知の移動平均演算手段と周知の乗算手段とからなり、矩形フィルタ算出手段が計算したウィンドウ幅の移動平均演算と該移動平均演算結果に対する係数の乗算を行う。本実施の形態においては、移動平均演算手段228は、縮小計測画像の横方向(X方向)と縦方向(Y方向)に対する移動平均演算をそれぞれ2回づつ、すなわち、合計4回の移動平均演算を行う。
【0072】
画像拡大手段229は周知の補間手段からなり、移動平均演算によって得られた画像すなわち縮小ぼけ成分画像を拡大して、元のサイズのぼけ成分画像を生成する。
【0073】
差分演算手段230は周知の減算手段であり、計測画像からぼけ成分画像を減算することにより、計測画像中の拡散光および散乱X線成分を除去する。
【0074】
次に、図3に本実施の形態の補正演算手段の動作を説明するための動作フローを示し、以下、図2,3に基づいて、本実施の形態の補正手段の動作を説明する。
【0075】
本フローの開始は、処理装置205の図示しないA/D変換器からの透視画像の入力である。まず、画像縮小手段221が、入力された計測画像101を縮小演算であるサンプリングによって、検者が予め設定した画素数の縮小計測画像103に縮小し、該縮小計測画像を最大値抽出手段222および移動平均演算手段228に出力する(102)。次に、最大値抽出手段222が、入力された縮小計測画像の各画素を検索して、最大値105を抽出し、該最大値105を代表被検体厚さ演算手段223に出力する(104)。代表被検体厚さ演算手段223は、予め計測しておいた被検体厚さと画素値との関係に基づいて、最大値105に相当する被検体厚さ108(以下、「代表被検体厚さ」と記す)を計算し(107)、該計算結果を散乱X線フィルタ係数演算手段224に出力する。次に、散乱X線フィルタ係数演算手段224が、予め計測しておいた模擬被検体厚さと散乱X線フィルタ係数との関係に基づいて、入力された代表被検体厚さに対応する散乱X線フィルタ係数すなわち散乱X線フィルタ111を計算し(110)、該計算結果をフィルタ合成手段225に出力する。次に、フィルタ合成手段225が、代表散乱X線フィルタ111と計測条件に基づいて予め算出してある拡散光フィルタ112との合成すなわち加算によって、図5に示す合成フィルタ114(404)を生成し、フィルタ近似手段226に出力する。なお、拡散光成分の点像分布関数および拡散光強度比は、計測条件によって決定されるので、本願実施の形態においては、予め拡散光フィルタ112を決定しておく。次に、フィルタ近似手段226が、合成フィルタ114のフィルタ係数に基づいて、三角波フィルタ116を近似し(115)、矩形フィルタ算出手段227に出力する。矩形フィルタ算出手段227は、三角波フィルタと矩形フィルタとの関係に基づいて、入力された三角波フィルタ(三角波フィルタの係数)116から矩形フィルタ(矩形フィルタの係数)119すなわちウィンドウ幅と係数とを算出し(118)、該計算結果を移動平均演算手段228に出力する。次に、移動平均演算手段228が、まず、縮小計測画像103を読み込み、該縮小計測画像103に対して入力されたウィンドウ幅の移動平均演算を横方向(X方向)および縦方向(Y方向)に対して行い、次に、計算後の画像に対して係数の乗算を行うことによって(120)、縮小計測画像103に対するぼけ成分画像すなわち縮小ぼけ成分画像121を得ることができる。画像拡大手段229は、該縮小ぼけ成分画像121の各画素間を補間することにより(122)、計測画像101と同じ画素数すなわち同じ大きさのぼけ成分画像123を生成する。次に、差分演算手段230が、読み込んだ計測画像101からぼけ成分画像123の差分を計算することにより(124)、散乱X線成分および拡散光成分による計測画像101のぼけを補正した補正画像125すなわちX線画像を高速に得ることができる。したがって、コントラストの向上したX線画像を高速に得ることができる。
【0076】
図4は、前述した移動平均演算の概念を説明するための図であり、この図4に示すように、移動平均演算手段228によって、メモリに記憶した縮小計測画像103の横方向(X方向)と縦方向(Y方向)とのそれぞれに対して、2回づつ移動平均演算を行うのみで、縮小ぼけ成分画像121を生成することができる。
【0077】
次に、たとえば、500×500画素のX線画像の補正を文献4に示すコンボリューション演算を用いて行う場合と、本願発明のX線装置を用いる場合について検討する。ただし、本願発明のX線装置においては、このX線画像から裾幅が200画素分(図4において、d=100)三角波116が得られた場合について検討する。この場合には、矩形フィルタの幅すなわちウィンドウ幅は、図4から明らかなように、100画素分(図4において、矩形フィルタ分解した場合には幅が1/2となるからである)となる。
【0078】
前述した条件での画像補正に要する時間をそれぞれシュミレーションすると、コンボリューション演算を用いた場合に対して、本願発明を適用した場合では、画像補正に要する時間をほぼ1/90に短縮することができた。すなわち、本願発明を適用することによって、画像補正を90倍高速化できるということが分かった。
【0079】
したがって、従来では数秒オーダの補正時間を要するために適用できなかった30フレーム/秒の画像の読み込みレートが要求されるX線透視等のリアルタイムでの画像補正にも、本願発明は適用できる。すなわち、従来では、正確に補正することができなかったX線透視等のリアルタイムでの処理が要求される場合であっても、本願発明のX線撮影装置を用いることにより、散乱X線成分あるいは/および拡散光成分に起因するぼけを補正したX線透視およびX線撮影を行うことができる。
【0080】
以上説明したように、本実施の形態のX線撮影装置では、計測画像101からぼけ成分画像123を生成する過程において、フィルタ近似手段226が散乱X線フィルタと拡散光フィルタとを合成した合成フィルタ114を三角波フィルタ116に近似し、矩形フィルタ算出手段227が該三角波フィルタ116を矩形フィルタ119に変換することによって、計測画像101からぼけ成分画像123を算出する際に必要となるコンボリューション演算を高速演算が可能な移動平均演算に置き換えることができるので、高速にぼけ成分画像123を生成することができる。また、補正画像125は、計測画像101とこのぼけ成分画像125との差分をとることによって生成することができるので、補正画像125を高速に生成することができる。また、本実施の形態のX線撮影装置においては、点像分布関数を用いて計測画像101の補正を行うので、従来のX線撮影装置が行っていた高調波強調フィルタ等を用いた乗算を行う必要がないので、高周波のノイズの増加を防止できる。
【0081】
したがって、計測画像101からぼけ成分を補正した補正画像125を高速に生成することができる。
【0082】
なお、本実施の形態においては、本発明をX線透視撮影装置に適用した場合の動作および効果について説明したが、これに限定されることはなく、たとえば、被検体の周囲から撮影したX線画像を再構成することによって、当該被検体の断層像および3次元像等を表示するコーンビームCT装置において、本願発明を適用して、被検体の周囲から撮影した各X線画像を前述した手順によって補正した後、これらの補正画像を用いて再構成演算を行うことにより、散乱X線成分および拡散光成分の補正時間を高速化できると共に、各X線画像に含まれる散乱X線成分および拡散光成分による再構成画像におけるCT値の偏りの発生を防止することができるので、医師等の診断精度を向上することができる。
【0083】
また、本実施の形態においては、代表被検体厚さ108を計算する際の模擬被検体厚さと画素値との関係、代表散乱X線フィルタ111を生成する際の模擬被検体厚さと散乱X線フィルタとの関係、および、三角波フィルタ116と矩形フィルタ119との関係をそれぞれフィッティングによって計算した関係式に基づいて計算することとしたが、これに限定されることはなく、たとえば、それぞれフィッティングする前の関係(模擬被検体厚さと画素値、模擬被検体厚さと散乱X線フィルタの係数、および、三角波フィルタ116の係数と矩形フィルタ119の係数)をテーブルデータとして格納しておき、参照時には最も近い値から必要な値を、たとえば、周知の補間演算等によって生成してもよいことはいうまでもない。
【0084】
また、本実施の形態においては、散乱X線フィルタと拡散光フィルタとを合成した合成フィルタに基づいて、移動平均演算のウィンドウ幅を算出したが、たとえば、散乱X線フィルタと拡散光フィルタとのそれぞれに基づいて、ウィンドウ幅を算出し、それぞれのウィンドウ幅に基づいて、移動平均演算を行ってもよいことはいうまでもない。
【0085】
また、本実施の形態においては、矩形フィルタ同士を1回畳み込むことにより三角波フィルタを作り出した。しかしながら、矩形フィルタをさらに繰り返し畳み込むことにより、二次曲線等のより複雑なフィルタ形状を作り出すことも可能である。すなわち、矩形フィルタを繰り返し畳み込むことにより、複雑なフィルタの畳み込みを代行することができる。
【0086】
さらには、本実施の形態においては、ぼけ成分を最も多く除去するために画素値の最大値に基づいて代表散乱X線フィルタを計算する構成としたが、これに限定されることはなく、たとえば、最大値抽出手段104に図示しない操作卓から検者が指定した範囲内の画素値のみを読み込ませる周知の範囲指定手段を設ける、あるいは、図示しない検者が直接操作卓から最大画素値を入力するための周知の入力手段を設けることにより、ぼけ成分の補正量を検者の好みによって変化させることができる。これは、ぼけ成分と画素値とは比例関係にあるので、基準とする画素値以外の画素では、ぼけ成分の補正が過補正となる画素と不足補正となる画素が存在することになる。このため、たとえば、コントラスト調整等のように、画質に対する検者の好みが生じるからである。
【0087】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0088】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0089】
(1)X線透視画像もしくはX線撮影画像の画質を高速に向上することができる。
【0090】
(2)X線透視画像もしくはX線撮影画像に対して、散乱X線に起因するぼけを高速に補正することができる。
【0091】
(3)X線透視画像もしくはX線撮影画像に対して、拡散光に起因するぼけを高速に補正することができる。
【0092】
(4)3次元再構成によって得られる3次元再構成像の画質を向上することができる。
【0093】
(5)3次元再構成によって得られる3次元再構成像のCT値の定量性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一本実施の形態のX線撮影装置であるX線透視撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の補正演算手段の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本実施の形態の補正演算手段の動作を説明するための動作フローである。
【図4】移動平均演算の概念を説明するための図である。
【図5】目的のフィルタの畳み込みを移動平均演算器を用いて近似的に行う方法の原理について説明するための図である。
【図6】従来のX線撮影装置による散乱X線および拡散光の補正手順を説明するための図である。
【符号の説明】
201…撮影制御装置、202…X線管、203…散乱X線遮蔽グリッド、204…2次元X線画像検出器、205…画像処理装置、206…表示装置、207…X線ビーム、208…寝台天板、209…被検体、210…補正演算手段、211…X線I.I.、212…光学系、213…テレビカメラ、221…画像縮小手段、222…最大値抽出手段、223…代表被検体厚さ演算手段、224…散乱X線フィルタ係数演算手段、225…フィルタ近似手段、226…フィルタ近似手段、227…矩形フィルタ算出手段、228…移動平均演算手段、229…画像拡大手段、230…差分演算手段、401…計測データ、402…矩形フィルタ、403…三角波フィルタ、404…目的とするフィルタ。

Claims (4)

  1. X線透視画像あるいはX線撮影画像を計測するものであって、該計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から散乱X線成分を除く散乱X線補正手段を有するX線撮影装置において、
    前記散乱X線補正手段は、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の値と計測条件に基づいて対応する被検体厚さを算出し、予め求めておいた被検体厚さと散乱X線強度分布関数との関係式から、前記算出した被検体厚さに対応する散乱X線強度分布関数を作成する散乱X線強度分布関数作成手段と、前記散乱X線強度分布関数を三角波フィルタに近似し、予め求めた三角波フィルタと矩形フィルタのウィンドウ幅の関係式に基づいて求めた矩形フィルタのウィンドウ幅を移動平均演算のウィンドウ幅とするウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備することを特徴とするX線撮影装置。
  2. X線透視画像あるいはX線撮影画像を計測するものであって、該計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から拡散光成分を除く拡散光補正手段を有するX線撮影装置において、
    前記拡散光補正手段は、計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の値と計測条件に基づいて、予め求めておいた画像の値と拡散光強度分布関数との関係式から、対応する拡散光強度分布関数を作成する拡散光強度分布関数作成手段と、前記拡散光強度分布関数を三角波フィルタに近似し、予め求めた三角波フィルタと矩形フィルタのウィンドウ幅の関係式に基づいて求めた矩形フィルタのウィンドウ幅を移動平均演算のウィンドウ幅とするウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備することを特徴とするX線撮影装置。
  3. X線透視画像あるいはX線撮影画像を計測するものであって、該計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から散乱X線成分および拡散光成分を除くぼけ成分補正手段を有するX線撮影装置において、
    前記ぼけ成分補正手段は、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の値と計測条件に基づいて対応する被検体厚さを算出し、予め求めておいた被検体厚さと散乱X線強度分布関数との関係式から、前記算出した被検体厚さに対応する散乱X線強度分布関数を作成する散乱X線強度分布関数作成手段と、計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の値と計測条件に基づいて、予め求めておいた画像の値と拡散光強度分布関数との関係式から、対応する拡散光強度分布関数を作成する拡散光強度分布関数作成手段と、前記散乱X線強度分布関数および前記拡散光強度分布関数を三角波フィルタに近似し、予め求めた三角波フィルタと矩形フィルタのウィンドウ幅の関係式に基づいて求めた矩形フィルタのウィンドウ幅を移動平均演算のウィンドウ幅とするウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備することを特徴とするX線撮影装置。
  4. 被検体の周囲方向から計測されたX線撮影画像に基づいて、前記被検体の断層画像あるいは3次元画像を再構成するX線撮影装置およびX線CT装置において、前記計測されたX線撮影画像の値と計測条件に基づいて対応する被検体厚さを算出し、予め求めておいた被検体厚さと散乱X線強度分布関数との関係式から、前記算出した被検体厚さに対応する散乱X線強度分布関数を作成する散乱X線強度分布関数作成手段と、計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像の値と計測条件に基づいて、予め求めておいた画像の値と拡散光強度分布関数との関係式から、対応する拡散光強度分布関数を作成する拡散光強度分布関数作成手段と、前記散乱X線強度分布関数および前記拡散光強度分布関数を三角波フィルタに近似し、予め求めた三角波フィルタと矩形フィルタのウィンドウ幅の関係式に基づいて求めた矩形フィルタのウィンドウ幅を移動平均演算のウィンドウ幅とするウィンドウ幅算出手段と、前記計測されたX線撮影画像の縦方向および横方向に対して、それぞれ複数回の移動平均演算を行う移動平均演算手段と、前記計測されたX線透視画像あるいはX線撮影画像から前記移動平均演算後の画像の差分を計算する差分演算手段とを具備することを特徴とするX線撮影装置およびX線CT装置。
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