JP3540569B2 - 自動変速機の変速過渡制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速機構入力軸の回転数が変速時により理想的に変化するように、変速機構の摩擦係合要素の係合圧の制御や、エンジンのトルクダウン制御を行う変速過渡制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用の自動変速機としては、エンジンの回転をトルクコンバータを介して入力し、複数組のプラネタリギアを有する変速機構により変速してプロペラシャフト(車軸側)に出力するものが普及している。
この種の自動変速機における変速機構は、トルクコンバータからのインプットシャフトの回転を、シフト位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、或いは適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するために、通常複数のクラッチやブレーキ等の油圧式摩擦係合要素を備えている。
【0003】
そして、油圧制御回路に組込まれたソレノイドバルブ等が制御されることにより、前記摩擦係合要素が締結又は解放されて変速が行われる。この場合、摩擦係合要素が解放から締結又は締結から解放に切換わる際に、その締結力の変化が適度に進行しないと、過大なトルクショックが生じる等の問題がある。
例えばシフトアップにおいて、解放側の摩擦係合要素の負荷がゼロに低下して変速の第1段階(いわゆるトルクフェーズ)が終了し、実行ギア比が変化し始める時点以降の段階(いわゆるイナーシャフェーズ)では、締結側の摩擦係合要素の締結容量(即ち、供給油圧)を適度に増加させて、変速機構の入力軸回転数を適度な変化率で減少させる必要がある。
【0004】
というのは、この際上記締結容量が大きすぎると、上記入力軸回転数が急速に低下してシフトアップに要する変速時間は短くなるが、出力軸トルクが一時的に増大して大きな変速ショックが発生する。一方、上記締結容量が小さすぎると、変速時間が過大となって歯切れの悪い変速フィーリングとなる。
【0005】
そこで従来では、例えば特開平3−37470号公報に開示されるように、上記摩擦係合要素に供給する変速時の油圧(係合圧)をフィードバック制御して、変速機構の入力軸回転数を所定の変化特性で変化させる制御方式がある。
これは、スロットル開度やエンジン負荷などのエンジントルクを推定できる検出値に応じて、例えば最適な変速時間を予めマップとして登録しておき、変速時には、スロットル開度などの実際の検出値に基づいて前記マップから対応する変速時間を判定し、この変速時間から前記入力軸回転数の変化率を求め、実際の入力軸回転数がこの変化率で変化するように、変速中の各時点での目標回転数を設定し、実際の入力軸回転数をこの目標回転数にあわせるように前記係合圧をフィードバック制御するものである。
【0006】
また従来では、変速ショック抑制のために、変速時にエンジントルクを一様にトルクダウンさせることも行われている。また、例えば特開昭61−119432号公報や特開昭61−119434号公報に開示されるように、変速時のパラメータ(変速時間やエンジン回転数など)の基準値からの偏差に応じて、次回の変速時におけるトルクダウン量を変更する学習制御も知られている。
【0007】
しかし、このエンジンのトルクダウン制御は、従来では、変速時において一様に行われるもの(トルクダウン量は変速期間において一定)であり、前記入力軸回転数の実回転数と目標回転数の偏差を変速中の各制御サイクル毎に補正するフィードバック制御としては、前記摩擦係合要素の係合圧制御しか行われていなかった。つまり、一定量のトルクダウン制御を行ったとしても、実際の変速時においては実際の入力軸回転数が目標回転数から多少ともずれることは避けられず、しかもこの実際の偏差がなんらかの原因により大きくなったとしても、これをリアルタイムで補正する制御は、前記係合圧の調整によるフィードバック制御のみであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このため従来では、前記係合圧制御に応答の遅れがあることや、制御量の限界が存在することに起因する不具合があった。
すなわち、例えばシフトアップの際には、図6に例示するように、前記入力軸回転数の実回転数Nt1の変化が目標回転数Nt0の変化に対して遅れぎみになり、通常は変速直後から偏差ΔNtがプラス方向に生じる。そしてこの場合、この偏差ΔNtに対応して係合圧(摩擦係合要素の油圧)が即座にプラス方向に補正されるべきであるが、実際には油圧増加の物理的な遅れによって、図6で符号ΔTで示すようなタイムラグを経た後に係合圧が増加し始める。
【0009】
また係合圧には、オイルポンプの性能や油圧回路の流路抵抗などの物理的条件により、当然に上限があり、例えば図6に示すように変速中の偏差ΔNtがその限界以上に大きくなった場合には、これに対応する補正量としての係合圧増加が十分にできない。このため、実際の油圧補正量の変化は、図6の最下段に示すように、理想的な補正量(偏差ΔNtに応じた波形)に対して時間軸方向にずれるとともに、油圧補正の限界で頭打ちになったような波形となり、必ずしも理想的な変速が実現できないことがあった。
【0010】
特に、車両の始動時などの低温時には、油の粘性が高いために、油圧増加の物理的な遅れによる前記タイムラグΔTが無視できない大きさとなり、結果として変速時間が過大となったり、変速終了時の変速ショックが増加したりして、より良好な変速フィーリングが得られないという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、上述した係合圧増加の応答性の悪さや、係合圧増加の限界に起因する変速の遅れや変速ショックの増加が抑制できて、変速フィーリングのさらなる向上が図れる自動変速機の変速過渡制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の自動変速機の変速過渡制御装置は、複数の摩擦係合要素の締結・解放切換により変速を行う変速機構を有するとともに、前記摩擦係合要素の係合圧を制御する液圧制御要素を有する自動変速機の変速過渡制御装置で、
変速中のエンジントルクをトルクダウンするトルクダウン手段と、
変速中の前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、前記トルクダウン手段を介して前記エンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、切換えて実行する制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記実入力軸回転数の変化が前記目標回転数の変化に対して遅れている場合には、前記トルク制御のみを実行し、前記実入力軸回転数の変化が前記目標回転数の変化に対して進んでいる場合には、前記係合圧制御のみを実行することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の自動変速機の変速過渡制御装置は、複数の摩擦係合要素の締結・解放切換により変速を行う変速機構を有するとともに、前記摩擦係合要素の係合圧を制御する液圧制御要素を有する自動変速機の変速過渡制御装置で、
変速中のエンジントルクをトルクダウンするトルクダウン手段と、
変速中の前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、前記トルクダウン手段を介して前記エンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、併用して実行する制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記実入力軸回転数と前記目標回転数の差に応じた補正量が設定値以下の場合には、前記係合圧制御のみを実行し、前記実入力軸回転数と前記目標回転数の差に応じた補正量が設定値を越えた場合には、前記係合圧制御とともに前記トルク制御を実行することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1例)
まず、本発明の第1例について説明する。
本例の変速過渡制御装置は、図1に示すように、タービン回転数計測手段1と、変速機用のコントロールユニット2と、デュ−ティソレノイドバルブ3と、エンジン用のコントロールユニット4とよりなる。
【0017】
ここで、タービン回転数計測手段1は、自動変速機10における変速機構11の入力軸回転数Nt(この場合、トルクコンバータ12のタービンランナに連結された回転軸の回転数)を検出するセンサである。
【0018】
次に、コントロールユニット2は、本発明の制御手段を構成するもので、具体的には予め設定されたプログラムに従って動作するとともに、各種設定値を記憶するメモリを備えたマイクロコンピュータよりなる。
【0019】
このコントロールユニット2は、この場合後述する図2のフローチャートに示す処理により、変速中のイナーシャフェーズにおいて前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、デュ−ティソレノイドバルブ3を介して締結側の摩擦係合要素の係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、コントロールユニット4を介してエンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、切換えて実行する点に特徴を有するものである。
【0020】
この場合コントロールユニット2は、前記実入力軸回転数の変化が前記目標回転数の変化に対して遅れている場合には、前記トルク制御のみを実行し、前記実入力軸回転数の変化が前記目標回転数の変化に対して進んでいる場合には、前記係合圧制御のみを実行する。
【0021】
すなわち、例えばシフトアップの際に、締結側の摩擦係合要素の締結力がエンジントルクに対して不足しており、締結側の摩擦係合要素が滑りぎみであるため、この摩擦係合要素を早く締結させる方向に補正する必要がある場合には、この補正を前記トルク制御により行い、逆に締結側の摩擦係合要素の締結力がエンジントルクに対して過大で、この摩擦係合要素の締結力を緩める方向に補正する必要がある場合には、この補正を前記係合圧制御により行うものである。
【0022】
また、デュ−ティソレノイドバルブ3は、本発明の液圧制御要素に相当し、変速機構ケーシングの下部に設けられる油圧制御回路に組込まれた調圧手段で、コントロールユニット2の油圧制御信号に従って動作して、図示省略したオイルポンプの出力圧であるライン圧を調圧し、変速機構の摩擦係合要素に供給される油圧(即ち、係合圧)を調整するものである。
【0023】
また、エンジン用のコントロールユニット4は、やはりマイクロコンピュータよりなるエンジン20の制御手段で、点火時期制御、吸入空気量制御、燃料供給量制御、吸排気弁の開閉時期の制御、過給圧の制御など、一般に知られたエンジンの各種電子制御を行う。
この場合、このコントロールユニット4は、変速機用のコントロールユニット2からのトルクダウン指令に従って、コントロールユニット2の処理で設定されたトルクダウン量に応じて変速中のエンジンの出力トルクをリアルタイムで低減させる機能を有し、本発明のトルクダウン手段を構成する。
【0024】
ここで、上記トルクダウンは、具体的には、エンジン20の点火時期、吸入空気量、燃料供給量、吸排気弁の開閉時期、又は過給圧などが調整されることによって、実現される。
【0025】
なお、変速中の解放側の摩擦係合要素の油圧の制御、或いはトルクフェーズにおける締結側の油圧の制御も、例えばコントロールユニット2により従来どおり行われる構成とすればよいが、本例は、イナーシャフェーズにおける締結側の油圧或いはエンジントルクのフィードバック制御に特徴を有するものであるので、その他の制御処理については説明を省略する。
また、変速機10やエンジン20の構成及び動作についても、本発明は特に限定されないので、その説明を省略する。
【0026】
次に、図2のフローチャートにより、本例のコントロールユニット2のシフトアップの場合の特徴的な制御処理を説明する。なお、図2の一連の処理は、例えば、変速が開始されてイナーシャフェーズの目標開始時点となった時に開始され、ステップS12で変速終了と判定されるまで、例えば一定周期で繰り返し実行される。
【0027】
まず、イナーシャフェーズの開始時点になると、ステップS2が実行される。ステップS2では、タービン回転数計測手段1の検出値を読取り、必要な演算を行って前記入力軸回転数Ntの実回転数Nt1のその時点での値を検知する。
【0028】
次にステップS4では、その時点でのスロットル開度又はエンジン負荷の検出値から、前記入力軸回転数Ntの目標回転数Nt0のその時点での値を読み込み、この目標回転数Nt0とステップS2で検知した実回転数Nt1との偏差ΔNt(ΔNt=Nt1−Nt0)を求める。
【0029】
ここで、前記入力軸回転数Ntの目標回転数Nt0の値は、例えばスロットル開度又はエンジン負荷に応じて予め設定されたデータから得られる。なおこのデータとしては、スロットル開度等に応じて変速中の各時点での目標回転数Nt0の値そのものを登録しておいてもよいし、例えばスロットル開度等に応じて最適な変速時間を登録しておき、この変速時間と変速前後の回転数から回転数変化率を求め、この回転数変化率から各時点での目標回転数Nt0を求めるようにしてもよい。
【0030】
次いでステップS6では、ステップS4で求められた最新の偏差ΔNtが、0より大きいか否か判定し、0より大きい場合はステップS8に進み、0以下の場合にはステップS10に進む。
【0031】
次にステップS8では、ステップS4で求められた最新の偏差ΔNtの絶対値に比例したトルクダウン量のトルクダウンをコントロールユニット4に対して指令する。
一方ステップS10では、ステップS4で求められた最新の偏差ΔNtの絶対値に比例した係合圧の補正を行う。すなわちこの場合には、デュ−ティソレノイドバルブ3を介して、締結側の摩擦係合要素の油圧を偏差ΔNtに比例した分だけ低減させる。
【0032】
そしてステップS12では、変速が終了したか否か判定し、終了していれば一連の処理を終了し、終了していなければステップS2に戻って処理を繰り返す。なお、変速が終了したか否かの判定は、例えば、実回転数Nt1がギア比と車速から予想される変速後の回転数に到達したか否かによって判定できる。
【0033】
以上の処理によれば、例えば図3に示すように、変速直後に実回転数Nt1の変化が目標回転数Nt0の変化に対して遅れた状態(摩擦係合要素が滑りぎみの状態)では、偏差ΔNt>0となるので、ステップS6の判定でステップS8に進み、偏差ΔNtの絶対値に比例したトルク制御が行われる。
つまり、偏差ΔNt>0となっている期間中は、この偏差ΔNtを打ち消すように(実回転数Nt1を目標回転数Nt0に一致させるように)トルクダウンが行われ、エンジントルクTeを制御対象とするフィードバック制御が実行される。
【0034】
そして、一般にトルクダウン制御の応答性は、係合圧増加の応答性に比較して格段に高く、低温時の低下も少ないので、図3に示すように、エンジントルクTeがこの偏差ΔNtを補正するように遅れなく対応して変化し、実回転数Nt1が目標回転数Nt0に一致するように的確に調整される。
【0035】
また、例えば図3に示すように、変速後半に実回転数Nt1の変化が目標回転数Nt0の変化に対して進んだ状態(摩擦係合要素の締結力が過大な状態)では、偏差ΔNt≦0となるので、ステップS6の判定でステップS10に進み、偏差ΔNtの絶対値に比例した分だけ係合圧を補正する係合圧制御が行われる。
つまり、偏差ΔNt≦0となっている期間中は、この偏差ΔNtを打ち消すように(実回転数Nt1を目標回転数Nt0に一致させるように)係合圧を低減する補正が行われ、係合圧を制御対象とするフィードバック制御が実行される。
【0036】
そして、一般に係合圧を低減する制御の応答性は、係合圧を増加させる制御の応答性に比較して格段に高く、低温時の低下も少ないので、図3に示すように、摩擦係合要素の油圧がこの偏差ΔNtを補正するように遅れなく対応して変化し、実回転数Nt1が目標回転数Nt0に一致するように即座に調整される。
【0037】
したがって、本例の制御装置によれば、特に低温時の油圧増加の遅れに起因するフィードバック制御のタイムラグの問題が解消されて、実回転数Nt1がより理想的に変化するようになり、変速ショックも抑制されて変速フィーリングが向上する。
【0038】
(第2例)
次に、本発明の第2例について説明する。
本例の変速過渡制御装置は、コントロールユニットの制御処理の一部に特徴を有し、他の構成は第1例と同様であるので、装置構成及び同様の処理ステップについては、重複する説明を省略する。
本例では、図4に示すように、まずステップS2で、前記実回転数Nt1のその時点での値を検知し、次にステップS4で、前記偏差ΔNtを求める。
【0039】
次いでステップS22では、ステップS4で求められた最新の偏差ΔNtの絶対値に比例した係合圧の補正を行う。すなわち、例えば図5に示すように、シフトアップの際の実回転数Nt1の変化が遅れて、実回転数Nt1が目標回転数Nt0を上回っている場合には、デュ−ティソレノイドバルブ3を介して、締結側の摩擦係合要素の油圧を偏差ΔNtに比例した分だけ増加させる。
【0040】
次にステップS24では、ステップS4で求められた最新の偏差ΔNtが、油圧増加の限界値に対応する設定値より大きいか否か判定し、設定値より大きい場合はステップS26に進み、設定値以下の場合にはステップS12に進む。
【0041】
次いでステップS26では、ステップS4で求められた最新の偏差ΔNtから前記設定値を差引いた値に比例したトルクダウン量のトルクダウンをコントロールユニット4に対して指令する。すなわち、ここでのトルクダウンは、補正すべき偏差ΔNtのうち、係合圧の増加により補正できない分(油圧増加の限界を上回る分)を、エンジンのトルクダウンで行うものである。
そしてステップS12では、変速が終了したか否か判定し、終了していれば一連の処理を終了し、終了していなければステップS2に戻って処理を繰り返す。
【0042】
以上の処理によれば、例えば図5に示すように、変速途中に実回転数Nt1の変化が目標回転数Nt0の変化に対して大きく遅れた状態(摩擦係合要素が滑りぎみの状態)となり、偏差ΔNtが油圧増加では補正できない大きさになった場合には、偏差ΔNt>設定値となるので、ステップS24の判定でステップS26に進み、偏差ΔNtが設定値を上回る分のトルクダウンが行われる。つまり、偏差ΔNt>設定値となっている期間中は、この偏差ΔNtを打ち消すように(実回転数Nt1を目標回転数Nt0に一致させるように)、係合圧を制御対象とするフィードバック制御(係合圧制御)と、エンジントルクを制御対象とするフィードバック制御(トルク制御)とが併用され、トルク制御で係合圧制御の不足分が補われる。
【0043】
したがって、本例の制御装置によれば、油圧増加の限界に起因するフィードバック制御の補正量不足の問題が解消されて、実回転数Nt1がより理想的に変化するようになり、変速ショックも抑制されて変速フィーリングが向上する。
【0044】
なお、本発明は上記形態例に限られず、各種の態様があり得る。例えば、図2及び図4に例示したような制御処理におけるトルクダウンを行うか否かに関する判定処理等は、エンジン用のコントロールユニット4により実行する態様もあり得る。さらに、エンジン用のコントロールユニットと変速機用のコントロールユニットを1セットのユニットに統合し、この一つのユニットで変速機とエンジンの全ての制御を行う態様でもよいことはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の変速過渡制御装置では、制御手段が、変速中の変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、液圧制御要素を介して変速機構の摩擦係合要素の係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、トルクダウン手段を介してエンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、切換えて実行する。
このため、特に低温時に増加応答性の悪い係合圧制御を、必要に応じてトルク制御に切換えて、前述の係合圧制御のタイムラグの問題を解消することができて、より良好な変速フィーリングを得ることができる。
【0046】
特に本装置では、変速機構の入力軸の実回転数の変化が目標回転数の変化に対して遅れている場合(締結側の摩擦係合要素の締結力を増加方向に補正すべき場合)には、エンジンのトルク制御のみを実行し、実回転数の変化が目標回転数の変化に対して進んでいる場合(締結側の摩擦係合要素の締結力を低減方向に補正すべき場合)には、係合圧制御のみを実行する。これにより、入力軸回転数を調整するための係合圧のフィードバック制御は、係合圧を低減させる方向にしか行われないようになる。
このため、係合圧増加の応答性が問題にならなくなり、前述のタイムラグに起因する変速の遅れや変速ショックの増加が抑制できる。
【0047】
また、請求項記載の変速過渡制御装置では、制御手段が、変速中の前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、前記トルクダウン手段を介して前記エンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、併用して実行する。
このため、油圧増加の限界に起因して可能な補正量が不足する場合があるという係合圧制御の短所を、エンジンのトルク制御により補うことができて、より良好な変速フィーリングを得ることができる。
【0048】
特に本装置では、変速機構の入力軸の実回転数と目標回転数の差に応じた補正量が設定値以下の場合には、前記係合圧制御のみを実行し、実回転数と目標回転数の差に応じた補正量が設定値を越えた場合には、前記係合圧制御とともに前記トルク制御を実行する。このため、係合圧制御だけでは補正量が不足する状況でのみトルク制御を効果的に実行することができて、油圧増加の限界に起因した変速の遅れや変速ショックの増加が的確に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例である変速過渡制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の制御処理内容を示すフローチャートである。
【図3】同装置の作用を説明する図である。
【図4】本発明の第2例である装置の制御処理内容を示すフローチャートである。
【図5】同装置の作用を説明する図である。
【図6】従来の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 タービン回転数計測手段
2 変速機用コントロールユニット(制御手段)
3 デュ−ティソレノイドバルブ(液圧制御要素)
4 エンジン用コントロールユニット(トルクダウン手段)
10 変速機
11 変速機構
12 トルクコンバータ
20 エンジン

Claims (2)

  1. 複数の摩擦係合要素の締結・解放切換により変速を行う変速機構を有するとともに、前記摩擦係合要素の係合圧を制御する液圧制御要素を有する自動変速機の変速過渡制御装置で、
    変速中のエンジントルクをトルクダウンするトルクダウン手段と、
    変速中の前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、前記トルクダウン手段を介して前記エンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、切換えて実行する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記実入力軸回転数の変化が前記目標回転数の変化に対して遅れている場合には、前記トルク制御のみを実行し、前記実入力軸回転数の変化が前記目標回転数の変化に対して進んでいる場合には、前記係合圧制御のみを実行することを特徴とする自動変速機の変速過渡制御装置。
  2. 複数の摩擦係合要素の締結・解放切換により変速を行う変速機構を有するとともに、前記摩擦係合要素の係合圧を制御する液圧制御要素を有する自動変速機の変速過渡制御装置で、
    変速中のエンジントルクをトルクダウンするトルクダウン手段と、
    変速中の前記変速機構の実入力軸回転数をスロットル開度,エンジン負荷に応じて設定された目標回転数にあわせるよう、前記液圧制御要素を介して前記係合圧をフィードバック制御する係合圧制御と、前記トルクダウン手段を介して前記エンジントルクをフィードバック制御するトルク制御とを、併用して実行する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記実入力軸回転数と前記目標回転数の差に応じた補正量が設定値以下の場合には、前記係合圧制御のみを実行し、前記実入力軸回転数と前記目標回転数の差に応じた補正量が設定値を越えた場合には、前記係合圧制御とともに前記トルク制御を実行することを特徴とする自動変速機の変速過渡制御装置。
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