JP3540525B2 - 磁気記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は磁気記録装置に関し、特にたとえば、ビデオテープレコーダやオーディオテープレコーダなどに適用され、音声信号を磁気テープに記録する、磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の磁気記録装置では、音声信号を磁気テープに記録するために、その音声信号すなわち記録電流に記録バイアス電流を重畳する必要がある。この記録バイアス電流を調整するために図6に示す従来の磁気記録装置1では、制御電圧発生回路2が重畳電流を検出して制御電圧を生成し、これによって発振回路3の発振周波数を制御していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来技術では、制御電圧発生回路2には記録電流と記録バイアス電流との重畳電流が与えられるため、記録アンプ4のダイナミックレンジをあまり大きくすると制御電圧発生回路2のダイナミックレンジを保持できず、結果として音声信号を適切に記録できるなくなる場合があった。一方、記録アンプ4のダイナミックレンジを小さくすると、記録された音声信号のS/Nが悪くなっていた。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、S/Nが改善された音声信号を磁気テープに適切に記録できる、磁気記録装置を提供することである。
【0005】
この発明は、発振手段で生成されたバイアス電流に高域強調手段で高域が強調された記録電流を重畳した第1重畳電流を記録ヘッドに流すことによって音声信号を磁気テープに記録する磁気記録装置であって、バイアス電流と高域強調手段によって高域が強調されていない記録電流との第2重畳電流からバイアス電流を抽出する抽出手段、抽出手段によって抽出されたバイアス電流の大きさに応じて発振手段の制御電圧を発生する制御電圧発生手段、高域が強調されていない記録電流に高域成分が含まれているか否かを判別する判別手段、および判別手段の判別結果に応じて制御電圧を調整する調整手段を備える、磁気記録装置である。
【0006】
【作用】
記録電流と記録バイアス電流との重畳電流がたとえばハイパスフィルタ(HPF)のような抽出手段に与えられ、記録バイアス電流が抽出される。この記録バイアス電流の大きさに従って、たとえば制御電圧発生回路のような制御電圧発生手段が制御電圧を発生する。この制御電圧に基づいて発振手段が制御され、それによって最適記録バイアス電流が生成される。
【0007】
なお、記録電流に高域成分が含まれているか否かがたとえばバンドパスフィルタ(BPF)のような判別手段で判別され、その判別結果に応じて、たとえば制御電圧調整回路のような調整手段が制御電圧の大きさを調整する。
【0008】
【発明の効果】
この発明によれば、抽出手段で抽出された記録バイアス電流に応じて制御電圧を発生するようにしたため、記録電流のダイナミックレンジを大きくすることができ、S/Nの改善された信号を磁気テープに適切に記録できる。
なお、記録電流に高域成分が含まれているか否かの判別結果に応じて制御電圧を調整するようにすれば、高域成分をよりクリアに記録できる。
【0009】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【実施例】
図1に示すこの実施例のビデオテープレコーダ10は、入力端子12を含む。入力端子12は、コンデンサC1を介してスイッチS1の一端に接続される。スイッチS1の他端は記録アンプ14の一方入力端に接続される。記録アンプ14の出力端は、抵抗R1を介して記録アンプ14の他方入力端に帰還され、その他方入力端は抵抗R2を介して接地される。記録アンプ14の出力端は、さらに、抵抗R3と並列接続された抵抗R4およびコンデンサC2とを介してコンデンサC3の一端に接続される。また、コンデンサC3の他端がA/Cヘッド18の一端に接続される。
【0011】
一方、抵抗R3と抵抗R4(およびコンデンサC2)との接続点Aは、抽出手段の一例であるHPF16の入力に与えられる。HPF16の出力は、制御電圧発生回路20の入力端に接続され、その出力端が発振回路22に接続される。発振回路22の出力端は、抵抗R5を介してA/Cヘッド18の他端に接続され、このA/Cヘッド18の他端はさらにスイッチS2を介して接地される。
【0012】
音声信号を記録するとき、スイッチS1がオンされると、入力端子12から入力された音声信号が、記録アンプ14に与えられる。この音声信号は、記録アンプ14で増幅されかつ抵抗R3で電流に変換されることによって記録電流となる。この記録電流は、並列接続された抵抗R4およびコンデンサC2によって高域を強調され、結合コンデンサC3を介してA/Cヘッド18に到達する。
【0013】
一方、記録時にはスイッチS2はオフされており、発振回路22で生成された発振周波数信号はレベル調整用の抵抗R5を介して記録バイアス電流としてA/Cヘッド18に与えられる。他方、結合コンデンサC3を介して記録電流がA/Cヘッド18に与えられるため、記録バイアス電流と記録電流との重畳電流がA/Cヘッド18を流れ、これによって交流バイアスされた音声信号が磁気テープ(図示せず)に記録される。
【0014】
また、前述の接続点Aには、記録バイアス電流と高域が強調されていない記録電流との重畳電流が取り出され、それがHPF16に与えられ、記録バイアス電流のみがHPF16によって抽出される。すなわち、HPF16は、図2に示すように50kHz程度から高域を抽出するフィルタであり、これによって70kHz程度の周波数をもつ記録バイアス電流が抽出される。なお、記録電流の周波数はせいぜい20kHz程度までであるので、HPF16によって記録電流は抽出されることはない。
【0015】
そして、制御電圧発生回路20は、HPF16により抽出した記録バイアス電流の電流値を検出し、その電流値に応じた大きさの発振回路22をフィードバック制御するための制御電圧を発生する。したがって、発振回路22が、記録バイアス電流を一定に保つように制御される。
この実施例によれば、記録電流と記録バイアス電流とは互いに影響を受けないので、記録アンプ14および制御電圧発生回路20のダイナミックレンジを大きくすることができ、結果としてS/Nの改善された音声信号を磁気テープへ記録することができる。
【0016】
図3を参照して、他の実施例のビデオテープレコーダ10は、記録アンプの出力端に抵抗R6を介して音声信号に高域成分が含まれているかどうかを判別するための判別回路24が設けられ、判別回路24の出力端と制御電圧発生回路20の出力端とが制御電圧調整回路26に接続され、そして制御電圧調整回路26が発振回路22を制御する点を除き、図1実施例と同様であるため、同じ回路に同じ参照符号を付すことによって重複した説明を省略する。
【0017】
判別回路24および制御電圧発生回路26は図4に示すように構成される。すなわち、判別回路24は、抵抗R6で電流変換された記録電流を受けるBPF30を含み、その出力端は、ダイオードD1を介してコンパレータ32のプラス入力端に接続される。また、コンパレータ32のプラス入力端は、コンデンサC20を介して接地される。コンパレータ32のマイナス入力端には、定電圧源V1が接続される。コンパレータ32の出力端は、制御電圧調整回路26の抵抗R20を介してトランジスタT20のベースに接続される。また、トランジスタT20のベースはコンデンサC21を介して接地される。トランジスタT20のエミッタは接地され、そのコレクタは抵抗R21および抵抗R22を介し制御電圧発生回路20の出力端に接続される。抵抗R21と抵抗R22との接続点は、抵抗R23を介してオペアンプ34のプラス入力端に接続される。オペアンプ34の出力端は、抵抗R24を介してトランジスタT21のベースに接続される。トランジスタT21のエミッタはバイアス36に接続され、そのコレクタは抵抗R25および抵抗R26を介して接地される。トランジスタT21のコレクタと抵抗R25との接続点Aは、発振回路22の入力端に接続され、抵抗R25と抵抗R26との接続点はオペアンプ34のマイナス入力端に接続される。
【0018】
記録電流が判別回路24のBPF30に与えられると、BPF30は所定の帯域のみを抽出する。なお、BPF30は図5に示すように略7kHzから20kHzを通過させる特性をもつので、70kHz程度の周波数をもつ記録バイアス電流は通過させず、7kHz以上の高域記録電流のみを通過させる。BPF30で抽出された記録電流はダイオードD1により整流されるとともに、コンデンサC20により平滑され平滑電圧がコンパレータ32のプラス入力端に入力される。また、定電圧源V1から所定の電圧がマイナス入力端に入力される。コンパレータ32はプラス入力端とマイナス入力端との入力のレベルを比較し、プラス入力端のレベルが高ければハイレベル信号を、プラス入力端のレベルが低ければローレベル信号を出力する。すなわち、判別回路24からは、記録信号に高域成分が含まれる場合にはハイレベル信号が出力され、記録信号に高域成分が含まれない場合にはローレベル信号が出力される。
【0019】
判別回路24から制御電圧調整回路26にローレベル信号が入力された場合には、トランジスタT20は導通しないため、制御電圧発生回路20の出力電圧のみが、抵抗R22および抵抗R23を介してオペアンプ34のプラス入力端に入力される。オペアンプ34は、プラス入力端からの入力電圧とマイナス入力端からの入力電圧とのレベル差信号を出力する。このレベル差信号は抵抗R24により電流に変換され、トランジスタT21のベースに与えられる。このため、そのベース電流に応じたコレクタ電流が抵抗R25および抵抗R26を流れ、接続点Bに電圧を生じる。この接続点Bの電圧が、発振回路22の制御電圧となる。また、オペアンプ34のマイナス入力端には、抵抗R25と抵抗R26との接続点に生じる電圧が入力される。
【0020】
すなわち、記録信号に高域が含まれない場合、発振回路22の制御電圧は、制御電圧発生回路20からの出力電圧によってのみ制御される。
また、コンパレータ32から制御電圧調整回路26にハイレベル信号が入力された場合には、そのハイレベル信号に基づいてトランジスタT20が導通する。このため、制御電圧発生回路20の出力電圧は、抵抗21と抵抗R22とによって分圧される。したがって、オペアンプ34のプラス入力端の入力電圧は、判別回路24からの出力がローレベル信号である場合に比べて低くなる。しかし、オペアンプアンプ34は、プラス入力端の入力電圧を基準としているので、プラス入力端の入力電圧が変動した場合、それに応じてマイナス入力端の入力電圧が変動する。すなわち、プラス入力端の入力電圧のレベルが低くなると、マイナス入力端の入力電圧が高くなる。したがって、抵抗R26にかかる電圧が一瞬の間だけ高くなる。このため、接続点Bの電圧が高くなり、発振回路22の制御電圧も高くなる。そして、記録信号に高域が含まれなくなると、再びもとの状態に戻る。すなわち、記録電流に高域が含まれる場合、発振回路22の制御電圧は大きくされ、これによって記録バイアス電流が少なくなる。
【0021】
この実施例によれば、上述の実施例と同様に制御電圧発生回路20には記録バイアス電流しか与えられないので、記録アンプ14および制御電圧発生回路20のダイナミックレンジを大きくできる。また、制御電圧調整回路26により発振回路22の制御電圧を変えることができるので、記録電流の周波数に応じた記録バイアス電流を生成できる。すなわち、記録信号に高域成分が含まれる場合には、発振回路22の制御電圧を高くして記録バイアス電流を少なくし、記録電流に高域成分が含まれない場合には、制御電圧を低くして記録バイアス電流を多くしている。その結果、磁気テープにS/Nが改善された高域音声信号がクリアに記録される。
【0022】
なお、この実施例ではビデオテープレコーダを用いているが、オーディオテープレコーダーなどの磁気記録装置を用いてもよいことはもちろんである。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す図解図である。
【図2】図1実施例に使用するHPFの特性を示すグラフである。
【図3】その他の実施例を示す図解図である。
【図4】図3実施例に用いる判別回路および制御電圧調整回路を詳しく説明した回路図である。
【図5】その他の実施例に使用するBPFの特性を示すグラフである。
【図6】従来のビデオテープレコーダを示す図解図である。
【符号の説明】
10 …ビデオテープレコーダ
14 …記録アンプ
16 …HPF
18 …A/Cヘッド
20 …制御電圧発生回路
22 …発振回路
24 …判別回路
26 …制御電圧調整回路
【産業上の利用分野】
この発明は磁気記録装置に関し、特にたとえば、ビデオテープレコーダやオーディオテープレコーダなどに適用され、音声信号を磁気テープに記録する、磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の磁気記録装置では、音声信号を磁気テープに記録するために、その音声信号すなわち記録電流に記録バイアス電流を重畳する必要がある。この記録バイアス電流を調整するために図6に示す従来の磁気記録装置1では、制御電圧発生回路2が重畳電流を検出して制御電圧を生成し、これによって発振回路3の発振周波数を制御していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来技術では、制御電圧発生回路2には記録電流と記録バイアス電流との重畳電流が与えられるため、記録アンプ4のダイナミックレンジをあまり大きくすると制御電圧発生回路2のダイナミックレンジを保持できず、結果として音声信号を適切に記録できるなくなる場合があった。一方、記録アンプ4のダイナミックレンジを小さくすると、記録された音声信号のS/Nが悪くなっていた。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、S/Nが改善された音声信号を磁気テープに適切に記録できる、磁気記録装置を提供することである。
【0005】
この発明は、発振手段で生成されたバイアス電流に高域強調手段で高域が強調された記録電流を重畳した第1重畳電流を記録ヘッドに流すことによって音声信号を磁気テープに記録する磁気記録装置であって、バイアス電流と高域強調手段によって高域が強調されていない記録電流との第2重畳電流からバイアス電流を抽出する抽出手段、抽出手段によって抽出されたバイアス電流の大きさに応じて発振手段の制御電圧を発生する制御電圧発生手段、高域が強調されていない記録電流に高域成分が含まれているか否かを判別する判別手段、および判別手段の判別結果に応じて制御電圧を調整する調整手段を備える、磁気記録装置である。
【0006】
【作用】
記録電流と記録バイアス電流との重畳電流がたとえばハイパスフィルタ(HPF)のような抽出手段に与えられ、記録バイアス電流が抽出される。この記録バイアス電流の大きさに従って、たとえば制御電圧発生回路のような制御電圧発生手段が制御電圧を発生する。この制御電圧に基づいて発振手段が制御され、それによって最適記録バイアス電流が生成される。
【0007】
なお、記録電流に高域成分が含まれているか否かがたとえばバンドパスフィルタ(BPF)のような判別手段で判別され、その判別結果に応じて、たとえば制御電圧調整回路のような調整手段が制御電圧の大きさを調整する。
【0008】
【発明の効果】
この発明によれば、抽出手段で抽出された記録バイアス電流に応じて制御電圧を発生するようにしたため、記録電流のダイナミックレンジを大きくすることができ、S/Nの改善された信号を磁気テープに適切に記録できる。
なお、記録電流に高域成分が含まれているか否かの判別結果に応じて制御電圧を調整するようにすれば、高域成分をよりクリアに記録できる。
【0009】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【実施例】
図1に示すこの実施例のビデオテープレコーダ10は、入力端子12を含む。入力端子12は、コンデンサC1を介してスイッチS1の一端に接続される。スイッチS1の他端は記録アンプ14の一方入力端に接続される。記録アンプ14の出力端は、抵抗R1を介して記録アンプ14の他方入力端に帰還され、その他方入力端は抵抗R2を介して接地される。記録アンプ14の出力端は、さらに、抵抗R3と並列接続された抵抗R4およびコンデンサC2とを介してコンデンサC3の一端に接続される。また、コンデンサC3の他端がA/Cヘッド18の一端に接続される。
【0011】
一方、抵抗R3と抵抗R4(およびコンデンサC2)との接続点Aは、抽出手段の一例であるHPF16の入力に与えられる。HPF16の出力は、制御電圧発生回路20の入力端に接続され、その出力端が発振回路22に接続される。発振回路22の出力端は、抵抗R5を介してA/Cヘッド18の他端に接続され、このA/Cヘッド18の他端はさらにスイッチS2を介して接地される。
【0012】
音声信号を記録するとき、スイッチS1がオンされると、入力端子12から入力された音声信号が、記録アンプ14に与えられる。この音声信号は、記録アンプ14で増幅されかつ抵抗R3で電流に変換されることによって記録電流となる。この記録電流は、並列接続された抵抗R4およびコンデンサC2によって高域を強調され、結合コンデンサC3を介してA/Cヘッド18に到達する。
【0013】
一方、記録時にはスイッチS2はオフされており、発振回路22で生成された発振周波数信号はレベル調整用の抵抗R5を介して記録バイアス電流としてA/Cヘッド18に与えられる。他方、結合コンデンサC3を介して記録電流がA/Cヘッド18に与えられるため、記録バイアス電流と記録電流との重畳電流がA/Cヘッド18を流れ、これによって交流バイアスされた音声信号が磁気テープ(図示せず)に記録される。
【0014】
また、前述の接続点Aには、記録バイアス電流と高域が強調されていない記録電流との重畳電流が取り出され、それがHPF16に与えられ、記録バイアス電流のみがHPF16によって抽出される。すなわち、HPF16は、図2に示すように50kHz程度から高域を抽出するフィルタであり、これによって70kHz程度の周波数をもつ記録バイアス電流が抽出される。なお、記録電流の周波数はせいぜい20kHz程度までであるので、HPF16によって記録電流は抽出されることはない。
【0015】
そして、制御電圧発生回路20は、HPF16により抽出した記録バイアス電流の電流値を検出し、その電流値に応じた大きさの発振回路22をフィードバック制御するための制御電圧を発生する。したがって、発振回路22が、記録バイアス電流を一定に保つように制御される。
この実施例によれば、記録電流と記録バイアス電流とは互いに影響を受けないので、記録アンプ14および制御電圧発生回路20のダイナミックレンジを大きくすることができ、結果としてS/Nの改善された音声信号を磁気テープへ記録することができる。
【0016】
図3を参照して、他の実施例のビデオテープレコーダ10は、記録アンプの出力端に抵抗R6を介して音声信号に高域成分が含まれているかどうかを判別するための判別回路24が設けられ、判別回路24の出力端と制御電圧発生回路20の出力端とが制御電圧調整回路26に接続され、そして制御電圧調整回路26が発振回路22を制御する点を除き、図1実施例と同様であるため、同じ回路に同じ参照符号を付すことによって重複した説明を省略する。
【0017】
判別回路24および制御電圧発生回路26は図4に示すように構成される。すなわち、判別回路24は、抵抗R6で電流変換された記録電流を受けるBPF30を含み、その出力端は、ダイオードD1を介してコンパレータ32のプラス入力端に接続される。また、コンパレータ32のプラス入力端は、コンデンサC20を介して接地される。コンパレータ32のマイナス入力端には、定電圧源V1が接続される。コンパレータ32の出力端は、制御電圧調整回路26の抵抗R20を介してトランジスタT20のベースに接続される。また、トランジスタT20のベースはコンデンサC21を介して接地される。トランジスタT20のエミッタは接地され、そのコレクタは抵抗R21および抵抗R22を介し制御電圧発生回路20の出力端に接続される。抵抗R21と抵抗R22との接続点は、抵抗R23を介してオペアンプ34のプラス入力端に接続される。オペアンプ34の出力端は、抵抗R24を介してトランジスタT21のベースに接続される。トランジスタT21のエミッタはバイアス36に接続され、そのコレクタは抵抗R25および抵抗R26を介して接地される。トランジスタT21のコレクタと抵抗R25との接続点Aは、発振回路22の入力端に接続され、抵抗R25と抵抗R26との接続点はオペアンプ34のマイナス入力端に接続される。
【0018】
記録電流が判別回路24のBPF30に与えられると、BPF30は所定の帯域のみを抽出する。なお、BPF30は図5に示すように略7kHzから20kHzを通過させる特性をもつので、70kHz程度の周波数をもつ記録バイアス電流は通過させず、7kHz以上の高域記録電流のみを通過させる。BPF30で抽出された記録電流はダイオードD1により整流されるとともに、コンデンサC20により平滑され平滑電圧がコンパレータ32のプラス入力端に入力される。また、定電圧源V1から所定の電圧がマイナス入力端に入力される。コンパレータ32はプラス入力端とマイナス入力端との入力のレベルを比較し、プラス入力端のレベルが高ければハイレベル信号を、プラス入力端のレベルが低ければローレベル信号を出力する。すなわち、判別回路24からは、記録信号に高域成分が含まれる場合にはハイレベル信号が出力され、記録信号に高域成分が含まれない場合にはローレベル信号が出力される。
【0019】
判別回路24から制御電圧調整回路26にローレベル信号が入力された場合には、トランジスタT20は導通しないため、制御電圧発生回路20の出力電圧のみが、抵抗R22および抵抗R23を介してオペアンプ34のプラス入力端に入力される。オペアンプ34は、プラス入力端からの入力電圧とマイナス入力端からの入力電圧とのレベル差信号を出力する。このレベル差信号は抵抗R24により電流に変換され、トランジスタT21のベースに与えられる。このため、そのベース電流に応じたコレクタ電流が抵抗R25および抵抗R26を流れ、接続点Bに電圧を生じる。この接続点Bの電圧が、発振回路22の制御電圧となる。また、オペアンプ34のマイナス入力端には、抵抗R25と抵抗R26との接続点に生じる電圧が入力される。
【0020】
すなわち、記録信号に高域が含まれない場合、発振回路22の制御電圧は、制御電圧発生回路20からの出力電圧によってのみ制御される。
また、コンパレータ32から制御電圧調整回路26にハイレベル信号が入力された場合には、そのハイレベル信号に基づいてトランジスタT20が導通する。このため、制御電圧発生回路20の出力電圧は、抵抗21と抵抗R22とによって分圧される。したがって、オペアンプ34のプラス入力端の入力電圧は、判別回路24からの出力がローレベル信号である場合に比べて低くなる。しかし、オペアンプアンプ34は、プラス入力端の入力電圧を基準としているので、プラス入力端の入力電圧が変動した場合、それに応じてマイナス入力端の入力電圧が変動する。すなわち、プラス入力端の入力電圧のレベルが低くなると、マイナス入力端の入力電圧が高くなる。したがって、抵抗R26にかかる電圧が一瞬の間だけ高くなる。このため、接続点Bの電圧が高くなり、発振回路22の制御電圧も高くなる。そして、記録信号に高域が含まれなくなると、再びもとの状態に戻る。すなわち、記録電流に高域が含まれる場合、発振回路22の制御電圧は大きくされ、これによって記録バイアス電流が少なくなる。
【0021】
この実施例によれば、上述の実施例と同様に制御電圧発生回路20には記録バイアス電流しか与えられないので、記録アンプ14および制御電圧発生回路20のダイナミックレンジを大きくできる。また、制御電圧調整回路26により発振回路22の制御電圧を変えることができるので、記録電流の周波数に応じた記録バイアス電流を生成できる。すなわち、記録信号に高域成分が含まれる場合には、発振回路22の制御電圧を高くして記録バイアス電流を少なくし、記録電流に高域成分が含まれない場合には、制御電圧を低くして記録バイアス電流を多くしている。その結果、磁気テープにS/Nが改善された高域音声信号がクリアに記録される。
【0022】
なお、この実施例ではビデオテープレコーダを用いているが、オーディオテープレコーダーなどの磁気記録装置を用いてもよいことはもちろんである。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す図解図である。
【図2】図1実施例に使用するHPFの特性を示すグラフである。
【図3】その他の実施例を示す図解図である。
【図4】図3実施例に用いる判別回路および制御電圧調整回路を詳しく説明した回路図である。
【図5】その他の実施例に使用するBPFの特性を示すグラフである。
【図6】従来のビデオテープレコーダを示す図解図である。
【符号の説明】
10 …ビデオテープレコーダ
14 …記録アンプ
16 …HPF
18 …A/Cヘッド
20 …制御電圧発生回路
22 …発振回路
24 …判別回路
26 …制御電圧調整回路
Claims (2)
- 発振手段で生成されたバイアス電流に高域強調手段で高域が強調された記録電流を重畳した第1重畳電流を記録ヘッドに流すことによって音声信号を磁気テープに記録する磁気記録装置であって、
前記バイアス電流と前記高域強調手段によって高域が強調されていない前記記録電流との第2重畳電流から前記バイアス電流を抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された前記バイアス電流の大きさに応じて前記発振手段の制御電圧を発生する制御電圧発生手段、
前記高域が強調されていない記録電流に高域成分が含まれているか否かを判別する判別手段、および
前記判別手段の判別結果に応じて前記制御電圧を調整する調整手段を備える、磁気記録装置。 - 前記調整手段は、前記高域が強調されていない記録電流に高域成分が含まれるとき、前記制御電圧を大きくする、請求項1記載の磁気記録装置。
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JP29180796A Expired - Fee Related JP3540525B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 磁気記録装置 |
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1996
- 1996-11-01 JP JP29180796A patent/JP3540525B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10143808A (ja) | 1998-05-29 |
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