JP3540381B2 - 容器及びその吊り下げ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、釣り用のバッグ或いはバッカン等で代表される容器及びその吊り下げ構造であって、詳しくは、側壁に支持された支持部材に掛け回されるとともに互いに重なり合った部分を合わせ止めしている第1端部と、この第1端部から間隔をあけて前記側壁に支持された支持部材に掛け回されるとともに互いに重なり合った部分を合わせ止めしている第2端部と、前記第1端部と第2端部とをつないでいる中間部とからなる吊り下げ用ベルトを備えた容器及びその吊り下げ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成を有するものとして、例えば実開昭55−55083号公報に開示されているようなものがある。
この容器においては、支持部材としての横ピンに掛け回されて互いに重なり合う部分を合わせ止めして、その合わせ止めした止め箇所より上方に、第1端部と第2端部とが側壁より離れることを防止するガイド面を有するベルトガイド手段を設け、重合わされてはいない単一のベルト部分をこのベルトガイド手段でガイドしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような容器におけるベルトに要求される性能としては、持ち上げるに際してベルトを掴む場合には、手を延ばしベルトを探って手繰り寄せて掴むといった煩わしい面を排除して、簡単に掴めるように容器の上方に自立することが望まれ、そして、ベルトを使用することのない場合においては、邪魔にならない状態でベルトが待機するのが望ましいのである。
このような観点から従来構成のものを考察してみると、確かにベルトガイド手段が設けられ、これによってベルトが自立することも可能であるが、ベルトガイド手段が単一のベルト部分をガイドするだけであるから、ベルト自身の剛性がベルト一枚分に限定されて、ベルトを自立させることには十分でない面があった。本第1発明の目的は、ベルトを使用する場合においては掴み易い容器のベルト支持構造を設ける点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による特徴構成は、前記第1端部と前記第2端部が前記側壁から離れることを防止するガイド面を有するベルトガイド手段が前記側壁に設けられ、前記第1端部と前記第2端部の夫々の止め付け箇所の少なくとも一部が前記ベルトガイド手段のガイド面より上方に位置している点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0005】
【作用】
つまり、止め付け箇所がガイド面よりも上方にあるので、ガイド面においては支持部材を挟んだ二枚のベルトに対してガイド作用を施すことができ、それだけベルトの自立力を高めることができるとともに、ガイドより上方においても二枚のベルトで自立することになるので、剛性の高い状態で自立することができる。しかも、ガイドは面でベルトを支持するので、ガイドがベルトに接触作用する部分が大きく、ベルトが側壁から離れることを効果的に抑制できる。
【0006】
【発明の効果】
したがって、ベルトの自立性を高めることができたので、造作なく掴むことができ、手繰り寄せるといった手間のかかる手順を経ることのない容器の吊り下げ構造を提供できるに至った。
【0007】
〔他の発明の目的・特徴構成・作用効果〕
請求項2の発明の目的は、ベルトの自立性を更に高めることのできる容器の吊り下げ構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記第1端部及び第2端部が支持部材に掛け回されて互いに重なり合った部分を合わせ止めして構成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、ベルトは支持部材に掛け回されて止め付けられる場合に互いに重なり合った状態になっているので、これによってベルトが剛性の高い状態となり、自立性が高まる。
請求項3の発明の目的は、ベルトガイド手段を強固な構成にできる容器の吊り下げ構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記ベルトガイド手段は、前記第1端部をガイドする第1ガイド面を設けた第1ガイド部と前記第2端部をガイドする第2ガイド面を設けた第2ガイド部とこれらの第1・第2ガイド部をつないでいるブリッジ部とから一体的に構成されたブロック体であり、前記ブリッジ部を前記側壁との間にスペースが生じるように形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、第1ガイド部と第2ガイド部とが一体化されているので、それだけ強固になるとともに、一体化に寄与しているブリッジ部を前記側壁との間にスペースが生じるように形成することによって、例えば、このスペース内に餌箱等の引っ掛け係止具等を差し込むことによって、その餌箱等を係止できるのであり、単に両ガイド部を一体化する機能だけではなく、係止具としての機能も持たせることができるものである。
請求項4の発明の目的は、前記第1ガイド部と第2ガイド部との設置間隔等を任意に選定できる容器の吊り下げ構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記ベルトガイド手段は、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とを別体で構成されてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、第1ガイド部と第2ガイド部との間隔を自由に設定できるので、容器の形態に合わせる等の選択ができ、設計の自由度が高まるのである。
請求項5の発明の目的は、ベルトの自立性を高める容器の吊り下げ構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記第1端部に対応する支持部材は前記第1ガイド面の下方で前記第1ガイド部に取り付けられ、前記第2端部に対応する支持部材は前記第2ガイド面の下方で前記第2ガイド部に取り付けられている点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、支持部材によって折り返され上方に延ばされたベルトが側壁よりも離間しようとするその折り返し部分をガイド面で規制するので、ベルトの自立性を高めるものである。
請求項6の発明の目的は、ベルトの非使用時の融通性を高める容器の吊り下げ構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記吊り下げ用ベルトの少なくとも中間部がフレキシブルな材料で形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。つまり、容器の上方に位置することになる中間部をフレキシブルな材料で構成することによって、中間部を自由に変形させたり移動させたりすることができるので、容器の内容物を取り出したりする際に、容易に行うことができる。
請求項7の発明の目的は、ベルトの非使用時の融通性を高める容器の吊り下げ構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記吊り下げ用ベルトがフレキシブルな材料で形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、ベルト自体をフレキシブルな材料で構成することによって、ベルトを自由に変形させたり移動させたりすることができるので、容器の内容物を取り出したりする際に、ベルトが邪魔にならず容易に行うことができる。
このような構成であっても、ガイド部によってベルト自体を自立させることが可能である特徴を維持している。
請求項8の発明の目的は、ベルトの自立性を高めかつベルトを掴む際においては片手でも掴み易い容器の取り付け構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、請求項1による吊り下げ構造を実質的に対向する2つの側壁に備えた容器において、前記各ベルトの中間部を連結するために各中間部に連結具を設けた点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、握り操作するベルトの中間部を連結させることにより、ベルト自体の自立状態を確保できるともに、纏まった中間部を手繰り寄せる操作をすることなく容易に掴むことができ、掴み操作する際の手間を少なくできる。
そして、この容器を釣りに使用した場合には、渡船からこの容器を瀬渡しする際にも片手で掴めるので容易に行えるのである。
請求項9の発明の目的は、自立性を高めたベルトであっても、非使用時の仕舞いを合理的に行える容器の取り付け構造を提供する点にあり、
その為になされた特徴構成は、前記各中間部の連結具と連結可能な連結具を対応する側壁に設けた点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、連結具で連結することにより中間部を側壁に止め付けることができ、ベルトを容器の上方に位置させることがない。したがって、撒き餌の取り出し時にベルトが邪魔になることがない。
【0008】
【実施例】
容器の吊り下げ構造を釣り用バッグの構造で説明する。
図1に示すように、ナイロン製の容器本体1にファスナー2を介して蓋体9を開閉揺動自在に設けるとともに、一対の対向する側壁1A,1Aに吊り下げ用ベルト3,3を夫々設けてある。
この吊り下げ用ベルト3は、ポリプロピレン製であり、側壁1Aに支持された支持部材4に掛け回されるとともに互いに重なり合った部分を合わせ止めしている第1端部3Aと、この第1端部3Aから間隔を開けて前記側壁1Aに支持された支持部材4に掛け回されるとともに互いに重なり合った部分を合わせ止めしている第2端部3Bと、第1端部3Aと第2端部3Bとをつなぐ中間部3Cとからなる。
この吊り下げ用ベルト3を側壁1Aに係止するベルトガイド手段5について説明する。図1ないし図4に示すように、側壁1Aに溶着によって取り付けられるベース部5Dとこのベース部5Dの左右に、第1ガイド部5Aと第2ガイド部5Bとを形成し、第1ガイド部5Aと第2ガイド部5Bとをブリッジ部5Cで連結して、これらを樹脂EVAで一体形成してある。
ベース部5Dを側壁1Aに一体的に溶着してあるので、耐剥離性が良好であり、このような吊り下げ式のベルト3に相応しい構成になっている。
【0009】
第1ガイド部5Aには、ベルト3を掛け回す対象となる支持部材4とその支持部材4の上方に設けられる第1ガイド面5aとが形成してあり、支持部材4に掛け回されたベルト3に外側から接触して案内するようにしてある。このように支持部材4の上方に第1ガイド面5aを設け、この第1ガイド面5aで案内されるベルト3を第1ガイド面5aの更に上方において重合わせてビス6で止め付けるようにしてある。
一方、第1ガイド部5Aの右側には、同様の構成を採る第2ガイド部5Bが設けられ、この第2ガイド部5Bに第2ガイド面5bと支持部材4とが形成されている。
そして、図3に示すように、第1ガイド部5Aと第2ガイド部5Bとを連結する板状のブリッジ部5Cは、ベース部5Dよりも前面側に離間して位置しており、ベース部5Dとブリッジ部5Cの間にスペースaが形成されている。このスペースaによって、図1に示すように、餌箱7を係止することができるとともに、タオル等の備品を吊り下げることができる。
以上、説明したような構成と同様の構成を有するベルトガイド手段5が対向する側壁1Aにも設けてあり、ベルト3が掛け回されている。
【0010】
次に、図1及び図5に示すように、一対のベルト3の相対向する面には、スナップ式の連結具8のオス・メス部8A,8Bが設けられ、一対のベルト3,3をベルトの中間部3Cで連結するようにしてある。また、ベルトガイド手段5,5の下方においては、スナップ式連結具8のオスメス部8A,8Bを設けてあり、図5に示すように、ベルト3に設けたスナップ式連結具8のオスメス部8A,8Bと対応するオスメス部8A,8Bを選定して係合するようにしてある。これによって、ベルト3を側壁1Aに固定することができ、ベルト3を上方に位置させることがない。
【0011】
〔別実施例〕
(1) ベルトガイド手段5としては、図6に示すように、第1ガイド部5Aと第2ガイド部5Bを別個に形成してもよい。又、支持部材4もベース部5Dやガイド面5a,5bと別に構成してもよい。これによって配置の自由度が確保でき、容器の大きさ等の仕様が異なる毎に、ガイド部5A,5B及び支持部材4の取り付け位置を異なるように選定できる。
(2) 容器本体1としては、釣り用のクーラであってもよく、また、釣り用以外の旅行用バッグ等として適用が可能である。
(3) ベルト3の材質としては、PP製の織物でフレキシブルな材質を使用しているが、中間部3Cのみにこのフレキシブルな材質を使用し、第1・第2端部3A,3Bにおいては硬質の材質を使用してもよい。このような構成とすると、硬質の部分をガイド面5aで支持するのでベルト3の自立性が高まるとともに、餌の取り出し等に邪魔になり易い中間部3Cにおいては、フレキシブル性を確保してあるので、邪魔にならない状態まで変形移動させることが可能である。
(4) 支持部材4又はガイド部5A,5Bそのものを着脱可能な構成にして、ベルト3を着脱可能な構成を採ってもよい。このようにすることによって、ファッション性または機能面の要請から、異なる種類・デザインのベルト3に取り替えて使用できる。
(5) 第1・第2端部3A,3Bの構成としては、図7に示すように、重合わされるベルト3の間に、硬質の板材9を挟み込んで、第1・第2端部3A,3Bの剛性を高めた構成を採ってもよい。これによって、ガイド面5a,5bでガイドされるベルト3の自立性が高まる。
【0012】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体斜視図
【図2】第1ガイド部及び第2ガイド部を一体化したベルトガイド手段を示す正面図
【図3】ブリッジ部における縦断側面図
【図4】第1ガイド部及び第2ガイド部を示す縦断側面図
【図5】ベルトの連結具を示す縦断側面図
【図6】第1ガイド部及び第2ガイド部を別体で構成した状態を示す斜視図
【図7】第1端部及び第2端部の別実施例を示す縦断側面図
【符号の説明】
1A 側壁
3 ベルト
3A 第1端部
3B 第2端部
3C 中間部
4 支持部材
5 ベルトガイド手段
5A 第1ガイド部
5B 第2ガイド部
5C ブリッジ部
5a 第1ガイド面
5b 第2ガイド面
8 連結具
a スペース

Claims (9)

  1. 側壁(1A)に支持された支持部材(4)に掛け回されるとともに互いに止め付けている第1端部(3A)と、この第1端部(3A)から間隔をあけて前記側壁(1A)に支持された支持部材(4)に掛け回されるとともに互いに止め付けている第2端部(3B)と、前記第1端部(3A)と第2端部(3B)とをつないでいる中間部(3C)とからなる吊り下げ用ベルト(3)を備えた容器の吊り下げ構造において、
    前記第1端部(3A)と前記第2端部(3B)が前記側壁(1A)から離れることを防止するガイド面(5a),(5b)を有するベルトガイド手段(5)が前記側壁(1A)に設けられ、前記第1端部(3A)と前記第2端部(3B)の夫々の止め付け箇所の少なくとも一部が前記ベルトガイド手段(5)のガイド面(5a),(5b)より上方に位置している容器の吊り下げ構造。
  2. 前記第1端部(3A)及び前記第2端部(3B)が支持部材(4)に掛け回されて互いに重なり合った部分を合わせ止めして構成されている請求項1記載の容器の吊り下げ構造。
  3. 前記ベルトガイド手段(5)は、前記第1端部(3A)をガイドする第1ガイド面(5a)を設けた第1ガイド部(5A)と前記第2端部(3B)をガイドする第2ガイド面(5b)を設けた第2ガイド部(5B)とこれらの第1・第2ガイド部(5A)(5B)をつないでいるブリッジ部(5C)とから一体的に構成されたブロック体であり、前記ブリッジ部(5C)を前記側壁(1A)との間にスペース(a)が生じるように形成されている請求項1記載の容器の吊り下げ構造。
  4. 前記ベルトガイド手段(5)は、前記第1ガイド部(5A)と前記第2ガイド部(5B)とを別体で構成されてある請求項1記載の容器の吊り下げ構造。
  5. 前記第1端部(3A)に対応する支持部材(4)は前記第1ガイド面(5a)の下方で前記第1ガイド部(5A)に取り付けられ、前記第2端部(3B)に対応する支持部材(4)は前記第2ガイド面(5b)の下方で前記第2ガイド部(5B)に取り付けられている請求項3又は請求項4記載の容器の吊り下げ構造。
  6. 前記吊り下げ用ベルト(3)の少なくとも中間部(3C)がフレキシブルな材料で形成されている請求項1又は請求項2記載の容器の吊り下げ構造。
  7. 前記吊り下げ用ベルト(3)がフレキシブルな材料で形成されている請求項1又は請求項2記載の容器の吊り下げ構造。
  8. 請求項1による吊り下げ構造を実質的に対向する2つの側壁(1A)(1A)に備えた容器において、前記各ベルト(3)の中間部(3C)を連結するために各中間部(3C),(3C)に連結具(8)を設けた容器。
  9. 前記各中間部(3C),(3C)の連結具(8)と連結可能な連結具(8)を対応する側壁(1A),(1A)に設けた請求項8記載の容器。
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