JP3540141B2 - コイル状ケーブルハンガーの架設用工具 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L3/00Supports for pipes, cables or protective tubing, e.g. hangers, holders, clamps, cleats, clips, brackets

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信用ケーブル又は配電用ケーブル等の各種ケーブルの空中配線のために用いられるコイル状ケーブルハンガーを、メッセンジャーワイヤーに架設するための架設用工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、有線テレビ用その他の通信用ケーブルや配電用ケーブル等の各種ケーブルを市中に配線するための手段の一つとして、合成樹脂製のコイル状ケーブルハンガーを用いることが行われている。この合成樹脂製のコイル状ケーブルハンガーとして用いるコイルは、例えば、特願平8−222993号等によって提案されているように、延伸され、かつねじりを付与された合成樹脂線条をコイル状に密着巻きにしたものである。
【0003】
上記のようなコイル状ケーブルハンガーは、ケーブルの配線作業において、電柱間にメッセンジャーワイヤーを架線する時点で、予めその電柱間の長さに応じた長さのコイルハンガーを準備し、その中にメッセンジャーワイヤーを通した状態で、メッセンジャーワイヤーを電柱間に架線しておき、次に、コイル状ケーブルハンガーの一端を片方の電柱近くでメッセンジャーワイヤーに固定した後に、他端を引っ張ってコイルを広げ、その他端を他方の電柱近くで固定する。最後に、あらかじめコイル内に通しておいたリードロープ等でケーブルをコイル内に引き込むことにより、ケーブルの配線が行われる。ケーブルの引き込みは、10スパン位を一度に行えるので、一度に数百メートルのケーブル配線作業を行うことができる。このように、最初に電柱間にメッセンジャーワイヤーを架線する時点で、予めその電柱に見合った長さのコイルハンガーをメッセンジャーワイヤーに外挿して置くのが、コイル状ケーブルハンガーの基本的な使用方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ケーブルの新設の時には、電柱間にメッセンジャーワイヤーを架線する時点でコイルを通しておけるが、ケーブルだけの張り替え工事などの場合には、すでにメッセンジャーワイヤーが張られてしまっているので、コイルを人手でメッセンジャーワイヤーに外挿しなければならなかった。短いコイルの場合は、人手でコイルの外挿作業を行うこともできるが、長いコイルの場合には、コイルが絡まってしまったり、足場の悪い高所での複数の人手による作業を必要とする等の問題があり、このため、ケーブル張り替え作業の際の煩雑さが、コイル状ケーブルハンガーの使用上の問題点とされていた。
【0005】
本発明の目的は、一人の作業者によって、作業者の安全性を確保することができて、しかも作業効率の良い、コイル状ケーブルハンガーを用いたケーブルの張り替えを可能にする、架設用工具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる架設用工具は、コイル状ケーブルハンガーをメッセンジャーワイヤーに外挿するために、コイルの巻き線の一端を挟んで繰り出す、複数の回転ロールと、コイル状ケーブルハンガーを嵌装する保持体から構成されている。
【0007】
一般に、メッセンジャーワイヤーのように直線状にのびる線体に、コイル状ケーブルハンガーのような密着巻きコイルを外挿するには、密着巻きコイルの端を開いて、コイルの巻線と巻線との間に直線体を挟み込み、その状態でコイルを回転させれば、コイルは、一回転ごとに一巻き分ずつ前進しながら直線物に外挿され、ついには、直線体がコイルを貫通した状態になる。
【0008】
しかし、コイル状ケーブルハンガーのような合成樹脂線のコイルは、コイル素線の曲げ・ねじれ剛性が金属の十分の一以下で柔らかいので、あらかじめ架線されたメッセンジャーワイヤーに後からコイル状ケーブルハンガーを外挿するために、コイル全体を安定的に回転させることは難しい。特にコイルが長い場合は、コイルの形状が崩れて絡まったり、コイル端が踊って外の線に引っかかったりするため、高所での作業中にコイル全体を回転させることは、事実上不可能であった。
【0009】
このため、本発明においては、コイルの巻線を複数のロール間に挟み込み、ロールの回転によってコイルの巻線を繰り出すと共に、コイル状ケーブルハンガーを、それが嵌装されている保持体に沿って回転させるようにした工具を用いることにした。コイル状ケーブルハンガー全体が回転しながら前方に送られる際、コイルの末端が踊って絡まるおそれがあるので、コイル状ケーブルハンガーを嵌装保持体に差し込んで暴れを矯正し、絡まりの防止を図った。また、この保持体を円弧状に曲げれば、場所を取らず、しかも重心を下げることが出来るので、工具の揺れが少なくなり、安定した作業が出来る。
【0010】
このようにすれば、比較的柔らかい合成樹脂線コイルを容易に回転させることができるばかりでなく、複数の回転ロールとコイル状ケーブルハンガーを嵌装する保持体を備える簡易な架設用工具を携えれば、一人の作業者によっても、長いコイル状ケーブルハンガーの架設を、容易に行うことができるからである。
【0011】
また、一人の作業者によって架設作業を行うためには、作業者が作業用の諸工具と共に架設すべきコイル状ケーブルハンガーを携帯しなければならないが、長くて扱い難いコイル状の物体を工具と共に携帯し、高所で工具とコイルの双方を操って架設作業を行うことは容易ではない。このため、前記のように、コイル嵌装保持体にコイルを嵌装しておけば、工具と同時にコイルを携帯することができ、架設作業開始のときは、保持体に嵌装されているコイルの端を引き出して回転ロールの間に挟めばよいことになる。
【0012】
さらに、本発明においては、工具が備える複数の回転ロールのうち、駆動源と連結される駆動ロールの回転軸には、動力伝達のための、方向変換の自由な自在継手(ユニバーサル・ジョイント)を設けることとした。工具のロールの回転は、駆動ロールの回転軸を、携帯用動力源(例えば電動ドライバー)の回転軸に連結することによって行われるが、高所での作業に際して、動力源の回転軸の方向を常に工具のロールの回転軸の方向と一致させることは困難かつ危険を伴うことだからである。
【0013】
すなわち、本発明のコイル状ケーブルハンガー架設用工具は、枠体と、枠体の枠内に所定の間隔をおいて配設された回転可能な複数のロールとを有し、複数のロールのうちの少くとも一つは、枠体の外方に突出する回転軸を有し、上記回転軸の先端には、回転駆動源と連結しうる自在継手が備えられ、上記枠体には、コイルを嵌装する保持体が設けられている、構成を有するものである。
【0014】
【発明の実施の態様】
図1ないし図3に、本発明の1実施例の工具を示す。図1ないし図3において、工具Aは、枠体1と、2つの回転ロール(上部回転ロール2及び下部回転ロール3)を有している。枠体1は頂辺部4、底辺部5、側辺部6及び7を有し、各辺部によって囲まれた開放空間8が形成され、開放空間8内に、上部回転ロール2及び下部回転ロール3が回転可能な状態で配置されている。
枠体1の、頂辺部4、底辺部5、側辺部6及び7は、図2に示すように、ボルトで固定されている。
【0015】
各回転ロールは、それぞれ、回転軸(回転軸9又は回転軸10)を有し、各回転軸は、いずれも、枠体1の側辺部6及び7に、2つの軸受(11a、11b又は12a、12b)を介して、回転可能に取り付けられている。上部回転ロール2の回転軸9を支持する軸受11a及び11bは、いずれも、枠辺部6及び7に固定されているが、下部回転ロール3の回転軸10を支持する軸受12a及び12bは、いずれも、その取付位置を、側辺部6及び7に沿って上下に移動しうるようになっている。側辺部6及び7に形成されている長孔13a及び13bは、軸受12a又は12bの取付位置の移動に伴う回転軸支持位置の上下移動を許容するための長孔である。軸受12a及び12bの下方に、側辺部6及び7に沿って配設されているボルト14a及び14bは、それぞれ、軸受12a及び12bの取付位置を調節するためのネジである。軸受12a及び12bは、いずれも、その上方に配設されたスプリング26によって下方に押圧付勢されている。
【0016】
下部回転ロール3の回転軸10の一端10aは、側辺部7から外方に突出しており、その先端にユニバーサル・ジョイント15が取り付けられ、ユニバーサル・ジョイント15の駆動軸側の端部16は、図3に示すように、回転駆動源の装置17(たとえば電動ドライバー)に係着しうるようになっている。
【0017】
枠体1の側辺部の上部外側(上部回転ロール2が取り付けられている位置の側方)には、コイル状ケーブルハンガー25を嵌装保持するためのガイドパイプ19が、側辺部6に固定されている台座18を介して取り付けられ、また、頂辺部4には、係止溝4aが形成され、頂辺部4の上側に工具Aをメッセンジャーワイヤー20に引掛け保持するための、係止蓋22が取り付けられている。ガイドパイプ19は、図3に示すように、円弧状に湾曲した状態でのびている。係止蓋22は長ボルト23によって頂辺部4に固定されているが、長ボルト23を支点にして回転できるようになっている。係止蓋22を回転によってずらして係止溝4aを開け、メッセンジャーワイヤー20を係止溝4aに入れて係止蓋22を閉じれば、工具Aをメッセンジャーワイヤー20に引っかけることができる。長ボルト24は、係止蓋22のストッパーである。長ボルト23及び24は、コイルの遊び及び倒伏防止のためのガイドとして、工具Aの上部に突き出るように立てておく。
【0018】
上記実施例の工具を用いてコイル状ケーブルハンガーを架設する作業は、次のように行われる。
【0019】
まず、ガイドパイプ19には予めコイル状ケーブルハンガー25を嵌装しておき、この状態の工具を、図3に示すように、既に張設されているメッセンジャーワイヤー20を係止溝4aに挿通することにより、メッセンジャーワイヤーに係止する。次に、コイル状ケーブルハンガーの一端(枠体1に近接している側の一端)を開いて、コイルの先端を上部ロール2と下部ロール3との間に挟み込み、さらにその先端を、コイルがメッセンジャーワイヤーを巻き込んでその先端が枠の外側に達する位置まで前進させる。この状態で、電動ドライバー17の電源をONとすると、ドライバーの回転により、ユニバーサル・ジョイント15を介して下部ロール3が回転し、それによって、下部ロール3と上部ロール2との間に挟まれているコイル線条が回転しながら前進する。またその際、ガイドパイプに嵌挿された部分のコイルハンガーもコイル全体が高速で回転しても絡まることなく回転しながらロール方向に前進していく。またこのガイドパイプが円弧状に曲がっていることにより場所を取らず、しかも重心が下部に有るので工具の揺れは少ない。
【0020】
ロール3の回転を継続すると、コイルはその終端に至るまでメッセンジャーワイヤーを巻き込み、コイル内にメッセンジャーワイヤーが挿入された状態となる。次に、コイルの両端を引っ張って電柱近くで固定し、ケーブルをコイル内に引き込んで架設を完了することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の架設用工具を用いれば、一人の作業者が工具とコイル状ケーブルハンガーを同時に携帯して高所である作業個所に赴き、高所におけるコイル状ケーブルハンガーの架設とケーブルの張り替えを、安全かつ効率的に行うことができる。
これによって、従来はケーブル張り替え作業に際しての困難性が難点とされていたコイル状ケーブルハンガーの使用上の問題点を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の架設用工具の本体部分の一実施例の正面図。
【図2】図1の架設用工具の分解図。
【図3】図1の架設用工具の使用状態図。
【符号の説明】
A …… コイル状ケーブルハンガー架設用工具
1 …… 枠体
2 …… 上部回転ロール
3 …… 下部回転ロール
4 …… 頂辺部
4a …… 係止溝
5 …… 底辺部
6,7 …… 側辺部
8 …… 開放空間
9,10 …… 回転軸
11,12 …… 軸受
13 …… 長孔
14 …… ボルト
15 …… ユニバーサル・ジョイント
16 …… ユニバーサル・ジョイントの端部
17 …… 回転駆動装置
18 …… 台座
19 …… ガイドパイプ
20 …… メッセンジャーワイヤー
22 …… 係止蓋
23,24 …… ボルト
25 …… コイル状ケーブルハンガー
26 …… スプリング

Claims (1)

  1. 架設状態のメッセンジャーワイヤーに係止することのできる枠体と、上記枠体に所定の間隔を置いて配設され、かつコイル状ケーブルハンガーを挟持して回転可能な複数のロールを有し、上記複数のロールは、メッセンジャーワイヤーへの枠体の係止状態において、回転軸の方向がメッセンジャーワイヤーの架設方向とほぼ同一方向になるように配置され、複数のロールのうちの少くとも一つは、枠体の外方に突出する回転軸を有し、上記回転軸の先端には、回転駆動源と連結しうる自在継手が備えられ、枠体には、コイル状ケーブルハンガーを嵌装する保持体が設けられている、コイル状ケーブルハンガーの架設用工具。
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