JP3540011B2 - 後付脱出面格子の取付施工方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、建造物の窓部に既設のサッシにおける最外側のサッシ羽を利用して後付けで容易に取り付けることができる後付脱出面格子の取付施工方に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、家屋等の建造物の窓部の外側には、防犯或いは装飾を目的として脱出面格子が設けられていることが多い。この脱出面格子は、外部から容易に開放できないように窓部の外側に強固に固定する一方、火災等の災害発生時に室内に取り残された者が窓部から屋外に脱出して避難できるように、室内からのみ脱出面格子本体を開放できることが要求される。このような脱出面格子としては、既に本発明者が開示したものがある(特願平5−59573号参照)。
【0003】
この脱出面格子は、サッシの最外側にある左右サッシ羽に、脱出面格子枠における縦枠体が嵌合され、この縦枠体の上下に脱出面格子本体が滑走可能な少なくとも一列のレール部を有する横枠体がそれぞれ設けられ、これら縦枠体と横枠体とが取付ねじで相互に固定されて四方枠状の脱出面格子枠が構成されている。前記サッシの枠体の近傍に壁幅方向に係止バーが設けられ、前記縦枠体の内側部に前記係止バーを室内側に向けて移動させる操作手段が設けられるとともに、前記サッシに近接される前記縦枠体に、前記係止バーが操作手段によって室外側に向けて移動したときにその先端が挿入係止され、且つ室内側に向けて移動したときに前記挿入係止状態が解除されるバー挿入係止孔が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した脱出面格子は、火災等の災害発生時に室内から脱出面格子を開放して屋外に脱出することができ、しかも通常時にはこの脱出面格子を屋外からは取り外すことができないという優れた発明であるが、以下に述べる課題が残存している。
【0005】
すなわち、建造物の窓部に既設されているサッシの最外側に主として網戸用として設けられているサッシ羽を利用して脱出面格子を後付けで取り付ける場合、左右の縦枠体を前記サッシ羽に嵌め込んで脱出面格子枠の両サイドを設定し、次に、上部の横枠体を両縦枠体の上端部間に取り付けたのち、下部の横枠体をサッシの下部に設置して、この両縦枠体と両横枠体とを取付ねじで相互に固定することにより、四方枠状の脱出面格子枠をサッシに強固に固定し、この脱出面格子枠に脱出面格子本体を嵌め込む手順で行われる。このように、各部材を一つずつ取り付けていくので、特にマンション等の高所の窓部に取り付ける場合には、取付作業性が極めて悪い問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、例えば高所における窓部に既設のサッシに対しても脱出面格子を後付けで極めて容易に取り付けることができる後付脱出面格子の取付施工方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,この発明に係る後付脱出面格子の取付施工方法は、建造物の窓部に固定された既設のサッシにおける最外側のサッシ羽に後付けで脱出面格子を取り付ける施工方法であって、上記脱出面格子枠が、前記サッシ羽に嵌合される左右の縦枠体と、この両縦枠体の上,下端部間にそれぞれ架け渡される上部および下部の一対の横枠体と、縦枠体と横枠体の端部を互いに結合するL字形の取付板によって構成され、前記縦枠体の各々の上下端部にL字形の取付板の一片を固着し、この両縦枠体の上,下端部間にそれぞれ架け渡される上部および下部の横枠体における左右の取付孔のうちの少なくとも一方を長孔状に形成し、両横枠体の左右両側の取付孔を対向する前記取付板の各々の他片の取付孔に合致させるとともに、この合致させた両取付孔に取付ねじを挿入し、長孔状の前記取付孔に挿入した取付ねじを締め付けずに、少なくとも一方の前記縦枠体を前記両横枠体に対し左右方向に移動可能状態として、矩形状の脱出面格子枠を予め仮に組み立て、この脱出面格子枠の他方の縦枠体を対向するサッシ羽に嵌め込んだのちに、一方の縦枠体を移動させて対向するサッシ羽に嵌め込み、この嵌め込み状態で長孔状の取付孔に挿入している取付ねじを締め付けて前記両縦枠体および前記両横枠体を相互に固定し、脱出面格子枠の本組み立てとサッシ羽への固定を同時に行うことを特徴とする。
【0008】
【作用】
左右の縦枠体と上下の横枠体とを、その一部を仮止め状態として予め四方枠状の脱出面格子枠に組み立て、この脱出面格子枠をサッシの最外側のサッシ羽に嵌め込んだのちに、まず、一方側の縦枠体を対向するサッシ羽に嵌め込んで押し当て、続いて、他方側の仮止め状態の縦枠体を移動させて対向するサッシ羽に嵌め込んで押し当て、この状態で長孔状の取付孔に挿入している取付ねじを締め付けると、両縦枠体および両横枠体が相互に固定されて脱出面格子枠のサッシへの取り付けが同時に完了する。このように、予め仮止め状態に組み立てた脱出面格子枠をサッシに嵌め込んでから位置調整して固定するので、例えば、高所の窓部に既設のサッシに対しても、後付けで容易に且つ迅速に取り付けることができる。尚、脱出面格子本体は、組み立てた脱出面格子枠に予め嵌め込んでおいてもよい。
【0009】
【実施例】
以下、この発明の好ましい実施例を図面にしたがって説明する。
【0010】
図1はこの発明に係る脱出面格子の分解斜視図を示す。この脱出面格子は、左右一対の縦枠体1,2と、上下一対の横枠体3,4と、外格子5aと内格子5bとからなる脱出面格子本体5とを備えている。
【0011】
脱出面格子本体5の外格子5aと内格子5bは二本のレール(後述)上を移動してもよく、一本のレール上を外格子5aと内格子5bのいずれか一方のみが移動して、いずれか一方が固定(嵌め殺し)状でもよい。
【0012】
また、脱出面格子本体5は、引き違い戸状ではなく、縦格子が蛇腹状に右又は左方向に引き寄せられて開閉可能な一体面格子でもよい。
【0013】
両縦枠体1,2には、後述のサッシの最外側のサッシ羽に嵌合する断面コ字状の嵌合部1a,2aが長手方向に形成されてきる。この両縦枠体1,2の上下端部にはそれぞれ、L字形の取付板6の一片がねじ(図示せず)により固定されており、この取付板6の内方に突出された他片には、ねじ孔からなる取付孔6aが形成されている。右側の縦枠体2には、後述の施錠機構が取り付けられており、その施錠機構の操作部材8およびこの操作部材8の先端部に固着された保護カバー9が下端部を支点に回動自在に設けられている。
【0014】
施錠機構は図示する実施例では右側の縦枠体2に設けられているが、左側の縦枠体2に設けてもよく、或いは両方であってもよい。
【0015】
両横枠体3,4は、内面側に外格子5aおよび内格子5bをそれぞれ移動自在にガイドするための外レール部3a,4aおよび内レール部3b,4bが平行に形成されている。
【0016】
この外レール部3a、4a及び内レール部3b,4bは、この実施例では上下にそれぞれ二本ずつレールが設けられているが、上のレール3a,3bのみ、あるいは上のレール3a,3bのいずれかのみ、さらには3a,4a又は3b,4b等の上下一本づつでもよい。
【0017】
上のレールのみの場合は面格子の外、内格子を吊り下げる。
【0018】
また、両横枠体3,4における基面の右端部には、円孔からなる一対の3c(下部横枠体4側は図示せず)が穿設されているとともに、基面における左端部には、長孔からなる一対の取付孔3d(下部横枠体4側は図示せず)が穿設されている。また、外,内格子5a,5bにおける各縦枠体1,2に対する当接面には、頭部付きの係合軸10が植設されており、両縦枠体1,2に、係合軸10が挿抜する挿通孔2b(左側の縦枠体1側は図示せず)が穿孔されている。
【0019】
次に、上述の脱出面格子を既設のサッシに後付けで取り付ける施工方法について説明する。先ず、図2に示すような脱出面格子枠11を予め仮に組み立てる。すなわち、図1に2点鎖線矢印で示すように、上下の横枠体3,4における左右両側の取付孔3c,3dを対向する取付板6の取付孔6aに合致させて、両横枠体3,4を取付板6に接合させて左右の横枠体1,2の上下部間に架け渡す。この状態を保持しながら取付ねじ7を図1に2点鎖線矢印で示すように横枠体3,4の取付孔3c,3dを挿通して取付板6の取付孔6aに螺合すると、図2に示す脱出面格子枠11が組み立てられる。この時、右側の各取付ねじ7は締め付けて両横枠体3,4と右側の縦枠体2とを相互に固定するが、左側の取付ねじ7は締め付けないで仮止めしておく。したがって、左側の縦枠体1は、図2に示すように、取付ねじ7が長孔状の取付孔3d内を移動できる範囲dで両横枠体3,4に対し接離する方向に移動できる。
【0020】
上述のように仮に組み立てた脱出面格子枠11を、概略平面図を示す図3のように、サッシ12の最外側のサッシ羽12に嵌め込むとともに、右側の縦枠体2の嵌合部2aをサッシ羽12aに嵌め込んでサッシ12に押し付ける。次に、左側の横枠体1を図3に矢印で示すように移動させてその嵌合部1aをサッシ羽12aに嵌め込んでサッシ羽12に押し付け、この状態を保持しながら右側の各取付ねじ7を締め付けると、脱出面格子枠11の本組み立てと同時に両縦枠体1,2および両横枠体3,4が相互に固定され、脱出面格子枠11の本組み立てと同時にサッシ12への固着が行える。したがって、脱出面格子枠11を、例えばマンションなどの高所の窓部に既設されているサッシ12に取り付ける場合においても、極めて容易に且つ迅速に取り付けることができる。両格子5a,5bは、上述のようにしてサッシ12に取り付けが完了した脱出面格子枠11における外レール部3a,4aおよび内レール部3b,4bに対しその上方側に挿入したのちに下方側に落とし込んで取り付ける。尚、両格子5a,5bを組み立て完了した脱出面格子枠11に予め取り付けておき、この状態でサッシ12に取り付けるようにしてもよい。
【0021】
脱出面格子の格子5a,5bの下部には移動を容易にするため、戸車(図示せず)を必要数取り付ければよい。
【0022】
このようにして取り付けた脱出面格子は、施錠機構により脱出面格子本体5の両格子5a,5bが両側の縦枠体1,2に固定されることにより、防犯機能を有するようになる。脱出面格子の施錠機構の機能について、図4および図5を参照しながら説明する。各図には引き違い式の脱出面格子を図示してある。尚、勿論この発明に係る面格子の施錠構造は引き違い式面格子には限定されず、一枚式で左右上下へ一枚ごと引き出す形式の脱出面格子、一枚式で縦格子が蛇腹式に一方に引き寄せられて脱出空間をつくられる蛇腹式脱出面格子でもよい。
【0023】
図4に示すように引き違い式の場合は、外格子5aおよび内格子5bをそれぞれ左右の縦枠体1,2に当接させて、外格子5aは固定ねじ(図示せず)により左側の縦枠体1に固定される。一方、内格子5bは、施錠機構における前記操作部材8がこれに摺動自在に挿入されている操作バー(図示せず)を操作部材8内に押し込んだ状態で脱出面格子枠11内に収納された時に、挿通孔2bに挿入されている係合軸10が施錠機構に係止されて固定されている。災害発生時においては、操作部材8を図4に2点鎖線で示すようにほぼ90度回転させて水平状態としたのちに、図5に示すように、操作バー13をその先端の操作部13aを握って手前側つまり室内側に引き出すことにより、係合軸10に対する係止が解除される。したがって、内格子5bを図5に示すように左方に開き、それにより生じた開口から外部に脱出できる。
【0024】
次に、施錠機構について図6乃至図8を参照しながら詳述する。角筒状の操作部材8の下端部には円筒状の操作ケース14が一体に固着されており、この操作ケース14が支軸(図示せず)を介して縦枠体2に回転自在に支持されている。したがって、操作部材8は下端部の支軸を支点に回転自在になっている。操作部材8内には、上端部に摘み状の操作部13aを備えた操作バー13が摺動自在に挿入されており、この操作バー13の下端部には、下方の係合軸10に係合する二股形状となった係止部材15が一体に設けられている。
【0025】
また、上方の係合軸10に係合する係止切欠き16aを有する作動板16がスプリング17により上下動自在に吊り下げされているとともに、作動板16の下部には、ガイド(図示せず)により上下動自在に保持された作動杆18が吊り下げ状態に固着されており、この作動杆18の下端部に、軸状の受け部材19が突設されている。
【0026】
操作バー13の操作部13aは操作部材の上端開口部から突出されており、この操作部13aは、操作部材8に固着されたチリ取り状の保護カバー9により内方側(脱出面格子本体5側)の部分を覆われている。また、操作部材8の下端部分には、水平方向に倒置された操作部材8の起立を阻止する係止機構部20と、この係止機構部20によるロックを解除するロック解除機構21とが設けられている。係止機構部20は、操作ケース14の外面に固着された係合突起22と、スプリング25により操作ケース14の外面に押し付けられた係止片23とにより構成されている。ロック解除機構部21は、係止片23から突出された操作ピン24とにより構成されている。これらの作用については後述する。
【0027】
図6に示すように、操作バー8が下方に押し下げられた状態で操作部材8がほぼ垂直に起立されている場合には、スプリング17の付勢力により作動板16が上動して係止切欠き16aが上方の係合軸10に係合している。一方、操作バー13の下端部の係止部材15が下方の係合軸10に係合している。したがって、内格子5bは手前側つまり開放方向への移動を阻止されている。
【0028】
次に、操作部材8を図7に示すように室内側に90度回転させて水平状態に位置させると、この回動時に操作部材8が受け部材19に当接したのちに作動杆18を下方に押し下げるので、作動板16も作動杆18と一体に下動して係止切欠き16aが上方の係合軸10から離脱する。しかし、下方の係合軸10には係止部材15が係合しているため、この状態では内格子5bを開くことができない。したがって、屋外から何らかの道具を用いて操作部材8が水平に倒されたとしても、脱出面格子本体5が開放可能状態とはならない。しかも、操作バー13の操作部13aの内方側が保護カバー9で覆われているため、棒状体の先端にチャック機構等を取り付けた特殊な道具を用いたとしても、保護カバー9が邪魔となって操作部13aを室内側に押圧移動させることができない。したがって、極めて高い防犯機能を有する。
【0029】
面格子本体5の縦格子の間隔は人の肩が入らない幅とするのは勿論、腕も入りにくい幅とする。
【0030】
少なくとも施錠機構を設けた側近傍の縦格子の所要数だけをこの間隔とすればよい。
【0031】
つぎに、図8に示すように、操作部13aを握って操作バー13を室内側に引き出すと、操作バー13の下端の係止部材15が下方の係合軸10から離脱し、この時点ではじめて打ち格子5bの開放が可能となる。
【0032】
また、操作部材8を90度回動させる過程において、操作部材8と一体に回転する操作ケース14の係合突起22が係止片23をスプリング25の付勢力に抗して押し下げ、操作部材8が水平状態まで回動した時に、係合突起22が係止片23を通過して、図7に示すように、係合突起22と係止片23の各々の平面部が互いに対面して、操作部材8の垂直方向への回動を阻止する。
【0033】
そのため、例えば、子供の悪戯などによって図8に示すように脱出面格子本体5が開放可能状態に操作されたとしても、この開放可能状態のまま操作部材8が起立されることがない。すなわち、脱出面格子本体5が開放可能状態のまま操作部材8が縦枠体2内に収納されたまま放置されるといった事態の発生を確実に防止できる。
【0034】
図8に示す状態のまま放置されているのを家人が発見したときに、操作部13aにより操作バー13を操作部材8内に押し込んで脱出面格子5の開放不可能状態としたのちに、図8に示すように、操作ピン24により係止片23を係合突起22に当たらない位置まで押し下げ、この状態を保持して操作部材8を上方に回動させて縦枠体2内に収納する。したがって、操作バー13を押し込んで脱出面格子5の開放不可能状態とした時点ではじめて操作部材8の上方に向けての回動が可能になるといった複雑な構成を設けることなく、簡単な構成の係止機構部20とロック解除機構21とを付加したのみで、脱出面格子5が開放可能状態において操作部材8を通常の状態に復帰するのを防止できる。尚、係止機構部20とロック解除機構21とは、上記構成に限らず、例えばラチェット機構を用いた構成とすることもできる。
【0035】
図9は前記実施例と略同様のチリ取り状の保護カバー9を備えた施錠機構の一部を示しているが、同図に2点鎖線で示すように、操作部材8の外方側に、保護カバー9を捩じりバネ付き蝶番26を介してさらにチリ取り状の保護カバー9Aを取り付けるとともに、この保護カバー9Aは、捩じりバネ付き蝶番26により内方に付勢して操作部13aの外側面を確実に覆う構成とすることもできる。
【0036】
このような構成とすれば、例えば、保護カバー9を乗り越えて内方側の操作部13aに至るような湾曲形状の部材を棒状体の先端に取り付けた道具を作成し、この道具を用いて外部から操作するといった極めて可能性の低い事態にも対応できる。
【0037】
すなわち、一方の手で保護カバー9Aを開いた状態に保持しながら、他方の手で操作部13aを引っ張り操作しなければならないので、両方の手に必要な道具を用いて外部操作しなければならず、そのような操作は到底不可能である。また、火災発生時等においては、外方側の保護カバー9Aを開くことができるので、操作部13aを支障なく操作できる。
【0038】
図10乃至図12はさらに他の変形例を示す。図10は、チリ取り状の保護カバー9を操作部13bの内方側のみに設けるとともに、操作バー13の操作部13bを、長さ方向に向かって湾曲状の曲線形状に形成している。
【0039】
したがって、前述のように棒状体の先端部が保護カバーを乗り越えて内側の操作部13bに達する特殊な形状となった道具を用いたとしても、この道具の先端部は、湾曲状の曲線形状となった操作部13bの何れの箇所に当てても滑ってしまい、操作部13bに引っ掛かったり把持したりすることがないので、外部からの不法な操作をさらに確実に防止できる。
【0040】
図11は、操作バー13の操作部13cを回転操作することにより脱出面格子本体5の例えば係止孔に対しフック状の係止部材が係脱する構成となった施錠機構を設けた場合の実施例を示す。操作部13cを回転操作できる空間を存して操作部13cの全周囲を被覆できる保護カバー9Bを設けるとともに、この保護カバー9Bの開口部を、捩じりバネ付き蝶番26を介して設けた補助カバー9Cにより閉塞したものである。
【0041】
図12は、図11と同様に回転操作する操作部13cを保護する場合の他の変形例を示す。操作部13cの内方および外方にそれぞれチリ取り状保護カバー9D,9Eを捩じりバネ付き蝶番26により内方に付勢して設けている。
【0042】
したがって、上述と同様に、如何なる道具を作成しても、外部から操作部13cを回転操作することはできない。
【0043】
図9乃至図12に示した保護カバーと、操作部は必ずしもそれぞれの実施例の組合せに限定されず、任意の保護カバーと任意の操作部の組み合わせが自在に採用できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、左右の縦枠体と上下の横枠体とを、その一部を仮止め状態として予め四方枠状の脱出面格子枠に仮に組み立て、この脱出面格子枠をサッシの最外側のサッシ羽に嵌め込んだのちに、まず、一方側の縦枠体を対向するサッシ羽に嵌め込んで押し当て、続いて、他方側の仮止め状態の縦枠体を移動させて対向するサッシ羽に嵌め込んで押し当て、この状態で長孔状の取付孔に挿入している取付ねじを締め付けて、両縦枠体および両横枠体を相互に固定することにより、脱出面格子枠の本組み立てと同時にサッシ羽への固定を同時に行うようにしたので、予め仮止め状態に組み立てた脱出面格子枠をサッシに嵌め込んでから位置調整して固定できるため、例えば、高所の窓部に既設のサッシに対しても、後付けで容易に且つ迅速に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る脱出面格子の分解斜視図である。
【図2】同上の脱出面格子における脱出面格子枠を組み立てた状態の斜視図である。
【図3】同上の脱出面格子枠をサッシに取り付ける状態を示す概略平面図である。
【図4】同上実施例における取り付け状態の脱出面格子の施錠機構におけるロックおよびロック解除の状態を示す斜視図である。
【図5】同上実施例における脱出面格子を開放した状態を示す斜視図である。
【図6】この発明に係る脱出面格子に用いる施錠機構の脱出面格子を開放不可能状態に設定した状態を示す切断左側面図である。
【図7】同上施錠機構の操作部材を水平状態に回動させた状態の切断左側面図である。
【図8】同上施錠機構の脱出面格子を開放可能状態に設定した状態を示す切断左側面図である。
【図9】操作カバーの変形例を示す平面図である。
【図10】操作バーの操作部の変形例を示す平面図である。
【図11】操作部および保護カバーの他の変形例を示す平面図である。
【図12】保護カバーの更に他の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,2 縦枠体
3,4 横枠体
3c 横枠体の取付孔
3d 横枠体の長孔状の取付孔
5 脱出面格子本体
6 取付板
6a 取付板の取付孔
7 取付ねじ
8 操作部材
9,9A〜9D 保護カバー
11 脱出面格子枠
12 サッシ
12a サッシ羽
13 操作バー
13a〜13c 操作部
15 係止部材
20 係止機構部
21 ロック解除機構部
Claims (1)
- 建造物の窓部に固定された既設のサッシにおける最外側のサッシ羽に後付けで脱出面格子を取り付ける施工方法であって、上記脱出面格子枠が、前記サッシ羽に嵌合される左右の縦枠体と、この両縦枠体の上,下端部間にそれぞれ架け渡される上部および下部の一対の横枠体と、縦枠体と横枠体の端部を互いに結合するL字形の取付板によって構成され、前記縦枠体の各々の上下端部にL字形の取付板の一片を固着し、この両縦枠体の上,下端部間にそれぞれ架け渡される上部および下部の横枠体における左右の取付孔のうちの少なくとも一方を長孔状に形成し、両横枠体の左右両側の取付孔を対向する前記取付板の各々の他片の取付孔に合致させるとともに、この合致させた両取付孔に取付ねじを挿入し、長孔状の前記取付孔に挿入した取付ねじを締め付けずに、少なくとも一方の前記縦枠体を前記両横枠体に対し左右方向に移動可能状態として、矩形状の脱出面格子枠を予め仮に組み立て、この脱出面格子枠の他方の縦枠体を対向するサッシ羽に嵌め込んだのちに、一方の縦枠体を移動させて対向するサッシ羽に嵌め込み、この嵌め込み状態で長孔状の取付孔に挿入している取付ねじを締め付けて前記両縦枠体および前記両横枠体を相互に固定し、脱出面格子枠の本組み立てとサッシ羽への固定を同時に行うことを特徴とする後付脱出面格子の取付施工方法
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