JP3539850B2 - プリント配線板及びパターン形成方法 - Google Patents

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    • H05K3/0005Apparatus or processes for manufacturing printed circuits for designing circuits by computer

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ライン及びランドから構成された導体回路を有するプリント配線板及び該ライン及びランドを形成するためのパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリント配線板は高密度実装に伴うファインパターン化が進んでおり、ファインパターン化に伴いランドが小径化し、ランドの中央にスルーホール用開口を穿設することが難しくなっている。このため、電気的導通の信頼性を上げる目的で、図12の(A)に示すようにランド330へティアドロップ340が付加されている。
【0003】
即ち、図12の(B)に示すようにスルーホール用開口352がライン320寄りに形成されても、ティアドロップ340にて補強されているのでランド330が破断しなくなる。このため、図12の(C)に示す該スルーホール用開口352に形成されたスルーホール350とランド330との導通の信頼性を保つことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図12の(B)を参照して上述したようにスルーホール用開口352がライン320寄りにずれたときには、ティアドロップ340を付加することでラインとランドの接続信頼性を保つことができる。しかしながら、図12の(D)及び(F)に示すように、スルーホール用の開口352が、ライン120の反対側にずれたとき、或いは、(E)及び(G)に示すようにスルーホール用の開口352がラインから水平方向へずれた位置に開けられたとき、ランド330が図中に示すように破断(欠けた状態)になる。ランドが破断(欠けた状態)になると、スルーホール用開口に形成されたスルーホールと、ランドとの間の抵抗値が高まり、即ち、所定の抵抗値内で接続を取ることができなくなり、ランドの信頼性が低下していた。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高い信頼性のランドを有するプリント配線板を提供することにある。
【0006】
また、本発明は、プリント配線板に高い信頼性のランドを形成するためのパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明は、プリント配線板にライン及びランドを形成するためのパターン形成方法において、
ランド用のパターンを形成する際に、ランドの中心から等角度に所定長の線分を引くステップと、
前記各線分の先端が、他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てるかを判断するステップと、
全ての前記線分が所定ギャップを保てる際に、該線分長を半径とする円形のランドを形成するステップと、
いずれかの前記線分が所定ギャップを保てないときに、当該所定ギャップの保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端を結ぶことよりなる各内角及び各辺長さが均一ではない多角形のランドを形成するステップと、からなることを技術的特徴とする。
【0010】
請求項の発明は、プリント配線板にライン及びランドを形成するためのパターン形成方法において、
ランド用のパターンを形成する際に、ランドの中心から等角度に所定長の8本の線分を引くステップと、
前記各線分の先端が、他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てるかを判断するステップと、
全ての前記線分が所定ギャップを保てる際に、該線分長を半径とする円形のランドを形成するステップと、
いずれかの前記線分が所定ギャップを保てないときに、
(1)前記ラインの反対側の線分を中心とし、該反対側の線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形を形成し、
(2)前記ラインの反対側の線分と直交する一対の線分をそれぞれ中心とし、該直交する線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形をそれぞれ形成することで構成される3つの四角形を重ね合わせた多角形からなるランドを形成するステップであって、各四角形を形成する際に、当該所定ギャップの保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、前記各線分について隣接する3本分づつ、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端と、所定位置とを結ぶ四角形を形成して行くことで、多角形からなるランドを形成するステップと、を有することを技術的特徴とする。
【0011】
請求項のプリント配線板は、ランドの中心から等角度に所定長の線分を引き、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さ線分の先端を結ぶことよりなる各内角及び各辺長さが均一ではない多角形に形成したランドを有することを技術的特徴とする。
ランドの中心から等角度に所定長の線分を引き、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さ線分の先端を結ぶ多角形に形成したランドを有する
【0012】
請求項のプリント配線板は、ランドの中心から等角度に所定長の8本の線分を引き、前記ランドに接続するラインの反対側の線分を中心とし、該反対側の線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形を形成し、前記ラインの反対側の線分と直交する一対の線分をそれぞれ中心とし、直交する線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形をそれぞれ形成することで構成される3つの四角形を重ね合わせた多角形からなるランドであって:
各四角形が、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、各線分について隣接する3本分づつ、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端と、所定位置とを結ぶことより成るランドを有することを技術的特徴とする。
【0014】
請求項の発明では、ランドを形成する際に、所定半径の円形に形成しても他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保てる際に、所定半径の円形ランドを形成する。そして、円形では所定の絶縁ギャップが保てない際に、ランドの中心から等角度に所定長の線分を引き、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さ線分の先端を結ぶ多角形にランドを形成する。このため、ランドを円形に形成できないときでも、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つよう最大の大きさの多角形に形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0016】
請求項の発明では、ランドを形成する際に、所定半径の円形に形成しても他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保てる際に、所定半径の円形ランドを形成する。そして、円形では所定の絶縁ギャップが保てない際に、ランドの中心から等角度に所定長の線分を引き、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、各線分について隣接する3本分づつ、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端と、所定位置とを結ぶ四角形を重ね合わせた多角形にランドを形成する。このため、ランドを円形に形成できないときでも、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つよう最大の大きさの多角形に形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0017】
請求項では、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つように最大の大きさの多角形のランドを形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0018】
請求項では、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つように最大の大きさの多角形のランドを形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板について図を参照して説明する。
本発明の第1実施形態に係るプリント配線板においては、ランドを形成する際に、図5中の(H)に示すように半径r(例えば800μm)の円形ランドを形成しても、他のライン120等との間に所定の絶縁距離z(例えば200μm)が保てるときには、図5の(I)に示すように当該半径rのランド30Aを形成する。
【0020】
一方、図5中の(G)に示すように半径rの円形にランドを形成すると、他のライン120との間に所定絶縁距離zが保てないときには、図6の(C)に示すように、該ライン120との間に絶縁距離zを保ち得る最大の多角形のランド30Bを形成する。
【0021】
本実施態様では、上述した図5及び図6を参照して上述したランド、ライン等の導体回路をフォトエッチングにより形成する。係るフォトエッチング用のマスクフィルム上のパターン形成のための処理について図1及び図2のフローチャート参照して説明する。
本実施形態のパターンは方法においては、従来技術に係るパターン設計方法を用いてランド、ライン等の導体回路を設計する。そして、このランドを大きくする第1実施形態に係る処理を進める。ここでは、該従来技術の方法によりランド、ラインの設計は既に完了し、ランド(従来技術の該方法により設計された半径600μmのランド:以下仮ランドを呼ぶ)を大きくする際の処理から説明を開始する。
【0022】
まず、それぞれのランドの番号を示す変数nを’1’に初期化し(S12)、処理対象のランドにティアドロップを付加する(S14)。例えば、図5の
(A)に示すように、ライン20が設けられ中央にスルーホールの形成部分50の設計された仮ランド32に、(B)に示すようにライン20が取り付けられている部分に、ティアドロップ40を付加する。
【0023】
次に、処理対象の仮ランド32に隣接して、他の仮ランドが存在するかを判断する(S16)。ここで、図6の(D)のように、仮ランド32に隣接して他の仮ランド132が存在しているときには(S16がYes)、処理対象の仮ランド32の中心32aと他の仮ランド132の中心132aとの中央位置に境界線VLを仮想し(S18)、ステップ20へ進む。ここで、境界線VLは、後述する処理において、ラインと同様に処理され、該境界線VLに対して所定の絶縁距離zを設け得るようにランドが形成される。
【0024】
上述したステップ16の判断において、近接ランドが存在していないときには(S16がNo)、ステップ20へ進み、図5の(C)に示すように仮ランド32の引き出し線(ライン20)に対して、8方向を決定する。即ち、仮ランド32の中心32aから、等角度(45°毎)に該ライン20側を含むように8本の線分L1〜L8を設ける。そして、最大ランド径を決定する(S22)。即ち、(D)に示すように半径r(800μm)の図中鎖線で示す円形ランドを仮想する。
【0025】
そして、上述した8方向の線分L1〜L8のそれぞれについて、(E)に示す先端L1a〜L8aが他のパターン(ランド、ライン、上記境界線VL)と接触せず、且つ、他のパターンから所定のギャップ(絶縁距離z:200μm)が存在するかを判断する(S24)。ここで、(H)に示すように全ての線分L1〜L8について、他のパターンに対してギャップを保ち得る場合には(S24がYes)、(F)に示すように最大ランド径(800μm)を半径とする円形ランド30Aを設計する。そして、処理対象を示す変数nに’1’を加えて処理対象を次のランドにした後(S28)、プリント配線板上に形成される仮ランド32を全て拡大したかを判断する(S30)。ここで、処理すべき仮ランド32が残っているときには(S30がNo)、ステップ14に戻り次の仮ランド32に対する処理を開始する。他方、全ての仮ランド32に対して処理を完了することにより(S30がYes)、全ての処理を終了する。
【0026】
一方、図5の(G)に示すように、いずれかの線分L1〜L8について、他のパターンに対してギャップを保ち得ない場合には(S24がNo)、図2に示すステップ32へ移行し、円形ではなく多角形のランドを形成する。ここでは、図6の(A)に示すように、当該ギャップの確保できなかった線分(ここでは線分L7,L8)について、ギャップを確保できるように短くする(S32)。そして、(B)に示すように短縮することなくギャップを保てる線分の先端(ここでは、L1a〜L6a)と、上記短縮した線分の先端(ここでは、線分L7,L8の先端L7a、L8a)とを結ぶ8角形について、内側を塗り潰し、(C)に示すように8角形のランド30Bを形成する。
【0027】
ここで、例えば、上述した線分L7、L8について、他のパターンに対してギャップを保ち得ない場合には、該短縮された線分L7、L8の内、短いほうの線分(ここでは、線分L7が線分L8よりも短いとする)を半径とする円形のランド30A’を図6の(E)に示すように形成することも可能である。しかしながら、係るランドでは、(C)に示す多角形ランド30Bの形状と比較してかなり小さくなる。このため、第1実施形態では、所定半径の円形にランドを形成できない場合には、ギャップの保てない角部を窪ませた8角形にランドを形成している。
【0028】
上述した処理によりパターン形成用データが完成し、該データを用いて樹脂製のフィルム上に導電回路のパターンを形成することで、マスクフィルムを完成する。ここで、該マスクフィルムを用いたプリント配線板の導電回路形成について図11を参照して説明する。
【0029】
図11(A)に示すように厚さ1mmのガラスエポキシ又はBT(ビスマレイミドトリアジン)から成る基板60の両面に18μmの銅箔62がラミネートされて成る銅張積層板60aを出発材料とする。そして、感光性樹脂64を均一に塗布し(図11(B))、上述した導体回路パターン66aの形成されたマスクフィルム66を載置し(図11(C))、露光、現像処理して、該感光性樹脂64の非露光部分を除去してレジスト68を形成する。その後、電解めっきを行いめっき層70を形成し(図11(E))、レジスト68及び該レジスト下部の銅箔62を除去することで導体回路(ランド30A及びライン20)を完成する(図11(F))。その後、スルーホール用貫通孔152を穿設し、銅めっき78を施すことによりスルーホール150を形成し、表面と裏面の配線層を電気的に接続する(図11(G))。このようにして形成したプリント配線板を数枚張り合わせることで、多層プリント配線板を完成する。
【0030】
第1実施形態のパターン形成方法によれば、ランドを円形に形成できないときでも、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つように最大の大きさの多角形のランドを形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0031】
引き続き、本発明の第2実施形態に係るパターンの形成方法について、図3のフローチャート及び図7の説明図を参照して述べる。
第2実施形態のパターン形成方法では、ランドを形成する際に、第1実施形態と同様に図5中の(H)に示す半径r(800μm)の円形にランドを形成しても、他のライン120との間に所定の絶縁距離z(例えば200μm)が保てるときには、図5の(I)に示すように当該半径rのランド30Aを形成する。一方、図7中の(A)に示すように半径rの円形にランドを形成すると、他のライン120との間に所定絶縁距離zが保てないときには、図7の(C)に示すように、該ライン120との間に絶縁距離zを保ち得る最大の四角形のランド30Cを形成する。
【0032】
この第2実施形態のフォトエッチング用のマスクフィルム上のパターン形成のための処理について図3のフローチャート参照して説明する。
ここで、8本の線分を配設し、該線分の先端が他のパターンとギャップを保ち得る場合に(図1のS24がYes)円形のランドを形成する処理は、図1を参照して上述した第1実施形態と同様であるため、いずれかの線分がギャップを保ち得ない場合(S24がNo)の処理について、図3を参照して説明する。
【0033】
図7の(A)に示すように、いずれかの線分L1〜L8について、他のパターンに対してギャップを保ち得ない場合には(図1のステップ24がNo)、図3に示すステップ42へ移行し、円形ではなく四角形のランドを形成する。ここでは先ず、図7の(A)に示すように、当該ギャップの確保できなかった線分(ここでは線分L7,L8)について、ギャップを確保できるように短くする(S32)。そして、(B)に示すように短縮することなくギャップの確保できる線分の先端(ここでは、L1a〜L6a)と、上記短縮した線分の先端(ここでは、線分L7,L8の先端L7a、L8a)とについて、1つ置きに先端(ここでは、先端L2a、L4a、L6a、L8a)を囲んだ四角を形成し(S44)、該形成した四角の外に、飛び越した先端(ここでは、先端L1a、L3a、L5a、L7a)があるかを確認する(S46)。ここで、(B)に示すように該四角形が全ての先端以内にある時には(S46がNo)、(C)に示すように該四角形を塗り潰しランド30Cを形成する(S48)。他方、(D)に示すように、線分L7方向に近接するライン120が存在し、線分L7が短縮されているために、該線分の先端L7aが四角形の内側にあるときには(S46がYes)、(E)に示すように該最短の線分(ここでは、線分L7)を半径とする円形を塗り潰し円形ランド30A’を形成する(S50)。
【0034】
引き続き、本発明の第3実施形態について、図4のフローチャート、及び、図8〜図11を参照して説明する。
第3実施形態のパターン形成方法においても、ランドを形成する際に、第1、第2実施形態と同様に図5中の(H)に示す半径r(800μm)の円形ランドを形成しても、他のライン120との間に所定の絶縁距離z(例えば200μm)が保てるときには、円形ランド30Aを形成する。一方、図8中の(A)に示すように半径rの円形にランドを形成すると、他のライン120との間に所定絶縁距離zが保てないときには、図8の(G)に示すように、該ライン120との間に絶縁距離zを保ち得る最大の多角形のランド30Dを形成する。
【0035】
この第3実施形態のフォトエッチング用のマスクフィルム上のパターン形成のための処理について図4のフローチャート参照して説明する。
ここで、8本の線分を配設し、該線分の先端が他のパターンとギャップを保ち得る場合に(図1のS24がYes)、円形ランドを形成する処理は、図1を参照して上述した第1、第2実施形態と同様であるため、いずれかの線分がギャップを保ち得ない場合(S24がNo)の処理について、図4を参照して説明する。
【0036】
図8の(A)に示すように、いずれかの線分L1〜L8について、他のパターンに対してギャップを保ち得ない場合には(図1のS24がNo)、図4に示すステップ62へ移行し、四角形を複数構成することで、多角形のランドを形成する。ここでは、図8の(A)に示すように、ライン20の反対側の線分L5と、該線分L5に隣接する線分L4、L6とについて、上述した他のパターンとの間にギャップの確保できなかった線分について、ギャップを確保できるように短縮する。ここでは、線分L4、L5、L6についてはギャップが確保できるため短縮しない。そして、(B)に示すように線分L4、L5、L6の先端L4a、L5a、L6aと、所定点f1(中心の線分L5の反対側の線分L1と仮ランド32の端との交差点)とを結ぶ4角形を形成する(S64)。
【0037】
引き続き、(C)に示すようにライン20から図8中左側の線分L7と、該線分L7に隣接する線分L6、L8とについて、上述した他のパターンとの間にギャップの確保できなかった線分について、ギャップを確保できるように短縮する(S66)。ここでは、線分L7、L8についてライン120との間でギャップを確保できないため、(C)中に示すように短縮化する。そして、(D)に示すように線分L6、L7、L8の先端L6a、L7a、L8aと、所定点f2(線分L7の反対側の線分L3と仮ランド32の端との交差点)とを結ぶ4角形を形成する(S68)。
【0038】
また同様に、(E)に示すようにライン20から図8中右側の線分L3と、該線分L3に隣接する線分L2、L4とについて、上述した他のパターンとの間にギャップの確保できなかった線分について、ギャップを確保できるように短縮する(S70)。ここでは、(E)中に示すように線分L2、L3、L4についてはギャップが確保できるため、短縮化は行わない。そして、(F)に示すように線分L2、L3、L4の先端L2a、L3a、L4aと、所定点f3(線分L3の反対側の線分L7と仮ランド32の端との交差点)とを結ぶ4角形を形成する(S68)。
【0039】
最後に、(G)に示すように形成した3つの四角形を重ねることにより、塗りつぶしたときに隙間が発生しないように多角形ランド30Dを形成する(S74)。
【0040】
引き続き、第3実施形態のパターン形成方法において、仮ランド32に近接して他の仮ランド132が存在する場合について、図1、図4のフローチャート及び図9を参照して説明する。
図9の(A)に示すように仮ランド32に近接して仮ランド132が存在する場合には、図1のステップ16の近接ランド有りの判断がYesとなり、(B)に示すように仮ランド32と他の仮ランド132との間に境界線VLを仮想する。そして、等角度の8本の線分を設け(S20)、ギャップが有るかを判断する(S24)。ここでは、ギャップの取れない線分が存在するため、図4に示すステップ62〜ステップ72へ移行する。
【0041】
該ステップ62,68,70では、線分に対してギャップを確保できるように短縮化するが、ここで、ライン120等の導電パターンに対しては、所定ギャップとして200μmを設け、上記境界線VLに対しては、所定ギャップとして100μmを設定してある。ここで、仮ランド32側から境界線VLに対して100μmを設定し、反対に、後述するように仮ランド132側からも境界線VLに対して100μmを設定することで、該仮ランド32−仮ランド132間に200μmの絶縁ギャップを確保する。そして、該短縮化した線分を含む線分の先端を結ぶ四角形を重ね合わせることにより、(D)に示すように多角形ランド30Dを形成する(S74)。(E)及び(D)に示すように、他の仮ランド132に対しても、同様にして多角形のランド30Dを形成する。
【0042】
引き続き、図10を参照して、仮ランド32が隣接ライン120に囲まれているときの処理について説明する。
ここでは、図10の(A)に示すように、ライン20の反対側の線分L5と、該線分L5に隣接する線分L4、L6とについて、ライン120との間にギャップを確保できるように短縮する(図4に示すステップ62)。そして、(B)に示すように線分L4、L5、L6の先端L4a、L5a、L6aと、所定点f1(中心の線分L5の反対側の線分L1と仮ランド32の端との交差点)とを結ぶ4角形を形成する(S64)。
【0043】
引き続き、(C)に示すようにライン20から図10中左側の線分L7と、該線分L7に隣接する線分L6、L8とについて、ライン120との間にギャップを確保できるように短縮する(S66)。ここでは、線分L7、L8について短縮化する。そして、線分L6、L7、L8の先端L6a、L7a、L8aと、所定点f2(線分L7の反対側の線分L3と仮ランド32の端との交差点)とを結ぶ4角形を形成する(S68)。
【0044】
また同様に、(E)に示すようライン20から図10中右側の線分L3と、該線分L3に隣接する線分L2、L4とについて、ライン120との間にギャップを確保できるように短縮する(S70)。ここでは、線分L2、L3について短縮化する。そして、(F)に示すように線分L2、L3、L4の先端L2a、L3a、L4aと、所定点f3(線分L3の反対側の線分L7と仮ランド32の端との交差点)とを結ぶ4角形を形成する(S68)。
【0045】
最後に、(G)に示すように形成した3つの四角形を重ねることにより、塗りつぶしたときに隙間が発生しないように多角形ランド30Dを形成する(S74)。このように、第3実施形態のパターン形成方法では、仮ランド32が他のパターンに取り囲まれているときにも、所定ギャップを確保しながら、該仮ランド32を拡大することができる。
【0046】
第3実施形態のパターン形成方法によれば、ランドを円形に形成できないときでも、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つように最大の大きさの多角形のランドを形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、従来技術のパターン形成方法により形成された600μmのランドを800μmへ拡大したが、本発明の方法では、種々の大きさのランドを拡大することができる。例えば800μmランドを1000μmに拡大することもできる。また、第1、第3実施形態においては、8方向に線分を設けて多角形を形成したが、例えば、16方向に線分を設けて、多角形のランドを形成することも可能である。更に、第1実施形態では、8本の線分を設けて、8角形のランドを形成したが、少なくとも5本以上の線分を設けて5角形以上の多角形のランドを形成することで、ランドを拡大し、信頼性を向上させることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1、のパターン形成方法においては、ランドを円形に形成できないときでも、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つように最大の大きさの多角形に形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【0050】
請求項、請求項のプリント配線板においては、他のライン及びランドから所定の絶縁ギャップを保つように最大の大きさの多角形のランドを形成することができるので、ランドの信頼性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の多角形のランドパターン形成処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の多角形のランドパターン形成処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の多角形のランドパターン形成処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理における円形ランド形成処理を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理における多角形のランド形成処理を説明するための説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理における四角形のランド形成処理を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理における多角形のランド形成処理を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理における他のパターンが近接する際の多角形のランド形成処理を説明するための説明図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るプリント配線板のパターン形成処理における他のパターンに囲まれた際の多角形のランド形成処理を説明するための説明図である。
【図11】図11(A)〜図11(G)は、第1実施形態に係るプリント配線板のパターンを形成する際の工程図である。
【図12】従来技術に係るランド及びティアドロップを説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 プリント配線板
20、120 ライン
30A 円形のランド
30B 四角形のランド
30C 多角形のランド
30D 多角形のランド
32 仮ランド
40 ティアドロップ
50 スルーホール
L1〜L8 線分
L1a〜L8a 先端

Claims (4)

  1. プリント配線板にライン及びランドを形成するためのパターン形成方法において、
    ランド用のパターンを形成する際に、ランドの中心から等角度に所定長の線分を引くステップと、
    前記各線分の先端が、他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てるかを判断するステップと、
    全ての前記線分が所定ギャップを保てる際に、該線分長を半径とする円形のランドを形成するステップと、
    いずれかの前記線分が所定ギャップを保てないときに、当該所定ギャップの保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端を結ぶことよりなる各内角及び各辺長さが均一ではない多角形のランドを形成するステップと、からなるパターン形成方法。
  2. プリント配線板にライン及びランドを形成するためのパターン形成方法において、
    ランド用のパターンを形成する際に、ランドの中心から等角度に所定長の8本の線分を引くステップと、
    前記各線分の先端が、他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てるかを判断するステップと、
    全ての前記線分が所定ギャップを保てる際に、該線分長を半径とする円形のランドを形成するステップと、
    いずれかの前記線分が所定ギャップを保てないときに、
    (1)前記ラインの反対側の線分を中心とし、該反対側の線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形を形成し、
    (2)前記ラインの反対側の線分と直交する一対の線分をそれぞれ中心とし、該直交する線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形をそれぞれ形成することで構成される3つの四角形を重ね合わせた多角形からなるランドを形成するステップであって、各四角形を形成する際に、当該所定ギャップの保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、前記各線分について隣接する3本分づつ、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端と、所定位置とを結ぶ四角形を形成して行くことで、多角形からなるランドを形成するステップと、を有するパターン形成方法。
  3. ランドの中心から等角度に所定長の線分を引き、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さ線分の先端を結ぶことよりなる各内角及び各辺長さが均一ではない多角形に形成したランドを有することを特徴とするプリント配線板。
  4. ランドの中心から等角度に所定長の8本の線分を引き、前記ランドに接続するラインの反対側の線分を中心とし、該反対側の線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形を形成し、前記ラインの反対側の線分と直交する一対の線分をそれぞれ中心とし、直交する線分と隣接する線分との3本の線分の先端と所定位置とを結ぶ四角形をそれぞれ形成することで構成される3つの四角形を重ね合わせた多角形からなるランドであって:
    各四角形が、先端が他のランド及びラインとの間に所定のギャップを保てない線分について、該所定ギャップが保てるように長さを短縮し、各線分について隣接する3本分づつ、該長さを短縮した線分の先端及び該所定長さの線分の先端と、所定位置とを結ぶことより成るランドを有することを特徴するプリント配線板。
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