JP3539835B2 - ブロックマッチング探索方法およびその方法を用いた装置 - Google Patents

ブロックマッチング探索方法およびその方法を用いた装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ブロックマッチング探索方法と装置、とくに、処理の対象となるフレーム画像と処理の基準となるフレーム画像の間でブロック単位にマッチングを行う方法と、その方法を用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種映像関連機器や通信技術の進展に伴い、画像をより少ない符号量で、より高い画質を維持しながら伝送または記録することに対する要望はますます高まりつつある。こうした背景から、ビデオ・コーデックとよばれる画像符号化伝送装置では、動き補償を用いた画像符号化が採用されることがある。動き補償とは、あるフレーム画像Aが入力されたとき、先に入力されていたフレーム画像Bに対する画像データの差分と動きベクトルなどを利用して、フレーム画像Aの符号量を低減する方式をいう。動きベクトルを算出する際、フレーム画像Aとフレーム画像Bの間でブロックマッチングが行われることが多い。
【0003】
特開平5−40828号公報には、ブロックマッチングの演算量を低減する探索方式が提案されている。この方式では、まず第1段階において、全データ平面にわたって飛び飛びのブロックマッチング検査を行い、最適候補ブロックを探索する。つぎに第二段階で、最適候補ブロックを取り囲む所定範囲内で詳細なブロックマッチングを行う。この二段階の処理で最終的に最適なブロックデータを得る。この結果、最初から全データ平面に対して詳細なブロックマッチングを行うことに比べ、トータルの演算量が低減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このブロックマッチング探索方式では、第一段階を導入することで演算量を減らすことができるが、第二段階については最適候補ブロックの周囲にわたって合計8回の詳細なブロックマッチングが必要になる。第二段階では、例えば半画素(ハーフペル)の精度でブロックマッチングが行われるため、まず周囲8方向にある半画素精度の再生画像データ値を算出し、それらの基準フレーム画像に対する歪み量、すなわち画像データの差分絶対値和を算出するよう構成されている。したがって、8方向にわたる演算量はやはり膨大であり、また演算に必要なメモリのワークエリアも大きくなる。ハードウエアも高速に設計しなければならない。
【0005】
本発明はこうした点に鑑みてなされたもので、その目的は、ブロックマッチングの最終結果の妥当性を確保しながら、さらに演算量を低減し、ハードウエアをよりコンパクトにし、ハードウエアに要求される高速性を緩和することのできるブロックマッチング探索方法およびその方法を用いた装置の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のブロックマッチング探索方法は、処理の対象となるフレーム画像と処理の基準となるフレーム画像の間でブロックマッチングを行う方法である。この方法は、前記処理の基準となるフレーム画像の所定探索範囲において、粗い精度で前記処理の対象となるフレーム画像のブロックのマッチングをとる第1マッチング工程と、第1マッチング工程を行った時点で良好なマッチングを示した複数ブロックの位置の相互関係をもとに最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向をしぼり込む判定工程を含む。さらに、しぼり込まれた探索方向において、密な精度で前記処理の対象となるフレーム画像のマッチングをとる第2マッチング工程を含むものである。
【0008】
このとき、前記判定工程は、第1マッチング工程を行った時点で最も良好なマッチングを示したブロックの位置の中心と、二番目に良好なマッチングを示したブロックの位置の中心を結ぶ方向を主たる方向として探索方向をしぼり込むことができる
【0009】
一方、本発明のブロックマッチング探索装置は、処理の対象となるフレーム画像と処理の基準となるフレーム画像の間でブロックマッチングを行う装置である。この装置は、前記処理の基準となるフレーム画像の所定探索範囲において、粗い精度で前記処理の対象となるフレーム画像のブロックのマッチングをとる第1マッチング手段と、第1マッチング手段によって良好なマッチングを示した複数ブロックの位置の相互関係をもとに最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向をしぼり込む判定手段とを含む。また、しぼり込まれた探索方向において、密な精度で前記処理の対象となるフレーム画像のマッチングをとる第2マッチング手段を含むものである。
【0010】
また前記判定手段は、第1マッチング手段によるマッチングの結果最も良好なマッチングを示すブロックの位置を検出する第1検出手段と、第1マッチング手段によるマッチングの結果二番目に良好なマッチングを示すブロックの位置を検出する第2検出手段と、第1および第2検出手段における検出結果をもとに探索方向をしぼり込む範囲設定手段とを含むことができる
【0011】
さらに、前記第1マッチング手段は整数画素精度でマッチングを行い、前記第2マッチング手段は半整数画精度でマッチングを行うことができる
【0012】
または、前記第1マッチング手段は探索の対象点を間引いた粗い整数画素精度でマッチングを行い、前記第2マッチング手段は第1マッチング手段よりも密な整数画素精度でマッチングを行うことができる

【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態を適宜図面を参照しながら説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るブロックマッチング探索装置の構成を示す図である。同図において、1は処理の対象となるフレーム画像データが順次入力される入力フレームバッファ、2は先に入力された、処理の基準となるフレーム画像データが格納されているフレームバッファ、3は入力フレームバッファ1より出力される入力データブロック、4はフレームバッファ2より出力される再生画像データブロック、5は整数画素精度の歪み量を演算する第1マッチング部、10は所定探索範囲(例えば両フレームで位置的に近い範囲)内の各ブロックに関して第1マッチング部5から出力される歪み量、6は第1マッチング部5におけるマッチング結果をもとに最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向をしぼり込む判定部、7はしぼり込まれた探索方向において半画素精度の歪み量を演算する第2マッチング部、8は第2マッチング部7の出力を受けて動きベクトルを計算する動きベクトル算出部、22は算出された動きベクトルである。
【0015】
判定部6において、11は第1マッチング部5のマッチング結果のうち最小歪み量を与える(すなわちマッチング結果が最良である)再生画像データブロックの位置を検出し、当該ブロックの入力データブロックに対する相対位置を示すベクトル(vector_minと表記)を出力する第1検出部、13は第1検出部11から出力されるvector_min、12は第1マッチング部5のマッチング結果のうち二番目に小さな歪み量を与える(すなわちマッチング結果が二番目によい)再生画像データブロックの位置を検出し、当該ブロックの入力データブロックに対する相対位置を示すベクトル(vector_secondと表記)を出力する第2検出部、14は第2検出部12から出力されるvector_second、15はvector_min13とvector_second14を受けて半画素精度のブロックマッチングによって動きベクトルを検索すべき範囲を設定する範囲設定部、16は範囲設定部15の出力である動きベクトルの検索範囲(以下、単に検索範囲という)である。
【0016】
第2マッチング部7において、18は検索範囲16において半画素精度で再生画像データを算出する画像再生部、19は半画素精度で再生された再生画像データ、20は再生画像データ19を利用して半画素精度の歪み量を演算する演算部、21は演算で求められる歪み量である。
【0017】
次に動作について説明する。
まず第1マッチング部5は、入力フレームバッファ1に蓄積された入力ブロックデータを入力する。これとともに、フレームバッファ2より動きベクトルの所定探索範囲内の再生画像データブロックを読み込み、入力データブロックと、整数画素精度の探索点における再生画像データブロックとの歪み量E(Vx,Vy)を式1に基づき算出する。ここで、所定の動きベクトル探索範囲は、入力データブロックの位置を中心としたX軸方向±16、Y軸方向±16の近傍範囲であるとする。
【0018】
【数1】
Figure 0003539835
ここで、A(x,y)は入力データブロックの画素値、A’(x,y)は再生画像データブロックの画素値、VxとVyは入力データブロックの位置を基準とする移動量(−16≦Vx,Vy≦16)である。
【0019】
第1検出部11では、第1マッチング部5より出力された複数の歪み量E(Vx,Vy)のうち最小の歪み量E_minを求め、E_minを与える再生画像データブロックの入力データブロックに対する相対位置を示すベクトル(Vx_min,Vy_min)、すなわちvector_min13を検出する。一方、第2検出部12ではE(Vx,Vy)の中で2番目に小さい歪み量E_secondを求め、E_secondを与える再生画像データブロックの入力データブロックに対する相対位置を示すベクトルvector_second14を出力する。
【0020】
範囲設定部15は、vector_min13とvector_second14との関係に基づき検索範囲16を設定する。設定例を図2を用いて説明する。同図中●はvector_min13で決まる位置、すなわち第1マッチング部5において最良のマッチングが得られた位置(以下「仮の最良位置」という)を示し、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)は、それぞれ仮の最良位置の左上、直上、右上、直左、直右、左下、直下、右下の半画素位置に対応する。
【0021】
図2に示すように仮の最良位置を中心に周囲を8つの領域1〜領域8に分割する。ここで、仮の最良位置を原点として見たvector_second14の示す位置(すなわち、vector_second14−vector_min13で決まるベクトルの示す位置で、以下「可能性のある最良位置」ともいう)が領域1に属していれば検索範囲16を(b)に設定し、以下同様に同図の各領域に付される英字に従って検索範囲16を設定する。
【0022】
第2マッチング部7ではまず、画像再生部18にて検索範囲16に対応する半画素精度の再生画像データ19を算出する。図3は算出例を説明する図である。図中A〜Iを整数画素精度の再生画像データが対応する位置、a〜hを半画素精度の再生画像データ19が対応する位置とすれば、a〜hの画素値はそれぞれ式2〜9によって算出される。
【0023】
a=(A+B+D+E+2)/4 (式2)
b=(B+E+1)/2 (式3)
c=(B+C+E+F+2)/4 (式4)
d=(D+E+1)/2 (式5)
e=(E+F+1)/2 (式6)
f=(D+E+G+H+2)/4 (式7)
g=(E+H+1)/2 (式8)
h=(E+F+H+I+2)/4 (式9)
ここで、例えば式2に含まれる定数「2」は、後の四捨五入をこの段階で疑似的に実行してしまうためのソフトウエア技法にもとづくものであり、A〜Iの一文字につき0.5を付加した結果生じる。
【0024】
図4は可能性のある最良位置が仮の最良位置の真上にある場合の半画素精度の再生画像データブロックを示す。この場合、仮の最良位置にある再生画像データブロック(図中太枠50で表示)の各点に対し、真上方向の探索を考慮した式3を用いて半画素精度の再生画像データブロック(図中細枠51で表示)を算出する。この計算は従来の技術で8通り行っていたため、この部分の演算量は理論上1/8になる。
【0025】
つづいて、再生画像データブロックをもとに、演算部20で精細なブロックマッチングを行う。ここでは、可能性のある最良位置の再生画像データブロック(図4の細枠)と入力データブロックとの歪み量Eh(Vxh,Vyh)が式10で算出される。
【0026】
【数2】
Figure 0003539835
A'h(x+Vxh,y+Vyh)は半画素精度の再生画像データブロックを示す。ここでは真上方向を考慮するため、Vxh=0、Vyh=0.5に関する計算が行われる。この計算の結果は歪み量21として動きベクトル算出部8へ与えられる。式10の計算は、従来の技術で説明した方法であれば、Vxh、Vyh=−0.5、0、0.5として、Vxh=Vyh=0の場合(つまり仮の最良位置)を除く合計8回の計算を要した部分であり、本実施の形態では式10に関する演算量も理論上1/8になる。
【0027】
最後に、動きベクトル算出部8において、可能性のある最良位置における歪み量21と、すでに第1マッチング部5の演算によって求められている仮の最良位置におけるE_minとを比較し、より少ないほうをもとに動きベクトルを決定する。したがって、仮の最良位置および可能性のある最良位置のうち、最終的に最良と考えられる位置が選択される。この選択にしたがい、動きベクトル22が出力される。
【0028】
図5は本実施の形態によるブロックマッチングの手順を示すフローチャートである。同図のごとく、まずS2において、入力データブロックと動きベクトルの所定探索範囲内の再生画像データブロックの歪み量E(Vx,Vy)が式1で算出される。S3ではS2で計算した歪み量E(Vx,Vy)とその時点での歪み量の最小値であるE_minとの比較を行い、E_min>E(Vx,Vy)なら、S4でE_min、E_second、vector_min13、vector_second14が更新される。E(Vx,Vy)≧E_minならS5に進む。
【0029】
S5では所定探索範囲内のすべての再生画像データブロックに関する歪み量の算出が終了したか否かを判断し、未終了ならS6にて再生画像データブロックの更新を行いS2に戻る。S5で終了と判断した場合、S7に進む。S7ではvector_min13とvector_second14との関係に基づき、半画素精度の検索範囲16、すなわち可能性のある最良位置を決定する。つづくS8では、式2〜式9のいずれかを用いて検索範囲16に対応する半画素精度の再生画像データブロックを算出する。
【0030】
S9では、入力データブロックとS8にて求めた再生画像データブロックとの歪み量Eh(Vxh,Vyh)を式10に基づき算出する。S10では、S9で算出した、可能性のある最良位置における歪み量Eh(Vxh,Vyh)と仮の最良位置における歪み量E_minとの比較を行い、E_min>Eh(Vxh,Vyh)ならS11においてE_minの更新とvector_min13の更新を行う。Eh(Vxh,Vyh)≧E_minならS12に進み、vector_min13を出力する。この後、最終的なvector_min13に基づいて動きベクトル22が決定される。
【0031】
以上のように、この実施の形態によれば、第1マッチング部5において良好なマッチングを示した複数ブロックの位置の相互関係をもとに、最良なマッチングが得られるであろう探索方向がしぼり込まれるため、演算量の大幅な削減、処理時間の短縮が可能となる。この結果、演算に必要なメモリ等のハードウェアもコンパクトにすることができる。
【0032】
なお本実施の形態では、図2において、可能性のある最良位置としてただひとつの位置を検索範囲16として定めたが、当然これ以外の方法もある。例えば仮の最良位置から見たvector_second14が以下の領域に存在するとき、右に示す3方向を可能性のある最良位置として検索範囲16に設定し、探索に幅をもたせてもよい。
【0033】
・領域1…(a)、(b)、(c)
・領域3…(c)、(e)、(h)
・領域5…(f)、(g)、(h)
・領域7…(a)、(d)、(f)
また、領域と検索方向の関係についても、図2の代わりに図6を採用してもよい。図6の場合、領域2、4、6、8がそれぞれ4つの象現のひとつに対応し、領域1はy>0,x=0、領域3はx>0,y=0、領域5はy<0,x=0、領域7はx<0,y=0にそれぞれ対応する。図2、図6のいずれを採用するかについては、実験等で適宜決めればよい。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1では、第2マッチング部7による検索範囲16を決定するのにvector_min13とvector_second14を用いた。ここではさらに、3番目に小さな歪みをもつ再生画像データブロックに対応する動きベクトルvector_thirdも考慮する場合を説明する。
【0035】
図7は、実施の形態2に係るブロックマッチング探索装置の構成を示すブロック図である。同図において、30はvector_thirdを考慮して検索範囲16を決定する判定部、40はvector_thirdを検出する第3検出部、41はvector_third、42は半画素精度でベクトルを検索するための範囲設定部である。その他の構成は図1と同等であり、図1と同一の符号を与えて説明を省略する。
【0036】
この装置の動作を説明する。実施の形態1同様、第1マッチング部5では歪み量E(Vx,Vy)が、第1検出部11ではE_minが、第2検出部12ではE_secondが検出される。さらに第3検出部40ではE(Vx,Vy)のうち3番目に小さい歪み量E_thirdを求め、E_thirdを与える再生画像データブロックの入力データブロックに対する相対位置を示すベクトルvector_third41を出力する。
【0037】
範囲設定部42では、vector_min13とvector_second14とvector_third41との関係に基づき、半画素精度の検索範囲16を求める。領域と検索方向の関係について図2の表記を利用するものとし、検索範囲16の設定は例えば図8、9によって行うことができる。
【0038】
図8は、vector_min13が示す仮の最良位置を原点にした場合にvector_second14が領域2、4、6、8に含まれるときの検索範囲16の設定例、図9は同様にvector_second14が領域1、3、5、7に含まれるときの検索範囲16の設定例をそれぞれ示している。
【0039】
図8のごとく、vector_second14が領域2、4、6、8に含まれる場合はvector_third41は不参照(ドントケア)であり、検索範囲16はそれぞれ(c)、(h)、(f)、(a)と決まる。一方、vector_second14が領域1、3、5、7に含まれる場合はvector_third41も参照され、例えば、vector_second14が領域1、vector_third41が領域3に含まれれば検索範囲は(c)のみとなる。本実施の形態によるブロックマッチングの手順は、図5のS4においてさらにE_thirdおよびvector_thirdを更新すれば足り、全体手順は図5のままでよい。
【0040】
以上、この実施の形態によれば、vector_third41も加えて検索範囲を設定するため、設定された検索範囲の妥当性を高める効果がある。このことから逆に、図8、9のごとく最終的な検索範囲をひとつに絞ることも容易であり、演算量とハードウエアを大幅に削減することができる。なお、本実施の形態についても、領域と探索方向については図2の代わりに図6など別の関係を用いることができる。
【0041】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、第1マッチング部5における探索を整数画素精度、第2マッチング部7における探索を半画素精度で行った。ここでは、前者を粗い整数画素精度、後者をそれよりも密な整数画素精度で行う場合を説明する。
【0042】
本実施の形態に係るブロックマッチング探索装置の構成は図1と同等である。ただし、第1マッチング部5は実施の形態1などと異なり、粗い整数画素精度で歪み量を演算する。判定部6の第1検出部11は、第1マッチング部5における最小の歪み量に対応するvector_min13を検出し、同様に第2検出部12は2番目に小さい歪み量に対応するvector_second14を検出する。範囲設定部15はこれら2つのベクトルから実施の形態1同様の方法で検索範囲を設定する。第2マッチング部7の画像再生部18は、設定された検索範囲において密の整数画素精度で再生画像データ19を算出する。演算部20は、密の整数画素精度で歪み量21を演算する。動きベクトル算出部8は、その演算結果を参照して動きベクトル22を出力する。
【0043】
次に動作を説明する。
まず第1マッチング部5は、入力フレームバッファ1に蓄積された入力ブロックデータを入力する。これとともに、フレームバッファ2より動きベクトルの所定探索範囲内の再生画像データブロックを読み込み、入力データブロックと粗い整数画素精度の探索点の再生画像データブロックとの歪み量E(Vx,Vy)を式11に基づき算出する。所定探索範囲は入力データブロックの位置を中心としたX軸方向±16、Y軸方向±16の範囲であり、粗い整数精度の探索は1画素おきに行う。
【0044】
【数3】
Figure 0003539835
ここで、A(x,y)は入力データブロック、A”(x,y)は粗い精度の探索点に対応する再生画像データブロック、VxとVyは入力データブロックの位置を示す座標を基準とした移動量(Vx=2Nx,Vy=2Ny,−8≦Nx,Ny≦8)である。したがって、第1マッチング部5は、
Figure 0003539835
を順に算出することになる。
【0045】
以下、実施の形態1の整数画素精度、半整数画素精度の処理をそれぞれ粗い整数画素精度、より密な整数画素精度の処理に読み替えることで本実施の形態の処理が実現する。例えば、第2マッチング部7の演算部20における密な整数画素精度の歪み量Em(Vxm,Vym)は、式10のかわりにつぎの式で計算される。
【0046】
【数4】
Figure 0003539835
ここでA”h(x+Vxm,y+Vym)は密な整数画素精度の再生画像データブロックを示す。VxmとVymは、探索方向にしたがって−1、0、1のいずれかをとる。
【0047】
以上のように、この実施の形態によれば、実施の形態1同様の効果を別の処理、すなわち粗い整数画素精度とより密な整数画素精度の二段階マッチングで実現できる。この実施の形態によれば、第1マッチング部5による演算回数が実施の形態1の場合より減る。したがって、実施の形態1はより高画質を、実施の形態3はより少ない演算量と処理時間をそれぞれ目的とする用途に使い分ければよい。
【0048】
なお、本実施の形態についても実施の形態2同様、3番目に良好な結果を示すvector_third41を加味してもよい。その場合、実施の形態2の整数画素精度、半整数画素精度の処理をそれぞれ粗い整数画素精度、より密な整数画素精度の処理に読み替えればよい。
【0049】
また、以上の実施の形態では差分絶対値和によるブロックマッチング演算の例を示した。しかしこのほかにも、二乗和など他の差分を用いることができる。また、ここでは本発明を例えば動き補償フレーム間符号化へ応用する場合を示したが、同一のフレーム画像内で互いに最も類似したブロックデータを探索する場合にも適用できる。この場合、処理の対象となるフレーム画像と処理の基準となるフレーム画像は同じものとなる。
【0050】
さらに、ここでは二段階のマッチングを「整数画素精度→半整数画素精度」または「粗い整数画素精度→より密な整数画素精度」としたが、これらを組み合わせて「粗い整数画素精度→半整数画素精度」とする変形例も考えられる。
【0051】
【発明の効果】
本発明のブロックマッチング探索方法によれば、密な精度によるマッチングの前に、最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向がしぼり込まれるため、演算量の低減、ハードウエアの簡素化、処理時間の短縮が実現する。
【0052】
粗い精度で良好なマッチングを示した複数ブロックの位置の相互関係をもとに探索方向をしぼり込む場合は、しぼり込みの結果が妥当性をもつ。
【0053】
粗い精度で最も良好なマッチングを示したブロックの位置の中心と、二番目に良好なマッチングを示したブロックの位置の中心を結ぶ方向を主たる方向として探索方向をしぼり込む場合は、経験則にもとづく自然なしぼり込みが実現する。
【0054】
一方、本発明のブロックマッチング探索装置によれば、密な精度によるマッチングの前に、最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向がしぼり込まれるため、演算量の低減、ハードウエアの簡素化、処理時間の短縮が実現する。
【0055】
粗い精度のマッチングの結果最も良好なマッチングを示すブロックの位置を検出する第1検出手段と、同様に二番目に良好なマッチングを示すブロックの位置を検出する第2検出手段を含む場合、探索方向のしぼり込みに妥当性を持たせることができる。
【0056】
整数画素精度のマッチングと半整数画像精度のマッチングの二段階処理を行う場合、高画質を維持しながら演算量を低減できる。
【0057】
粗い整数画素精度のマッチングと、より密な整数画素精度のマッチングの二段階処理を行う場合、さらなる演算量の低減が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るブロックマッチング探索装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1において、vector_minの示す位置を基準としたときにvector_secondが属する領域と、設定される検索範囲の関係を示す図である。
【図3】実施の形態1において、画像再生部による再生画像データの算出例を説明する図である。
【図4】実施の形態1において、可能性のある最良位置が仮の最良位置の直上にある場合の半画素精度の再生画像データブロックを示す図である。
【図5】実施の形態1によるブロックマッチングの手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1において、vector_minの示す位置を基準としてときにvector_secondが属する領域と、設定される検索範囲の別の関係を示す図である。
【図7】実施の形態2に係るブロックマッチング探索装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2において設定される検索範囲を示す図である。
【図9】実施の形態2において設定される検索範囲を示す図である。
【符号の説明】
1 入力フレームバッファ、2 フレームバッファ、3 入力データブロック、4 再生画像データブロック、5 第1マッチング部、6 判定部、7 第2マッチング部、8 動きベクトル算出部、10 歪み量、11 第1検出部、12 第2検出部、13 vector_min、14 vector_second、15 範囲設定部、16 検索範囲、18 画像再生部、19 再生画像データ、20 演算部、21 歪み量、22 動きベクトル、30 判定部、40 第3検出部、41 vector_third、42 範囲設定部、50 仮の最良位置にある再生画像データブロック、51 半画素精度の再生画像データブロック。

Claims (6)

  1. 処理の対象となるフレーム画像と処理の基準となるフレーム画像の間でブロックマッチングを行う方法において、
    前記処理の基準となるフレーム画像の所定探索範囲において、粗い精度で前記処理の対象となるフレーム画像のブロックのマッチングをとる第1マッチング工程と、
    第1マッチング工程を行った時点で良好なマッチングを示した複数ブロックの位置の相互関係をもとに最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向をしぼり込む判定工程と、
    しぼり込まれた探索方向において、密な精度で前記処理の対象となるフレーム画像のマッチングをとる第2マッチング工程と、
    を含むことを特徴とするブロックマッチング探索方法。
  2. 前記判定工程は、第1マッチング工程を行った時点で最も良好なマッチングを示したブロックの位置の中心と、二番目に良好なマッチングを示したブロックの位置の中心を結ぶ方向を主たる方向として探索方向をしぼり込む請求項に記載の方法。
  3. 処理の対象となるフレーム画像と処理の基準となるフレーム画像の間でブロックマッチングを行う装置において、
    前記処理の基準となるフレーム画像の所定探索範囲において、粗い精度で前記処理の対象となるフレーム画像のブロックのマッチングをとる第1マッチング手段と、
    第1マッチング手段によって良好なマッチングを示した複数ブロックの位置の相互関係をもとに最良マッチングを得ることのできる可能性の高い探索方向をしぼり込む判定手段と、
    しぼり込まれた探索方向において、密な精度で前記処理の対象となるフレーム画像のマッチングをとる第2マッチング手段と、
    を含むことを特徴とするブロックマッチング探索装置。
  4. 前記判定手段は、
    第1マッチング手段によるマッチングの結果最も良好なマッチングを示すブロックの位置を検出する第1検出手段と、
    第1マッチング手段によるマッチングの結果二番目に良好なマッチングを示すブロックの位置を検出する第2検出手段と、
    第1および第2検出手段における検出結果を利用して探索方向をしぼり込む範囲設定手段と、
    を含む請求項に記載の装置。
  5. 前記第1マッチング手段は整数画素精度でマッチングを行い、前記第2マッチング手段は半整数画精度でマッチングを行う請求項のいずれかに記載の装置。
  6. 前記第1マッチング手段は探索の対象点を間引いた粗い整数画素精度でマッチングを行い、前記第2マッチング手段は第1マッチング手段よりも密な整数画素精度でマッチングを行う請求項のいずれかに記載の装置。
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