JP3171249B2 - 動画像符号化の動きベクトル探索方法 - Google Patents

動画像符号化の動きベクトル探索方法

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JP3171249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MPEG方式の動
画像符号化のための画像の動きベクトル探索方法に関
し、特に、画面内の動きを推定して次に符号化する画像
の探索範囲を適正化するための画像の動きベクトル探索
方法及びその探索システムに関する。
【0002】
【従来の技術】画像伝送・蓄積技術では、伝送し又は蓄
積するデータ量の削減が強く求められている。データ量
を圧縮する方法として、MPEG方式動画像符号化方法
が知られ、この方式に沿った動きベクトル探索方法の一
例が信学技法ICD97−163に述べられている。こ
れは、図14に示されるように、同図(b)の符号化画
像102を水平16画素・垂直16画素からなるブロッ
クに分割し、順番に符号化していく技術である。例え
ば、NTSC方式では、通常、水平720・垂直480
画素の画像を符号化するために、1画面は、水平45・
垂直30の1350個のブロックに分割される。現画像
上の符号化ブロック102Nの位置に対応する参照画像
上の位置を取り囲む探索領域103Nを設定する。そし
て、その領域中で符号化ブロック102Nと類似ブロッ
クを見つけることで、ブロック中画像の動きを判断す
る。同図(b)のN番目の符号化ブロック102N(N
=1〜1350)と、過去に符号化した画像である参照
画像101上に設けた動きベクトル探索範囲(以下探索
領域ともいう)103Nの中の同じ大きさの複数の参照
ブロックのそれぞれとの間で、画素どうしの値の違い、
例えば、差分絶対値を計算する。次に、ブロック当たり
の差分絶対値合計(以下、評価値という)が最小になる
最小値ブロックを符号化ブロックの映像にもっとも似た
映像のブロックとして決定し、その符号化ブロックの位
置を示すベクトル(以下、前画像である参照画像から現
画像がどれ位動いたかを示す動きベクトル)105Nを
求める。更に、次の符号化ブロック(N=N+1)につ
いても同様に最小値ブロック104N(=N+1)の動
きベクトル105N(=N+1)を求めることを繰り返
す。そして、同図(c)に示されるように、このように
求めた1350個の動きベクトルの集合であるヒストグ
ラムを作成し、そのヒストグラムのベクトル端点の集合
密度が高い(発生頻度が高い)位置に向かう方向とその
大きさを同図(c),(d)の大域的動きベクトル分1
06として、その分を参照画像から現画像全体が動いた
と判断する。そして、その動いた分だけ、次の符号化画
像の各符号化ブロックの探索範囲をシフトすることによ
り、次に探索する領域を画像の動きに合わせて決めるこ
とができる。更には、同図(e)に示されるように、そ
の探索領域の形状を変更する。
【0003】このように画像の動く方向とその大きさを
探索して、その動きベクトル分だけ探索範囲のシフトを
行うことにより、比較的に小さい探索範囲を探索するだ
けで、それより広い範囲の動きベクトルを探索すること
と同等の探索を行うことが可能であり、動きが大きい画
像についてその画質を向上させることができる。また、
探索範囲の形状を変化させることにより、無駄な探索を
減少させることが可能であり、例えば、装置の消費電力
を削減することができる。
【0004】このような公知の動きベクトル探索方法
は、符号化画面に「空(そら)」のような平坦な部分が
多い場合には、それを含む符号化ブロックで広い範囲の
ベクトル候補に対してほぼ同程度の評価値になる。検出
した動きベクトルは、その中で最小の評価値を与える
が、その周囲のベクトル候補を採用しても、同程度の画
質及び圧縮率が得られる。このような画面では、雑音に
より更には評価値が同じベクトル候補が複数ある場合に
は、その探索順序により、動きベクトルが乱れて発生す
る可能性が高く、各符号化ブロックで採用した1個の動
きベクトルの平均値やヒストグラムを取って大域的動き
ベクトルを決定した場合には、それらが正確ではなくな
る。このため、次の符号化画像に対する動きベクトル探
索範囲のシフトが適正でなく、動きベクトル探索範囲の
設定が最適にならない可能性があり、画質が劣化した
り、消費電力を十分に削減できない可能性がある。
【0005】探索範囲のシフトが好適であることが望ま
れる。その結果として、画質の劣化を防ぎ、動きベクト
ル探索回路の縮小が可能であり、消費電力を削減するこ
とができることが望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、探索
範囲のシフトが最適である動画像符号化の動きベクトル
探索方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中の請求
項対応の技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号
等が添記されている。その番号、記号等は、請求項対応
の技術的事項と実施の複数・形態のうちの少なくとも1
つの形態の技術的事項との一致・対応関係を明白にして
いるが、その請求項対応の技術的事項が実施の形態の技
術的事項に限定されることを示すためのものではない。
【0008】本発明による動画像符号化の動きベクトル
探索方法は、符号化画像から選択される符号化ブロック
(Bn)と符号化ブロック(Bn)に対応するM個の参
照ブロック(Rnm)を参照画像上の参照領域から選択
するためのステップと、符号化ブロック(Bn)の画素
値と個々の参照ブロック(Rnm)の画素値との類似性
を評価するM個の評価値dn(vx,vy)(vx,v
yは探索点の座標を示す)を作成するためのステップ
と、更に、評価値dn(vx,vy)をnについて累算
して評価値マップΣdn(vx,vy)を求めるための
ステップが付加される。これにより、画面全体の動きが
適正に評価される。更に、評価値マップΣdnの最小値
を示す座標位置に基づくベクトル量だけ次の符号化画像
の各符号化ブロックに対する参照領域を大域的にシフト
させる。これにより、次の符号化画像に対して探索領域
が適正化される。更に、評価値マップΣdnの値が小さ
い領域を示す座標位置に基づくベクトル量に基づいて次
の符号化画像の各符号化ブロックに対する参照領域の形
状を変更するためのステップが付加されることは、特
に、好ましい。無駄な探索が削減される。
【0009】なお、評価値マップΣdnは、全画面の一
部について作成され得る。必ず全画面について、単一の
評価値マップを作成する必要はない。例えば、画面を分
割して、分割画面毎に評価値を作成し、分割画面ごとに
別々に探索領域をシフトすることにより、より細かく既
述の適正化が可能である。従って、大域的にシフトさせ
るステップは、符号化ブロックが属する分割画像ごとに
評価値マップΣdnの最小値を示す座標位置に基づくベ
クトル量だけ参照領域をシフトさせることにより、シフ
ト量、形状変更が分割画面ごとにより細かく適正化され
る。
【0010】また、評価値マップΣdnは、必ずしも全
探索領域について作成する必要はない。たとえば、間引
きした探索点についてのみ作成することもできる。画面
によっては、間引きによって画質の劣化なしに、既述の
適正化を実現することができる。
【0011】M個の参照ブロックRnmは、互いに隣り
合うことがない要素ブロックを含む。このことは、間引
きを行うことを意味している。画面によっては、間引き
によって画質の劣化なしに、既述の適正化を実現するこ
とができる。参照ブロックRnmの参照領域は、過去及
び未来の参照画面から選択され得る。参照ブロックRn
mの参照領域が画面全体の中央領域であることは好まし
い。
【0012】評価値マップΣdnは、各探索点(vx,
vy)で各符号化ブロックの評価値を積算するので、
「空」のように平坦な部分の符号化ブロックでは、広い
範囲の探索点に対し、同程度の評価値が積算されてい
く。したがって、評価値マップ内で最小値を与える探索
点の決定にあまり影響を及ぼさない。すなわち、従来の
ように雑音等により発生するさまざまな動きベクトルが
画面全体の動きを示す大域的動きベクトルに誤差を与え
るということは起こらない。従って、本発明の動きベク
トル探索方法及び動きベクトル探索システムは、従来よ
り正確に大域的動きベクトルを求めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図に一致対応して、本発明による
動画像符号化の動きベクトル探索システムの実施の形態
は、MPEG方式の慣用の動画像符号化回路の中で実現
される。そのMPEG方式の動画像符号化回路10は、
1画面の入力画像がメモリ1に取込まれ、更に、その画
像がブロック化されて、符号化ブロックメモリ2に符号
化画像ブロックとして取り込まれる。その符号化画像ブ
ロックは、離散コサイン変換器(DCT)3によりDC
T係数に変換され、量子化器4により量子化される。離
散コサイン変換器3により量子化されたDCT係数は、
符号化ブロックの符号化タイプ、及び、符号化タイプが
フレーム間符号化の場合には、予測ブロックの位置を示
す動きベクトル等とともに可変長符号化器9で可変長符
号に変換され、圧縮データとして出力される。量子化さ
れたDCT係数は、逆量子化器5、逆離散コサイン変換
器6により復元されてから、加算器8で予測ブロックと
加算され、参照画像メモリ17に格納される。
【0014】予測ブロックは、動きベクトル探索器12
と符号化タイプ選択器14とから形成されている。動き
ベクトル探索器12は、各符号化ブロックに対して参照
領域メモリ13に格納された探索領域の中から探索する
ベクトル候補に対応する参照ブロックを読出し、符号化
ブロックメモリ2から読み出した符号化ブロックとの間
で、その評価値を算出する。評価値が最小であるベクト
ル候補を選んで、それに対応する参照ブロックRBを符
号化タイプ選択器14に出力する。
【0015】符号化タイプ選択器14は、その参照ブロ
ックと符号化ブロックとの差分を符号化するフレーム間
予測で符号化するか、又は、フレーム間予測を行わずに
フレーム内で符号化するかを判定し、予測ブロックを選
択するセレクタ15を制御する。セレクタ15は、フレ
ーム間予測の場合には、参照ブロックRBを減算器7に
出力し、フレーム内符号化の場合には、0を減算器7に
出力する。参照領域メモリ13の中の内容は、符号化ブ
ロックの画面上の位置から、読出アドレス発生回路16
がアドレスを生成し、予め参照画像メモリ17から読み
込んでおく。
【0016】本発明は、動きベクトル探索器12の動き
ベクトル探索の改良である。図2は、改良された動きベ
クトル探索器12の実施の形態を示している。画面全体
の動きベクトル(大域的動きベクトル)は、画面内の各
符号化ブロックの動きベクトルの加算的量として表現さ
れ得る。その加算のための方法としては、多くの公知の
数学的処理方法の中から適正に選択される。
【0017】動きベクトル探索器12は、評価値算出器
21を備えている。評価値算出器21には、符号化ブロ
ックBnの画素値23、及び、探索領域に含まれる参照
ブロックRnの画素値22が入力される。評価値算出器
21は、後述する算出処方により、M個の参照ブロック
Rnm(m=1〜M)が符号化ブロックBnに似通って
いる類似度をそれぞれに算出する。
【0018】評価値算出器21により計算された符号化
ブロックに対する評価値dn(vx,vy)の一例が、
図8,9,10に示されている。図8,9,10は、1
つの符号化ブロックに対する評価値dn(vx,vy)
を3分割して図示化したものである。図8の右端は図9
の左端に接続する。図9の右端は図10の左端に接続す
る。図8,9,10は、評価値の1/256を16進表
示で表示している。評価値dn(vx,vy)は、最小
評価値検出器24及び評価値マップ作成器25に入力さ
れる。最小評価値検出器24は、各符号化ブロックBn
ごとに評価値が最小になる参照ブロックの位置座標(v
x,vy)を検出する。図8に示される実施例では、
(10,0)である。最小評価値検出器24には、ベク
トル候補発生器31が発生させるベクトル候補が入力さ
れる。一方、評価値マップ作成器25は、dn(vx,
vy)をベクトル候補ごとに積算し、1枚の符号化画像
の処理が終わると、積算評価値マップΣdnが計算され
る。積算評価値マップΣdn(vx,vy)の一例が、
図11,12,13に示されている。図11,12,1
3は、1つの符号化ブロックに対する評価値マップΣd
n(vx,vy)を3分割して図示化したものである。
図11の右端は図12の左端に接続する。図12の右端
は図13の左端に接続する。図11,12,13は、積
算評価値の1/65536を16進表示で表示してい
る。
【0019】積算評価値マップΣdn(vx,vy)
は、評価値マップ解析器26に入力される。評価値マッ
プ解析器26は、1枚の符号化画像の処理が終わると、
積算評価値マップΣdn(vx,vy)を解析して、そ
の中から、積算評価値がもっとも小さい探索点の位置を
検出する。この探索点の位置は、全ての探索領域内参照
ブロックRnmに共通に設定される座標系の2次元座標
(vx、vy)として表現されている。図8,9,10
の座系では、(+4,0)である。
【0020】積算評価値マップΣdn(vx,vy)の
中心の探索点が原点(0,0)に選ばれており、積算評
価値がもっとも小さい探索点の座標が(vx0,vy
0)であれば、次の符号化画像の各符号化ブロックの探
索領域の中心は、(vx0+0,vy0+0)である大
域的動きベクトル(gvx,gvy)となる。これが、
評価値マップ解析器26から読出アドレス発生器16に
出力される。次の符号化画像の各符号化ブロックに対す
る探索領域の読込みの際には、この大域的動きベクトル
に合わせてシフトした参照領域が参照画像メモリ17か
ら読み込まれる。
【0021】例えば、積算評価値マップΣdn(vx,
vy)の中心の探索点が、これまでの符号化によりすで
にシフトされていて、原点ではない場合、この中心点の
探索点を(vx1,vy1)とすると、次の符号化画像
の各符号化ブロックの探索領域は、(vx0+vx1,
vy0+vy1)である大域的動きベクトル(gvx,
gvy)に合わせてシフトして読み込む。なお、各符号
化ブロックの動きベクトルは、最小評価値検出器24か
ら出力される局所的動きベクトル29に、この符号化画
像に対して設定された大域的動きベクトルを加えて得ら
れる。
【0022】図3(a),(b),(c),(d)は、
既述の2種の動きベクトル探索範囲設定概念が可視化さ
れた概念形成図である。図4,5は、本発明による符号
化動画像の動きベクトル探索方法のステップスを示して
いる。1画面の符号化画像102の符号化が開始される
(ステップS1)。評価値マップΣdn(vx,vy)
の初期化が行われる(ステップS2)。符号化ブロック
Bnが順番に選定されることになる。ここで、NTSC
方式で通常用いられる(水平720・垂直480)画素
の画像の場合、(水平45・垂直30)個の符号化ブロ
ックからなり、n=1〜1350で表されるブロックで
ある。後の説明のため、符号化ブロックBnの水平位置
をnxブロック、垂直位置をnyブロックとする。(水
平720・垂直480)画素の画像では、nx=n%4
5(%はモジュロ演算)、ny=n/45(小数点以下
は切り捨て)である。
【0023】最初に、例えば、現画像上の符号化ブロッ
クBnの位置に対して、参照画像101上の同じ位置を
中心としてこれを取り囲むように探索領域Snが設定さ
れる。図3(a)は、特定符号化ブロックBnについて
設定される探索領域Snの詳細を示している。探索領域
Snは、全てのnについて同形(例示:水平112画素
・垂直48画素の長方形)であるものとする。これは、
−48<=vx<=48、−16<=vy<=16(例
えば、Snの真中にブロックを置いて+16画素Y方向
に移動すると、Snの上辺に迫る)に相当する探索範囲
である。
【0024】符号化ブロックBnの各画素値をCijで
表す。i,jは、ブロック中心を原点とする直交座標で
あり、16・nx<=i<=16・(nx+1)、16
・ny<=j<=16・(ny+1)である。符号化ブ
ロックBnの画素値Cijが、評価値算出器21に読み
込まれる(ステップS3)。後述されるdminが初期
化される(ステップS4)。
【0025】参照ブロックRnmの画素値は、Ri+v
x,j+vyで表される。(i+vx,j+vy)は、
参照ブロックRnmの各画素の座標である。参照ブロッ
クRnmの画素値Ri+vx,j+vyが、評価値算出
器21に読み込まれる(ステップS5)。符号化ブロッ
クBnの画素値と参照ブロックRnmの画素値の違いで
ある評価値dn(vx,vy)は、差分絶対値和、差分
2乗値和のような数学的差分として表現され得る。ここ
では、評価値dn(vx,vy)が、次のように差分絶
対値和として定義される。 dn(vx,vy)=Σ(i,j)[Cij−Ri+v
x,j+vy]. ここで、[]は絶対値を示す。評価値dnが、評価値算
出器21により算出される(ステップS6)。
【0026】各参照ブロックRnmの評価値dn(v
x,vy)が、初期設定値dminより大きいか小さい
かの判断が、最小評価値検出器24により実行される
(ステップS7)。dn(vx,vy)が初期設定値d
minより小さい場合には、その値がdminとして再
設定される。また、その時の(vx,vy)が、(vx
min,vymin)として設定される(ステップS
8)。一方、各参照ブロックRnmの評価値dn(v
x,vy)が、設定値dminより大きいか小さいかに
係わらず、評価値の累算が実行され、その累積値は評価
値マップmapΣdn(vx,vy)として定義される
(ステップS9)。 Σ(k=1〜n+1)dk(vx,vy)=Σ(k=1
〜n)dk(vx,vy)+dn(vx,vy). ここで、Σの後の()の中の記載は、kについて1から
nまで足し加えることを意味する。次のベクトル候補が
残っている場合は、(vx,vy)を更新し、ステップ
S5〜S9を繰り返す。
【0027】図3(c)の1つ目のマップは、符号化ブ
ロックBnに対するマップであり、(vx,vy)上
(先の例では、−48<=vx<=48、−16<=v
y<=16)で、その評価値dn(vx,vy)の大小
を楕円形状で表現したものを等高線のように描いてい
る。符号化ブロックBnの動きベクトルは、局所的動き
ベクトル(vxmin,vymin)に、現符号化画像
に対して設定された大域的動きベクトル(gvx,gv
y)を加算して得られる(ステップS10)。符号化ブ
ロックBnの図5で示されるこれ以降の処理が、ステッ
プ11で実行されるが、その説明は省略する。
【0028】n=n+1、で表現される次の符号化ブロ
ックBn+1に移行し、同様に、ステップスS3〜S9
が繰り返される。(n+1)番目の評価値dn+1(v
x,vy)が算出される。図3(c)の2つ目のマップ
は、Bn+1の評価値dn+1(vx,vy)を示して
いる。このdn+1が、前回分dnまでの積算値に更に
累算される(d1+d2・・・・+dn+dn+1)。
このようなステップスが1350回繰り返され、符号化
画像の全符号化ブロックの評価値mapΣdn(vx,
vy)が最終的に算出される。
【0029】評価値mapΣdn(vx,vy)のマッ
プ上で、積算評価値がもっとも小さい探索点の座標(v
x0,vy0)が、評価値マップ解析器26により求め
られる(ステップS13)。このシフト量は、画面全体
のシフトであると推定される。次の符号化画像の符号化
ブロックに対する探索領域Snは、各符号化ブロックに
ついて、前回よりもベクトル(vx0,vy0)だけ平
行移動してシフトする。このベクトルが、符号化画像ご
とに積算される。シフト量(gvx,gvy)は、下記
式で表現される。 (gvx,gvy)=(gvx,gvy)+(vx0,
vy0).
【0030】このようなシフトを用いて、動きベクトル
探索範囲の設定が適切に行われることにより、比較的に
小さな探索範囲で、その範囲を越える動きベクトルの探
索をすることが可能であり、画像の劣化を抑止した画像
の圧縮が行われ得る。
【0031】図6,7は、本発明による動画像符号化の
動きベクトル探索方法のステップスの他の実施の形態を
示している。ステップスS1〜12は、図4のそれらに
全く同じである。ステップS13’は、ステップS13
と異なっている。ステップ15が、ステップS13’と
ステップS1との間に付加されている。ステップS0
で、vecmap(vx,vy)が全て1に設定されて
本実施の形態が動作を開始する。更に付加されているス
テップS16の次に、ステップS5〜S9の1350回
の繰り返しが行われる点は、先の実施の形態で述べられ
た通りである。
【0032】ステップS13’では、評価値mapΣd
n(vx,vy)の値が小さい範囲が抽出され、抽出さ
れた範囲の形状が定められる。その形状範囲を含むよう
に次の符号化画像の探索範囲の形状を決定する。図7中
に示されるように、評価値mapΣdn(vx,vy)
の値が小さい範囲が縦方向に長い場合は、横方向に狭い
探索範囲が次の符号化画像に対して定められ、評価値m
apΣdn(vx,vy)の値が小さい範囲が横方向に
長い場合は、縦方向に狭い探索範囲が次の符号化画像に
対して定められ、評価値mapΣdn(vx,vy)の
値が小さい範囲が円形状であれば、その円形を含む形状
の探索範囲が次の符号化画像に対して定められる。探索
範囲の形状は、vecmap(vx,vy)の値により
決定され、それが1であれば探索点(vx,vy)が探
索され、それが零であれば探索されない(ステップS1
6)。このような探索方法は、無駄な探索を有効に省略
することができる。
【0033】図4,5及び図6,7に示される実施の形
態は、説明の簡略化のために例示事項が簡略化されてい
るが、探索範囲全体のシフトと探索範囲の形状の決定と
を組み合わせて実行することが望ましい。また、符号化
ブロックが画面の端部位にある場合には、探索領域の一
部が参照画像の外側に位置対応することがあり、その探
索点(vx,vy)に対する探索は行わない。この場合
には従って、評価値マップには積算が行われないので、
探索点(vx,vy)の積算回数が探索点ごとに異なる
ことになる。このことは、符号化ブロック数は例えば1
350であって多いので、通常、シフト量の適正化に大
きな影響を与えないが、より平等に積算するには、全探
索範囲が参照画像上にある中央よりの位置の符号化ブロ
ックに対してのみ評価マップを積算することができる。
例えば、探索範囲が−48<=vx<=48、−16<
=vy<=16の場合には、画面中央の水平33・垂直
26(=858)個の符号化ブロックに対して評価値を
積算すれば、各探索点に対する積算回数は等しくなる。
中央付近の符号化ブロックしか積算しなくても、画面全
体の動きは適切に捉えることができる。
【0034】更に、既述の実施の形態では、画面内の全
符号化ブロックに対して一様に探索範囲をシフトすると
仮定しているが、装置構成によっては、参照領域メモリ
の容量を大きくとることができて、その中の一部を探索
する場合もあり得る。この場合には、画面を例えば、上
下左右に4分割し、1/4画面ごとに別々の評価値マッ
プを作成したり、各1/4画面の探索範囲を別々に変更
することができて、画面の一部が静止している場合に
は、静止している部分が多い1/4画面の探索範囲の形
状を変更して狭くすることにより、画質を劣化させずに
消費電力を下げることができる。
【0035】更にまた、既述の実施の形態では、全探索
点に対して評価値マップを作成しているが、画面全体の
動きの様子を知るためには、評価値マップを作成する探
索点を間引いて少なくしても、問題にならない場合が多
い。例えば、探索範囲のシフトが水平、垂直ともに8画
素単位に制限されている場合には、(4k,4l)
(k,lは整数)の探索点について評価値マップを作成
して行う探索領域シフトと、全探索点についての評価値
マップを作成して行う探索領域シフトはほとんど変わら
ない。従って、このような場合には、評価値マップを作
成する探索点を間引いて評価値マップを格納するメモリ
容量を小さくしたり、評価値マップ解析の処理量を減ら
すことができる。
【0036】MPEG符号化方式には、通常の過去の画
像を参照する予測の他に、既に符号化した未来の画像を
参照する予測と、過去及び未来の両方の画像を参照する
予測が可能なBピクチャを使用することが可能である。
過去と未来の2枚の参照画像を用いる場合にも、本発明
はそれぞれの参照画像に対してその適用が可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明による動画像符号化の動きベクト
ル探索方法は、探索点における評価値を各探索点で積算
することにより、画像の広範囲にわたって生じている一
様な動きを探知する精度が高い。その高い精度のシフト
量を用いれば、小さな探索範囲をシフトさせることによ
り実質的に大きい探索範囲を探索したことに同等である
効果があり、符号化器の中でもっとも大きなユニットで
ある動きベクトル探索回路を縮小することができ、その
消費電力を削減することができる効果がある。このよう
な効果は、付加的には、無駄な探索範囲の探索を省略す
ることにより、更に、促進される。逆にみれば、同じ探
索面積であれば、画質が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による動画像符号化の動きベク
トル探索システムが適用される全体回路のブロック図で
ある。
【図2】図2は、本発明による動画像符号化の動きベク
トル探索システムを示す回路ブロック図である。
【図3】図3(a),(b),(c),(d),(e)
は、本発明による動画像符号化の動きベクトル探索方法
を視覚化した概念形成図である。
【図4】図4は、本発明による動画像符号化の動きベク
トル探索方法の実施の形態を示すフローチャートであ
る。
【図5】図5は、図4の続きを示すフローチャートであ
る。
【図6】図6は、本発明による動画像符号化の動きベク
トル探索方法の実施の他の形態を示すフローチャートで
ある。
【図7】図7は、図6の続きを示すフローチャートであ
る。
【図8】図8は、評価値のマップを例示する図表であ
る。
【図9】図9は、図8の続きを示す図表である。
【図10】図10は、図9の続きを示す図表である。
【図11】図11は、積算評価値のマップを例示する図
表である。
【図12】図12は、図11の続きを示す図表である。
【図13】図13は、図12の続きを示す図表である。
【図14】図14(a),(b),(c),(d),
(e)は、公知の動画像符号化の動きベクトル探索方法
を視覚化した概念形成図である。
【符号の説明】
21…評価値算出器(計算器) 24…最小評価値検出器 25…積算器(評価値マップ作成器) 26…評価値マップ解析器 31…画面全体 Bn…符号化ブロック Sn…探索領域 vx,vy…座標 dn(vx,vy)…評価値(評価値関数) Σdn(vx,vy)…評価値マップ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−166684(JP,A) 特開 平2−5689(JP,A) 特開 平2−118888(JP,A) 特開 平2−171093(JP,A) 特開 平4−150284(JP,A) 特開 平5−328333(JP,A) 特開 平6−165164(JP,A) 特開 平8−70460(JP,A) 特開 平10−98730(JP,A) 特開2000−59786(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/24 - 7/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号化画面から選択される符号化ブロック
    Bnと前記符号化ブロックBnに対応するM個の参照ブ
    ロックRnmを参照領域から選択するためのステップ
    と、 前記符号化ブロックBnの画素値と前記M個の参照ブロ
    ックRnmの個々の画素値との類似性を表すM個の評価
    値dn(vx,vy)を作成するためのステップと、 前記評価値dn(vx,vy)をnについて累算して評
    価値マップΣdn(vx,vy)を求めるためのステッ
    プと、 前記評価値マップΣdnの最小値を示す座標位置に基づ
    くベクトル量だけ次の参照ブロックRnmの参照領域を
    大域的にシフトさせるためのステップとからなることを
    特徴とする動画像符号化の動きベクトル探索方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記評価値マップΣdnは、全画面の一部の符号化ブロ
    ックについて作成されることを特徴とする動画像符号化
    の動きベクトル探索方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記大域的にシフトさせるステップは、前記評価値マッ
    プΣdnの最小値を示す座標位置に基づくベクトル量だ
    け次の参照ブロックRnmの参照領域を前記一部につい
    てシフトさせるためのステップであることを特徴とする
    動画像符号化の動きベクトル探索方法。
  4. 【請求項4】請求項2において、 更に、前記評価値マップΣdnの最小値を示す座標位置
    に基づくベクトル量に基づいて次の符号化画像の符号化
    ブロックに対する参照領域の形状を変更するためのステ
    ップからなることを特徴とする動画像符号化の動きベク
    トル探索方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、 更に、前記評価値(vx,vy)の最小値を示す座標位
    置に基づくベクトル量だけ次の参照ブロックRnmの参
    照領域を局所的にシフトさせるためのステップからなる
    ことを特徴とする動画像符号化の動きベクトル探索方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1において、 前記評価値マップΣdnは、全探索点の一部について作
    成されることを特徴とする符号化動画像の動きベクトル
    探索方法。
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