JP2009147807A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フレーム画像から特徴点を抽出して特徴点画像データを生成する特徴点画像データ生成手段(29,33)と、特徴点画像データを所定サイズのマクロブロックに分割するとともに、該マクロブロック内における特徴点の分散状態に応じてマクロブロックを更に小さなブロックに分割する暫定ブロック分割手段(39)と、マクロブロックおよび分割された各ブロックに対して、ブロック内の画像の特徴点同士の比較によって移動ベクトルを求める第1移動ベクトル算出手段(41)と、ブロック毎に算出された移動ベクトルとそのブロックと隣接するブロックの移動ベクトルとを比較して、ベクトル差分が所定の閾値以下である場合にこれらのブロックをマージするブロックマージ手段(43)と、を備えた。
【選択図】図2
Description
しかしながら、これらの動画像符号化を行う場合に十分な計算機リソースが与えられるとは限らない。例えば、近年のパーソナルコンピュータのような高い演算処理能力を有する計算機であれば、多少演算量が多くても、その処理能力によって動画像符号化を十分な速度で実行できる。また、この種の計算機においては十分な記憶領域が確保されている場合が多く、仮に実時間で処理されなくとも、符号化前の動画像を一時保存しておき、その後に保存した画像を読み出して符号化することも可能である。
これに対して、小型のビデオカメラレコーダや据え置き型の録画機のような一般家庭用の記録装置では、動画像の一時保存に十分な記憶容量もなく、計算能力も限られるため、多くは実時間での記録を行う方式とされている。そのため、この種の記録装置において動画像の符号化処理を行うことを考えると、その符号化には可能な限り演算量を低減することが望まれる。
また、特許文献1のように縮小画像を用いた2段のベクトル検出方法であり、近傍ブロックのベクトル情報からも基準ベクトルを推定する移動ベクトル検出方法が特許文献2に記載されている。この方法では、周辺のブロック情報からもマクロブロックの基準ベクトルを推定している。
また、マクロブロックからサブブロックのような階層毎でベクトル検出を行う移動ベクトル検出方法が特許文献3に記載されている。この方法は、特許文献1,2と同様に2段階でベクトル検出を行っている。そして、マクロブロックのベクトル情報や輝度差分値を用いてサブブロックへの分割を行っている。近傍マクロブロックと注目マクロブロックのベクトルに差分があった場合にはブロック展開を行い、上位基準ベクトルにより限定された範囲においてベクトル推定を行っている。
また、ブロック毎のベクトルを求めた後に、DCTのような量子化処理により複数のブロックのベクトル情報をマージすることが特許文献4に記載されている。
(1) 動画像の各フレーム画像を複数のブロックに分割し、該分割した各ブロックに対して、ブロック内の画像の移動ベクトルをそれぞれ検出する画像処理装置であって、
前記各フレーム画像から特徴点を抽出して特徴点画像データを生成する特徴点画像データ生成手段と、
前記特徴点画像データを所定サイズのマクロブロックに分割するとともに、該マクロブロック内における前記特徴点の分散状態に応じて前記マクロブロックを更に小さなブロックに分割する暫定ブロック分割手段と、
前記マクロブロックおよび分割された各ブロックに対して、ブロック内の画像の特徴点同士の比較によって前記移動ベクトルを求める第1移動ベクトル算出手段と、
前記ブロック毎に算出された前記移動ベクトルと当該ブロックと隣接するブロックの移動ベクトルとを比較して、ベクトル差分が所定の閾値以下である場合にこれらのブロックをマージするブロックマージ手段と、
を備えた画像処理装置。
前記特徴点画像データ生成手段が、前記フレーム画像の輪郭成分を特徴点として抽出し、輪郭成分の強弱に比例した画素値で前記特徴点画像データを生成する画像処理装置。
前記各フレーム画像を1段階または2段階以上にわたって縮小処理することにより、元のフレーム画像を含めて複数レベルの抽象度の画像データを生成する画像縮小手段を備え、
前記特徴点画像データ生成手段は、前記複数レベルの画像データの各々から前記特徴点を抽出して前記特徴点画像データを生成する画像処理装置。
前記第1移動ベクトル算出手段は、任意の前記フレーム画像に注視ブロックを設定し、前記任意のフレーム画像よりも後に出力されたフレーム画像に探索範囲を設定し、前記注視ブロックと同じ大きさの探索ブロックを前記探索範囲内で移動させたときの各移動先位置にある前記探索ブロック内の前記特徴点と、前記注視ブロック内の前記特徴点とを比較して、前記注視ブロックと相関の最も高い探索ブロックである高相関探索ブロックを選定し、該選定された高相関探索ブロックの位置と前記注視ブロックの位置とから、前記任意のフレーム画像に対する前記移動ベクトルを算出する画像処理装置。
直近の前記フレーム画像に対する移動ベクトルを保持する移動ベクトル保持手段を備え、
前記第1移動ベクトル算出手段は、前記保持された移動ベクトルの大きさによって前記高相関探索ブロックの探索範囲を増減させる画像処理装置。
前記フレーム画像と該フレーム画像よりも後に出力されたフレーム画像を用いたダイレクトモードにより移動ベクトルを算出する補助移動ベクトル算出手段を備え、
前記移動ベクトル算出手段により移動ベクトルが検出できなかった場合に、前記補助移動ベクトル算出手段により算出した結果を前記移動ベクトルとして設定する画像処理装置。
前記算出した移動ベクトルに基づいて予測画像を生成する動き補償処理手段と、
前記フレーム画像と前記予測画像との差分を周波数係数に変換する画像変換手段と、
前記周波数係数を量子化して量子化データを生成する量子化処理手段と、
前記量子化データに対して逆量子化を行う逆量子化手段と、
逆量子化された逆量子化データを前記変換処理に対する逆変換処理を行い復元画像を生成する画像逆変換手段と、
前記復元画像に前記フレーム画像または前記予測画像を足し合わせて参照画像を生成する参照画像生成手段と、
前記参照画像をバッファリングする参照画像バッファ手段と、
複数の移動ベクトルを符号化するベクトル符号化手段と、
前記量子化データおよび前記符号化された移動ベクトルに対して可変長符号化する可変長符号化手段と、
を備え、動画像の符号化処理を行う画像処理装置。
最初に、本発明が適用対象の一つに掲げる動画像符号化システムの基本的な構成例を説明する。
図1に動画像符号化システムの基本構成図を示した。
この動画像符号化システムは、一般的なMPEG処理モデルである。まず、移動ベクトル検出処理部11が、入力画像と、既にバッファに格納されている過去または未来の参照画像13との相関から、画像を分割したブロック毎でオブジェクトがどれだけ動いたか、すなわち、移動ベクトルが検出される。移動ベクトルは、動画像フォーマットによって指定があれば、それに適合した符号化変換処理(例えば中央値選択)を行い、画像データと共に可変調符号化して出力される。
そして、移動ベクトルが検出された後に、動き補償処理部15は、その参照画像を移動ベクトル分だけ移動させた予測画像を生成する動き補償処理を行う。ただし、I(Intora)フレームは直接符号化されるため、上記のような移動ベクトル検出や補償、予測画像との差分処理は必要ない。次に、生成した予測画面と入力画像との差分を求め、これを画像変換処理部17でDCT等により変換して、量子化処理部19で量子化する。変換して量子化されたデータは、可変長符号化処理部21でハフマン符号化等の可変長符号化により符号化処理され、符号化データとして出力される。また、図示は省略するが、複数の移動ベクトルを符号化またはフィルタリング(メディアン、LPF等)する移動ベクトル符号化部も用意されている。そして、変換して量子化されたデータの一部は、逆量子化処理部23でそのまま逆量子化され、画像逆変換処理部25でIDCT等の逆変換処理により元の差分データに戻される。これに入力画像や予測画像を足し合わせ、元の画像データに復元した後に参照画像バッファへの蓄積がなされる。
<第1実施形態>
図2に移動ベクトル検出処理を行う画像処理装置の基本構成ブロック図を示した。
図1に示した入力画像および適切に選択がなされた参照画像は、図2に示す画像縮小手段となる多重解像部に入力されて、それぞれで異なった縮尺の複数画像が生成される。つまり、異なる抽象度の複数画像が生成される。
多重解像部29A,29Bは、撮像して得られた動画像データを構成する複数フレームの画像データの各々について、各々の画像データを1段階又は2段階以上にわたって縮小することにより、元の画像データも含めて複数レベルの画像データを生成するものである。多重解像部29Aは、例えば縮小部31a、縮小部31b、・・・を有しており、縮小部31aは、各フレームの画像データを1/2に縮小した画像データを生成し、縮小部31bは、各フレームの画像データを1/4に縮小した画像データを生成する。縮小方法としては、例えば特許文献1に開示されている平均縮小処理を採用することができる。なお、多重解像部29Bについても同様に構成され、縮小された複数の画像データが生成される。
例えば、CCD固体撮像素子により画像を取り込んだ場合、明るいところではS/N比が向上し、暗いところでは低下することが知られている。このため、時間軸上で前後の画像において明暗に変化があった場合、一方のデータのみ分散や偏差の相関値が大きくなってしまう。これを防ぐために、コントラスト正規化処理を行うことで、明暗があった場合でも同様な補正処理が可能となる。
σ2=(Σval2)/n−ave2 ・・・(2)
図3は特徴点抽出処理部による処理を概念的に示した説明図である。
図3に示すように、縮小率が大きくなるほど、特徴点抽出部35a,35b,35c,・・・で抽出されるオブジェクトの第一特徴点はその数が減っていくため、第一特徴点画像データ45で表現される被写体の抽象度は上がる。しかし、オブジェクトの輪郭そのものも階調が滑らかになってしまう。つまり、縮小率が大きい画像データから生成された第一特徴点画像データ45によって表されるオブジェクトの抽象度は高くなるが、このオブジェクトの表現精度は低くなる。一方、縮小率が小さい画像データから生成された第一特徴点画像データ45によって表されるオブジェクトの抽象度は低くなるが、このオブジェクトの表現精度は高くなる。このようなことから、特徴点抽出部4から出力される複数の第一特徴点画像データ45を利用することで、表現されるオブジェクトの抽象度が高く且つこのオブジェクトの表現精度が高い特徴点画像データ47を生成することができる。
ここで、WVnは特徴点画像データ45(n)に設定される重み付け係数、THVnは特徴点画像データ45(n)に設定される閾値である。ただし、nは特徴点画像データ45の総数を表す。
図4は移動ベクトルの抽出処理の概要を表す説明図である。
まず、入力画像の画面をメッシュ状に区切り、その中から複数の所定位置のブロックを選択し、これを注視ブロック51A,51Bとする。例えば、ある時刻T0の画像とその後の時刻T1の画像に対して、時刻T0の注視ブロック51A,51B上の画像が時刻T1においてどの辺りにあるか補正範囲内の注視ブロック51A,51B周辺の画像と比較する。例えば、時間軸上で前後の画像で差分を求めれば、相関が高いほど差分値は0に近づくはずであり、これによってブロック内のオブジェクトが移動したか否かが判断できる。このような相関検出法はブロックマッチング等と呼ばれる。ブロックマッチングでは、補正範囲内において、その参照ブロックを適宜ずらしては相関比較を繰り返し、最も相関の高かった参照ブロックのオフセット位置が変位ベクトルとなる。
図5はフレーム(i)の画像データに対するフレーム(i+1)の画像データの移動ベクトルの算出方法を説明するための図で、図6は移動ベクトルの算出処理フローを示す図である。
移動ベクトル検出処理部41は、まず、図5に示すように、フレーム(i)の特徴点画像データの任意の位置に注視ブロック51Cを設定する(ステップS11、以降はS11と記す)。設定した注視ブロック51C内にある特徴点の数N(図示例では2個)が移動ベクトルの算出に最低限必要な数を下回っていた場合は、注視ブロック51Cの位置を変更して注視ブロックを再設定する(S13)。設定した注視ブロック51C内にある特徴点の数Nが移動ベクトルの算出に最低限必要な数以上であった場合は(S12)、移動ベクトル検出処理部41は、フレーム(i+1)の特徴点画像データに対して探索範囲を設定する(S14)。
一方、抽出された探索ブロックが複数であった場合は(S17)、比較対象特徴点の数Mが注視ブロック51C内にある特徴点の数Nと一致しているか否かを判定し(S19)、一致していない場合は、比較対象特徴点を増やし(S20)、その後、注視ブロック51C内の比較対象特徴点と、抽出されていた複数の探索ブロックの各々に含まれる特徴点とを比較して、抽出されていた複数の探索ブロックの中から、注視ブロック51Cと相関性のある探索ブロックを抽出する(S21)。相関性のある探索ブロックの抽出方法は、上述したとおりである。
図7はマクロブロックの分割の例を示す説明図である。
MPEG4規格においては、階層的なブロック分割が特徴となっており、とりわけ、H.264の規格では図7に示すような縦横に長い短冊形のブロックが利用可能とされている。つまり、マクロブロックは、上下、左右、上下左右に分割ができ、さらに分割後のサブマクロブロックにおいては、同様に上下、左右、上下左右に分割ができる。本実施形態においては、階層的に分割および後述するマージ処理を行うので、仮に分割の階層がより深くなった場合においても対応が可能である。また、縦横の相関も考慮することで、H.264の規格のような分割にも対応できる。
図示のように、マクロブロックがA,B,C,Dの4つのサブマクロブロックに分割され、そのそれぞれでさらに細かなブロックへと分割されている。ここでは、小オブジェクトが多方向に移動している場合を想定した。ここで、図中B,Cのブロックはブロックの分割が適当でない場合を示している。Bのブロックは移動ベクトルの方向や大きさによって上下に分割された場合を想定している。つまり、下側のブロック55の大きな破片57に引きずられるように上下にブロック分割がなされ、上側ブロック59の破片61と同方向に飛ぶ下側ブロック55の右側の小破片63はほぼ無視されているような状態である。この場合、縦に分割し上側ブロック59の破片61と下側ブロック55の右側の小破片63を同一のブロックとした方がより適当である。Cのブロックはオブジェクトによる分割は適当であるが、左上、左下の破片が共に同じ方向のベクトルであるために、4方の分割ではなく左右に2分割した方がよい。
図9は移動ベクトルを検出する処理のフローチャート、図10は移動ベクトルを求める処理を説明するための概略説明図である。
図9に示すように、移動ベクトルの検出は、まず多重解像部29A,29B、および特徴点抽出処理部33A,33Bによる多重化・特徴点抽出処理(ステップ1、以降はS1と略記する)を行う。この処理は前述した図6のフローチャートに基づいて実施することができる。この特徴点抽出処理により、画像が持つオブジェクトやテクスチャを、その指標となる特徴点データにより推測することが可能になる。
マクロブロック暫定処理(S2)においては、主として特徴点の密度に着目してブロックの分割を行っている。このようにすることで、特徴点画像の画素値の和によりおおよその推定ができる。また、その演算は単純なものである。
図11はマクロブロックを分割するアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
特徴点画像に対して、例えば等間隔で複数のマクロブロックに分割し、これら分割したマクロブロックについて順次暫定分割処理を行う。なお、この処理はH.264の規格のマクロブロックを想定した処理内容となっている。
最初に、処理すべきマクロブロックを特定して(S31)、残マクロブロックがあった場合、以下の処理を繰り返す。
図12はマクロブロックをマージするアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
マクロブロックや更に分割したブロック中の移動ベクトルを求めた後、本図のようなアルゴリズムによってブロックのマージ処理を行うことで、移動ベクトル・ブロックのマージ処理を行う。
最初に、処理すべきマクロブロックを特定して(S41)、残マクロブロックがあった場合、以下の処理を繰り返す。
まず、マクロブロック中の最低位の処理階層レベルを処理開始階層と定義して処理を開始する(S42)。マージ可能な階層を確認して(S43)、階層が無い場合、すなわち、マクロブロックの分割が行われていなかった場合には、次のマクロブロックの処理へ移る。マージ可能なブロックがあった場合には、その移動ベクトルが同じ方向を向いているかどうかを判別するためにブロック間のベクトル差分を求める(S44)。例えば、4分割のブロックであった場合、上下左右のベクトル差分がいずれも閾値以下の場合(S45)は、上下左右の移動ベクトル(ブロック)をマージし(S46)、上下または左右の2分割でのいずれかのベクトル差分が閾値未満の場合(S47)は、上下または左右いずれかのブロックをマージする(S48)。
平均移動ベクトル: mVmarge = W0mV0+ W1mV1
ただし、mV0〜mV1:移動ベクトル、W0〜W1:重み付け係数
ここで、d0〜d1を左右(または上下)のブロックの予測画像(図2の参照画像)との差分値をそれぞれのブロックの特徴点数で除したものとすると、重み付け係数W0〜W1を以下のように表せる。
W1=d0/(d0+d1)
この他にも、予測画像との差分値が最も小さなブロックのベクトルを一つだけ選択して、そのベクトルを移動ベクトルに設定してもよい。
次に、本発明に係る移動ベクトル検出方法の第2実施形態を説明する。
本実施形態においては、前述の図2に示す基本構成例における抽象化レベルを更に上げた特徴点画像を生成する。入力画像および参照画像の縮小階層を深くして、移動ベクトル検出に利用できる特徴点数を減らそうとした場合、細かなディテールやオブジェクトが消失してしまう可能性がある。そこで、移動ベクトル検出に要する演算回数を減少させることを目的として、特徴点を含む画像を複数階層にし、この出力された特徴点画像に基づいて移動ベクトルを検出する。
特徴点抽出処理部33A,33Bは、それぞれ多重解像部29A,29Bから出力される抽象度の異なる画像を合成して多階調の特徴点画像を生成し、暫定マクロブロック分割処理部39は、多階調の特徴点画像に基づいてブロック分割を行う。また、参照画像の特徴点画像についても同様である。
この構成では、特徴点抽出部35a,35b,35c,35dの出力を組み合わせて、複数の2段目の特徴点抽出部37a,37b,37cは抽象度の異なる特徴点画像を生成する。
これにより生成した抽象度の異なる複数の特徴点画像は、特徴点の量に応じて選択的に移動ベクトル抽出に使用される。
次に、本発明に係る移動ベクトル検出方法の第3実施形態を説明する。
図15は特徴点画像を用いずに移動ベクトルを検出する他の画像処理装置の構成例を示す概念ブロック図である。
以上説明した第1および第2実施形態の手法は、オブジェクトやテクスチャの輪郭成分を主とした特徴点を用いている。このため、微妙なグラデーションの波が大きくうねるようなシーンにおいては追従できない可能性がある。このような場合には、特徴点画像ではなく、通常の画素値(入力画像の画素値)を用いてブロック検出を行えばよい。その際、何らかの指標をもってオブジェクトやテクスチャの探索範囲を可変にした方が、より確実な処理となる。そこで、本実施形態においては、直近の参照画像の移動ベクトルを元にして、探索範囲を増減させる処理を実施する。このような通常の画素値を用いる場合においても、できるだけ演算量が少なくなるようにする。
図16はMPEG4規格におけるダイレクトモードの概念図である。
H.264の規格では、符号化効率向上のために、符号化モードがいくつか定義されており、それはブロック毎で指定できる。中でも、ダイレクトモードと呼ばれる移動ベクトルの符号化は、対象となるマクロブロックの移動ベクトルを他のブロックの移動ベクトルで表現することで、その情報を削減することができる。
いま、対象画像のマクロブロックの移動ベクトルを、この時間ダイレクトモードによって置換しようとした場合、まず、既に符号化された参照画像のうち時間的に未来(後方)のもので直近の画像(アンカーピクチャ)において、対象のマクロブロックと同位置(アンカーブロック)の移動ベクトル(mVcol)が参照される。
mVL0 = mVcol tb/td
mVL1 = mVL0− mVcol
参照画像の移動ベクトルが0に近い場合(図17(a))、すなわち殆ど動きの無いような場合においてはマクロブロック周辺の比較的狭い範囲での移動ベクトル探索を行い、参照画像の移動ベクトルが大きくなるほど、その探索範囲を広げていく(図17(b),(c))。これにより、通常動きの無い場合の演算量を低減する。
次に、本発明に係る移動ベクトル検出方法の第4実施形態を説明する。
図18は図2に示す基本構成例に他の画像処理機能を組み合わせた画像処理装置の例を示す概念ブロック図である。
本発明における多重解像および特徴点抽出処理は、顔認識などのオブジェクト検出処理やノイズ低減のためのノイズリダクション(NR)処理と相似しており、これらの回路との親和性が高い。そのため、例えばこれらの処理を一つのシリコンチップで実現する場合等においては、これら回路を共有化することで、システム全体の回路規模を低減することが可能である。
本実施形態においては、オブジェクト検出処理部77に特徴点抽出処理部33Aからの特徴点画像を入力して、オブジェクト情報を出力している。また、特徴点抽出処理部33Bおよび入力画像をNR処理部79に入力して、NR処理済みの画像を出力している。
(1)上記の特徴点抽出処理は、単純なパイプライン処理により実現可能である。
(2)パイプライン処理はCPU等による反復処理よりも専用ハードウェアによる支援の方が処理効率が良く、また実現も容易である。
(3)パイプライン処理は、他処理システム(ノイズ除去処理やオブジェクト抽出処理)との親和性が高く、回路の共有化が期待できる。これにより個々で機能を実現した場合よりもチップ全体のコストを削減できる。
さらに、特徴点を利用してブロックを分割し、その後、移動ベクトルを算出し、ブロックをマージすることで、マクロブロック内でオブジェクトがばらばらな動きをしていたとしても、精度、符号化効率が共に良く、かつ演算量を抑えた移動ベクトルの検出処理が実現できる。
また、特徴点抽出処理は、他の処理、例えばオブジェクト抽出、ノイズリダクション処理等との親和性が高いため、回路の一部を共有してシステム全体の回路規模を低減することができる。
13 参照画像
15 動き補償処理部
17 変換処理部
19 量子化処理部
21 可変長符号化処理部
23 逆量子化処理部
25 逆変換処理部
29A,29B 多重解像部
31a,31b 縮小部
33A、33B 特徴点抽出処理部
35a,35b,35c 特徴点抽出部
37 特徴点抽出部
39 暫定マクロブロック分割処理部
41 移動ベクトル検出処理部
43 ベクトル・ブロックマージ処理部
45 第一特徴点画像データ
47 特徴点画像データ
51A,51B,51C 注視ブロック
53A,53B 検索ブロック
55 下側ブロック
57 大きな破片
59 上側ブロック
61 破片
63 小破片
71 移動ベクトル検出処理部
73 移動ベクトル選択部
75 移動ベクトル保持部
77 オブジェクト検出処理部
79 NR処理部
Claims (7)
- 動画像の各フレーム画像を複数のブロックに分割し、該分割した各ブロックに対して、ブロック内の画像の移動ベクトルをそれぞれ検出する画像処理装置であって、
前記各フレーム画像から特徴点を抽出して特徴点画像データを生成する特徴点画像データ生成手段と、
前記特徴点画像データを所定サイズのマクロブロックに分割するとともに、該マクロブロック内における前記特徴点の分散状態に応じて前記マクロブロックを更に小さなブロックに分割する暫定ブロック分割手段と、
前記マクロブロックおよび分割された各ブロックに対して、ブロック内の画像の特徴点同士の比較によって前記移動ベクトルを求める移動ベクトル算出手段と、
前記ブロック毎に算出された前記移動ベクトルと当該ブロックと隣接するブロックの移動ベクトルとを比較して、ベクトル差分が所定の閾値以下である場合にこれらのブロックをマージするブロックマージ手段と、
を備えた画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記特徴点画像データ生成手段が、前記フレーム画像の輪郭成分を特徴点として抽出し、輪郭成分の強弱に比例した画素値で前記特徴点画像データを生成する画像処理装置。 - 請求項1または請求項2記載の画像処理装置であって、
前記各フレーム画像を1段階または2段階以上にわたって縮小処理することにより、元のフレーム画像を含めて複数レベルの抽象度の画像データを生成する画像縮小手段を備え、
前記特徴点画像データ生成手段は、前記複数レベルの画像データの各々から前記特徴点を抽出して前記特徴点画像データを生成する画像処理装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の画像処理装置であって、
前記移動ベクトル算出手段は、任意の前記フレーム画像に注視ブロックを設定し、前記任意のフレーム画像よりも後に出力されたフレーム画像に探索範囲を設定し、前記注視ブロックと同じ大きさの探索ブロックを前記探索範囲内で移動させたときの各移動先位置にある前記探索ブロック内の前記特徴点と、前記注視ブロック内の前記特徴点とを比較して、前記注視ブロックと相関の最も高い探索ブロックである高相関探索ブロックを選定し、該選定された高相関探索ブロックの位置と前記注視ブロックの位置とから、前記任意のフレーム画像に対する前記移動ベクトルを算出する画像処理装置。 - 請求項4記載の画像処理装置であって、
直近の前記フレーム画像に対する移動ベクトルを保持する移動ベクトル保持手段を備え、
前記移動ベクトル算出手段は、前記保持された移動ベクトルの大きさによって前記高相関探索ブロックの探索範囲を増減させる画像処理装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の画像処理装置であって、
前記フレーム画像と該フレーム画像よりも後に出力されたフレーム画像を用いたダイレクトモードにより移動ベクトルを算出する補助移動ベクトル算出手段を備え、
前記移動ベクトル算出手段により移動ベクトルが検出できなかった場合に、前記補助移動ベクトル算出手段により算出した結果を前記移動ベクトルとして設定する画像処理装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の画像処理装置であって、
前記算出した移動ベクトルに基づいて予測画像を生成する動き補償処理手段と、
前記フレーム画像と前記予測画像との差分を周波数係数に変換する画像変換手段と、
前記周波数係数を量子化して量子化データを生成する量子化処理手段と、
前記量子化データに対して逆量子化を行う逆量子化手段と、
逆量子化された逆量子化データを前記変換処理に対する逆変換処理を行い復元画像を生成する画像逆変換手段と、
前記復元画像に前記フレーム画像または前記予測画像を足し合わせて参照画像を生成する参照画像生成手段と、
前記参照画像をバッファリングする参照画像バッファ手段と、
複数の移動ベクトルを符号化するベクトル符号化手段と、
前記量子化データおよび前記符号化された移動ベクトルに対して可変長符号化する可変長符号化手段と、
を備え、動画像の符号化処理を行う画像処理装置。
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