JP3539683B2 - 聴力検査室 - Google Patents
聴力検査室 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3539683B2 JP3539683B2 JP2000369643A JP2000369643A JP3539683B2 JP 3539683 B2 JP3539683 B2 JP 3539683B2 JP 2000369643 A JP2000369643 A JP 2000369643A JP 2000369643 A JP2000369643 A JP 2000369643A JP 3539683 B2 JP3539683 B2 JP 3539683B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hearing test
- room
- duct
- main body
- air
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調設備を備えた聴力検査室に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の聴力検査室としては、例えば特許第3008638号公報に記載された聴力検査室が知られている。この聴力検査室は、人一人が椅子に座っていられる程度の広さを有し、人の身長より僅かに高い程度の高さを有する箱体である。
また、外部音が聴力検査の妨げにならないようにするため、遮音性の高い構造になっているので、換気性が悪く、換気をよくするための換気装置が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、換気装置を設けても、夏期には室内が高温多湿となり、聴力検査を受ける被検者にとっては不快な環境となる。一般的に、聴力検査は、5分〜数10分に及ぶが、聴力検査時間が長くなればなるほど、不快さは増加する。
【0004】
このような問題を解決するために、換気装置に、一般的な方式のエアコン、即ちHFC(ハイドロフルオロカーボン)等の冷媒を圧縮して液体とし、この液体が蒸発器内で減圧され気体に戻るときに周囲から熱を奪う原理を利用して空気を冷却する方式のエアコンを組み込み、冷却した空気を室内に送り込むことが考えられる。
しかしながら、この方式のエアコンでは、熱交換器付近の空気中の水分が凝結して水が排出されるので、この水を処理するための排水設備等を設けなければならない。
【0005】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排水設備等を設けることなく室内を冷房できる聴力検査室を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクトと前記聴力検査室本体内との接続部近傍の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトを備え、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気が前記聴力検査室本体内の空気を押すことにより、前記聴力検査室本体内の空気が自然対流によって流れるようにした。
【0007】
請求項2に係る発明は、被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクト内の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトを備え、前記第1消音ダクトを入口開口部が出口開口部より上方に位置するように取り付け、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気が前記聴力検査室本体内の空気を押すことにより、前記聴力検査室本体内の空気が自然対流によって流れるようにした。
【0009】
請求項3に係る発明は、被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクトと前記聴力検査室本体内との接続部近傍の空気又は前記第1消音ダクト内の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトと、前記第1消音ダクトに吸気ファン及び/又は前記第2消音ダクトに排気ファンを備え、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気を前記聴力検査室本体内に流入させるようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る聴力検査室の斜視図、図2は聴力検査室の縦断面図、図3は消音ダクトの横断面図、図4は他の実施の形態に係る聴力検査室の縦断面図である。
【0011】
本発明に係る聴力検査装室は、図1に示すように、聴力検査室本体1と、第1消音ダクト2と、第2消音ダクト3と、ペルチェ冷却装置4からなる。
【0012】
聴力検査室本体1は、箱形状をなし、側面には被験者が入退室するための開き戸11と、室内の被検者に与える閉塞感を和らげたり、室の内外間で簡単なコミニュケーションをとるためのガラス窓12等が設けられている。聴力検査室本体1を構成する壁、床、天井や開き戸11などの部材は、高い遮音性を有する材料からなり、これらの部材間は遮音性を保つためにシール材でシールされている。
【0013】
また、聴力検査室本体1の上部には、図2に示すように、聴力検査室本体1内の上部と室外とを連通する第1消音ダクト2が設置されている。更に、聴力検査室本体1の側面には、聴力検査室本体1内の上部と室外と連通する第2消音ダクト3が取り付けられている。
【0014】
第1消音ダクト2と聴力検査室本体1の内部は、聴力検査室本体1の開口部13を介して接続されている。また、聴力検査室本体1の内部と第2消音ダクト3は、聴力検査室本体1の開口部14を介して接続されている。
【0015】
第1消音ダクト2は、図3に示すように、ダクト21内面に吸音材22を内張すると共に吸音材23を分散して配置した、いわゆるセル形消音器構造を有するものである。第2消音ダクト3も第1消音ダクト2と同様なセル形消音器構造を有するものである。
【0016】
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設け、この吸気ファン25を駆動させることによって外気を強制的に聴力検査室本体1内に送り込むこともできる。更に、第2消音ダクト3の出口開口部3bにも排気ファン(不図示)を設けてもよい。
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設ける替りに、第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設けてもよい。
【0017】
ペルチェ冷却装置4は、2枚の板状部材間に複数のペルチェ素子を配置したペルチェ素子ユニット41と、ペルチェ素子ユニット41に電力を供給する直流電源(不図示)と、ペルチェ素子ユニット41の上面に取り付けたダクト42と、ダクト42に空気を送り込むファン43からなる。
【0018】
ペルチェ素子ユニット41は、冷却した空気が自然に聴力検査室本体1内に降下するように、聴力検査室本体1の上部に形成された開口部13に対向して第1消音ダクト2の壁面の一部を形成するように取り付けられている。
そして、ペルチェ素子ユニット41は直流電源による給電により、下面側となる第1消音ダクト2の内部側が冷却部として機能する。
【0019】
なお、ペルチェ素子ユニット41の設置箇所は、これによって冷却された空気が自然対流によって聴力検査室本体1内に降下するような箇所であれば、その他の箇所であってもよい。
【0020】
ペルチェ素子ユニット41の下面側を冷却部として機能させると、上面側となる第1消音ダクト2の外部側は高温となり、ペルチェ素子ユニット41の冷却機能が低下する。そこで、冷却機能の低下を防止するため、ファン43によってダクト42に空気を送り込むことにより、ペルチェ素子ユニット41の上面側を冷却している。
【0021】
なお、ペルチェ素子ユニット41の上面側の冷却については、その他の方法が考えられる。例えば、ダクト42に替えて消音ダクトを用いてもよい。この場合、消音ダクト内部にファンを配置するようにすればファンの回転に伴う騒音を低減できる。また、ペルチェ素子ユニット41の上面に十分な放熱性能を備える大型の冷却フィンを設ければ、ファン43、ダクト42が不要となり、ファン43の回転に伴う騒音がなくなるので好ましい。
【0022】
以上のように構成した本発明に係る聴力検査室の作用について説明する。
ペルチェ冷却装置4を動作させると、ペルチェ素子ユニット41の下部近傍の空気が冷却される。冷却された空気は重くなり、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0023】
すると、冷却された空気の後を追って第1消音ダクト2の入口開口部2aから外気が流入してくる。この外気もペルチェ冷却装置4によって冷却され、聴力検査室本体1内部に流入する。一方、既に滞留している聴力検査室本体1内部の空気は、聴力検査室本体1内部に入ってくる冷却された空気に押されて、第2消音ダクト3を通って室外に出ていく。
【0024】
従って、ペルチェ冷却装置4を動作させた状態では、聴力検査室本体1内部の空気は、自然対流によって、図2に示す矢印方向に沿って流れるようになる。
【0025】
また、聴力検査室は、一般に病院や補聴器販売店などの空調が効いた室内に設置されるので、夏期には聴力検査室本体1内部も冷房の恩恵に浴することになる。
しかし、検査を進めるうちに、従来の聴力検査室では、少しずつ室内温度が高くなり被検者は不快となるが、本発明に係る聴力検査室では、そのような不都合が生じない。
【0026】
また、本発明に係る聴力検査室では、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25及び/又は第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設けることもできる。吸気ファン25及び/又は排気ファンを設ければ、聴力検査室本体1内の空気を強制的に対流させて急速に冷却することができる。
そして、聴力検査室本体1内が所望な温度になれば、吸気ファン25及び/又は排気ファンの駆動を停止し、その後は自然対流に任せることにより、聴力検査を妨げる騒音のレベルを低くできる。
【0027】
また、一般的なエアコン、即ち、冷媒を圧縮して冷却する方式のエアコンにおいては、熱交換器付近の空気中の水分が凝結することにより水が出るが、ペルチェ冷却装置4においてはこのようなことが無く、水を処理するための排水設備が不要となる。
【0028】
次に、本発明の他の実施の形態に係る聴力検査室では、図4に示すように、出口開口部6bを聴力検査室本体の開口部13に接続させた状態で入口開口部6aが上方に位置する第1消音ダクト6を用いることができる。ペルチェ素子ユニット41は、第1消音ダクト6の中央付近に配置している。なお、他の構成については、図2に示す聴力検査室と同様である。
【0029】
この場合も、ペルチェ冷却装置4を動作させると、ペルチェ素子ユニット41の下部近傍の空気が冷却される。冷却された空気は重くなり、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0030】
すると、冷却された空気の後を追って第1消音ダクト6の入口開口部6aから外気が流入してくる。この外気もペルチェ冷却装置4によって冷却され、聴力検査室本体1内部に流入する。一方、既に滞留している聴力検査室本体1内の空気は、聴力検査室本体1内部に入ってくる冷却された空気に押されて、第2消音ダクト3を通って室外に出ていく。
【0031】
従って、ペルチェ冷却装置4を動作させた状態では、聴力検査室本体1内部の空気は、自然対流によって、図4に示す矢印方向に沿って流れるようになる。
【0032】
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25及び/又は第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設ければ、聴力検査室本体1内の空気を強制的に対流させて急速に冷却することができる。
そして、聴力検査室本体1内が所望な温度になれば、吸気ファン25及び/又は排気ファンの駆動を停止し、その後は自然対流に任せることにより、聴力検査を妨げる騒音のレベルを低くできる。
【0033】
また、図1又は図2に示すように、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設けるのであれば、第1消音ダクト2の中央付近にペルチェ冷却装置4を配置し、常時吸気ファン25を駆動するようにしてもよい。
そうすれば、吸気ファン25によって室外から流入した空気は、ペルチェ冷却装置4によって冷却され、更に冷却された空気は吸気ファン25の吸引力によって室外から流入した空気により押され、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0034】
すると、冷却された空気の後を追って第1消音ダクト2の入口開口部2aから外気が流入してくる。この外気もペルチェ冷却装置4によって冷却され、聴力検査室本体1内部に流入する。一方、既に滞留している聴力検査室本体1内部の空気は、聴力検査室本体1内部に入ってくる冷却された空気に押されて、第2消音ダクト3を通って室外に出ていく。
【0035】
更に、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設けると共に、第2消音ダクト3の出口開口部3bにも排気ファン(不図示)を設けてもよい。
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設ける替りに、第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設けてもよい。
【0036】
いずれの場合にも、吸気ファン25及び/又は排気ファンの吸引力又は排気力によって第1消音ダクト2の入口開口部2aから室外の空気が流入し、この空気がペルチェ冷却装置4によって冷却され、更に冷却された空気は吸気ファン25及び/又は排気ファンの吸引力又は排気力によって室外から流入した空気により押され、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、排水設備を必要とせずに聴力検査室内を冷房できる。また、冷房に伴う騒音レベルが一段と低いので聴力検査のを妨げにならない。
【0038】
請求項2に係る発明によれば、排水設備を必要とせずに聴力検査室内を冷房できる。また、冷房に伴う騒音レベルが一段と低いので聴力検査のを妨げにならない。
【0040】
請求項3に係る発明によれば、排水設備を必要とせずに聴力検査室内を冷房できる。また、急速に聴力検査室内を冷房できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る聴力検査室の斜視図
【図2】聴力検査室本体の縦断面図
【図3】消音ダクトの横断面図
【図4】他の実施の形態に係る聴力検査室本体の縦断面図
【符号の説明】
1…聴力検査室本体、2,6…第1消音ダクト、2a,6a…入口開口部、6b…出口開口部、3…第2消音ダクト、4…ペルチェ冷却装置、25…吸気ファン、41…ペルチェ素子ユニット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調設備を備えた聴力検査室に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の聴力検査室としては、例えば特許第3008638号公報に記載された聴力検査室が知られている。この聴力検査室は、人一人が椅子に座っていられる程度の広さを有し、人の身長より僅かに高い程度の高さを有する箱体である。
また、外部音が聴力検査の妨げにならないようにするため、遮音性の高い構造になっているので、換気性が悪く、換気をよくするための換気装置が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、換気装置を設けても、夏期には室内が高温多湿となり、聴力検査を受ける被検者にとっては不快な環境となる。一般的に、聴力検査は、5分〜数10分に及ぶが、聴力検査時間が長くなればなるほど、不快さは増加する。
【0004】
このような問題を解決するために、換気装置に、一般的な方式のエアコン、即ちHFC(ハイドロフルオロカーボン)等の冷媒を圧縮して液体とし、この液体が蒸発器内で減圧され気体に戻るときに周囲から熱を奪う原理を利用して空気を冷却する方式のエアコンを組み込み、冷却した空気を室内に送り込むことが考えられる。
しかしながら、この方式のエアコンでは、熱交換器付近の空気中の水分が凝結して水が排出されるので、この水を処理するための排水設備等を設けなければならない。
【0005】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排水設備等を設けることなく室内を冷房できる聴力検査室を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクトと前記聴力検査室本体内との接続部近傍の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトを備え、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気が前記聴力検査室本体内の空気を押すことにより、前記聴力検査室本体内の空気が自然対流によって流れるようにした。
【0007】
請求項2に係る発明は、被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクト内の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトを備え、前記第1消音ダクトを入口開口部が出口開口部より上方に位置するように取り付け、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気が前記聴力検査室本体内の空気を押すことにより、前記聴力検査室本体内の空気が自然対流によって流れるようにした。
【0009】
請求項3に係る発明は、被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクトと前記聴力検査室本体内との接続部近傍の空気又は前記第1消音ダクト内の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトと、前記第1消音ダクトに吸気ファン及び/又は前記第2消音ダクトに排気ファンを備え、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気を前記聴力検査室本体内に流入させるようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る聴力検査室の斜視図、図2は聴力検査室の縦断面図、図3は消音ダクトの横断面図、図4は他の実施の形態に係る聴力検査室の縦断面図である。
【0011】
本発明に係る聴力検査装室は、図1に示すように、聴力検査室本体1と、第1消音ダクト2と、第2消音ダクト3と、ペルチェ冷却装置4からなる。
【0012】
聴力検査室本体1は、箱形状をなし、側面には被験者が入退室するための開き戸11と、室内の被検者に与える閉塞感を和らげたり、室の内外間で簡単なコミニュケーションをとるためのガラス窓12等が設けられている。聴力検査室本体1を構成する壁、床、天井や開き戸11などの部材は、高い遮音性を有する材料からなり、これらの部材間は遮音性を保つためにシール材でシールされている。
【0013】
また、聴力検査室本体1の上部には、図2に示すように、聴力検査室本体1内の上部と室外とを連通する第1消音ダクト2が設置されている。更に、聴力検査室本体1の側面には、聴力検査室本体1内の上部と室外と連通する第2消音ダクト3が取り付けられている。
【0014】
第1消音ダクト2と聴力検査室本体1の内部は、聴力検査室本体1の開口部13を介して接続されている。また、聴力検査室本体1の内部と第2消音ダクト3は、聴力検査室本体1の開口部14を介して接続されている。
【0015】
第1消音ダクト2は、図3に示すように、ダクト21内面に吸音材22を内張すると共に吸音材23を分散して配置した、いわゆるセル形消音器構造を有するものである。第2消音ダクト3も第1消音ダクト2と同様なセル形消音器構造を有するものである。
【0016】
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設け、この吸気ファン25を駆動させることによって外気を強制的に聴力検査室本体1内に送り込むこともできる。更に、第2消音ダクト3の出口開口部3bにも排気ファン(不図示)を設けてもよい。
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設ける替りに、第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設けてもよい。
【0017】
ペルチェ冷却装置4は、2枚の板状部材間に複数のペルチェ素子を配置したペルチェ素子ユニット41と、ペルチェ素子ユニット41に電力を供給する直流電源(不図示)と、ペルチェ素子ユニット41の上面に取り付けたダクト42と、ダクト42に空気を送り込むファン43からなる。
【0018】
ペルチェ素子ユニット41は、冷却した空気が自然に聴力検査室本体1内に降下するように、聴力検査室本体1の上部に形成された開口部13に対向して第1消音ダクト2の壁面の一部を形成するように取り付けられている。
そして、ペルチェ素子ユニット41は直流電源による給電により、下面側となる第1消音ダクト2の内部側が冷却部として機能する。
【0019】
なお、ペルチェ素子ユニット41の設置箇所は、これによって冷却された空気が自然対流によって聴力検査室本体1内に降下するような箇所であれば、その他の箇所であってもよい。
【0020】
ペルチェ素子ユニット41の下面側を冷却部として機能させると、上面側となる第1消音ダクト2の外部側は高温となり、ペルチェ素子ユニット41の冷却機能が低下する。そこで、冷却機能の低下を防止するため、ファン43によってダクト42に空気を送り込むことにより、ペルチェ素子ユニット41の上面側を冷却している。
【0021】
なお、ペルチェ素子ユニット41の上面側の冷却については、その他の方法が考えられる。例えば、ダクト42に替えて消音ダクトを用いてもよい。この場合、消音ダクト内部にファンを配置するようにすればファンの回転に伴う騒音を低減できる。また、ペルチェ素子ユニット41の上面に十分な放熱性能を備える大型の冷却フィンを設ければ、ファン43、ダクト42が不要となり、ファン43の回転に伴う騒音がなくなるので好ましい。
【0022】
以上のように構成した本発明に係る聴力検査室の作用について説明する。
ペルチェ冷却装置4を動作させると、ペルチェ素子ユニット41の下部近傍の空気が冷却される。冷却された空気は重くなり、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0023】
すると、冷却された空気の後を追って第1消音ダクト2の入口開口部2aから外気が流入してくる。この外気もペルチェ冷却装置4によって冷却され、聴力検査室本体1内部に流入する。一方、既に滞留している聴力検査室本体1内部の空気は、聴力検査室本体1内部に入ってくる冷却された空気に押されて、第2消音ダクト3を通って室外に出ていく。
【0024】
従って、ペルチェ冷却装置4を動作させた状態では、聴力検査室本体1内部の空気は、自然対流によって、図2に示す矢印方向に沿って流れるようになる。
【0025】
また、聴力検査室は、一般に病院や補聴器販売店などの空調が効いた室内に設置されるので、夏期には聴力検査室本体1内部も冷房の恩恵に浴することになる。
しかし、検査を進めるうちに、従来の聴力検査室では、少しずつ室内温度が高くなり被検者は不快となるが、本発明に係る聴力検査室では、そのような不都合が生じない。
【0026】
また、本発明に係る聴力検査室では、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25及び/又は第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設けることもできる。吸気ファン25及び/又は排気ファンを設ければ、聴力検査室本体1内の空気を強制的に対流させて急速に冷却することができる。
そして、聴力検査室本体1内が所望な温度になれば、吸気ファン25及び/又は排気ファンの駆動を停止し、その後は自然対流に任せることにより、聴力検査を妨げる騒音のレベルを低くできる。
【0027】
また、一般的なエアコン、即ち、冷媒を圧縮して冷却する方式のエアコンにおいては、熱交換器付近の空気中の水分が凝結することにより水が出るが、ペルチェ冷却装置4においてはこのようなことが無く、水を処理するための排水設備が不要となる。
【0028】
次に、本発明の他の実施の形態に係る聴力検査室では、図4に示すように、出口開口部6bを聴力検査室本体の開口部13に接続させた状態で入口開口部6aが上方に位置する第1消音ダクト6を用いることができる。ペルチェ素子ユニット41は、第1消音ダクト6の中央付近に配置している。なお、他の構成については、図2に示す聴力検査室と同様である。
【0029】
この場合も、ペルチェ冷却装置4を動作させると、ペルチェ素子ユニット41の下部近傍の空気が冷却される。冷却された空気は重くなり、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0030】
すると、冷却された空気の後を追って第1消音ダクト6の入口開口部6aから外気が流入してくる。この外気もペルチェ冷却装置4によって冷却され、聴力検査室本体1内部に流入する。一方、既に滞留している聴力検査室本体1内の空気は、聴力検査室本体1内部に入ってくる冷却された空気に押されて、第2消音ダクト3を通って室外に出ていく。
【0031】
従って、ペルチェ冷却装置4を動作させた状態では、聴力検査室本体1内部の空気は、自然対流によって、図4に示す矢印方向に沿って流れるようになる。
【0032】
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25及び/又は第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設ければ、聴力検査室本体1内の空気を強制的に対流させて急速に冷却することができる。
そして、聴力検査室本体1内が所望な温度になれば、吸気ファン25及び/又は排気ファンの駆動を停止し、その後は自然対流に任せることにより、聴力検査を妨げる騒音のレベルを低くできる。
【0033】
また、図1又は図2に示すように、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設けるのであれば、第1消音ダクト2の中央付近にペルチェ冷却装置4を配置し、常時吸気ファン25を駆動するようにしてもよい。
そうすれば、吸気ファン25によって室外から流入した空気は、ペルチェ冷却装置4によって冷却され、更に冷却された空気は吸気ファン25の吸引力によって室外から流入した空気により押され、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0034】
すると、冷却された空気の後を追って第1消音ダクト2の入口開口部2aから外気が流入してくる。この外気もペルチェ冷却装置4によって冷却され、聴力検査室本体1内部に流入する。一方、既に滞留している聴力検査室本体1内部の空気は、聴力検査室本体1内部に入ってくる冷却された空気に押されて、第2消音ダクト3を通って室外に出ていく。
【0035】
更に、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設けると共に、第2消音ダクト3の出口開口部3bにも排気ファン(不図示)を設けてもよい。
また、第1消音ダクト2の入口開口部2aに吸気ファン25を設ける替りに、第2消音ダクト3の出口開口部3bに排気ファンを設けてもよい。
【0036】
いずれの場合にも、吸気ファン25及び/又は排気ファンの吸引力又は排気力によって第1消音ダクト2の入口開口部2aから室外の空気が流入し、この空気がペルチェ冷却装置4によって冷却され、更に冷却された空気は吸気ファン25及び/又は排気ファンの吸引力又は排気力によって室外から流入した空気により押され、開口部13を通って聴力検査室本体1内部に流入する。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、排水設備を必要とせずに聴力検査室内を冷房できる。また、冷房に伴う騒音レベルが一段と低いので聴力検査のを妨げにならない。
【0038】
請求項2に係る発明によれば、排水設備を必要とせずに聴力検査室内を冷房できる。また、冷房に伴う騒音レベルが一段と低いので聴力検査のを妨げにならない。
【0040】
請求項3に係る発明によれば、排水設備を必要とせずに聴力検査室内を冷房できる。また、急速に聴力検査室内を冷房できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る聴力検査室の斜視図
【図2】聴力検査室本体の縦断面図
【図3】消音ダクトの横断面図
【図4】他の実施の形態に係る聴力検査室本体の縦断面図
【符号の説明】
1…聴力検査室本体、2,6…第1消音ダクト、2a,6a…入口開口部、6b…出口開口部、3…第2消音ダクト、4…ペルチェ冷却装置、25…吸気ファン、41…ペルチェ素子ユニット。
Claims (3)
- 被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクトと前記聴力検査室本体内との接続部近傍の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトを備え、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気が前記聴力検査室本体内の空気を押すことにより、前記聴力検査室本体内の空気が自然対流によって流れることを特徴とする聴力検査室。
- 被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクト内の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトを備え、前記第1消音ダクトを入口開口部が出口開口部より上方に位置するように取り付け、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気が前記聴力検査室本体内の空気を押すことにより、前記聴力検査室本体内の空気が自然対流によって流れることを特徴とする聴力検査室。
- 被検者を入室させて聴力検査を実施する聴力検査室であって、聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第1消音ダクトと、この第1消音ダクトと前記聴力検査室本体内との接続部近傍の空気又は前記第1消音ダクト内の空気を冷却するペルチェ冷却装置と、前記聴力検査室本体内の上部に設けた開口部と室外を連通する第2消音ダクトと、前記第1消音ダクトに吸気ファン及び/又は前記第2消音ダクトに排気ファンを備え、前記ペルチェ冷却装置によって冷却された空気を前記聴力検査室本体内に流入させることを特徴とする聴力検査室。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369643A JP3539683B2 (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 聴力検査室 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369643A JP3539683B2 (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 聴力検査室 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002167990A JP2002167990A (ja) | 2002-06-11 |
JP3539683B2 true JP3539683B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=18839651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000369643A Expired - Fee Related JP3539683B2 (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 聴力検査室 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3539683B2 (ja) |
-
2000
- 2000-12-05 JP JP2000369643A patent/JP3539683B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002167990A (ja) | 2002-06-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004513326A (ja) | 室内空調装置 | |
JP2005172309A (ja) | 送風装置および室用空調システム | |
JP4478004B2 (ja) | 空気調和機 | |
JP3539683B2 (ja) | 聴力検査室 | |
KR100746078B1 (ko) | 공기조화 시스템의 덕트 | |
JP3022831B2 (ja) | 換気装置 | |
JP3855393B2 (ja) | 空気調和装置 | |
JP2925916B2 (ja) | 空気調和機 | |
JP3643660B2 (ja) | 空気調和機 | |
JP4483495B2 (ja) | 睡眠カプセル | |
JP3818379B2 (ja) | 床埋込形エアコン | |
JP2002327945A (ja) | 換気装置 | |
JP3946546B2 (ja) | 換気構造 | |
JPH0754733Y2 (ja) | Oa機器の排熱を吸収する空調パネル | |
JP2760214B2 (ja) | 空気調和機 | |
JP2530293B2 (ja) | 超低騒音形空気調和機 | |
JP4139300B2 (ja) | 室内乾燥装置 | |
JP3110644B2 (ja) | 熱交換形換気扇 | |
JP2568726B2 (ja) | 空調換気扇 | |
JPH0626668A (ja) | 外気処理兼用形ターミナル型空気調和機 | |
JP3898513B2 (ja) | トイレ装置 | |
JP2009058141A (ja) | 建物の空調システム | |
JP3649830B2 (ja) | 空気調和装置 | |
JPH0799271B2 (ja) | 超低騒音型空気調和機 | |
JPH10129476A (ja) | 鉄道車両用空調装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040129 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040316 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040319 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |