JP3539575B2 - 階調再現カーブ決定方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明はプリンタの較正（カリブレーション）に関し、更に詳細には、測定機器を必要としない階調（トーン）再現カーブを使用するプリンタの較正に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子プリンタは、一般的に、グレイ階調を生成するために標準となるブラック階調及びホワイト階調を生成するだけでなく、グレイ階調も生成できる。プリンタは、入力としてグレイレベルの仕様を受け入れて、対応するグレイ領域を印刷ページに生成する。グレイ領域に対応するこの生成は、黒（ブラック）及び白（ホワイト）ドットの微細なパターンが印刷されるハーフトーン（中間調化）動作によってしばしば行われるが、そのドットは、離れて見たときに、黒及び白のドット数に応じてグレイ階調が変化するように見える。許容されるグレイレベルの仕様は一般的に０から１又は０から２５５等のいくらかある限定範囲にわたって変化する。両極端の色（即ち０と１又は０と２５５）は、白と黒であり、その両極端の間の数で中間グレイ階調を産出する。一方、グレイレベルの仕様は線形的に変化できるが、一般にグレイレベルにおける線形的変化は生じない。代わりに、より明るい階調のグレイが可視的になる前に特定のしきい値がある。同様に、より暗い（ダーク）階調のグレイは、早くから黒に見える。
【０００３】
所望されるグレイスケールを正確に生成するためには、プリンタのグレイレベル仕様と、プリンタによって実際に生成されたグレイレベルの間の対応関係を知らなければならない。階調再現カーブ（ＴＲＣ）は、その対応関係を示す。ＴＲＣが分かれば、プリンタの非線形性を補償できる。
【０００４】
印刷装置の安定性に依存するＴＲＣが、頻繁に変化することもあるし、又は、グレイレベルを生成するために使用されるハーフトーンが変更されることもある。従って、その対応関係を正確に評価するためには、ＴＲＣを頻繁に測定することが必須である。
【０００５】
ＴＲＣを決定するために、グレイレベル仕様のサンプルセットが印刷されると共に、装置によって実際に生成されたグレイレベルが、濃度計等の装置で測定される。次に、測定されたポイント（点）は、ＴＲＣであるカーブへ突き合わされる（あてはめられる）ことができる。
【０００６】
しかしながら、ＴＲＣを決定するこの方法は、グレイレベルを測定するために、濃度計等の特別な器具を必要とする。更に、濃度計の使用結果は、熟練のオペレータによって、正確に評価されることが所望される。特別な器具及び、熟練のオペレータは、必ずしもあらゆるプリンタを使用する場合に得られるとは限らない。
【０００７】
従って、特別な器具の使用及び／又は熟練のオペレータを必要とせずにＴＲＣを決定できることは有利である。
【０００８】
【課題を解決するための手段と作用】
本発明は、プリンタに階調再現カーブを使用するプリンタを較正するための方法を提供する。異なる正確なグレイレベル標準の複数のバンド（帯）と、それに対応する数のプリンタ用のグレイレベル仕様の円滑に増加するシーケンス（列）が、互いに隣接して印刷される。隣接するバンドとシーケンスは比較され、バンドが隣接するグレイレベル仕様と等しく見えるポイントが各バンドに沿って決定される。そのポイント（点）は、図形的に描かれて、そしてプリンタ用の階調再現カーブを形成するようにつながれる。階調再現カーブは、プリンタのグレイレベル仕様と、プリンタによって生成された実際のグレイレベルの間の対応関係を示す。従って、階調再現カーブは、次にプリンタを較正するために使用されるが、その較正は、特別な測定器具を全く使用することなくなされる。本発明の較正方法は、カラープリンタにも使用可能である。
【０００９】
本発明の態様は、プリンタに較正をするために階調再現カーブを決定する方法であって、正確なグレイレベル標準のバンドを提供し、プリンタ用のグレイレベル仕様の円滑に増加するシーケンスを提供し、前記グレイレベル標準の前記バンドを前記グレイレベル仕様の前記シーケンスと比較し、前記グレイレベル標準の前記バンドが前記グレイレベル仕様の前記シーケンスと等しく見える、前記バンドに沿うポイントを決定し、前記ポイントを用いて前記プリンタを較正する。
【００１０】
【実施例】
グレイレベルは、プリンタによる様々な方法で生成される。例えば、グレイレベルは、黒と白のドット（ハーフトーン）の微細なパターンの印刷、黒と白のチェック（格子縞）の目のあらいパターンの印刷、及び黒と白のストライプ（縦縞）の目のあらいパターンの印刷等によって生成されることができる。
【００１１】
黒と白のストライプや、黒と白のチェック等の印刷された目のあらいパターンは標準的な観察距離から観察されると、非常に明白に見えてしまうので、普通の印刷には受け入れられない。一方、非常に離れた観察距離から観察される場合、このような目のあらいパターンは大変正確なグレイレベルを産出できる。その理由は、目のあらいパターンは小さな隔離された黒又は白領域を避け、且つ目のあらいパターンは小さい領域対周囲比を有するからである。
【００１２】
従って、所望されるグレイレベルを正確に生成する目のあらいパターンが見つけられれば、次にプリンタ用の階調再現カーブ上にポイントを見つけるために、プリンタによって標準的に生成されるグレイを、その正確な目のあらいパターングレイレベル標準と対比できる。これが本発明の理論である。
【００１３】
図１に示されているように、このような比較は、目のあらいパターングレイレベル標準（例えば縦縞模様の標準）のバンド１２、１６、２０、２４、２８、３２、３６、４０、４４、４８、及び５２に接するグレイレベル仕様の円滑に増加するシーケンス１４、１８、２２、２６、３０、３４、３８、４２、４６、５０、及び５４を印刷することによってなされる。シーケンスとバンドは、グレイレベル仕様の円滑に増加する１つのシーケンスが、グレイレベル標準の１つのバンドと隣接するように印刷される。
【００１４】
離れて図１を観察すると、パターンが色がグレイに現れる。シーケンス１４、１８、２２、２６、３０、３４、３８、４２、４６、５０、及び５４中の変化グレイレベルは、その対応する標準１２、１６、２０、２４、２８、３２、３６、４０、４４、４８、及び５２よりも明るい所から、その標準よりも暗い所へ進行しているように見える。隣接対（例えば、対２４と２６）毎に、グレイが等しく見えるポイントが決定できる。このような決定は主観的（例えば視覚的）又は客観的に行われる。交差ポイントの位置はプリンタにおけるどのグレイレベル仕様が目のあらいパターン標準と同じグレイを提供するかの指示を提供する。
【００１５】
図１には、プリンタの黒色分離の較正のために使用される本発明の技術が示されている。特定のプリンタの場合、幅が少なくとも２種類のピクセルからなる縦縞（ストライプ）が、正確なグレイレベルを生成することがわかった。図１は、１．０、０．９、０．７５、０．６７、０．６、０．５、０．４、０．３３、０．２５、０．１及び０のグレイレベル用のストライプパターンに対してハーフトーンのグレイレベル仕様を比較するテストチャートを示す。そのテストチャートより、各グレイレベル毎に、グレイレベル仕様と目の荒いパターン標準の各隣接対に対してグレイが同じに見えるポイント（点）が決定される。次に、周知の補間技法を用いて、それらの測定された間にあるグレイレベルでＴＲＣに対する近似値を見つける。
【００１６】
図２、プリンタ用の輝度のグラフ（即ちＴＲＣ）に示されているように、グレイレベルのそれぞれに対するポイントは、グラフで示せる。これらのポイントは、円形ポイントとしてグラフで示されている。更に図２には、グレタッグ（Gretag) 比色計で測定されたプリンタ用の輝度も示す。図示されているように、本発明の交差ポイントによって測定された輝度は、グレタッグ比色計で測定された輝度に大変きっちりと接近している。従って、本発明は、特別な器具の使用をまったく必要とせずに正確なＴＲＣを決定できる。更に、交差ポイントをつなぐことによって、特定のプリンタ用のＴＲＣを決定できる。
【００１７】
本発明は、グレイレベル標準の複数のバンドと、その数に対応する数のグレイレベル仕様の円滑に増加するシーケンスの隣接する印刷を開示しているが、標準及び仕様を提供する他の方法が行われてもよい。例えば、グレイレベル標準のテンプレートが提供され、そのテンプレートはグレイレベル仕様と隣接して配置されることができる。従って、グレイレベル標準は繰り返し印刷される必要はない。
【００１８】
本発明は、特定の実施例と共に記載されているが、多くの変更態様及び変形は当業者に明白であることは明らかである。例えば、本発明は黒と灰色の較正に関して論述されたが、他の色分離のための階調再現カーブ（ＴＲＣ）を見つけるためにも使用できる。例えば、黒インクの代わりにシアンインクを用いてパターンを印刷して比較できる。ついで、本発明によって決定される交差ポイントはシアンレベルの表示（インデックス）がシアンの適用範囲の特定量を生成するために必要とされることを示している。従って、本明細書中で明らかにされたように、本発明の好適な実施例は、例証することを意図しており、それに限定する訳ではない。様々な変更は、クレームで定義される本発明の精神及び範囲にから逸脱することなく行うことができる。
【００１９】
【発明の効果】
本発明は、特別な器具の使用及び／又は熟練オペレータを必要とせずにＴＲＣを決定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】グレイレベル仕様のハーフトーンシーケンスとグレイレベル標準のストリップバンドを比較するプリンタテストチャートの写真である。
【図２】比色計と図１のテストチャートに示される公差点の両方で測定されたプリンタの輝度のグラフである。

Claims (4)

1. プリンタを較正するために階調再現カーブを決定する方法であって、
   複数のグレイレベル標準のバンドを提供し、各バンドは異なるグレイレベル値を有し、
   プリンタを用い対応する複数のグレイレベル仕様の円滑に増加するシーケンスをプリントし、対応する複数のシーケンスの各々は複数のバンドの対応する１つに隣接し、対応するバンドより低いグレイレベル値から対応するバンドより高いグレイレベル値へ円滑に増加し、
   複数のグレイレベル標準のバンドの各々を複数のグレイレベル仕様のシーケンスの対応する１つと視覚的に比較し、
   対応するバンドと等しく見えるシーケンスのポイントを視覚することにより決定し、
   決定されたポイントを用いて前記プリンタを較正する、
   ことを含み、
   グレイレベル標準のバンドは、所定の模様に基づいて形成されることにより、各々異なるグレイレベル値を有する、
   階調再現カーブ決定方法。
2. 前記所定の模様は、格子模様或いは縞模様の何れか一方である、請求項１記載の階調再現カーブ決定方法。
3. グレイレベル標準のバンドの各々と、対応するグレイレベル仕様のシーケンスとは長手方向の長さが略等しい、請求項１記載の階調再現カーブ決定方法。
4. 前記プリンタを用い、グレイレベル標準のバンドの各々と、対応するグレイレベル仕様のシーケンスとを共に、互いに隣接するようにプリントする、請求項１記載の階調再現カーブ決定方法。

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