JP3539220B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生室の一壁面を構成する弾性板の表面に圧電振動子を形成し、この圧電振動子の変位により圧力発生室と連通するノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びこの記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を弾性板で構成し、この弾性板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電振動子を使用したものと、たわみ振動モードの圧電振動子を使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電振動子の端面を弾性板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電振動子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電振動子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で弾性板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるように、弾性板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案させている。
【0006】
これによれば圧電素子を弾性板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電振動子を作り付けることができるばかりでなく、圧電振動子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。なお、この場合、圧電材料層は弾性板の表面全体に設けたままで少なくとも上電極のみを各圧力発生室毎に設けることにより、各圧力発生室に対応する圧電振動子を駆動することができる。
【0007】
このようなたわみモードの圧電振動子を使用した記録ヘッドでは、各圧力発生室に対応する圧電振動子は絶縁体層で覆われ、この絶縁体層には各圧電振動子を駆動するための電圧を供給する導電体パターンとの接続部を形成するために窓(以下、コンタクトホールという)が各圧力発生室に対応して設けられており、各圧電振動子と導電体パターンとの接続部がコンタクトホール内に形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、各圧力発生室に対応する圧電振動子と導電体パターンとの接続部が形成されるコンタクト部は、圧電振動子の駆動により大きな応力が発生し易く、クラック、破壊が発生する虞があるという問題がある。
【0009】
また、コンタクト部は、導電パターンとの接続部が接続されているため、電圧印加による変位が他の部分と比較して小さくなるが、それにもかかわらず、コンプライアンスが他の部分と比較して小さくないので、吐出速度低下、駆動電圧上昇をもたらすという問題がある。
【0010】
これらの問題は、特に、圧電材料層を成膜技術で形成した場合に問題となる。すなわち、成膜技術で形成した圧電材料層は非常に薄いため、圧電素子を貼付したものに比較して剛性が低いためである。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑み、コンタクト部での応力集中によるクラック、破壊等を防止し、コンタクト部の変位効率低下を防止することができるインクジェット式記録ヘッドを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する弾性板と、該弾性板上に形成された圧電素子とを備えた圧電振動子を有し、該圧電振動子の圧電体能動部を前記圧力発生室と対向するよう形成したインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記圧電体能動部は、前記圧力発生室の幅より狭く形成され、且つ前記圧電素子の上電極の上面に、当該上電極に電圧を印加するためのリード電極との接続部であるコンタクト部を有し、前記圧力発生室に対向する前記弾性板の前記コンタクト部に対応する部分が、前記弾性板の他の部分と比較して、前記圧電素子へ電圧が印加されることによって生じる変形がし難くなっていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0013】
かかる第1の態様では、コンタクト部に対応する部分の弾性板の変位が他の部分と比較して小さいので、コンタクト部に対応する圧電体層にかかる応力が低減され、破壊する虞が低減される。
【0014】
本発明の第2の態様では、第1の態様において、前記上電極の上面には絶縁体層が形成され、該絶縁体層には前記リード電極と前記上電極との前記コンタクト部を形成するための窓であるコンタクトホール部を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0015】
かかる第2の態様では、絶縁体層のコンタクトホール部に対応する部分の圧電振動子の変位が他の部分と比較して小さいので、コンタクト部に対応する圧電体能動部にかかる応力が低減され、破壊する虞が低減される。
【0016】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧電体能動部の幅が、他の領域と比較して狭いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0017】
かかる第3の態様では、コンタクト部に対応する部分の圧電体能動部の幅が小さいので、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減される。
【0018】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧力発生室の幅が、他の部分と比較して狭いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0019】
かかる第4の態様では、コンタクト部に対応する部分の圧力発生室の幅が小さいので、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減され、また、コンタクトホール部のコンプライアンスが小さくなり、全体として吐出速度が向上する。
【0020】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記弾性板の、前記コンタクト部に対応する部分の厚さが、他の部分と比較して厚いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0021】
かかる第5の態様では、コンタクト部に対応する部分の弾性板の厚さが他の部分より厚いので、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減される。
【0022】
本発明の第6の態様は、第1〜4の何れかの態様において、弾性板の、前記コンタクト部に対応する部分の厚さが、前記圧力発生室の外壁近傍部分の厚さよりも厚いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0023】
かかる第6の態様では、コンタクト部に対応する変位部である弾性板の厚さが他の部分より厚いので、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減される。
【0024】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電振動子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0025】
かかる第7の態様では、高密度のノズル開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比較的容易に製造することができる。
【0026】
本発明の第8の形態では、第1の態様において、前記コンタクト部に対応する部分が、圧電体非能動部であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0027】
かかる第8の態様では、コンタクト部に対応する部分が圧電歪みを生じないので、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減される。
【0028】
本発明の第9の態様では、第8の態様において、前記圧電体非能動部が、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧電素子の下電極を除去して形成されている特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0029】
かかる第9の態様では、コンタクト部に対応する部分の下電極が除去されているためコンタクト部において圧電歪みを生じることがなく、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減される。
【0030】
本発明の第10の態様では、第8の態様において、前記圧電体非能動部が、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧電素子の下電極と圧電体層の間、または前記圧電素子の圧電体層と上電極の間に低誘電体層を介在して形成されている特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0031】
かかる第10の態様では、コンタクト部に対応する部分の下電極と圧電体層の間、または圧電体層と上電極の間に低誘電体層を形成したので、コンタクト部において圧電歪みを生じることがなく、コンタクト部の駆動による変位が他の部分と比較して小さく、結果として応力の発生が小さくなり、破壊等の虞が低減される。
【0032】
本発明の第11の態様では、第1〜10の態様の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0033】
かかる第11の態様では、ヘッドの耐久性の優れたインクジェット式記録装置を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を一実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0035】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドを示す組立斜視図であり、図2は、その1つの圧力発生室の長手方向における断面構造を示す図である。
【0036】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板10としては、通常、150〜300μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは180〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
【0037】
流路形成基板10の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0038】
流路形成基板10の開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
【0039】
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われるものである。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
【0040】
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。
【0041】
一方、各圧力発生室12の一端に連通する各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより形成されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
【0042】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要がある。
【0043】
また、各圧力発生室12と後述する共通インク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室12の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク供給連通口21を介して連通されており、インクはこのインク供給連通口21を介して共通インク室31から供給され、各圧力発生室12に分配される。
【0044】
封止板20は、前述の各圧力発生室12に対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室12のインク供給側端部の近傍を横断する一のスリット孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであってもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板20は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
【0045】
共通インク室形成基板30は、共通インク室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、インク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしている。
【0046】
インク室側板40は、ステンレス基板からなり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成するものである。また、インク室側板40には、他方の面の一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成することにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのインク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されている。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生するノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するためのもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mmの薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
【0047】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.5μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、弾性膜50上に圧電素子を構成している。ここで、圧電素子は、下電極膜60、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここでは、パターニングされた何れか一方の電極及び圧電体膜70から構成され、上電極及び下電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。いずれの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されることになる。
【0048】
なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜60が弾性板として作用するが、下電極膜60を圧電体膜70と同様の形状パターニングし、弾性膜50のみを弾性板として作用させることや、下電極膜が弾性膜を兼ねて弾性板とすることも可能である。
【0049】
この様な、前記圧電素子及び弾性板によって構成される部分を、本願明細書において圧電振動子という。
【0050】
ここで、本実施形態では、圧電体膜70及び上電極膜80の後述する絶縁体層90のコンタクトホール90aに対応する部分を他の部分より幅狭となる幅狭部70a及び幅狭部80aとしている。
【0051】
そして、かかる各上電極膜80の上面の少なくとも周縁、及び圧電体膜70の側面を覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90が形成されている。絶縁体層90は、成膜法による形成やまたエッチングによる整形が可能な材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、有機材料、好ましくは剛性が低く、且つ電気絶縁性に優れた感光性ポリイミドで形成するのが好ましい。
【0052】
絶縁体層90の各上電極膜80の幅狭部80aに対応する部分の上面を覆う部分の一部には後述する導電パターン100と接続するために上電極膜80の幅狭部80aの一部を露出させるコンタクトホール90aが形成されている。そして、このコンタクトホール90aを介して各上電極膜80に一端が接続し、また他端が接続端子部に延びる導電パターン100が形成されている。導電パターン100は、駆動信号を上電極膜80に確実に供給できる程度に可及的に狭い幅となるように形成されている。
【0053】
ここで、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセスを図4及び図5を参照しながら説明する。
【0054】
図4(a)に示すように、まず、流路形成基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜50を形成する。
【0055】
次に、図4(b)に示すように、スパッタリングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリングやゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電極膜70の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合には、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望ましく、これらの理由からPtが好適である。
【0056】
次に、図4(c)に示すように、圧電体膜70を成膜する。この圧電体膜70の成膜にはスパッタリングを用いることもできるが、本実施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いている。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好適である。
【0057】
次に、図4(d)に示すように、上電極膜80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料であればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、Ptをスパッタリングにより成膜している。
【0058】
次に、図4(e)に示すように、各圧力発生室12それぞれに対して圧電振動子を配設するように、上電極膜80及び圧電体膜70のパターニングを行う。図4(e)では圧電体膜70を上電極膜80と同一のパターンでパターニングを行った場合を示しているが、上述したように、圧電体膜70は必ずしもパターニングを行う必要はない。これは、上電極膜80のパターンを個別電極として電圧を印加した場合、電界はそれぞれの上電極膜80と、共通電極である下電極膜60との間にかかるのみで、その他の部位には何ら影響を与えないためである。しかしながら、この場合には、同一の排除体積を得るためには大きな電圧印加が必要となるため、圧電体膜70もパターニングするのが好ましい。また、この後、下電極膜60をパターニングして不要な部分を除去する。
【0059】
次いで、図5(a)に示すように、上電極膜80の周縁部及び圧電体膜70の側面を覆うように絶縁体層90を形成する。この絶縁体層90の好適な材料は上述した通りであるが、本実施形態ではネガ型の感光性ポリイミドを用いている。
【0060】
次に、図5(b)に示すように、絶縁体層90をパターニングすることにより、各圧力発生室12のインク供給側の端部近傍に対応する部分にコンタクトホール90aを形成する。このコンタクトホール90aは、後述するリード電極としての導電体パターン100と上電極膜80との接続をする接続部を形成するためのものである。なお、コンタクトホール90aは、圧力発生室12の他の部分、例えば、中央部やノズル側端部に設けてもよい。
【0061】
次に、例えば、Cr−Auなどの導電体を全面に成膜した後、パターニングすることにより、導電体パターン100を形成する。
【0062】
以上が膜形成プロセスである。このようにして膜形成を行った後、図5(c)に示すように、前述したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。なお、以上説明した一連の膜形成及び異方性エッチングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、分割した流路形成基板10を、封止板20、共通インク室形成基板30、及びインク室側板40と順次接着して一体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0063】
このように構成したインクジェットヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口42からインクを取り込み、共通インク室31からノズル開口11に至るまで内部をインクで満たし後、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、導電パターン100を介して下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口11からインク滴が吐出する。
【0064】
ここで、本実施形態における圧電振動子及び圧力発生室12との形状を図6に示す。
【0065】
図6に示すように、本実施形態では、圧電体膜70及び上電極膜80は、コンタクトホール90aが形成される部分が、他の部分より幅狭の幅狭部70a及び80aとなり、また他の部分が圧力発生室12の形状にほぼ対応するようにパターニングされている。この幅狭部80a上には絶縁体層90のコンタクトホール90aが形成され、このコンタクトホール90a内で導電パターン100との接続部が形成されている。
【0066】
このように本実施形態では、リード電極である導電体パターン100との接続部を形成するコンタクトホール90aの部分の圧電体膜及び上電極膜が形成された圧電体能動部の幅が他の部分より幅狭となっているので、当該コンタクトホール90aに対応する部分のたわみ量が小さくなり、圧電体膜70a及び上電極膜80aにかかる応力が低減され、クラック、破壊等の発生する虞が小さくなる。
【0067】
(実施形態2)
図7には、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの圧電振動子及び圧力発生室の形状を示す。
【0068】
本実施形態は、実施形態1の圧電体膜70の幅狭部70a及び上電極膜80の幅狭部80aを設ける代わりに、圧力発生室12のコンタクトホール90aに対応する部分に幅狭部12bを設けたこと以外は、実施形態1と同様な構成である。
【0069】
すなわち、圧力発生室12の一部に幅狭部12bを設ける一方、圧電体膜70及び上電極膜80は、圧力発生室12の全体に亘って同一の幅で形成し、幅狭部12bに対応する部分に絶縁体層90のコンタクトホール90aを形成するようにした。
【0070】
従って、コンタクトホール90aを介して圧電振動子に電圧を印加した際に、圧力発生室12の幅狭部12bに対応する部分、すなわち、コンタクトホール90aを介しての導電体パターン100との接続部の部分の変位が小さくなる。この結果、コンタクトホール90aに対応する部分の圧電体膜70及び上電極膜80の応力が低減され、クラック、破壊等の虞が小さくなる。また、コンタクトホール90aに対応する部分のコンプライアンスが小さくなり、吐出速度が向上する。
【0071】
(実施形態3)
図8には、本発明の実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッドの圧電体振動子及び圧力発生室の形状を示す。
【0072】
本実施形態は、実施形態1及び実施形態2を合わせたものであり、圧力発生室12のコンタクトホール90aに対応する部分に幅狭部12bを設けると共に、圧電体膜70及び上電極膜80には幅狭部70a及び80aを設けたものであり、他は上述した実施形態1及び2と同様な構成である。
【0073】
すなわち、圧力発生室12のインク供給側端部近傍に幅狭部12bを設け、また、幅狭部12bに対応する圧電体膜70及び上電極膜80を他の部分より幅狭に形成して幅狭部70a及び80aとし、幅狭部12bに対応する部分に絶縁体層90のコンタクトホール90aを形成するようにした。
【0074】
従って、コンタクトホール90aを介して圧電振動子に電圧を印加した際に、圧力発生室12の幅狭部12bに対応する部分、すなわち、コンタクトホール90aを介しての導電体パターン100との接続部の部分の変位がさらに小さくなる。この結果、コンタクトホール90aに対応する部分の圧電体膜70及び上電極膜80に応力が低減され、クラック、破壊等の虞がさらに小さくなる。また、コンタクトホール90aに対応する部分のコンプライアンスが小さくなり、吐出速度が向上する。
【0075】
(実施形態4)
図9に、本発明の実施形態4に係るインクジェット式記録ヘッドの圧電振動子及び圧力発生室の形状を示す。
【0076】
本実施形態は、圧電振動子の弾性板となる弾性膜50及び下電極膜60の厚さを、コンタクトホール90aに対応する部分と、その他の部分とで異なるようにし、コンタクトホール90aに対応する部分を相対的に変形し難くしたものである。
【0077】
すなわち、圧力発生室12に対向する下電極膜60のうち、コンタクトホール90aに対応する部分以外(図9(a)で斜線で示す)の下電極膜60の厚さを薄くし、薄肉部60aを形成し、この上に圧電体膜70及び上電極膜80を形成した。なお、下電極膜60の薄肉部60aは、イオンミリング等により容易に形成することができる。
【0078】
従って、圧電振動子への電圧印加により、コンタクトホール90aに対応する部分以外の変形が容易になり、逆に、コンタクトホール90aに対応する部分の変形が相対的に小さくなるので、応力の発生が小さくなり、クラック、破壊等の虞が小さくなる。また、本実施形態では、コンタクトホール90a以外の部分の絶縁体層90を除去することにより、さらに変位量の増大化を図っている。
【0079】
なお、本実施形態では、圧力発生室12にほぼ対向し且つコンタクトホール90aに対応する部分以外の下電極膜60の厚さを薄くしたが、弾性板を薄くして変形を容易にするという趣旨からは、図10に示すように、圧力発生室12の周縁部に対向する部分のみに薄肉部60bを形成してもよい。なお、この場合にも、コンタクトホール部90a以外の部分の絶縁体層90を除去することにより、さらに変位量の増大化を図っている。
【0080】
何れにしても、圧電振動子による変形に最も関係する周縁部近傍を少なくとも薄くすればよい。従って、圧力発生室12の周縁から若干外側まで薄くするのが好ましく、隣接する圧力発生室12の薄肉部60bと連続するようにしてもよい。
【0081】
また、下電極膜60ではなく、弾性膜50に、または弾性膜50及び下電極60の両者に薄肉部を形成してもよい。勿論、弾性板として、下電極のみを設け、この下電極に薄肉部を形成してもよい。
【0082】
(実施の形態5)
図11に、本発明の実施形態5に係るインクジェット式記録ヘッドの形状を示す。
【0083】
本実施形態は、コンタクトホール90aに対応する部分を、圧電体非能動部とすることにより、コンタクトホール90aに対応する部分を相対的に変形し難くしたものである。
【0084】
すなわち、少なくともコンタクトホール90aに対応する部分の下電極膜60の一部を除去することにより下電極除去部60aを形成し、この部分を電圧の印加によって圧電歪みが生じない圧電体非能動部としたものである。
【0085】
この実施形態によれば、電圧の印加によりコンタクトホール90aに対応する部分が圧電歪みを起こすことが無いので、コンタクトホール90aに対応する部分を相対的に変形し難くすることができる。
【0086】
また、本実施の形態の如く圧電体非能動部を形成して、コンタクトホール90aに対応する部分を相対的に変形し難くする方法としては、図12(a)、(b)に示すようにコンタクトホール90aに対応する部分に低誘電体層を形成することにより実現することができる。
【0087】
すなわち、図12(a)の如くコンタクトホール90aに対応する下電極60と圧電体膜70の間に低誘電体層95aを形成して、低誘電体層形成領域を圧電体非能動部としたり、図12(b)の如くコンタクトホール90aに対応する圧電体膜70と上電極90の間に低誘電体層95bを形成して、低誘電体層形成領域を圧電体非能動部とすることにより、コンタクトホール90aに対応する部分を相対的に変形し難くすることができる。
【0088】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0089】
例えば、上述した封止板20の他、共通インク室形成板30をガラスセラミックス製としてもよく、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラスセラミックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自由である。
【0090】
また、上述した実施形態では、ノズル開口を流路形成基板10の端面に形成しているが、基板面に垂直な方向にインクが吐出するノズル開口を形成してもよい。
【0091】
このように構成した実施形態の分解斜視図を図13、その流路の断面を図14にぞれぞれ示す。この実施形態では、ノズル開口11が圧電振動子とは反対のノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11と圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封止板20,共通インク室形成板30及び薄肉板41A及びインク室側板40Aを貫通するように配されている。
【0092】
なお、本実施形態は、その他、薄肉板41Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板40に開口40bを形成した以外は、基本的に上述した実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0093】
ここで、この実施形態においても、実施形態1と同様に、絶縁体層90のコンタクトホール90aに対応する部分の圧電体膜70及び上電極膜80に幅狭部70a及び80aを設けてある。これにより、コンタクトホール90aに対応する部分が他の部分と比較して変形し難くなり、上述した実施形態1と同様な効果を奏する。勿論、実施形態2〜4の構成を適用してもよい。
【0094】
また、以上説明した各実施形態は、成膜及びリソグラフィプロセスを応用することにより製造できる薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本発明を採用することができる。
【0095】
さらに、上述した各実施形態では、弾性板として下電極膜とは別に弾性膜を設けたが、下電極膜が弾性膜を兼ねるようにしてもよい。
【0096】
また、圧電振動子とリード電極との間に絶縁体層を設け、コンタクトホール部を形成した例を説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続したり、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
【0097】
このように、本発明は、その趣旨に反しない限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応用することができる。
【0098】
また、これらの各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等のインク供給手段からのインクが、インク供給路を介して供給されるようにインクジェット式記録装置に搭載して用いられる。図15は、この様なインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0099】
図15に示すように、インクジェット式記録ヘッド及びインク供給路としてのインク供給針を備えた記録ヘッドユニット1A及び1Bは、内部にインクが充填されたインクカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に構成されている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bはキャリッジ3に搭載され、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5の軸方向に移動自在に構成されている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えばそれぞれブラックインク、複数色のカラーインクを吐出するものとしている。
【0100】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動する。一方装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き付けられて搬送されるようになっている。
【0101】
この様なインクジェット記録装置は、コンピュータなどの出力装置のみならず、ファクシミリ、ワープロ等の記録装置部を備えたシステムに広く応用可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、圧力発生室に対向する前記圧電振動子の前記コンタクトホール部に対応する部分が、他の部分と比較して、電圧印加により変形し難くなっているので、駆動によるクラック、破壊等の虞がないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図である。
【図3】図1の封止板の変形例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1の要部を示す平面図である。
【図7】本発明の実施形態2を説明する要部平面図である。
【図8】本発明の実施形態3を説明する要部平面図である。
【図9】本発明の実施形態4を説明する要部平面図である。
【図10】本発明の実施形態4を変形例を示す要部平面図である。
【図11】本発明の実施形態5を説明する圧力発生室長手方向の断面図である。
【図12】本発明の実施形態4の変形例を示す圧力発生室長手方向の断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドを示す断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係わるインクジェット式記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板
11 ノズル開口
12 圧力発生室
12b 幅狭部
50 弾性膜
60 下電極膜
60a 薄肉部
70 圧電体膜
70a 幅狭部
80 上電極膜
80a 幅狭部
90 絶縁体層
90a コンタクトホール
100 導電体パターン
Claims (11)
- ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する弾性板と、該弾性板上に形成された圧電素子とを備えた圧電振動子を有し、該圧電振動子の圧電体能動部を前記圧力発生室と対向するよう形成したインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記圧電体能動部は、前記圧力発生室の幅より狭く形成され、且つ前記圧電素子の上電極の上面に、当該上電極に電圧を印加するためのリード電極との接続部であるコンタクト部を有し、
前記圧力発生室に対向する前記弾性板の前記コンタクト部に対応する部分が、前記弾性板の他の部分と比較して、前記圧電素子へ電圧が印加されることによって生じる変形がし難くなっていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 請求項1において、前記上電極の上面に絶縁体層が形成され、該絶縁体層に前記コンタクト部を形成するための窓であるコンタクトホール部を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1又は2において、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧電体能動部の幅が、他の領域と比較して狭いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧力発生室の幅が、他の部分と比較して狭いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記弾性板の、前記コンタクト部に対応する部分の厚さが、他の部分と比較して厚いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記弾性板の、前記コンタクト部に対応する部分の厚さが、前記圧力発生室の外壁近傍部分の厚さよりも厚いことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電振動子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1において、前記コンタクト部に対応する部分が、圧電体非能動部であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項8において、前記圧電体非能動部が、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧電素子の下電極を除去して形成されている特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項8において、前記圧電体非能動部が、前記コンタクト部に対応する部分の前記圧電素子の下電極と圧電体層の間、または前記圧電素子の圧電体層と上電極の間に低誘電体層を介在して形成されている特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1〜10の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置。
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-
1998
- 1998-07-08 JP JP19332698A patent/JP3539220B2/ja not_active Expired - Lifetime
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