JP3539210B2 - ヘッド交換式切削工具及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシャンク部に対してヘッド部を着脱交換可能に装着したヘッド交換式切削工具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の切削工具の一例として、図10及び図11に示すようなボーリングバーがある。
このボーリングバー1は、図示しないマシニングセンタなどに保持されるシャンク部2に対してスローアウェイチップ3が取り付けられたヘッド部4が着脱交換可能に嵌合されて形成されている。この場合、シャンク部2は例えば剛性が高く高価な超硬合金で形成され、ヘッド部4は切屑の擦過などで摩耗や損傷しやすいために低廉なスチール等を用いて着脱交換可能とされている。
またヘッド部4を交換可能とすることで異なる種類の切刃を備えたヘッド部を装着できるようにしている。
このようなボーリングバー1のヘッド部4とシャンク部2の嵌合部5の構造は、例えばシャンク部2の先端面6の中央部に形成された凸部6aを角柱形状に形成すると共に、ヘッド部4の基端面7の穴部7aを角柱状凹部に形成して、凸部6aを穴部7aに嵌合させて先端面6と基端面7を当接させた状態でその周囲をろう付けするようになっている。
或いは、凸部6aを略円柱状に形成して雄ねじを切り、穴部7aを略円柱状の凹部に形成して凸部6aの雄ねじと螺合する雌ねじを形成して嵌合するようにしていた。
また他の嵌合構造として、凸部6aと穴部7aを焼き嵌めしたものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような嵌合部5の構造では、スローアウェイチップ3の切刃で回転する被削材の穴加工を行う際、切削抵抗の主分力が切刃に略直交する方向にかかり、これを主として凸部6a及び穴部7aで受けるために比較的剛性の小さい鋼製のヘッド部4にかかる負荷が大きく、前者の場合には角柱状の穴部7aの角に亀裂が入り、後者の場合には雌ねじと雄ねじの螺合部分が損傷しやすい等の欠点があり、ボーリングバー1の剛性が小さく、工具寿命が短かった。
また焼き嵌めの場合においても、ヘッド部4の穴部7aを加熱して凸部6aに嵌合した後、穴部7aが常温まで温度低下して収縮すると、収縮誤差によってヘッド部4の基端面7がシャンク部2の先端面6から離間することがあり、そのためにボーリングバー1の保持強度と剛性が小さく、工具寿命が短かった。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、工具の剛性が高く工具寿命を向上できるヘッド交換式切削工具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるヘッド交換式切削工具は、切刃を備えたヘッド部とシャンク部とが嵌合されてなり、前記ヘッド部を交換可能としたヘッド交換式切削工具において、前記ヘッド部とシャンク部の一方に軸部とテーパ面を備え、他方に前記軸部に嵌合する穴部と前記テーパ面に嵌合するテーパ状部とを備え、
前記テーパ部が前記工具本体の中心軸線に対して傾斜させられると共に、 前記軸部と穴部、前記テーパ面とテーパ状部のそれぞれ少なくともいずれか一方に締め代が設けられ、前記軸部と前記穴部の一方にはキーが設けられ、他方には前記キーに嵌合するキー溝が形成されているともに、前記キー溝の長手方向の面である側面が前記切刃の前切刃と略平行となるように形成されていることを特徴とする。
ヘッド部とシャンク部とを焼き嵌め嵌合して構成されているために、軸部と穴部、そしてテーパ面とテーパ状部が締め代圧によってそれぞれ押圧固定され、しかも2面で互いに拘束されるために互いの保持強度が高く、工具剛性が向上する。また切削抵抗による送り分力と主分力を受けて動剛性も向上する。
【0006】
また軸部と穴部の一方にキーが設けられ、他方にキーに嵌合するキー溝が形成されていてもよい。
切刃による切削抵抗の主分力や送り分力がヘッド部を捻るようにかかっても、互いに嵌合するキーとキー溝によってその一部を受けることができて切削時の回転防止機能と工具の動剛性を強化でき、焼き嵌めによる二面拘束とキー及びキー溝嵌合とでシャンク部とヘッド部の一体化を高めて工具剛性を向上できる。
また、キー及びキー溝は、ヘッド部の切刃にかかる切削抵抗の主分力に略直交する方向に延在するようにしてもよい。
特にボーリングバーなどの旋削工具においては、工作機械等へのシャンク部の取り付け位置に対して切刃の位置決めをキーとキー溝とによって行うことができ、また切削抵抗の主分力を略直交する方向に配置されたキー及びキー溝で受けることになるために切削時の動剛性が一層向上する。
【0007】
本発明によるヘッド交換式切削工具の製造方法は、切刃を備えたヘッド部とシャンク部とが嵌合されてなり、前記ヘッド部を交換可能としたヘッド交換式切削工具において、前記ヘッド部とシャンク部の一方に軸部とテーパ面を備え、他方に前記軸部に嵌合する穴部と前記テーパ面に嵌合するテーパ状部とを備え、前記軸部と穴部、前記テーパ面とテーパ状部のそれぞれ少なくともいずれか一方に締め代が設けられていて、前記軸部と穴部の一方にはキーが設けられ、他方には前記キーに嵌合するキー溝が形成されているともに前記キー溝の長手方向の面である側面が前記切刃の前切刃と略平行となるように形成され、前記穴部及び前記テーパ状部を加熱して前記軸部及び前記テーパ面と焼き嵌めするとともに前記キーと前記キー溝とを嵌合することを特徴とする。
穴部と軸部、そしてテーパ状部とテーパ面をそれぞれ焼き嵌めすることで締め代圧によって二面拘束することができ、工具の剛性を高めることができる。尚、焼き嵌めに際して、同時に軸部及びテーパ面を常温より冷却することとすれば、嵌合がより容易且つ確実になる。
【0008】
また、穴部及びテーパ状部を軸部及びテーパ面に焼き嵌めする際、テーパ状部は収縮が進行する状態でテーパ面に嵌合させるようにしてもよい。
常温に戻った際に収縮寸法の誤差が生じることがあるが、テーパ状部とテーパ面は、ずれた状態でもずれが締め代寸法の範囲内であれば互いに当接して締め代圧が作用するから、両者の間に隙間が形成されることなく面拘束を確保できる。
尚、穴部と軸部の一方にキーが設けられ、他方にキーと嵌合するキー溝が設けられていることで焼き嵌め時に嵌合でき、切刃の位置決めと切削抵抗に対する回転防止機能が働き、工具剛性が一層向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面により説明する。図1乃至図5は第一の実施の形態によるボーリングバーに関するものであり、図1はボーリングバーの一部を断面で示す要部平面図、図2は図1に示すボーリングバーのB−B線断面図、図3は図1に示すボーリングバーのC部拡大図、図4はシャンク部を示すもので、(a)は側面図、(b)は底面図、図5はヘッド部を示すもので、(a)は側面図、(b)は底面図である。
図1乃至図3に示すボーリングバー10は、シャンク部11とヘッド部12が嵌合部13で焼き嵌め嵌合されて一体化されてなるものである。
特に図4に示すシャンク部11は例えば超硬合金で構成され、略円柱状で、その外周面11aには図示しないマシニングセンタ等の工作機械に所定位置で保持されるための平面状の保持部14が長手方向に沿って形成されている。
嵌合部13の一方を成すシャンク部11の(ヘッド部12側の)先端部15には、外周面11aより小径とされた同心で略円柱状の軸部16が形成され、この軸部16は円筒形状の周面16aと円形の先端面16bとを有し、先端面16bには略板状のキー17が突出形成されている。キー17はその長手方向の側面17aが保持面14と略平行な位置に設けられ、ヘッド部12の切刃の位置決めに用いられる。
また軸部16と外周面11aとの間にはテーパ面18がリング状に形成されている。テーパ面18の傾斜角度θはシャンク部11の中心軸Oに対する適宜の鋭角とされ、90°に近い角度の方が好ましい(図3及び図4参照)。
【0010】
特に図5に示すヘッド部12は例えばスチール製とされ、略円柱状に形成されると共に先端部が切り欠かれて凹部20とされ、その先端角部に凹状のチップ取付座21が形成されてスローアウェイチップ22がボルト等で固定されている。スローアウェイチップ22の上面23の先端側の稜辺は前切刃23aと横切刃23bとされている。
ヘッド部12の基端部25は嵌合部13の他方をなし、基端部25にはシャンク部11の軸部16を焼き嵌め嵌合するための同心状に形成された略円筒状の穴部26が形成されている。この穴部26はヘッド部12の外周面をなす円筒部によって概略構成され、内周面26aと底面26bとを備え、底面26bにはシャンク部11のキー17と嵌合するキー溝27が形成されている。また穴部26の開口部をなす自由端部は断面テーパ状とされたリング状のテーパ状部28が形成されている。
このテーパ状部28は図3に示すようにシャンク部11のテーパ面18と焼き嵌め嵌合されており、テーパ状部28の中心軸Oに対する傾斜角度はテーパ面18とほぼ同一の角度θに設定されている。
【0011】
また穴部26の内周面26aについて、軸部16の外周面16aと焼き嵌めするために、常温において焼き嵌めの締め代分(例えば30μm)だけ軸部16の外径よりも小さい内径寸法に設定されている。また穴部26のテーパ状部28についても同様に軸部16のテーパ面18の対応する外径寸法よりも焼き嵌めの締め代分(例えば30μm)だけ小さい内径寸法に設定されている。
尚、これとは逆に軸部16の外周面16aとテーパ面18の外形寸法を、穴部26の内周面26a及びテーパ状部28の対応する内径寸法よりも締め代分だけ大きく形成してもよく、或いは両方に締め代を形成してもよい。
【0012】
また、ヘッド部12のキー溝27は略板状の溝とされ、ボーリングバー10で回転する被削材Wの穴加工を行う際、スローアウェイチップ22の前切刃23a及び横切刃23bで受ける切削抵抗の主分力に直交する方向に、キー溝27の長手方向の面である側面27aが位置している。換言すれば、図1に示すように前切刃23a及び横切刃23bによる被削材Wの切削加工ポイントにおける被削材Wの加工穴hの接線方向に主分力が生じ、この主分力に直交する方向にキー溝27の側面27aが位置している。
またキー溝27の側面27aと前切刃23aが略平行に位置することで、シャンク部11に対する切刃23a,23bの位置決めがされている。
これによって、シャンク部11の先端部15とヘッド部12の基端部25が焼き嵌め嵌合された状態で、互いに嵌合する略板状のキー17及びキー溝27の各側面17a,27aで切削抵抗の主分力を受けることができるようになっている。
【0013】
本実施の形態によるボーリングバー10は上述のように構成されており、次にその製造方法について説明する。
図4及び図5に示すようにヘッド部12とシャンク部11が分離された状態において、常温よりもヘッド部12を加熱すると共にシャンク部11を冷却した状態で、キー17とキー溝27の側面17a,27aを一致させてヘッド部12の基端部25とシャンク部11の先端部15を焼き嵌め嵌合する。この場合、キー17がキー溝27と嵌合することで、ヘッド部12の切刃23a,23bはシャンク部11の保持部14に対して周方向に位置決めされることになる。
そして、シャンク部11の軸部16がヘッド部12の穴部26内に嵌合される際、ヘッド部12とシャンク11が徐々に常温に戻ると、穴部26は収縮して縮径され軸部16は拡径されるために、穴部26の内周面26aに設けられた締め代の締め代圧によって軸部16は穴部26と強固に焼き嵌めされる。
【0014】
これと同時に、ヘッド部12の穴部26の収縮が進行する状態で、穴部26のテーパ状部28がテーパ面18に押しつけられ、締め代圧によって焼き嵌めされる。
この時、常温に戻る際の、ヘッド部12の収縮とシャンク部11の膨張による寸法誤差によって、テーパ状部28とテーパ面18との当接面が設計時と比較して若干の位置ずれを生じても、締め代寸法の範囲であれば、互いにテーパ状の面をなすためにずれた位置で面接触して締め代圧によって互いに面拘束される。この場合の締め代圧は位置ずれの分だけ設計時の締め代圧より小さくなるが、軸部16と穴部26との面拘束と合わせて二面拘束を実現できてボーリングバー10全体の剛性を高くできる。
このようにして図1乃至図3に示すボーリングバー10が製造される。
尚、上述の製造方法に代えてヘッド部12の収縮が進行する前にシャンク部11と焼き嵌めさせて、嵌合終了後に収縮させるようにしてもよい。
【0015】
次にこのボーリングバー10を用いて図1に示すように被削材Wの中ぐり加工を行う。
回転する被削材Wの下穴hが前切刃23a及び横切刃23bで切削されて穴加工される。この時、切刃23a,23bに作用する切削抵抗の主分力は切削加工ポイントにおける接線方向(図1において紙面に略直交する方向であって上から下方向)、例えば切刃23a,23bに略直交する方向に発生する。
そのため、主分力を受けるヘッド部12がシャンク部11に対して捻れる方向に応力が働くが、この主分力は嵌合部13における主分力に略直交するキー17及びキー溝27の当接する各側面17a,27aで受けることができる。同時に切削抵抗によるヘッド12の回転防止機能を果たすこともできる。
また被削材W(または)ボーリングバー10の送り方向に働く送り分力Fによっても、ヘッド12を水平方向に捻る応力が働くが、これについては主分力と共に、穴部26の内周面26a及び軸部16の外周面16aの拘束面と、テーパ状部28及びテーパ面18の拘束面とによって受けることができ、この点でもボーリングバー10の動剛性が高くなる。
【0016】
上述のように本実施の形態によれば、ヘッド部12とシャンク部11を、穴部26の内周面26a及び軸部16の外周面16aと、テーパ状部28及びテーパ面18とで焼き嵌めしたから、ヘッド部12の着脱交換が可能であり、異なる種類の刃先を備えたヘッド部12やヘッド部12の損傷に対応できる。
しかも、焼き嵌めによって二面拘束でき、切削抵抗の主分力や送り分力を受けることができてボーリングバー10の剛性及び動剛性を向上できる。また嵌合部13にキー及びキー溝嵌合を付加したことで、シャンク部11の平面状の保持部14に対して切刃23a,23bの位置決め精度を確保でき、更に切削抵抗の主分力受けと回転防止機能を強化でき、動剛性を一層向上できる。
また焼き嵌めによる二面拘束のうち、一の面拘束をテーパ状部28とテーパ面18とで行うために、ヘッド部12及びシャンク部11の収縮または膨張誤差によってテーパ状部28とテーパ面18の当接位置がずれても締め代圧によって互いに焼き嵌め結合でき、確実に工具剛性を向上できる。
【0017】
次に本発明の第二の実施の形態を図6乃至図9により、上述の第一の実施の形態と同一の部分には同一の符号を用いて説明する。
図6はボーリングバーの一部破断正面図、図7は図6のE部拡大図、図8はシャンク部を示すもので、(a)は正面図、(b)は先端面図、図9はヘッド部を示すもので、(a)は正面図、(b)は底面図である。
本実施の形態によるボーリングバー30では、図6及び図8に示すシャンク部11の先端部15において、外周面11aと軸部16の接続面31は中心軸Oに略直交するリング状の平面とされている。一方、軸部16とキー17との間には全周に亘ってテーパ面32が形成され、テーパ面32につづく小径の先端面32a上に略板状のキー17が形成されている。
また図6及び図9に示すヘッド部12の基端部25には穴部26が形成され、その自由端部33は中心軸Oに略直交するリング状の平面とされている。また穴部26の内周面26aと底面26bとの間にリング状のテーパ状部34が形成されており、このテーパ状部34はテーパ面32と焼き嵌め嵌合されるようになっている。この場合、テーパ状部34(またはテーパ面32もしくは両方)に締め代が形成され、対応する内径がテーパ面32の外径より締め代分だけ小さく設定されている。
穴部26のテーパ状部34と軸部16のテーパ面32は、図7に示すようにそれぞれ中心軸Oに対する傾斜角θが設定されている。
そして、底面26bに略板状のキー溝27が形成されている。
【0018】
本実施の形態においても、穴部26の内周面26aと軸部16の外周面16a、そしてテーパ状部34とテーパ面32について、焼き嵌めによって二面拘束できる。この場合、ヘッド部12とシャンク部11を焼き嵌めする際、ヘッド部12の穴部26の自由端部33とシャンク部11の接続面32とに収縮誤差または膨張誤差が生じて隙間が生じても、上述のように二面拘束を達成できるから、確実に工具の剛性を向上できる。
【0019】
尚、上述の実施の形態では、ヘッド部12の材質をスチール、シャンク部11の材質を超硬合金としたが、各部材の材質はこれに限定されることなく各種のものを採用できる。また必ずしも互いに異なる材質である必要はなく、同一の材質としてもよい。
また上述の説明では、シャンク部11に軸部16及びテーパ面18,32、ヘッド部12に穴部26及びテーパ状部28,34を形成したが、これとは逆にシャンク部11に穴部26及びテーパ状部28,34を形成し、ヘッド部12に軸部16及びテーパ面18,32を形成して互いに焼き嵌めするようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、ボーリングバー10について説明したが、これに限定されることなく、各種の切削工具、例えばバイト等他の旋削工具や、エンドミルやドリルなどの各種転削工具等にもに本発明を採用できる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るヘッド交換式切削工具は、ヘッド部とシャンク部の一方は軸部とテーパ面を備え、他方は軸部に嵌合する穴部とテーパ面に嵌合するテーパ状部とを備え、軸部と穴部、テーパ面とテーパ状部のそれぞれ少なくともいずれか一方に締め代が設けられているから、ヘッド部とシャンク部とを焼き嵌め嵌合して、軸部と穴部、そしてテーパ面とテーパ状部が締め代圧によってそれぞれ押圧固定され、しかも二面で互いに拘束されるために互いの保持強度が高く、工具剛性が向上する。また切削抵抗による送り分力と主分力を受けて工具の動剛性も向上する。
【0021】
また軸部と穴部の一方にキーが設けられ、他方にキーに嵌合するキー溝が形成されているから、切刃による切削抵抗の主分力や送り分力がヘッド部を捻るようにかかっても、互いに嵌合するキーとキー溝によって受けることができて切削時の回転防止機能と工具の動剛性を強化でき、焼き嵌めによる二面拘束とキー及びキー溝嵌合とでシャンク部とヘッド部の一体化を高めて嵌合強度を向上できる。また、キー及びキー溝は、ヘッド部の切刃にかかる切削抵抗の主分力に略直交する方向に延在するようにしたから、 特にボーリングバーなどの旋削工具においては、工作機械等へのシャンク部の取り付け位置に対して切刃の位置決めをキーとキー溝とによって行うことができ、また切削抵抗の主分力を略直交する方向のキー及びキー溝で受けることになるために切削時の動剛性が一層向上する。
【0022】
本発明によるヘッド交換式切削工具の製造方法は、ヘッド部とシャンク部の一方は軸部とテーパ面を備え、他方は軸部に嵌合する穴部とテーパ面に嵌合するテーパ状部とを備え、軸部と穴部、テーパ面とテーパ状部のそれぞれ少なくともいずれか一方に締め代が設けられていて、穴部及びテーパ状部を加熱して軸部及びテーパ面と焼き嵌めするから、穴部と軸部、そしてテーパ状部とテーパ面とをそれぞれ焼き嵌めすることで締め代圧によって二面拘束することができ、工具の剛性を高めることができる。
【0023】
また、穴部及びテーパ状部を軸部及びテーパ面に焼き嵌めする際、テーパ状部は収縮が進行する状態でテーパ面に嵌合させるようにしたから、常温に戻った際に収縮寸法の誤差が生じることがあっても、テーパ状部とテーパ面はずれた状態でも、ずれが締め代寸法の範囲内であれば互いに当接して締め代圧が作用するから、両者の間に隙間が形成されることなく面拘束を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態によるボーリングバーの一部を断面で示す要部正面図である。
【図2】図1に示すボーリングバーのB−B線断面図である。
【図3】図1に示すボーリングバーのC部拡大図である。
【図4】第一の実施の形態によるボーリングバーのシャンク部を示すもので、(a)は側面図、(b)は底面図である。
【図5】ボーリングバーのヘッド部を示すもので、(a)は側面図、(b)は底面図である。
【図6】第二の実施の形態によるボーリングバーの一部破断正面図である。
【図7】図6に示すボーリングバーのE部拡大図である。
【図8】第二の実施の形態によるボーリングバーのシャンク部を示すもので、(a)は正面図、(b)は先端面図である。
【図9】ボーリングバーのヘッド部を示すもので、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図10】従来のボーリングバーの一部破断正面図である。
【図11】図10におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】
10,30 ボーリングバー
11 シャンク部
12 ヘッド部
16 軸部
17 キー
18,32 テーパ面
26 穴部
27 キー溝
28,34 テーパ状部
23a 前切刃
23b 横切刃

Claims (2)

  1. 切刃を備えたヘッド部とシャンク部とが嵌合されてなり、前記ヘッド部を交換可能としたヘッド交換式切削工具において、
    前記ヘッド部とシャンク部の一方に軸部とテーパ面を備え、他方に前記軸部に嵌合する穴部と前記テーパ面に嵌合するテーパ状部とを備え、
    前記テーパ部が前記工具本体の中心軸線に対して傾斜させられると共に、 前記軸部と穴部、前記テーパ面とテーパ状部のそれぞれ少なくともいずれか一方に締め代が設けられ、
    前記軸部と前記穴部の一方にはキーが設けられ、他方には前記キーに嵌合するキー溝が形成されているともに、
    前記キー溝の長手方向の面である側面が前記切刃の前切刃と略平行となるように形成されていることを特徴とするヘッド交換式切削工具。
  2. 切刃を備えたヘッド部とシャンク部とが嵌合されてなり、前記ヘッド部を交換可能としたヘッド交換式切削工具において、
    前記ヘッド部とシャンク部の一方に軸部とテーパ面を備え、他方に前記軸部に嵌合する穴部と前記テーパ面に嵌合するテーパ状部とを備え、
    前記軸部と穴部、前記テーパ面とテーパ状部のそれぞれ少なくともいずれか一方に締め代が設けられていて、
    前記軸部と穴部の一方にはキーが設けられ、他方には前記キーに嵌合するキー溝が形成されているともに
    前記キー溝の長手方向の面である側面が前記切刃の前切刃と略平行となるように形成され、
    前記穴部及び前記テーパ状部を加熱して前記軸部及び前記テーパ面と焼き嵌めするとともに前記キーと前記キー溝とを嵌合することを特徴とするヘッド交換式切削工具の製造方法。
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