JP3539104B2 - クリップ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ等の信号処理回路において色差信号を振幅制限するクリップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ等の信号処理回路において色差信号を振幅制限しようとするとき2つの色差信号、例えばR−Y,B−Y信号をそれぞれクリップ装置に入力し振幅制限を行うことになる。類似したクリップ装置としては、例えば特開平5−30525号公報に示すような回路構成がある。この回路はコンポジット信号を扱っており本発明と入力信号が異なるが、この回路構成の色信号部分における乗算器周辺の回路を基に、本発明と対応するよう色差のクリップのみに関する構成を再構築した基本的構成のブロック図は例えば図13に示す。
【0003】
この回路の動作は、まず、最大値検出回路41で入力のR−Y,B−Y信号の絶対値の最大値をとる。次にこの最大値は係数発生回路42に入力される。係数発生回路は、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性の例を図3に示す。係数発生回路の出力は乗算器43、44により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。
【0004】
これにより、R−Y,B−Y信号に対し、同じ係数を乗算することにより、色位相が変化することがなくクリップを行うことができる。前記公報に示す回路構成ではR−Y,B−Y信号の最大値をクリップされた出力信号を出力しており構成は異なるが、上記に示した構成のように2つの色差信号とも乗算した場合も同様の結果が得られる。このクリップ装置の入力R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係は図14に示す。またこのクリップ装置の入出力特性は図4に示す。
【0005】
ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来例によれば、R−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向でのみ信号がクリップされ、色飽和度が一定のレベルでクリップが行われていなかった。R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係を図11に示す。つまりR−Y信号またはB−Y信号のみのときは低い色飽和度でクリップがかかり、R−Y信号とB−Y信号の絶対値が同レベルのときは高い色飽和度でクリップがかかる。
【0007】
また、このような従来例によれば、R−Y,B−Y座標において、図13に示すように垂直、水平方向で同じレベルで信号がクリップされ、必ずしも必要なレベルでクリップが行われていなかった。例えば後段のエンコーダ出力EとがR−Y,B−Yの関係が
E = (R−Y)cosθ +(B−Y)sinθ
の場合を想定したR−Y,B−Y信号はR−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向で同じレベルで信号がクリップされて問題ない。しかし例えば後段のエンコーダ出力EとがR−Y,B−Yの関係が
【0008】
【数1】
【0009】
の場合を想定したR−Y,B−Y信号はR−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向で同じレベルで信号がクリップする回路の場合、エンコーダ後ではB−Yに先にクリップがかかることになり、R−YとB−Yでクリップがかかるレベルが異なっていた。ここで単純にエンコーダ後でR−YとB−Yでクリップがかかるレベルが同じとするためには、一旦、R−Y,B−Yのレベルを変換し、上記回路でクリップを行い、再度R−Y,B−Yのレベルを変換をする必要があり規模が大きくなるという問題があった。
【0010】
さらに、このような従来例によれば、入力のR−Y,B−Y信号のレベルとクリップレベルの関係を図4に示すように、信号がクリップされる場合急にレベルが一定となるため、クリップされない部分とされる部分の境界が明確となり、絵柄として不自然になっていた。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、簡単な構成で色飽和度が一定のレベルでクリップが行うクリップ装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、簡単な構成でR−Y,B−Y信号に対し最適なレベルでクリップが行うクリップ装置を提供することを目的とする。
さらに、簡単な構成でクリップが行なわれる境界においても自然な絵柄となるクリップ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明のクリップ装置は、2つの色差信号の絶対値に加え、色差信号の絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値の内大きい方を選択する最大値検出回路と、得られた最大値とクリップレベルに応じて係数を発生させる係数発生回路と、発生した係数を元の色差信号に乗算する乗算器とを具備している。
【0013】
このことにより、色差信号をクリップするとき、R−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向に加え、斜め方向においても信号がクリップされる。つまりR−Y信号またはB−Y信号のみのときとR−Y信号とB−Y信号の絶対値が同レベルのときと同じ色飽和度でクリップがかかり、色相によってクリップされる色飽和度をほぼ一定にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、2つの色差信号のそれぞれの絶対値とこれら絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値のうち大きい方を取り出す最大値検出回路と、この最大値検出回路の出力値とあらかじめ設定されたクリップ値を比較し、係数を発生させる係数発生回路と、係数算出回路より出力された係数を色差信号に対して乗算する乗算回路とを備えたことを特徴とするクリップ装置、としたものであり、このことにより、簡単な構成で色飽和度が一定のレベルでクリップが行うクリップ装置を提供することができる。
【0015】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図である。まず、絶対値回路11,12によりR−Y,B−Y信号の絶対値を得る。次にR−Y,B−Y信号の絶対値を加算し係数を掛けた値を得る。ここで係数は理想的には1/√2であるが、実際には近似した値で、実現問題なく、加算器等で実現できる。
【0016】
以上得られた3つの値は最大値検出回路15入力され、これらの値の最大値を出力する。最大値検出回路の出力およびクリップレベルは係数発生回路16に入力される。係数発生回路は、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。
【0017】
この係数発生回路は例えばROM、わり算器等で実現できる。係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性の例を図3に示す。係数発生回路の出力は乗算器17、18により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。このクリップ装置の入力R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係は図2に示す。またこのクリップ装置の入力対出力の関係を示す特性は図4に示す。ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。
【0018】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図5は本発明の第2の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図である。まず、絶対値回路11,12によりR−Y,B−Y信号の絶対値を得る。次にR−Y,B−Y信号の絶対値し係数を掛けた値を得る。ここで係数は、例えばR−Y側が1.14/2.03、B−Y側が1となる。以上得られた値は最大値検出回路15入力され、これらの値の最大値を出力する。最大値検出回路の出力およびクリップレベルは係数発生回路16に入力される。係数発生回路は、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。この係数発生回路は例えばROM、わり算器等で実現できる。係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性の例を図3に示す。係数発生回路の出力は乗算器17、18により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。このクリップ装置の入力R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係は図6に示す。またこのクリップ装置の入力対出力の関係を示す特性は図4に示す。ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。
【0019】
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第3の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図を図7に示す。まず、レベル検出回路21で入力のR−Y,B−Y信号をもとにレベルを検出し出力する。具体的には例えばR−Y,B−Y信号のそれぞれの絶対値の最大値をとる。次にこのレベル検出回路の出力は係数発生回路22に入力される。係数発生回路の出力は乗算器17、18により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。
【0020】
係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性例を図8に示す。この例では図3の特性を基本とし、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。この例で図3と異なる点はクリップレベルの前後において出力される係数の変化がなだらかとなっている点である。これにより、このクリップ装置の入出力特性がクリップレベルの前後でなだらかとり、その後は通常にクリップされた一定のレベルとなる。第2の実施例における入力対出力の関係を示す特性図は図9に示す。ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。出力係数を発生させる回路としては例えばROMを用いることで実現できる。
【0021】
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第4の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図を図10に示す。まず、レベル検出回路31で入力のR−Y,B−Y信号をもとにレベルを検出し出力する。具体的には例えばR−Y,B−Y信号のそれぞれの絶対値の最大値をとる。
【0022】
次にこのレベル検出回路の出力は超過レベル検出回路32、係数回路33、減算器34からなる係数発生回路に入力される。レベル検出回路の出力は超過レベル検出回路32に入力される。ここで超過レベル検出回路は入力されたレベル検出回路の出力がクリップレベルより小さい場合は0を大きい場合はクリップレベルを超過した値を出力する。超過レベル検出回路の出力は係数回路により係数倍され、その値を1から引いた値を係数として出力する。この係数は乗算器35、36により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。
【0023】
前記係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性例を図11に示す。この例では、入力とクリップレベルとの比較を行い、入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルで1を通り、負の傾きを持つ直線となる。ここでクリップレベルを越えた場合の直線の傾きが、クリップレベルを入力値で割った値を出力する特性においてクリップレベルを越えた場合の傾きより小さい。ここで具体的に説明するためクリップレベルを1と規格化し、入力x、出力yとして考える。
【0024】
クリップレベルを越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する特性の場合、式で示すとy=1/xとなりクリップレベル、つまりx=1での傾きは−1となる。このため直線の傾きの絶対値は1以下とすることによりクリップ装置の入出力特性がクリップレベルの前後でなだらかにすることができる。図11では直線の傾きの絶対値は−1/2とした場合の例を示している。第4の実施例における入力対出力の関係を示す特性図は図12に示す。
【0025】
ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。図12に示すようにこのクリップ装置の入出力特性がクリップレベルの前後でなだらかとなっている。またこの構成では、クリップレベルの変化に容易に対応が可能である。
この例で、入力がクリップレベルを越えた場合、出力がクリップレベルを少し越えるが、必要に応じクリップレベルの設定を低くすることにより出力がクリップレベルを越えないようにできる。また、この例で、入力がクリップレベルを大きく越えた場合、クリップされるレベルがピーク後低下してくるが、必要に応じ傾きの絶対値を小さく設定することによりピークの位置を右にすることが可能である。
【0026】
なお、以上の実施例について乗算器は一般的には得られる係数によってゲインが制御される可変利得回路を用いても実現可能である。また本発明は色差信号を多重化しない場合について説明してきたが、これと同じ処理を色差信号を多重化し行うことも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のクリップ装置は、2つの色差信号の絶対値および色差信号の絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値の最大値と、クリップレベルに応じて係数を発生させ色差信号に乗算する乗算することにより、比較的簡易な構成で色飽和度が一定のレベルでクリップが行う。
【0028】
また、本発明のクリップ装置は、2つの色差信号の絶対値に異なる係数を掛けた値の最大値と、クリップレベルに応じて係数を発生させ色差信号に乗算する乗算することにより、比較的簡易な構成でR−Y,B−Y座標の垂直、水平方向において最終的にクリップされるレベルを一定にする、つまり同一の色飽和度でクリップすることができる。
【0029】
また、本発明のクリップ装置は、係数発生回路の入力値がクリップレベルの前後において出力される係数の傾きの変動が少なくなるように係数を発生させ、色差信号をクリップする場合にレベルが急に一定とならないようにし、クリップされない部分とされる部分への境界を自然とし、全体として自然な絵柄を得ることを可能とするものである。
【0030】
さらに本発明の第3の実施例では比較的簡単な構成で実現でき、クリップレベルが変動した場合の対応も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図2】同第1の実施例におけるR−Y、B−Yとクリップレベルの関係を示す特性図
【図3】同第1の実施例における係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性図
【図4】同第1の実施例における入力対出力の関係を示す特性図
【図5】本発明の第2の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図6】同第2の実施例におけるR−Y、B−Yとクリップレベルの関係を示す特性図
【図7】本発明の第3の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図8】同第3の実施例における係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性図
【図9】同第3の実施例における入力対出力の関係を示す特性図
【図10】本発明の第4の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図11】同第4の実施例における係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性図
【図12】同第4の実施例における入力対出力の関係を示す特性図
【図13】従来のクリップ装置の構成を示すブロック図
【図14】従来例におけるR−Y、B−Yとクリップレベルの関係を示す特性図
【符号の説明】
11,12 絶対値回路
13 加算器
14,19,33 係数回路
15 最大値検出回路
16 係数発生回路
17,18,23,24,35,36,43,44 乗算器
21,31 レベル検出回路
22 ROM
32 超過レベル検出回路
34 減算器
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ等の信号処理回路において色差信号を振幅制限するクリップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ等の信号処理回路において色差信号を振幅制限しようとするとき2つの色差信号、例えばR−Y,B−Y信号をそれぞれクリップ装置に入力し振幅制限を行うことになる。類似したクリップ装置としては、例えば特開平5−30525号公報に示すような回路構成がある。この回路はコンポジット信号を扱っており本発明と入力信号が異なるが、この回路構成の色信号部分における乗算器周辺の回路を基に、本発明と対応するよう色差のクリップのみに関する構成を再構築した基本的構成のブロック図は例えば図13に示す。
【0003】
この回路の動作は、まず、最大値検出回路41で入力のR−Y,B−Y信号の絶対値の最大値をとる。次にこの最大値は係数発生回路42に入力される。係数発生回路は、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性の例を図3に示す。係数発生回路の出力は乗算器43、44により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。
【0004】
これにより、R−Y,B−Y信号に対し、同じ係数を乗算することにより、色位相が変化することがなくクリップを行うことができる。前記公報に示す回路構成ではR−Y,B−Y信号の最大値をクリップされた出力信号を出力しており構成は異なるが、上記に示した構成のように2つの色差信号とも乗算した場合も同様の結果が得られる。このクリップ装置の入力R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係は図14に示す。またこのクリップ装置の入出力特性は図4に示す。
【0005】
ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来例によれば、R−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向でのみ信号がクリップされ、色飽和度が一定のレベルでクリップが行われていなかった。R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係を図11に示す。つまりR−Y信号またはB−Y信号のみのときは低い色飽和度でクリップがかかり、R−Y信号とB−Y信号の絶対値が同レベルのときは高い色飽和度でクリップがかかる。
【0007】
また、このような従来例によれば、R−Y,B−Y座標において、図13に示すように垂直、水平方向で同じレベルで信号がクリップされ、必ずしも必要なレベルでクリップが行われていなかった。例えば後段のエンコーダ出力EとがR−Y,B−Yの関係が
E = (R−Y)cosθ +(B−Y)sinθ
の場合を想定したR−Y,B−Y信号はR−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向で同じレベルで信号がクリップされて問題ない。しかし例えば後段のエンコーダ出力EとがR−Y,B−Yの関係が
【0008】
【数1】
【0009】
の場合を想定したR−Y,B−Y信号はR−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向で同じレベルで信号がクリップする回路の場合、エンコーダ後ではB−Yに先にクリップがかかることになり、R−YとB−Yでクリップがかかるレベルが異なっていた。ここで単純にエンコーダ後でR−YとB−Yでクリップがかかるレベルが同じとするためには、一旦、R−Y,B−Yのレベルを変換し、上記回路でクリップを行い、再度R−Y,B−Yのレベルを変換をする必要があり規模が大きくなるという問題があった。
【0010】
さらに、このような従来例によれば、入力のR−Y,B−Y信号のレベルとクリップレベルの関係を図4に示すように、信号がクリップされる場合急にレベルが一定となるため、クリップされない部分とされる部分の境界が明確となり、絵柄として不自然になっていた。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、簡単な構成で色飽和度が一定のレベルでクリップが行うクリップ装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、簡単な構成でR−Y,B−Y信号に対し最適なレベルでクリップが行うクリップ装置を提供することを目的とする。
さらに、簡単な構成でクリップが行なわれる境界においても自然な絵柄となるクリップ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明のクリップ装置は、2つの色差信号の絶対値に加え、色差信号の絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値の内大きい方を選択する最大値検出回路と、得られた最大値とクリップレベルに応じて係数を発生させる係数発生回路と、発生した係数を元の色差信号に乗算する乗算器とを具備している。
【0013】
このことにより、色差信号をクリップするとき、R−Y,B−Y座標において、垂直、水平方向に加え、斜め方向においても信号がクリップされる。つまりR−Y信号またはB−Y信号のみのときとR−Y信号とB−Y信号の絶対値が同レベルのときと同じ色飽和度でクリップがかかり、色相によってクリップされる色飽和度をほぼ一定にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、2つの色差信号のそれぞれの絶対値とこれら絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値のうち大きい方を取り出す最大値検出回路と、この最大値検出回路の出力値とあらかじめ設定されたクリップ値を比較し、係数を発生させる係数発生回路と、係数算出回路より出力された係数を色差信号に対して乗算する乗算回路とを備えたことを特徴とするクリップ装置、としたものであり、このことにより、簡単な構成で色飽和度が一定のレベルでクリップが行うクリップ装置を提供することができる。
【0015】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図である。まず、絶対値回路11,12によりR−Y,B−Y信号の絶対値を得る。次にR−Y,B−Y信号の絶対値を加算し係数を掛けた値を得る。ここで係数は理想的には1/√2であるが、実際には近似した値で、実現問題なく、加算器等で実現できる。
【0016】
以上得られた3つの値は最大値検出回路15入力され、これらの値の最大値を出力する。最大値検出回路の出力およびクリップレベルは係数発生回路16に入力される。係数発生回路は、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。
【0017】
この係数発生回路は例えばROM、わり算器等で実現できる。係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性の例を図3に示す。係数発生回路の出力は乗算器17、18により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。このクリップ装置の入力R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係は図2に示す。またこのクリップ装置の入力対出力の関係を示す特性は図4に示す。ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。
【0018】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図5は本発明の第2の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図である。まず、絶対値回路11,12によりR−Y,B−Y信号の絶対値を得る。次にR−Y,B−Y信号の絶対値し係数を掛けた値を得る。ここで係数は、例えばR−Y側が1.14/2.03、B−Y側が1となる。以上得られた値は最大値検出回路15入力され、これらの値の最大値を出力する。最大値検出回路の出力およびクリップレベルは係数発生回路16に入力される。係数発生回路は、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。この係数発生回路は例えばROM、わり算器等で実現できる。係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性の例を図3に示す。係数発生回路の出力は乗算器17、18により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。このクリップ装置の入力R−Y,B−Y信号とクリップレベルの関係は図6に示す。またこのクリップ装置の入力対出力の関係を示す特性は図4に示す。ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。
【0019】
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第3の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図を図7に示す。まず、レベル検出回路21で入力のR−Y,B−Y信号をもとにレベルを検出し出力する。具体的には例えばR−Y,B−Y信号のそれぞれの絶対値の最大値をとる。次にこのレベル検出回路の出力は係数発生回路22に入力される。係数発生回路の出力は乗算器17、18により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。
【0020】
係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性例を図8に示す。この例では図3の特性を基本とし、入力とクリップレベルとの比較を行い、例えば入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する。この例で図3と異なる点はクリップレベルの前後において出力される係数の変化がなだらかとなっている点である。これにより、このクリップ装置の入出力特性がクリップレベルの前後でなだらかとり、その後は通常にクリップされた一定のレベルとなる。第2の実施例における入力対出力の関係を示す特性図は図9に示す。ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。出力係数を発生させる回路としては例えばROMを用いることで実現できる。
【0021】
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第4の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図を図10に示す。まず、レベル検出回路31で入力のR−Y,B−Y信号をもとにレベルを検出し出力する。具体的には例えばR−Y,B−Y信号のそれぞれの絶対値の最大値をとる。
【0022】
次にこのレベル検出回路の出力は超過レベル検出回路32、係数回路33、減算器34からなる係数発生回路に入力される。レベル検出回路の出力は超過レベル検出回路32に入力される。ここで超過レベル検出回路は入力されたレベル検出回路の出力がクリップレベルより小さい場合は0を大きい場合はクリップレベルを超過した値を出力する。超過レベル検出回路の出力は係数回路により係数倍され、その値を1から引いた値を係数として出力する。この係数は乗算器35、36により入力のR−Y,B−Y信号と乗算され出力される。
【0023】
前記係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性例を図11に示す。この例では、入力とクリップレベルとの比較を行い、入力値がクリップレベルを越えない場合は1を、越えた場合はクリップレベルで1を通り、負の傾きを持つ直線となる。ここでクリップレベルを越えた場合の直線の傾きが、クリップレベルを入力値で割った値を出力する特性においてクリップレベルを越えた場合の傾きより小さい。ここで具体的に説明するためクリップレベルを1と規格化し、入力x、出力yとして考える。
【0024】
クリップレベルを越えた場合はクリップレベルを入力値で割った値を出力する特性の場合、式で示すとy=1/xとなりクリップレベル、つまりx=1での傾きは−1となる。このため直線の傾きの絶対値は1以下とすることによりクリップ装置の入出力特性がクリップレベルの前後でなだらかにすることができる。図11では直線の傾きの絶対値は−1/2とした場合の例を示している。第4の実施例における入力対出力の関係を示す特性図は図12に示す。
【0025】
ここで入力および出力は色差信号の絶対値を示している。図12に示すようにこのクリップ装置の入出力特性がクリップレベルの前後でなだらかとなっている。またこの構成では、クリップレベルの変化に容易に対応が可能である。
この例で、入力がクリップレベルを越えた場合、出力がクリップレベルを少し越えるが、必要に応じクリップレベルの設定を低くすることにより出力がクリップレベルを越えないようにできる。また、この例で、入力がクリップレベルを大きく越えた場合、クリップされるレベルがピーク後低下してくるが、必要に応じ傾きの絶対値を小さく設定することによりピークの位置を右にすることが可能である。
【0026】
なお、以上の実施例について乗算器は一般的には得られる係数によってゲインが制御される可変利得回路を用いても実現可能である。また本発明は色差信号を多重化しない場合について説明してきたが、これと同じ処理を色差信号を多重化し行うことも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のクリップ装置は、2つの色差信号の絶対値および色差信号の絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値の最大値と、クリップレベルに応じて係数を発生させ色差信号に乗算する乗算することにより、比較的簡易な構成で色飽和度が一定のレベルでクリップが行う。
【0028】
また、本発明のクリップ装置は、2つの色差信号の絶対値に異なる係数を掛けた値の最大値と、クリップレベルに応じて係数を発生させ色差信号に乗算する乗算することにより、比較的簡易な構成でR−Y,B−Y座標の垂直、水平方向において最終的にクリップされるレベルを一定にする、つまり同一の色飽和度でクリップすることができる。
【0029】
また、本発明のクリップ装置は、係数発生回路の入力値がクリップレベルの前後において出力される係数の傾きの変動が少なくなるように係数を発生させ、色差信号をクリップする場合にレベルが急に一定とならないようにし、クリップされない部分とされる部分への境界を自然とし、全体として自然な絵柄を得ることを可能とするものである。
【0030】
さらに本発明の第3の実施例では比較的簡単な構成で実現でき、クリップレベルが変動した場合の対応も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図2】同第1の実施例におけるR−Y、B−Yとクリップレベルの関係を示す特性図
【図3】同第1の実施例における係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性図
【図4】同第1の実施例における入力対出力の関係を示す特性図
【図5】本発明の第2の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図6】同第2の実施例におけるR−Y、B−Yとクリップレベルの関係を示す特性図
【図7】本発明の第3の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図8】同第3の実施例における係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性図
【図9】同第3の実施例における入力対出力の関係を示す特性図
【図10】本発明の第4の実施例におけるクリップ装置の構成を示すブロック図
【図11】同第4の実施例における係数発生回路の入力対出力の関係を示す特性図
【図12】同第4の実施例における入力対出力の関係を示す特性図
【図13】従来のクリップ装置の構成を示すブロック図
【図14】従来例におけるR−Y、B−Yとクリップレベルの関係を示す特性図
【符号の説明】
11,12 絶対値回路
13 加算器
14,19,33 係数回路
15 最大値検出回路
16 係数発生回路
17,18,23,24,35,36,43,44 乗算器
21,31 レベル検出回路
22 ROM
32 超過レベル検出回路
34 減算器
Claims (1)
- 2つの色差信号のそれぞれの絶対値とこれら絶対値を加算し係数を掛けた値の3つの値のうち大きい方を取り出す最大値検出回路と、この最大値検出回路の出力値とあらかじめ設定されたクリップ値を比較し、係数を発生させる係数発生回路と、係数算出回路より出力された係数を色差信号に対して乗算する乗算回路とを備えたことを特徴とするクリップ装置。
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JP00201197A JP3539104B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | クリップ装置 |
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JP3539104B2 true JP3539104B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=11517441
Family Applications (1)
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JP00201197A Expired - Fee Related JP3539104B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | クリップ装置 |
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JP (1) | JP3539104B2 (ja) |
-
1997
- 1997-01-09 JP JP00201197A patent/JP3539104B2/ja not_active Expired - Fee Related
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