JP3539039B2 - ヤーンプリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents
ヤーンプリプレグおよび繊維強化複合材料Info
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Description
特性に優れる繊維強化複合材料、およびそれを得るに好
適なヤーンプリプレグに関する。さらに詳しくは、本発
明は衝撃耐性の大きい繊維強化複合材料製の管状体や円
筒体、特に、航空機、自動車、自転車等における各種部
材や外板材として、釣竿、ゴルフクラブ用シャフト、ス
キーポール、テニスラケット等の各種レジャー用品とし
て、圧力容器の外殻として、または各種建築用材料、建
設用形材などとして好適な繊維強化複合材料、およびそ
れを得るに好適なヤーンプリプレグに関する。
ックス樹脂を必須の構成要素とする異方性材料であり、
繊維軸方向の物性とそれ以外の方向の物性に大きな差が
存在する。一般に繊維軸方向の強度、弾性率は極めて高
いが、それ以外の方向ではこれらは低い値をとる。
繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと
呼ばれるフィルム状の前駆体を積層、成形した後、硬化
して、積層体として目的物を得るレイアップ法が用いら
れることが多いが、この方法では複雑な形状の部材を作
製することが困難であったり、成形に要するコストが高
いものとなることが多い上、得られる繊維強化複合材料
には、プリプレグを積層するときのプリプレグ間の界面
に相当する面近傍に層間を有するため、例えば交差積層
板に引張り荷重を加えた際、板端から層間の剥離が生じ
ることが多く、積層構成の自由度が制限されることが多
い。
リプレグ(トウプリプレグまたはトウプレグともいう)
を、マンドレルに巻き付けて所定の形状に賦型した後、
加熱加圧下で硬化させる方法や、ヤーンプリプレグをト
ウプレイスメントマシンまたはファイバープレイスメン
トマシンで所定の形状に賦型した後、加熱加圧下で硬化
させる方法、熱硬化性樹脂組成物を含浸させた強化繊維
束をマンドレルと称する型に巻き付け、加熱硬化して成
形するフィラメントワインディング法などでは、前述の
プリプレグレイアップ法に比較して、かかる問題が少な
く近年その適用範囲が広がりつつある。
としたときの耐衝撃性を高めるため、種々の改善がなさ
れている。
おいて、樹脂を素材とする微粒子を含むマトリックス樹
脂を開示し、特に、樹脂微粒子をプリプレグの表面に局
在化させることにより、プリプレグのタック性およびド
レープ性を有したまま耐衝撃性の改良された繊維強化複
合材料の積層体を与えることが示されている。
2635号公報、特開平4-292636号公報、特開平4-325527号
公報、特開平4-325528号公報、特開平4-325529号公報、
特開平5-17603 号公報では、繊維強化プリプレグの表面
に繊維状熱可塑性樹脂を一定方向に配列することで積層
体の層間靭性の改善がなされることが開示されている。
法などの成形法に適した中間素材において、それを用い
て得られる繊維強化複合材料に優れた耐衝撃性を具備せ
しめ得るようなものは存在しないのが実状である。
撃性、耐疲労特性に優れた繊維強化複合材料をフィラメ
ントワインディング法などの成形法で容易に与えうる中
間素材であるヤーンプリプレグ、およびかかる優れた特
性を有する繊維強化複合材料を提供することにある。
グは前記課題を達成するため、次の構成を有する。すな
わち、扁平断面形状の長軸の長さが2mm以上30mm
以下であるヤーンプリプレグであって、次の構成要素
[A]、[B]、[C]からなり、構成要素[A]に
[B]が含浸され、かつ、構成要素[C]の90%以上
がヤーンプリプレグの外周面からヤーンプリプレグ平均
厚みの30%までの部位に存在するファイバープレイス
メント用ヤーンプリプレグ。
体としてなる樹脂また、本発明のヤーンプリプレグの製造方法は、下記構
成要素[A]に下記構成要素[B]を含浸せしめた後、
構成要素[C]の流動床中を通過させることにより、構
成要素[C]をヤーンプリプレグの表面に付着せしめる
ヤーンプリプレグの製造方法である。 [A]:強化繊維束 [B]:熱硬化性樹脂 [C]:エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂を主
体としてなる樹脂 さらに、本発明の繊維強化複合材料は前記課題を達成す
るため、次のいずれかの構成を有する。すなわち、次の
構成要素[A]、[D]、[C]からなる複合材料であ
って、その切断面に現れる構成要素[A]同士の境界領
域に構成要素[C]の90%以上が局在する圧力容器用
繊維強化複合材料、または、上記ヤーンプリプレグを硬
化してなる繊維強化複合材料である。
なる樹脂
束に樹脂が含浸された状態のものをいう。
維束である。繊維束を構成する単繊維の本数は、好まし
くは1000〜500000フィラメント、より好まし
くは3000〜50000フィラメントの範囲内である
のが良い。また、太物の繊維束を得るためには、複数本
の繊維束を合糸しても良く、逆に細物を得るためには太
物を分繊しても良い。
応じた様々なものが使用できる。本発明に用いうる強化
繊維の具体例としては、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド
繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タ
ングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などがあげられ
る。強化繊維は複数種を組合わせて使用することもでき
る。
量化に大きな寄与が認められる炭素繊維や黒鉛繊維が本
発明には好適に用いられる。炭素繊維や黒鉛繊維は用途
に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いるこ
とが可能であるが、引張伸度1.5%以上の高強度炭素
繊維が複合材料の強度発現のためには適している。引張
強度450kgf/mm2 、引張伸度1.7%以上の高強度高
伸度炭素繊維はさらに好ましく、引張伸度1.9%以上
の高強度高伸度炭素繊維が最も適している。また、炭素
繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維を混合して用いてもかま
わない。
は熱硬化性樹脂である。
にエポキシ樹脂があげられ、一般に硬化剤や硬化触媒と
組合せて用いられる。特に、アミン類、フェノール類、
炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキ
シ樹脂が好ましい。具体的には、アミン類を前駆体とす
るエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフ
ェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノー
ル、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリ
シジルアミノクレゾールの各種異性体、フェノール類を
前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキ
シ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等があげられる
が、これに限定されない。また、これらのエポキシ樹脂
をブロム化したブロム化エポキシ樹脂も用いられる。テ
トラグリシジルジアミノジフェニルメタンに代表される
芳香族アミンを前駆体とするエポキシ樹脂は耐熱性が良
好で強化繊維との接着性が良好なため本発明に最も適し
ている。
好ましく用いられる。エポキシ硬化剤はエポキシ基と反
応しうる活性基を有する化合物であればこれを用いるこ
とができる。好ましくは、アミノ基、酸無水物基、アジ
ド基を有する化合物が適している。具体的には、ジシア
ンジアミド、ジアミノジフェニルスルホンの各種異性
体、アミノ安息香酸エステル類が適している。具体的に
説明すると、ジシアンジアミドはプリプレグの保存性に
優れるため好んで用いられる。またジアミノジフェニル
スルホンの各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物を与え
るため本発明には最も適している。アミノ安息香酸エス
テル類としては、トリメチレングリコールジ−p−アミ
ノベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p−アミ
ノベンゾエートが好んで用いられ、ジアミノジフェニル
スルホンに比較して、耐熱性に劣るものの、引張伸度に
優れるため用途に応じて選択して用いられる。
ては、マレイミド樹脂、アセチレン末端を有する樹脂、
ナジック酸末端を有する樹脂、シアン酸エステル末端を
有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、アリル末端を有
する樹脂も好ましく用いられる。これらは適宜、エポキ
シ樹脂や他の樹脂と混合しても良い。また、反応性希釈
剤を用いたり熱可塑性樹脂やエラストマーなどの改質剤
を耐熱性を大きく低下させない程度に混合して用いても
かまわない。
ド基を平均2個以上含む化合物である。ジアミノジフェ
ニルメタンを原料とするビスマレイミドが特に好適に用
いられる。この種のマレイミド化合物としては例えばN,
N'−フェニレンビスマレイミド、N,N'−ヘキサメチレン
ビスマレイミド、N,N'−メチレン−ジ−p−フェニレン
ビスマレイミド、N,N'−オキシ−ジ−p−フェニレンビ
スマレイミド、N,N'-4,4'-ベンゾフェノンビスマレイミ
ド、N,N'−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N'-
(3,3'−ジメチル)-メチレン−ジ−p−フェニレンビス
マレイミド、N,N'-4,4'-ジシクロヘキシルメタンビスマ
レイミド、N,N'−m( 又はp)-キシリレン−ビスマレイ
ミド、N,N'-(3,3'−ジエチル)-メチレン−ジ−p−フェ
ニレンビスマレイミド、N,N'−メタトリレン−ジ−マレ
イミドやビス(アミノフェノキシ)ベンゼンのビスマレ
イミドを始め、アニリンとホルマリンの反応生成物であ
る混合ポリアミンと無水マレイン酸との反応生成物があ
げられるが、本発明はこれに限定されない。また、これ
らマレイミド化合物は2種以上の混合系で用いてもよ
く、またN-アリルマレイミド、N-プロピルマレイミド、
N-ヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミドなどのモ
ノマレイミド化合物を含有してもよい。
く用いられる。硬化剤はマレイミド基と反応し得る活性
基を有する化合物であればこれを用いることができる。
好ましくは、アミノ基、アリル基に代表されるアルケニ
ル基、ベンゾシクロブテン基、アリルナジックイミド
基、イソシアネート基、シアネート基、エポキシ基を有
する化合物が適している。例えば、アミノ基を有する硬
化剤としてはジアミノジフェニルメタンが代表的であ
り、アルケニル基を有する硬化剤としてはo,o'−ジアリ
ルビスフェノールAやビス(プロペニルフェノキシ)ス
ルホンなどが挙げられる。
で構成されるビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹
脂)も本発明の構成要素[B]に用いる熱硬化性樹脂と
して好適である。シアン酸エステル末端を有する樹脂と
しては、ビスフェノールAに代表される多価フェノール
のシアン酸エステル化合物が好適である。シアン酸エス
テル樹脂とビスマレイミド樹脂と組合わせた樹脂は、三
菱ガス化学(株)からBTレジンとして市販されており
本発明に適している。これらは一般にエポキシ樹脂よ
り、耐熱性と耐水性が良好である半面、靭性や耐衝撃性
が劣るため用途に応じて選択して用いられる。ビスマレ
イミドとシアン酸エステルの重量比で0/100〜70
/30の範囲で用いられる。0/100の場合は、トリ
アジン樹脂(シアネート樹脂ともいう)であるが、本発
明にはこれも適している。
イミド樹脂も本発明の構成要素[B]として好適であ
る。末端反応性基としてはナジイミド基、アセチレン
基、ベンゾシクロブテン基などが好適である。
ノール樹脂、レゾルシノール樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂といった工業界で広く認知された熱硬化性樹脂も用い
ることができる。
化性樹脂の他に、ポリスルホンなどの熱可塑性樹脂や微
粉末状シリカなどの無機質微粒子やエラストマーなどを
混合して改質することも可能である。また、これらにコ
アシェル型のエラストマー微粒子を混合すれば硬化後の
ヤーンプリプレグの引張り強度を一層上げることが可能
であり好ましい。この場合、熱硬化性樹脂以外の成分は
35重量%以内であることが好ましい。
たは熱可塑性樹脂を主体とする樹脂である。樹脂とは有
機高分子化合物をいう。
結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテ
ル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、チオエーテ
ル結合、スルホン結合、イミダゾール結合、カルボニル
結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂が代表的で
ある。特に、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリカーボ
ナート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾ
ール、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロー
ス、酪酸セルロースは耐衝撃性に優れるので本発明に使
用する熱可塑性樹脂として適している。この中でも、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンは、高
靭性かつ耐熱性良好であるため本発明に特に好適であ
る。中でも、ポリアミドの靭性は特に優れており、本発
明には最も好適である。
のものも用い得るが、特に熱可塑性エラストマーが本発
明には好適に用いられる。
リスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポ
リアミド系などの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
る場合には、ポリスチレン系やポリオレフィン系の熱可
塑性エラストマーがエポキシ樹脂に対する溶解度が低い
のに対し、ポリエステル系およびポリアミド系の熱可塑
性エラストマーは、かかる樹脂に対する溶解度が高いた
め、構成要素[B]と構成要素[C]との接着を十分に
強くでき、応力発生時に両者のはく離が生ずることのな
い良好な複合材料が得られるため好適に用いられる。
系の熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメント成分
とソフトセグメント成分からなるブロック共重合体型の
熱可塑性エラストマーのうち、ハードセグメント成分が
ポリエステルまたはポリアミド構造のものである。
としては、ポリエステルである一般式(I) 、ポリアミド
である一般式(II)および(III) が挙げられる。これらの
構造は同一ポリマー中に複数種含まれていてもよい。ポ
リエステルとポリアミドの双方をハードセグメント成分
としてもつことも可能である。
〜4のアルキレン基を表す。
ニレン基、m−フェニレン基が、R2 の好ましい具体例
としては、エチレン基、テトラメチレン基が挙げられ
る。
を表す。
チレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカ
メチレン基が、R4 の好ましい具体例としては、テトラ
メチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
ペンタメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン
基が挙げられる。
ーテルまたは脂肪族ポリエステルを含む構造が適してい
る。好ましいソフトセグメントの例としては、下記一般
式(IV)〜(VII) を挙げることができる。
ルキレン基を表し、R7 は炭素数2〜4のアルキレン基
を表す。
ニレン基、m−フェニレン基、テトラメチレン基、デカ
メチレン基が、R7 の好ましい具体例としては、エチレ
ン基、プロピレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
チレン基が挙げられる。
10は、炭素数2〜12アルキレン基を表す。
チレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基が挙げら
れ、R10の好ましい具体例としては、エチレン基、テト
ラメチレン基が挙げられる。
12、R13は、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
チレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカ
メチレン基が、R12の具体例としては、エチレン基、ト
リメチレン基、プロピレン基が、R13の好ましい具体例
としては、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン
基が挙げられる。
むことも可能である。
は公知の方法で合成される。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、東レ・
デュポン社“ハイトレル”、東洋紡績社“ベルプレ
ン”、アクゾ社“ARNITEL”、ジェネラル・エレ
クトリックス社“LOMOND”が、またポリアミド系
熱可塑性エラストマーとしては、ヒュルス社“VEST
AMID”、ATOCHEM社“PEBAX”、EMS
社“グリラックスA”、三菱化成“NOVAMID”な
どを挙げることができる。
系エラストマーは複数の品種を組合わせて使用すること
もできる。
状として形成したものであることが好ましい。
るものではない。もちろん球状であってもよいが、樹脂
塊を粉砕した微粉体や、スプレ−ドライ法、再沈澱法で
得られる微粒子のごとく形状さまざまの状態で一向に差
し支えない。その他、繊維を短く切断したミルドファイ
バ−状でも、また針状、ウイスカ−状でも差し支えな
い。特に球状の粒子を使用したい場合は懸濁重合法で得
られる製品がそのまま使える。
場合の粒径とは遠心沈降速度法などで求められる体積平
均粒径を意味する。
50μmの範囲のものが適し、より好ましくは5μm〜
100μmのものである。2μmより小さい場合には、
粒子を強化繊維の外周に配置せしめようとする場合に、
粒子も構成要素[B]といっしょに強化繊維の単繊維間
のすきまに侵入していき、粒子がヤーンプリプレグの表
面に片寄って存在しない場合があるからである。一方、
粒子の粒径が、2μm以上の場合は、粒子を含むマトリ
ックス樹脂を強化繊維中へ含浸させる場合には、粒子は
強化繊維の単繊維間のすきまから排除される、すなわち
強化繊維により濾過されるため、ヤーンプリプレグの表
面に片寄って存在することになる。
状、針状、ウイスカ−状のように異方性の大きなものの
場合は粒径が小さくともフィラメント間に侵入しにくく
ヤーンプリプレグの表面に排除される傾向がある。ま
た、2μmより小さい粒径の粒子であっても、構成要素
[B]と混合することによって構成要素[B]が粒子の
中へ膨潤してみかけの粒径が大きくなる場合は、みかけ
の粒径に上記粒径の概念が適用される。
は、強化繊維の配列を乱したり、成形して得られる複合
材料における繊維束同士の間隔や層間を必要以上に厚く
するため複合材料としたときの物性を低下させる場合が
ある。ただし、150μmを超える粒径をもつ粒子でも
成形中に構成要素[B]に部分的に溶解し小さくなる素
材の粒子や、あるいは成形中の加熱により変形すること
で、フィラメント間や複合材料の層間を成形前より狭く
する素材もあり、その場合には適したものとして使用で
きる。
化繊維の単繊維の外径や単繊維の本数などにより異なる
場合もある。
したものであっても良い。繊維としては、長繊維でも短
繊維でも良い。ここで長繊維とは長さ5cm以上の繊維
を意味し、短繊維とは長さ5cm未満の繊維を意味す
る。構成要素[C]が繊維である場合には、その単繊維
繊度は、大きすぎると複合材料における繊維束同士の間
隔や層間の構成要素[A]の存在しない部分が不必要に
厚くなったり、構成要素[A]の配列を乱したりして成
形体の物性を低下させる場合があるので、15デニール
以下が好ましく、5デニール以下がさらに好ましい。
伸などの操作により、その繊維の結晶化度を40%以上
にすることが好ましい。結晶化度が低いと、耐湿熱性が
低下する場合がある。
プレグもしくはこれを硬化した繊維強化複合材料中でと
る形態は、さまざまなものが可能である。
ある。強化繊維[A]が一方向に引き揃えられたもので
ある場合、構成要素[C]をこれと平行になるよう配列
すると、製造が容易であるが、構成要素[C]が強化繊
維中に侵入して強化繊維を乱す恐れがある。この場合、
構成要素[C]の繊維を蛇行させる、あるいは、構成要
素[C]に仮撚りをかける、エアー交絡をかけるなどし
て、強化繊維中への侵入を防ぐ工夫をすることが好まし
い。構成要素[C]の配列方向が強化繊維[A]の引き
揃え方向と異なる場合は、侵入の問題が生じないので好
ましい。構成要素[C]を構成要素[A]の周囲にらせ
ん状に巻きつけることも製造が容易であるとともに効果
が大きい。平行配列に用いる場合の構成要素[C]とし
てはモノフィラメント、マルチフィラメントともに使用
が可能であるが、繊維強化複合材料中での繊維束同士の
間隔や層間の構成要素[A]の存在しない部分を不必要
に厚くしないためには、単繊維繊度の小さいマルチフィ
ラメントを用いると単繊維が成形中の圧力により広がる
ため好ましい。この場合撚りをかけると、単繊維の広が
りがおこりにくいので、無撚り糸あるいは開撚糸を用い
ることが好ましい。偏平糸を用いることも好ましい。ま
た、上記のような規則的な配列を持たせることなく、ヤ
ーンプリプレグの外周にランダムに短繊維等の構成要素
[C]を配置することも可能である。そのほか構成要素
[C]で作製したブレードを構成要素[A]の周囲にか
ぶせることも好ましい。
面に構成要素[C]からなるスリットテープをラミネー
トすることによっても良好なヤーンプリプレグが得られ
る。特にスリットーテープが多数の孔を有する場合はヤ
ーンプリプレグに適度なタック性を付与できるので解舒
性、巻きつけ性に優れたものが得られる。
持していてもまた形状を消失してもかまわないがそれぞ
れに一長一短があり、目的に応じて使い分けることがで
きる。すなわち、元の形状を保持する場合には、構成要
素[C]が孤立分散するため熱可塑性樹脂などの欠点で
ある有機溶剤に接触した時の劣化および連続加重下での
クリ−プ現象がマトリックス樹脂全体に現れることがな
く、耐溶剤性並びに耐クリ−プ性に優れた複合材料が得
られる。しかしながら構成要素[B]と構成要素[C]
との親和性が極めて乏しい場合には応力が発生した時構
成要素[B]と構成要素[C]とのはく離が生じ、ここ
が材料の欠点になる場合がある。その意味では構成要素
[B]と構成要素[C]との間にはある程度の部分相溶
性あるいは反応性があるほうが好ましい。
が消失する場合は構成要素[B]と構成要素[C]があ
る程度一体化し、連続的な部分を形成するため耐溶剤性
の低下あるいは耐クリ―プ性の低下をもたらすことが懸
念される。しかしながら構成要素[B]と構成要素
[C]との接着は十分に強く、応力発生時に両者のはく
離が生ずることのない良好な複合材料が得られる。
向に垂直面での断面が扁平形状であれる。後述する好ま
しい製造方法において、その扁平形状の長辺をなす面の
近傍に構成要素[C]を容易に配置せしめることができ
るので好ましい。かかる扁平断面形状の長軸の長さが2
mm以上30mm以下である。
料においては、構成要素[C]は、群をなしている構成
要素[A]の周囲のマトリックス樹脂中に局在している
必要がある。かかる条件を満足しない場合、例えば構成
要素[A]の内部深くに構成要素[C]が多量に存在す
る場合には、境界領域でのエネルギー吸収が不十分にな
って繊維強化複合材料の耐衝撃性、破壊靭性の向上効果
は小さくなり、また強化繊維の配列を乱し、強化繊維近
傍のマトリックス樹脂の分率を低下させるため強度や耐
熱性を損なうおそれがある。
グにおける構成要素[C]の分布としては、構成要素
[C]の90%以上が、ヤーンプリプレグの外周面から
ヤーンプリプレグ平均厚みの30%までの部位に存在す
る。このことにより、ヤーンプリプレグから繊維強化複
合材料を作製した場合、構成要素[C]がヤーンプリプ
レグ同士の境界領域に局在化するため、耐衝撃性の優れ
た繊維強化複合材料が得られる。なお構成要素[C]は
ヤーンプリプレグの平均厚みの20%までの部位に存在
する場合は、より顕著に本発明の効果が現れるのでさら
に好ましい。
の断面形状が扁平状である場合には、構成要素[C]
は、扁平状の長辺をなす面の近傍に存在することが好ま
しい。ヤーンプリプレグ中の構成要素[C]の分布とし
ては、ヤーンプリプレグの外周の一部のみに構成要素
[C]が同様の分布をしたヤーンプリプレグでも、本発
明の効果を得ることは可能であるが、好ましくは、ヤー
ンプリプレグ全外周に渡って同様に局在化したものであ
ることが最適である。
布状態の評価は次のようにして行うことができる。
に接触しないように平行に並べて、二枚の平滑な支持板
の間にはさんで密着させ、長時間かけて徐々に温度を上
げて硬化させる。この時に重要なことは可能なかぎり低
温でゲル化させることである。ゲル化しないうちに急に
温度を上げるとヤーンプリプレグ中の樹脂が流動するた
め、ヤーンプリプレグ中における正確な分布状態の評価
ができない。しかし、硬化中に、樹脂を全く流動させな
いことは不可能であるので、硬化したヤーンプリプレグ
が、支持板の面に沿って多少は変形しても構わない。
昇温しヤーンプリプレグを硬化させる。この硬化したヤ
ーンプリプレグをその長手方向と垂直に切断し、その断
面を200倍以上に拡大して、200mm×200mm
以上の写真を撮る。構成要素[B]と構成要素[C]の
見分けがつきにくい時は、一方を選択的に染色して観察
する。顕微鏡としては光学顕微鏡または電子顕微鏡のい
ずれか適したものを用いる。
グの平均厚みを求める。ヤーンプリプレグの平均厚みは
写真上で、任意に選んだ少なくとも5箇所で、平滑な支
持板に対して垂直な方向の厚みを測り、その平均値で定
義する。次に、ヤーンプリプレグの外周から平均厚みの
30%深さの位置にヤーンプリプレグの外周と同形状の
線を引く。ヤーンプリプレグの外周と、30%深さの位
置に引いた線との間に存在する構成要素[C]の面積を
ヤーンプリプレグの両面について定量し、これと、ヤー
ンプリプレグの全幅にわたって存在する構成要素[C]
の全面積を定量し、その比をとることによりヤーンプリ
プレグの外周から深さ30%以内に存在する構成要素
[C]の割合が算出される。面積定量は重量法、イメー
ジアナライザーを用いた画像処理により行うこともでき
る。この評価は得られた写真の幅全域にわたって行う
が、任意に選んだ1箇所以上の写真で前述の構成要素
[C]の分布を満たしていれば良い。
した繊維強化複合材料などについても、同様な断面観察
を行い、構成要素[C]が強化繊維の境界領域に局在す
るか確認することができる。なお、この場合は、ヤーン
プリプレグの状態で適用した2枚の平滑な支持板は存在
しないので、断面に現れる繊維束同士の中間点を目測で
結んでいき、硬化前のヤーンプリプレグの外周として取
り扱う。
については、少なすぎるとその効果がほとんど現れない
ことがあり、また多すぎるとヤーンプリプレグのタック
性、ドレープ性が低下してしまうことがあるため、ヤー
ンプリプレグ中の構成要素[B]と構成要素[C]との
総和、または繊維強化複合材料中の構成要素[D]と構
成要素[C]との総和に対して2重量%〜30重量%の
範囲が適している。特に構成要素[D]の剛性を成形体
の圧縮強度の発現に活かすためには、構成要素[C]の
量はむしろ2重量%〜20重量%の少ない範囲の方が好
適であり、4重量%〜13重量%の範囲がさらに好まし
い。
の製造方法としては、例えば以下のような方法を用いる
ことができる。
含浸させた後、構成要素[C]を表面に付着させる。
要素[A]の表面に構成要素[C]を付着させる方法と
しては、構成要素[C]が粒子状の場合には、より具体
的に次の方法を用いることができる。
成要素[A]に、構成要素[C]を吹き付ける。
成要素[A]を、構成要素[C]を一定容積中で自由運
動を維持しながら拘束した、いわゆる流動床の中を通過
させて所望量の構成要素[C]を付着させる。
成要素[A]を帯電させ、これと逆電荷に帯電させた構
成要素[C]を接近させてその吸引力を利用して付着さ
せる。 (1−4)構成要素[B]を含浸させた構成要素[A]
に、構成要素[B]と構成要素[C]の混合物を離型紙
やフィルムの上に薄く塗布したものを貼り合わせる。な
お、この時、構成要素[A]に含浸させる構成要素
[B]と、構成要素[C]に含浸させる構成要素[B]
と、構成要素[C]に含浸させる構成要素[B]とは同
一のものでも良いし、異なった種類のものでも良い。
[A]の表面に構成要素[C]を付着させる方法として
は、構成要素[C]が繊維状の場合には、より具体的に
次の方法を用いることができる。
成要素[A]の外側に、構成要素[C]である長繊維ま
たは紡績糸を付着させる。この時、構成要素[C]であ
る長繊維または紡績糸の配列方向は、構成要素[A]の
長手方向と平行でも良いし、0°を超え90°以下の角
度をなして巻いても良い。
成要素[A]の外側に、構成要素[C]であるテープ状
の織物、ニットまたは不織布を付着させる。この時、構
成要素[C]であるテープ状の織物、ニットまたは不織
布の長手方向は、構成要素[A]の長手方向と平行でも
良いし、0°を超え90°以下の角度をなしても良い。
(1−7)構成要素[B]を含浸させた構成要素
[A]の外側に、構成要素[B]を含浸させた、構成要
素[C]であるテープ状の織物、ニットまたは不織布を
付着させる。この時、構成要素[B]を含浸させた、構
成要素[C]であるテープ状の織物、ニットまたは不織
布の長手方向は、構成要素[A]の長手方向と平行でも
良いし、0°を超え90°以下の角度をなしても良い。
なお、この時、構成要素[A]に含浸させる構成要素
[B]と、構成要素[C]に含浸させる構成要素[B]
とは同一のものでも良いし、異なった種類のものでも良
い。
と構成要素[C]の混合物を含浸させる。この過程で構
成要素[C]は構成要素[A]でろ別されて構成要素
[A]の表面に残留する。
では、構成要素[B]、もしくは構成要素[B]と構成
要素[C]の混合物を加熱するか、または、構成要素
[B]、もしくは構成要素[B]と構成要素[C]の混
合物を溶媒に溶解、もしくは分散させて所望の粘度とし
たものに、構成要素[A]を浸漬する方法を採用するこ
とができる。
れた口金に、構成要素[A]、[B]、[C]を供給
し、構成要素[A]を引き出しながら構成要素[B]、
[C]を含浸せしめる。この過程で構成要素[C]は構
成要素[A]でろ別されて構成要素[A]の表面に残留
する。
らなる一方向プリプレグを、特開昭63−170427
号、特開昭63.170428号、特開平1−2665
1号、特願平5−302953号、特願平6−5158
61号、特願平6−187207号など公報のいずれか
に記載の方法で作製した後、所定の幅にスリットする。
なお、本発明のヤーンプリプレグを、後述するトウプレ
イスメントマシンまたはファイバープレイスメントマシ
ンを用いた成形に供する場合には、ヤーンプリプレグの
幅と厚みがその長手方向に渡って一定であることが望ま
しい。このため、ヤーンプリプレグを製造する工程中で
溝付きガイドローラーやスリットダイなどを用いて所望
の形態に規制することが好ましい。
にして成形に供され、繊維強化複合材料となされる。
ルに巻き付けて所定の形状に賦型した後、加熱下で硬化
させる。また必要に応じて加圧も併用する。
イスメントマシンまたはファイバープレイスメントマシ
ンで所定の形状に賦型した後、加熱下で硬化させる。ま
た必要に応じて加圧も併用する。
料は、前記した構成要素[A]および[C]、ならびに
構成要素[B]が硬化した硬化物からなっており、その
切断面に現れる構成要素[A]同士の境界領域に構成要
素[C]の90%以上が局在する。これにより、衝撃な
どにより生じるクラックの進展が抑制されるので、耐衝
撃性、耐疲労性に優れ、かつ繰返し衝撃に対する耐性が
大きい繊維強化複合材料とすることができる。特に、一
方向プリプレグを積層して得られる繊維強化複合材料の
積層体に比べて、クラック先端が構成要素[C]に遭遇
する確率が高いため、その効果がより顕著に現れるので
ある。
の他、次のような一般に知られる、いわゆるフィラメン
トワインド法でも製造することができる。
し、構成要素[C]を分散させた液に、構成要素[A]
を連続的に浸漬し、所定量の構成要素[B]と構成要素
[C]を構成要素[A]に付着させてから、そのままマ
ンドレルに巻き付けて所定の形状に賦型する。ここで、
構成要素[C]は構成要素[A]でろ別されて構成要素
[A]同士の境界領域に局在した状態となっているの
で、それを加熱また必要に応じて加圧も併用して硬化さ
せるのである。この方法では成形コストも低く抑え、か
つ容易に、本発明の繊維強化複合材料を製造することが
できる。
用いて繊維強化複合材料に成形される。繊維強化複合材
料としては、管状体や円筒体のものに適しており、特
に、航空機、自動車、自転車等における各種部材、外板
材として、釣竿、ゴルフクラブ用シャフト、スキーポー
ル、テニスラケット等の各種レジャー用品としてまた、
圧力容器の外殻として、また各種建築用材料、建設用形
材などとして好適に用いることができる。
ントモルタル、レンガ作りの個人用家屋はもとより、鉄
筋コンクリート作りの大型ビル、高層建築ビル、化学工
場などの工場、倉庫、車庫、農業用のビニールハウスや
園芸ハウス、ソーラーハウス、歩道橋、電話ボックス、
移動式の簡易トイレ、シャワー室、ガレージ、テラス、
ベンチ、ガードレール、広告塔、小屋、ペット小屋、物
置、プレハブなどの小型・簡易建物などあらゆる建造物
に使用できる部材をさす。
槽の補強材、ダクト補強材、プール材、ドアや窓の枠、
軒の桟、天井や床の梁、敷居、間仕切り材、側壁材、鴨
居、支柱、部屋を仕切るためのパーテイションの枠、雨
樋、足場等々、多種多用である。
m×1000mm×50mm)を用いてフィラメントワ
インンド法により疑似等方板([+45/−45/0/
90]S 構成)を作製した。まず炭素繊維束(単糸数1
2000本、単糸径5.2μm、引張伸度1.9%、弾
性率290GPa)を3本合糸して、樹脂浴にてエポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ樹脂(株)製エピコート8
27/メチルナジック酸無水物/2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール(100部/90部/1部))を含浸さ
せ、次に東レ(株)製SP−500ナイロン粒子(平均
粒径5〜7μm)を風力で浮遊させて充満させた槽(樹
脂パウダー槽)を通過させてこれを前述の樹脂で含浸し
た炭素繊維束表面に付着させた。次いで、これを連続的
に前述の平板試料作製用の矩形マンドレルに繊維の配列
が+45、−45、0、+90、+90、0、−45、
+45の順で層をなすように巻きつけた(配列の角度は
マンドレルの軸方向を0とする)。次にプレス成形機に
て加圧下で100℃×1時間次いで150℃×2時間、
次いで180℃×4時間の条件で硬化させ、[+45/
−45/0/90]S構成(厚さ6.0mm)の疑似等
方性平板を得た。かくして得られた平板から101.6
mm×152.4mmの試験片を切出し、ボーイング社
試験法BSS7260記載の衝撃後圧縮強度(CAI)
の測定を行った。67J/cmの落錘衝撃エネルギーを
与えた後の圧縮強度は340MPaであった。また本平
板の断面を観察したところ、構成要素[A]、[B]、
[C]からなっていた。
った他は全て実施例と同じにして[+45/−45/0
/90]S 構成(厚さ5.9mm)の疑似等方板を得
た。
試験片を切出し、CAIの測定を行った。67J/cm
の落錘衝撃エネルギーを与えた後の圧縮強度は210M
Paであり、実施例よりも劣っていた。また本平板の断
面を観察したところ、構成要素[A]、[B]からなっ
ていた。
たような構成を有するため、これを用いることにより、
次のような優れた特徴を有する繊維強化複合材料を、成
形コストに有利なフィラメントワインディング法や、複
雑形状の成形に有利なファイバープレイスメント法、ト
ウプレイスメント法などで容易に作製することができ
る。
複合材料の最終破壊を遅らせることができる。
方向プリプレグを積層して得られる繊維強化複合材料の
積層体に比べて、クラック進展に際して、クラック先端
が構成要素[C]に遭遇する確率が高いため、上記特徴
をより顕著に生ぜしめることができる。
Claims (10)
- 【請求項1】扁平断面形状の長軸の長さが2mm以上3
0mm以下であるヤーンプリプレグであって、次の構成
要素[A]、[B]、[C]からなり、構成要素[A]
に[B]が含浸され、かつ、構成要素[C]の90%以
上がヤーンプリプレグの外周面からヤーンプリプレグ平
均厚みの30%までの部位に存在するファイバープレイ
スメント用ヤーンプリプレグ。 [A]:強化繊維束 [B]:熱硬化性樹脂 [C]:エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂を主
体としてなる樹脂 - 【請求項2】構成要素[A]が単繊維1000フィラメ
ント以上からなることを特徴とする請求項1記載のファ
イバープレイスメント用ヤーンプリプレグ。 - 【請求項3】構成要素[B]がエポキシ樹脂を主体とし
てなることを特徴とする請求項1記載のファイバープレ
イスメント用ヤーンプリプレグ。 - 【請求項4】構成要素[C]が粒子状であることを特徴
とする請求項1記載のファイバープレイスメント用ヤー
ンプリプレグ。 - 【請求項5】構成要素[C]の粒径が150μm以下で
あることを特徴とする請求項4記載のファイバープレイ
スメント用ヤーンプリプレグ。 - 【請求項6】構成要素[C]が繊維状であることを特徴
とする請求項1記載のファイバープレイスメント用ヤー
ンプリプレグ。 - 【請求項7】構成要素[C]が、ポリ酢酸ビニル、ポリ
アミド、ポリカーボナート、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリ
レート、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアラミ
ド、ポリベンズイミダゾール、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ポリエステ
ル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラ
ストマーからなる群から選ばれる1種以上の樹脂である
ことを特徴とする請求項1記載のファイバープレイスメ
ント用ヤーンプリプレグ。 - 【請求項8】下記構成要素[A]に下記構成要素[B]
を含浸せしめた後、構成要素[C]の流動床中を通過さ
せることにより、構成要素[C]をヤーンプリプレグの
表面に付着せしめるヤーンプリプレグの製造方法。 [A]:強化繊維束 [B]:熱硬化性樹脂 [C]:エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂を主
体としてなる樹脂 - 【請求項9】次の構成要素[A]、[D]、[C]から
なる複合材料であって、その切断面に現れる構成要素
[A]同士の境界領域に構成要素[C]の90%以上が
局在する圧力容器用繊維強化複合材料。 [A]:強化繊維束 [D]:熱硬化性樹脂の硬化物 [C]:エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂から
なる樹脂 - 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載のヤーン
プリプレグを硬化してなる繊維強化複合材料。
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1996
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