JP3538668B2 - 補強コンクリート構造物の解体方法と、補強コンクリート構造物と、補強コンクリート構造物の補強材と、シールド工法と、シールド工法に用いる立坑 - Google Patents

補強コンクリート構造物の解体方法と、補強コンクリート構造物と、補強コンクリート構造物の補強材と、シールド工法と、シールド工法に用いる立坑

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JP3538668B2 JP26929199A JP26929199A JP3538668B2 JP 3538668 B2 JP3538668 B2 JP 3538668B2 JP 26929199 A JP26929199 A JP 26929199A JP 26929199 A JP26929199 A JP 26929199A JP 3538668 B2 JP3538668 B2 JP 3538668B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強コンクリート
構造物の解体方法、補強コンクリート構造物、補強コン
クリート構造物の補強材およびシールド機を用いたトン
ネル掘削工法と、シールド機のカッタービットで切削可
能な仮壁部を備えた立坑に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、補強コンクリート構造物の解体方
法は、削岩機や解体用重機等の機械的破壊方法が用いら
れ、特殊なケースでは爆薬による破壊が行われている。
しかし、地中に構築された土留め壁などのように、土圧
・水圧に晒されており、解体により地山崩壊の危険があ
る補強コンクリート構造物の解体方法では種々の問題が
あった。この顕著な事例はシールド工法である。
【0003】シールド工法では、地下深い個所で立坑か
ら発進、到着を行う。 深い立坑の土留壁には、大きな
土圧、水圧が作用することから、その構造は一般的に鉄
筋コンクリート連壁あるいはH形鋼を連結してソイルセ
メントで固化した泥水固化壁等による強固なものとなっ
ている。従来、これらの立坑からのシールド機の発進、
到着では、土留壁背面の地盤に地盤改良のための薬液を
注入したり凍結管を複数地盤内に挿入し凍土または凍土
壁等を形成して自立させる防護工を施工して地山崩壊を
抑えてから、土留壁を人力あるいは重機で取り壊すこと
によってきた。
【0004】しかしこの方法では地盤の改良にかなりの
工期と費用がかかる問題があった。また、地盤や深度に
よっては、これらの地盤改良によっては所定の強度や、
止水性の確保が難しい場合もあった。またこれらの背面
地盤の改良のためには、地山の露出、開放を伴うことか
ら、安全性面からの問題もあった。
【0005】シールド機のディスクカッターで立坑の土
留壁を直接切削、開口して発進到達ができれば、経済的
であり、また安全でもある。しかし、立坑の土留壁には
補強材として鉄筋や鋼材が埋設されており、シールド機
のカッターで切削することはできなかった。
【0006】これらの問題を解決するため、鉄筋や鋼材
に代わる補強材として高強度の炭素繊維強化プラスティ
ックを用い、石灰砕石を粗骨材とするシールド機で切削
可能な土留壁が知られている。しかし補強材の高強度の
炭素繊維強化プラスティックが高価であるため経済性に
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、破壊予定個
所を有する補強コンクリート構造物の構築が施工しやす
く、高価な部材を用いることなく経済性に優れ、短期間
で容易に且つ確実に破壊可能にすることを目的とする。
【0008】また、シールド工法において、シールド機
のディスクカッターで切削可能な立坑またはシールド機
の掘削進路を遮る土留め壁を提供し、シールド工法の発
進・到達の際の立坑における防護工の不要化、安全性の
確保、工期の短縮を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明の補強コンクリートの解体方法は、補強コンクリート
構造物の少なくとも破壊予定部位に設けられる補強材を
導電性の中空の外部材と、この外部材内に間隔を有して
遊挿される導電性の中空状または中実状の内部材とによ
り形成し、少なくとも外部材と内部材との間に電解質を
介在させた状態で外部材と内部材との間に電圧を印加し
て外部材の内壁または内部材の外壁をアノード溶解して
脆弱化した後、補強コンクリート構造物を破壊すること
を特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、補強コンクリー
ト構造物の破壊予定部位の補強材がアノード溶解により
電解質に溶解し脆弱化するため、構造物全体の強度は保
ちつつ破壊予定部位のみを容易且つ確実に破壊しやすく
することができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明であっ
て、前記外部材の内壁を脆弱化した後、外部材及び内部
材に逆電圧を印加して内部材の外壁を脆弱化することを
特徴とする。この発明によれば、補強材全体を消滅させ
るように限りなく脆弱化させることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の発明であって、少なくとも外部材と内部材との間に介
在させる電解質が外部から供給される電解質溶液である
ことを特徴とする。この発明によれば、アノード溶解さ
れた溶出物を回収しながらアノード溶解するため、少な
い電力で効率よく脆弱化する補強材を得ることができ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項1から3のいず
れかに記載の発明であって、前記外部材の内壁または/
及び内部材の外壁を脆弱化した後、内部にモルタル等の
流動性充填物を充填して補強材の空洞部分を埋めること
を特徴とする。この発明によれば、空洞化した補強材の
内部が、シールド機のカッター等で切削可能な充填物で
固化され、脆弱化された補強材が剥離せず切削すること
ができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1から4のいず
れかに記載の発明であって、前記外部材または/及び内
部材の脆弱化途中または脆弱化後に外部材または/及び
内部材の残存量を電気抵抗値から検出することを特徴と
する。この発明によれば、脆弱化の状況を検知しながら
通電条件を管理することができ、施工予定に合わせて脆
性化を安全且つ確実に進めることができる。
【0015】請求項6の発明は、請求項1から5のいず
れかに記載の発明であって、 前記補強コンクリート構
造物が地中に施工された土留め壁であることを特徴とす
る。
【0016】請求項7の発明は、請求項1から6のいず
れかに記載の発明であって、少なくとも外部材と内部材
との間に介在させた電解質が、水素ガスの発生を抑止す
る陰極復極剤を含むことを特徴とする。この発明によれ
ば、陰極復極剤によりアノード電解に伴う水素ガスの発
生が抑止されるため電解質循環のための配管設備が不要
となる。
【0017】請求項8の発明は、補強コンクリート構造
物の補強材が、導電性の中空状の外部材と、この外部材
内に間隔を有して遊挿される導電性の中空状または中実
状の内部材とから形成されており、外部材及び内部材に
直流電源との接続部が設けられていることを特徴とす
る。
【0018】請求項9の発明は、請求項8記載の発明で
あって、前記直流電源との接続部が補強コンクリート構
造物の破壊予定部位の中心近傍に設けられていることを
特徴とする。
【0019】請求項10の発明は、請求項8または9記
載の発明であって、前記外部材の内壁または/及び内部
材の外壁に導電材の露出部及び導電材を覆う絶縁層が設
けられていることを特徴とする。
【0020】請求項11の発明は、請求項8から10の
いずれかに記載の発明であって、前記外部材または/及
び内部材が、電気抵抗を測定する測定部を備えているこ
とを特徴とする。
【0021】請求項12の発明は、請求項8から11の
いずれかに記載の発明であって、前記外部材の内壁また
は/及び内部材の外壁が複数の異種導電材によって形成
されていることを特徴とする。
【0022】請求項13の発明は、請求項8から12の
いずれかに記載の発明であって、前記外部材は電解質ま
たは/及び流動性充填物を供給、排出する出入口を備え
ていることを特徴とする。
【0023】請求項14の発明は、請求項8から13の
いずれかに記載の発明であって、前記補強材が地中に施
工された土留め壁に埋設されていることを特徴とする。
【0024】請求項15の発明は、請求項8から14の
いずれかに記載の発明であって、前記補強材がシールド
トンネルの発進杭及び到達杭の破壊予定部位に埋設され
ていることを特徴とする。
【0025】請求項16の発明のコンクリート構造物
は、請求項8から15のいずれかに記載の補強材が少な
くとも破壊予定部位に設けられていることを特徴とす
る。
【0026】請求項17の発明は、コンクリート壁の内
部の補強材として少なくとも導電性の中空管を使用した
補強コンクリート構造物の解体方法であって、前記補強
材の内部に間隔を有して電極部材を遊挿すると共に、少
なくとも補強材と電極部材との間に電解質を介在させた
状態で補強材と電極部材とに電圧を印加することによ
り、補強材の内壁をアノード溶解して脆弱化することを
特徴とする。
【0027】請求項18の発明は、請求項17記載の発
明であって、前記脆弱化の後、前記コンクリート壁を切
削破壊することを特徴とする。
【0028】請求項19の発明は、請求項17または1
8記載の発明であって、前記補強コンクリート構造物が
地中に施工された土留壁であることを特徴とする。
【0029】請求項17から19記載の発明によれば、
補強コンクリート構造物の補強材の内壁が電解質を介在
して電圧を印加されることにより少ない電力で効率よく
アノード溶解され脆弱化するため容易且つ確実に破壊し
やすくすることができる。
【0030】請求項20の発明のシールド工法は、周囲
の構造よりも脆弱な構造に変化可能な仮壁部を有した発
進立坑及び到達立坑を発進位置および到達位置にそれぞ
れ施工し、発進立坑の仮壁部をアノード溶解によって脆
弱化した後、発進立坑からシールド機を駆動して仮壁部
を切削破壊し、前記到達立坑に向かってシールド機を前
進させながらシールドトンネルを施工し、シールド機が
到達立坑に到達したとき、到達立坑の仮壁部をアノード
溶解によって脆弱化し、その後シールド機により仮壁部
を切削破壊してシールドトンネルとの連結を行うことを
特徴とする。この発明によれば、シールド機のディスク
カッターで切削可能な発進・到達立坑を提供し、安全性
の確保、防護工の不要化、工期の短縮を図ることができ
る。
【0031】請求項21の発明は、請求項20記載の発
明であって、前記仮壁部を、電極部材を本体管の内部に
遊挿した補強材と、この補強材を埋設し周囲の壁体と連
設されるコンクリート壁またはモルタル壁とによって形
成し、本体管内部に予め電解質を充填しまたは本体管内
部に電解質溶液を供給しながら本体管と電極部材とに電
圧を印加して本体管の内壁をアノード溶解して脆弱化す
ることを特徴とする。
【0032】請求項22の発明は、請求項21記載の発
明であって、前記本体管の内壁の脆弱化の後に、本体管
及び電極部材に逆電圧を印加して電極部材の外壁を脆弱
化することを特徴とする。この発明によれば、仮壁部に
埋設された補強材全体を消滅させるように限りなく脆弱
化させることができる。
【0033】請求項23の発明は、請求項21または2
2記載の発明であって、前記補強材をアノード溶解によ
り脆弱化した後に、内部にモルタル等の流動性充填物を
充填して、補強材の空洞部分を埋めることを特徴とす
る。この発明によれば、空洞化した補強材の内部が、シ
ールド機のカッターで切削可能な充填物で固化され、脆
弱化された補強材が剥離せず切削することができる。
【0034】請求項24の発明は、請求項21から23
のいずれかに記載の発明であって、前記本体管の内壁の
脆弱化途中または脆弱化の後に、本体管又は/及び電極
管の残存量を電気抵抗値から検出することを特徴とす
る。この発明によれば、脆弱化の状況を検知しながら通
電条件を管理することができ、シールド機の発進・到達
予定に合わせて脆性化を安全且つ確実に進めることがで
きる。
【0035】請求項25の発明は、シールド機の発進位
置および到達位置に施工されると共に、シールドトンネ
ルによって連結される立坑であって、アノード溶解によ
って周囲の構造よりも脆弱な構造に変化可能な仮壁部
が、前記シールド機の少なくとも中心部のディスクカッ
ターの掘削対応位置に設けられている立坑であることを
特徴とする。この発明によれば、立坑の仮壁部を直接シ
ールド機のディスクカッターで切削することが可能とな
り発進・到達の際の立坑における安全性の確保、防護工
の不要化、工期の短縮を図ることができる。
【0036】請求項26の発明は、請求項25記載の発
明であって、前記仮壁部は、周囲の壁体と同等の強度と
するための複数の補強材と、この補強材を埋設すると共
に、周囲の壁体と連接されたコンクリート壁またはモル
タル壁であることを特徴とする。このため、この仮壁部
は、通常の立坑壁の施工方法と同様な工法で構築するこ
とができ、工期の短縮と施工費用の抑止が可能となる。
【0037】請求項27の発明は、請求項26記載の発
明であって、前記補強材は、両端が密閉された導電性の
中空の本体管と、前記本体管内に隙間をあけて挿入され
た中空状又は中実状の電極部材とからなることを特徴と
する。
【0038】請求項28の発明は、請求項27記載の発
明であって、前記本体管と、本体管に遊挿された電極部
材との隙間に電解質が充填されまたは電解質溶液が注入
されるものであることを特徴とする。
【0039】請求項29の発明は、請求項27又は28
記載の発明であって、前記本体管は、電解質溶液および
アノード溶解による電解溶出物を吸入及び排出する一ま
たは複数の給排出口を備え、内部が溶液循環路となって
いることを特徴とする。この発明によれば、電解質溶液
が循環することにより、アノード溶解された溶出物を回
収しながらアノード溶解するため溶解が促進され、少な
い電力で効率よく脆弱化することができる。
【0040】請求項30の発明は、請求項27および2
8に記載の発明であって、前記電極部材は、電解質溶液
および流動性充填物を供給する外部パイプと連通する給
入口と、前記本体管に連通して設けられた一または複数
の循環口を備えており、電解質溶液および流動性充填物
を本体管に流動させる溶液循環路を形成する中空管であ
ることを特徴とする。この発明によれば、循環される電
解質溶液でアノード溶解が促進されると共に、溶出物が
回収された後に、電解質溶液をモルタルなどの流動性充
填物に置換して、空洞化した補強材の内部を充填物で固
化することにより脆弱化された補強材を剥離させずにシ
ールド機のカッターで切削することができる。
【0041】請求項31の発明は、請求項27から30
のいずれかに記載の発明であって、前記本体管及び電極
部材は、アノード溶解のために供給される直流電源装置
の正極または負極に接続する一または複数の電気接続部
を備えていることを特徴とする。
【0042】請求項32の発明は、請求項31記載の発
明であって、前記電気接続部がシールド機の掘削対応位
置の中心近傍に設けられていることを特徴とする。この
発明によれば、周辺部より切削能力が低いシールド機の
中心近傍が当たる部分の脆弱化を優先的に行うことがで
きるため、工期の短縮、消費電力の節約を図ることがで
きる。
【0043】請求項33の発明は、請求項27から31
のいずれかに記載の発明であって、前記本体管または/
および電極部材には、電気抵抗を測定するための測定部
を備えていることを特徴とする。この発明によれば、脆
弱化の状況を検知しながら通電条件を管理することがで
き、シールド機の発進・到達予定に合わせて脆性化を安
全且つ確実に進めることができる。
【0044】請求項34の発明は、請求項27から33
のいずれかに記載の発明であって、前記本体管の内面ま
たは/及び電極部材の外面にアノード溶解される導電材
露出部とアノード溶解を防止する絶縁層とを設けたこと
を特徴とする。この発明によれば、露出部のみを脆弱化
することにより、工期の短縮、消費電力の節約を図るこ
とができると共に、絶縁部は当初の強度を維持させるこ
とができる。
【0045】請求項35の発明は、請求項27から34
のいずれかに記載の発明であって、前記本体管の少なく
とも内面または/及び前記電極管の少なくとも外面が複
数の異種導電材からなり、電解活性の高い導電材面を優
先的にアノード溶解させることを特徴とする。
【0046】請求項36の発明は、請求項27から34
のいずれかに記載の発明であって、前記本体管の少なく
とも内面または/及び電極管の少なくとも外面が電解に
より脆弱化する合金によって形成されていることを特徴
とする。
【0047】請求項37の発明は、請求項28から36
のいずれかに記載の発明であって、前記電解質が、水素
ガスの発生を抑止する陰極復極剤を含むものであること
を特徴とする。この発明によれば、陰極復極剤によりア
ノード電解に伴う水素ガスの発生が抑止されるため電解
質循環のための配管設備が不要となる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1から図5を参照して詳細に説明する。図1は本発明の
補強コンクリート構造物の一実施の形態を示す。図1
(a)は補強コンクリート構造物を透視した平面図、
(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の底面図を示
し、この実施の形態では、補強コンクリート構造物10
0は、破壊予定部位200の範囲に、補強材1が前後6
本づつ、円環状の押えプレート102で挟持されてい
る。押えプレート102は主鉄筋101と溶接等で固結
して一体化された状態となっており、この状態でコンク
リート105を打設することにより、コンクリート10
5に埋設されている。
【0049】補強材1の配設は、この実施の形態に限る
ものではなく、補強コンクリート構造物に求められる強
度に応じた口径・材厚を有するものであれば、配設本
数、配設間隔はいかなる形態でも良い。また、地中構造
物においては破壊予定部位のみでなく、地表から地中の
破壊予定部位まで連通させた形態をとることも出来る。
さらに、中空の断面も円、角に限ることなく用途に応じ
て異形であっても実施に問題はない。
【0050】図2は補強材1を示す断面図である。図2
に示す補強材1は、中空の本体管2及び本体管2内に間
隔を有して遊挿された電極部材3とにより形成されてい
る。少なくとも前記本体管2と電極部材3との間に電解
質4を介在させた状態で本体管2と電極部材3との間に
電圧を印加して本体管2の内壁21をアノード溶解す
る。
【0051】前記本体管2は、所定の強度を有する材厚
の導電性の中空管からなり、上下の開口は絶縁部材から
なるキャップ25a,25bで密閉されている。
【0052】また、本体管2の長手方向の上端近傍と、
下端近傍には、本体管2をアノード溶解するための電解
質の出入口4a、4bがそれぞれ設けられ、電解質4を
本体管2の内部に供給すると共に循環させることができ
る。この電解質4の供給によりアノード溶解が促進され
ると共に、溶出物を外部に排出して回収することができ
る。
【0053】この実施の形態では、電解質の出入口4
a,4bを設けたが、予め本体管2の内部に陰極復極剤
を含む電解質を充填することにより、アノード溶解によ
る水素ガスの発生を抑止して出入口4a,4bを設けな
い密封構造とすることもできる。
【0054】更に、本体管2の内壁に塗料などによる被
膜等で絶縁層22を形成することができる。この形態で
は絶縁層22は本体管2の上下の端部で本体管2の導電
材を覆うように形成されており、絶縁層22の形成部位
以外の本体管2の内壁は導電材が露出した露出部となっ
ている。かかる絶縁層部分は、アノード溶解防止部とな
り、導電材の露出部のみをアノード溶解することができ
る。この絶縁層と導電材の露出部分とを本体管2の内壁
に上下左右交互に配置することによって格子状とするこ
とができる。これにより導電材の露出部のみのアノード
溶解行を短期間で行うことができ、消費電力の節約を図
ることができる。
【0055】本体管2は、直流電源5の正極51と接続
するための接続部23を備える一方、前記電極部材3は
直流電源の負極52と接続するための接続部24を備え
ている。負極52との接続部24は電極部材3の中央に
設けられており、これにより接続部24に近い本体管2
の内壁のアノード溶解反応が最も速く進行する。このた
め、後述するシールド工法では、周辺部より切削能力が
低いシールド機の中心近傍が当たる部分の脆弱化を優先
的に行うことができるため、工期の短縮、消費電力の節
約を図ることができる。
【0056】本体管2としては、活性溶解しやすく、安
価で補強材としての強度を備えている鉄鋼管を用いるこ
とができるが、本体管の材質は鋼管に限ることなく、
銅、真鍮、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、などの
活性溶解しやすい材料であれば適宜選択することができ
る。
【0057】また、本体管2の材料として複数の異種の
複数の導電材で構成された材料、または異種の金属材料
からなる合金を用いることもできる。これらの材料を用
いることにより、電解活性の高い部分が優先的に溶解す
るため、全体を溶解するよりも短時間で脆性化すること
ができる。
【0058】電極部材3には、例えば、黄銅等を選択で
きる。また炭素などの非金属導電材であっても良い。図
2の実施の形態では中実の黄銅棒が使用されているが、
電極部材3としての性質から強度を求められないため中
空の丸棒や角棒または薄い黄銅板であってもよい。
【0059】次に、アノード溶解による本体管2の脆性
化の反応について説明する。本体管2に直流電源5の正
極51を接続すると共に、電極部材3に負極52を接続
して、本体管2および電極部材3の間に電圧を印加す
る。これにより金属鉄Feが電子を失い鉄イオンにな
り、電解質中に溶解する。また、電解質中の水が電解さ
れ水素ガスを発生し、水からヒドロキシンイオン(水酸
イオン)が生じる。そして鉄イオンがヒドロキシンイオ
ンと反応して水酸化鉄の沈殿となる。以上の印加を電解
質の供与を継続しながら行うことにより、本体管2の内
壁が溶解(アノード溶解)するため、本体管2の肉厚が
徐々に薄くなる。これにより本体管2、すなわち補強材
1の脆弱化を行うことができる。
【0060】このような方法では、アノード溶解によっ
て金属鉄を溶解する反応を、補強材を構成する本体管2
の内壁に対して行うため、周囲のコンクリートに影響を
及ぼすことなく、また、周囲のコンクリートの影響を受
けることもなく、小電力で、効率よくアノード溶解を促
進して脆弱化することができる。
【0061】なお、電解質を出入口4a,4bから供給
および排出しているが、ゲル状の電解質を用いこのゲル
状の電解質を、本体管2の内部に封入して脆弱化するこ
とも可能である。この場合には,上述した陰極復極剤を
含有した電解質が有効である。
【0062】図3は、別の実施の形態の補強材1aを示
し、本体管2aにおける長手方向の上端近傍には電解質
の出入口4bが設けられ、連通された外部パイプ6bを
通じて電解質と共にアノード溶解による溶出物を外部に
排出することができるようにされている。
【0063】本体管2aの上端開口部には絶縁性のキャ
ップ25aが嵌め込まれており、電極部材3aはこのキ
ャップ25aを貫通して本体管2aの内部に間隔を有し
て遊挿されている。この電極部材3aは、中空管からな
り、上端開口は本体管2aから抜き出て給入口4cとな
っており、この給入口4cに電解質4を供給する外部パ
イプ6aが連結されている。また、電極部材3aの下端
近傍には循環口7が複数開口して給入口4cから流入し
た電解質4が循環口7から本体管2aの内部に流れ出た
後、出入口4bから流出する溶液循環路(矢印で示す)
を形成している。このため、循環される電解質溶液でア
ノード溶解が促進される。また、溶出物が回収された後
に、電解質溶液をモルタルなどの流動性充填物に置換し
て、空洞化した補強材の内部を充填物で固化することが
でき、これにより脆弱化された補強材を剥離させずにシ
ールド機のカッターで切削することができる。
【0064】図3に示す本体管2aの外面には、電気抵
抗値を測定するための測定部8が長手方向に間隔を空け
て設けられており、この間の電気抵抗を測定する。この
測定では、アノード溶解により断面積が減少することに
よる抵抗の変化から脆弱化の状況を検知することができ
る。これにより、通電条件を管理することができる。な
お、この測定部8を電極部材3aにも設けると共に、正
負の電極を逆転してアノード溶解反応を電極部材3aに
作用させて、電極部材3aの溶解状況を測定することも
できる。かかる測定はアノード溶解による脆弱化の途中
に行うことができるが、終了した後に行っても良い。
【0065】図4は、シールド工法の実施の形態を示
す。このシールド工法では、周囲の構造よりも脆弱な構
造に変化可能な仮壁部110を有した発進立坑50及び
到達立坑を発進位置および到達位置にそれぞれ施工す
る。なお、到達立坑は仮壁部を発進立坑50側に向ける
以外は発進立坑と同じであるため図示を省略してある。
この施工の後、まず、発進立坑50の仮壁部110を上
述したアノード溶解によって脆弱化した後、発進立坑5
0からシールド機200を駆動して仮壁部110を切削
破壊する。そして到達立坑に向かってシールド機200
を前進させながらシールドトンネル210を施工し、シ
ールド機200が到達立坑に到達したとき、到達立坑の
仮壁部110を上述したアノード溶解によって脆弱化す
る。その後シールド機200により仮壁部110を切削
破壊してシールドトンネル210との連結を行う。この
シールド工法によれば、シールド機200のディスクカ
ッター205で切削可能な発進・到達立坑を用いるた
め、安全性の確保、防護工の不要化、工期の短縮を図る
ことができる。
【0066】このシールド工法における仮壁部110で
は、図2に示すように、電極部材3を本体管2の内部に
遊挿した補強材1を用いるものであり、この補強材1は
周囲の壁体51と連設されるコンクリート壁またはモル
タル壁によって埋設されて仮壁部110となっている。
従って本体管2内部に電解質溶液4を供給しながら本体
管2と電極部材3とに電圧を印加して本体管2の内壁を
アノード溶解して脆弱化することができる。補強材とし
ては図3に示す構造であっても良い。
【0067】発進立坑50は、設計されたシールドトン
ネルの深度まで掘削され、SMW壁および本体コンクリー
ト壁51で周囲の土水圧から防護されており、仮壁部1
10はシールド機200で切削破壊する予定部位に設け
られている。
【0068】仮壁部110としては、この形態に限るも
のではなく、立坑の施工場所の地中の条件によって、土
水圧に対応する補強材を用いることができる。例えば、
深度30mに対応するためには1000mmの厚さの仮壁
部とすると共に、口径が900mm、材厚が12mmの鋼管
を補強材として配設して周囲の土水圧に対抗させること
ができる。
【0069】立坑の構築に続き、シールド機200の組
立てと並行し仮壁部110の脆弱化の準備のため地上に
直流電源5、電解液槽40を設置する。そして電解液の
送出ポンプ41を介して仮壁部110の電解液の給入口
4c、出入口4bと液送パイプ6a,6cを連結する。
また直流電源と電流制御装置(図示せず)を介して接続
部23,24とを接続する。
【0070】次に、シールド機200を仮掘進させメイ
ンブレーム内に挿入し、圧力保持をしながら、直流電圧
の印加と、電解質の循環により仮壁部110のアノード
溶解を進め、仮壁部110の脆性化を行う。脆性化が進
行した仮壁部110では、シールド機200によって圧
力保持されているため、外部土圧の崩壊を防止でき、安
全に施工することができる。
【0071】このとき、循環させた電解液によって、補
強材1の溶出物として水酸化鉄が電解槽40に回収され
る。回収された水酸化鉄は分離機42により水分、塩分
などの電解質と分離し廃棄物として処分するか、適宜の
処理を行って再利用する。
【0072】図3に示す補強管1aを用いる場合には、
本体管2aに設けられた測定部8によって、本体管2a
の残存量を電気抵抗値から検出して脆弱化の進行状況を
監視しても良い。そして切削可能なように脆性化が完了
したことを確認した後、シールド機200を発進させ直
接ディスクカッター205で仮壁部110を切削する。
【0073】この後、シールドトンネル210を掘進
し、到達立坑に到達した際には、同様に到達立坑の仮壁
部110を脆性化してからシールド機200により直接
仮壁部110を切削してシールドトンネル210を到達
立坑に連結する。
【0074】以上の実施の形態における中空の本体管2
又は2aは、請求項1から13の発明における外部材を
構成するものである。一方電極部材3または3aは請求
項1から13の発明におけるける内部材を構成するもの
である。この請求項1から13の発明においては、外部
材は導電性の中空状となっていれば良く、管状でなくと
も太鼓形状や鼓形状、その他の形状を包含するものであ
る。また、内部材は、外部材内に間隔を有して遊挿され
且つ導電性の中空状又は中実状であれば良く、外部材と
同様な太鼓形状や鼓形状、その他の形状を包含する。さ
らに請求項1から13の発明では、外部材をそのままと
しておき、内部材をアノード溶解によって脆弱化しても
良く、外部材及び内部材の双方を脆弱化しても良い。後
者の場合は、外部材の内壁を脆弱化した後、逆電圧を印
加して内部材の外壁を脆弱化することにより行うことが
できる。
【0075】図5は、既設構築物60が構築されてお
り、その手前に新設構築物65を構築するための土留め
壁55がシールドトンネル210の進路に構築されてい
る場合を示す。図5(a)は平面図、(b)は(a)の
B−B断面図を示す。
【0076】土留め壁55におけるシールドトンネル2
10の掘削進路上には、補強材1を地上からシールドト
ンネルの深度まで挿入した後、ソイルセメントで固化し
た仮壁部120が設けられている。
【0077】補強材1としては、図2および図3に示す
ような導電材からなる中空管の本体管2または2aを使
用する。なお、図示を省略するが、土留め壁55におけ
る仮壁部が設けられている以外の部分(図5のハッチン
グ部分)には、H型鋼や鋼棒を縦横に組んだ構造などの
補強材あるいは鋼管からなる補強材が埋設されるもので
ある。
【0078】仮壁部120の破壊では、補強材1である
中空の本体管内に、中空または中実の電極管を間隔を有
して挿入し、本体管と電極部材との間にゲル状の電解質
を充填あるいは電解質溶液を流し込み、この状態で本体
管と電極部材とに印加することにより溶解を行う。この
ような実施の形態では、補強材として中空管を用いた土
留め壁であれば、その施工後に、脆弱化させることがで
きる。従ってシールドトンネル210の進路に土留め壁
を施工しても、その後に補強材部分を破壊できるため、
シールドトンネルの施工を確実に行うことができる。
【0079】この場合、補強材1の本体管2では、シー
ルドトンネル210の通過部分以外を絶縁層22で覆う
ことによりシールド機200の到達に合わせて部分的に
脆性化をさせることができる。このため図5(b)に示
すように上下2本のシールドトンネルが近距離で掘削さ
れる場合においても、まず下段を進む先着のシールド機
200の進路部分のみを脆性化してシールド機200で
切削破壊しても上方の土留め壁に影響を与えることがな
く、後着のシールドトンネル210を掘削した後も上下
の間の仮壁部120が破壊されずに土留め壁の機能を維
持することができる。
【0080】
【発明の効果】請求項1から7の発明の補強コンクリー
ト構造物の解体方法によれば、外部材及び/または内部
材をアノード溶解によって脆弱化してから破壊するた
め、簡単で、しかも効率良く解体することができる。
【0081】請求項8の発明の補強コンクリート構造物
によれば、外部材及び内部材からなる補強材を備えるた
め、容易に、しかも確実に脆弱化することができる。
【0082】請求項9から16の発明の補強コンクリー
ト構造物の補強材によれば、直流電源との接続を行うこ
とにより、外部材または/及び内部材のアノード溶解で
きるため、脆弱化を簡単に行うことができる。
【0083】請求項17から19の発明の補強コンクリ
ート構造物の解体方法によれば、土留めのために施工さ
れた土留め壁であっても、容易に解体できるため、土留
め壁を残した状態でもシールドトンネル等を施工するこ
とができる。
【0084】請求項20から24の発明のシールド工法
によれば、発進杭及び到達杭をアノード溶解した後、破
壊するため、大動力を要することなく、シールドトンネ
ルを施工することができる。
【0085】請求項25から37の発明のシールド工法
に用いる立杭によれば、仮壁部をアノード溶解によって
脆弱化することができるため、上述したシールド工法に
好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態の補強コンクリー
ト構造物を透視した平面図、(b)は(a)の側面図、
(c)は(a)の底面図である。
【図2】本発明の実施の形態の補強材を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の別の実施の形態の補強材を示す断面図
である。
【図4】本発明のシールド工法の立坑を示す断面図であ
る。
【図5】本発明のシールド工法の特殊な立坑を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 補強材 2 本体管 3 電極部材 4 電解質 4a、4b 出入口 5 直流電源 6 外部パイプ(電解液送パイプ) 7 循環口 8 測定部 21 導電材露出部 22 絶縁層 23 接続部 24 接続部 25a、b キャップ 40 電解液槽 41 送出ポンプ 42 分離機 50 発進立坑 50a 本体コンクリート 51 正極 52 負極 55 土留め壁 60 既設構築物 65 新設構築物 100 補強コンクリート構造物 101 主鉄筋 102 押えプレート 105 コンクリート 120 仮壁部 200 シールド機 205 ディスクカッター 210 シールドトンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福 島 玲 司 東京都千代田区三番町2番地飛島建設株 式会社内 (72)発明者 山 本 悟 東京都大田区南蒲田一丁目21番12号 日 本防蝕工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−158980(JP,A) 特開 平11−62469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 E04C 5/00

Claims (37)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強コンクリート構造物の少なくとも破
    壊予定部位に設けられる補強材を導電性の中空の外部材
    と、この外部材内に間隔を有して遊挿される導電性の中
    空状または中実状の内部材とにより形成し、少なくとも
    外部材と内部材との間に電解質を介在させた状態で外部
    材と内部材との間に電圧を印加して外部材の内壁または
    内部材の外壁をアノード溶解して脆弱化した後、補強コ
    ンクリート構造物を破壊することを特徴とする補強コン
    クリート構造物の解体方法。
  2. 【請求項2】 前記外部材の内壁を脆弱化した後、外部
    材及び内部材に逆電圧を印加して内部材の外壁を脆弱化
    することを特徴とする請求項1記載の補強コンクリート
    構造物の解体方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも外部材と内部材との間に介在
    させる電解質が外部から供給される電解質溶液であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の補強コンクリー
    ト構造物の解体方法。
  4. 【請求項4】 前記外部材の内壁または/及び内部材の
    外壁を脆弱化した後、内部にモルタル等の流動性充填物
    を充填して補強材の空洞部分を埋めることを特徴とする
    請求項1から3のいずれかに記載の補強コンクリート構
    造物の解体方法。
  5. 【請求項5】 前記外部材または/及び内部材の脆弱化
    途中または脆弱化後に外部材または/及び内部材の残存
    量を電気抵抗値から検出することを特徴とする請求項1
    から4のいずれかに記載の補強コンクリート構造物の解
    体方法。
  6. 【請求項6】 前記補強コンクリート構造物が地中に施
    工された土留め壁であることを特徴とする請求項1から
    5のいずれかに記載の補強コンクリート構造物の解体方
    法。
  7. 【請求項7】 少なくとも外部材と内部材との間に介在
    させた電解質が、水素ガスの発生を抑止する陰極復極剤
    を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
    載の補強コンクリート構造物の解体方法。
  8. 【請求項8】 導電性の中空状の外部材と、この外部材
    内に間隔を有して遊挿される導電性の中空状または中実
    状の内部材とから形成されており、外部材及び内部材に
    直流電源との接続部が設けられていることを特徴とする
    補強コンクリート構造物の補強材。
  9. 【請求項9】 前記直流電源との接続部が補強コンクリ
    ート構造物の破壊予定部位の中心近傍に設けられている
    ことを特徴とする請求項8記載の補強コンクリート構造
    物の補強材。
  10. 【請求項10】 前記外部材の内壁または/及び内部材
    の外壁に導電材の露出部及び導電材を覆う絶縁層が設け
    られていることを特徴とする請求項8または9記載の補
    強コンクリート構造物の補強材。
  11. 【請求項11】 前記外部材または/及び内部材が、電
    気抵抗を測定する測定部を備えていることを特徴とする
    請求項8から10のいずれかに記載の補強コンクリート
    構造物の補強材。
  12. 【請求項12】 前記外部材の内壁または/及び内部材
    の外壁が複数の異種導電材によって形成されていること
    を特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の補強
    コンクリート構造物の補強材。
  13. 【請求項13】 前記外部材は電解質または/及び流動
    性充填物を供給、排出する出入口を備えていることを特
    徴とする請求項8から12のいずれかに記載の補強コン
    クリート構造物の補強材。
  14. 【請求項14】 前記補強材が地中に施工された土留め
    壁に埋設されていることを特徴とする請求項8から13
    のいずれかに記載の補強コンクリート構造物の補強材。
  15. 【請求項15】 前記補強材がシールドトンネルの発進
    杭及び到達杭の破壊予定部位に埋設されていることを特
    徴とする請求項8から14のいずれかに記載の補強コン
    クリート構造物の補強材。
  16. 【請求項16】 請求項8から15のいずれかに記載の
    補強材が少なくとも破壊予定部位に設けられていること
    を特徴とする補強コンクリート構造物。
  17. 【請求項17】 コンクリート壁の内部の補強材として
    少なくとも導電性の中空管を使用した補強コンクリート
    構造物の解体方法であって、前記補強材の内部に間隔を
    有して電極部材を遊挿すると共に、少なくとも補強材と
    電極部材との間に電解質を介在させた状態で補強材と電
    極部材とに電圧を印加することにより、補強材の内壁を
    アノード溶解して脆弱化することを特徴とする補強コン
    クリート構造物の解体方法。
  18. 【請求項18】 前記脆弱化の後、前記コンクリート壁
    を切削破壊することを特徴とする請求項17記載の補強
    コンクリート構造物の解体方法。
  19. 【請求項19】 前記補強コンクリート構造物が地中に
    施工された土留壁であることを特徴とする請求項17ま
    たは18記載の補強コンクリート構造物の解体方法。
  20. 【請求項20】 周囲の構造よりも脆弱な構造に変化可
    能な仮壁部を有した発進立坑及び到達立坑を発進位置お
    よび到達位置にそれぞれ施工し、発進立坑の仮壁部をア
    ノード溶解によって脆弱化した後、発進立坑からシール
    ド機を駆動して仮壁部を切削破壊し、前記到達立坑に向
    かってシールド機を前進させながらシールドトンネルを
    施工し、シールド機が到達立坑に到達したとき、到達立
    坑の仮壁部をアノード溶解によって脆弱化し、その後シ
    ールド機により仮壁部を切削破壊してシールドトンネル
    との連結を行うことを特徴とするシールド工法。
  21. 【請求項21】 前記仮壁部を、電極部材を本体管の内
    部に遊挿した補強材と、この補強材を埋設し周囲の壁体
    と連設されるコンクリート壁またはモルタル壁とによっ
    て形成し、本体管内部に予め電解質を充填しまたは本体
    管内部に電解質溶液を供給しながら本体管と電極部材と
    に電圧を印加して本体管の内壁をアノード溶解して脆弱
    化することを特徴とする請求項20記載のシールド工
    法。
  22. 【請求項22】 前記本体管の内壁の脆弱化の後に、本
    体管及び電極部材に逆電圧を印加して電極部材の外壁を
    脆弱化することを特徴とする請求項21記載のシールド
    工法。
  23. 【請求項23】 前記補強材をアノード溶解により脆弱
    化した後に、内部にモルタル等の流動性充填物を充填し
    て、補強材の空洞部分を埋めることを特徴とする請求項
    21または22記載のシールド工法。
  24. 【請求項24】 前記本体管の内壁の脆弱化途中または
    脆弱化の後に、本体管又は/及び電極管の残存量を電気
    抵抗値から検出することを特徴とする請求項21から2
    3のいずれかに記載のシールド工法。
  25. 【請求項25】 シールド機の発進位置および到達位置
    に施工されると共に、シールドトンネルによって連結さ
    れる立坑であって、アノード溶解によって周囲の構造よ
    りも脆弱な構造に変化可能な仮壁部が、前記シールド機
    の少なくとも中心部のディスクカッターの掘削対応位置
    に設けられている立坑であることを特徴とするシールド
    工法に用いる立坑。
  26. 【請求項26】 前記仮壁部は、周囲の壁体と同等の強
    度とするための複数の補強材と、この補強材を埋設する
    と共に、周囲の壁体と連接されたコンクリート壁または
    モルタル壁であることを特徴とする請求項25記載のシ
    ールド工法に用いる立坑。
  27. 【請求項27】 前記補強材は、両端が密閉された導電
    性の中空の本体管と、前記本体管内に隙間をあけて挿入
    された中空状又は中実状の電極部材とからなることを特
    徴とする請求項26記載のシールド工法に用いる立坑。
  28. 【請求項28】 前記本体管と、本体管に遊挿された電
    極部材との隙間に電解質が充填されまたは電解質溶液が
    注入されるものであることを特徴とする請求項27記載
    のシールド工法に用いる立坑。
  29. 【請求項29】 前記本体管は、電解質溶液およびアノ
    ード溶解による電解溶出物を吸入及び排出する一または
    複数の給排出口を備え、内部が溶液循環路となっている
    ことを特徴とする請求項27または28記載のシールド
    工法に用いる立坑。
  30. 【請求項30】 前記電極部材は、電解質溶液および/
    または流動性充填物を供給する外部パイプと連通する給
    入口と、前記本体管に連通して設けられた一または複数
    の循環口を備えており、電解質溶液および/または流動
    性充填物を本体管に流動させる溶液循環路を形成する中
    空管であることを特徴とする請求項27又は28記載の
    シールド工法に用いる立坑。
  31. 【請求項31】 前記本体管及び電極部材は、アノード
    溶解のために供給される直流電源装置の正極または負極
    に接続する一または複数の電気接続部を備えていること
    を特徴とする請求項27から30のいずれかに記載のシ
    ールド工法に用いる立坑。
  32. 【請求項32】 前記電気接続部がシールド機の掘削対
    応位置の中心近傍に設けられていることを特徴とする請
    求項31記載のシールド工法に用いる立坑。
  33. 【請求項33】 前記本体管または/および電極部材に
    は、電気抵抗を測定するための測定部を備えていること
    を特徴とする請求項27から31のいずれかに記載のシ
    ールド工法に用いる立坑。
  34. 【請求項34】 前記本体管の内面または/及び電極部
    材の外面にアノード溶解される導電材露出部とアノード
    溶解を防止する絶縁層とを設けたことを特徴とする請求
    項27から33のいずれかに記載のシールド工法に用い
    る立坑。
  35. 【請求項35】 前記本体管の少なくとも内面または/
    及び前記電極管の少なくとも外面が複数の異種導電材か
    らなり、電解活性の高い導電材面を優先的にアノード溶
    解させることを特徴とする請求項27から34のいずれ
    かに記載のシールド工法に用いる立坑。
  36. 【請求項36】 前記本体管の少なくとも内面または/
    及び電極管の少なくとも外面が電解により脆弱化する合
    金によって形成されていることを特徴とする請求項27
    から34のいずれかに記載のシールド工法に用いる立
    坑。
  37. 【請求項37】 前記電解質が、水素ガスの発生を抑止
    する陰極復極剤を含むものであることを特徴とする請求
    項28から36のいずれかに記載のシールド工法に用い
    る立坑。
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