JP3538343B2 - 磁気抵抗効果型ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置

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JP3538343B2
JP3538343B2 JP20491299A JP20491299A JP3538343B2 JP 3538343 B2 JP3538343 B2 JP 3538343B2 JP 20491299 A JP20491299 A JP 20491299A JP 20491299 A JP20491299 A JP 20491299A JP 3538343 B2 JP3538343 B2 JP 3538343B2
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雅弘 牛山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体から情報
信号を読み取るための磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、
特に静電気による絶縁層の破壊を防止する構造を有する
磁気抵抗効果型ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記憶装置の小型化、高性能化
に伴い、磁気媒体から情報信号を読み取るためのヘッド
として、磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果型ヘッド
(以下、MRヘッドと呼ぶ)が使用されている。図1に
MRヘッドの一例を示す。MRヘッドは情報を書き込む
ために電磁誘導を利用した記録ヘッド1と、磁気媒体か
らの情報信号を読み込むために磁気抵抗効果(MR)或
いは巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用した再生ヘッド
2の複合構造をしている。
【0003】図2に磁気媒体対向面から見た再生ヘッド
の構造の一例を示す。再生ヘッドは下部シールド層10
と上部シールド層60との間にMRセンサ30、電極層
40、下部絶縁層20、上部絶縁層50などで形成され
る。一般にMRセンサ30の両側にはMRセンサ30に
縦バイアス磁界を与えるバイアス層が設けられている
が、本発明の説明では電極層の中にバイアス層が含まれ
ているものとし、説明を省略する(一般にバイアス層と
電極層は連続成膜される)。
【0004】下部絶縁層20、上部絶縁層50は、それ
ぞれMRセンサ30と下部シールド層10、上部シール
ド層60を磁気的および電気的に分離する役割を担って
いる。そのため絶縁層の材料として、一般に非磁性でか
つ電気的絶縁性の良い酸化アルミニウム膜、あるいは酸
化珪素を用いている。ここで、MRセンサ30を挟んで
いる部分の下部シールド層10と上部シールド層60の
間隔をギャップ長GLと定義する。磁気記録装置におい
て前記ギャップ長GLはビット長に関連する重要なパラ
メータである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気記憶装置は年々小
型化、高性能化しており、それに伴って情報を読み出す
再生ヘッドのギャップ長GLが年々狭くなっている。そ
れに伴い、下部絶縁層20、上部絶縁層50の膜厚も薄
くなる傾向にある。
【0006】磁気ヘッド製造プロセス、組立工程中など
で生じる静電気の量が一定ならば、下部絶縁層20、上
部絶縁層50の膜厚の膜厚が狭くなると、これら絶縁層
に印加される電界が増大し、絶縁破壊を起こしやすくな
る。絶縁破壊を回避する根本対策は、磁気ヘッド製造プ
ロセス、組立工程中など各工程で静電気が蓄積されない
ようにすることである。しかるに、現状では静電気の発
生を防止できないでいる。
【0007】このように、上部シールド層と下部シール
ド層との間のギャップ長が小さくなり下部絶縁層および
上部絶縁層が薄くなると、磁気ヘッドの製造工程で発生
する静電気によっては絶縁破壊を起こしやすくなる。そ
こで、下部絶縁層20、および上部絶縁層50の構造を
改善し、多少の静電気が発生しても絶縁破壊を起こさな
い構造を提供することが、本発明の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0009】下部シールド層と上部シールド層との間に
あって磁気抵抗効果又は巨大磁気抵抗効果を有する薄膜
を含むMRセンサと、前記MRセンサに縦バイアス磁界
を与えるバイアス層と、前記MRセンサに検知電流を供
給する電極層と、前記MRセンサと前記下部シールド層
との間にある下部絶縁層と、前記MRセンサと前記上部
シールド層との間にある上部絶縁層と、を備えた磁気抵
抗効果型ヘッドにおいて、前記上部絶縁層が2層以上の
多層膜からなり、前記上部絶縁層のうち前記MRセンサ
と接する部分の絶縁層、および前記上部絶縁層のうち前
記上部シールド層と接する部分の絶縁層の両方が、窒化
珪素膜又は窒化酸化珪素膜で形成されている磁気抵抗効
果型ヘッド。
【0010】また、下部シールド層と上部シールド層と
の間にあって磁気抵抗効果又は巨大磁気抵抗効果を有す
る薄膜を含むMRセンサと、前記MRセンサに縦バイア
ス磁界を与えるバイアス層と、前記MRセンサに検知電
流を供給する電極層と、前記MRセンサと前記下部シー
ルド層との間にある下部絶縁層と、前記MRセンサと前
記上部シールド層との間にある上部絶縁層と、を備えた
磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、前記下部絶縁層が2層
以上の多層膜からなり、前記下部絶縁層のうち前記MR
センサと接する部分の絶縁層、および前記上部絶縁層の
うち前記下部シールド層と接する部分の絶縁層の両方
が、窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜で形成されている磁
気抵抗効果型ヘッド。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る磁気抵抗
効果型ヘッド(MRヘッド)の構成、機能乃至効果につ
いて、図面を用いて以下説明する。
【0012】図3は本発明の実施形態に係る磁気抵抗効
果型ヘッドの絶縁層の特性評価に用いた素子構造を示す
図であり、図4は本実施形態の絶縁層の効果を示す電流
密度−電界特性の結果を示す図であり、図5は本実施形
態の絶縁層の効果を示す破壊電界の分布を示す図であ
る。また、図6は本発明の実施形態に係るMRヘッドの
再生ヘッド部分の作製過程での平面図であり、図7は本
発明の実施形態に係るMRヘッドの再生ヘッド部分の断
面図である。
【0013】また、図8は本実施形態のMRヘッド絶縁
層の第1の構成例における破壊電界の分布を示す図であ
り、図9は本実施形態のMRヘッド絶縁層の第2の構成
例における破壊電界の分布を示す図であり、図10は本
発明の実施形態に係るMRヘッドを用いた磁気記録再生
装置を示す図である。
【0014】ここで、10は下部シールド層、20は下
部絶縁層、21は第1下部絶縁層、22は第2下部絶縁
層、30はMRセンサ、40は電極層、41は第1電極
層、42は第2電極層、50は上部絶縁層、51は第1
上部絶縁層、52は第2上部絶縁層、60は上部シール
ド層、71は基板、72は基板絶縁層、73は下部電
極、74は絶縁層、75は上部電極、をそれぞれ表す。
【0015】まず、本発明の実施形態に係るMRヘッド
に用いる絶縁層の特性評価をするために用いた試料の構
造を図3に示す。アルミナ・チタン・カーバイト基板7
1上に、基板絶縁層72としてRFスパッタ装置を用い
て膜厚200nmの酸化アルミニウムを形成後、下部電
極73としてコバルト・ニオブ・ジルコニウムを形成し
た。
【0016】続いて、ECRプラズマを用いたスパッタ
装置により珪素をターゲットとしてアルゴンと窒素とを
用いて窒化珪素膜を膜厚5nm形成後、同装置内で連続
してガスをアルゴンと酸素に切換えて酸化珪素膜を膜厚
20nm形成し、続いてガスをアルゴンと窒素に戻して
窒化珪素膜を膜厚5nm形成することにより、3層から
なる絶縁層74とした。なお、図3の構造は、本発明の
実施形態に係るMRヘッドの絶縁層を評価するための構
造であって、この構造をそのままでMRヘッドとして用
いようとするものではない。
【0017】従来技術による実施形態としては、ECR
プラズマを用いたスパッタ装置により珪素をターゲット
としてアルゴンと酸素とを用いて酸化珪素を膜厚30n
m形成して、単層膜の絶縁層74とした。この絶縁層7
4上に、上部電極75としてニオブを形成後、公知のリ
ソグラフィー技術を用いて、上部電極75のパターニン
グ、および下部電極73からコンタクトをとるためのパ
ターニングを行い、図3に示すキャパシタ構造を作製し
た。この従来技術の絶縁層の膜厚は本発明の実施形態の
絶縁層の膜厚と同一としている。
【0018】下部電極73と上部電極75に針をあて
て、絶縁層74の電流−電圧特性を測定した。その結果
を図4に示す。従来技術の単層膜を用いた場合と比べ、
本発明の効果を実現する3層構造の絶縁層では、高電界
において同一電界で比較した電流が低減され、破壊電界
が改善された。
【0019】次に、同一キャパシタ構造で100個の電
流−電圧特性を評価し、破壊電界の分布を求めた(図
5)。本発明の3層構造の絶縁層では、破壊電界の中間
値(図5で縦軸が50パーセントの横軸の値)が増大
し、10.9MV/cmとなった(従来技術では、9.
0MV/cm)。さらに、破壊電界の分布の幅を小さく
することができた。
【0020】次に、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効
果型ヘッドの製造方法の一例を示す。図6には各工程の
基板上のパターンの様子を示した。また、図7には本発
明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッドの断面の様子
を示した。
【0021】アルミナ・チタン・カーバイト基板上に下
部シールド層10(センダスト、Fe−Niなど)を形
成し、その上に第1下部絶縁層21を形成した(図7参
照)。本発明の実施形態としては、ECRプラズマを用
いたスパッタ装置により珪素をターゲットとしてアルゴ
ンと窒素とを用いて窒化珪素膜を膜厚5nm形成後、同
装置内で連続してガスをアルゴンと酸素に切換えて酸化
珪素膜を膜厚45nm形成し、続いてガスをアルゴンと
窒素に戻して窒化珪素膜を膜厚5nm形成することによ
り、3層からなる第1下部絶縁層21(全膜厚55n
m)とした。
【0022】従来技術による実施形態としては、ECR
プラズマを用いたスパッタ装置により珪素をターゲット
としてアルゴンと酸素とを用いて酸化珪素を膜厚55n
m形成して、単層膜の第1下部絶縁層21とした。
【0023】第1下部絶縁層の上に、MRセンサ膜30
を形成した。ここで、第1下部絶縁層21およびMRセ
ンサ30は基板全面に成膜した。ステンシル状のレジス
トパターンをマスクとしてイオンミリングでMRセンサ
膜30を成形した後、レジストは残したまま、第1電極
層41を成膜する。
【0024】第1電極層41はエレクトロマイグレーシ
ョンの観点からタンタルなどの高融点金属を用いた。或
いは金、アルミニウムなどの抵抗率の低い材料でもよ
い。その後、レジスト剥離液でレジストを除去した。こ
れにより、所定の位置に第1電極層41を形成した(図
6(a))。
【0025】次に、ステンシル状のレジストパターンを
マスクとしてイオンミリングで余分なMRセンサ膜と第
1下部絶縁層を除去した。余分な第1下部絶縁層を除去
した後、このレジストパターンを用いて第2下部絶縁層
22として膜厚100nmの酸化アルミニウムを成膜し
た。その後、レジストを除去した(図6(b))。
【0026】第1電極層41を端子と接続するために、
第2電極層42を形成した(図6(c)、図7)。第2
電極層42は抵抗率の低い金、アルミニウム、銅などが
望ましい。その際、第2電極層42を下部高抵抗層上に
も形成する。
【0027】ステンシル状のレジストパターンを形成
後、第1上部絶縁層51を形成した。ECRプラズマを
用いたスパッタ装置により珪素をターゲットとしてアル
ゴンと酸素とを用いて酸化珪素を膜厚100nm形成し
て、単層膜の第1上部絶縁層51とした。この後、レジ
ストを除去した(図6(d))。但し、第1上部絶縁層
51を成膜する際、上部シールド層60と電気的に接続
が必要な部分は第1上部絶縁層51が成膜されないよう
にレジストパターンで保護する。
【0028】第1上部絶縁層51の上や上部シールド層
60と電気的に接続が必要な部分の上などにレジストパ
ターンを形成し、第2上部絶縁層52を成膜し、その
後、レジストを除去した。上部シールド層60を形成し
パターニングした(図6(e))。
【0029】図6(e)中のA−A’部分およびB−
B’部分の断面を図7(a)、図7(b)に示す(但
し、基板をスライダにする際、切断される部分は図示し
ていない)。ここでは、下部絶縁層21の膜厚を55n
m、上部絶縁層51の膜厚を100nmとしたので、破
壊試験の結果は下部絶縁層21の絶縁破壊耐性を示す。
すなわち、図8に示すように下部絶縁層21を3層構造
とすることにより、破壊耐性を向上させることができ
た。即ち、図8によれば従来技術の破壊電界の中間値が
6.9であるのに対して、本発明の実施形態では9.2
となっていて改善されている。
【0030】次に、本発明の実施形態に係るMRヘッド
の絶縁層について、上部絶縁層51に適用した場合の効
果の一例を示す。MRヘッドの作製方法は図6に示した
方法と同様である(図6)。
【0031】下部絶縁層21は、ECRプラズマを用い
たスパッタ装置により珪素をターゲットとしてアルゴン
と酸素とを用いて酸化珪素膜(単層膜)とした。膜厚は
100nmである。
【0032】第1上部絶縁層51は、ECRプラズマを
用いたスパッタ装置により珪素をターゲットとしてアル
ゴンと窒素とを用いて窒化珪素膜を膜厚5nm形成後、
同装置内で連続してガスをアルゴンと酸素に切換えて酸
化珪素膜を膜厚25nm形成し、続いてガスをアルゴン
と窒素に戻して窒化珪素膜を膜厚5nm形成することに
より、3層膜(全膜厚35nm)とした。
【0033】従来技術による実施形態としては、ECR
プラズマを用いたスパッタ装置により珪素をターゲット
としてアルゴンと酸素とを用いて酸化珪素膜を膜厚35
nm形成して、単層膜の第1上部絶縁層51とした。
【0034】ここでは、下部絶縁層21の膜厚を100
nm、上部絶縁層51の膜厚を35nmとしたので、破
壊試験の結果は上部絶縁層51の絶縁破壊耐性を示す。
すなわち、図9に示すように下部絶縁層51を3層構造
とすることにより、破壊耐性を向上させることができ
た。即ち、図9によれば従来技術の破壊電界の中間値が
6.5であるのに対して、本発明の実施形態では8.7
となっていて改善されている。
【0035】以上説明したように、本発明の実施形態に
係るMRヘッドに用いられる絶縁膜の破壊耐性は、絶縁
膜中に取り込まれる元素により大きな影響を被る。例え
ば、「ユー・エル・エス・アイ・ テクノロジー(マク
・グロー・ヒル社、1996年)」に開示されているよ
うに酸化珪素膜では、カルシウム、鉄等の混入により破
壊耐圧が著しく低下する。したがって、余分な金属元素
の排除が高破壊耐性実現のために必須である。
【0036】窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜において
は、酸化珪素膜と比べて金属の拡散係数が小さいため
に、これらの膜があると金属原子が他の領域に拡散しに
くくなり、絶縁耐性を向上させることができる。
【0037】そこで、本実施形態のMRヘッドは、 M
Rセンサ30と上部シールド層60との間にある上部絶
縁層50のうちMRセンサ30と接する部分の絶縁層お
よびMRセンサ30と上部シールド層60との間にある
上部絶縁層50のうち上部シールド層60と接する部分
の絶縁層、あるいはMRセンサ30と下部シールド層1
0との間にある下部絶縁層20のうちMRセンサ30と
接する部分の絶縁層およびMRセンサ30と下部シール
ド層10との間にある下部絶縁層20のうち下部シール
ド層10と接する部分の絶縁層に窒化珪素膜又は窒化酸
化珪素膜を形成することによって作製する。
【0038】以上の実施形態では、下部絶縁層21と上
部絶縁層51に別々に本発明を適用しているが、両者の
絶縁層に本発明を適用することにより、さらに効果を上
げることができる。
【0039】また、第2下部絶縁層22と第2上部絶縁
層52は、それらの膜厚が第1の絶縁層21,51の膜
厚に対して厚いので、破壊耐性の観点からは考慮を払う
までもない(第1の絶縁層21,51の破壊耐性の方が
優先する)。
【0040】上記の実施形態では、下部絶縁層21と上
部絶縁層51に窒化珪素膜を適用したが、窒化酸化珪素
膜を形成しても破壊耐性を向上させることができた。窒
化酸化珪素膜は、珪素をターゲットとしてアルゴン、酸
素、窒素ガスを用いスパッタ法で形成できる。
【0041】また、上記の実施形態では、下部絶縁層2
1と上部絶縁層51に酸化珪素膜を窒化珪素膜で挟んだ
積層膜を適用したが、窒化アルミニウム、酸化アルミニ
ウムを含む膜を窒化珪素又は窒化酸化珪素膜で挟んでも
破壊耐性を向上させることができた。
【0042】上記の実施形態では、下部シールド層10
の表面、あるいはMRセンサ30の最上層に窒化金属を
意図的には形成しなかったが、窒化珪素膜形成時に下部
シールド層10、およびMRセンサ30の表面が窒化さ
れていることが組成分析からわかった。すなわち、下部
シールド層の上に下部絶縁層を形成する製造時におい
て、下部シールド層の表面が窒化されて窒化金属を形成
していることが組成分析で確認された。このように、下
部シールド層の表面が窒化金属膜で形成されているもの
も、本発明の実施形態に係るMRヘッドであるとするこ
とができる。同様に、MRセンサ層の上に上部絶縁層を
形成する製造時において、MRセンサ層の表面が窒化さ
れて窒化金属を形成していることが組成分析で確認され
た。このように、MRセンサ層の表面が窒化金属膜で形
成されているものも、本発明の実施形態に係るMRヘッ
ドであるとすることができる。
【0043】上記の実施形態では、下部絶縁層21と上
部絶縁層51の作製方法として、ECRスパッタ法を用
いたが、本発明の効果を実現させるスパッタ方式として
は、RFスパッタ、ヘリコンスパッタ等、その方式は問
わない。
【0044】また、上記の実施形態では、下部絶縁層2
1と上部絶縁層51の作製方法として、スパッタ法を用
いたが、本発明の効果を実現させる絶縁層の形成方法と
してはその形成方法は問わない。すなわち、化学気相成
長法、プラズマ反応を用いた反応(窒化、酸化)、ジェ
ット・ヴェイパ・デポジション法等でも同様な効果を達
成することができた。
【0045】また、図10に示すように、本発明の絶縁
層形成方法を適用したMRヘッド101と、前記MRヘ
ッドに対向して配置される磁気記録媒体102と、前記
MRヘッドを駆動させるための手段103と、前記磁気
記録媒体を駆動させるための手段104と、記録再生信
号処理手段105と、を備えた磁気記録再生装置を構成
する際においても、その組み立て時および動作試験時の
MRヘッドの破壊による磁気記録再生装置の歩留まりの
低下を低減することができた。
【0046】
【発明の効果】以上のように、MRヘッドにおいて、M
Rセンサ30と上部シールド層60との間にある上部絶
縁層50のうちMRセンサ30と接する部分の絶縁層お
よびMRセンサ30と上部シールド層60との間にある
上部絶縁層50のうち上部シールド層60と接する部分
の絶縁層、あるいはMRセンサ30と下部シールド層1
0との間にある下部絶縁層20のうちMRセンサ30と
接する部分の絶縁層およびMRセンサ30と下部シール
ド層10との間にある下部絶縁層20のうち下部シール
ド層10と接する部分の絶縁層を窒化珪素膜又は窒化酸
化珪素膜で形成する。
【0047】これにより、金属原子が上部絶縁層50、
下部絶縁層20の中心部へ取込まれる量が少なくなり、
静電気による絶縁層の破壊耐性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係る磁気抵抗効果型ヘッド構造の一
例を示す図である。
【図2】従来技術に係る磁気抵抗効果型ヘッドの再生ヘ
ッドを磁気媒体対向面から見た図である。
【図3】本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッド
の絶縁層の特性評価に用いた素子構造を示す図である。
【図4】本実施形態の絶縁層の効果を示す電流密度−電
界特性の結果を示す図である。
【図5】本実施形態の絶縁層の効果を示す破壊電界の分
布を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るMRヘッドの再生ヘッ
ド部分の作製過程での平面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るMRヘッドの再生ヘッ
ド部分の断面図である。
【図8】本実施形態のMRヘッド絶縁層の第1の構成例
における破壊電界の分布を示す図である。
【図9】本実施形態のMRヘッド絶縁層の第2の構成例
における破壊電界の分布を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るMRヘッドを用いた
磁気記録再生装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 再生ヘッド 10 下部シールド層 20 下部絶縁層 21 第1下部絶縁層 22 第2下部絶縁層 30 MRセンサ 40 電極層 41 第1電極層 42 第2電極層 50 上部絶縁層 51 第1上部絶縁層 52 第2上部絶縁層 60 上部シールド層 71 基板 72 基板絶縁層 73 下部電極 74 絶縁層 75 上部電極 101 磁気抵抗効果型ヘッド 102 磁気記録媒体 103 磁気抵抗効果型ヘッドを駆動させるための手段 104 磁気記録媒体を駆動させるための手段 105 記録再生信号処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−198619(JP,A) 特開 平6−52517(JP,A) 特開 昭62−132211(JP,A) 特開 平7−29124(JP,A) 特開 平7−105511(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部シールド層と上部シールド層との間
    にあって磁気抵抗効果又は巨大磁気抵抗効果を有する薄
    膜を含むMRセンサと、前記MRセンサに縦バイアス磁
    界を与えるバイアス層と、前記MRセンサに検知電流を
    供給する電極層と、前記MRセンサと前記下部シールド
    層との間にある下部絶縁層と、前記MRセンサと前記上
    部シールド層との間にある上部絶縁層と、を備えた磁気
    抵抗効果型ヘッドにおいて、 前記上部絶縁層が2層以上の多層膜からなり、前記上部
    絶縁層のうち前記MRセンサと接する部分の絶縁層、お
    よび前記上部絶縁層のうち前記上部シールド層と接する
    部分の絶縁層の両方が、窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜
    で形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 下部シールド層と上部シールド層との間
    にあって磁気抵抗効果又は巨大磁気抵抗効果を有する薄
    膜を含むMRセンサと、前記MRセンサに縦バイアス磁
    界を与えるバイアス層と、前記MRセンサに検知電流を
    供給する電極層と、前記MRセンサと前記下部シールド
    層との間にある下部絶縁層と、前記MRセンサと前記上
    部シールド層との間にある上部絶縁層と、を備えた磁気
    抵抗効果型ヘッドにおいて、 前記下部絶縁層が2層以上の多層膜からなり、前記下部
    絶縁層のうち前記MRセンサと接する部分の絶縁層、お
    よび前記上部絶縁層のうち前記下部シールド層と接する
    部分の絶縁層の両方が、窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜
    で形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気抵抗効果型ヘッド
    において、 前記MRセンサが2層以上の多層膜からなり、且つ前記
    上部絶縁層と接する層が窒化金属膜で形成されているこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の磁気抵抗効果型ヘッド
    において、 前記下部シールド層の表面が窒化金属膜で形成されてい
    ることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3に記載の磁気抵抗効果型
    ヘッドにおいて、 前記上部絶縁層のうちの窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜
    以外の部分が、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム又
    は酸化珪素を含むことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項2又は4に記載の磁気抵抗効果型
    ヘッドにおいて、 前記下部絶縁層のうちの窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜
    以外の部分が、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム又
    は酸化珪素を含むことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1つの請求項
    に記載された磁気抵抗効果ヘッドと、前記磁気抵抗効果
    型ヘッドに対向して配置される磁気記録媒体と、前記磁
    気抵抗効果型ヘッドを駆動させる手段と、前記磁気記録
    媒体を駆動させる手段と、前記磁気抵抗効果型ヘッドと
    の間で信号を授受して処理する記録再生信号処理手段
    と、を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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