JP3184470B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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Description
スク装置などに搭載されるMR/インダクティブ複合型
の薄膜磁気ヘッドに係り、特に下部コア層をスパッタな
どで形成できるようにして軟磁性材料の選択度を向上さ
せた薄膜磁気ヘッドに関する。
体の対向側から示した拡大正面図である。この薄膜磁気
ヘッドは、例えば浮上式ヘッドを構成するスライダのト
レーリング側端面に磁気抵抗効果を利用した読み出しヘ
ッドh1と、書き込み用のインダクティブヘッドh2とが
積層されている。読み出しヘッドh1では、センダスト
やNi―Fe系合金(パーマロイ)などにより形成され
た下部シールド層1上に、Al2O3(アルミナ)などの
非磁性材料による下部ギャップ層2が形成され、その上
に磁気抵抗効果素子層3が成膜されている。前記磁気抵
抗効果素子層3は、三層で構成されており、下から軟磁
性層(SAL層)、非磁性層(SHUNT層)、磁気抵
抗効果層(MR層)の順に積層されている。通常、前記
磁気抵抗効果素子層はNi―Fe系合金(パーマロイ)
の層、前記非磁性層はTa(タンタル)の層であり、前
記軟磁性層はNi―Fe―Nb系合金により形成されて
いる。
バイアス層としてハードバイアス層4が形成されてい
る。また、前記ハードバイアス層4の上にCu(銅)、
W(タングステン)などの電気抵抗の小さい非磁性導電
性材料の主電極層5が形成されている。さらにその上
に、アルミナなどの非磁性材料による上部ギャップ層6
が形成される。前記上部ギャップ層6の上には下部コア
層20がパーマロイなどのメッキにより形成されてい
る。インダクティブヘッドh2ではこの下部コア層20
が記録媒体に記録磁界を与えるリーディング側コア部と
して機能し、読み出しヘッドh1では上部シールド層と
して機能している。また読み出しヘッドh1では、下部
シールド層1と下部コア層(上部シールド層)20との
間隔によりギャップ長Gl1が決定される。
どによるギャップ層(非磁性材料層)9とポリイミドま
たはレジスト材料により形成された絶縁層(図示しな
い)が積層され、前記絶縁層の上には螺旋状となるよう
にパターン形成されたコイル層10が設けられている。
前記コイル層10はCu(銅)などの電気抵抗の小さい
非磁性導電材料で形成されている。そして前記コイル層
10はポリイミドまたはレジスト材料で形成された絶縁
層(図示しない)に囲まれ、前記絶縁層の上にパーマロ
イなどの磁性材料で形成された上部コア層11がメッキ
形成されている。なお、前記上部コア層11はインダク
ティブヘッドh2のトレーリング側コアとして機能して
いる。前記上部コア層11の先端部11aは、図5に示
すように記録媒体の対向側で下部コア層20の上に前記
ギャップ層9を介して対向し、記録媒体に記録磁界を与
える磁気ギャップ長Gl2の磁気ギャップが形成されて
いる。そして、前記上部コア層11の上にアルミナなど
の保護層12が設けられている。
を示す拡大断面図である。図6(a)に示すように、ま
ず上部ギャップ層6上にパーマロイなどの磁性材料製の
下地層21がメッキ形成される。そして下地層21上に
レジスト液が塗布され、露光現像されることにより矩形
状のレジスト層22,22が前記下地層21上に形成さ
れる。図6(b)では、レジスト層22,22が形成さ
れていない下地層21上にパーマロイなどの磁性材料の
層20,23,23がメッキ形成される。なお、レジス
ト層22,22の間に形成された磁性材料の層20は後
に下部コア層として残される。
除去され、その真下に形成されている下地層21がイオ
ンミリングにより除去される。図6(d)では、レジス
ト材料製の保護層24が前記レジスト層22,22が除
去された部分の上部ギャップ層6の上から磁性材料の層
20を覆い隠すようにして形成される。そして図6
(e)ではウエットエッチングにより磁性材料層23,
23及びその真下に形成されている下地層21が除去さ
れる。図6(f)では、保護層24が除去され、上部ギ
ャップ層6上には下地層21を介して矩形状の下部コア
層20のみが残される。
磁気ヘッドでは、下部コア層20がパーマロイなどのメ
ッキで形成されていたために、以下のような問題点があ
った。 (イ)下部コア層20(上部シールド層)の膜厚は厚
く、しかも下部コア層20の断面の形状がほぼ長方形
(矩形状)であるため、前記下部コア層20の両側端部
には角部を有する段差部Aが形成される。このため、前
記下部コア層20上に形成されるギャップ層9の膜厚を
均一に形成することが困難であり、特に下部コア層20
の側端部の前記段差部Aの角部付近では前記ギャップ層
9の膜厚が極端に薄くなっており、したがって下部コア
層20とコイル層10間で絶縁不良を起こしやすくなっ
ていた。また記録密度を高密度化するためには、ギャッ
プ層9を薄く形成して磁気ギャップのギャップ長Gl2
を短くする必要があるが、ギャップ層9が薄く形成され
ると、段差部Aにて前記ギャップ層9にピンホールが発
生しやすくなる。
の断面形状が矩形状であり、両端部に段差部Aが形成さ
れているために、この段差部Aの上に形成されるギャッ
プ層9の表面にも段差が形成される。従って、コイル層
10の形成領域よりも下部コア層20の面積を小さくす
ると、コイル層10が前記ギャップ層9の段差の上に形
成されることになり、コイル層10を形成することが困
難であり、またコイル層10に欠陥が生じやすくなる。
高くし、磁気書き込みの周波数を高くするには、下部コ
ア層20(上部シールド層)及び上部コア層11の軟磁
性特性を向上させ、低い保持力及び高い比抵抗の性質を
有するようにし、また飽和磁束密度については高いこと
が好ましいが、下部コア層20の飽和磁束密度を上部コ
ア層11の飽和磁束密度よりも低くしておくとより好ま
しい。従来の下部コア層20及び上部コア層11を形成
していたパーマロイは、飽和磁束密度が高く、また保磁
力も比較的低いものの、比抵抗が比較的小さく、従って
記録周波数を高くした場合、渦電流が発生しやすく、渦
電流による熱損失が増大しやすくなっていた。
ての機能だけでなく、シールドとしての機能も兼ね備え
ていなければならない。シールド層としては高周波領域
における初透磁率が高い軟磁性材料を選択する必要があ
るが、パーマロイは記録周波数を高くすると初透磁率が
極端に低くなってしまい、パーマロイで形成された下部
コア層(上部シールド層)20のシールド機能は低下し
ていた。シールド機能が低下すると、MR層にバルクハ
ウゼンノイズが発生するという問題が生じる。
c構造のFeの微結晶相と、希土類またはTi,Zr,
Hf,V,Nb,Ta,Wから選ばれた元素及びOを含
む非結晶相と、が混在された軟磁性材料が開示されてい
る。この軟磁性材料は組成比が適正に調節されれば、飽
和磁束密度が高く、保磁力は低く、さらに比抵抗が高い
性質を有するようになる。従ってこの軟磁性材料を下部
コア層20及び上部コア層11に使用すれば、磁気特性
に優れた薄膜磁気ヘッドを製造することが可能となる。
形成することができず、スパッタ法や蒸着法でしか成膜
することができない。しかし、従来の薄膜磁気ヘッドの
製造方法では、下部コア層20をスパッタ法や蒸着法で
形成することは困難であり、その理由について以下に説
明する。下部コア層20をスパッタ法で形成する場合、
アルミナなどで形成されている上部ギャップ層6上に直
接に軟磁性材料の層を形成することになるが、この軟磁
性材料の層を所定の形状にするために、不要部分をイオ
ンミリング(ドライエッチング)により除去する必要が
ある。しかし、イオンミリングにより前記軟磁性材料の
層を除去すると、その下に形成されているアルミナの上
部ギャップ層6を損傷する問題が生じる。
ム程の膜厚で形成されるのに対し、下部コア層は前記上
部ギャップ層に比べてかなり厚く形成される。一般にイ
オンミリングにより所定の厚さを除去すると、除去でき
る膜厚に5%程度の公差が生じるとされている。このた
め、下部コア層の所定箇所がイオンミリングにより除去
されると、その下に形成されている膜厚の薄い上部ギャ
ップ層は、5%程度の除去膜厚の公差により破損されや
すくなっている。以上のような理由から、下部コア層2
0がイオンミリングにより除去されると同時に上部ギャ
ップ層6の一部分も除去されてしまい、また最悪の場
合、前記上部ギャップ層6がすべて除去され、前記上部
ギャップ層6の下に形成されている主電極層5がイオン
ミリングの影響を受けることになる。
ものであり、磁気抵抗効果素子層の上に絶縁層を介して
形成されるシールド層の両端部をなだらかに膜厚が薄く
なるように構成して、シールド層の上に絶縁層などを介
して形成されるコイル層を安定して形成でき、且つシー
ルド層とコイル層との絶縁特性を安定できるようにした
薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としている。
たは蒸着法などの気相成長法で形成できるようにして、
シールド層となる軟磁性材料の選択度を広げ、高周波数
記録及び高記録密度化に対応できるようにした薄膜磁気
ヘッドを提供することを目的としている。
素子層を有する読み出しヘッド上に、コイル層とコア層
とを有するインダクティブヘッドが積層された薄膜磁気
ヘッドにおいて、前記磁気抵抗効果素子層の上に絶縁層
を介して形成されたシールド層が、ほぼ均一な膜厚で形
成され、両側端部に向かうに従って、徐々に膜厚が薄く
なるように形成されており、前記シールド層の両側には
非磁性材料製のミリング阻止層が形成されていることを
特徴とするものである。
シールド層の形成時にイオンミリングを使用しても、前
記シールド層の下に形成されている絶縁層(上部ギャッ
プ層)を破損することがない。
のミリングレートは、前記シールド層を形成する材料の
ミリングレートよりも遅いことが好ましい。また本発明
は、磁気抵抗効果素子層を有する読み出しヘッド上に、
分離層を介してコイル層とコア層とを有するインダクテ
ィブヘッドが積層された薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
インダクティブヘッドを構成する下部コア層は、ほぼ均
一な膜厚で形成され、両側端部に向かうに従って、徐々
に膜厚が薄くなるように形成されており、前記下部コア
層の両側に、非磁性材料製のミリング阻止層が形成され
ていることを特徴とするものである。本発明では前記ミ
リング阻止層を形成する材料のミリングレートは、前記
下部コア層を形成する材料のミリングレートよりも遅い
ことが好ましい。
クティブヘッドのコアとしての機能および読み出しヘッ
ドの上部シールド層としての機能を兼ね備え、前記シー
ルド層および前記シールド層上に磁気ギャップを介して
対向する上部コア層、さらには前記下部コア層は、Fe
を主成分とし、希土類元素またはAl,Si,Ti,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,W,Mgのいずれかから選
択される1種類または2種類以上の元素と、Oとから成
る軟磁性材料で形成できる。
さらには下部コア層は、Feを主成分とし、希土類元素
またはAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
a,W,Mgのいずれかから選択される1種類または2
種類以上の元素と、B,Cのうちいずれか一方の元素
と、さらにOとから成る軟磁性材料で形成できる。
端部にて厚さが徐々に小さくなるように構成することに
より、図5に示した従来例のような下部コア層(シール
ド層)の両端部での段差部をなくすことができ、コイル
層の形状を安定でき、また下部コア層の上に形成される
ギャップ層の膜厚を均一に形成でき、このギャップ層の
絶縁機能を安定させることが可能となる。
などの気相成長法で形成できるようになるため、シール
ド層を形成する軟磁性材料の選択度を広げることができ
る。例えば前記シールド層がコア機能とシールド機能と
を兼ね備えている場合、特開平6―316748号公報
に記載されているような、高飽和磁束密度、低保磁力及
び高比抵抗などの性質を有する磁気特性に優れた軟磁性
材料を使用することにより、周波数を高くしても渦電流
が発生しにくい薄膜磁気ヘッドを製造できる。
上部ギャップ層上に、リフトオフ用のレジスト層を形成
し、前記リフトオフ用レジスト層の両側にアルミナなど
のミリング阻止層を形成している。このミリング阻止層
を設けることにより後の工程でイオンミリングを行う
際、前記ミリング阻止層の下に形成されている絶縁層
(上部ギャップ層)を前記イオンミリングから保護する
ことが可能となる。
料の層15の凹部15aの上にレジスト層16を設けて
おり、この状態から方向性イオンミリングを行なうと側
端部に向かうに従って徐々に膜厚が薄くなり、さらに側
端部の表面が曲面形状となる下部コア層を形成すること
ができる。
を徐々に薄く形成できるため、前記シールド層の上に形
成される層をほぼ均一な幅で形成するこができ、またミ
リング阻止層を上部ギャップ層上に形成することにより
イオンミリングが行われても、上部ギャップ層がイオン
ミリングの影響を受けることがなく、従って前記上部シ
ールド層を破損することもない。
示す薄膜磁気ヘッドであり、記録媒体の対向側から示し
た拡大正面図である。また、図2はスライダ13上に形
成された本発明の薄膜磁気ヘッドの全体構造の概略を示
すものである。図1及び図2に示す薄膜磁気ヘッドは、
浮上式ヘッドを構成するスライダ13のトレーリング側
端部13aに形成されたものであり、読み出しヘッドh
1と記録用のインダクティブヘッドh2とが積層されたも
のとなっている。読み出しヘッドh1は、磁気抵抗効果
を利用してハードディスクなどの記録媒体からの洩れ磁
界を検出し、記録信号を読み取るものである。図に示す
ようにスライダ13のトレーリング側端部13aにはパ
ーマロイ(Ni―Fe系合金)などの下部シールド層1
が形成されている。
(Al2O3)などの非磁性材製の下部ギャップ層2が形
成されている。下部ギャップ層2の上には磁気抵抗効果
素子層3が積層されている。磁気抵抗効果素子層3は三
層構造であり、下から軟磁性材料(Co―Zr―Mo系
合金またはNi―Fe―Nb系合金)によるSAL層、
非磁性材料製(例えばTa(タンタル))のSHUNT
層、磁気抵抗効果を有するMR層(Ni―Fe系合金)
により形成されている。磁気抵抗効果素子層3の両側に
は、MR層にバイアス磁界を与えるハードバイアス層4
とMR層に検出電流を与える主電極層5(W(タングス
テン)またはCu(銅))が形成されている。さらにそ
の上にアルミナなどによる上部ギャップ層6が形成され
ている。読み出しヘッドh1では、下部シールド層1と
後述する下部コア層(上部シールド層)8との間隔によ
りギャップ長Gl1が決められるため、記録媒体からの
洩れ磁界の分解能を高めるために、下部ギャップ層2及
び上部ギャップ層6ができるだけ薄く形成されることが
好ましい。
以外の部分にアルミナなどの非磁性材料によるミリング
阻止層7,7が形成されている。このミリング阻止層
7,7の端部には傾斜部7a,7aが形成されている。
そして、前記傾斜部7a,7a上及び幅寸法Tの上部ギ
ャップ層6上に軟磁性材料製の下部コア層8がスパッタ
法や蒸着法などの気相成長法で形成されている。この下
部コア層8は一定の膜厚で形成され、側端部に向かうに
従って徐々に膜厚が薄くなっている。また、下部コア層
8の両側端部の上面8a,8aは曲面状に変化してお
り、両縁部に向かうにしたがって徐々に膜厚が薄くなる
ように形成されている。なお、前記下部コア層8はイン
ダクティブヘッドh2ではリーディング側のコアとして
機能しており、読み取りヘッドh1では上部シールド層
として機能している。
磁性材料層)9が形成され、その上にポリイミドまたは
レジスト材料製の絶縁層(図示しない)を介して平面的
に螺旋状となるようにパターン形成されたコイル層10
が設けられている。なお、コイル層10はCu(銅)な
どの電気抵抗の小さい非磁性導電性材料で形成されてい
る。前述したように、下部コア層8は一定の膜厚をもっ
て形成され、両側端部に向かうにしたがって徐々に膜厚
が薄くなっている。このため、前記下部コア層8の上に
形成されるギャップ層9はほぼ均一な膜厚を保ちながら
なだらかに形成される。よって前記ギャップ層9には図
5で示したような段差が形成されることがなく、前記ギ
ャップ層9上に絶縁層を介して形成されるコイル層10
に欠陥が生じにくい。
スト材料で形成された絶縁層(図示しない)に囲まれ、
前記絶縁層の上にインダクティブヘッドh2のトレーリ
ング側コアとして機能する軟磁性材料製の上部コア層1
1が形成される。図1に示すように前記上部コア層11
の先端部11aは下部コア層8の上に前記ギャップ層9
を介して対向し、記録媒体に記録磁界を与える磁気ギャ
ップ長Gl2の磁気ギャップが形成されており、上部コ
ア層11の基端部11bは図2に示すように、下部コア
層8と磁気的に接続されている。また、上部コア層11
の上には、アルミナなどの保護層12が設けられてい
る。インダクティブヘッドh2では、コイル層10に記
録電流が与えられ、コイル層10から下部コア層8及び
上部コア層11に記録磁界が誘導される。そして、磁気
ギャップ長Gl2の部分で下部コア層8と上部コア層1
1の先端部11aとの間の洩れ磁界により、ハードディ
スクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
がスパッタ法や蒸着法などの気相成長法で形成可能なの
で、下部コア層8を形成する軟磁性材料の選択度を広げ
ることができる。本発明では、上部コア層11よりも低
飽和磁束密度、および低保磁力、高比抵抗、低磁歪定数
の軟磁性材料を下部コア層8に使用して、コアとしての
機能及びシールドとしての機能の双方を向上させてい
る。
の2種類のいずれかの軟磁性材料を使用することができ
る。 (1)組成比がFeaMbOcで示され、Mは、Al,S
i,Hf,Zr,Ti,V,Nb,Ta,W,Mgまた
は希土類元素のうち一種類または二種類以上の元素で構
成されることを特徴とする軟磁性材料。 (2)組成比がFeaMb(T+O)cで示され、MはA
l,Si,Hf,Zr,Ti,V,Nb,Ta,W,M
gまたは希土類元素のうち一種類または二種類以上の元
素、TはB,Cのうちいずれか一方の元素で構成される
ことを特徴とする軟磁性材料。
る。Feの組成比(原子%)を大きくすると低磁歪定数
を得られるがFeの組成比(原子%)が大きすぎると比
抵抗が小さくなってしまう。また元素Mは、非晶質相を
形成し、また軟磁性特性を得るために必要なものであ
る。これらは酸素と結合することで酸化物的な高抵抗な
非晶質相を形成する。また、bcc構造のFeの微結晶
相と、元素MとOを微結晶相よりも高濃度に含む非晶質
相とが混在したもので、微結晶相の比率が70%以下で
あることがより好ましい。
O)c系合金の組成比a,b,cを適正に調節し、困難
軸方向の保磁力が1.0Oe(エルステッド)以下及び
磁歪定数絶対値が1.0×10-6以下となるようにす
る。1.0Oe以下の困難軸方向の保磁力及び1.0×
10-6以下の磁歪定数の絶対値を有するFeaMbOc系
合金、及びFeaMb(T+O)c系合金は、飽和磁束密
度が0.7T(テスラ)以上、比抵抗が100μΩ・c
m以上となっている。また、FeaMbOc系合金、及び
FeaMb(T+O)c系合金が上部コア層11に使用さ
れてもよく、その場合、飽和磁束密度が1.3T以上で
しかも困難軸方向の保磁力が1.0Oe以下となるよう
に組成比a,b,cを適正に調節しなければならない。
1.3T以上の飽和磁束密度及び1.0Oe以下の困難
軸方向の保磁力を有するFeaMbOc系合金、及びFea
Mb(T+O)c系合金は比抵抗が100μΩ・cm以上
となっている。
比を適正に調節して、下部コア層8及び上部コア層11
に使用すれば、下部コア層8及び上部コア層11の飽和
磁束密度を高くし、また困難軸方向の保磁力を低くし、
さらに比抵抗を高めることができるため、記録周波数を
高くしても渦電流が発生しにくくなり、高周波数におけ
る透磁率の低下が抑制される。また、下部コア層8の飽
和磁束密度を上部コア層11の飽和磁束密度よりも低く
することで、下部コア層8及び上部コア層11間におけ
る洩れ磁界の磁化反転を起こしやすくしている。
する下部コア層8の困難軸方向の保磁力および磁歪定数
の絶対値を低くし、また前述のように記録周波数を高く
しても初透磁率が極端に低下しないため、下部シールド
層1と下部コア層8間の磁気ギャップ長Gl1を短かく
しても、磁気抵抗効果阻素子層3のMR膜を記録ノイズ
から遮断すべき下部コア層8のシールド機能が低下する
ことがなく、従って記録ノイズによるバルクハウゼンノ
イズの発生を防止することができる。
大断面図である。図3(a)では、上部ギャップ層6上
にリフトオフ用のレジスト液が塗布され、露光現像され
ることにより、図に示すようなリフトオフ用レジスト層
14が上部ギャップ層6上に形成される。前記リフトオ
フ用レジスト層14は幅寸法Tでは一定の膜厚で形成さ
れている。そして、両側端部に向かうにしたがって突起
状に突きだした形となっており、両側端部の低面には傾
斜部14a,14aが形成されている。図3(b)に示
すように、リフトオフ用レジスト層14の上及び前記リ
フトオフ用レジスト層14の両側にアルミナなどによる
非磁性材料製の非磁性材料層7′及びミリング阻止層
7,7がスパッタにより成膜される。図に示すように、
傾斜部14a,14aの下に形成されているミリング阻
止層7,7は膜厚が徐々に薄くなっており、前記ミリン
グ阻止層7,7の端部には傾斜部7a,7aが形成され
ている。
約3000オングストローム程度であることが好まし
い。さらに、前記ミリング阻止層7,7のミリングレー
トは、図3(d)に示す軟磁性材料層15,15のミリ
ングレートよりも小さい(遅い)ことが好ましい。より
好ましくは前記ミリング阻止層7,7に対する軟磁性材
料層15,15のミリングレートの比が2以上である。
ートは150オングストローム/min程度であり、パ
ーマロイや前述したFeaMbOcおよびFeaMb(T+
O)cのミリングレートは300オングストローム/m
in程度である。このため、前記ミリング阻止層7,7
がアルミナで形成され、前記軟磁性材料層15,15が
パーマロイ、FeaMbOcまたはFeaMb(T+O)cで
形成されれば、前記ミリング阻止層7,7に対する軟磁
性材料層15,15のミリングレートの比は約2とな
る。また、ミリング阻止層としては、アルミナ以外にS
iO2,Ta3O5,Si3N4,SiC,AlNなどの非
磁性セラミック材料で形成されていてもよい。これらは
ミリングレートが遅く、電気絶縁性に優れた材料であ
る。
フトオフ用レジスト層14が除去され、ミリング阻止層
7,7が上部ギャップ層6の上に残される。そして、図
3(d)に示すように、ミリング阻止層7,7の上及び
幅寸法Tの上部ギャップ層6の上に前述した(1)また
は(2)の軟磁性材料がスパッタ法によって成膜され、
軟磁性材料層15が形成されている。図に示すように、
前記軟磁性材料層15の上面には、凹部15aが形成さ
れている。
5の上面にレジスト液が塗布され、露光現像されること
により、図に示すようなレジスト層16が凹部15a上
に形成されている。前記レジスト層16は幅寸法Tの中
央部分に形成されることが好ましく、また前記レジスト
層の幅寸法T′は幅寸法Tよりも小さいことが好まし
い。そして、図3(f)に示すようにイオンミリングに
より軟磁性材料層15′,15′が除去される。
たAr(アルゴン)ガスが使用され、斜めの矢印R方向
及びS方向から軟磁性材料層15′,15′にイオンが
照射され、物理的作用により、軟磁性材料層15′,1
5′が除去される。また軟磁性材料層15″はその上に
レジスト層16が形成されているためイオンミリングの
影響を受けることがなく、前記軟磁性材料層15″は残
される。また図に示すように、前記軟磁性材料層15″
の両側端部の上面15″a,15″aは曲面状に変化し
ており、両縁部に向かうにしたがって徐々に膜厚が薄く
なるように形成されている。
5′,15′が除去されると、前記軟磁性材料層1
5′,15′の下に形成されているミリング阻止層7,
7がイオンミリングの影響を直接受ける。前述したよう
にミリング阻止層7,7は約3000オングストローム
の膜厚で形成されており、この程度の膜厚で形成される
と、前記ミリング阻止層7,7はイオンミリングにより
すべて除去されることがない。従って前記ミリング阻止
層7,7の下に形成されている上部ギャップ層6がイオ
ンミリングの影響を全く受けないものとなっている。図
3(g)では、軟磁性材料層15″(下部コア層8)上
に形成されていたレジスト層16が除去されている。
形成された下部コア層8は一定の膜厚で形成され、両側
端部に向かうにしたがって徐々に膜厚が薄くなりながら
形成されている。前記下部コア層8の両側にはミリング
阻止層7,7が形成されているが、このミリング阻止層
7,7はアルミナなどの非磁性材料で形成されているた
め、下部コア層8の機能に影響を与えることがない。こ
のように、本発明では、下部コア層8をスパッタ法や蒸
着法などの気相成長法で形成でき、また図3(f)に示
すように、下部コア層8(非磁性材料層15″)の両側
に非磁性材料製のミリング阻止層7,7を設けることに
より、上部ギャップ層6がイオンミリングの影響を直接
受けないものとなっている。
磁気ヘッドであり、記録媒体の対向側から示した拡大正
面図である。図4(a)および(b)に示す薄膜磁気ヘ
ッドは、上部ギャップ層6の上に上部シールド層17が
形成され、前記上部シールド層17の両側にはミリング
阻止層7が形成されている。前記上部シールド層17の
上にはCuなど電気抵抗の小さい非磁性導電材料製の分
離層18が形成されている。分離層18は読み取りヘッ
ドh1とインダクティブヘッドh2とを完全に分離する目
的で設けられており、分離層18の下に積層されている
多層膜が読み取りヘッドh1、分離層18の上に形成さ
れている多層膜がインダクティブヘッドh2となってい
る。
の膜厚で形成され、両側端部に向かうにしたがって徐々
に膜厚が薄くなるように形成されている。このため、上
部シールド層17の上に形成される分離層18をなだら
かに形成することができ、前記分離層18上に下部コア
層8を形成しやすくなる。なお、前記上部シールド層1
7は、図3に示す下部コア層8の製造方法と全く同じ方
法で形成される。
下部コア層8が図3に示す製造方法により形成されてい
る。このため、前記下部コア層8の両側にはミリング阻
止層7,7が形成され、前記下部コア層8は両側端部に
向かうに従って徐々に薄くなるように形成されている。
図4(b)に示す薄膜磁気ヘッドは、図4(a)に示す
薄膜磁気ヘッドに比べてコイル層10の形成が容易であ
り、より好ましい構造であるといえる。なお、、図1お
よび図4(a)(b)に示される上部コア層11はその
断面が長方形となっている。この上部コア層11はスパ
ッタ法で形成してもよいし、またはメッキ法で形成して
もよい。
ップ層上に形成されるシールド層の両側端部に段差部が
なくなるため、コイル層を安定して形成でき、またシー
ルド層上の非磁性材料層の膜厚の変化を少なくでき、ピ
ンホールの発生などを防止できる。
などで形成できるため、シールド層となる軟磁性材料の
選択度を広げることができる。例えば前記シールド層が
コア機能とシールド機能を兼ね備えている場合、前記シ
ールド層は高い飽和磁束密度、低い保磁力及び高い比抵
抗の性質を有する軟磁性材料で形成されれば、書き込み
周波数を高くすることが可能である。
ヘッドの拡大正面図、
層の形状を示す半断面傾斜図、
造方法を工程別に示す拡大断面図、
の構造を示す薄膜磁気ヘッドの拡大正面図、
図、
方法を工程別に示す拡大断面図、
Claims (6)
- 【請求項1】 磁気抵抗効果素子層を有する読み出しヘ
ッド上に、コイル層とコア層とを有するインダクティブ
ヘッドが積層された薄膜磁気ヘッドにおいて、前記磁気
抵抗効果素子層の上に絶縁層を介して形成されたシール
ド層が、ほぼ均一な膜厚で形成され、両側端部に向かう
に従って、徐々に膜厚が薄くなるように形成されてお
り、前記シールド層の両側に、非磁性材料製のミリング
阻止層が形成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
ド。 - 【請求項2】 前記ミリング阻止層を形成する材料のミ
リングレートは、前記シールド層を形成する材料のミリ
ングレートよりも遅い請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】 磁気抵抗効果素子層を有する読み出しヘ
ッド上に、分離層を介してコイル層とコア層とを有する
インダクティブヘッドが積層された薄膜磁気ヘッドにお
いて、前記インダクティブヘッドを構成する下部コア層
は、ほぼ均一な膜厚で形成され、両側端部に向かうに従
って、徐々に膜厚が薄くなるように形成されており、前
記下部コア層の両側に、非磁性材料製のミリング阻止層
が形成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項4】 前記ミリング阻止層を形成する材料のミ
リングレートは、前記下部コア層を形成する材料のミリ
ングレートよりも遅い請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項5】 前記シールド層は、インダクティブヘッ
ドのコアとしての機能および読み出しヘッドの上部シー
ルド層としての機能を兼ね備え、前記シールド層および
前記シールド層上に磁気ギャップを介して対向する上部
コア層、さらには前記下部コア層は、Feを主成分と
し、希土類元素またはAl,Si,Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,W,Mgのいずれかから選択される1
種類または2種類以上の元素と、Oとから成る軟磁性材
料で形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載
の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項6】 前記シールド層は、インダクティブヘッ
ドのコアとしての機能および読み出しヘッドの上部シー
ルド層としての機能を兼ね備え、前記シールド層および
前記シールド層上に磁気ギャップを介して対向する上部
コア層、さら には前記下部コア層は、Feを主成分と
し、希土類元素またはAl,Si,Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,W,Mgのいずれかから選択される1
種類または2種類以上の元素と、B,Cのうちいずれか
一方の元素と、さらにOとから成る軟磁性材料で形成さ
れる請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
ド。
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---|---|---|---|
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US09/016,838 US6150046A (en) | 1997-01-31 | 1998-01-30 | Combination magnetoresistive/inductive thin film magnetic head and its manufacturing method |
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FR9813596A FR2767599B1 (fr) | 1997-01-31 | 1998-10-29 | Tete magnetique a combinaison de couches minces magnetoresistive/inductive et son procede de fabrication |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10233010A JPH10233010A (ja) | 1998-09-02 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102195482B1 (ko) * | 2013-10-25 | 2020-12-29 | 김보경 | 수소가스를 공급하는 찜질장치 |
-
1997
- 1997-02-19 JP JP03456397A patent/JP3184470B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102195482B1 (ko) * | 2013-10-25 | 2020-12-29 | 김보경 | 수소가스를 공급하는 찜질장치 |
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