JP3538328B2 - 粘着剤組成物およびその製造方法 - Google Patents
粘着剤組成物およびその製造方法Info
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Description
た粘着剤組成物およびその製造方法に関する。
度範囲が−65℃から260℃であって他の有機系粘着
剤に比較してはるかに広く、また高温、多湿の雰囲気中
においても電気特性の低下がほとんどみられないという
優れた特性を有し、また金属、ガラス、紙、プラスチッ
ク、シリコーンゴムなどの種々の対象物に対して良好な
粘着性を有するなどの優れた特性を有している。
物としては、シリコーンレジンとシリコーンガムとを反
応させて得られる生成物や、当該反応生成物を有効成分
として含む反応混合物よりなるものが知られており、例
えば特公昭62−58637号公報、特公平5−605
07号公報に示されている。しかしながら、このような
従来のシリコーン系粘着剤組成物においては、それ自体
の摩擦係数や表面張力が小さく、接着に寄与する官能基
が少ないために、一般にシリコーン系粘着剤組成物との
接着が困難であるフッ素樹脂などよりなる物体の表面に
対しては、十分に有効な密着力を有していない、という
問題点がある。
な事情に基づいて研究を重ねた結果、シリコーンレジン
成分とジオルガノポリシロキサン成分とよりなる粘着剤
組成物は、シリコーンレジン成分とジオルガノポリシロ
キサン成分とが特定の状態とされると共に、その両成分
の割合が特定の範囲にある場合に、粘着剤として優れた
密着力を有することを見出し、この知見によって完成さ
れたものであって、その目的は、摩擦係数や表面張力が
小さく、接着に寄与する官能基が少ないために接着が困
難な表面に対しても有効に使用することのできる粘着剤
組成物およびその製造方法を提供することにある。
は、R3 SiO1/2 単位(Rは炭素数1以上5以下の炭
化水素基を示す。)およびSiO4/2 単位を含むシリコ
ーンレジン成分と、ジオルガノポリシロキサン成分とを
含有してなり、ジオルガノポリシロキサン成分は、シリ
コーンレジン成分の一部と縮合反応により化学的に反応
しており、すべてのシリコーンレジン成分に対する遊離
のシリコーンレジン成分の割合が75重量%以上90重
量%以下であり、すべてのシリコーンレジン成分100
重量部に対するジオルガノポリシロキサン成分の割合が
40重量部以上70重量部以下であることを特徴とす
る。
3 SiO1/2 単位と、SiO4/2 単位とのモル比が0.
3:1〜1.2:1の範囲にあり、ジオルガノポリシロ
キサン成分は、重合度が1000以上10000以下の
範囲であるものであることが好ましい。
は、R3 SiO1/2 単位(Rは炭素数1以上5以下の炭
化水素基を示す。)およびSiO4/2 単位を含むシリコ
ーンレジン原料と、珪素原子に結合した水酸基を1分子
中に1個以上有するジオルガノポリシロキサン原料とを
触媒の存在下に縮合反応させて得られる反応混合物に、
R3 SiO1/2 単位(Rは炭素数1以上5以下の炭化水
素基を示す。)およびSiO4/2 単位を含むシリコーン
レジンを添加することにより、上記の粘着剤組成物を製
造することを特徴とする。
造が一般式(A)で示されることを特徴とする。
は炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、a、bおよびc
は正の数、[a/(a+b+c)]の値が0.05〜
0.7、[b/(a+b+c)]の値が0.01〜0.
5、[a+b+c]の値が7〜500である。) この構造における [R2 SiO3/2]単位は、反応系中に
おいて、加水分解縮合反応により、そのすべて乃至は大
半が [SiO4/2]単位に変化する。
分とジオルガノポリシロキサン成分からなり、それらの
両成分が特定の状態とされると共に、その組成割合が特
定の範囲とされているので、優れた密着力を発揮する。
また、本発明の製造方法によれば、上記のような粘着
剤組成物を確実にかつ容易に製造することができる。
する。本発明の粘着剤組成物は、シリコーンレジン成分
とジオルガノポリシロキサン成分とを含有してなり、こ
のシリコーンレジン成分は、その一部がジオルガノポリ
シロキサン成分と化学的に反応された状態で含有され、
残りの部分は、ジオルガノポリシロキサン成分と反応さ
れていない遊離の状態で含有される。これに対し、ジオ
ルガノポリシロキサン成分は、実質上、そのすべてが前
記シリコーンレジン成分の一部と化学的に反応された状
態で含有される。ここで、組成物中に任意の添加成分が
含まれていてもよいが、遊離のシリコーンレジン成分お
よびジオルガノポリシロキサン成分の含有割合は、すべ
てのシリコーンレジン成分に対して特定の範囲とされ
る。
成物に含有されるすべてのシリコーンレジン成分のう
ち、ジオルガノポリシロキサン成分と化学的に反応され
ていない状態のものであり、その含有割合は、すべての
シリコーンレジン成分に対して75重量%以上90重量
%以下の範囲とされる。
ーンレジン成分と化学的に反応した状態で含有され、そ
の含有割合は、すべてのシリコーンレジン成分100重
量部に対して40重量部以上70重量部以下の範囲とさ
れる。
えば次のような方法によって製造される。この製造方法
では、予め、反応系に投入するシリコーンレジン原料
と、後添加される混合用シリコーンレジン、および珪素
原子に結合した水酸基を1分子中に1個以上有するジオ
ルガノポリシロキサン原料を準備する。まず、第1段階
においては、シリコーンレジン原料と、ジオルガノポリ
シロキサン原料とを反応処理して反応混合物を得て、第
2段階においては、この反応混合物に混合用シリコーン
レジンを添加し、これによって粘着剤組成物を製造す
る。
する。 (1)第1段階 ジオルガノポリシロキサン原料と、これに対して反応理
論量より過剰量のシリコーンレジン原料とを、適宜の溶
媒中において、触媒の存在下に、縮合反応させる。この
縮合反応によって得られるものは、ジオルガノポリシロ
キサン原料がシリコーンレジン原料の一部と縮合するこ
とによって化学的に反応された状態の縮合物と、未反応
のまま残留する遊離のシリコーンレジン成分とからなる
反応混合物である。すなわち、この縮合反応は、実質上
すべてのジオルガノポリシロキサン成分がシリコーンレ
ジン成分と化学的に反応された状態となる。
単位とSiO4/2 単位とを含有し、RSiO3/2 単位
(Rは水酸基または炭素数1〜5のアルコキシ基を示
す。)を含有する、前記一般式(A)で表わされるもの
である。ここで、R3 SiO1/2 単位のRは、炭素数1
以上5以下の炭化水素基を示し、例えばメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられ、特に
メチル基が好ましい。また、このシリコーンレジン原料
は、反応系中において、シラノール基またはアルコキシ
基と加水分解縮合して、R3 SiO1/2 単位とSiO
4/2 単位とのモル比が0.3:1〜1.2:1の範囲と
なるものである。ここで、R3 SiO1/2 単位のRが炭
素数5より大きな炭化水素基となると、組成物の硬化性
の低下を招く、という問題が生じ、また、R3 SiO
1/2 単位とSiO4/2 単位とモル比が過小であると、溶
媒に対する可溶の良好なものが得られにくくなり、一
方、このモル比が過大であるとジオルガノポリシロキサ
ン原料との反応性が低くなるため、良好な粘着性が得ら
れないおそれがある。
は、M単位(R3 SiO1/2 単位)とQ単位(SiO
4/2 単位)とからなるいわゆるMQレジンを挙げること
ができるが、これは、本発明の効果に影響を与えない範
囲で、T単位(Ra SiO3/2単位)あるいはD単位
(Rb 2 SiO2/2 単位)(Ra およびRb は有機基を
示す。)を含有していてもよい。また、このMQレジン
は、Rc SiO3/2 単位(Rc は水酸基または炭素数1
〜5のアルコキシ基を示す。)を含有していてもよい。
て用いられるものは、実質的に平均構造が下記一般式
(A)で示され、このようなシリコーンレジンは、通常
の方法によって製造することができる。
は炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、a、bおよびc
は正の数、[a/(a+b+c)]の値が0.05〜
0.7、[b/(a+b+c)]の値が0.01〜0.
5、[a+b+c]の値が7〜500である。) この構造における [R2 SiO3/2]単位は、反応系中に
おいて、加水分解縮合反応により、そのすべて乃至は大
半が [SiO4/2]単位に変化する。
大であると、密着性等の特性が低下するので好ましくな
い。[b/(a+b+c)]の値が過大であると、反応
物がゲル化し易くなるので好ましくない。また[a+b
+c]の値が過大であると、得られる粘着剤組成物が過
度に固いものとなり、一方過小であると、充分な粘着性
が得られなくなるので、好ましくない。
一般式(B)によって示される、例えばジメチルポリシ
ロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシ
ロキサンなどが挙げられるが、珪素原子に結合した水酸
基を1分子中に1個以上有することが必要であり、その
重合度は1000以上10000以下の範囲であること
が好ましい。ここで、重合度が1000未満であると、
十分な密着力が得られなくなり、逆に、重合度が100
00より大きいと、べとつく、という不具合が生じるの
で好ましくない。
iO1/2] (R3 は水酸基または炭素数1〜5のアルコキシ基、R
4 はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示し、
dは1,000〜10,000である。)
リコーンレジン原料とジオルガノポリシロキサン原料と
を溶解し得るものであれば、特に限定されるものではな
い。通常は、芳香族系溶媒が使用される。その具体例と
しては、トルエン、キシレンなどを挙げることができ
る。溶媒の使用量は、粘着剤組成物100重量部に対し
て、50〜200重量部であることが好ましい。
そのようなものとして知られているものをそのまま使用
することができ、シリコーンレジン原料とジオルガノポ
リシロキサン原料との縮合反応を進行させるものであれ
ば、特に限定されるものではない。
酸スズ(Sn(OCOC7 H15)2)、ラウリン酸スズ
(Sn(OCOC11H23)2)、ナフテン酸スズ(Sn
(OCOC7 H13)2)、ジエチルスズオクテート((C2
H5)2 Sn(OCOC7 H13)2)、ジブチルスズオクテ
ート((C4 H9)2 Sn(OCOC7 H13)2)、ジブチル
スズラウレート((C4 H9)2 Sn(OCOC
11H23)2)、ジエチルスズラウレート((C2 H5)2 Sn
(OCOC11H23)2)、ジブチルスズジアセテート(C
4 H9) 2 Sn(OCOCH3)2 )などのスズ化合物、お
よびチタン酸テトラプロピル(Ti(OCH2 CH2 C
H3)4)、チタン酸テトラブチル(Ti(OCH2 CH2
CH2 CH3)4)、式(1)で示されるもの、その他のチ
タン化合物、また脂肪酸の鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、
鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)
などの金属による金属塩、式(2)〜式(4)で示され
るアミノ基含有化合物、カリウムシラノレートなどを挙
げることができる。
なるために、一概には規定することはできないが、例え
ばカリウムシラノレートの場合にはカリウムイオン(K
+ )の濃度に換算して組成物中0.01〜0.5重量%
が好ましい。
ロキサン原料との縮合反応における反応温度は、80℃
〜180℃、特に120〜160℃である。また、この
縮合反応に要する時間は、反応温度が例えば140℃の
場合には、通常30〜90分間である。
の混合用シリコーンレジンを添加して均一になるまで攪
拌する。これにより、目的とする本発明の粘着剤組成物
が得られる。
シリコーンレジン原料として用いられるものであれば、
いずれのものをも用いることができ、シリコーンレジン
原料として用いられたものと同一であっても異なったも
のであってもよいが、同一のものが好ましい。
においてシリコーンレジン原料とジオルガノポリシロキ
サン原料とを縮合反応させて、その結果得られる反応混
合物に対して、第2段階において単独の添加物として混
合用シリコーンレジンを添加するという工程を経るとこ
ろ、この工程においては、添加すべきシリコーンレジン
の量を自由に調節することができるため、最終的に得ら
れる組成物中における遊離のシリコーンレジン成分を所
期の値とすることが容易であり、従って目的の組成割合
を有する粘着剤組成物を容易に製造することができる。
ーンレジン原料およびジオルガノポリシロキサン原料の
使用量、および反応条件などを調整することによって、
反応混合物がそれ自体で所期の組成を有する場合があ
り、この場合には第2段階を経ずに、目的とする粘着剤
組成物を得られる。しかし、実際には、ジオルガノポリ
シロキサン原料とシリコーンレジン原料との反応におい
て、未反応のシリコーンレジン成分の含有割合を規定さ
れた範囲内にすることは、縮合反応の程度を制御するこ
とが困難であるために、容易なことではない。従って、
ジオルガノポリシロキサン原料をシリコーンレジン原料
と反応させた後に、混合用シリコーンレジンを添加する
上述の方法によれば、目的の組成割合を有する粘着剤組
成物を確実にかつ容易に製造することができる。
本発明はこれらに限定されるものではない。
例1、実施例3〜9、並びに比較例1〜4においては、
反応系に投入されたシリコーンレジン原料および後添加
された混合用シリコーンレジン原料として、下記の式
(C)で示される、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)の測定によるポリスチレン換算重量平
均分子量が3370であるものを用いた。
4/2]c (R2 は水酸基であり、[a+b+c]=49、[a/
(a+b+c)]=0.49、[b/(a+b+c)]
=0.1、[c/(a+b+c)]=0.41であ
る。) このシリコーンレジン原料は、反応系中において、加水
分解縮合反応により、(CH3)3 SiO1/2 単位とSi
O4/2 単位とのモル比が0.96:1〜1.19:1の
範囲内にあるシリコーンレジンとなるものである。
例2においては、反応系に投入されたシリコーンレジン
原料および後添加された混合用シリコーンレジン原料と
して、下記の式(D)で示される、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)の測定によるポリスチ
レン換算重量平均分子量が7400であるものを用い
た。
4/2]c (R2 は水酸基であり、[a+b+c]=108、[a
/(a+b+c)]=0.45、[b/(a+b+
c)]=0.075、[c/(a+b+c)]=0.4
75である。) このシリコーンレジン原料は、反応系中において、加水
分解縮合反応により、(CH3)3 SiO1/2 単位とSi
O4/2 単位とのモル比が0.81:1〜0.97:1の
範囲内にあるシリコーンレジンとなるものである。
1)〉実施例1、2および実施例4〜9、並びに比較例
1〜4におけるジオルガノポリシロキサン原料として
は、重合度8330、GPCの測定によるポリスチレン
換算重量平均分子量が616200、両末端が−Si
(OH)(CH3 )2 である一般式(B)のR3 が水酸
基、R4 がメチル基で示されるジメチルポリシロキサン
を用いた。
2)〉実施例3におけるジオルガノポリシロキサン原料
としては、重合度3830、GPCの測定によるポリス
チレン換算重量平均分子量が283400、両末端が−
Si(OH)(CH3 )2 である一般式(B)のR3 が
水酸基、R4 がメチル基で示されるジメチルポリシロキ
サンを用いた。
って、シリコーンレジン原料とジメチルポリシロキサン
とを、還流冷却管と滴下ロートおよび攪拌機とを備えた
反応容器内に、溶媒としてのキシレンと触媒であるカリ
ウムシラノレートと共に投入し、反応容器内の内容物を
撹拌して、キシレン中にそれぞれの原料を完全に溶解さ
せた後、攪拌を継続したまま、油浴上で反応容器を加熱
することにより140℃で90分間縮合反応を行った。
その後、加熱を停止して攪拌を継続したまま反応容器内
が常温になるまで放冷することにより、反応混合物を得
た。
た反応混合物に、表1に示された量の混合用シリコーン
レジンを添加し、均一になるまで攪拌して粘着剤組成物
を得た。また、実施例9では、この第2段階を経ずに、
第1段階の工程で得られた組成物をそのまま粘着剤組成
物とした。
ジン原料の量(a1 )と、第1段階で生成した遊離のシ
リコーンレジンの量(y)とをGPCにて測定した。ま
た、これらの値から、縮合反応したシリコーンレジン成
分の量(x)、シリコーンレジン成分中の遊離のシリコ
ーンレジン成分の量(A−x)、縮合反応した両成分の
合計の量(x+b)のそれぞれの値を算出した。これら
の値を表1に示す。
た粘着剤組成物の各々について、下記の方法によって、
密着力と被膜表面のタック性とを測定した。
おりである。縦300mm、横125mmの寸法を有す
る、膜厚が0.2mmの四フッ化エチレン樹脂テープ
(商品名「テフロンテープTOMB09001」(ニチ
アス株式会社製))を基材とした。この基材上にベーカ
ー式アプリケーター「NO−113」(日本シーダース
サービス製)を用いて、粘着剤組成物を塗布し、これを
室温で10分間放置した後、40℃のオーブンで5分間
の加熱を行って溶剤を揮発させ、これにより、膜厚が1
00μmの硬化被膜を基材上に形成した。その後、この
硬化被膜上に厚さ0.5mm、縦150mm、横25m
mの寸法のアルミニウム板(JIS.H.4000<A
1050P>)を、縦方向75mm、横方向25mmの
領域が重なる状態として、その上に底面が平滑な重量物
を載せ、その状態で150℃のオーブンで10分間の加
熱を行い、これにより硬化被膜上にアルミニウム板が接
着した密着力測定用試料を作製した。
おりである。縦100mm、横15mmの寸法を有す
る、膜厚が50μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム(商品名「S100」(ダイアホイルヘ
キスト株式会社製))を基材として用い、この基材にベ
ーカー式アプリケーター「NO−113」(日本シーダ
ースサービス製)を用いて粘着剤組成物を塗布し、これ
を室温で10分間放置した後、150℃のオーブンで2
0分間の加熱を行い、粘着剤組成物を硬化させることに
よって、基材上に膜厚が100μmの硬化被膜が形成さ
れたタック性測定用試料を作製した。
「粘着テープ、粘着シート試験方法」に従った。この方
法において、引っ張り試験機としては、「島津オートグ
ラフAGS−5KNG」(株式会社島津製作所製)を用
い、作製した密着力測定用試料を、5kgfのロードセ
ルを用いて固定し、引っ張り速度が300mm/秒とな
る条件で測定を実施し、基材とアルミニウム板とが剥離
した状態において得られた数値を密着力として表した。
測定は各試料毎に3回行い、その平均値を表3に示す。
そして、得られた平均値が合格基準値である1.45k
gf/cm以上を示したものに対して、密着力における
合格の判定を下した。
「傾斜式ボールタック試験」に従った。この方法におい
て、傾斜式ボールタック試験機としては、上部に100
mmの助走路と、下部に100mm測定部とを有する全
長200mm、傾斜角30°の傾斜面を有するものを用
い、これを水平な測定台に固定し、測定部には硬化被膜
面を上にしてタック性測定用試料を固定し、助走路には
ポリエステルフィルムを貼り付けた。高炭素クロム軸受
鋼材(JIS−G4805に規定されるSUJ2)より
なる、トルエンにより清拭した後のボール(最大表面粗
さRa=0.08、真球度1であって、JIS−B15
01に規定される玉軸受用鋼材の等級40のもの)を助
走路の上端から重力によって自由転動落下させ、測定部
におけるボールの挙動を観察する。この操作を表2に示
す直径が大きいボールから順に繰り返し、測定部内でボ
ールが5秒間以上動かない状態を示す最も大きな球径の
ボールのナンバー(B値)を求めた。ここで得られたB
値の前後3個の大きさのボールについて再び同様の測定
を実施し、B値を確認する。以上の測定操作を異なる3
枚のタック性測定用試料を用いて行い、その平均値を表
3に示す。そして、得られたB値の平均値が合格基準値
が3以下の条件を満たしたものに対して、タック性にお
ける合格の判定を下した。なお、B値が2のボールにお
いても測定部内で5秒間以上の停止をしない場合は、表
3で2(−)と示し、それ以下のボールによる測定を実
施しなかった。
性との測定値が合格基準値を満たす場合に合格の判定を
下した。
着力を有するものであり、良好な粘着剤組成物であるこ
とが明らかである。また、実施例9によれば、第1段階
の工程で十分な特性を有する粘着剤組成物が得られるこ
とが明らかである。一方、比較例1の粘着剤組成物は、
ジメチルポリシロキサン成分の含有割合が過小であるた
めに密着力が極めて小さく、また比較例2の組成物はジ
メチルポリシロキサン成分の割合が過大であるために、
比較例3の組成物は遊離のシリコーンレジン成分が過大
であるために、さらに比較例4の組成物はジメチルポリ
シロキサン成分が過大で遊離のシリコーンレジン成分が
過小であるために、いずれも、密着力が合格基準値より
小さく、十分な密着力を有する粘着剤組成物を得ること
ができなかった。
は、シリコーンレジン成分とジオルガノポリシロキサン
成分からなり、それらの両成分が特定の状態とされると
共に、その含有割合が特定の範囲とされているために、
優れた密着力が発揮され、摩擦係数が小さく接着が困難
である、例えばフッ素樹脂などよりなる物体の表面に対
しても有効に用いることができる。また、本発明の製造
方法によれば、上記の組成割合を有する粘着剤組成物を
確実にかつ容易に製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】R3 SiO1/2 単位(Rは炭素数1以上5
以下の炭化水素基を示す。)およびSiO4/2 単位を含
むシリコーンレジン成分と、ジオルガノポリシロキサン
成分とを含有してなり、 ジオルガノポリシロキサン成分は、シリコーンレジン成
分の一部と縮合反応により化学的に反応しており、 すべてのシリコーンレジン成分に対する遊離のシリコー
ンレジン成分の割合が75重量%以上90重量%以下で
あり、すべてのシリコーンレジン成分100重量部に対
するジオルガノポリシロキサン成分の割合が40重量部
以上70重量部以下であることを特徴とする粘着剤組成
物。 - 【請求項2】 シリコーンレジン成分におけるR3 Si
O1/2 単位と、SiO4/2 単位とのモル比が0.3:1
〜1.2:1の範囲にあり、 ジオルガノポリシロキサン成分は、重合度が1000以
上10000以下の範囲であることを特徴とする請求項
1に記載の粘着剤組成物。 - 【請求項3】 R3 SiO1/2 単位(Rは炭素数1以上
5以下の炭化水素基を示す。)およびSiO4/2 単位を
含むシリコーンレジン原料と、珪素原子に結合した水酸
基を1分子中に1個以上有するジオルガノポリシロキサ
ン原料とを触媒の存在下に縮合反応させて得られる反応
混合物に、R3 SiO1/2 単位(Rは炭素数1以上5以
下の炭化水素基を示す。)およびSiO4/2 単位を含む
シリコーンレジンを添加することにより、請求項1また
は請求項2に記載の粘着剤組成物を製造することを特徴
とする粘着剤組成物の製造方法。 - 【請求項4】 シリコーンレジン原料は平均構造が一般
式(A)で示されることを特徴とする請求項3に記載の
粘着剤組成物の製造方法。 【化1】一般式(A) [R1 3SiO1/2]a [R2 SiO3/2]b [SiO4/2]c (R1 は炭素数1〜5のアルキル基、R2 は水酸基また
は炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、a、bおよびc
は正の数、[a/(a+b+c)]の値が0.05〜
0.7、[b/(a+b+c)]の値が0.01〜0.
5、[a+b+c]の値が7〜500である。)
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JP25706498A JP3538328B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 粘着剤組成物およびその製造方法 |
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