JP3536317B2 - 自動駆動型鍵盤装置 - Google Patents

自動駆動型鍵盤装置

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JP3536317B2
JP3536317B2 JP23410793A JP23410793A JP3536317B2 JP 3536317 B2 JP3536317 B2 JP 3536317B2 JP 23410793 A JP23410793 A JP 23410793A JP 23410793 A JP23410793 A JP 23410793A JP 3536317 B2 JP3536317 B2 JP 3536317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動駆動型鍵盤装置に
関し、詳細には、電子キーボードやアコースティックピ
アノ及びサキソフォン等の釦操作により音高を指定する
管楽器等に使用される自動駆動型鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子キーボードやアコーステ
ィックピアノ等においては、各鍵を個々に駆動する鍵駆
動装置を設け、楽曲を構成する一連の楽音に対応する演
奏情報に従ってこの鍵駆動装置により鍵盤を駆動するも
のがある。
【0003】このような従来の自動駆動型鍵盤装置は、
各鍵毎にソレノイド型の鍵駆動装置やステッピングモー
タとギア機構を組み合わせた鍵駆動装置を設け、これら
の鍵駆動装置に演奏情報に応じて駆動電圧や駆動信号を
供給することにより鍵を回動駆動している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動駆動型鍵盤装置にあっては、鍵駆動装置
としてソレノイドやステッピングモータとギア機構の組
み合わせたものを使用していたため、自動駆動型鍵盤装
置全体が大型化するとともに、重量が重く、また消費電
力が大で、電池仕様の電子キーボード等には、適さない
という問題があった。
【0005】そこで、本発明は、小型軽量で、消費電力
が少なく、電池仕様の電子キーボード等にも適合した自
動駆動型鍵盤装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の自動駆動型鍵盤
装置は、鍵盤シャーシ上に回動可能に支持された複数の
鍵と、熱を供給されると伸縮する形状記憶合金が前記各
鍵に対応して設けられ、該形状記憶合金の伸縮により前
記各鍵を個々に回動駆動させる鍵駆動手段と、楽曲を構
成する一連の楽音に対応する演奏情報を該楽曲の進行に
従って順次出力する演奏情報出力手段と、前記演奏情報
出力手段から順次出力される演奏情報に基づいて前記鍵
駆動手段に熱を供給し、前記鍵駆動手段により前記複数
の鍵のうち、該演奏情報に対応する鍵を回動駆動させる
熱供給手段と、を備えることにより、上記目的を達成し
ている。
【0007】この場合、前記鍵駆動手段は、例えば、請
求項2に記載するように、前記鍵盤シャーシに固定され
湾曲部を有する支点部材を有し、前記形状記憶合金が、
該支点部材の該湾曲部に沿って湾曲した形状をなすとと
もに、その一端が前記鍵に、その他端が前記鍵盤シャー
シに固定され、前記熱供給手段により熱が供給される
と、収縮することにより前記支点部材の前記湾曲部を支
点として前記鍵を該支点部材側に牽引して回動駆動させ
るようにしてもよい。
【0008】また、前記鍵駆動手段における前記形状記
憶合金は、例えば、請求項3に記載するように、その伸
縮方向の一端が、前記鍵の回動中心近傍において、該鍵
に固定されていてもよく、また、例えば、請求項4に記
載するように、その伸縮方向の他端が、前記鍵の押圧部
分の先端近傍において、前記鍵盤シャーシに固定されて
いてもよい。さらに、例えば、請求項5に記載するよう
に、その伸縮方向の一端が前記鍵に、その伸縮方向の他
端が前記鍵盤シャーシに固定され、該形状記憶合金の張
力を調整する張力調整手段を有していてもよい。
【0009】
【0010】また、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記鍵が回動駆動すべきタイミングよりも、前記鍵
駆動手段に熱の供給を開始してから前記鍵が回動駆動す
るまでの時間分速く前記鍵駆動手段への熱の供給を開始
してもよい。
【0011】さらに、前記鍵駆動手段は、例えば、請求
に記載するように、前記形状記憶合金を冷却する冷
却手段を有していてもよい。
【0012】この場合、前記冷却手段は、例えば、請求
に記載するように、前記形状記憶合金に接して取り
付けられた放熱部材を有していてもよく、また、例え
ば、請求項に記載するように、前記形状記憶合金を包
囲する冷却室と、該冷却室に冷却空気を送風する送風器
と、を備えていてもよい。
【0013】また、自動駆動型鍵盤装置は、例えば、請
求項10に記載するように、前記鍵に加わる荷重を検出
する荷重検出手段をさらに備え、該荷重検出手段が、前
記鍵に加わる荷重が所定値以上であることを検出する
と、前記熱供給手段は、前記鍵駆動手段への熱の供給を
停止してもよい。
【0014】さらに、自動駆動型鍵盤装置は、例えば、
請求項11に記載するように、熱を供給されると伸縮す
る形状記憶合金が前記各鍵に対応して設けられ、前記鍵
駆動手段により前記押鍵方向に回動された鍵を該形状記
憶合金の伸縮により個々に復帰させる鍵復帰手段を、さ
らに備え、前記熱供給手段は、前記演奏情報出力手段か
ら順次出力される演奏情報に基づいて前記鍵駆動手段及
び前記鍵復帰手段に熱を供給し、前記鍵駆動手段により
前記複数の鍵のうち該演奏情報に対応する鍵を回動駆動
させるとともに、該回動駆動させた鍵を前記鍵復帰手段
により復帰させるものであってもよい。
【0015】
【作用】本発明によれば、鍵盤シャーシ上に回動可能に
支持された複数の鍵が設けられており、熱を供給される
と伸縮する形状記憶合金が前記各鍵に対応して設けられ
た鍵駆動手段が、該形状記憶合金の伸縮により各鍵を個
々に回動駆動させる。
【0016】一方、楽曲を構成する一連の楽音に対応す
る演奏情報を、演奏情報出力手段が、該楽曲の進行に従
って順次出力する。この演奏情報出力手段から順次出力
される演奏情報に基づいて、熱供給手段が、前記駆動手
段に熱を供給し、該駆動手段は、前記複数の鍵のうち、
該演奏情報に対応する鍵を回動駆動させる。
【0017】したがって、鍵駆動手段として形状記憶合
金を利用して、演奏情報に応じて鍵を自動的に回動駆動
することができ、小型軽量で、消費電力が少なく、電池
仕様の電子キーボード等にも適合した自動駆動型鍵盤装
置を提供することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の自動駆動型鍵盤装置を実施例
に基づいて具体的に説明する。
【0019】図1から図12は、自動駆動型鍵盤装置の
第1実施例を示す図であり、電子キーボードに適用した
ものである。
【0020】図1は、電子キーボード1の全体外観図で
あり、電子キーボード1は、その本体ケース2の表面部
に、複数の白鍵3と黒鍵4、一対のスピーカ5、各種ス
イッチ6及び表示部7等が設けられている。
【0021】スピーカ5は、白鍵3や黒鍵4で鍵操作さ
れた音響信号や自動演奏を行なう音響信号を拡声出力
し、各種スイッチ6は、電子キーボード1を演奏する上
で必要な各種指示を行なうためのスイッチである。ま
た、表示部7は、例えば、液晶表示装置が使用され、電
子キーボード1から演奏者に通知する各種情報を表示す
る。
【0022】白鍵3及び黒鍵4は、例えば、全体として
49鍵設けられ、図2に白鍵3について示すように、鍵
盤シャーシ10上にその基端部3i(図5参照)がねじ
11により固定されている。また、鍵盤シャーシ10
は、ねじ11により本体ケース2に固定されている。白
鍵3は、その回動中心3aを支点としてその自由端部3
h(図5参照)を回動可能として鍵盤シャーシ10に固
定されており、白鍵3の自由端部3hの下面には、下方
ストッパー3bが、また、白鍵3の中央部下面には、L
字状の上方ストッパー3cが形成されている。白鍵3
は、鍵盤シャーシ10と白鍵3との間に縮設されたスプ
リング12により上方に付勢されており、上記上方スト
ッパー3cが鍵盤シャーシ10の下面に形成された上限
規制ストッパー部材13に当接することにより、その上
方向の位置が規制される。
【0023】上記鍵盤シャーシ10には、その鍵盤シャ
ーシ10の下部を白鍵3の回動中心3a側から自由端3
j側に延在するように、ガイド部材14が取り付けられ
ており、ガイド部材14は、その白鍵3の回動中心3a
側において白鍵3の下方から白鍵3の自由端3j方向に
湾曲する湾曲部14aを有している。ガイド部材14
は、絶縁体で、かつ熱伝導率が高く、剛性の高い材質、
例えば、PI(ポリアミドイミド)等で形成されてお
り、この熱伝導性により、後述するように、冷却手段と
して機能する。このガイド部材14の自由端3j側の上
面には、下限規制ストッパー部材15が取り付けられて
おり、前記白鍵3の下方ストッパー3bが当接すること
により、白鍵3の下方向の位置が規制される。また、ガ
イド部材14の白鍵3の自由端3j側の端部には、ブラ
ケット部14bが設けられており、ブラケット部14b
には、ねじ桿16の貫通する孔が形成されている。
【0024】ねじ桿16には、電極17が取り付けられ
ており、ねじ桿16の他端は、前記ブラケット部14b
の孔を貫通し、ナット18とバネ19によりブラケット
部14bに固定されている。電極17は、図3に示すよ
うに、形状記憶合金20の伸縮方向の端部に固着されて
おり、形状記憶合金20の伸縮方向のもう一方の端部
は、電極21に固着されている。この電極21は、白鍵
3の回動中心3aの近傍であってこの回動中心3aより
も白鍵3の自由端3j側に固定されている。この形状記
憶合金20と電極17及び電極21とは、図4に電極2
1について示すように、電極21に形成された突起21
aにより形状記憶合金20を挟持するようにして、挟着
されている。また、電極21には、挟持部21bが形成
されており、挟持部21bには、その中央部に突起21
cが形成されている。この挟持部21bは、図5に示す
白鍵3に形成された取り付けリブ3dを挟持することに
より白鍵3に挟着され、このとき、挟持部21bの突起
21cが取り付けリブ3dに形成された孔3eに貫入す
ることにより、挟持部21bと取り付けリブ3dとが確
実に挟着される。また、電極17及び電極21には、リ
ード線22、23が、例えば、半田付けにより接続され
ている。
【0025】なお、図5において、白鍵3には、前記ス
プリング12を保持するための断面が十字型をなすスプ
リングリテーナ3fが形成されており、また、その中央
部下面に断面が十字型をなす接点ノブ3gが形成されて
いる。この接点ノブ3gの下方には、図2に示すよう
に、接点ゴム24が配設されており、接点ゴム24は、
その天面が鍵盤シャーシ10に固定された基板25に接
着固定されている。接点ゴム24は、例えば、シリコン
重合体により成形され、白鍵3の押下方向の回動に伴っ
て接点ノブ3gにより付勢されて、図6に破線で示すよ
うに変形することにより、基板25に形成された一対の
接点端子を接続する。この接点ゴム24が基板25の一
対の接点端子を接続すると、その接点端子の対応する白
鍵3が押下(回動)されたことが検出される。
【0026】前記形状記憶合金20は、前記ガイド部材
14に接するように配回され、その伸縮方向の一端が、
鍵盤シャーシ10に形成されたガイド孔10aを貫通し
て上記白鍵3に固定された電極21に、その伸縮方向の
他端が、前記ブラケット部14bに取り付けられた電極
17に固着されている。そして、この他端側の電極17
とブラケット部14bとの間にばね19が介装されてい
るため、電極17に形成されたねじ桿18に螺合された
ナット18を適宜調整することにより、形状記憶合金2
0を適度な張力を持たせてガイド部材14に接する状態
で張ることができる。したがって、電極17に形成され
たねじ桿16、ナット18及びばね19は、全体として
形状記憶合金20の張力を調整する張力調整手段として
機能する。また、ガイド部材14は、上述のように、熱
伝導率の高い材質のもので形成されており、また形状記
憶合金20がこのガイド部材14に接して張られている
ため、形状記憶合金20の熱を放熱し、形状記憶合金2
0を冷却する。したがって、ガイド部材14は、形状記
憶合金20を冷却する冷却手段として機能する。
【0027】この形状記憶合金20は、例えば、Ni−
Ti(ニッケル−チタン)系の形状記憶合金が使用さ
れ、線状に成形されている。なお、形状記憶合金20と
しては、Ni−Ti系のものに限るものではなく、例え
ば、Ni−Cu(ニッケル−銅)系のものであってもよ
い。このような形状記憶合金20は、強制的にその長手
方向に、約3%伸ばされる。このとき、常温では、結晶
構造が、変晶マルテンサイトから変形相晶マルテンサイ
トに変形することにより、歪を保持させることができ、
この状態で40°に加熱されると、その結晶構造がオー
ステナイト相に変形して、伸ばされる前の元の長さに復
帰する。
【0028】前記黒鍵4は、図7に示すように、上記白
鍵3と同様に、その回動中心4aを中心として回動可能
に鍵盤シャーシ10に固定され、その自由端4gの下面
には、下方ストッパー4bが形成されている。また、黒
鍵4は、その自由端部4g下面に、スプリングリテーナ
4cが形成されており、その中央部下面に、接点ノブ4
dが形成されている。これら下方ストッパー4b、スプ
リングリテーナ4c及び接点ノブ4dは、上記白鍵3の
下方ストッパー3b、スプリングリテーナ3f及び接点
ノブ3gと同様の機能を有している。さらに、黒鍵4の
回動中心4aの近傍でその自由端4g側には、取り付け
リブ4eが形成されており、取り付けリブ4eには、孔
4fが形成されている。この取り付けリブ4eには、白
鍵3と同様に、電極21の挟持部21bが挟着され、こ
の電極21に挟着された形状記憶合金20が、黒鍵4の
下方にも同様にガイド部材14に接して張られる。
【0029】なお、より少ない伸長量で白鍵3又は黒鍵
4を回動させるために、形状記憶合金20の一端は、白
鍵3又は黒鍵4の回動中心3a又は4a近傍に固定され
ている。形状記憶合金20の伸長力は、白鍵3又は黒鍵
4を押し上げるのに充分な大きさを有する。さらに、形
状記憶合金20は、より大きな伸長量を得るために、伸
縮方向の一端から他端までの長さを充分とる必要がある
ので、白鍵3又は黒鍵4の回動中心付近からガイド部材
14を配回し、白鍵3又は黒鍵4の自由端3j又は4g
下方においてブラケット部14bに(調整可能に)固定
されている。この方法であれば、キーボードの厚みを増
すことなく、形状記憶合金20の長さを充分とることが
できる。
【0030】この電子キーボード1は、図8に示すよう
に、回路構成されており、記憶部31、操作部32、C
PU(Central Processing Unit)33、音源34、サウ
ンドシステム35、アクチュエータ制御部36、鍵アク
チュエータ37、鍵盤38及び押鍵情報検出部39等を
備えている。
【0031】記憶部31は、RAM(Random Access Me
mory)やROM(Read Only Memory)等で構成され、電子
キーボード1としてのプログラムや自動鍵駆動制御処理
プログラムを記憶するとともに、楽曲を構成する一連の
楽音に対応する演奏情報を、複数曲分記憶したり、その
他必要なデータを記憶する。
【0032】操作部32は、図1の各種スイッチ6を総
称したものであり、CPU33は、操作部32の操作状
態を走査して、操作状態に応じて演奏処理等を行なう。
【0033】CPU33は、記憶部31内のプログラム
に従って電子キーボード1の各部を制御し、演奏処理を
行なうとともに、自動鍵駆動処理を行なう。特に、CP
U33は、自動鍵駆動モードにおいては、記憶部31か
ら楽曲を構成する一連の楽音に対応して楽音の音高や音
符長などを指示する演奏情報を読み出し、順次アクチュ
エータ制御部33に出力するとともに、音源34に出力
する。
【0034】音源34は、CPU33から入力される楽
音情報に対応する楽音信号を発生し、サウンドシステム
35に出力する。サウンドシステム35は、前記スピー
カ5やアンプ、D/A変換器等で構成され、この楽音信
号に基づいて楽音を外部に拡声出力する。
【0035】アクチュエータ制御部36は、図9に示す
ように、デコーダ41、スイッチ群42及び定電圧源4
3等を備えており、デコーダ41には、CPU33から
演奏情報が入力される。
【0036】定電圧源43は、所定の定電圧+Vを発生
し、スイッチ群42に出力する。この定電圧源43に
は、操作部32から自動鍵駆動モードが選択されたこと
を示す信号が入力され、定電圧源43は、この信号が入
力されたときのみ定電圧+Vをスイッチ群42に出力す
る。
【0037】スイッチ群42は、白鍵3及び黒鍵4を合
せた49個のスイッチ42a1 〜42a49を有してお
り、スイッチ群42の各スイッチ42a1 〜42a49
は、デコーダ41からの駆動信号によりオン/オフ動作
して、定電圧源43からの定電圧+Vを鍵アクチュエー
タ37に出力する。
【0038】デコーダ41は、CPU33から入力され
る演奏情報をデコードし、当該演奏情報の音高に対応す
る白鍵3や黒鍵4に対応して設けられたスイッチ群42
のスイッチa1 〜42a49のいずれかに対して当該演奏
情報の音の長さに対応した長さの駆動信号を出力する。
すなわち、デコーダ41は、CPU33から入力される
演奏情報を上述のようにデコードしてその演奏情報の音
高に対応する白鍵3や黒鍵4に対応して設けられたスイ
ッチ群42のスイッチa1 〜42a49のいずれかに駆動
信号を出力するが、この駆動信号は、図10に示すよう
に、音符の長さ、すなわちその演奏情報の音の長さに応
じた数のパルス状の信号である(形状記憶合金20の音
度を40゜に保つためパルス状とする)。この場合、上
記形状記憶合金20が電圧が印加されてからこの電圧に
より発熱してその形状が変化し、押鍵動作が行なわれる
まで所定の時間t(図10参照)を要するため、CPU
33は、この予熱時間t分だけ当該演奏情報に対応する
楽音がサウンドシステム35から出力される時間よりも
早くアクチュエータ制御部36のデコーダ41に演奏情
報を出力し、デコーダ41は、この予熱分のパルス状の
駆動信号を例えば1つだけ、スイッチa1 〜42a49に
出力し、その後、その演奏情報の音の長さに応じた数の
パルス状の駆動信号をスイッチa1 〜42a49に出力す
る。なお、デコーダ41には、操作部32より自動鍵駆
動モードが選択されたことを示す信号が入力され、デコ
ーダ41は、この信号が入力されているときにのみ、上
記動作を行なう。
【0039】例えば、デコーダ41は、演奏情報とし
て、図10に示すように、4分音符→4分音符→2分音
符→8分音符→8分音符が順次入力されると、予熱分の
パルスを含めて、駆動信号として、例えば、3→3→5
→2→2個のパルスを順次該当するスイッチa1 〜42
a49に出力する。
【0040】したがって、スイッチ群42の各スイッチ
42a1 〜42a49は、デコーダ41からの駆動信号に
より、演奏情報の音の長さに対応した数だけオン/オフ
を繰り返し、スイッチ42a1 〜42a49がオン/オフ
することにより、鍵アクチュエータ37には、定電圧源
43からの定電圧+Vをパルス状に出力する。
【0041】鍵アクチュエータ37は、形状記憶合金2
0、電極17、21、リード線22、23、ねじ桿1
6、ナット18、ばね19、ブラケット部14b、ガイ
ド部材14及び取り付けリブ3d、4e等を総称したも
のであり、アクチュエータ制御部36からの定電圧+V
は、このリード線22、23及び電極17、21を介し
て形状記憶合金20に供給される。形状記憶合金20
は、定電圧+Vが供給されると、供給される定電圧Vの
値と印加時間に応じて発熱し40゜の温度を保ち、その
間は上記のようにその結晶構造が変化して長手方向に収
縮する。
【0042】形状記憶合金20がその長手方向に収縮す
ると、後述するように、白鍵3や黒鍵4がその回動中心
3a、4aを中心として下方(押鍵方向)に回動し、接
点ゴム24が基板25の接点を接続する。なお、図8の
鍵盤38は、上記白鍵3と黒鍵4を総称したものであ
る。この押鍵状態を押鍵情報検出部39が検出し、CP
U33に出力する。
【0043】次に作用を説明する。
【0044】電子キーボード1に自動鍵駆動処理を行な
わせるには、操作部6のスイッチ操作により自動鍵駆動
モードに設定し、演奏曲を選択した後、スタートスイッ
チを投入する。
【0045】自動鍵駆動モードで演奏曲が選択されてス
タートスイッチが投入されると、CPU33は、記憶部
31から読み出した演奏情報を上記自動演奏処理による
楽音の発生タイミングよりも上記予熱時間tだけ早く演
奏情報をアクチュエータ制御部36のデコーダ41に出
力し、デコーダ41は、CPU33から入力される演奏
情報に応じて、その演奏情報の音高に対応する白鍵3や
黒鍵4に対応して設けられたスイッチ群42のスイッチ
42a1 〜42a49にその演奏情報の音符の長さに対応
した数のパルス状の駆動信号を出力する。
【0046】スイッチ群42の各スイッチ42a1 〜4
2a49は、駆動信号が入力されると、その駆動信号に応
じてオン/オフを繰り返し、定電圧源43から入力され
ている定電圧+Vをこのオン/オフに対応したパルス状
の電圧として鍵アクチュエータ37の形状記憶合金20
に出力する。
【0047】形状記憶合金20は、電圧が印加される
と、発熱し、その結晶構造がオーステナイト相に変化し
て、図11に示すように、変形前の形状に復帰すべく、
その長手方向に収縮する。この形状記憶合金20は、そ
の伸縮方向の一端が白鍵3や黒鍵4の回動中心3a、4
aの近傍において白鍵3や黒鍵4に固定され、その伸縮
方向の他端が白鍵3や黒鍵4の自由端部側において鍵盤
シャーシ10に固定されており、湾曲部14aの形成さ
れたガイド部材14に接して張られているため、形状記
憶合金20が収縮すると、形状記憶合金20は、ガイド
部材14の湾曲部14aを中心として、白鍵3や黒鍵4
を下方に引っ張り、白鍵3や黒鍵4をその回動中心3
a、4aを中心として下方(押下方向)に回動させる。
白鍵3や黒鍵4は、下方に回動すると、その接点ノブ3
g、4dが接点ゴム24を押下し、基板25に設けられ
た接点を接続する。この基板25の接点の状態を押鍵情
報検出部39が検出して、CPU33に出力し、CPU
33は、鍵の駆動状態を認識し、音源34に対して駆動
した鍵に対応する音高を指示し、音源34は、この音高
の楽音信号を発生させ、サウンドシステム35はこの楽
音信号に基づいて楽音を発生させる。自動鍵駆動モード
においては以上のようにして自動演奏が行なわれる。
【0048】このとき、形状記憶合金20が白鍵3や黒
鍵4にその回動中心3a、4aの近傍で固着されている
ため、形状記憶合金20の収縮率が少なくても、白鍵3
や黒鍵4をその押鍵動作を行なわせるのに十分なだけ回
動させることができる。
【0049】その後デコーダ41からスイッチ群42へ
の駆動信号の出力が停止されると、スイッチ42a1 〜
42a49は、開放状態となり、形状記憶合金20への定
電圧+Vの供給が停止される。
【0050】このとき、形状記憶合金20は、定電圧V
の供給が停止されると、熱伝導性の良好なガイド部材1
4に接しているため、形状記憶合金20の熱がガイド部
材14を介して速やかに放熱され、急速に冷却される。
したがって、形状記憶合金20は、速やかに結晶構造が
変化して変形可能な状態となり、白鍵3や黒鍵4は、ス
プリング12によりその回動中心3a、4aを中心とし
て回動して元の状態に復帰し、形状記憶合金20は、再
び図2のように伸長される。その結果、白鍵3や黒鍵4
を速やかに回動動作させることができ、人間が演奏操作
する場合のように、速やかな鍵駆動動作を行なわせるこ
とができる。
【0051】なお、電子キーボード1は、操作部6でマ
ニュアル演奏が選択され、白鍵3や黒鍵4を使用して人
間がマニュアルで演奏を行なうと、図12に示すよう
に、形状記憶合金20は、その押鍵動作により弛みが発
生して、押鍵動作を可能としている。そして、押鍵され
ると、その押鍵動作が、接点ゴム24が基板25の接点
を接続することで検出され、通常のマニュアル演奏を行
なうことができる。
【0052】このように、形状記憶合金20を利用し
て、演奏情報に応じて鍵盤(白鍵3や黒鍵4)を自動的
に回動駆動することができ、小型軽量で、消費電力が少
なく、電池仕様の電子キーボード等にも十分適用するこ
とができる。
【0053】図13〜図15は、自動駆動型鍵盤装置の
第2実施例を示す図である。
【0054】本実施例は、形状記憶合金を冷却するのに
送風器を使用したものであり、本実施例の説明にあた
り、上記第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0055】図13において、電子キーボード40の本
体ケース2の側部には、通風窓61が形成されており、
この通風窓61を通して、後述するように、冷却用の空
気を本体ケース2内に取り込む。本体ケース2のもう一
方の側部には、図示しない排気窓が設けられている。
【0056】本体ケース2内の通風窓61に面する位置
には、図14に示すように、送風器42が取り付けられ
ており、送風器62はモータ62aによりファン62b
を回転させて、通風窓61から本体ケース2内方向に送
風する。
【0057】この電子キーボード40の各白鍵3や黒鍵
4にも、第1実施例と同様に、形状記憶合金20が固着
されているが、この形状記憶合金20の下方を包囲する
ように、箱部材63が配設されており、この箱部材63
と鍵盤シャーシ10により冷却室44が形成されてい
る。そして、上記送風器62は、この冷却室44内に通
風窓61から取り入れた空気を送風し、排気窓から冷却
室44内の空気を排出する。
【0058】形状記憶合金20は、白鍵3や黒鍵4の自
由端3j又は4g側の箱部材63に取り付けられてお
り、また、白鍵3や黒鍵4の回動中心3a、4a側から
その自由端3j又は4g側への湾曲部にのみガイド部材
45が設けられている。このガイド部材45としては、
上記第1実施例と同様の絶縁体で、かつ熱伝導率が高
く、剛性の高い材質で形成してもよいし、形状記憶合金
20が送風器62で冷却されることから、熱伝導率を考
慮せずに、絶縁体で剛性の高い材質のもので形成しても
よい。
【0059】この電子キーボード40は、図15に示す
ように、図8に示した回路構成の他に送風部46を備え
ている。図15において、CPU33は、上記第1実施
例と同様の処理を行なうが、その他に、送風部46の駆
動制御を行なう。
【0060】この送風部46は、上記送風器62や送風
器62を駆動するための駆動回路等を総称したものであ
り、CPU33からの駆動信号に基づいて送風器42を
駆動する。
【0061】したがって、この電子キーボード40によ
れば、送風器62により通風窓61を通して冷却室44
に外気を導入することができ、この冷却室44に導入し
た外気により形状記憶合金20を冷却することができ
る。特に、形状記憶合金20を箱部材63で包囲して冷
却室44を形成しているので、形状記憶合金20を効率
よく冷却することができる。その結果、形状記憶合金2
0により白鍵3や黒鍵4を適切に回動駆動することがで
きる。
【0062】なお、この場合、外気温度や形状記憶合金
20の温度等を検出する温度検出器を設け、この温度検
出器の検出結果に基づいて送風器62の回転/停止や回
転速度を制御すると、より一層形状記憶合金20を好適
に冷却することができる。図16〜図18は、自動駆動
型鍵盤装置の第3実施例を示す図である。
【0063】本実施例は、収縮状態にあった形状記憶合
金が元の形状に復帰すべく伸長したときに鍵を押鍵方向
に回動させるものであり、本実施例の説明にあたり、上
記第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0064】図16において、電子キーボード50の白
鍵3には、その回動中心3aの自由端側の近傍で、白鍵
3の下面にアーム51が形成されており、アーム51の
先端には、図17に示すように、電極52が固定されて
いる。
【0065】また、鍵盤シャーシ10には、このアーム
51に対応する位置に、リテーナー53が形成されてお
り、リテーナー53は、図17に示すように、その断面
がコの字形をしている。そして、このリテーナー53の
コの字形の内部に上記白鍵3のアーム51の一部が侵入
しており、リテーナー53の白鍵側の端部には、電極5
4が取り付けられている。
【0066】これらアーム51の電極52とリテーナー
53の電極54との間には、形状記憶合金55が張り渡
されており、形状記憶合金55の両端は、この電極52
と電極54に接している。これら各電極52、54に
は、電圧を印加するためのリード線56、57が接続さ
れている。
【0067】この形状記憶合金55は、常温では、強制
的にその長手方向に、縮められ、その状態を保ってお
り、この状態で40°に加熱されると、その結晶構造が
変形して、縮む前の元の長さに復帰すべく伸長する。
【0068】なお、図示しないが、黒鍵4も白鍵3と同
様に構成されている。
【0069】したがって、この電子キーボード50は、
CPU33が上記第1実施例と同様に、演奏情報をアク
チュエータ制御部36に出力し、アクチュエータ制御部
36がその演奏情報に対応する白鍵3や黒鍵4の形状記
憶合金55に定電圧+Vを印加する。この形状記憶合金
55は、定電圧+Vが印加されると、発熱し、伸長す
る。形状記憶合金55が伸長すると、リテーナー53の
形成された鍵盤シャーシ10が、本体ケース2に固定さ
れているため、白鍵3のアーム51に固定された電極5
2が下方に付勢され、これに伴って白鍵3が下方に付勢
される。その結果、白鍵3は、図18に示すように、回
動中心3aを中心として下方(押下)方向に回動し、鍵
盤駆動動作が行なわれる。そして、第1実施例と同様に
して、楽音を発生し、自動演奏が行なわれる。
【0070】図19は、自動駆動型鍵盤装置の第4実施
例を示す図である。本実施例は、鍵にかかる荷重を検出
して、形状記憶合金への熱の供給を制御するものであ
り、上記第1実施例から第3実施例のいずれにも適用可
能なものである。
【0071】図19は、接点ゴム24の側面断面図であ
り、接点ゴム24は、上記各実施例と同様に、基板25
にその天面が固着されている。この接点ゴム24の接点
部24aと基板25との間には、スイッチ部材60が配
設されており、スイッチ部材60は、基板25に形成さ
れた接点間を接続するように配設されるとともに、接点
ゴム24の接点部24a方向に突出した状態で湾曲して
配設されている。このスイッチ部材60は、カーボン粒
子が散在する弾性絶縁体で、接点部材24aにより押さ
れていないときには、各カーボン粒子間の距離が充分あ
るため、高抵抗値を有して、基板25の接点間を開放
し、接点部材24aにより押されると、各カーボン粒子
間の距離が狭まっていき、その抵抗値がその付勢力に応
じて減少して、基板25の接点間にその抵抗値の減少量
に応じた電流を流す。
【0072】したがって、本実施例では、押鍵動作がな
されていないときには、スイッチ部材60の抵抗値が高
く、基板25の接点を開放している。この状態で、上記
各実施例のように、形状記憶合金20や形状記憶合金5
5に電圧が印加されて押鍵動作が行なわれると、スイッ
チ部材60の抵抗値が減少し、押鍵動作を検出する。さ
らに、スイッチ部材60は、接点ゴム24による付勢力
に応じてその抵抗値が減少するため、この抵抗値の減少
に伴って基板25の接点間に流れる電流値を検出するこ
とにより、白鍵3や黒鍵4にかかる荷重を検出すること
ができ、電流値が所定値以上、すなわち形状記憶合金2
0又は55が過剰な荷重により、必要以上に過熱される
状態になると、CPU33は、アクチュエータ制御部3
6に形状記憶合金20や形状記憶合金55への電圧の印
加の停止を指示する。
【0073】したがって、本実施例によれば、接点ゴム
24の付勢力の大きさ、すなわち、白鍵3や黒鍵4にか
かる荷重を、スイッチ部材60の抵抗値の変化を基板2
5の接点間に流れる電流値により検出するができ、この
荷重が所定値以上になると、形状記憶合金20や形状記
憶合金55への電圧(熱)の供給を停止することができ
る。その結果、形状記憶合金20や形状記憶合金55の
劣化を緩和することができるとともに、消費電力をより
一層節減することができる。
【0074】図20及び図21は、自動駆動型鍵盤装置
の第5実施例を示す図である。
【0075】押鍵された鍵を復帰させる鍵復帰手段を設
けたものであり、本実施例の説明にあたり上記第1実施
例と同様の構成部分には、同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0076】図20は、電子キーボード70の白鍵3に
ついて示した図であり、白鍵3には、上記第1実施例と
同様に、その回動中心3aの近傍であってこの回動中心
3aよりも白鍵3の自由端3j側に、電極21が固定さ
れているとともに、この電極21の上方に電極71が固
定されており、電極71は、前記電極21と同様の方法
により白鍵3に固定されている。
【0077】電極71には、形状記憶合金72の伸縮方
向の端部が固着されており、形状記憶合金72の伸縮方
向のもう一方の端部には、電極73が固着されている。
【0078】電極73には、ねじ桿74が取り付けられ
ており、ねじ桿74の他端は、ブラケット部75に形成
された孔を貫通して、ナット76とバネ77によりブラ
ケット部75に固定されている。このブラケット部75
は、本体ケース2に取り付けられている。
【0079】この形状記憶合金72は、第1実施例の形
状記憶合金20と同様の材質で形成されており、その長
手方向に多少の伸縮性を有している。
【0080】また、上記電極71及び電極73には、そ
れぞれリード線78とリード線79が、例えば、半田付
けにより接続されており、図21に示すアクチュエータ
制御部36に接続されている。
【0081】図21は、電子キーボード70のブロック
構成図であり、第1実施例と同様の記憶部31、操作部
32、CPU33、音源34、サウンドシステム35、
アクチュエータ制御部36、鍵アクチュエータ37、鍵
盤38及び押鍵情報検出部39を備えるとともに、押鍵
復帰用アクチュエータ80を備えている。
【0082】この押鍵復帰用アクチュエータ80は、形
状記憶合金72、電極71、電極73、リード線78、
リード線79、ねじ桿74、ブラケット部75、ナット
76及びバネ77等を総称したものである。
【0083】また、本実施例のアクチュエータ制御部3
6は、CPU33からの演奏情報に基づいて、第1実施
例と同様に形状記憶合金20に定電圧を出力するととも
に、形状記憶合金72に定電圧を出力する。
【0084】次に、本実施例の作用を説明する。
【0085】電子キーボード70は、上記第1実施例の
ようにして、演奏情報に基づいて形状記憶合金20によ
り白鍵3や黒鍵4を押鍵し、その後、離鍵タイミングに
なると、アクチュエータ制御部36から定電圧を形状記
憶合金72に印加して、白鍵3や黒鍵4を強制的に離鍵
状態に復帰させる。
【0086】すなわち、アクチュエータ制御部36は、
CPU33からの演奏情報に基づいて、離鍵タイミング
になると、形状記憶合金72に定電圧を出力する。形状
記憶合金72は、定電圧が供給されると、発熱して収縮
し、白鍵3や黒鍵4を強制的に離鍵方向に回動させて復
帰させる。
【0087】このとき、上述のように、CPU33は、
演奏情報による楽音の発生タイミングよりも前記予熱時
間tだけ早く演奏情報をアクチュエータ制御部36に出
力するので、アクチュエータ制御部36は、この演奏情
報に基づいて、予熱時間tだけ早く形状記憶合金72に
定電圧を印加する。
【0088】したがって、上記第2実施例のように、送
風器を用いることなく、白鍵3や黒鍵4を、速やかに、
かつ、確実に離鍵方向に回動させて、離鍵状態に復帰さ
せることができ、適切な演奏を行わせることができる。
【0089】なお、上記各実施例においては、電子キー
ボード適用した場合について説明したが、これに限るも
のではなく、アコースティックピアノやサキソフォン等
の釦操作により音高を指定する管楽器等にも同様に適用
することができる。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、形状記憶合金を利用し
て、演奏情報に応じて鍵盤を自動的に回動駆動すること
ができるので、自動駆動型鍵盤装置を小型軽量化するこ
とができるとともに、消費電力を低減することができ
る。その結果、電池仕様の電子キーボード等にも十分適
用することができる。
【0091】また、形状記憶合金は、一端を鍵の回動中
心近傍において鍵に固定され、鍵盤シャーシに固定され
た支点部材の湾曲部に沿って湾曲し、鍵の押圧部分の先
端近傍において鍵盤シャーシに固定されるようにしたの
で、より少ない伸縮量で鍵を回動可能であるとともに、
より小さなスペースで、形状記憶合金の長さを充分確保
でき、その伸縮量をより大きくすることが可能であり、
装置を小型化できる。また冷却手段を設けるようにすれ
ば、形状記憶合金を効率よく冷却することができ、その
結果、形状記憶合金により鍵を適切に回動駆動すること
ができる。
【0092】さらに、荷重検出手段を設け、鍵に加わる
荷重が所定値を超えると、熱供給手段が鍵駆動手段への
熱の供給を停止するようにすると、形状記憶合金が過剰
に熱せられることが防止され、形状記憶合金の劣化を緩
和することができる。
【0093】また、押鍵方向に回動された鍵を形状記憶
合金の伸縮により復帰させる鍵復帰手段を設け、押鍵方
向に回動された鍵を演奏情報に応じて復帰させると、鍵
を速やかに、かつ、確実に復帰させることができ、より
一層適切な演奏を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動駆動型鍵盤装置の第1実施例を適用した電
子キーボードの外観図。
【図2】図1の電子キーボードの白鍵部分の部分断面側
面図。
【図3】図1の電子キーボードの形状記憶合金とその取
り付け部材を示す図。
【図4】図3の形状記憶合金と電極との固着状態を示す
図。
【図5】図1の電子キーボードの白鍵の部分断面側面
図。
【図6】図2の接点ゴムの側面断面図。
【図7】図1の電子キーボードの黒鍵の部分断面側面
図。
【図8】図1の電子キーボードの回路構成図。
【図9】図8のアクチュエータ制御部の詳細な回路図。
【図10】音符、駆動信号及び鍵の位置との関係を示す
図。
【図11】形状記憶合金による押鍵動作の説明図。
【図12】マニュアルによる押鍵動作時の動作状態の説
明図。
【図13】自動駆動型鍵盤装置の第2実施例を適用した
電子キーボードの外観図。
【図14】図13の電子キーボードの部分断面側面図。
【図15】図13の電子キーボードの回路構成図。
【図16】自動駆動型鍵盤装置の第2実施例を適用した
電子キーボードの部分断面側面図。
【図17】図16の形状記憶合金部分の拡大部分断面斜
視図。
【図18】図16の押鍵時の作用説明図。
【図19】自動駆動型鍵盤装置の第3実施例を適用した
電子キーボードの接点ゴム部分の断面側面図。
【図20】自動駆動型鍵盤装置の第4実施例を適用した
電子キーボードの白鍵部分の部分断面側面図。
【図21】図20の電子キーボードの回路構成図。
【符号の説明】
1、40、50、70 電子キーボード 2 本体ケース 3 白鍵 3a、4a 回動中心 4 黒鍵 5 スピーカ 6 スイッチ 7 表示部 10 鍵盤シャーシ 14 ガイド部材 14a 湾曲部 16 ねじ桿 17 電極 18 ナット 19 ばね 20、55 形状記憶合金 21 電極 22、23 リード線 24 接点ゴム 25 基板 31 記憶部 32 操作部 33 CPU 34 音源 35 サウンドシステム 36 アクチュエータ制御部 37 鍵アクチュエータ 38 鍵盤 39 押鍵情報検出部 41 デコーダ 42 スイッチ群 43 定電圧源 71 電極 72 形状記憶合金 73 電極 74 ねじ桿 75 ブラケット部 76 ナット 77 バネ 78、79 リード線 80 鍵復帰用アクチュエータ

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍵盤シャーシ上に回動可能に支持された複
    数の鍵と、 熱を供給されると伸縮する形状記憶合金が前記各鍵に対
    応して設けられ、該形状記憶合金の伸縮により前記各鍵
    を個々に回動駆動させる鍵駆動手段と、 楽曲を構成する一連の楽音に対応する演奏情報を該楽曲
    の進行に従って順次出力する演奏情報出力手段と、 前記演奏情報出力手段から順次出力される演奏情報に基
    づいて前記鍵駆動手段に熱を供給し、前記鍵駆動手段に
    より前記複数の鍵のうち該演奏情報に対応する鍵を回動
    駆動させる熱供給手段と、 を備えたことを特徴とする自動駆動型鍵盤装置。
  2. 【請求項2】前記鍵駆動手段は、前記鍵盤シャーシに固
    定され湾曲部を有する支点部材を有し、前記形状記憶合
    金が、該支点部材の該湾曲部に沿って湾曲した形状をな
    すとともに、その伸縮方向の一端が前記鍵に、その伸縮
    方向の他端が前記鍵盤シャーシに固定され、前記熱供給
    手段により熱が供給されると、収縮することにより前記
    支点部材の前記湾曲部を支点として前記鍵を該支点部材
    側に牽引して回動駆動させることを特徴とする請求項1
    記載の自動駆動型鍵盤装置。
  3. 【請求項3】前記鍵駆動手段における前記形状記憶合金
    の伸縮方向の一端は、前記鍵の回動中心近傍において、
    該鍵に固定されたことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の自動駆動型鍵盤装置。
  4. 【請求項4】前記鍵駆動手段における形状記憶合金の伸
    縮方向の他端は、前記鍵の押圧部分の先端近傍におい
    て、前記鍵盤シャーシに固定されたことを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれかに記載の自動駆動型鍵盤
    装置。
  5. 【請求項5】前記鍵駆動手段における形状記憶合金は、
    その伸縮方向の一端が前記鍵に、その伸縮方向の他端が
    前記鍵盤シャーシに固定され、該形状記憶合金の張力を
    調整する張力調整手段を有することを特徴とする請求項
    1から請求項4のいずれかに記載の自動駆動型鍵盤装
    置。
  6. 【請求項6】前記熱供給手段は、前記鍵が回動駆動すべ
    きタイミングよりも、前記鍵駆動手段に熱の供給を開始
    してから前記鍵が回動駆動するまでの時間分速く前記鍵
    駆動手段への熱の供給を開始することを特徴とする請求
    項1から請求項5のいずれかに記載の自動駆動型鍵盤装
    置。
  7. 【請求項7】前記鍵駆動手段は、前記形状記憶合金を冷
    却する冷却手段を有することを特徴とする請求項1から
    請求項 6のいずれかに記載の自動駆動型鍵盤装置。
  8. 【請求項8】前記冷却手段は、前記形状記憶合金に接し
    て取り付けられた放熱部材を有することを特徴とする請
    求項7記載の自動駆動型鍵盤装置。
  9. 【請求項9】前記冷却手段は、 前記形状記憶合金を包囲する冷却室と、 該冷却室に冷却空気を送風する送風器と、 を備えたことを特徴とする請求項 7 又は請求項8 記載の
    自動駆動型鍵盤装置。
  10. 【請求項10】前記鍵に加わる荷重を検出する荷重検出
    手段をさらに備え、該荷重検出手段が、前記鍵に加わる
    荷重が所定値以上であることを検出すると、前記熱供給
    手段は、前記鍵駆動手段 への熱の供給を停止することを
    特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の自
    動駆動型鍵盤装置。
  11. 【請求項11】前記自動駆動型鍵盤装置は、 熱を供給されると伸縮する形状記憶合金が前記各鍵に対
    応して設けられ前記鍵駆動手段により前記押鍵方向に回
    動された鍵を該形状記憶合金の伸縮により個々に復帰さ
    せる鍵復帰手段を、さらに備え、 前記熱供給手段は、前記演奏情報出力手段から順次出力
    される演奏情報に基づいて前記鍵駆動手段及び前記鍵復
    帰手段に熱を供給し、前記鍵駆動手段により前記複数の
    鍵のうち該演奏情報に対応する鍵を回動駆動させるとと
    もに、該回動駆動させた鍵を前記鍵復帰手段により復帰
    させることを特徴とする請求項1から請求項10 のいず
    れかに記載の自動駆動型鍵盤装置。
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