JP3535446B2 - 紙管及びその製造方法 - Google Patents
紙管及びその製造方法Info
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Description
維、フイルムなどの捲装物を巻き付ける紙管及びその製
造方法に関するもので、さらに詳しくは、表面紙の下層
の原紙に傾斜状の貫通孔や直孔および傾斜状の非貫通孔
を設けて紙構成繊維の方向を乱れさせることにより、引
っ張り強度や紙層間の剥離強度を高めた紙管及びその製
造方法に関するものである。
などの捲装物を巻き付ける紙管を製造する方法として
は、マンドレルに帯状原紙を螺旋状に巻き付けて作る方
法と平巻きに巻き付けて作る方法などがあり、一般的に
は、螺旋状に巻回して作る方が多い。その例を説明する
と、十数枚の所定幅で適宜厚さの帯状原紙の裏面に接着
剤を塗布し、マンドレルに螺旋状に巻回して各紙層を接
着してスパイラル紙管が製造される。
付けると、糸の収縮力で紙管表面に強力な押圧力が加わ
り、糸が巻かれている部分にへこみ、いわゆる巻き締ま
り変形が発生することがある。
管の場合は、糸取りを確実にするため、紙管の端部に内
周方向に沿ってスリット状の把持溝が設けられている。
その把持溝を刻設する際に、刃物の摩擦抵抗によって把
持溝の両側壁に応力がかかり紙層間でずれを生じて層間
剥離がおこる。
糸を巻き取る場合、糸の製造速度と紙管の回転速度を一
致させる必要があり、紙管の端部外表面に高速回転のタ
ッチロールが接触させられる。このタッチロールの接触
により紙管表面近傍の紙層間に横ずれ応力が加わり、紙
材の剥離強度と該応力のバランスが崩れた時、紙管表面
紙が紙層間で剥離されることがあった。剥離が表面で発
生すると紙管の回転が乱れるばかりでなく、巻き取り張
力の斑や巻姿不良などのトラブルが生じて糸の巻き取り
が十分にできず、多大な損失を生む結果になるという問
題点があった。
43−14740号公報および実公昭43−6911号
公報に記載されているように、紙などの材料に多数の孔
を穿設し、その孔内に接着剤を溜めて捲回することによ
り外周の圧力強度を高めたものが提案されている。しか
しながら、この孔は紙層間の空気を追い出す目的、およ
び巻き締まりなどの対策による外周の圧力強度の増加を
ねらったものであり、把持溝による紙層間のずれによっ
て生じる層間剥離の解決にはならないと言う問題点があ
った。
問題を解決することを課題として研究開発されたもの
で、把持溝などの加工に起因する層間剥離などによって
生じる端部破損の起こりにくい引っ張り強度の優れた紙
管及びその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
の目的を達成する手段として、本発明では、合繊糸、炭
素繊維、フイルムなどの捲装物を巻き付ける紙管であっ
て、複数枚の原紙と接着剤から構成され、該紙管の表面
紙の下層を構成する原紙に1〜5mmの間隔で、最大径
0.5mm、最小径0.3mmに形成された複数個の傾
斜状の貫通孔や直孔及び傾斜状の非貫通孔を設け、各孔
の内部に接着剤が充填され、その接着剤が硬化して紙層
内に接着剤の固形物が形成されている紙管を開発し、採
用した。
管の製造方法において、マンドレルに接着剤を塗布した
複数枚の原紙を巻き付けて紙管を製造する紙管の製造方
法であって、紙管の表面紙の下層を構成する原紙に1〜
5mmの間隔で、最大径0.5mm、最小径0.3mm
に形成された複数個の傾斜状の貫通孔や直孔及び傾斜状
の非貫通孔を設ける第1の工程と、原紙の表面に接着剤
を塗布する第2の工程と、その表面に接着剤を塗布した
原紙がマンドレルに巻回される第3の工程からなり、巻
き付けられる時に、各孔の内部に該接着剤が充填含浸さ
れ、その接着剤を硬化させて原紙の紙層内に接着剤の固
形物が形成することを特徴とする紙管の製造方法。
1〜6に基づいて説明すれば、まず、マンドレル1の外
周面に幅114mm〜117mm、厚さ0.3mm〜
0.6mmの帯状原紙2をスパイラル状に巻き付ける。
つぎに、裏面に接着剤を塗着した帯状原紙2’をマンド
レル1に巻かれた帯状原紙2の上からスパイラル状に巻
き付け締め付けベルト3で締め付けて原紙管Aを形成す
る。
状原紙4を針状突起5を有するロール6で加圧送りする
(図2)。この針状突起5は貫通孔7からなる孔を穿設
する長い針状突起5aと非貫通孔8からなる孔を穿設す
る短い針状突起5bからなり、この2種の針状突起5
a、5bをランダムにロール6に植設してある。その針
状突起5には先端に向って徐々に細くなっている形状の
もの、あるいは鋼線を適宜長さに切断した直線形状のも
のなどが用いられ、さらに、この針状突起5の径は太い
ものや細いのものなどからなっている。
は、図3の拡大断面図に示すように、傾斜状の貫通孔7
aや直孔7b及び傾斜状の非貫通孔8aの孔が穿設され
る。それによって、帯状原紙4の紙構成繊維が水平方向
に並んでいるのを垂直方向にも向けることになり、ま
た、貫通しなくても繊維方向を縦横上下に向けさせるこ
とができ、引っ張り強度、剥離強度を高めるようになっ
ている。
斜状の非貫通孔8aの間隔は1〜5mmの範囲が適して
いる。この範囲内であれば紙自体の物理的強度を低下す
ることなく、剥離強度を高めることができる。しかし、
この範囲外ならば紙自体の物理的強度が低下するととも
に、剥離強度も低下するので適さない。また、その傾斜
状の貫通孔7aや直孔7b及び傾斜状の非貫通孔8aの
最大径は0.5mm、最小径は0.3mmに形成されて
いる。
斜状の非貫通孔8aを穿設するのは帯状原紙4の片面か
らよりも両面から穿設するのがより好ましい。すなわ
ち、図3に示すような孔形状にすれば、後述の接着剤が
充填され硬化した時に、くさびとしての効果が増大す
る。なお、帯状原紙4の表面に凹凸が生じる場合は、後
工程で接着される表面紙への凹凸具現を防止し、表面の
平滑性を保たせるため、加圧ロール11で凹凸をなくす
ことが必要になる。
び傾斜状の非貫通孔8aを穿設した帯状原紙4は接着剤
槽9内に導入され、帯状原紙4の表面および傾斜状の貫
通孔7aや直孔7b及び傾斜状の非貫通孔8aに接着剤
12が充分に付着される。そして、出口部に配設した付
着量調整ロール10によって接着剤12の付着量を6g
/m2の適正な厚さに塗布する。
行されてくる原紙管Aの表面にスパイラル状に巻き付け
られ、該帯状原紙4aの表面に付着された接着剤12の
余分なものが傾斜状の貫通孔7aや直孔7b及び傾斜状
の非貫通孔8aの部分に導入され充填含浸される。
された厚さ0.05〜0.1mmのパーチメント紙など
の表面紙13をスパイラル状に巻きつけ、接着剤12で
接着して紙管が生産される。表面紙13は前述の硫酸処
理されたパーチメントに限らず、合成紙、プラスチック
フイルム、セロファンなどを用いることができる。
さ約1m)に切断し、60〜100℃の温度で加熱処理
し、帯状原紙および接着剤中の水分を所定の水分率5%
〜9%まで除去することにより、紙層に穿設された孔内
の接着剤が硬化し、孔形状の固形物となり、クサビ効果
を持ち、紙の横ずれを抑制し、層間剥離を防止する素管
14(図4)が生産される。
した後、両端をポリッシュし平滑化するとともに、端部
から5mm〜10mmの付近に幅約0.1mm〜約1m
m、深さ約3mm〜5mmの糸を把持する溝15を形成
する。このようにして糸条巻き取り紙管16が製造され
るものである。
の下層の原紙に突起物による孔などが施されていない従
来紙管との剥離試験を行なったところ、従来の紙管では
タッチロールを当てて1000回転/分の高速回転させ
ると、タッチロールの当接する端部表面に、紙管100
個について13個の剥離が認められたのに対して、本発
明の紙管の場合、1000回転/分では100個全部に
剥離が認められず、回転数を上げて8000回転/分の
高速回転にしたが、それでも1個の剥離も発生しなかっ
た。
管は、従来の紙管に比べて引っ張り強度において格段の
違いがあるとともに、層間剥離強度においてもその違い
が顕著であった。
したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、例えば、紙管の大きさ、使用状況に応じて、耐圧強
度などが変化するため、孔の大きさ、分布、各紙層での
分布状態、形状は限定されないし、貫通孔と非貫通孔の
比率も限定されない。また、貫通していなくても紙層厚
さの大部分の深さまで孔があいていれば効果が認められ
る。さらに、紙管を構成する紙層のどの層(全体か一部
か)に孔を設けるかは紙管の用途により適宜選択され
る。また、貫通孔や非貫通孔を穿設する手段としては、
エンボス加工やプレス加工で行なうこともある。要する
に、本発明の目的を達成でき、かつ本発明の要旨を逸脱
しない範囲内で種々の設計変更が可能である。
は、合繊糸、炭素繊維、フイルムなどの捲装物を巻き付
ける紙管であって、複数枚の原紙と接着剤から構成さ
れ、該紙管の表面紙の下層を構成する原紙に1〜5mm
の間隔で、最大径0.5mm、最小径0.3mmに形成
された複数個の傾斜状の貫通孔や直孔及び傾斜状の非貫
通孔を設け、各孔の内部に接着剤が充填され、その接着
剤が硬化して紙層内に接着剤の固形物が形成されている
紙管に係るものであるから、次のような優れた効果を奏
する。
孔を形成することにより、紙構成繊維の方向が水平方向
に並んでいるのを垂直方向にも向け繊維の方向を乱れさ
すことができ、また、孔は貫通しなくとも繊維方向を一
定方向からランダムに縦横上下に向けさせることにより
引っ張り強度、剥離強度を高めることができる。したが
って、高速用の糸巻き取り用紙管として、紙管の端部に
当てロールが接触し、摩擦抵抗により回転させられる紙
管に適する。また、傾斜状の貫通孔や直孔及び傾斜状の
非貫通孔の内部に接着剤が介在しているから、上下の紙
との接着性を高めることができるとともに、層間への接
着剤の浸透を促進させ、紙自身の強度および紙同士の接
着性を高めることができる。さらに、傾斜状の貫通孔や
直孔及び傾斜状の非貫通孔内に含浸された接着剤が硬化
することにより紙層内に該孔の形状をした接着剤の固形
物が形成されるから、外力による紙層内での横滑りに対
しての保持力を高め層間剥離が防止しできる。
レルに接着剤を塗布した複数枚の原紙を巻き付けて紙管
を製造する紙管の製造方法であって、紙管の表面紙の下
層を構成する原紙に1〜5mmの間隔で、最大径0.5
mm、最小径0.3mmに形成された複数個の傾斜状の
貫通孔や直孔及び傾斜状の非貫通孔を設ける第1の工程
と、原紙の表面に接着剤を塗布する第2の工程と、その
表面に接着剤を塗布した原紙がマンドレルに巻回される
第3の工程からなり、巻き付けられる時に、各孔の内部
に該接着剤が充填含浸され、その接着剤を硬化させて原
紙の紙層内に接着剤の固形物が形成することを特徴とす
る紙管の製造方法に係るものであるから、次のような優
れた効果を奏する。
より紙面に傾斜状の貫通孔や直孔及び傾斜状の非貫通孔
を形成させるとともに、接着剤槽中を通過させることで
接着剤を付着し、マンドレルに巻き付け、帯状原紙の表
面をベルト締めすることで紙が加圧されて紙同士が接着
され管に形成される。また、ベルト締めの際に、傾斜状
の貫通孔や直孔及び傾斜状の非貫通孔内に紙表面に塗布
された余分な接着剤が押し込まれ反対面の紙と強く接着
する紙管が得られ、さらに、傾斜状の貫通孔や直孔及び
傾斜状の非貫通孔内の接着剤が加熱乾燥されることで硬
化し、上下の紙と接着が完全になるとともに、該孔内で
硬化した接着剤は紙同士の接着力を高めるとともに、紙
層内で固形物となりクサビ効果をもち、紙の横ずれを抑
制し、層間剥離を防止する紙管が得られる。
である。
である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 合繊糸、炭素繊維、フイルムなどの捲装
物を巻き付ける紙管であって、複数枚の原紙と接着剤か
ら構成され、該紙管の表面紙の下層を構成する原紙に1
〜5mmの間隔で、最大径0.5mm、最小径0.3m
mに形成された複数個の傾斜状の貫通孔や直孔及び傾斜
状の非貫通孔を設け、各孔の内部に接着剤が充填され、
その接着剤が硬化して紙層内に接着剤の固形物が形成さ
れていることを特徴とする紙管。 - 【請求項2】 マンドレルに接着剤を塗布した複数枚の
原紙を巻き付けて紙管を製造する紙管の製造方法であっ
て、紙管の表面紙の下層を構成する原紙に1〜5mmの
間隔で、最大径0.5mm、最小径0.3mmに形成さ
れた複数個の傾斜状の貫通孔や直孔及び傾斜状の非貫通
孔を設ける第1の工程と、原紙の表面に接着剤を塗布す
る第2の工程と、その表面に接着剤を塗布した原紙がマ
ンドレルに巻回される第3の工程からなり、巻き付けら
れる時に、各孔の内部に該接着剤が充填含浸され、その
接着剤を硬化させて原紙の紙層内に接着剤の固形物が形
成することを特徴とする紙管の製造方法。
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JP2000100804A JP3535446B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 紙管及びその製造方法 |
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FI20041609A0 (fi) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | Ari Piispanen | Uudelleenkäyttömenetelmä |
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- 2000-04-03 JP JP2000100804A patent/JP3535446B2/ja not_active Expired - Fee Related
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