JP3534352B2 - デジタル情報記録機能付きカメラ及びその再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はデジタル情報記録機能付
きカメラ及びその再生装置に係り、特に光の照射によっ
てデジタル情報を写真フイルムに記録する発光手段を備
えたデジタル情報記録機能付きカメラと、現像済み写真
フイルムの画像、及び写真フイルムに記録されたデジタ
ル情報を読み取ってモニタＴＶ等に表示する再生装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】発光素子から光を照射して写真フイルム
を感光させ、写真フイルム上にデジタル情報を記録する
デジタル情報記録機能付きカメラは、特開昭56-106232
号公報、特開昭61-246730 号公報、及び特開平1-100735
号公報において既に開示されている。これらのデジタル
情報記録機能付きカメラは、写真フイルムの撮影面外の
露光面に、撮影日時、場所、シャッター速度、絞り値、
及び撮影時の感想等を発光素子により光学的な濃淡情報
（デジタル情報）として記録し、画像の情報として一コ
マ毎に記録できるようにしている。

【０００３】また、前記デジタル情報の再生装置は、前
記特開平1-100735号公報に開示されているように、現像
した写真フイルムに光源から光を照射してデジタル情報
を示す透過像をイメージセンサで読み取り、そして、読
み取った透過像を映像信号や音声信号に変換してモニタ
ＴＶやスピーカに出力している。一方、カメラで撮影さ
れた画像の再生装置は、ＷＯ90/04301、特開平5-75922
号公報、特開平5-56345 号公報、特開平5-22656 号公報
等において既に開示されている。これらの再生装置は、
現像した写真フイルムに光源から光を照射し、この透過
画像をイメージセンサで読み取って映像信号に変換し、
これをモニタＴＶに出力している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
デジタル情報記録機能付きカメラは、写真フイルムの撮
影面外の露光面にデジタル情報を記録するものなので、
記録する容量が小さいという欠点がある。また、従来の
デジタル情報や画像の再生装置では、いずれもイメージ
センサとして２次元のイメージセンサを使用しているた
め、コストが高価になるという問題がある。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みて成され
たもので、デジタル情報の記録容量を増大させるデジタ
ル情報記録機能付きカメラを提供すると共に、コストの
低減を図った再生装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、長手方向に給送されて撮影光に露光される長
尺状の写真フイルムに、発光手段から光を照射して文字
情報を示すデジタル情報を記録するデジタル情報記録機
能付きカメラに於いて、前記カメラにはデジタルＩ／Ｆ
回路が設けられるとともに、該デジタルＩ／Ｆ回路を介
して前記デジタル情報が外部入力されて記憶部に記憶さ
れ、前記発光手段は、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の
色を発光する複数の発光ダイオードであり、これらの発
光ダイオードを前記写真フイルムの給送方向に対して直
交方向に複数配列し、これらの発光ダイオードの点灯を
制御することにより写真フイルムの撮影面及び該撮影面
外の露光面を含む全域に前記デジタル情報を記録可能と
したことを特徴とする。

【０００７】また、本発明は、前記目的を達成する為
に、長尺状の現像済み写真フイルムを長手方向に給送
し、この給送方向に対して直交方向に配置したラインセ
ンサで前記写真フイルムの画像と、Ｒ（赤）、Ｇ
（緑）、Ｂ（青）の色を発光する複数の発光ダイオード
によって該写真フイルムの撮影面及び該撮影面外の露光
面を含む全域に記録された文字情報を示すデジタル情報
とを読み取り、読み取った前記写真フイルムの画像を示
す信号を信号処理回路を介して記憶部に記憶させるとと
もに前記デジタル情報を示す信号を復調回路を介して前
記記憶部に記憶させて再生することを特徴としている。

【０００８】

【作用】本発明のデジタル情報記録機能付きカメラによ
れば、発光手段を写真フイルムの給送方向に対して直交
方向に複数配列し、これらの発光手段の点灯を制御して
写真フイルムの全域にデジタル情報を記録できるように
した。これにより、本発明によれば、写真フイルムの撮
影面外の露光面にデジタル情報を記録する従来カメラと
比較して、デジタル情報の記録容量を増大させることが
できる。

【０００９】また、本発明の再生装置によれば、現像済
み写真フイルムの給送方向に対して直交方向にラインセ
ンサを配置し、このラインセンサで写真フイルムの画像
と、写真フイルムに記録された撮影データのデジタル情
報を読み取って再生するようにした。これにより、本発
明は、イメージセンサとして１次元のラインセンサを使
用したので、２次元のイメージセンサを使用する従来装
置と比較して、コストの低減を図ることができる。

【００１０】

【実施例】以下添付図面に従って本発明に係るデジタル
情報記録機能付きカメラ及びその再生装置の好ましい実
施例について詳説する。図１は、本発明に係るデジタル
情報記録機能付きカメラの構造を示すブロック図であ
る。

【００１１】図中二点鎖線で示すデジタル情報記録機能
付きカメラの本体１０内には、フイルムカートリッジ１
２が装着され、このフイルムカートリッジ１２内には写
真フイルムＦがスプール１４に予め巻回されている。前
記写真フイルムＦは、システムコントローラ１６に制御
されたフイルム駆動回路１８によってフイルムカートリ
ッジ１２から巻き戻されて給送される。巻き戻された写
真フイルムＦは、図示しないレリーズボタンの操作によ
って、撮影レンズ２０と絞り２２とを介して入射した撮
影光に露光される。前記撮影レンズ２０と絞り２２は、
前記システムコントローラ１６に制御されたＡ／Ｆ・Ａ
／Ｅ回路２４によって、写真フイルムＦの撮影画面上に
おいてピントが合うように、且つ、適正露光で撮影でき
るように駆動される。また、撮影領域を通過した写真フ
イルムＦは、発光手段であるＬＥＤアレイ２６と磁気ヘ
ッド２８との間を通過したのち、巻取室３０のスプール
３２に巻き取られる。

【００１２】前記ＬＥＤアレイ２６は図２に示すよう
に、複数の発光ダイオード３４、３４…が写真フイルム
Ｆの給送方向に対して直交方向に配列されて構成され、
発光ダイオード３４、３４…が点灯されることにより写
真フイルムＦを感光させて写真フイルムＦの全域に濃淡
（デジタル）情報を記録することができる。前記発光ダ
イオード３４、３４…は図１に示す、コントローラ３６
によって点灯制御される。即ち、前記コントローラ３６
は、マイク３８からＡ／Ｄ変換器４０、及び 音声記録
回路４２を介して出力された撮影時の感想等の音声情報
と、デジタルＩ／Ｆ回路４４を介して外部入力された撮
影日時、場所、シャッター速度、及び絞り値等の文字情
報とをランダム・アクセス・メモリ（以下、「ＲＡＭ」
と略称する）４６に夫々メモリする。ＲＡＭ４６にメモ
リされた音声情報と文字情報は、写真フイルムＦの給送
時にコントローラ３６から所定の順序で出力されて変調
回路４８によって変調されたのち、ＬＥＤ駆動回路５０
によって前記ＬＥＤアレイ２６に出力される。これによ
り、複数の発光ダイオード３４、３４…は、ＬＥＤ駆動
回路５０からの命令に従って点灯し、給送中の写真フイ
ルムＦの全域に前記音声情報と文字情報とを示すデジタ
ル情報を記録することがでる。

【００１３】従って、このように構成されたデジタル情
報記録機能付きカメラによれば、発光素子３４、３４…
を写真フイルムＦの給送方向に対して直交方向に複数配
列し、写真フイルムＦの全域にデジタル情報を記録でき
るようにしたので、写真フイルムの撮影面外の露光面に
デジタル情報を記録する従来カメラと比較して、デジタ
ル情報の記録容量を大幅に増大させることができる。

【００１４】尚、本実施例では、濃淡光を発光する発光
ダイオード３４、３４でＬＥＤアレイ２６を構成した
が、これに限られるものではなく、図３、図４に示すよ
うに、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の色を発光する発
光ダイオード３５、３５で構成しても良い。これによ
り、濃淡光を発光するＬＥＤアレイよりも記録密度を向
上させることができる。前記発光ダイオード３５、３５
を使用すると、位相を合わせる為に図３に示したＬＥＤ
アレイでは２ラインのＬＥＤアレイが必要となり、図４
に示したＬＥＤアレイでは３ラインのＬＥＤアレイが必
要となる。

【００１５】また、本実施例では、撮影日時、場所、シ
ャッター速度、及び絞り値等の文字情報をＬＥＤアレイ
２６で記録するようにしたが、この情報の一部、又は他
の情報を磁気ヘッド２８によって写真フイルムＦの磁気
記録層に記録するようにしても良い。この磁気ヘッド２
８は、システムコントローラ１６に制御された磁気情報
再生回路５２によって駆動される。

【００１６】更に、本実施例では図５に示すように、写
真フイルムＦの画像コマＡの後方のコマＢ、Ｃ、Ｄに音
声、文字データ、及びプログラムをコマＢ、Ｃ、Ｄに記
録すれば、スライドショー的な再生が可能となる。ま
た、本実施例では図６に示すように、画像のコマＡ、Ａ
間に予め空きのコマＥを複数残しておき、このコマＥに
音声、文字データ、及びプログラムを後から記録するよ
うにしても良い。これにより、画像と情報の自動再生を
円滑行うことができる。

【００１７】図７は、写真フイルムＦの画像、及び写真
フイルムＦに記録されたデジタル情報を読み取って再生
する本発明に係る再生装置の構造を示すブロック図であ
る。図中二点鎖線で示す前記再生装置の本体１００に
は、フイルムカートリッジ１０２が装着される。前記フ
イルムカートリッジ１０２内には、現像済みの写真フイ
ルムＦがスプール１０４に予め巻回されており、この写
真フイルムＦは、システムコントローラ１０６に制御さ
れたフイルム駆動回路１０８によって給送され、巻取室
１１０のスプール１１２に巻き取られる。

【００１８】一方、ＣＣＤラインセンサ１１４が、フイ
ルムカートリッジ１０２の後方に設置される。このＣＣ
Ｄラインセンサ１１４は、写真フイルムＦの給送方向に
対して直交方向に配置され、光源１１６からスリット板
１１８を介して照明された写真フイルムＦの透過画像
と、デジタル情報とを撮影レンズ１２０、及び絞り１２
２を介して読み取ることができる。尚、前記ＣＣＤライ
ンセンサ１１４と絞り１２２は、前記システムコントロ
ーラ１０６によって制御されたＡ／Ｅ回路１２４によっ
て適正露光で撮影できるように駆動される。

【００１９】ＣＣＤラインセンサ１１４の光電変換素子
で変換された電気信号は、アンプ１２６によって増幅さ
れたのちＡ／Ｄ変換器１２８によってＡ／Ｄ変換され
て、デジタル情報を示す信号は復調回路１３０、そし
て、フイルム画像を示す信号は信号処理回路１３２に出
力される。前記復調回路１３０と信号処理回路１３２に
出力された各信号は、コントローラ１３４によって制御
される。即ち、前記コントローラ１３４は、復調回路１
３０で復調されたデジタル情報を示す信号と、信号処理
回路で映像信号に変換されたフイルム画像を示す信号と
をＲＡＭ１３６に夫々メモリする。

【００２０】そして、コントローラ１３４は、ＲＡＭ１
３６にメモリされたデジタル情報のうち、音声情報をＲ
ＡＭ１３６から取り出し、音声再生回路１３８を介して
スピーカ１４０から音声を出力させると共に、撮影日
時、場所、シャッター速度、及び絞り値等の文字情報を
ビデオ再生回路１４２を介して図示しないモニタＴＶ上
に表示させる。また、コントローラ１３４は、ＲＡＭ１
３６にメモリされた映像信号をデジタルＩ／Ｆ回路１４
４を介して外部接続された図示しないモニタＴＶ上に表
示させる。

【００２１】以上説明したように、本実施例の再生装置
によれば、写真フイルムＦの画像とデジタル情報とをＣ
ＣＤラインセンサ１１４で読み取って再生するようにし
たので、２次元のイメージセンサを使用する従来装置と
比較して、コストの低減を図ることができる。尚、本実
施例の再生装置では、磁気ヘッド１４６を用いて写真フ
イルムＦの磁気記録層に、その画像のプリント枚数やタ
イトル名を記録させるようにしている。前記磁気ヘッド
１４６は、システムコントローラ１０６に制御された磁
気情報記録再生回路１４８によって駆動されるようにな
っている。

【００２２】また、本実施例では、発光手段として発光
ダイオードを用いたが、これに限られるものではなく、
レーザービーム等の他の発光手段を用いても良い。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るデジタ
ル情報記録機能付きカメラによれば、発光手段を写真フ
イルムの給送方向に対して直交方向に複数配列し、これ
らの発光手段の点灯を制御して写真フイルムの全域にデ
ジタル情報を記録できるようにしたので、デジタル情報
の記録容量を増大させることができる。

【００２４】また、本発明に係る再生装置によれば、現
像済み写真フイルムの給送方向に対して直交方向にライ
ンセンサを配置し、このラインセンサで写真フイルムの
画像と、写真フイルムに記録された撮影データのデジタ
ル情報を読み取って再生するようにしたので、２次元の
イメージセンサを使用する従来装置と比較して、コスト
の低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るデジタル情報記録機能付きカメラ
の実施例を示すブロック図

【図２】本発明に係るデジタル情報記録機能付きカメラ
に適用されたＬＥＤアレイの第１実施例を示す平面図

【図３】ＬＥＤアレイの第２実施例を示す平面図

【図４】ＬＥＤアレイの第３実施例を示す平面図

【図５】写真フイルムに対する画像とデジタル情報の記
録位置を示す説明図

【図６】写真フイルムに対する画像の撮影位置を示す説
明図

【図７】本発明に係る再生装置の実施例を示すブロック
図

【符号の説明】

１０…デジタル情報記録機能付きカメラ本体 １６、１０６…システムコントローラ ２６…ＬＥＤアレイ ３４、３５…発光ダイオード ３６、１３４…コントローラ ４６、１３６…ＲＡＭ １１４…ＣＣＤラインセンサ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】長手方向に給送されて撮影光に露光される
   長尺状の写真フイルムに、発光手段から光を照射して文
   字情報を示すデジタル情報を記録するデジタル情報記録
   機能付きカメラに於いて、前記カメラにはデジタルＩ／Ｆ回路が設けられるととも
   に、該デジタルＩ／Ｆ回路を介して前記デジタル情報が
   外部入力されて記憶部に記憶され、 前記発光手段は、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の色を
   発光する複数の発光ダイオードであり、これらの発光ダ
   イオードを前記写真フイルムの給送方向に対して直交方
   向に複数配列し、これらの発光ダイオードの点灯を制御
   することにより写真フイルムの撮影面及び該撮影面外の
   露光面を含む全域に前記デジタル情報を記録可能とした
   ことを特徴とするデジタル情報記録機能付きカメラ。
2. 【請求項２】長尺状の現像済み写真フイルムを長手方向
   に給送し、この給送方向に対して直交方向に配置したラ
   インセンサで前記写真フイルムの画像と、Ｒ（赤）、Ｇ
   （緑）、Ｂ（青）の色を発光する複数の発光ダイオード
   によって該写真フイルムの撮影面及び該撮影面外の露光
   面を含む全域に記録された文字情報を示すデジタル情報
   とを読み取り、読み取った前記写真フイルムの画像を示
   す信号を信号処理回路を介して記憶部に記憶させるとと
   もに前記デジタル情報を示す信号を復調回路を介して前
   記記憶部に記憶させて再生することを特徴とする再生装
   置。