JP3534120B2 - 合成雲母複合体を配合した化粧料 - Google Patents

合成雲母複合体を配合した化粧料

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JP3534120B2
JP3534120B2 JP13887893A JP13887893A JP3534120B2 JP 3534120 B2 JP3534120 B2 JP 3534120B2 JP 13887893 A JP13887893 A JP 13887893A JP 13887893 A JP13887893 A JP 13887893A JP 3534120 B2 JP3534120 B2 JP 3534120B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膨潤性合成雲母の層間
に特定の陽イオンをインターカレートした合成雲母複合
体を配合した化粧料および日焼け止め化粧料に関する。
さらに詳しくは、膨潤性合成雲母の層間に特定の陽イオ
ンをインターカレートした合成雲母複合体を配合した、
隠蔽力、仕上り膜の美しさ等の化粧の仕上り状態、肌上
でののび、塗布体へのとれ等の使用性に優れた化粧料、
および膨潤性合成雲母の層間に紫外線吸収効果のある特
定の金属イオンをインターカレートした合成雲母複合体
を配合した、隠蔽力、仕上り膜の美しさ等の化粧の仕上
り状態、肌上でののび、塗布体へのとれ等の使用性に優
れた日焼け止め化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料に合成雲母を用いることは、従来
から検討されているが、現在でも天然雲母の使用が大半
で、合成雲母はあまり使用されていない。天然雲母は化
粧の仕上り状態における透明性および塗布時ののびに優
れているため、よく使用されるものであるが、塗布体へ
のとれをよくするために多く配合するとプレス成型性が
悪くなってしまう。
【0003】また、合成雲母は一般的には、1300℃
以上という高温で長時間熔融させた後、結晶化する方法
で製造されており、粉末化するためには粉砕が必要であ
る。このため、コストが非常に高く、また、均一な形状
にコントロールすることができず、化粧料に配合した場
合、のびが悪く、化粧料を塗布した際の白さの点でも十
分満足のいくものではなかった。一方日焼け止め化粧料
としては、酸化チタン、酸化亜鉛等を配合することが知
られているが、混合しただけでは日焼け止め効果はある
ものの、化粧料基剤への分散性、使用性が悪く好ましい
ものではなかった。
【0004】特開昭58−19379号公報には、ニッ
ケル、コバルト、マンガン、チタン、バナジウムおよび
バリウムを含有する合成雲母を主成分とする紫外線吸収
剤が、また特開平3−33179号公報には、Te,B
i,Pb,Ce,Fe,Mo,Nb,W,Sb,Sn,
V,Mn,Ni,Co,Zn,Tiを含有する合成雲母
を主成分とする紫外線吸収剤が記載されている。これら
の紫外線吸収剤は熔融法で製造されるものであり、粉砕
して、微細にしてはいるが、形状は粒状であるため、こ
れらの紫外線吸収剤を化粧料に配合しても、のびが悪
く、仕上り状態や使用性に関して、必ずしも満足のいく
ものではなかった。
【0005】さらに、特開平3−8712号公報には、
Ceを合成雲母の層間に入れた合成雲母を化粧料に配合
すると紫外線吸収効果が得られることが開示されている
が、この合成雲母を微細にするためには、粉砕する必要
があると共に、微細にした後、化粧料に配合しても、仕
上り状態や使用性に関しては、満足のいくものではない
という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、微細な合成雲母複合体を容易に製造するこ
とができ、それを化粧料に配合すると隠蔽力、仕上り膜
の美しさ等の化粧の仕上り状態、肌上でののび、スポン
ジなどの塗布体へのとれ等の使用性に優れた効果を有す
る化粧料を提供することである。さらに、紫外線吸収効
果を持った微細な合成雲母複合体を容易に製造すること
ができ、それを化粧料に配合すると、優れた紫外線吸収
効果を発揮することができると共に可視光線部での透明
性に優れており、隠蔽力、仕上り膜の美しさ等の化粧の
仕上り状態、肌上でののび、スポンジなどの塗布体への
とれ等の使用性に優れた効果を有する日焼け止め化粧料
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
に鑑み鋭意研究した結果、膨潤性合成雲母の層間イオン
のうち、交換性陽イオンを特定のイオンとイオン交換さ
せて雲母複合体を製造する際、膨潤性合成雲母の層間に
あるイオンの全部をイオン交換せずに層間イオンとして
残しておくことにより、製造される雲母複合体はアスペ
クト比15以上で微細になるため、化粧料の原料として
優れた効果を持つことを見い出し本発明をなすに至っ
た。
【0008】本願第1の発明は、膨潤性合成雲母の層間
イオンのうち、交換性陽イオンの10〜95当量%を、
好ましくは50〜95当量%を、K,Ba,Cu,A
g,Te,Bi,Pb,Ce,Fe,Mo,Nb,W,
Sb,Sn,V,Mn,Ni,Co,Zn,Zrおよび
Tiからなる群から選ばれる1種または2種以上のイオ
ンとイオン交換させて得られる合成雲母複合体を配合し
たことを特徴とする化粧料である。
【0009】本願第2の発明は、膨潤性合成雲母が、タ
ルクとケイフッ化アルカリもしくはフッ化アルカリの混
合物を加熱処理して得られる下記一般式で表される本願
第1の発明の化粧料である。 式:α(Na,Li)F・β(aMgF2・bMgO)
γSiO2 (式中α,β,γ,aおよびbは各々係数を表し、αは
0.1〜2、βは2〜3.5、γは3〜4、a,bは0
〜1を示し、a+b=1である)
【0010】本願第3の発明は、膨潤性合成雲母の層間
イオンのうち、交換性陽イオンの10〜95当量%を、
好ましくは50〜95当量%を、Cu,Pb,Fe,S
n,CeNi,Co,Zn,ZrおよびTiからなる
群から選ばれる1種または2種以上のイオンとイオン交
換させて得られる合成雲母複合体を配合したことを特徴
とする日焼け止め化粧料である。
【0011】本願第4の発明は、膨潤性合成雲母が、タ
ルクとケイフッ化アルカリもしくはフッ化アルカリの混
合物を加熱処理して得られる下記一般式で表される本願
第3の発明の日焼け止め化粧料である。 式:α(Na,Li)F・β(aMgF2・bMgO)
γSiO2 (式中α,β,γ,aおよびbは各々係数を表し、αは
0.1〜2、βは2〜3.5、γは3〜4、a,bは0
〜1を示し、a+b=1である)本発明に用いる膨潤性
雲母は、水の中で膨潤する性質を備えたものならいずれ
でも良く、人工的に合成されたものとしては、溶融法や
水熱合成法によって合成されたもの、特開平2−149
415号公報に記載された方法により合成されたものな
どが挙げられる。溶融法や水熱合成法によって合成され
た膨潤性雲母としては、Na型四ケイ素雲母、Li型四
ケイ素雲母、Li型テニオライト、Na型ヘクトライ
ト、Li型ヘクトライトなどが挙げられる。
【0012】本発明に用いる膨潤性合成雲母は、水の中
で膨潤する性質を備えたものならいずれでも良く、溶融
法や水熱合成法によって合成されたもの、特開平2−1
49415号公報に記載された方法により合成されたも
のなどが挙げられる。溶融法や水熱合成法によって合成
された膨潤性雲母としては、Na型四ケイ素雲母、Li
型四ケイ素雲母、Li型テニオライト、Na型ヘクトラ
イト、Li型ヘクトライトなどが挙げられる。タルクと
ケイフッ化アルカリもしくはフッ化アルカリの混合物を
加熱処理して得られる膨潤性合成雲母は、特開平2−1
49415号公報に記載された方法により合成すること
ができる。この方法では、ケイフッ化ナトリウムおよび
/またはケイフッ化リチウム(NaSiF,Li
SiF)とタルクの混合物を、700〜900℃に加
熱処理して製造することができる。
【0013】層間イオンとしては、NaおよびLi
が一般的であるがKなどのNaより原子量の大きい
アルカリ金属イオンやCa++、Mg++などのアルカ
リ土類金属イオンなど、Na、Li以外の陽イオン
を一部含む場合でも、水中での膨潤性を保っている場合
があり、層間イオンとしてはNa、Liに限定され
ない。また層間イオンは全てが交換性陽イオンとはなら
ず、交換性陽イオンと非交換性陽イオンとよりなり、メ
チレンブルー吸着量(陽イオン交換容量の簡便法)は雲
母の種類と合成法の違いにより、15〜150meq/
100g程度であり、この吸着量の大きさに応じて各種
イオンをイオン交換させることができる。該膨潤性合成
雲母は、2層のシリカ四面体層がマグネシウム八面体層
を間にはさんだサンドイッチ型の三層構造を有するフィ
ロケイ酸塩の一員であり、水中において陽イオン交換能
を有し、さらに層間に水を取り込んで膨潤していく特異
な性質を示す粘土鉱物である。
【0014】本発明で使用する合成雲母複合体は、膨潤
性合成雲母の層間イオンのうち、交換性陽イオンをK,
Ba,Cu,Ag,Te,Bi,Pb,Ce,Fe,M
o,Nb,W,Sb,Sn,V,Mn,Ni,Co,Z
n,ZrおよびTiからなる群から選ばれる1種または
2種以上のイオンとイオン交換させて得られたものであ
る。
【0015】層間イオンをイオン交換する方法として
は、例えば膨潤性合成雲母の濃度を0.1〜10重量%
に調製した液と、各元素イオンの入った水溶液を混合し
た後、撹拌する方法で行なうことができる。各元素の入
った水溶液としては、各元素の塩化物、硫酸塩等の各種
の塩類を水に溶解させたものを使用すれば良い。2種以
上のイオンとイオン交換させる場合には、特定の元素イ
オンとイオン交換させた後、再度、別のイオンとイオン
交換させれば良い。また、1回のイオン交換で充分なイ
オン交換ができない場合には、同一のイオンを使用し
て、繰り返しイオン交換させることにより、層間イオン
の濃度を高めることが可能である。
【0016】交換性陽イオンをイオン交換する量として
は、交換性陽イオンの10〜95当量%、好ましくは5
0〜90当量%が良い。これは、イオン交換する量が層
間イオンの10当量%以下では、合成雲母複合体が十分
に析出せず、溶液からの分離が困難であるためである。
また、層間イオンの95当量%以上がイオン交換する
と、合成雲母複合体の凝集が大きくなり過ぎるためであ
る。
【0017】合成雲母複合体の洗浄・分離方法として
は、例えば、濾過法、遠心法、傾斜法等の方法を用いる
ことができる。
【0018】上記の方法で得られた合成雲母複合体は、
元素イオンがインターカレートされることにより溶液中
で析出・生成されたものであるため、該合成雲母複合体
は水中で分散したり、水分を吸収することがなく、化粧
持ちにすぐれたものである。
【0019】さらに、本発明に用いられる合成雲母複合
体は、アスペクト比が15以上で微細になるため、この
合成雲母複合体を化粧料に配合することにより、化粧の
仕上り状態に優れた化粧料が提供される。
【0020】また、上記の合成雲母複合体のうち、層間
にCu,Pb,Fe,Sn,Ce,Ni,Co,Zn,
ZrおよびTiからなる群から選ばれる1種または2種
以上のイオンをイオン交換させた紫外線吸収効果を持っ
た合成雲母複合体を化粧料に配合することにより、化粧
の仕上り状態、使用性に優れた日焼け止め化粧料が提供
される。上記合成雲母複合体の化粧料への配合量は、化
粧料全体中の0.1〜99重量%、好ましくは5〜80
重量%である。
【0021】上記合成雲母複合体の化粧料への配合方法
としては、スラリー状(水に分散した状態)で配合する
のが好ましいが、粉末として配合しても良い。上記合成
雲母複合体の乾燥方法としては、噴霧乾燥法や、凍結乾
燥法が好ましい。
【0022】本発明の化粧料としてはフェーシャル化粧
料、メーキャップ化粧料、ヘア化粧料および日焼け止め
化粧料等広い範囲の化粧料が含まれる。メーキャプ化粧
料としては、例えばファンデーション、粉白粉、アイシ
ャドー、ブラッシャー、化粧下地、ネイルエナメル、ア
イライナー、マスカラ、口紅、ファンシーパウダー等に
好適である。また、紫外線吸収機能を持った、日焼け止
め化粧料は、パウダー状、クリーム状、ペースト状、ス
ティック状、ローション状等いずれの形態でも良く、ま
たこれらに限定するものでもない。
【0023】本発明に使用される合成雲母複合体は、化
粧料に配合されるに当って必要に応じ、油剤処理、シリ
コーン処理、テフロン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処
理、界面活性剤処理、あるいは酸、アルカリ、無機塩類
による処理、さらには、これらの複合処理を行った後、
配合してもよい。
【0024】本発明の化粧料には、前記の合成雲母複合
体の他に、通常化粧料に用いられる他の成分を必要に応
じて適宜配合することができる。例えばタルク、カオリ
ン、セリサイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リ
チア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、珪藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バ
リウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属
塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化
ホウ素、セラミックスパウダー等の無機粉末、ナイロン
パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダ
ー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリ四弗化エチレンパ
ウダー、ジスチレンベンゼンポリマーパウダー、エポキ
シパウダー、アクリルパウダー、微結晶性セルロース等
の有機粉体、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸
化ジルコニウム等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガ
ラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ酸化鉄等の無
機褐色系顔料、黄酸鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸
化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンガン
バイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔
料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の
無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化
チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、
オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母
等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウ
ダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、
赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色22
6号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙
色204号、黄色205号、黄色401号および青色4
04号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色1
06号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、
赤色505号、橙色205号、黄色4号、橙色5号、橙
色202号、橙色203号、緑色3号および青色1号の
ジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の
有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素、
スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリ
スタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソ
ステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコ
ール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−
エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、
ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ
−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−
オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイ
ソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセ
ロール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オ
レイン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロ
ピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油
脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、ミツロ
ウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油、ラノリン、シ
リコーン油、高級脂肪酸、油脂類のエステル類、高級ア
ルコール、ロウ類等の油性成分、アセトン、トルエン、
酢酸ブチル、酢酸エステル等の有機溶媒、アルキッド樹
脂、尿素樹脂等の樹脂、カンファ、クエン酸アセチルト
リブチル等の可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘
剤、各種美容成分等があげられる。
【0025】本発明における化粧料の形態は、粉末状、
ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、
乳液状、クリーム状であることができる。
【0026】
【作用】膨潤性合成雲母は、水中で層間に水を取り込
み、極めて小さい微粒子の状態で分散しており、そこへ
本発明で使用する元素イオンの水溶液またはゾル溶液を
加えると、この元素イオンが膨潤性合成雲母の層間にイ
ンターカレートして、合成雲母複合体が形成される。こ
の際、生成する合成雲母複合体の粒子の形状としては、
インターカレートさせる元素イオンの量が増すとともに
膨潤性が減って非膨潤性の性質を持つようになり、極め
て微細な合成雲母複合体が沈降する。膨潤性合成雲母の
層間イオンのうち、交換性陽イオンの10〜95当量
%、好ましくは50〜95当量%をイオン交換させるこ
とにより、微細なアスペクト比15以上の合成雲母複合
体が沈降する。
【0027】本発明は、このようにして得られた、微細
な合成雲母複合体を配合することにより、隠蔽力、仕上
り膜の美しさ等の化粧の仕上り状態、肌上でののび、ス
ポンジなどの塗布体へのとれ等の使用性に優れた化粧料
が得られる。さらに、特定の元素イオンをインターカレ
ートさせることにより得られる紫外線吸収能を持った微
細な合成雲母複合体を配合した化粧料を肌に塗布するこ
とにより、優れた紫外線吸収効果が得られ、可視光線部
での透明性にも優れたものとなる。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明の主旨を逸脱しない限り実施例に限定される
ものではない。 (製造例1)膨潤性フッ素雲母(ME、コープケミカル
(株)製:MB吸着量102meq/100g)20.0g
を純水980mlに加え、充分撹拌してから、一晩放置
し、膨潤性フッ素雲母2%の分散液1000mlを得た。
この分散液に5%KCl水溶液200mlを加え、室温で
3時間撹拌機を用いて撹拌して、層間イオンのNa+
大部分がK+ で置換されたイオン交換物を得た。このイ
オン交換物を濾過法により5000mlの蒸留水で洗浄
し、水分40%のスラリー状の合成雲母複合体Aを得
た。さらに、高圧下で上部から噴霧させて乾燥させる噴
霧乾燥法を使用して、粉末状の合成雲母複合体Aを得
た。得られた合成雲母複合体Aの成分分析結果を表1に
示す。
【0029】(製造例2)製造例1と同様にして、膨潤
性フッ素雲母2%の分散液を得た。この分散液に5%Z
nSO4 水溶液250mlを加え、実施例1と同様にし
て、スラリー状および粉末状の合成雲母複合体Bを得
た。得られた合成雲母複合体Bの成分分析結果を表1に
示す。
【0030】(製造例3)製造例1と同様にして、膨潤
性フッ素雲母2%の分散液を得た。この分散液に5%T
i(SO42 水溶液300mlと若干の希硫酸を加え、
実施例1と同様にしてイオン交換物を得た。さらにこの
操作を2回くりかえして、スラリー状および粉末状の合
成雲母複合体Cを得た。得られた合成雲母複合体Cの成
分分析結果を表1に示す。
【0031】(製造例4)製造例1と同様にして、膨潤
性フッ素雲母2%の分散液を得た。この分散液に3%S
nCl2 水溶液300mlを加え、実施例1と同様にし
て、スラリー状および粉末状の合成雲母複合体Dを得
た。得られた合成雲母複合体Dの成分分析結果を表1に
示す。
【0032】(比較製造例、Zn含有熔融粉砕合成雲母
の製造)無水ケイ酸塩33重量部、酸化マグネシウム2
8重量部、酸化アルミニウム10重量部、ケイフッ化カ
リウム19重量部および酸化亜鉛5重量部を混合し、1
500℃で熔融した後、1300℃で結晶化したものを
粉砕し、Zn含有熔融粉砕合成雲母(以下、熔融粉砕合
成雲母という)を得た。得られた熔融粉砕合成雲母の成
分分析結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】紫外線吸収率測定試験 PVP(ポリビニルピロリドン)を溶解したエタノール
溶液をドクターブレードにて石英ガラス版に塗布し、乾
燥した後、合成雲母複合体B,C,Dの各粉末をチーク
ブラシにて、均一に塗布し測定用サンプルとした。各々
のサンプルについて分光光度計により550nmの透過率
を測定し、 透過率90%以上…◎ 透過率85%以上…○ 透過率75%以上…△ 透過率75%未満…× として示した。次に分光光度計により300nmの透過率
を測定した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 上記の結果から、B,C,Dの合成雲母複合体は、可視
光線透過率が85%以上(合成雲母複合体Cは90%以
上)で、紫外線吸収率が70%以上の値を示しており、
比較例の熔融粉砕合成雲母と比較しても合成雲母複合体
はいずれも優れた紫外線吸収効果および透明性を示すも
のであることがわかる。
【0036】(乳化ファンデーションの製造)表3に記
載の処方において、ステアリン酸、セタノール、流動パ
ラフィン、ラノリンを85℃に加熱溶解混合したもの
に、前記記載のスラリー状合成雲母複合体A・B・C・
D、熔融法で得られた合成雲母粉砕品(熔融粉砕合成雲
母)、天然雲母のいずれかと、さらにタルク、二酸化チ
タン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、トリエタ
ノールアミン、カルボキシメチルセルロース、グリセリ
ン、防腐剤および必要に応じて、精製水を加えて、85
℃に加熱溶解混合した混合物を徐々に添加し乳化した。
乳化時の温度を10分間保持して撹拌したのち、撹拌し
ながら冷却して45℃にした。これに香料を加え、35
℃になるまで撹拌冷却を続け、生成物を取り出し、容器
に充填して乳化ファンデーションを得た。
【0037】
【表3】
【0038】(パウダーファンデーションの製造)表4
に記載の処方において、粉末状の合成雲母複合体A,
B,C,D、熔融粉砕合成雲母、天然雲母のいずれか
と、タルク、二酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、
黒色酸化鉄をヘルシェルミキサーで混合し、これに流動
パラフィンを添加混合後粉砕し、これを中皿に成型し、
パウダーファンデーションを得た。
【0039】
【表4】
【0040】(性能テスト)化粧料の性能は、表5に挙
げた項目について専門パネル20名による5段階官能評
価を行った。
【0041】
【表5】 結果は20名の5段階評価の平均によって下記のように
表した。 ◎ … 4.5以上 5.0まで ○ … 3.5以上 4.5未満 △ … 2.5以上 3.5未満 × … 1.5以上 2.5未満 ××… 1.0以上 1.5未満
【0042】(日焼け防止試験)被験者10人の背中を
使用して試験する。試験方法は背部左側を分厚い布でお
おい右側に試料を2mg/cm塗布し、夏期に炎天下に90
分間うつぶせになる。試料塗布部の判定を1週間後に行
い、下記の基準で判定した。 結果は10人の3段階評価の平均によって次のように表
した。 ◎…1.5以上2.0まで ○…0.5以上1.5未満 ×…0.5未満 (乳化ファンデーションの評価試験結果) 結果を表6,7に示す。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】 上記の結果から、合成雲母複合体を配合した乳化ファン
デーションは、熔融粉砕合成雲母や、天然合成雲母を配
合したものと比べても性能が優れていることがわかる。
さらに紫外線吸収効果を持った合成雲母複合体B,C,
Dを配合した乳化ファンデーションは、日焼け止め効果
があり、日焼け止め化粧料として優れていることを示し
ている。
【0045】(パウダーファンデーションの評価結果)
結果を表8、9に示す。
【表8】
【0046】
【表9】 上記の結果から、合成雲母複合体を配合したパウダーフ
ァンデーションは、熔融粉砕合成雲母や、天然合成雲母
を配合したものと比べても性能が優れていることがわか
る。さらに紫外線吸収効果を持った合成雲母複合体B,
C,Dを配合したパウダーファンデーションは、日焼け
止め効果があり、日焼け止め化粧料として優れているこ
とを示している。
【0047】
【発明の効果】本発明で用いる合成雲母複合体は、微細
なアスペクト比が15以上のものである。該合成雲母複
合体を化粧品に配合した場合、油分に対するなじみがよ
く基剤に対する分散性がよく、使用感触も、特になめら
かである。また、肌に対する密着力が良く、すべり性も
良い。このため、該合成雲母複合体を化粧料に配合する
ことにより、熔融・粉砕工程を経て製造された合成雲母
や金属含有合成雲母複合体では達成できなかった、隠蔽
力、伸展性、光沢、付着性、成型性に優れ、しかも安定
性、安全性の高い化粧料が得られる。さらに、特定のイ
オンをイオン交換させた紫外線吸収効果を持った合成雲
母複合体は優れた紫外線吸収率を示し、可視光線部での
透明性にも優れている。この合成雲母複合体を化粧料に
配合することにより、有害な紫外線を皮膚から保護する
ことに優れた効果を持った、隠蔽力、伸展性、光沢、付
着性、成型性に優れ、しかも安定性、安全性の高い日焼
け止め化粧料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−248713(JP,A) 特開 昭62−30707(JP,A) 特開 平3−8712(JP,A) 特開 平3−33179(JP,A) 特開 平2−149415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性合成雲母の層間イオンのうち、交
    換性陽イオンの50〜90当量%を、K,Ba,Cu,
    Ag,Te,Bi,Pb,Ce,Fe,Mo,Nb,
    W,Sb,Sn,V,Mn,Ni,Co,Zn,Zrお
    よびTiからなる群から選ばれる1種または2種以上の
    イオンとイオン交換させて得られる合成雲母複合体を配
    合したことを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 膨潤性合成雲母の層間イオンのうち、交
    換性陽イオンの50〜90当量%を、Cu,Pb,F
    e,Sn,Ce、Ni,Co,Zn,ZrおよびTiか
    らなる群から選ばれる1種または2種以上のイオンとイ
    オン交換させて得られる合成雲母複合体を配合したこと
    を特徴とする日焼け止め用の化粧料。
  3. 【請求項3】 合成雲母複合体が、水に分散した状態の
    合成雲母複合体である請求項1又は2記載の化粧料
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