JP3533477B2 - ポリシリコン膜の形成方法 - Google Patents

ポリシリコン膜の形成方法

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JP3533477B2
JP3533477B2 JP30267294A JP30267294A JP3533477B2 JP 3533477 B2 JP3533477 B2 JP 3533477B2 JP 30267294 A JP30267294 A JP 30267294A JP 30267294 A JP30267294 A JP 30267294A JP 3533477 B2 JP3533477 B2 JP 3533477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体薄膜の形成方
法に関し、さらに詳しくは、移動度の高いポリシリコン
薄膜の形成に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリシリコンは、半導体のゲート
電極やアクティブマトリクス液晶表示素子等の駆動回路
の半導体層等として用いられてきた。
【0003】このように、液晶表示素子の駆動回路とし
てポリシリコン薄膜を半導体層するTFTの製造方法に
おいて、図9に示すような方法が知られている。この方
法は、まず同図(A)に示すように、ガラス基板1上に
例えば水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)膜
2を、例えばプラズマCVD法にて堆積させた後、所定
の形状にパターニングする。このとき、a−Si:H膜
2は画素へのスイッチング素子の半導体層としても用い
るため、駆動回路領域および画素領域に一括して成膜し
ていた。その後、同図(A)に示すように、パターニン
グされたa−Si:H膜2に、エキシマレーザを照射す
る。すると、図9(B)に示すように、a−Si:H膜
2は、エキシマレーザ照射により溶融再結晶化されてポ
リシリコン膜3に変化する。その後、周知の技術を用い
て、図9(C)に示すようなゲート絶縁膜4、ゲート電
極5、ソース・ドレイン領域3A、3B、絶縁膜6、ソ
ース・ドレイン電極7A、7B等を形成して駆動回路用
ポリシリコンTFTの製造を完成させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリシリコンTFTの
応答速度は、ポリシリコン膜の移動度に依存している。
しかしながら上記の製造方法において、半導体層を形成
する際、画素用TFTの半導体層の電気的特性を向上さ
せるため、a−Si:H膜2を用いているが、シリコン
中に含まれる水素のために、駆動回路用のポリシリコン
TFTでのポリシリコン膜3内の結晶粒(グレイン)の
結晶方位はより不規則となってしまうという問題が生じ
てしまう。また、ゲート電極としては約3000Å〜5
000Åの膜厚であったが、デバイスの高集積化に伴い
配線遅延の原因になっており、応答速度の高速化が望ま
れていた。本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、良好な規則性の結晶方位を有し、高速応答できるポ
リシリコン膜の形成方法を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、基
体上の液晶表示素子の駆動回路形成領域に形成された第
1アモルファスシリコン膜をアニールして第1ポリシリ
コン膜を形成する工程と、前記第1ポリシリコン膜をエ
ッチングして前記基体上に所定の結晶方位を有する、ポ
リシリコンでなる結晶粒を残留させる工程と、前記駆動
回路形成領域の前記結晶粒の上及び前記液晶表示素子の
画素形成領域第2アモルファスシリコン膜を形成する
工程と、前記駆動回路形成領域の前記結晶粒および前記
結晶粒上の前記第2アモルファスシリコン膜に熱処理を
施して第2ポリシリコン膜を形成する工程と、を備える
ことを、解決手段としている。請求項2記載の発明は、
前記第1ポリシリコン膜は結晶粒の径が10〜20Åの
膜であることを特徴としている。請求項3記載の発明
は、前記エッチングがウェットエッチングであることを
特徴としている。請求項4記載の発明は、前記結晶方位
が[111]方向であることを特徴としている。
【0006】請求項5記載の発明は、前記第2ポリシリ
コン膜は半導体素子の半導体膜に用いられることを特徴
とする。請求項6記載の発明は、前記第2ポリシリコン
膜は半導体素子のゲート電極に用いられることを特徴と
する。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明において、第1ポリシリコ
ン膜をエッチングして所定の結晶方位の結晶粒を、基体
(例えば、ガラス基板)上に残留するようにする。ここ
で残留した結晶粒は、熱処理により再結晶化(再多結晶
化)が行われた際に、成長種としての作用を奏する。残
留した結晶粒の上に形成されたアモルファスシリコン膜
は、この熱処理により、残留した結晶粒の結晶方位とほ
ぼ同一の結晶方位を有し、高移動度の第2ポリシリコン
膜に変わる。
【0008】ここで、上記エッチングを、所定の結晶方
位(例えば[111]の方向)の結晶粒と他の結晶方位
の結晶粒との間で、所定の結晶方位の結晶粒のエッチン
グ速度が遅くなるように選択比のとれるエッチャントを
用いて行うことにより、基体上にほぼ単一の結晶方位の
結晶粒を残留させることが可能となる。このエッチング
には、請求項3記載のように、ウェットエッチングを採
用することができる。特に、水酸化カリウム(KOH)
などのアルカリ金属水酸化物の水溶液やアミン系水溶液
などを用いてウェットエッチングすることにより、上記
したような選択比のとれたエッチングが可能となる。
【0009】請求項5、6記載の発明のように、前記第
2ポリシリコン膜が半導体の半導体膜やゲート電極とし
て用いることにより駆動回路の微細化、高速応答が実現
できる。
【0010】
【0011】
【実施例】以下、この発明に係る半導体薄膜の形成方法
の詳細を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1〜
図5は本発明の実施例1を示す工程断面図、図6は本発
明の実施例2を示す工程断面図、図7は本発明の実施例
3を示す工程断面図である。
【0012】(実施例1)本発明のアクティブマトリク
ス液晶表示素子では、一枚の基板11の駆動回路形成領
域A上に直接駆動回路素子を形成するCOG方式により
ポリシリコンTFTを形成しており、基板11の画素形
成領域B上にはアモルファスシリコンTFTが形成され
ている。基板11の駆動回路形成領域A上のポリシリコ
ンTFTは、図8(A)に示すように、チャネル領域1
5Cの両端にソース、ドレイン両端15A、15Bを形
成した第2ポリシリコン膜15と、第2ポリシリコン膜
15上を覆うようにゲート絶縁膜16と、チャネル領域
15Cに対応するゲート絶縁膜16上に形成された第4
ポリシリコン膜20と、第4ポリシリコン膜20を覆う
絶縁膜21とソース、ドレイン領域15A、15B上の
ゲート絶縁膜16と絶縁膜21に設けられたコンタクト
ホールに形成されたソース、ドレイン電極22A、22
Bとからなる。基板11の画素形成領域B上のアモルフ
ァスシリコンTFTは、同様にチャネル領域41Cの両
端にソース、ドレイン領域41A,41Bを形成したア
モルファスシリコン膜41と、アモルファスシリコン膜
41上を覆うゲート絶縁膜42と、チャネル領域41C
に対応するゲート絶縁膜42上に形成されたゲート電極
43と、ゲート電極43を覆う絶縁膜44に設けられた
コンタクトホールに形成されたソース、ドレイン電極4
5A、45Bと、電極45Bに接続された画素電極46
とからなる。本実施例は、このようなアクティブマトリ
クス方式の液晶表示パネルの大面積ガラス基板にポリシ
リコンTFTを製造する場合に本発明を適用した例であ
る。まず、図8(B)に示すように、基体としてのガラ
ス基板11の駆動回路形成領域Aおよび画素形成領域B
上に、第1アモルファスシリコン膜としての水素化アモ
ルファスシリコン(a−Si:H)膜12を、図1
(A)に示すようにプラズマCVD法にて膜厚が例えば
500Åとなるように堆積させる(画素形成領域Bは省
略)。その後、このa−Si:H膜12を、リソグラフ
ィー技術およびエッチング技術を用いて、第2ポリシリ
コン膜15とアモルファスシリコン膜41形成領域分だ
け残すようにパターニングする。次に、パターニングさ
れた駆動回路形成領域Aのa−Si:H膜12に、Xe
Clエキシマレーザ(波長:308nm)を、例えばパ
ルスエネルギーが200mJ/cm2、パルス幅が20
〜50nsで2パルス照射する。すると、図1(B)に
示すように、a−Si:H膜12が第1ポリシリコン膜
13に変化する。この第1ポリシリコン膜13は、瞬間
的なアニールによって形成されているため、結晶方位が
[111]、[100]、[110]、[311]等の
方向の結晶粒(グレイン)が混在する不規則な多結晶状
態となっている。また、水素化されたa−Siなのでダ
ングリングボンドが少ないため、形成された結晶粒は数
が多く、その径が小さい。これらの結晶方向を有するそ
れぞれの結晶粒の第1ポリシリコン膜13中の存在率
は、[111]方向の結晶粒が約6割強を占め、[10
0]、[110]、[311]等の方向の結晶粒がその
他の約4割弱を占めている。結晶方位が[111]方向
の結晶粒は、[111]面がガラス基板11に対して垂
直をなす結晶である。
【0013】次に、上記した結晶方位が[111]方向
の結晶粒だけをガラス基板11上に残すためのウェット
エッチングを行う。このウェットエッチングの条件は、
結晶方位が[111]方向のエッチング速度が遅く、そ
れ以外の結晶方向をもつ結晶粒のエッチング速度が速く
なるような選択性のあるエッチングである必要がある。
そこで、本実施例では、例えば水酸化カリウム(KO
H)などのアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて、図
2(A)に示すように、ガラス基板11上に結晶方位が
[111]方向の微細な結晶粒13Aが残るようにエッ
チングを行う。このウェットエッチングでは、結晶方位
が[111]方向の結晶粒と結晶方位が[110]方向
の結晶粒とのエッチング速度比が、1:600と大きく
とることができた。なお、このとき結晶粒13AがTF
Tの半導体薄膜を形成すべき領域に均一に残るようにエ
ッチング時間を設定する必要がある。さらに、エッチン
グ液にアルコールを添加することで、その選択比を調整
することが可能である。
【0014】その後、図2(B)に示すように、第2の
アモルファスシリコン膜としてのa−Si:H膜14を
プラズマCVD法にて堆積させる。そして、第1のアモ
ルファスシリコン膜であるa−Si:H膜12をパター
ニングしたのと同様に、a−Si:H膜14を、TFT
形成領域分だけ残すようにパターニングする。このと
き、a−Si:H膜14の下には、上記した結晶粒13
Aが存在する。
【0015】図2(B)に示すようにa−Si:H膜1
4をパターニングした後は、例えばファーネスアニール
などの比較的穏やかにa−Si:H膜14を溶融させる
熱アニール法を用いて640°Cで1時間加熱後、徐々
に温度を下げるような第1の熱処理を行って再結晶化を
行い、図3(A)に示すような第2ポリシリコン膜15
を形成する。この第2ポリシリコン膜15は、ガラス基
板11上の結晶粒13Aが成長種としての役割を果すた
め、結晶粒13Aと同様に結晶方位が[111]方向の
結晶粒の集まった単結晶構造に近い多結晶構造となる。
このとき、結晶粒13Aの径を抑えることにより、粒径
を多くしてあるので[111]以外の結晶粒が存在して
いたとしても結晶粒1つあたりの影響は小さい。なお、
本実施例では、ファーネスアニールにて第2の熱処理を
行ったが、これ以外の熱アニール法や、または、例えば
レーザ光エネルギーをパルス毎に徐々に増加しながパル
ス照射する多段的なレーザ照射を行ってもよい。このよ
うにして、膜質が良好で、しかも高移動度のポリシリコ
ン薄膜が形成できる。
【0016】その後は、周知のTFT製造技術を用いて
第2ポリシリコン膜15を活性層とするTFTを作成す
ればよい。以下、そのTFTの製造工程を簡単に説明す
る。なお、本実施例では、ゲート電極の形成に対しても
本発明を適用している。まず、図3(A)に示すような
第2ポリシリコン膜15を形成した後に、図3(B)に
示すように、第2ポリシリコン膜15を熱酸化すること
により、ゲート絶縁膜16を形成する。その後、同図
(B)に示すように、第3のa−Si:H膜17をプラ
ズマCVD法にて堆積させた後、ゲート電極および走査
配線としてのゲートラインの形状にパターニングし、こ
のa−Si:H膜17にXeClエキシマレーザを、上
記したa−Si:H膜12と同様の条件で照射する。す
ると、a−Si:H膜17は、図4(A)に示すように
第3ポリシリコン膜18に変化する。
【0017】次に、図4(B)に示すように、水酸化カ
リウム(KOH)などのアルカリ金属水酸化物の水溶液
を用いて、ゲート絶縁膜16上に結晶方位が[111]
方向の微細な結晶粒13Aが残るようにウェットエッチ
ングを行う。その後、図5(A)に示すように、第4の
a−Si:H膜19を堆積、パターニングを行う。そし
て、上記した第2ポリシリコン膜15の形成に用いた熱
アニール法を再度用いて図5(B)に示すような第4ポ
リシリコン膜20を形成する。さらに、同図(B)に示
すように、第4ポリシリコン膜20にリン(P)を高濃
度条件でイオン注入すれば第4ポリシリコン膜20は、
ドープトポリシリコンとなり導電性が付加されてゲート
電極としての機能が果せるようになる。なお、このイオ
ン注入の際に、第2ポリシリコン膜15のソース・ドレ
イン形成領域15A、15Bに同時にリンを注入しても
よい。この場合、第4ポリシリコン膜20が注入マスク
となり自己整合的にソース・ドレイン領域15A、15
Bを形成することができる。ただし、第4ポリシリコン
膜20の膜厚が薄いと第2ポリシリコン膜15に形成さ
れるべきチャネル領域に不純物(P)が導入される問題
があるため、第4ポリシリコン膜20の膜厚の設定とイ
オンビームの飛程を注入エネルギー量で調整する必要が
ある。
【0018】図5(C)は、完成したポリシリコンTF
Tの断面図である。図中、15A、15Bはソース・ド
レイン領域、15Cはチャネル領域、21は絶縁膜、2
2A、22Bはソース・ドレイン電極を示している。こ
の後、図8(A)に示すように画素形成領域Bにアモル
ファスシリコンTFTを形成する。このとき、アモルフ
ァスシリコン膜41は水素を含んでいるシリコン膜を用
いたので良好な電気的特性を得ることができる。このよ
うにして製造されたポリシリコンTFTのの半導体薄膜
としての第2ポリシリコン膜厚15は、良質の多結晶構
造を有し、そのため、電子、正孔の移動度を高めること
ができた。このように半導体薄膜が高移動度となるた
め、ポリシリコンTFTおよびアモルファスシリコンT
FTのスイッチングスピードを向上させることができ
る。
【0019】なお、本実施例では、結晶方位が[11
1]方向の結晶粒とそれ以外の結晶方向の結晶粒との選
択性をとれるエッチング液として水酸化カリウムの水溶
液を用いたが、この他に例えばエチレンジアミン、ヒド
ラジンなどのアミン系水溶液を用いても選択的なエッチ
ングを行うことができる。また、本実施例では、ウェッ
トエッチングを行ったが、同様な選択性がとれる異方性
ドライエッチングを行うことも可能である。また、本実
施例では、半導体膜、ゲート電極、ゲートラインとし
て、結晶性の良好なポリシリコンを用いたが、これに限
らず、いずれかのみに用いてもよい。また、本実施例で
は、アモルファスシリコン膜41は、a−Si:H膜1
2からなるが、これに限らず、a−Si:H膜14ある
いはa−Si:H膜17により形成されてもよい。ま
た、アモルファスシリコンTFTを形成してから、ポリ
シリコンTFTを形成してもよく、同時にアモルファス
シリコンTFTとポリシリコンTFTを形成してもよ
い。また、ゲート電極43は、第4ポリシリコン膜20
と同様にポリシリコンとして形成してもよい。
【0020】(実施例2)図6(A)〜(C)は、本発
明をポリシリコンTFTの製造に適用した実施例2の工
程断面図である。本実施例では、ガラス基板11の上に
形成したポリシリコン膜をエッチングすして、ガラス基
板11上に結晶粒13Aを残留させ、その後a−Si:
H膜14を堆積、パターニングする工程までが、上記実
施例1と同様である。そして、図6(A)に示すよう
に、a−Si:H膜14の上にn型不純物を高濃度にド
ープしたn+a−Si:H膜23を堆積させ、このn+
−Si:H膜23が上記a−Si:H膜14に形成すべ
きソース・ドレイン形成領域の上を覆うようにパターニ
ングする。
【0021】次に、熱アニール法にてn+a−Si:H
膜23とa−Si:H膜14とを加熱して結晶粒13A
を成長種として再結晶化させ、図6(B)に示すような
ポリシリコン膜24を形成する。このポリシリコン膜2
4は、同図(B)に示すように、n+a−Si:H膜2
3で覆われていた領域に不純物が拡散するため、既に高
濃度不純物領域24A、24Bが形成されている。ま
た、n+a−Si:H膜23で覆われていなかった部分
は不純物が導入されていないチャネル形成領域24Cと
なっている。
【0022】その後、図6(C)に示すように、ポリシ
リコン膜24の表面にゲート絶縁膜25を熱酸化により
形成し、メタル(例えばAl)膜でなるゲート電極26
を形成することにより、TFTのゲート電極、ソース、
ドレイン等が形成できる。なお、その後の製造工程は、
周知のプロセスを行えばよい。
【0023】本実施例においては、高移動度のポリシリ
コン膜と、ソース・ドレインとなる高濃度不純物領域2
4A、24Bとを、同時に形成することができ、工程数
を大幅に削減することが可能となる。
【0024】(実施例3)図7は、ガラス基板11上
に、逆スタガ構造のポリシリコンTFTを製造する場合
に本発明を適用した実施例3の工程断面図である。本実
施例では、図7(A)に示すように、ガラス基板11の
上に周知の方法でゲート電極27を形成した後、ゲート
絶縁膜28を堆積させる。そして、ゲート絶縁膜28の
上に、周知の成膜方法にて微結晶(マイクロクリスタ
ル)シリコン膜29を堆積させ、次いで所望のパターン
に形成する。なお、微結晶シリコン膜29の成膜に際し
ては、アモルファスシリコン膜の成膜条件における水素
量などを調整することにより、結晶粒の径寸法を制御す
ることが可能である。このため、比較的低温の条件で成
膜することができる。なお、本実施例では、結晶粒の径
寸法を10〜20Å程度に設定した。このような微結晶
シリコン膜29は、結晶粒が小さいのでより単結晶構造
に近い構造になりやすい。ところで、微結晶シリコン膜
29中の結晶粒の結晶方位は、[111]、[10
0]、[110]、[311]等の方向の結晶粒(グレ
イン)が混在する不規則な状態となっている。そこで、
本実施例においても水酸化カリウム(KOH)などのア
ルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて、図7(A)に示
すように、ゲート絶縁膜28上に結晶方位が[111]
方向の微細な結晶粒29Aが残るようにエッチングを行
う。
【0025】次に、図7(B)に示すように、TFTの
活性層を形成すべき領域にa−Si:H膜30を堆積、
パターニングする。そして、熱アニール法を施して図7
(C)に示すようなポリシリコン膜31を形成する。そ
の後の工程は、周知の逆スタガ構造のTFTの製造プロ
セスに従って行う。
【0026】本実施例においては、微結晶シリコンを用
いて結晶種を形成するものであるため、それ以前にa−
Si:H膜の堆積、パターニング、ポリシリコン化熱処
理等の工程を省略できる利点がある。なお、本実施例で
は、ゲート電極27をメタル膜で形成したが、本発明を
適用したポリシリコン膜で形成しても勿論よい。
【0027】以上、実施例1〜3について説明したが、
本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨
の範囲で各種の設計変更が可能である。例えば、上記各
実施例では、TFTの製造に本発明を適用したが、移動
度の高いポリシリコン薄膜を用いる他のデバイス、配線
等に適用することができる。また、上記各実施例では、
結晶粒を形成するためのポリシリコンのエッチングとし
てウェットエッチングを施したが、選択比のとれるエッ
チングであれば、ドライエッチングでもよい。さらに、
上記各実施例では、TFTの半導体薄膜を形成すべき領
域に予めポリシリコン膜やアモルファスシリコン膜を他
の素子から分離した状態となるようにパターニングした
が、結晶方位の統一されたポリシリコン膜を形成した後
に分離を行ってもよい。また、上記各実施例では、アモ
ルファスシリコン膜としてa−Si:H膜を用いたが、
水素を含有しないa−Si膜を用いても勿論よい。ま
た、上記各実施例では、イオンドープの際、ゲートライ
ンとドレイン電極に接続されるドレインラインとが既に
形成され、かつ絶縁膜を介して互いに交差されている場
合において、ショート防止のため、この絶縁膜を十分に
厚くしてもよいし、ライン上にマスクを形成してもよ
い。
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、単結晶に近い構造の良質なポリシリコン薄
膜を形成できる効果があり、特に移動度の高いポリシリ
コン薄膜が形成できるため、これをTFTの半導体薄膜
として用いればスイッチングスピードの速い素子を製造
できる効果がある。また、本発明によれば、低温プロセ
スを用いてポリシリコン膜が形成できるため、ガラス基
板のような耐熱性の低い大面積基板へ高性能なTFTを
製造できる効果を奏する。さらに、本発明によれば、ポ
リシリコンでなる配線、プラグなどの低抵抗化を図るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)は本発明の実施例1の工程
断面図。
【図2】(A)および(B)は本発明の実施例1の工程
断面図。
【図3】(A)および(B)は本発明の実施例1の工程
断面図。
【図4】(A)および(B)は本発明の実施例1の工程
断面図。
【図5】(A)〜(C)は本発明の実施例1の工程断面
図。
【図6】(A)〜(C)は本発明の実施例2の工程断面
図。
【図7】(A)〜(C)は本発明の実施例3の工程断面
図。
【図8】(A)および(B)は本発明の実施例1におけ
る液晶表示素子の一部を示す図。
【図9】(A)〜(C)は従来の工程断面図。
【符号の説明】
11 ガラス基板 12 a−Si:H膜 13 第1ポリシリコン膜 13A 結晶粒 14 a−Si:H膜 15 第2ポリシリコン膜 17 a−Si:H膜 18 第3ポリシリコン膜 18A 結晶粒 19 a−Si:H膜 20 第4ポリシリコン膜 41 アモルファスシリコン膜 46 画素電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/20 H01L 21/336 H01L 27/12 H01L 29/786

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上の液晶表示素子の駆動回路形成領
    域に形成された第1アモルファスシリコン膜をアニール
    して第1ポリシリコン膜を形成する工程と、前記第1ポ
    リシリコン膜をエッチングして前記基体上に所定の結晶
    方位を有する、ポリシリコンでなる結晶粒を残留させる
    工程と、前記駆動回路形成領域の前記結晶粒の上及び前
    記液晶表示素子の画素形成領域に第2アモルファスシリ
    コン膜を形成する工程と、前記駆動回路形成領域の前記
    結晶粒および前記結晶粒上の前記第2アモルファスシリ
    コン膜に熱処理を施して第2ポリシリコン膜を形成する
    工程と、を備えることを特徴とするポリシリコン膜の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記第1ポリシリコン膜は結晶粒の径が
    10Å〜20Åの膜であることを特徴とする請求項1記
    載のポリシリコン膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチングがウェットエッチングで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載のポ
    リシリコン膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記結晶方位が[111]方向であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリシ
    リコン膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第2ポリシリコン膜は半導体素子の
    半導体膜に用いられることを特徴とする請求項1記載の
    ポリシリコン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記第2ポリシリコン膜は半導体素子の
    ゲート電極に用いられることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載のポリシリコン膜の形成方法。
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