JPH0786604A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JPH0786604A
JPH0786604A JP23169993A JP23169993A JPH0786604A JP H0786604 A JPH0786604 A JP H0786604A JP 23169993 A JP23169993 A JP 23169993A JP 23169993 A JP23169993 A JP 23169993A JP H0786604 A JPH0786604 A JP H0786604A
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thin film
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drain regions
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Application number
JP23169993A
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English (en)
Inventor
Yuichi Masutani
雄一 升谷
Kazuhiro Kobayashi
和弘 小林
Hiroyuki Murai
博之 村井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜トランジスタのオン時のドレイン電流を
大きくできるとともに、オフ時のドレイン電流を低減す
る。 【構成】 薄膜トランジスタのゲートとして働くSi薄膜
に形成されたソース・ドレイン領域3とゲート領域4と
の境界付近のSi結晶粒径を大粒径化した構造とする。 【効果】 ソース・ドレイン領域3とゲート領域4との
境界付近の結晶粒界数を減らし、結晶粒界の未結合手の
数を減らするとともに、抵抗を減少させ、オン時のドレ
イン電流を大きくするとともに、オフ時のドレイン電流
を低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクティブマトリッ
クス液晶ディスプレイ等のスイッチとして用いる薄膜ト
ランジスタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13(a)〜(c)は従来の薄膜トラ
ンジスタ及びその製造工程を示す断面図である。図13
(c)において、1は絶縁性基板、2はこの絶縁性基板
1上に形成されたチャネルとして働くSi薄膜、3はこの
Si薄膜2にリン、ホウ素などの不純物をドーピングして
形成したソース・ドレイン領域、4はこのソース・ドレ
イン領域3の形成と共に上記ソース・ドレイン領域3に
接してこの間に形成されたチャネル領域、5は上記Si薄
膜2上に形成されたゲート絶縁膜、6はこのゲート絶縁
膜5上に形成されたゲート電極、7は金属薄膜から成る
ソース・ドレイン領域で、上記ゲート絶縁膜5に形成さ
れたコンタクトホール8を埋め、上記ソース・ドレイン
領域3と接続する。
【0003】次に、図13(c)に示した従来の薄膜ト
ランジスタの製造方法について説明する。
【0004】まず、図13(a)に示すように、絶縁性
基板1上にチャネル層となるSi薄膜2を形成する。次
に、上記Si薄膜上にSiO2から成るゲート絶縁膜5を、例
えば、熱酸化法あるいはスパッタ法で成膜する。次い
で、上記ゲート絶縁膜5上に、例えば、リンをドープし
たドープドSi薄膜6aを成膜し、ついで、ホトレジスト9
をマスクとして上記ドープドSi薄膜6aをパターニングす
ることによりゲート電極6を形成する。
【0005】次に、図13(b)に示すように、ゲート
電極6とこのゲート電極6の上の上記ホトレジスト9を
マスクとして、上記Si薄膜2に、例えば、リンを3×10
15/cm2 のドーズ量でイオン注入して上記ソース・ドレ
イン領域3を形成すると共にチャネル領域4を形成す
る。ついで、上記ホトレジスト9を除去した後、イオン
注入したリンを活性化するために、例えば、800 ℃でア
ニール処理を行う。
【0006】次にSiO2等から成る保護膜10を形成した
後、図13(c)に示すように、上記ゲート絶縁膜5及
び上記保護膜10にコンタクトホール8を形成し、さら
に、このコンタクトホール8を埋めるように金属薄膜か
ら成る上記ソース・ドレイン電極7を形成し、図13
(c)に示した薄膜トランジスタが製造される。
【0007】上記のように構成され製造された薄膜トラ
ンジスタは、二つのソース・ドレイン領域7間に電圧を
印加した状態で、二つのソース・ドレイン電極7の一方
とゲート電極6との間に印加する電圧を制御することに
よりソース・ドレイン電極間に流れるドレイン電流を制
御することができるので、この動作原理を利用して、例
えば、アクティブマトリックス液晶ディスプレイのスイ
ッチング素子として使用することができる。
【0008】薄膜トランジスタをアクティブマトリック
ス液晶ディスプレイのスイッチング素子として使用する
場合は、薄膜トランジスタがオフ時のドレイン電流を、
少なくとも1画素当たりの液晶によるリーク電流以下に
することが必要であり、このため、薄膜トランジスタが
オフ時のドレイン電流を低減することが重要である。
【0009】また、一方では、オン時のドレイン電流を
大きくするのが有利で、このために、チャネルとなるSi
薄膜2を多結晶Si薄膜とする。この場合は、多結晶Si薄
膜中に存在す結晶粒界や結晶欠陥によるフィールド・エ
ンハンスド・エミッション(field enhanced emission
)電流が生じ、オフ時のドレイン電流が増加するとい
う問題がある。このオフ時のドレイン電流の増加は、多
結晶Si薄膜中に存在する未結合手の数およびドレイン領
域3のチャネル領域4近傍の電界強度に比例すると一般
にいわれている。
【0010】オフ時のドレイン電流を低減するために、
薄膜トランジスタの構造をLDD(Lightly Doped Drai
n )構造とするものがある。
【0011】図14は、例えば、特公平3-38755 号公報
に示されたLDD構造の薄膜トランジスタである。図に
おいて、1は絶縁性基板、2は絶縁性基板1上に形成さ
れたチャネルとして働くSi薄膜、3はこのSi薄膜2にリ
ン、ホウ素などの不純物を高濃度にドーピングして形成
したソース・ドレイン領域、4はこのソース・ドレイン
領域3間に形成されたチャネル領域で、さらに、上記ソ
ース・ドレイン領域3と上記チャネル領域4の間に、リ
ン、ホウ素などの不純物を低濃度にドーピングしたLD
D領域12が形成されている。また、5は上記Si薄膜2上
に形成されたゲート絶縁膜、6 はこのゲート絶縁膜5上
に形成されたゲート電極、7は金属薄膜から成るソース
・ドレイン電極で、上記ゲート絶縁膜5に形成されたコ
ンタクトホール8を埋め、上記ソース・ドレイン領域4
と接続する。
【0012】また、図15に示したように、オフ時のド
レイン電流を低減するために、図14のLDD構造の薄
膜トランジスタにおけるLDD領域12を不純物を添加し
ないオフセット領域11とした薄膜トランジスタもある。
【0013】上記のように構成されたLDD構造あるい
はオフセット構造の薄膜トランジスタは、ソースおよび
ドレイン領域3とチャネル領域4との間に不純物濃度の
低いLDD領域12あるいは不純物が添加されていないオ
フセット領域11が存在するので、オフ時にドレイン領域
3のチャネル領域4側近傍に加わる電界を低減でき、オ
フ時のドレイン電流を低減することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、オフ
時のドレイン電流は、Si薄膜2の結晶粒界に存在する未
結合手およびドレイン領域3チャネル領域4近傍におけ
る電界強度の両方に依存する。上記のLDD構造あるい
はオフセット構造は上記電界強度の依存分を低減する
が、上記結晶粒界に存在する未結合手の依存分は低減で
きず、オフ時のドレイン電流を十分に低減することは困
難であり、また、オン時のドレイン電流の低減を伴うも
のであった。
【0015】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、オフ時にドレイン領域のチ
ャネル側近傍の結晶粒界に存在する未結合手の数を低減
することにより、オン時のドレイン電流を低下させるこ
となくオフ時のドレイン電流を低減することができる薄
膜トランジスタおよびその製造方法を得るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る薄膜トランジスタは、二つのソース・ドレイン領域
と、この二つのソース・ドレイン領域と接してこの間に
チャネル領域とを形成したSi薄膜を有する薄膜トランジ
スタにおいて、(1)少なくとも上記二つのソース・ド
レイン領域の上記チャネル領域近傍の結晶粒径および
(2)少なくとも上記チャネル領域の上記二つのソース
・ドレイン領域近傍にある結晶粒径、のうち少なくとも
上記(1)および(2)の一方を他の領域のSi薄膜の結
晶粒径より大粒径化したものである。
【0017】請求項2に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタは、上記請求項第1項において、大粒径化した結晶
粒径がSi薄膜の膜面に平行な方向に長径を有するもので
ある。
【0018】請求項3に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法は、絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成
した後に上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する
工程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工
程と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注
入して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソ
ース・ドレイン領域の間に上記ゲート電極と同じ幅を持
つチャネル領域とを形成すると共に上記二つのソース・
ドレイン領域を非晶質化する工程と、500 ℃〜650 ℃の
熱処理により、上記二つのソース・ドレイン領域の上記
チャネル領域近傍を、上記チャネル領域の多結晶Siを核
として横方向に再結晶成長する工程とを有するものであ
る。
【0019】請求項4に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法は、絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成
した後に、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成す
る工程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する
工程と、上記多結晶Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物を
イオン注入して、二つのソース・ドレイン領域と、この
二つのソース・ドレイン領域の間に上記ゲート電極と同
じ幅を持つチャネル領域とを形成すると共に上記二つの
ソース・ドレイン領域を非晶質化する工程と、上記ゲー
ト電極またはこのゲート電極と同じ幅を有するホトレジ
ストをマスクとしてSiなどの中性元素を斜め方向よりイ
オン注入し、上記チャネル領域の上記二つのソース・ド
レイン領域近傍を非晶質化する工程と、500 ℃〜650 ℃
の熱処理により、上記チャネル領域内の非晶質化されず
に残った領域のSi結晶を核として、少なくとも上記チャ
ネル領域内の非晶質化した領域を横方向に再結晶成長す
る工程とを有するものである。
【0020】請求項5に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタは、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソ
ース・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLD
D領域と、さらにこのオフセット領域またはLDD領域
の内側にチャネル領域とを形成したSi薄膜を有する薄膜
トランジスタにおいて、(1)上記オフセット領域また
はLDD領域の少なくとも上記チャネル領域近傍の結晶
粒径、(2)上記オフセット領域またはLDD領域の少
なくとも上記二つのソース・ドレイン領域近傍の結晶粒
径および(3)上記二つのソース・ドレイン領域の上記
オフセット領域またはLDD領域近傍の結晶粒径、のう
ち少なくとも上記(1)〜(3)のいずれか一つを他の
領域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径化したものである。
【0021】請求項6に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタは、上記請求項第5項において、大粒径化した結晶
粒径がSi薄膜の膜面に平行な方向に長径を有するもので
ある。
【0022】請求項7に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法は、絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成
した後、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する
工程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工
程と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注
入して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソ
ース・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLD
D領域と、このオフセット領域またはLDD領域の内側
に上記ゲート電極と同じ幅を有するチャネル領域とを形
成する工程と、上記ゲート電極またはこのゲート電極と
同じ幅を有するホトレジストをマスクとしてSiなどの中
性元素をイオン注入して、上記二つのソース・ドレイン
領域および上記オフセット領域またはLDD領域を非晶
質化する工程と、500 ℃〜650 ℃の熱処理により、少な
くとも非晶質化した上記オフセット領域またはLDD領
域の上記チャネル領域近傍を、上記チャネル領域の多結
晶Siを核として横方向に再結晶成長させる工程とを有す
るものである。
【0023】請求項8に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法は、絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成
した後、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する
工程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工
程と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注
入して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソ
ース・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLD
D領域と、このオフセット領域またはLDD領域端の内
側に上記ゲート電極と同じ幅を有するチャネル領域とを
形成する工程と、上記ゲート電極またはこのゲート電極
と同じ幅を有するホトレジストをマスクとしてSiなどの
中性元素をイオン注入して、上記二つのソース・ドレイ
ン領域および上記オフセット領域またはLDD領域を非
晶質化する工程と、上記二つのソース・ドレイン領域が
結晶化し上記オフセット領域またはLDD領域が結晶化
しない条件で熱処理する工程と、500 ℃〜650 ℃の熱処
理により、非晶質化した上記オフセット領域またはLD
D領域の少なくとも上記二つのソース・ドレイン領域お
よび上記チャネル領域近傍を、結晶化した上記二つのソ
ース・ドレイン領域の多結晶Si結晶および上記チャネル
領域の多結晶Siを核として、横方向に再結晶成長させる
工程とを有するものである。
【0024】請求項9に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法は、絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成
した後、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する
工程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工
程と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注
入して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソ
ース・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLD
D領域と、このオフセット領域またはLDD領域の内側
に上記ゲート電極と同じ幅を有するチャネル領域とを形
成する工程と、上記ゲート電極またはこのゲート電極と
同じ幅を有するホトレジストをマスクとして斜め方向か
らSiなどの中性元素をイオン注入して、上記チャネル領
域の上記オフセット領域またはLDD領域近傍、上記オ
フセット領域またはLDD領域および上記二つのソース
・ドレイン領域を非晶質化する工程と、500 ℃〜650 ℃
の熱処理により、(1)上記チャネル領域の上記オフセ
ット領域またはLDD領域近傍、(2)上記オフセット
領域またはLDD領域の上記チャネル領域近傍、(3)
上記オフセット領域またはLDD領域の上記二つのソー
ス・ドレイン領域近傍および(4)上記二つのソース・
ドレイン領域の上記オフセット領域またはLDD領域近
傍、のうち上記(1)、(1)〜(2)、(1)〜
(3)もしくは(1)〜(4)を、上記チャネル領域内
の非晶質化されずに残った領域の多結晶Siを核として横
方向に再結晶成長させる工程とを有するものである。
【0025】
【作用】本願発明に係る請求項1の薄膜トランジスタ
は、ソース・ドレイン領域とチャネル領域との境界近傍
の結晶粒径を大粒径化して結晶粒界の数を減らしたの
で、上記境界近傍の領域中の未結合手の数を低減すると
ともに上記境界近傍の抵抗を小さくすることができ、オ
フ時のドレイン電流を減少するとともにオン時のドレイ
ン電流を大きくすることができる。
【0026】請求項2の薄膜トランジスタは、上記請求
項1において、境界近傍の大粒径化した結晶粒径をSi薄
膜の膜面と平行な方向に長径を有するものであるので、
ドレイン電流の流れと結晶粒界が平行となり、ドレイン
電流が横切る結晶粒界の数が低減されるとともに上記境
界近傍の抵抗が小さくなるので、オフ時のドレイン電流
が減少するとともにオン時のドレイン電流を大きくする
ことができる。
【0027】請求項3の薄膜トランジスタの製造方法
は、イオン注入により非晶質のソース・ドレイン領域を
形成した後、非質晶化されなかったチャネル領域の多結
晶Siを核として横方向に再結晶および結晶成長させるこ
とにより、ソース・ドレイン領域のチャネル領域近傍の
結晶粒径を横方向に長い大粒径とすることができ、結晶
粒界の数が低減されて未結合手の数が減少するとともに
ドレイン電流が横切る結晶粒界の数が低減され、さら
に、抵抗が小さくなるので、オフ時のドレイン電流が減
少するとともにオン時のドレイン電流を大きくすること
ができる。
【0028】請求項4の薄膜トランジスタの製造方法
は、イオン注入により非晶質のソース・ドレイン領域を
形成した後、Siなどの中性元素を斜め方向から注入して
チャネル領域のソース・ドレイン領域近傍を非晶質化さ
せ、非質晶化されなかったチャネル領域の多結晶Siを核
として横方向に再結晶成長させることにより、少なくと
もチャネル領域のソース・ドレイン領域近傍の結晶粒径
を横に長く大粒径とすることができ、結晶粒界の数が低
減されて未結合手の数が減少するとともにドレイン電流
が横切る結晶粒界の数が低減され、さらに、抵抗が小さ
くなるので、オフ時のドレイン電流が減少するとともに
オン時のドレイン電流を大きくすることができる。
【0029】請求項5の薄膜トランジスタは、少なくと
も(1)オフセット領域またはLDD領域の少なくとも
上記チャネル領域近傍の結晶粒径、(2)オフセット領
域またはLDD領域の少なくとも二つのソース・ドレイ
ン領域近傍の結晶粒径および(3)二つのソース・ドレ
イン領域の上記オフセット領域またはLDD領域近傍の
結晶粒径、のうち少なくとも上記(1)〜(3)のいず
れか一つを他の領域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径化し
て結晶粒界の数を減らしたので、上記境界近傍の領域中
の未結合手の数が低減するとともにLDD領域またはオ
フセット領域を有しソースおよびドレイン領域のチャネ
ル領域近傍の電界強度が低減され、さらに、抵抗が小さ
くなるので、オフ時のドレイン電流を減少するとともに
オン時のドレイン電流減少を抑制・改善することができ
る。
【0030】請求項6に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタは、上記請求項5において、大粒径化した結晶粒径
がSi薄膜の膜面の方向と平行な方向に長径を有するもの
であるので、ドレイン電流の流れと結晶粒界が平行にな
り、ドレイン電流が横切る結晶粒界の数が減少するの
で、オフ時のドレイン電流を減少するとともにオン時の
ドレイン電流減少を抑制・改善することができる。
【0031】請求項7の薄膜トランジスタの製造方法
は、オフセット領域またはLDD領域を、Siなどの中性
元素を注入して非晶質化させた後、チャネル領域の多結
晶Siを核として横方向に再結晶成長させることにより、
少なくともオフセット領域またはLDD領域のチャネル
領域近傍の結晶粒径を横に長く大粒径とすることがで
き、結晶粒界の数が低減されるとともにドレイン電流の
流れと結晶粒界が平行になり、ドレイン電流が横切る結
晶粒界の数が減少し、さらに、抵抗が小さくなるので、
オフ時のドレイン電流を減少させるとともにオン時のド
レイン電流減少を抑制・改善することができる。
【0032】請求項8の薄膜トランジスタの製造方法
は、イオン注入によりソース・ドレイン領域、オフセッ
ト領域またはLDD領域およびチャネル領域を形成し、
Siなどの中性元素を注入してソース・ドレイン領域およ
びオフセット領域またはLDD領域を非晶質化させた
後、ソース・ドレイン領域を結晶化し、このソース・ド
レイン領域の多結晶Siおよびチャネル領域の多結晶Siを
核として両側から再結晶成長させるので、短時間で再結
晶成長することができる。
【0033】請求項9の薄膜トランジスタの製造方法
は、イオン注入によりソース・ドレイン領域、オフセッ
ト領域またはLDD領域およびチャネル領域を形成し、
Siなどの中性元素を斜め方向から注入してソース・ドレ
イン領域、オフセット領域またはLDD領域およびチャ
ネル領域のオフセット領域またはLDD領域近傍を非晶
質化させた後、非質晶化されていないチャネル領域の多
結晶Siを核として横方向に再結晶および結晶成長させる
ことにより、少なくともチャネル領域のオフセット領域
またはLDD領域近傍の結晶粒径を横に長く大粒径とす
ることができ、結晶粒界の数が低減されて未結合手の数
が減少するとともにドレイン電流の流れと結晶粒界が平
行になり、ドレイン電流が横切る結晶粒界の数が減少
し、さらに、抵抗が小さくなるので、オフ時のドレイン
電流が減少するとともにオン時のドレイン電流減少を抑
制・改善することができる。
【0034】
【実施例】実施例1.図1はこの実施例の薄膜トランジ
スタの断面図である。図1において、1は絶縁性基板、
2はこの絶縁性基板1上に形成されたチャネルとして働
く結晶性Si薄膜、3はこのSi薄膜2にリン、ホウ素など
の不純物をドーピングして形成したソース・ドレイン領
域、4は上記ソース・ドレイン領域とともに形成された
チャネル領域、5は上記結晶性Si薄膜2上に形成したゲ
ート絶縁膜、このゲート絶縁膜5上にゲート電極6が形
成されている。
【0035】また、ゲート絶縁膜5およびこのゲート絶
縁膜5上に形成された保護膜12にはコンタクトホール8
が形成されており、このコンタクトホール8にはソース
・ドレイン電極7が形成され、それぞれソース・ドレイ
ン領域3とコンタクトをとるようにしている。
【0036】また、結晶性Si薄膜2中には横方向成長に
より再結晶化した成長させて大粒径化した領域13を形成
する。図2は図1に示した右の再結晶により大粒径化し
た領域13の近傍の領域を上からみたものである。横方向
成長による大粒径化した領域13は他の領域よりも結晶粒
径が大きくなっている。
【0037】次に、製造方法について説明する。まず、
図3(a)に示すように、絶縁性基板1上にチャネル層
として結晶性Si薄膜2を形成し、次にSiO2からなるゲー
ト絶縁膜5を例えば熱酸化法あるいはスパッタ法により
1400Å程度の膜厚で成膜する。このゲート絶縁膜5上に
は例えばリンをトーピングしたSi薄膜を1500Å程度の膜
厚で成膜し、ホトレジスト9をマスクとしてパターニン
グすることによりゲート電極6を形成する。次に図3
(b)に示すようにホトレジスト9をマスクとして、例
えばリンを加速エネルギー150keV、ドーズ量3×1015
cm2 の条件でイオン注入し、ソース・ドレイン領域3を
形成する。このイオン注入によりソース・ドレイン領域
3は完全に非晶質化される。
【0038】次に、ホトレジスト9を取り除いた後、図
3(c)に示すように、例えば580℃で5時間の熱処理
を行い、ソース・ドレイン領域3形成時にイオン注入さ
れず非晶質化されなかったチャネル領域4の多結晶Siを
核として非晶質化されたソース・ドレイン領域3を横方
向に再結晶成長することにより横方向に長く大粒径化し
た領域13を形成する。この熱処理により横方向に再結晶
する距離は約0.7 μmである。
【0039】次に、例えば800 ℃の熱処理によりリンの
活性化を行った後、図3(d)に示すように、保護膜10
を形成した後、コンタクトホール8を形成し、次にソー
ス・ドレイン電極7を形成する。この結果、ソース・ド
レイン領域3のチャネル領域4近傍のSi薄膜を大粒径化
した薄膜トランジスタが形成される。
【0040】上記の製造方法によれば、薄膜トランジス
タは、ソース・ドレイン領域3のチャネル領域4近傍の
Siの結晶粒径を横方向に長く大きい結晶粒径とし、結晶
粒界を少なくするため、未結合手の数を低減するととも
にドレイン電流が横切る結晶粒界の数を減少し、さらに
抵抗を減少することができ、薄膜トランジスタのオフ時
のドレイン電流を低減するとともにオン時のドレイン電
流を大きくすることができる。
【0041】実施例3.図4(a)〜(d)は薄膜トラ
ンジスタの製造方法の他の実施例を示す製造工程断面図
である。まず、図4(a)に示すように、絶縁性基板1
上に多結晶Si薄膜2を形成し、次に、例えば、熱酸化法
あるいはスパッタ法により1400Å程度の膜厚のSiO2から
なるゲート絶縁膜5を成膜する。このゲート絶縁膜5上
に、例えば、1500Å程度の膜厚のリンをドーピングした
Si薄膜を成膜し、ホトレジスト9をマスクとしてパター
ニングすることによりゲート電極6を形成する。次に、
前記ホトレジスト9をマスクとして、例えば、リンを加
速エネルギー150keV、ドーズ量3×1015/cm2 の条件で
イオン注入し、ソース・ドレイン領域3とともにチャネ
ル領域4を形成する。このイオン注入によりソース・ド
レイン領域3は非晶質化される。
【0042】次に、ホトレジスト9を残したまま、これ
をマスクとして図4(b)に示すように、Siを斜め方向
から、臨界注入量以上の注入量でイオン注入することに
より、ゲート電極6下のチャネル領域4のうちソース・
ドレイン領域3近傍に非晶質化領域14を形成する。次に
ホトレジスト9を取り除いた後、例えば580 ℃で5時間
の熱処理を行い、チャネル領域4のうちSiのイオン注入
がされず、非晶質化されなかった領域の多結晶Siから非
晶質化領域14を横方向に再結晶成長することにより、図
4(c)に示すように横方向に長く大粒径化した領域13
を形成する。この横方向再結晶成長により大粒径化した
領域13のSiの結晶粒径は元の多結晶Siの結晶粒径よりも
大きくなっており、結晶粒界が少なくなるため未結合手
の数が少なくなっている。
【0043】次に、例えば800 ℃の熱処理によりリンの
活性化を行った後、図4(d)に示すように、保護膜10
を形成した後、コンタクトホール8を形成し、次にソー
ス・ドレイン電極7を形成する。
【0044】この結果、チャネル領域4のソース・ドレ
イン領域3近傍の部分の結晶径を横方向に長く大粒径化
した薄膜トランジスタが形成される。この薄膜トランジ
スタは、実施例2に示したものと同じ作用・効果が得ら
れる。
【0045】実施例4.図5(a)〜(d)はこの発明
における薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例を示
す製造工程断面図である。ゲート電極6の両側に側壁ス
ペーサを設け、例えば加速エネルギー150keV、ドーズ量
3×1015/cm2 の条件でリンをイオン注入し、先ず図5
(a)に示すように例えば0.5 μm程度の幅のオフセッ
ト領域11を持つようにソース・ドレイン領域3を形成す
る。次に図5(b)に示すように、ゲート電極6をマス
クとして例えばSiを臨界注入量以上の注入量でイオン注
入し、ソース・ドレイン領域3およびオフセット領域11
のSi薄膜2を非晶質化する。次に、例えば580 ℃で8時
間の熱処理を行うことにより、非晶質化されたオフセッ
ト領域11およびソース・ドレイン領域3のオフセット領
域11近傍を非晶質化されなかったチャネル領域4の多結
晶Siから横方向に再結晶成長することにより、図5
(c)に示すようにSi結晶を大粒径化した領域13を形成
する。
【0046】次に、図5(d)に示すように、保護膜10
を形成後、コンタクトホール8を形成し、次にソース・
ドレイン電極7を形成する。この結果、オフセット領域
11およびソース・ドレイン領域3のオフセット領域11近
傍を横方向に大粒径化した薄膜トランジスタが形成され
る。
【0047】図5(d)の薄膜トランジスタは、オフセ
ット領域11およびソース・ドレイン領域3のオフセット
領域11近傍の結晶粒径が横方向に長く大粒径化した構造
となっており、結晶粒界が少なくなるため、実施例2と
同じ作用効果が得られるとともに、オフセット構造によ
りドレイン近傍の電界強度が低減でき、オフ時のドレイ
ン電流を低減するとともにオン時のドレイン電流の低下
を抑制・改善することができる。
【0048】実施例5.図6(a)〜(d)はこの発明
における薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例を示
す製造工程断面図である。実施例4と同様にして、ま
ず、図6(a)に示すように例えば0.7 μm程度の幅の
オフセット領域11とソースおよびドレイン領域3を形成
する。次に図6(b)に示すように、ゲート電極6をマ
スクとして、例えば、Siなどの中性元素を臨界注入量以
上イオン注入し、ソース・ドレイン領域3およびオフセ
ット領域11のSi薄膜2を非晶質化する。次に、不純物と
してリンを含むソース・ドレイン領域3は結晶化する
が、不純物を含まないオフセット領域11は結晶化しない
条件で熱処理を行った後、図6(c)に示すように、例
えば580 ℃3時間の熱処理を行うことにより、非晶質化
されたオフセット領域11を、先に結晶化したソース・ド
レイン領域3の多結晶Siと、非晶質化されなかったチャ
ネル領域4の多結晶Siの両側から横方向に再結晶成長す
ることにより、オフセット領域11中にSi結晶を大粒径化
した領域13を形成する。
【0049】次に、図6(d)に示すように、保護膜10
を形成した後、コンタクトホール8を形成し、次にソー
スドレイン電極7を形成する。この結果、オフセット領
域11およびソース・ドレイン領域3のオフセット領域11
近傍を大粒径化した薄膜トランジスタが形成される。
【0050】図6(d)の薄膜トランジスタは、オフセ
ット領域11およびソース・ドレイン領域3のオフセット
領域11近傍の結晶粒径が横方向に長く大粒径化した構造
となっており、実施例4と同じ作用効果が得られると共
に、この実施例では横方向の再結晶成長を両側から行な
うことにより、再結晶を短時間で行うことができる。
【0051】実施例6.図7(a)〜(d)は、この発
明における薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例の
製造工程断面図である。実施例4と同様にして、まず、
図7(a)に示すように例えば0.5 μm程度の幅のオフ
セット領域11とソース・ドレイン領域3を形成する。次
に図7(b)に示すように、ゲート電極6をマスクとし
て、例えば、Siなどの中性元素を斜め2方向より臨界注
入量以上イオン注入し、ソース・ドレイン領域3、オフ
セット領域11およびゲート電極6下にあるチャネル領域
4のオフセット領域11近傍14を非晶質化する。次に図7
(c)に示すように、例えば、580 ℃で8時間の熱処理
を行うことにより、Si薄膜のうち非晶質化された領域
を、チャネル領域4のうち非晶質化されなかった領域の
多結晶Siから横方向に再結晶成長させることによりSi結
晶を大粒径化した領域13を形成する。
【0052】次に、ソース・ドレイン領域3の活性化ア
ニールを行った後、図7(d)に示すように、保護膜10
を形成した後、コンタクトホール8を形成し、次にソー
ス・ドレイン電極7を形成する。この結果、チャネル領
域4のオフセット領域近傍、オフセット領域11およびソ
ース・ドレイン領域3のオフセット領域11近傍を大粒径
化した薄膜トランジスタが形成される。
【0053】図7(d)の薄膜トランジスタは、オフセ
ット領域11およびこの近傍のSi薄膜2の結晶粒径が横方
向に長く大粒径化した構造となっており、実施例4と同
じ作用効果が得られる。
【0054】実施例7.図8(a)〜(d)は、この発
明に係る薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例を示
す製造工程断面図である。実施例4と同様にして、ま
ず、図8(a)に示すように例えば0.74μm程度の幅の
オフセット領域11とソース・ドレイン領域3を形成す
る。次に図8(b)に示すように、ゲート電極6をマス
クとして、例えば、Siなどの中性元素を斜め2方向より
臨界注入量以上イオン注入し、ソース・ドレイン領域
3、オフセット領域11およびチャネル領域4のオフセッ
ト領域11近傍を非晶質化する。次に、不純物としてリン
を含むソース・ドレイン領域3は結晶化するが、不純物
を含まないオフセット領域11は結晶化しない条件で熱処
理を行った後、図8(c)に示すように、例えば580 ℃
3時間の熱処理を行うことにより、非晶質化されたオフ
セット領域11およびチャネル領域4のオフセット領域11
近傍14を先の熱処理により結晶化したソース・ドレイン
領域3の多結晶Siと、チャネル領域4のうち、非晶質化
されずに残った多結晶Siとの両方から横方向に再結晶成
長することにより、大粒径化した領域13を形成する。
【0055】次に、図8(d)に示すように、保護膜10
を形成した後、コンタクトホール8を形成し、次にソー
ス・ドレイン電極7を形成する。この結果、オフセット
領域11およびチャネル領域4のオフセット領域11近傍を
大粒径化した薄膜トランジスタが形成される。
【0056】図8(d)の薄膜トランジスタは、実施例
4と同じ作用効果が得られるとともにこの実施例では横
方向の再結晶成長を両側から行なうことにより、再結晶
を短時間で行なうことができる。
【0057】実施例8、9.実施例4、6では、オフセ
ット構造の薄膜トランジスタについてオフセット領域11
近傍の結晶粒径を増大させた。図9および図10は、こ
の発明に係る薄膜トランジスタの他の実施例を示す断面
図である。実施例4で示した図5(a)の前の工程で低
濃度の不純物を注入してLDD領域12(オフセット領域
11と同一領域)を形成し、実施例3、5と同様の工程を
行うことにより、それぞれ図11、図12に示すように
LDD領域12近傍の結晶粒径を増大させ、薄膜トランジ
スタのオフ時のドレイン電流を低減するとともにオン時
のドレイン電流低下を抑制・改善することができる。
【0058】実施例10、11.実施例5、7では、オ
フセット構造の薄膜トランジスタについてオフセット領
域11近傍の結晶粒径を増大させたが、上記実施例8、9
と同様にしてLDD領域12を形成した後、実施例5、7
と同様の工程を行うことにより、それぞれ図11、図1
2に示すようにLDD領域12近傍の結晶粒径を増大さ
せ、薄膜トランジスタのオフ時のドレイン電流を低減す
るとともにオン時のドレイン電流低下を抑制・改善する
ことができる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ソース・ドレイン領域とチャネル領域との境界近傍
の結晶粒径を大粒径化して結晶粒界の数を減らしたの
で、上記境界近傍の領域中の未結合手の数を低減すると
ともに上記境界近傍の抵抗を小さくすることができ、オ
フ時のドレイン電流を減少するとともにオン時のドレイ
ン電流を大きくすることができる。
【0060】また、請求項2によれば、大粒径化した領
域の結晶粒径をSi薄膜の膜面と平行な方向に長径を有す
るものであるので、ドレイン電流の流れと結晶粒界が平
行となり、ドレイン電流が横切る結晶粒界の数が低減さ
れるとともに上記境界近傍の抵抗が小さくなるので、オ
フ時のドレイン電流が減少するとともにオン時のドレイ
ン電流を大きくすることができる。
【0061】また、請求項3によれば、イオン注入によ
り非晶質のソース・ドレイン領域を形成した後、非質晶
化されなかったチャネル領域の多結晶Siを核として横方
向に再結晶および結晶成長させることにより、ソース・
ドレイン領域のチャネル領域近傍の結晶粒径を横方向に
長い大粒径とすることができ、結晶粒界の数が低減され
て未結合手の数が減少するとともにドレイン電流が横切
る結晶粒界の数が低減され、さらに、抵抗が小さくなる
ので、オフ時のドレイン電流が減少するとともにオン時
のドレイン電流を大きくすることができる。
【0062】また、請求項4によれば、イオン注入によ
り非晶質のソース・ドレイン領域を形成した後、Siなど
の中性元素を斜め方向から注入してチャネル領域のソー
ス・ドレイン領域近傍を非晶質化させ、非質晶化されな
かったチャネル領域の多結晶Siを核として横方向に再結
晶成長させることにより、少なくともチャネル領域のソ
ース・ドレイン領域近傍の結晶粒径を横に長く大粒径と
することができ、結晶粒界の数が低減されて未結合手の
数が減少するとともにドレイン電流が横切る結晶粒界の
数が低減され、さらに、抵抗が小さくなるので、オフ時
のドレイン電流が減少するとともにオン時のドレイン電
流を大きくすることができる。
【0063】また、請求項5によれば、少なくとも、
(1)オフセット領域またはLDD領域の少なくともチ
ャネル領域近傍の結晶粒径、(2)オフセット領域また
はLDD領域の少なくとも二つのソース・ドレイン領域
近傍の結晶粒径および(3)二つのソース・ドレイン領
域のオフセット領域またはLDD領域近傍の結晶粒径、
のうち少なくとも上記(1)〜(3)のいずれか一つを
他の領域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径化して結晶粒界
の数を減らしたので、未結合手の数が低減するとともに
LDD領域またはオフセット領域を有しソースおよびド
レイン領域のチャネル領域近傍の電界強度が低減され、
さらに、抵抗が小さくなるので、オフ時のドレイン電流
を減少するとともにオン時のドレイン電流減少を抑制・
改善することができる。
【0064】また、請求項6によれば、大粒径化した結
晶粒径がSi薄膜の膜面と平行な方向に長径を有するもの
であるので、ドレイン電流の流れと結晶粒界が平行にな
り、ドレイン電流が横切る結晶粒界の数が減少するの
で、オフ時のドレイン電流を減少するとともにオン時の
ドレイン電流減少を抑制・改善することができる。
【0065】また、請求項7によれば、オフセット領域
またはLDD領域を、Siなどの中性元素を注入して非晶
質化させた後、チャネル領域の多結晶Siを核として横方
向に再結晶成長させることにより、少なくともオフセッ
ト領域またはLDD領域のチャネル領域近傍の結晶粒径
を横に長く大粒径とすることができ、結晶粒界の数が低
減されるとともにドレイン電流の流れと結晶粒界が平行
になり、ドレイン電流が横切る結晶粒界の数が減少し、
さらに、抵抗が小さくなるので、オフ時のドレイン電流
を減少させるとともにオン時のドレイン電流減少を抑制
・改善することができる。
【0066】また、請求項8によれば、イオン注入によ
りソース・ドレイン領域、オフセット領域またはLDD
領域およびチャネル領域を形成し、Siなどの中性元素を
注入してソース・ドレイン領域およびオフセット領域ま
たはLDD領域を非晶質化させた後、ソース・ドレイン
領域を結晶化し、このソース・ドレイン領域の多結晶Si
およびチャネル領域の多結晶Siを核として両側から再結
晶成長させるので、短時間で再結晶成長することができ
る。
【0067】また、請求項9によれば、イオン注入によ
りソース・ドレイン領域、オフセット領域またはLDD
領域およびチャネル領域を形成し、Siなどの中性元素を
斜め方向から注入してソース・ドレイン領域、オフセッ
ト領域またはLDD領域およびチャネル領域のオフセッ
ト領域またはLDD領域近傍を非晶質化させた後、非質
晶化されていないチャネル領域の多結晶Siを核として横
方向に再結晶および結晶成長させることにより、少なく
ともチャネル領域のオフセット領域またはLDD領域近
傍の結晶粒径を横に長く大粒径とすることができ、結晶
粒界の数が低減されて未結合手の数が減少するとともに
ドレイン電流の流れと結晶粒界が平行になり、ドレイン
電流が横切る結晶粒界の数が減少し、さらに、抵抗が小
さくなるので、オフ時のドレイン電流が減少するととも
にオン時のドレイン電流減少を抑制・改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による薄膜トランジスタを
示す断面図である。
【図2】この発明の実施例1による薄膜トランジスタの
大粒径化した領域近傍を模式的に示した平面図である。
【図3】この発明の実施例2による薄膜トランジスタの
製造方法を示す製造工程断面図である。
【図4】この発明の実施例3による薄膜トランジスタの
断面図である。
【図5】この発明の実施例4による薄膜トランジスタの
製造方法を示す製造工程断面図である。
【図6】この発明の実施例5による薄膜トランジスタの
製造方法を示す製造工程断面図である。
【図7】この発明の実施例6による薄膜トランジスタの
製造方法を示す製造工程断面図である。
【図8】この発明の実施例7による薄膜トランジスタの
製造方法を示す製造工程断面図である。
【図9】この発明の実施例8による薄膜トランジスタの
断面図である。
【図10】この発明の実施例9による薄膜トランジスタ
の断面図である。
【図11】この発明の実施例10による薄膜トランジス
タの断面図である。
【図12】この発明の実施例11による薄膜トランジス
タの断面図である。
【図13】従来の薄膜トランジスタ及びその製造方法を
示す断面図である。
【図14】従来のLDD構造を持つ薄膜トランジスタの
断面図である。
【図15】従来のオフセット構造を持つ薄膜トランジス
タの断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 多結晶Si薄膜 3 ソース・ドレイン領域 4 チャネル領域 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート電極 7 ソース・ドレイン電極 8 コンタクトホール 9 ホトレジスト 10 保護膜 11 オフセット領域 12 LDD領域 13 大粒径化した領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】図13(a)〜(c)は従来の薄膜トラ
ンジスタ及びその製造工程を示す断面図である。図13
(a)〜(c)において、1は絶縁性基板、2はこの絶
縁性基板1上に形成されたチャネルとして働くSi薄
膜、3はこのSi薄膜2にリン、ホウ素などの不純物を
ドーピングして形成したソース・ドレイン領域、4はこ
のソース・ドレイン領域3の形成と共に上記ソース・ド
レイン領域3に接してこの間に形成されたチャネル領
域、5は上記Si薄膜2上に形成されたゲート絶縁膜、
6はこのゲート絶縁膜5上に形成されたゲート電極、7
は金属薄膜から成るソース・ドレイン領域で、上記ゲー
ト絶縁膜5に形成されたコンタクトホール8を埋め、上
記ソース・ドレイン領域3と接続する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、オフ
時のドレイン電流は、Si薄膜2の結晶粒界に存在する
未結合手およびドレイン領域3チャネル領域4近傍にお
ける電界強度の両方に依存する。上記のLDD構造ある
いはオフセット構造は上記電界強度の依存分を低減する
が、上記結晶粒界に存在する未結合手数の依存分は低減
できず、オフ時のドレイン電流を十分に低減することは
困難であり、また、オン時のドレイン電流の低減を伴う
ものであった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】請求項5に記載の発明に係る薄膜トランジ
スタは、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソ
ース・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLD
D領域と、さらにこのオフセット領域またはLDD領域
の内側にチャネル領域とを形成したSi薄膜を有する薄
膜トランジスタにおいて、(1)上記オフセット領域ま
たはLDD領域の少なくとも上記チャネル領域近傍の結
晶粒径、(2)上記オフセット領域またはLDD領域の
少なくとも上記二つのソース・ドレイン領域近傍の結晶
粒径および(3)上記チャネル領域の少なくとも上記オ
フセット領域またはLDD領域近傍の結晶粒径、のうち
少なくとも上記(1)〜(3)のいずれか一つを他の領
域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径化したものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】また、ゲート絶縁膜5およびこのゲート絶
縁膜5上に形成された保護膜10にはコンタクトホール
8が形成されており、このコンタクトホール8にはソー
ス・ドレイン電極7が形成され、それぞれソース・ドレ
イン領域3とコンタクトをとるようにしている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】実施例2.図4(a)〜(d)は薄膜トラ
ンジスタの製造方法の他の実施例を示す製造工程断面図
である。まず、図4(a)に示すように、絶縁性基板1
上に多結晶Si薄膜2を形成し、次に、例えば、熱酸化
法あるいはスパッタ法により1400Å程度の膜厚のS
iO2 からなるゲート絶縁膜5を成膜する。このゲート
絶縁膜5上に、例えば、1500Å程度の膜厚のリンを
ドーピングしたSi薄膜を成膜し、ホトレジスト9をマ
スクとしてパターニングすることによりゲート電極6を
形成する。次に、前記ホトレジスト9をマスクとして、
例えば、リンを加速エネルギー150keV、ドーズ量
3×1015/cm2 の条件でイオン注入し、ソース・ドレ
イン領域3とともにチャネル領域4を形成する。このイ
オン注入によりソース・ドレイン領域3は非晶質化され
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】この結果、チャネル領域4のソース・ドレ
イン領域3近傍の部分の結晶径を横方向に長く大粒径化
した薄膜トランジスタが形成される。この薄膜トランジ
スタは、実施例1に示したものと同じ作用・効果が得ら
れる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】実施例3.図5(a)〜(d)はこの発明
における薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例を示
す製造工程断面図である。ゲート電極6のパターニング
時にサイドエッチングによるオーバエッチングを行なう
か、またはゲート電極6の両側に側壁スペーサを設け、
例えば加速エネルギー150keV、ドーズ量3×10
15/cm2の条件でリンをイオン注入し、ホトレジストま
たは側壁スペーサを除去することにより、先ず図5
(a)に示すように例えば0.5μm程度の幅のオフセ
ット領域11を持つようにソース・ドレイン領域3を形
成する。次に図5(b)に示すように、ゲート電極6を
マスクとして例えばSiを臨界注入量以上の注入量でイ
オン注入し、ソース・ドレイン領域3およびオフセット
領域11のSi薄膜2を非晶質化する。次に、例えば5
80℃で8時間の熱処理を行うことにより、非晶質化さ
れたオフセット領域11およびソース・ドレイン領域3
のオフセット領域11近傍を非晶質化されなかったチャ
ネル領域4の多結晶Siから横方向に再結晶成長するこ
とにより、図5(c)に示すようにSi結晶を大粒径化
した領域13を形成する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】図5(d)の薄膜トランジスタは、オフセ
ット領域11およびソース・ドレイン領域3のオフセッ
ト領域11近傍の結晶粒径が横方向に長く大粒径化した
構造となっており、結晶粒界が少なくなるため、実施例
1と同じ作用効果が得られるとともに、オフセット構造
によりドレイン近傍の電界強度が低減でき、オフ時のド
レイン電流を低減するとともにオン時のドレイン電流の
低下を抑制・改善することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】実施例4.図6(a)〜(d)はこの発明
における薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例を示
す製造工程断面図である。実施例3と同様にして、ま
ず、図6(a)に示すように例えば0.7μm程度の幅
のオフセット領域11とソースおよびドレイン領域3を
形成する。次に図6(b)に示すように、ゲート電極6
をマスクとして、例えば、Siなどの中性元素を臨界注
入量以上イオン注入し、ソース・ドレイン領域3および
オフセット領域11のSi薄膜2を非晶質化する。次
に、不純物としてリンを含むソース・ドレイン領域3は
結晶化するが、不純物を含まないオフセット領域11は
結晶化しない条件で熱処理を行った後、図6(c)に示
すように、例えば580℃3時間の熱処理を行うことに
より、非晶質化されたオフセット領域11を、先に結晶
化したソース・ドレイン領域3の多結晶Siと、非晶質
化されなかったチャネル領域4の多結晶Siの両側から
横方向に再結晶成長することにより、オフセット領域1
1中にSi結晶を大粒径化した領域13を形成する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】次に、図6(d)に示すように、保護膜1
0を形成した後、コンタクトホール8を形成し、次にソ
ースドレイン電極7を形成する。この結果、オフセット
領域11を大粒径化した薄膜トランジスタが形成され
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】図6(d)の薄膜トランジスタは、オフセ
ット領域11の結晶粒径が横方向に長く大粒径化した構
造となっており、実施例3と同じ作用効果が得られると
共に、この実施例では横方向の再結晶成長を両側から行
なうことにより、再結晶を短時間で行うことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】実施例5.図7(a)〜(d)は、この発
明における薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例の
製造工程断面図である。実施例3と同様にして、まず、
図7(a)に示すように例えば0.5μm程度の幅のオ
フセット領域11とソース・ドレイン領域3を形成す
る。次に図7(b)に示すように、ゲート電極6をマス
クとして、例えば、Siなどの中性元素を斜め2方向よ
り臨界注入量以上イオン注入し、ソース・ドレイン領域
3、オフセット領域11およびゲート電極6下にあるチ
ャネル領域4のオフセット領域11近傍14を非晶質化
する。次に図7(c)に示すように、例えば、580℃
で8時間の熱処理を行うことにより、Si薄膜のうち非
晶質化された領域を、チャネル領域4のうち非晶質化さ
れなかった領域の多結晶Siから横方向に再結晶成長さ
せることによりSi結晶を大粒径化した領域13を形成
する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】図7(d)の薄膜トランジスタは、オフセ
ット領域11およびこの近傍のSi薄膜2の結晶粒径が
横方向に長く大粒径化した構造となっており、実施例3
と同じ作用効果が得られる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】実施例6.図8(a)〜(d)は、この発
明に係る薄膜トランジスタの製造方法の他の実施例を示
す製造工程断面図である。実施例3と同様にして、ま
ず、図8(a)に示すように例えば0.74μm程度の
幅のとオフセット領域11とソース・ドレイン領域3を
形成する。次に図8(b)に示すように、ゲート電極6
をマスクとして、例えば、Siなどの中性元素を斜め2
方向より臨界注入量以上イオン注入し、ソース・ドレイ
ン領域3、オフセット領域11およびチャネル領域4の
オフセット領域11近傍を非晶質化する。次に、不純物
としてリンを含むソース・ドレイン領域3は結晶化する
が、不純物を含まないオフセット領域11は結晶化しな
い条件で熱処理を行った後、図8(c)に示すように、
例えば580℃3時間の熱処理を行うことにより、非晶
質化されたオフセット領域11およびチャネル領域4の
オフセット領域11近傍14を先の熱処理により結晶化
したソース・ドレイン領域3の多結晶Siと、チャネル
領域4のうち、非晶質化されずに残った多結晶Siとの
両方から横方向に再結晶成長することにより、大粒径化
した領域13を形成する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】図8(d)の薄膜トランジスタは、実施例
3と同じ作用効果が得られるとともにこの実施例では横
方向の再結晶成長を両側から行なうことにより、再結晶
を短時間で行なうことができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】実施例7,8.実施例3、5では、オフセ
ット構造の薄膜トランジスタについてオフセット領域1
1近傍の結晶粒径を増大させた。図9および図10は、
この発明に係る薄膜トランジスタの他の実施例を示す断
面図である。実施例3で示した図5(a)の前の工程で
低濃度の不純物を注入してLDD領域12(オフセット
領域11と同一領域)を形成し、実施例3、5と同様の
工程を行うことにより、それぞれ図11、図12に示す
ようにLDD領域12近傍の結晶粒径を増大させ、薄膜
トランジスタのオフ時のドレイン電流を低減するととも
にオン時のドレイン電流低下を抑制・改善することがで
きる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】実施例9,10.実施例4、6では、オフ
セット構造の薄膜トランジスタについてオフセット領域
11近傍の結晶粒径を増大させたが、上記実施例7、8
と同様にしてLDD領域12を形成した後、実施例4、
6と同様の工程を行うことにより、それぞれ図11、図
12に示すようにLDD領域12近傍の結晶粒径を増大
させ、薄膜トランジスタのオフ時のドレイン電流を低減
するとともにオン時のドレイン電流低下を抑制・改善す
ることができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】また、請求項5によれば、少なくとも、
(1)オフセット領域またはLDD領域の少なくともチ
ャネル領域近傍の結晶粒径、(2)オフセット領域また
はLDD領域の少なくとも二つのソース・ドレイン領域
近傍の結晶粒径および(3)チャネル領域の少なくとも
オフセット領域またはLDD領域近傍の結晶粒径、のう
ち少なくとも上記(1)〜(3)のいずれか一つを他の
領域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径化して結晶粒界の
数を減らしたので、未結合手の数が低減するとともにL
DD領域またはオフセット領域を有しソースおよびドレ
イン領域のチャネル領域近傍の電界強度が低減され、さ
らに、抵抗が小さくなるので、オフ時のドレイン電流を
減少するとともにオン時のドレイン電流減少を抑制・改
善することができる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つのソース・ドレイン領域、この二つ
    のソース・ドレイン領域と接してこの間にチャネル領域
    が形成されたSi薄膜を有する薄膜トランジスタにおい
    て、(1)上記二つのソース・ドレイン領域の少なくと
    も上記チャネル領域近傍の結晶粒径および(2)上記チ
    ャネル領域の少なくとも上記二つのソース・ドレイン領
    域近傍の結晶粒径、のうち少なくとも上記(1)および
    (2)の一方を他の領域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径
    化したことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 大粒径化した結晶粒径がSi薄膜の膜面に
    平行な方向に長径を有することを特徴とする請求項第1
    項に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成した
    後に上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程
    と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注入
    して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソー
    ス・ドレイン領域の間に上記ゲート電極と同じ幅を持つ
    チャネル領域とを形成すると共に上記二つのソース・ド
    レイン領域を非晶質化する工程と、500 ℃〜650 ℃の熱
    処理により、上記二つのソース・ドレイン領域の上記チ
    ャネル領域近傍を、上記チャネル領域の多結晶Siを核と
    して横方向に再結晶成長する工程とを有することを特徴
    とする薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成した
    後に、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工
    程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程
    と、上記多結晶Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオ
    ン注入して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つ
    のソース・ドレイン領域の間に上記ゲート電極と同じ幅
    を持つチャネル領域とを形成すると共に上記二つのソー
    ス・ドレイン領域を非晶質化する工程と、上記ゲート電
    極またはこのゲート電極と同じ幅を有するホトレジスト
    をマスクとしてSiなどの中性元素を斜め方向よりイオン
    注入し、上記チャネル領域の上記二つのソース・ドレイ
    ン領域近傍を非晶質化する工程と、500 ℃〜650 ℃の熱
    処理により、上記チャネル領域内の非晶質化されずに残
    った領域のSi結晶を核として、少なくとも上記チャネル
    領域内の非晶質化した領域を横方向に再結晶成長する工
    程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 二つのソース・ドレイン領域と、この二
    つのソース・ドレイン領域の内側にオフセット領域また
    はLDD領域と、さらにこのオフセット領域またはLD
    D領域の内側にチャネル領域とを形成したSi薄膜を有す
    る薄膜トランジスタにおいて、(1)上記オフセット領
    域またはLDD領域の少なくとも上記チャネル領域近傍
    の結晶粒径、(2)上記オフセット領域またはLDD領
    域の少なくとも上記二つのソース・ドレイン領域近傍の
    結晶粒径および(3)上記二つのソース・ドレイン領域の
    上記オフセット領域またはLDD領域近傍の結晶粒径、
    のうち少なくとも上記(1)〜(3)のいずれか一つを
    他の領域のSi薄膜の結晶粒径より大粒径化したことを特
    徴とする薄膜トランジスタ。
  6. 【請求項6】 大粒径化した結晶粒径がSi薄膜の膜面に
    平行な方向に長径を有することを特徴とする請求項第5
    項に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 【請求項7】 絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成した
    後、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程
    と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注入
    して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソー
    ス・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLDD
    領域と、このオフセット領域またはLDD領域の内側に
    上記ゲート電極と同じ幅を有するチャネル領域とを形成
    する工程と、上記ゲート電極またはこのゲート電極と同
    じ幅を有するホトレジストをマスクとしてSiなどの中性
    元素をイオン注入して、上記二つのソース・ドレイン領
    域および上記オフセット領域またはLDD領域を非晶質
    化する工程と、500 ℃〜650 ℃の熱処理により、少なく
    とも非晶質化した上記オフセット領域またはLDD領域
    の上記チャネル領域近傍を、上記チャネル領域の多結晶
    Siを核として横方向に再結晶成長させる工程とを有する
    ことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成した
    後、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程
    と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注入
    して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソー
    ス・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLDD
    領域と、このオフセット領域またはLDD領域端の内側
    に上記ゲート電極と同じ幅を有するチャネル領域とを形
    成する工程と、上記ゲート電極またはこのゲート電極と
    同じ幅を有するホトレジストをマスクとしてSiなどの中
    性元素をイオン注入して、上記二つのソース・ドレイン
    領域および上記オフセット領域またはLDD領域を非晶
    質化する工程と、上記二つのソース・ドレイン領域が結
    晶化し上記オフセット領域またはLDD領域が結晶化し
    ない条件で熱処理する工程と、500 ℃〜650 ℃の熱処理
    により、非晶質化した上記オフセット領域またはLDD
    領域の少なくとも上記二つのソース・ドレイン領域およ
    び上記チャネル領域近傍を、結晶化した上記二つのソー
    ス・ドレイン領域の多結晶Si結晶および上記チャネル領
    域の多結晶Siを核として、横方向に再結晶成長させる工
    程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 絶縁性基板上に多結晶Si薄膜を形成した
    後、上記多結晶Si薄膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程
    と、上記Si薄膜にリン、ホウ素等の不純物をイオン注入
    して、二つのソース・ドレイン領域と、この二つのソー
    ス・ドレイン領域の内側にオフセット領域またはLDD
    領域と、このオフセット領域またはLDD領域の内側に
    上記ゲート電極と同じ幅を有するチャネル領域とを形成
    する工程と、上記ゲート電極またはこのゲート電極と同
    じ幅を有するホトレジストをマスクとして斜め方向から
    Siなどの中性元素をイオン注入して、上記チャネル領域
    の上記オフセット領域またはLDD領域近傍、上記オフ
    セット領域またはLDD領域および上記二つのソース・
    ドレイン領域を非晶質化する工程と、500 ℃〜650 ℃の
    熱処理により、(1)上記チャネル領域の上記オフセッ
    ト領域またはLDD領域近傍、(2)上記オフセット領
    域またはLDD領域の上記チャネル領域近傍、(3)上
    記オフセット領域またはLDD領域の上記二つのソース
    ・ドレイン領域近傍および(4)上記二つのソース・ド
    レイン領域の上記オフセット領域またはLDD領域近
    傍、のうち上記(1)、(1)〜(2)、(1)〜
    (3)もしくは(1)〜(4)を、上記チャネル領域内
    の非晶質化されずに残った領域の多結晶Siを核として横
    方向に再結晶成長させる工程とを有することを特徴とす
    る薄膜トランジスタの製造方法。
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