JP3532818B2 - 農業用カーテン資材の劣化防止法 - Google Patents

農業用カーテン資材の劣化防止法

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JP3532818B2
JP3532818B2 JP2000049989A JP2000049989A JP3532818B2 JP 3532818 B2 JP3532818 B2 JP 3532818B2 JP 2000049989 A JP2000049989 A JP 2000049989A JP 2000049989 A JP2000049989 A JP 2000049989A JP 3532818 B2 JP3532818 B2 JP 3532818B2
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正之 江上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用カーテン資
材の劣化防止法に関し、詳しくは農業用カーテン資材の
耐久性を更に向上させる方法を低コストで実現する農業
用カーテン資材の劣化防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用ハウス内において各種作物
を栽培するハウス栽培においては、夏場は日中の強い日
差しによるハウス内温度の過上昇防止、冬場はハウス内
温度の維持のために、カーテン資材を適宜ハウス内の天
部に拡げ、ハウス内環境を良好にして、作物の健全育成
をすることが行われている。
【0003】かかるカーテン資材としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエステル等の合成樹脂製素材を用いて形成された織布
又は不織布からなる農業用カーテン資材が知られてお
り、遮光性能及び保温性能において優秀な機能を有する
ことから農業生産者に受け入れられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】農業用カーテン資材
は、使用時にはハウス内の天部を被覆するように展張さ
れ、非使用時には、折り畳んだり、巻き上げたりするこ
とにより、ハウスの大きさ等に応じてハウスの天井頂部
内側や天井裾部内側に収納保持されるようになっている
が、特に非使用時にハウスの天井頂部内側に収納保持さ
れた農業用カーテン資材は、天井裾部内側に収納保持さ
れた農業用カーテン資材に比べて早期に強度低下、破れ
等の劣化を起こし、耐用年数が短いという問題が見られ
る場合があることがわかった。
【0005】本発明者は、かかる農業用カーテン資材の
劣化の問題について鋭意検討したところ、次のような知
見を得た。
【0006】農業用ハウスを構成しているハウス栽培用
資材には、なるべく自然に近い太陽光を栽培作物に照射
させるために、太陽光の紫外線(波長350nm以下)
を透過(平均透過率50%以上)させるように機能する
ものがある。このように太陽光の紫外線を透過させる理
由は、紫外線がナスの果色や花の発色を良好にして商品
価値を高めるばかりでなく、イチゴやメロン栽培等にお
ける交配用ミツバチの活動にとっても紫外線の存在が重
要だからであるが、農業用カーテン資材の劣化は、この
紫外線を透過させる機能を有するハウス栽培用資材を用
いて構成された農業用ハウスに集中していることがわか
った。
【0007】従って、農業用カーテン資材の劣化をもた
らす原因は、この太陽光の紫外線によるものと考えら
れ、非使用時にハウスの天井裾部内側に収納保持された
農業用カーテン資材に比べ、ハウスの天井頂部内側に収
納保持された農業用カーテン資材において劣化が発生す
るのは、その収納保持される位置がハウスの最上部であ
るために、非使用時といえども日中は常に直射日光に晒
されており、日中の紫外線の照射量が多く、これが原因
で早期に劣化を引き起こすものと考えられる。
【0008】このような紫外線による劣化を防止するに
は、一般に太陽光を遮断するための遮蔽板等を農業用カ
ーテン資材の上方に設けることが考えられるが、ハウス
内の栽培作物上に影を発生させてしまうため到底採用で
きない。
【0009】このため、本発明者は農業用カーテン資材
に紫外線吸収剤を塗布したり、樹脂素材中に紫外線劣化
防止剤を混入することを試みたが、コストが大幅に増加
するために実用的ではなく、また、意外にも劣化改善効
果の向上はあまり見られなかった。
【0010】そこで本発明は、農業用カーテン資材の耐
久性を更に向上させる方法を、ハウス内の栽培作物の好
適環境を破壊することなく低コストで実現することを課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解決するために鋭意検討した結果、農業用カーテン資
材の劣化は、太陽光の紫外線のみによって引き起こされ
るのではなく、農業用カーテン資材に照射される太陽光
の直達光も影響していることを突き止めることにより本
発明に至ったものであり、本発明に係る農業用カーテン
資材の劣化防止方法は、紫外線(波長350nm以下)
の平均透過率が50%以上のハウス栽培用資材を用いて
形成された農業用ハウスの天井頂部内側に、合成樹脂製
素材を用いて形成された織布又は不織布からなる農業用
カーテン資材を非使用時に収納保持してなる農業用ハウ
スにおいて、前記ハウス栽培用資材と農業用カーテン資
材との間に、可視光(波長400nm〜700nm)の
平均透過率が85〜95%、紫外線(波長350nm以
下)の平均透過率が50%以下であり、且つ、HAZE
が1〜50である特性を有する透明材を介在させ、該透
明材により紫外線量と直達光量が調整された太陽光が農
業用カーテン資材へ照射されるようにしたことを特徴と
する。
【0012】透明材の配置する好ましい態様としては、
透明材を、収納保持された農業用カーテン資材の上方
に、農業用ハウスの長手方向から見て、三角形状、湾曲
状又は水平状のいずれかに配置することである。
【0013】また、透明フィルムからなる透明材を、農
業用カーテン資材の収納保持部位に該農業用カーテン資
材の下面側に丸めて保持し、収納保持された農業用カー
テン資材に対し、上記透明材を拡げて該農業用カーテン
資材を包むように被覆することも好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る農業用カーテン資材
の劣化防止方法は、紫外線(波長350nm以下)の平
均透過率が50%以上のハウス栽培用資材を用いて形成
された農業用ハウスの天井頂部内側に、合成樹脂製素材
を用いて形成された織布又は不織布からなる農業用カー
テン資材を非使用時に収納保持してなる農業用ハウスに
おいて、前記ハウス栽培用資材と農業用カーテン資材と
の間に、可視光(波長400nm〜700nm)の平均
透過率が85〜95%、紫外線(波長350nm以下)
の平均透過率が50%以下であり、且つ、HAZEが1
〜50である特性を有する透明材を介在させ、該透明材
により紫外線量と直達光量が調整された太陽光が農業用
カーテン資材へ照射されるようにしたものである。
【0015】本発明が適用される農業用ハウスは、ハウ
ス栽培用資材の紫外線(波長350nm以下)の平均透
過率が50%以上のものである。このようなハウス栽培
用資材を用いて形成された農業用ハウスは、栽培作物に
自然に近い状態の太陽光を照射させ、良質の作物を育成
することができる。かかるハウス栽培用資材には、一般
に透明樹脂フィルム、例えば透明ポリオレフィン樹脂フ
ィルムが用いられる。
【0016】農業用カーテン資材は、夏場の日差しが強
い時や冬場に保温が必要な時、その他必要に応じてハウ
ス内の天部に展張して被覆することにより、ハウス内の
栽培作物にとって良好な環境を提供するためものであ
り、非使用時には、該ハウスの天井頂部内側において、
ハウスの長手方向に沿って延びる巻芯に巻き付けられ、
或いはハウスの天井頂部側に向けてたくし上げるように
折り畳まれて収納保持される。
【0017】かかる農業用カーテン資材としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂
製素材を用いて形成された織布又は不織布からなる農業
用カーテン資材が挙げられる。例えばポリエステルの織
布からなる農業用カーテン資材は、特願平11−139
840号の記載を参照できる。
【0018】本発明において、透明材は、上記ハウス栽
培用資材と農業用カーテン資材との間に介在され、該農
業用カーテン資材に照射される太陽光の紫外線と直達光
を調整することにより、農業用カーテン資材の劣化を防
止するものである。
【0019】この目的を達成するため、本発明における
透明材は、可視光(波長400nm〜700nm)の平
均透過率が85〜95%の範囲である。85%未満では
透明材自体が影を形成してしまうため好ましくない。透
明材が太陽光に対する遮光材として機能してしまい、栽
培作物の健全な育成を図ることができなくなる虞れがあ
るためである。上限を95%としたのは、プラスチック
の透過率のほぼ最高値であるためである。88%以上が
より好ましい。
【0020】また、透明材は紫外線(波長350nm以
下)の平均透過率が50%以下である。50%を超える
と農業用カーテン資材の紫外線による劣化の影響が大き
くなる。好ましくは20%以下であり、より好ましくは
10%以下である。
【0021】更に、透明材のHAZE(測定方法:JI
S K−7105)は、1〜50の範囲である。このH
AZEの値は、光の散乱を意味しており、透明材が本発
明の範囲であれば、該透明材を透過した光は散乱し、農
業用カーテン資材への直達光が減少し、該農業用カーテ
ン資材表面或いはその周辺の温度上昇を防止できる。つ
まり、本発明では、紫外線の透過量の低下以外に直達光
の光量をも低下させて温度上昇を抑制し、その温度上昇
による農業用カーテン資材の劣化をも防止するものであ
る。
【0022】HAZEが1未満では光の散乱効果が小さ
く、農業用カーテン資材への直達光の減少を十分に図る
ことができない。また、50を越えると、入射光の表面
散乱が大きくなりすぎ、可視光の全透過率も低下するよ
うになり、透明材自体が影を形成してしまうため好まし
くない。より好ましいHAZEの値は、5〜30の範囲
である。
【0023】本発明に用いられる透明材は、フィルム
状、板状のいずれの形態を用いることもできる。透明材
の素材も、上記条件を満たす素材であれば特に限定され
ず、フィルム状とする場合は、熱可塑性樹脂を用いるこ
とができ、板状とする場合は、ガラス、熱硬化性樹脂を
用いることができる。中でも、作業性及びコストの観点
からポリオレフィン系樹脂製の透明フィルムが好まし
い。
【0024】透明フィルムの場合に好ましく用いられる
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、
直鎖低密度ポリエチレン等のα−オレフィンの単独重合
体やα−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重
合体であり、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン1共重合体、エチレン−4−メチル−1
−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エ
チレン−オクテン共重合体、エチレン−デセン共重合体
等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマ
ー共重合体などが挙げられる。これらの樹脂は単独又は
ブレンドして使用することができる。この他にポリ塩化
ビニル等の軟質フィルムも使用できる。
【0025】上記ポリオレフィン系樹脂の中でも、特に
好ましいのはα−オレフィン単独重合体、α−オレフィ
ン共重合体及びエチレン酸酢ビニル共重合体である。
【0026】上記樹脂中には、紫外線の平均透過率が5
0%以下となるように紫外線吸収剤が添加される。紫外
線吸収剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾー
ル、オキザリックアシッドアニリド、二酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化セリウム等を用いることができる。中で
も、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールが好ましい。
【0027】また、HAZEを1〜50の範囲に調整す
るためには、透明フィルムに無機充填材を含有させた
り、或いはフィルム表面を粗面化することが好ましい。
処理はフィルムの片面のみでもよい。
【0028】無機充填材としては、炭酸カルシウム、タ
ルク、シリカ、アルミナ、ゼオライト等が挙げられる。
【0029】フィルム表面を粗面化する方法としては、
エンボス加工、サンドブラスト加工、火炎処理加工等が
ある。
【0030】その他、必要に応じて、耐候安定剤、酸化
防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、無滴剤等、農業
用樹脂フィルムに使用される各種添加剤を添加すること
もできる。
【0031】フィルムを製造する方法としては、例えば
インフレ押出成形、Tダイ押出成形等、適宜公知の成形
方法を用いることができる。
【0032】透明材として熱硬化性樹脂製の板材を用い
る場合も、同様に樹脂中への紫外線吸収剤の添加、無機
充填材の添加或いは表面の粗面化により上記諸条件を満
足する透明材を得ることができる。
【0033】また、透明材として透明ガラスを用いる場
合、無機充填材を添加したり表面を粗面化したガラスの
両面又は片面に紫外線吸収剤を含有する塗料を塗布する
ことにより、上記諸条件を満足する透明材を得ることが
できる。
【0034】次に、かかる透明材を張設する場合の具体
的態様を、透明材として熱可塑性樹脂製の透明フィルム
を用いた場合について、図面に基づいて説明する。
【0035】図1は、農業用ハウスの構造を長手方向に
沿う方向から見た断面で示しており、図中、1は農業用
ハウス、2はハウス栽培用資材、3は農業用カーテン資
材、4は栽培作物、5は透明材である。
【0036】農業用カーテン資材3は、図示例では、ハ
ウス1の長手方向に沿って延びる梁7に一端が固定さ
れ、他端が巻芯3aに巻き付けられており、使用時に
は、ハウス1内の天部中央から下方に傾斜しながらハウ
ス1の長手方向の左右両側に向って延びており、且つハ
ウス1の長手方向に沿って適宜間隔毎に多数設けられて
いるワイヤー6に下面が支持されながら、該ワイヤー6
上を巻芯3aから農業用カーテン資材3が繰り出されつ
つ張設され、ハウス1内の天部を覆い、農業用カーテン
資材3の非使用時には、張設された農業用カーテン資材
3を梁7に向けて巻芯3aに巻き付けながら、ワイヤー
6に沿って巻取って行き、図示するように天井頂部内側
に収納される態様を示している。
【0037】ハウス栽培用資材2と農業用カーテン資材
3との間に介在される透明材5の張設態様は、収納保持
された農業用カーテン資材3の上方に、ハウス1の長手
方向に沿う方向から見て、三角形状、湾曲状、水平状と
することが挙げられる。
【0038】透明材を三角形状に張設する場合、図2
(a)に示すように、ハウスの長手方向に沿って、梁a
をそれぞれ三角形の頂点をなすように3本配置して透明
材5を支持することによって三角形状に張設することが
できる。透明材5を梁aに固定するには、例えばパッカ
ー等の適宜の固定具を用いればよい。
【0039】透明材を湾曲状に張設する場合、図2
(b)に示すように、梁aの本数を三角形状のものから
適宜増加させることによって湾曲状態を作り出すことが
できる。また、湾曲状に形成した骨材(図示せず)をハ
ウスの長手方向に沿って適宜間隔をおいて配設し、各骨
材に亘って透明材を張設するようにしてもよい。
【0040】透明材を水平状に張設する場合、図2
(c)に示すように、ハウスの長手方向に沿って配置し
た2本の梁a、aに透明材5を架け渡すことによって張
設することができる。
【0041】透明材5を農業用カーテン資材3上方に確
実に張設するためには、梁aの本数は多いほうが望まし
いが、本数が増えると、栽培作物4に対して梁が影を形
成してしまい、また張設作業も煩雑となる上にコストも
かかるため、図2(a)の如く3本の梁aによって三角
形状となるように透明材5を張設することが最も好まし
い。透明材5を恰も傘のように上から被せるようにする
ことによって、収納保持された農業用カーテン資材3全
体を確実に被覆できる上に、栽培作物4に与える影響も
少なくできるからである。
【0042】なお、透明材5を張設するには、以上説明
した梁aの代わりにワイヤーや単線を使うこともでき
る。
【0043】このように透明材5を農業用カーテン資材
3の上方に介在させる場合は、収納保持されている農業
用カーテン資材3に可及的に近接させて配置させること
が好ましい。透明材5を透過することにより紫外線の透
過量が低下した光が栽培作物4に照射されるのを極力防
止し、直下の農業用カーテン資材3のみに照射されるよ
うにするためである。具体的には、図2(a)の例を用
いて示すと、透明材5の最下端と収納保持された状態の
農業用カーテン資材3の最上端との間の距離L1が30
cm以内であることが好ましい。
【0044】また、透明材5は、農業用カーテン資材3
全体に亘って劣化防止を期するため、収納保持された状
態の農業用カーテン資材3の収納幅よりも広幅に張設さ
れることが好ましく、具体的には、同様に図2(a)の
例を用いて示すと、透明材5の最側端と収納保持された
農業用カーテン資材3の最側端との間の距離L2が、好
ましくは1cm〜100cm、より好ましくは1cm〜
50cm、更に好ましくは5〜10cmとなるように、
透明材5が農業用カーテン資材3の長手方向左右両側に
それぞれ延出していることが好ましい。100cmを越
えると透明材5を透過した光の割合が大きくなって栽培
作物4への全照射量が少なくなり好ましくない。
【0045】なお、上記の態様では、農業用カーテン資
材3が、ハウス1の天井頂部内側においてハウス1の長
手方向に沿って延びる巻芯3aに巻き付けられた例を挙
げて説明したが、農業用カーテン資材3がハウス1の天
井頂部に向けてたくし上げるように折り畳まれて収納保
持される場合も同様にして透明材5を張設してその劣化
を防止することができる。
【0046】また、上記態様では、巻芯3aに巻き付け
られた2本の農業用カーテン資材3がハウス1の天井頂
部内側に収納保持される場合を示したが、1本の農業用
カーテン資材3が天井頂部内側に収納保持される場合も
同様にして透明材5を張設できることはもちろんであ
る。
【0047】図3は、透明フィルムからなる透明材を張
設する場合の他の態様を示す説明図である。
【0048】この態様において、透明材5は、一端が農
業用カーテン資材3の一端及びワイヤー6の一端を固定
している梁7に固定され、他端がハウス1の長手方向に
沿って設けられた巻芯5aに巻き付けられ、農業用カー
テン資材3の下側、具体的には収納保持された農業用カ
ーテン資材3の一方31とワイヤー6との間に位置して
丸めて収納保持されている(図3(a))。
【0049】然して、農業用カーテン資材3の使用時に
は、一方の農業用カーテン資材31の下側に丸めて保持
されている透明材5を覆うように農業用カーテン資材3
1をワイヤー6に沿って展張し(図3(b))、ハウス
内の環境を調整する。そして、農業用カーテン資材3の
非使用時には、図3(a)の如く巻芯3aに巻き上げら
れて収納保持された農業用カーテン資材3に対し、丸め
て保持されている透明材5を拡げ、一方の農業用カーテ
ン資材31の上方から他方の農業用カーテン資材32に
亘って包むように被覆する(図3(c))。
【0050】このように透明材5を被覆するには、巻芯
5aの一端に図示しない回転機及びハンドルを設け、ハ
ンドルの回転操作によって巻芯5aを図3(a)の状態
から図3(c)の状態へと回動させるようにすればよ
い。
【0051】このように透明材5を被覆すれば、透明材
5の透過光は農業用カーテン資材3のみに照射され、下
方の栽培作物4への照射を極力少なくすることができる
ため、透明材5の透過光が栽培作物4に与える影響を最
も小さくすることができる。
【0052】この態様においても、農業用カーテン資材
3は1本のみであっても同様に透明材5を被覆すること
ができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
かかる実施例によって本発明が限定されるものではな
い。
【0054】農業用ハウス みかど化工(株)の実験農場(千葉県市原市)内に、ハ
ウス栽培用資材として「スーパーソーラー」(みかど化
工(株)の商品名、紫外線平均透過率75%)を使用し
た間口4.5m×長さ15mの農業用ハウスを6棟設け
た。
【0055】農業用カーテン資材 農業用カーテン資材として、「サンソフター」(みかど
化工(株)の商品名、ポリエステル製)を用いて巻芯に
巻き付け、図1に示すように上記各農業用ハウスの天井
頂部内側にそれぞれ配置した。
【0056】透明材1〜6の製造 ポリオレフィン系樹脂として、低密度ポリエチレンを用
い、該樹脂中に、紫外線の平均透過率、可視光の平均透
過率及びHAZEの各値が表1に示す値となるように、
紫外線吸収剤:ベンゾフェノンの添加量、無機充填材:
ゼオライトの添加量を調整し、インフレ押し出し成形法
により、厚さ50μm、長さ15m×幅1mのフィルム
状の透明材1、2、5、6を得た。
【0057】また、市販の一般農ビフィルム(厚さ50
μm、長さ15m×幅1m)を用いて透明材3とした。
【0058】更に、市販の紫外線透過農ビフィルム(厚
さ50μm、長さ15m×幅1m)を用いて透明材4と
した。
【0059】これら透明材1〜6を前記6棟の農業用ハ
ウスにそれぞれ振り分け、各農業用ハウス内に図2
(a)に示す態様の如く張設した。
【0060】評価 上記透明材1〜6がそれぞれ張設された各農業用ハウス
を、平成11年3月8日〜平成11年11月8日の8ヶ
月間に亘って使用した後に、農業用カーテン資材の強度
低下の状況について、その引裂伝播抵抗を測定して、以
下の通りに評価した。なお、引裂伝播抵抗は、農業用カ
ーテン資材に切れ目を入れ、引き裂いていくときの抵抗
をkgで表したものである。
【0061】 ○:1kg以上 ×:0.5kg以上1kg未満 ××:0.5kg未満
【0062】
【表1】
【0063】なお、透明材5、6は、透明材自体が影を
形成してしまい、農業用ハウス内に張設するには不適で
あった。
【0064】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、従来の農
業用カーテン資材よりも耐久性を更に向上させる方法を
ハウス用フィルムによって形成された栽培作物の好適環
境を破壊することなく低コストで実現する方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した農業用ハウスの構成の概要を
示す断面図
【図2】透明材の張設態様を示す説明図
【図3】透明材の他の張設態様を説明する説明図
【符号の説明】
1:農業用ハウス 2:ハウス栽培用資材 3:農業用カーテン資材 3a:巻芯 4:栽培作物 5:透明材 6:ワイヤー 7:梁 31:一方の農業用カーテン資材 32:他方の農業用カーテン資材 a:梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 9/14 - 9/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線(波長350nm以下)の平均透過
    率が50%以上のハウス栽培用資材を用いて形成された
    農業用ハウスの天井頂部内側に、合成樹脂製素材を用い
    て形成された織布又は不織布からなる農業用カーテン資
    材を非使用時に収納保持してなる農業用ハウスにおい
    て、前記ハウス栽培用資材と農業用カーテン資材との間
    に、可視光(波長400nm〜700nm)の平均透過
    率が85〜95%、紫外線(波長350nm以下)の平
    均透過率が50%以下であり、且つ、HAZEが1〜5
    0である特性を有する透明材を介在させ、該透明材によ
    り紫外線量と直達光量が調整された太陽光が農業用カー
    テン資材へ照射されるようにしたことを特徴とする農業
    用カーテン資材の劣化防止方法。
  2. 【請求項2】透明材を、収納保持された農業用カーテン
    資材の上方に、農業用ハウスの長手方向から見て、三角
    形状、湾曲状又は水平状のいずれかに配置することを特
    徴とする請求項1記載の農業用カーテン資材の劣化防止
    法。
  3. 【請求項3】透明フィルムからなる透明材を、農業用カ
    ーテン資材の収納保持部位に該農業用カーテン資材の下
    面側に丸めて保持し、収納保持された農業用カーテン資
    材に対し、上記透明材を拡げて該農業用カーテン資材を
    包むように被覆することを特徴とする請求項1記載の農
    業用カーテン資材の劣化防止法。
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