JP2003191392A - 農業用フィルム - Google Patents
農業用フィルムInfo
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Abstract
果を低下させない農業用フィルムを提供すること、及
び、フィルム表面が汚れてもその汚れを簡単に落とせる
農業用フィルムを提供すること。 【解決手段】ベース樹脂がポリオレフィン系樹脂である
多層フィルムであり、少なくとも黒色層、白色層及び透
明層の3層からなり、白色層の二酸化チタン濃度(wt
%)の数値と厚さ(μm)の数値の積が500以上であ
ることを特徴とする農業用フィルム。
Description
を覆い作物の生育に好適な環境を構築するマルチと称さ
れる農業用フィルムに関し、詳しくは高温期に畑地を覆
い、地温の上昇を抑制し、作物に好適な栽培環境にする
農業用フィルムに関する。
又は部分的に敷設することで、その強力な反射光で果実
の着色を増進させたり、根への雨水の浸入を防止し、果
実糖度をコントロールしたりする農業フイルムに関す
る。以下の説明は地温を抑制するマルチフイルムにつき
説明するが、用途はこれに限定するものではない。
コシを始め、野菜、花卉、果樹等)の栽培に、農業用マ
ルチフィルムが用いられている。
によって、土中水分保持、土壌膨軟性の保持、肥料流亡
防止、地温の上昇と抑制、初期成育の促進、初期収量の
増加、生産の多収安定化等の諸効果が達成される。
酸化チタンやアルミ微粒子をフィルムに配合して太陽光
線を反射させて地温の上昇を防ぐ反射フィルムが知られ
ている。
の低下がせいぜい裸地程度であり、不十分である。地温
の抑制効果が低いと、たとえ1℃程度の上昇でも根の活
動に影響し、積算すると植物の生育を大幅に遅らせたり
あるいは枯死させるという植物栽培に致命的な問題があ
る。
にすることが出来、栽培の難しい高温期の栽培に使用す
ることにより、作物を良い栽培環境で育て、生育促進さ
せ病害も低減することが出来る農業フィルムを先に提案
した(特願平11−220513号参照)。この農業フ
ィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる多層フィルム
であり、一方の面が黒色層で他方の面が白色層であり、
白色層の二酸化チタン濃度(wt%)の数値と厚さ(μ
m)の数値の積が500以上であり、フィルム面に実質
的に均等に孔径1mm以下の孔を設け、かつ該孔の全面
積がフィルム1m2当たり1000mm2以上であること
を特徴とする。
ィルムを用いて地温測定及び栽培テストを実施し、次の
知見を得た。
で、二酸化チタン粉末(白色顔料)を多量に含むフィル
ムである(以下、先行高反射フィルムという。)。
汚れがひどいことがわかった。かかるフィルム汚れのた
め、白色層の反射率が低下し、地温上昇抑制効果が低下
していく。即ち、先行高反射フィルムの効果が経時に併
ない悪い方向に変化して行ってしまう。
ために、成形上、また強度や耐候性等の面で、品質上可
能なレベルまで、白色顔料の濃度をアップし、またフィ
ルム厚みも厚くしてあり、従来のマルチフィルムに比較
すると、はるかにコストアップしている(約2〜3
倍)。
中心であり、一日の使用では償却できないし、またフィ
ルム強度も十分なので、省資源化という面からすると2
〜3回使用することが好ましい。
フィルム性能が低下し、1作目の地温低下効果は十分発
揮されたのに、2作目には効果が発揮されないことにな
る。
従来のマルチフィルムに比較して除去するのが難しい。
即ち、従来のマルチフィルムなら、降雨や簡単な水洗い
で除去できたが、先行高反射フィルムでは、この程度の
対処では除去できず、一部の汚れは残ってしまう問題が
ある。
は、フィルム表面の汚れを防止し、地温上昇抑制効果を
低下させない農業用フィルムを提供することにある。
汚れてもその汚れを簡単に落とせる農業用フィルムを提
供することにある。
項1記載の農業用フィルムは、ベース樹脂がポリオレフ
ィン系樹脂である多層フィルムであり、少なくとも黒色
層、白色層及び透明層の3層からなり、白色層の二酸化
チタン濃度(wt%)の数値と厚さ(μm)の数値の積
が500以上であることを特徴とする。
度(wt%)の数値と厚さ(μm)の数値の積は800
以上が好ましく、1000以上がより好ましい。
低密度ポリエチレン(LLDPE)やメタロセンポリエチレン
であることが好ましい。
フィルムにおいて、汚れの原因や汚れが落ちにくい原因
について検討した結果、本発明者は、高フィラー含有に
より白層表面の凹凸が増し、また一部フィラーは表面に
露出し、またはそれに近い状態となり、汚れが付着し易
く、しかも除去し難いことを見出した。
が強く、これをフィルムに練込み添加すると、フィルム
が帯電し易くなり、ホコリ微粉体を付着し易く、しかも
除去し難い。また、ホコリと同じく、微生物(菌類、藻
類、地衣類等)の胞子類も付着し易く、付着表面で繁殖
し易い傾向もある。これも汚れを引き起こし、しかも簡
単に除去できない種類の原因ともなることがわかった。
する。
層、透明層の少なくとも3層構成であればよい。この多
層フィルムはベース樹脂としてポリオレフィン系樹脂を
用いた軟質の多層フィルムである。
リエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、メタロセンポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDP
E)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げら
れ、その他軟質材料であればよい。軟質材料としては、
ポリ塩化ビニル(PVC)ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−
酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノ
マー共重合体等が挙げられる。
として好ましいのは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセンポリエチレ
ンであり、より好ましいのは、強度、柔軟性、耐候性、
光反射性、耐汚染性、あるいはある程度の耐熱性を発揮
する観点から、エチレン−ブテン1共重合体、エチレン
−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキ
セン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン
−デセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合
体からなる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や、これ
らをシングルサイト触媒を用いて重合したメタロセンポ
リエチレンで、最も好ましいのはメタロセンポリエチレ
ンである。
を添加して得られる。かかるカーボンブラックの添加量
は、特に限定されないが、1〜10wt%の範囲が好ま
しい。
ることが好ましく、より好ましくは、5〜20μmの範
囲である。
によって測定することが出来る。
値と厚さ(μm)の数値の積は500以上である。かか
る要件を満足するには、二酸化チタン濃度の数値を上げ
るか、あるいは白色層の厚みを増すか、あるいは二酸化
チタン濃度の数値を上げると共に白色層の厚みを増す方
法がある。
値と厚さ(μm)の数値の積が800以上であることが
好ましく、その積が1000以上であることがより好ま
しい。
観察によって測定することが出来る。
加剤を含有してもよい。添加剤としては、酸化防止剤、
耐候安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤等が挙げられ
る。
温剤、低含量の二酸化チタンなど)を含有していてもよ
い。
く、より好ましくは3〜30μmの範囲である。
ては、例えばインフレ共押出成形、Tダイ共押出成
形、多層カレンダー、多層2軸延伸、などの成形方
法により、3層を同時に形成することができるが、黒色
層と白色層を上記方法により一体成形し、透明層を貼り
合わせてもよい。
かかる実施例によって本発明が限定されるものではな
い。
(メタロセンポリエチレン)の2種類を用いた。 LLDPE: 比重0.920、メルトフロレート 1 メタロセンPE:比重0.915、メルトフロレート
2
濃度は、各試料により二酸化チタン濃度(wt%)と厚
み(μm)の積が表1に示す値になるようにして決定し
た。
入した。
0℃の温度で溶融混練し、1台のインフレーション成形
ダイに供給してダイ内で溶融フィルム同士を接着させ、
次いでチューブ状に押し出した後ブローアップして冷却
し成形して多層フィルム試料1〜10を得た。各層の厚
みは表1に示す。
を用いて、みかど化工株式会社の試験農場においてマル
チ敷設試験を行った。
本の試験列を作成し、該畦面上に各々の農業用フィルム
を敷設した。なお、参考試験としてフィルムを敷設しな
い畦を1本設けた。
3日(晴天)外気温 37℃において実施した。さらに
7月21日に同じ試験列を作成して各々の新しい試験フ
イルムを同様に敷設し、7月23日に測定を実施した。
度計を使用してフィルム被覆下7cmの位置で測定し
た。その結果を表1に示した。
イルムを敷設しない畦にフイルムを敷設した畦と同じ7
cmの深さに設置した熱電対温度計を使用して、他の畦
と同時に温度を記録してその差を読みとった。その結果
を表1に示した。
フイルムを採取して紫外可視分光光度計で420nmの
反射率を求め、敷設前のフイルムの反射率と比較して反
射率の低下から汚れの程度を評価した。その結果を表1
に示した。
フイルムは高い光反射率を維持しており、実際の農業用
途に使用して長期間地温を低下させることが出来る。
表面の汚れを防止し、地温上昇抑制効果を低下させない
農業用フィルム、フィルム表面が汚れてもその汚れを簡
単に落とせる農業用フィルムを提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】ベース樹脂がポリオレフィン系樹脂である
多層フィルムであり、少なくとも黒色層、白色層及び透
明層の3層からなり、白色層の二酸化チタン濃度(wt
%)の数値と厚さ(μm)の数値の積が500以上であ
ることを特徴とする農業用フィルム。 - 【請求項2】白色層の二酸化チタン濃度(wt%)の数
値と厚さ(μm)の数値の積が800以上である請求項
1記載の農業用フィルム。 - 【請求項3】白色層の二酸化チタン濃度(wt%)の数
値と厚さ(μm)の数値の積が1000以上である請求
項1記載の農業用フィルム。 - 【請求項4】ベース樹脂が直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)であることを特徴とする請求項1、2又は3記載
の農業用フィルム。 - 【請求項5】ベース樹脂がメタロセンポリエチレンであ
ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農業用フ
ィルム。
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