JP3532281B2 - ねじ式軸送り機構の位置決め制御方法 - Google Patents
ねじ式軸送り機構の位置決め制御方法Info
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Description
ねじ式軸送り機構の位置決め制御方法に関し、特にワー
クテーブルなどの軸送り台を高速移動させるねじ式軸送
り機構の位置決め制御方法に関するものである。
軸送り台を高速移動させるねじ式軸送り機構として、固
定部材に回転可能に装着され軸送り台の軸送り方向に延
在する送りねじ軸と、前記軸送り台に回転可能に装着さ
れ前記送りねじ軸と螺合したナット部材と、前記送りね
じ軸を回転駆動するモータなどのねじ軸回転駆動手段
と、前記軸送り台に搭載され前記ナット部材を回転駆動
するモータなどのナット回転駆動手段とを有し、前記ね
じ軸回転駆動手段と前記ナット回転駆動手段の同時駆動
によって送り速度の高速化を実現するねじ式軸送り機構
は既に提案されており、これは特開平5−215195
号公報に示されている。
構においては、ねじ軸回転駆動手段と前記ナット回転駆
動手段の同時駆動によって送り速度が高速化する反面、
停止時の軸送り台の位置決め精度が低下する。
ークテーブルの場合、ワークテーブルの位置決め精度の
低下により製品精度に影響が及ぶ。
されたものであり、送り速度の高速化と軸送り台の位置
決め精度の維持とを両立するねじ式軸送り機構の位置決
め制御方法を提供することを目的としている。
め、本発明によるねじ式軸送り機構の位置決め制御方法
は、固定部材に回転可能に装着され軸送り台の軸送り方
向に延在する送りねじ軸と、前記軸送り台に回転可能に
装着され前記送りねじ軸と螺合したナット部材と、前記
送りねじ軸を回転駆動するねじ軸回転駆動手段と、前記
軸送り台に搭載され前記ナット部材を回転駆動するナッ
ト回転駆動手段とを有するねじ式軸送り機構の位置決め
制御方法において、前記ねじ軸回転駆動手段と前記ナッ
ト回転駆動手段とを同時駆動し、前記送りねじ軸の回転
停止と前記ナット部材の回転停止とに時間差が生じるべ
く前記ねじ軸回転駆動手段と前記ナット回転駆動手段の
駆動停止を行い、回転停止が遅い側の回転駆動手段の減
速制御により前記軸送り台の位置決めを行うことを特徴
としている。
制御方法においては、前記ねじ軸回転駆動手段と前記ナ
ット回転駆動手段の減速開始に時間差を与えること、あ
るいは前記ねじ軸回転駆動手段と前記ナット回転駆動手
段の減速度に差を与えることの少なくとも何れか一方に
より、前記送りねじ軸の回転停止と前記ナット部材の回
転停止とに時間差を生じせしめることを詳細な特徴とし
ている。
制御方法においては、回転停止が遅い側の回転駆動手段
は前記ねじ軸回転駆動手段、あるいは前記ナット回転駆
動手段の何れかであることを詳細な特徴としている。
とナット回転駆動手段の減速開始に時間差を与えるこ
と、あるいはねじ軸回転駆動手段とナット回転駆動手段
の減速度に差を与えることの少なくとも何れか一方によ
り、送りねじ軸の回転停止とナット部材の回転停止とに
時間差が生じ、回転停止が遅い側の回転駆動手段の減速
制御により軸送り台の位置決めが行われるから、この位
置決め時には軸送り台は送りねじ軸とナット部材の何れ
か一方のみを回転させる場合と同等の減速度にて減速し
て停止し、従来と同等の位置決め精度が得られる。
回転駆動手段の場合には、ねじ軸回転駆動手段による軸
送り台の位置決めによりナット駆動による軸送りの誤差
が補償される。
回転駆動手段の場合には、ナット回転駆動手段による軸
送り台の位置決めによりねじ軸駆動による軸送りの誤差
が補償され、またこのナット回転駆動の場合のほうがね
じ軸回転駆動に比して負荷イナーシャが小さいことによ
り誤差成分が低く、高精度の位置決めが行われる。
説明する。
施に使用するねじ式軸送り機構をタレットパンチプレス
のワークテーブルの送り機構に適用した実施例を示して
いる。図1において、符号1はワークテーブルを示して
おり、ワークテーブル1は図示されていないリニアガイ
ド機構に案内されて機械座標系のY軸方向(図にて左右
方向)に移動可能である。
に貫通する方向(X軸方向)に延在するキャレッジベー
ス3が固定装着されており、キャレッジベース3に取り
付けられたリニアガイドレール5にキャレッジ7がX軸
方向に移動可能に係合している。キャレッジ7にはキャ
レッジベース3より回転可能に支持されたX軸送り用の
ボールねじ軸9と螺合するナット部材11が回転可能に
取り付けられている。キャレッジベース3にはボールね
じ軸9を回転駆動するねじ軸駆動モータ13(図3参
照)が取り付けられ、キャレッジ7にはナット部材11
を回転駆動するナット駆動モータ15(図3参照)が取
り付けられている。
が取り付けられており、ワーククランプ装置17はワー
クテーブル1上にて被加工物である板材を把持する。
21、23によってY軸送り用のボールねじ軸25を回
転可能に支持している。ボールねじ軸25は、Y軸方向
に延在しており、一端にてフレーム19にブラケット2
7によって取り付けられたねじ軸駆動モータ29の出力
軸31にカップリング33により駆動連結されている。
ト35が固定装着され、ブラケット35はボール軸受3
7によりナット部材39を回転可能に支持している。
造が図2に示されている。ナット部材39はボール軸受
37のインナレースを兼ねたナット本体41とナット本
体41の両端に装着されたエンド部材43、45とによ
りボールねじ軸25の螺旋溝47と共働してボール49
の循環路51を構成している。
53によってプーリ55が一体的に取り付けられてい
る。
57が搭載されている。ナット駆動モータ57の出力軸
59にはプーリ61が取り付けられており、このプーリ
61とナット部材39のプーリ55とには無端のタイミ
ングベルト63が掛け渡されている。
施に使用する制御装置の一実施例を示している。
ており、パンチング・テーブル移動演算部101を含ん
でいる。パンチング・テーブル移動演算部101は、プ
ログラム指令部103よりゲート105を介して加工プ
ログラムを入力し、加工プログラムを実行する。
は、加工プログラムの実行によりパンチング指令部10
7へストライカ駆動指令を出力し、指令分配部109へ
X軸方向の位置決め制御のためのねじ軸駆動指令および
ナット駆動指令とタレットディスク65の割り出し回転
制御のためのタレット駆動指令を出力し、もう一つの指
令分配部111へY軸方向の位置決め制御のためのねじ
軸駆動指令およびナット駆動指令とタレットディスク6
5に装備されている金型取付角度調整装置67による金
型取付角度制御のための金型インデックス指令を出力す
る。
制御のためのねじ軸駆動指令を比較部113へ、X軸方
向の位置決め制御のためのナット駆動指令を比較部11
5へ、タレットディスク65の割り出し回転制御のため
のタレット駆動指令を比較部117の各々へ分配出力す
る。
制御のためのねじ軸駆動指令を比較部119へ、Y軸方
向の位置決め制御のためのナット駆動指令を比較部12
1へ、金型取付角度制御のための金型インデックス指令
を比較部123の各々へ分配出力する。
121、123は、各々X軸送り用のねじ軸駆動モータ
13、ナット駆動モータ15、タレット駆動モータ6
9、Y軸送り用のねじ軸駆動モータ29、ナット駆動モ
ータ57、金型回転駆動モータ71の各々に接続されて
いるロータリエンコーダ125、127、129、13
1、133、135の各々より各モータの回転角信号を
入力し、指令分配部109あるいは111より入力した
指令値とモータ回転角との偏差を演算し、その偏差に基
づくモータ駆動指令を増幅器137、139、141、
143、145、147を介してX軸送り用のねじ軸駆
動モータ13、ナット駆動モータ15、タレット駆動モ
ータ69、Y軸送り用のねじ軸駆動モータ29、ナット
駆動モータ57、金型回転駆動モータ71の各々へ出力
する。
ル移動演算部101が実行する加工プログラムに従って
駆動される。
は、X軸送り、即ちキャレッジ7のX軸方向移動に関し
ては、ねじ軸駆動モータ13とナット駆動モータ15と
を同時駆動し、Y軸送り、即ちワークテーブル1のY軸
方向移動に関しては、ねじ軸駆動モータ29とナット駆
動モータ57とを同時駆動し、キャレッジ7とワークテ
ーブル1とを各々従来の2倍の速度で移動させる。この
ねじ軸駆動モータ13、29、ナット駆動モータ15、
57の駆動開始時の加速は、各モータの制御系が出し得
る最大の加速度をもって行われればよい。
ナット部材11、39の回転停止とに時間差が生じるべ
く、ねじ軸駆動モータ13、29とナット駆動モータ1
5、57の駆動停止を行い、回転停止が遅い側のモータ
の減速制御によりキャレッジ7、ワークテーブル1の位
置決めを行う。
モータ15、57とでは、ナット駆動モータ15、57
の方が負荷が小さいから、ねじ軸駆動モータ13、29
とナット駆動モータ15、57とを同一出力で駆動して
も、図4に示されているように、ナット駆動モータ1
5、57の回転速度の方がねじ軸駆動モータ13、29
の回転速度より速く、ねじ軸駆動モータ13、29とナ
ット駆動モータ15、57とで駆動指令のパルス分配数
が同じであっても、ナット駆動モータ15、57の方が
ねじ軸駆動モータ13、29より早期に回転を終了す
る。これにより最終的な位置決めはねじ軸駆動モータ1
3、29の回転停止により決まり、その位置決め精度は
ねじ軸駆動モータ13、29の単独の減速特性により決
まる。
駆動してキャレッジ7、ワークテーブル1の軸送りを行
う場合と同等の位置決め精度が確保される。
3、29とナット駆動モータ15、57の個別の速度特
性を示しており、(b)はねじ軸駆動モータ13、29
とナット駆動モータ15、57の合成の速度特性、即ち
キャレッジ7、ワークテーブル1の軸送りの速度特性を
示している。
部材11、39の回転停止とに時間差を与えることは、
ねじ軸駆動モータ13、29とナット駆動モータ15、
57の減速開始に時間差を与えるか、あるいはねじ軸駆
動モータ13、29とナット駆動モータ15、57の減
速度に差を与えることの少なくとも何れか一方により具
現される。
開始をナット駆動モータ15、57の減速開始より早く
し、ねじ軸駆動モータ13、29の減速度をナット駆動
モータ15、57の減速度より大きくした例を示してい
る。
減速開始とナット駆動モータ15、57の減速開始とは
同じ時点で行うが、ナット駆動モータ15、57の減速
度をねじ軸駆動モータ13、29の減速度より大きくし
た例を示している。
の回転停止によりキャレッジ7、ワークテーブル1の位
置決めが行われ、図5の例ではナット駆動モータ15、
57の回転停止によりキャレッジ7、ワークテーブル1
の位置決めが行われる。
シャの方がねじ軸駆動モータ13、29の負荷イナーシ
ャより低いから、ナット駆動モータ15、57の回転停
止による位置決めの方が、位置決め誤差の負荷イナーシ
ャ成分が少なく、高精度の位置決めが行われる。
施に使用する制御装置の他の実施例を示している。尚、
図7に於いて、図3に対応する部分は図3に付した符号
と同一の符号により示されている。この実施例において
は、キャレッジ7のX軸送り位置を検出するX軸リニア
スケール149とワークテーブル1のY軸送り位置を検
出するY軸リニアスケール151とが設けられており、
これらリニアスケール149、151は回転停止が遅い
側のモータの比較部へ位置フィードバック信号を出力す
る。
にてねじ軸駆動モータ13、29とナット駆動モータ1
5、57とが駆動されるとして、リニアスケール14
9、151は各々ナット駆動モータ15、57へ位置フ
ィードバック信号を出力する。
のナット駆動モータ15、57の駆動制御が位置のフィ
ードバックによるクローズドループ方式にて行われ、こ
のことから高精度な位置決めを行うことができる。
レスのワークテーブル、キャレッジの位置決め制御につ
いて述べたが、本発明によるねじ式軸送り機構の位置決
め制御方法は、マシニングセンタなどの工作機械におい
ても同等に適用されるものである。
いて詳細に説明したが、本発明は、これらに限定される
ものではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能
であることは当業者にとって明らかであろう。
によるねじ式軸送り機構の位置決め制御方法によれば、
ねじ軸回転駆動手段とナット回転駆動手段との同時駆動
により、その何れか一方のみを駆動する場合に比して2
倍の速度にて位置決めが高速度に最小時間内に行われ、
送りねじ軸の回転停止とナット部材の回転停止とに時間
差が与えられ、回転停止が遅い側の回転駆動手段の減速
制御により軸送り台の位置決めが行われるから、ワーク
テーブルやキャレッジなどの軸送り台は送りねじ軸とナ
ット部材の何れか一方のみを回転させる場合と同等の減
速度にて減速して停止することになり、従来と同等の位
置決め精度が得られる。
回転駆動手段の場合には、ねじ軸回転駆動手段による軸
送り台の位置決めによりナット駆動による軸送りの誤差
が補償され、回転停止が遅い側の回転駆動手段がナット
回転駆動手段の場合には、ナット回転駆動手段による軸
送り台の位置決めによりねじ軸駆動による軸送りの誤差
が補償され、何れの場合も従来と同等の位置決め精度が
得られる。
回転駆動に比して負荷イナーシャが小さいことにより誤
差成分が低く、高精度の位置決めが行われる。
るねじ式軸送り機構をタレットパンチプレスのワークテ
ーブルの送り機構に適用した実施例を要部について示す
正面図である。
の支持部の詳細構造を示す断面図である。
る制御装置の他の実施例を示している。
の個別の速度特性を示すグラフ、(b)はねじ軸駆動モ
ータとナット駆動モータの合成の速度特性を示すグラフ
である。
速度特性の他の例を示すグラフである。
速度特性の他の例を示すグラフである。
る制御装置の他の実施例を示している。
Claims (5)
- 【請求項1】 固定部材に回転可能に装着され軸送り台
の軸送り方向に延在する送りねじ軸と、前記軸送り台に
回転可能に装着され前記送りねじ軸と螺合したナット部
材と、前記送りねじ軸を回転駆動するねじ軸回転駆動手
段と、前記軸送り台に搭載され前記ナット部材を回転駆
動するナット回転駆動手段とを有し、前記送りねじ軸駆
動と前記ナット回転駆動の両方にそれぞれモータ軸の回
転角を検出する装置をかね備えたモータを連結したねじ
式軸送り機構の位置決め制御方法において、前記ねじ軸
回転駆動手段と前記ナット回転駆動手段とを同時に駆動
し、前記送りねじ軸の回転停止と前記ナット部材の回転
停止とに時間差が生じるべく前記ねじ軸回転駆動手段と
前記ナット回転駆動手段の駆動停止を行い、回転停止が
遅い側の回転駆動手段の減速制御により前記軸送り台の
位置決めを行うことを特徴とするねじ式軸送り機構の位
置決め制御方法。 - 【請求項2】 前記ねじ軸回転駆動手段と前記ナット回
転駆動手段の減速開始に時間差を与えることにより、前
記送りねじ軸の回転停止と前記ナット部材の回転停止と
に時間差を生じせしめることを特徴とする請求項1に記
載のねじ式軸送り機構の位置決め制御方法。 - 【請求項3】 前記ねじ軸回転駆動手段と前記ナット回
転駆動手段の減速度に差を与えることにより、前記送り
ねじ軸の回転停止と前記ナット部材の回転停止とに時間
差を生じせしめることを特徴とする請求項1に記載のね
じ式軸送り機構の位置決め制御方法。 - 【請求項4】 回転停止が遅い側の回転駆動手段は前記
ねじ軸回転駆動手段であることを特徴とする請求項1に
記載のねじ式軸送り機構の位置決め制御方法。 - 【請求項5】 回転停止が遅い側の回転駆動手段は前記
ナット回転駆動手段であることを特徴とする請求項1に
記載のねじ式軸送り機構の位置決め制御方法。
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