JP3530251B2 - 給湯装置の制御方法 - Google Patents

給湯装置の制御方法

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JP3530251B2
JP3530251B2 JP05408495A JP5408495A JP3530251B2 JP 3530251 B2 JP3530251 B2 JP 3530251B2 JP 05408495 A JP05408495 A JP 05408495A JP 5408495 A JP5408495 A JP 5408495A JP 3530251 B2 JP3530251 B2 JP 3530251B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器で熱せられた
湯水を燃焼室外周の冷却管に通して燃焼室内の結露の発
生を防ぐと共に、燃焼室で加熱された冷却管内の湯水に
冷水を混合させて所定温度の湯水を得る給湯装置の制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の給湯装置としては図10に示すよ
うな構成のものが使用されている。すなわち、バーナ8
1と、バーナ81の燃焼が行われる燃焼室82と、燃焼
室82の上部に設けられた熱交換器83とで湯水を加熱
するための本体が構成され、この本体に対して、入水管
85と、燃焼室82を冷却するための冷却管86と、熱
交換器83内のフィン84及び、湯水を加熱するための
加熱管87と、熱交換器83の出口側に接続された出湯
管88とが設けられている。
【0003】また、入水管85には入水量センサ89と
入水温センサ90とが設けられ、熱交換器83の出口側
に接続された出湯管88には出湯温センサ91が設けら
れている。そして出湯管88の端部に設けられた図示し
ない蛇口を開くと、上水圧力によって入水管85に上水
が導入され、入水量センサ89が流水を検出し、図示し
ないイグナイタを放電させると共に燃料比例制御弁を開
いてバーナ81を燃焼させる。
【0004】そして入水温度と入水量とから、バーナ8
1に供給するための燃料量を演算して、この演算結果に
基づいて燃料比例弁を開いて急速に湯水を加熱させ、出
湯温センサ91にて設定温度と比較して、設定温度の湯
水が出湯されるように燃料比例弁の開度を調整して出湯
させるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の給湯装置Bにあっては、図11の如くバーナ81の
燃焼(94)によって燃焼室壁が加熱状態になるため、
燃焼室周りに配置された冷却管86内の上水によって冷
却管付近の燃焼室82が冷却され、バーナ81の燃焼に
よって発生する水分(水素と酸素の化合物や空気中の水
分やバーナの結露の蒸発等)が付着して燃焼室内に結露
92を生じ、燃焼室内の高温部分と結露部分にイオウ酸
化物93が蓄積されて腐食が促進され、また、燃焼によ
る熱と冷却管86による冷却とで生じる応力により、金
属の疲労が促進されるという不具合を生じる。
【0006】そこで、燃焼室82の腐食や金属疲労によ
る不具合を防止するために、燃焼室自体を腐食と疲労に
耐え得るように設計し、強化している。しかしながら、
燃焼室を強化しても根本的に腐食と金属疲労の問題が解
決した訳ではない。本発明は、上記した点に鑑み、燃焼
室の腐食と金属疲労の原因となる冷却管により結露の発
生を根本的に防止し、寿命が長く、燃焼室の強化を施さ
なくとも使用し得る給湯装置の制御方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、バーナに燃料を供給するための燃料比例
弁と、該バーナの燃焼が行われる燃焼室と、該バーナの
燃焼で湯水を加熱させる熱交換器と、該熱交換器内の加
熱管に水を供給する入水管と、該加熱管内で加熱された
湯水を出湯する出湯管と、該加熱管と出湯管との間に接
続され、前記燃焼室の外周に配設された冷却管と、前記
管と出湯管とを短絡するバイパス管と、該入管と
バイパス管との分岐部より上流側の該入水管に設けられ
た入水温度センサと入水量センサと、該バイパス管と出
湯管との合流部よりも上流側の該出湯管に設けられた出
湯温度センサと、該合流部よりも下流側の該出湯管に設
けられた混合湯温センサと、該バイパス管からの水と出
湯管からの湯とを混合する混合手段とを備える給湯装置
の制御方法であって、前記入水温度センサと入水量セン
サとの検出値と温度設定器の設定温度とにより、湯水を
加熱するための燃料供給量を演算して、前記燃料比例弁
から必要な燃料を前記バーナに供給し、且つ出湯温度が
所定温度になるように前記混合手段を設定し、前記燃焼
室の外側で加熱されて温度上昇した冷却管側の湯水の温
度を前記出湯温度センサで検出し、該出湯温度センサの
検出値と所定温度との誤差を比較して、前記燃料比例弁
の燃料供給量を修正すると共に、前記混合湯温センサの
検出値と温度設定器の設定温度との誤差を比較し、前記
混合手段で湯水の混合比率を調整して、設定温度の湯水
を前記出湯管から出湯させることを特徴とする前記
合手段として、前記バイパス管と出湯管との合流部に設
けられた混合弁を用いたことを特徴とする第一の制御方
や、前記混合手段として、前記バイパス管に設けられ
たバイパス側水量制御弁と、該バイパス管と前記出湯管
との合流部より上流側の該出湯管に設けられた出湯側水
量制御弁とを用いたことを特徴とする第二の制御方法を
採用する。上記第一の制御方法において、混合弁、水
入口と湯入口とを仕切る弁体を微動させて混合湯温の微
調整を行うワックスサーモを内蔵させたり、前記入水温
度センサと入水量センサと出湯温度センサと混合湯温セ
ンサとの検出値と、温度設定器の設定温度とに基づき、
前記燃料比例弁の燃料供給量と前記混合弁の混合開度と
制御することも可能である。また、上記第二の制御方
において、前記入水温度センサと入水量センサと出湯
温度センサと混合湯温センサとの検出値と、温度設定器
の設定温度とに基づき、前記燃料比例弁の燃料供給量
と、前記バイパス側水量制御弁と出湯側水量制御弁とに
よる湯水の混合比率とを制御することも可能である。
【0008】
【作用】入水管より導入された上水は熱交換器に導入さ
れ、バーナの燃焼による熱を熱交換器内の加熱管より受
熱して昇温され、燃焼室周辺の冷却管に導入される。こ
のため冷却管内には、加熱された湯水が流通し、この加
熱された湯水で燃焼室が冷却される。これにより、燃焼
室内の水分による結露が発生せず、イオウ酸化物の蓄積
も発生せず、腐食が起こらない。また、冷却管内の湯水
が加熱されているため、燃焼室内の冷却管に隣接しない
部分との温度差が小さくなり、熱応力による金属疲労が
発生しにくくなり、燃焼室の耐久性が向上する。冷却管
を通過した湯水は出湯管を経て外部に給湯される。
【0009】一方、入水管においては入水温度センサと
入水量とセンサにより、入水温度と入水量が検出され、
これらによりバーナへの燃料供給量が演算される。さら
に出湯管の出湯温度センサにより出湯温度が検出され、
この出湯温度の誤差を修正するために、燃料比例弁の開
度を修正して安定した出湯を行わせようとするが、熱交
換器で加熱された湯水は燃焼室からの熱を受けて冷却管
内でさらに昇温される。
【0010】このため、出湯温度センサにより検出され
る温度と、バーナの燃料供給量の修正に伴う出湯温度の
安定化に際し、従来の給湯器に比較して大幅な遅延時間
が発生し、従来の給湯器の出湯特性に比較して大幅な湯
温変動がもたらされる。そして、熱交換器より出湯され
る湯水の温度が比較的高温に沸き上げられると共に、上
第一の制御方法においては入水管と出湯管を短絡する
バイパス管と、出湯管側の合流部に位置する混合弁とに
より、上水すなわち冷水と加熱された湯水とが混合さ
れ、混合弁の下流側の混合湯温センサの検出値に基づい
て混合弁が駆動されて湯と水との混合比率が調整され、
バーナの燃焼制御による湯温の変動が混合弁の開度修正
によって補正されて、安定した温度の湯水が出湯され
る。
【0011】混合弁に内蔵されたワックスサーモ(温感
素子)は、湯と水の混合温度に比例して内部に封入され
た熱膨張液体が伸縮することにより、ピストンを上下さ
せて混合弁の開度を微調整する。設定温度に対して1〜
2°Cの偏差はワックスサーモにより微調整され、3°
C以上の温度偏差に対しては混合弁の開度が調整され
て、出湯温度の変動に対応して湯と水を混合させて安定
した温度で出湯が行われる。
【0012】また、上記第二の制御方法にあっては、入
水管と出湯管を短絡するバイパス管と、バイパス管の合
流部より上流側の出湯管に設けられた湯側水量制御弁
と、バイパス管に設けられたバイパス管水量制御弁とに
より、上水すなわち冷水と加熱された湯水とがバイパス
管から出湯管に合流して混合される。そして、バイパス
管の合流部より下流側に位置する混合湯温センサの検出
値に基づき、各水量制御弁により湯側の水量と水側の水
量とが調整されて混合比率が変えられ、バーナの燃焼制
御による湯温の変動が湯水の混合比率の修正によって補
正されて、安定した温度の湯水が出湯される。
【0013】
【実施例】以下に本発明に係る給湯装置の実施例を図を
もって詳細に説明する。図1は本発明に係る給湯装置の
第一実施例A1を示す構造図、図2は同じく系統図であ
る。図で1はバーナを示し、多数本配置したバーナで燃
焼を行うように構成されている。このバーナ1の下部に
は燃料導入口2が設けられている。またバーナ1の上部
には、バーナ1の燃焼を行わせるための燃焼室3が設け
られ、この燃焼室3の上部に熱交換器4が配置されてい
る。
【0014】熱交換器4内には、湯水を加熱するための
加熱管7が配置されており、この加熱管7に熱を効率よ
く与えるためのフィン5が多数配置されて熱交換器4が
構成されている。熱交換器4の入口側には入水管6が接
続され、熱交換器4の出口側には冷却管8が接続されて
いる。この冷却管8は燃焼室3の周りに配置されて燃焼
室3を冷却する。この冷却管8には出湯管9が接続さ
れ、入水管6と出湯管9とを短絡するバイパス管10が
設けられ、出湯管9とバイパス管10の合流部には混合
弁11が設けられている。
【0015】さらに入水管6とバイパス管10との分岐
部19の上流側には入水量センサ12と入水温度センサ
13とが設けられ、冷却管8と出湯管9との接続部付近
には出湯温度センサ14が設けられ、混合弁11より下
流側の出湯管9には混合湯温センサ15が設けられてい
る。また、燃焼室内には、バーナ1から噴出される燃料
に放電により着火させるためのイグナイタ17と、燃焼
を確認するための炎検出器18すなわちフレームロッド
が設けられている。さらにバーナ1に燃料を供給するた
めに燃料管20に燃料比例弁(ガス量比例制御弁)16
が設けられている。
【0016】図3は上記の給湯装置A1で使用される制
御装置30を示すものである。図で31は制御ブロック
で、内部には制御を司るマイクロコンピュータすなわち
CPUと、このCPUに接続されるA/D変換器と、各
入出力装置と結合するためのインタフェース部とが構成
されている。制御ブロック31には、CPUにて演算す
るための一時記憶を行って書き換え自在な記憶装置とし
てのRAM32と、CPUの制御ブロックや制御データ
を格納記憶したROM33等の不揮発性の記憶装置が接
続されている。
【0017】また制御ブロック31内のA/D変換器に
は入水温度センサ13、出湯温度センサ14,混合湯温
センサ15が接続され、また制御ブロック31の入力イ
ンタフェースには入水量センサ12、炎検出器18が接
続されている。さらに制御ブロック31内の出力インタ
フェース部には燃料比例弁駆動回路34、混合弁駆動回
路35、イグナイタ駆動回路36が接続され、それぞれ
に燃料比例弁16、混合弁11、イグナイタ17が接続
されている。
【0018】図4は上記の給湯装置A1で使用される混
合弁の構造を示すものである。50は駆動モータを示
し、駆動モータ50を駆動することにより湯と水の混合
比率が調整される。51は接続金具で、駆動モータ50
のシャフトに接続されて回転する。また52はネジ部、
53は付勢金具、54はネジ部、55は支持座68を下
向きに付勢するバネ、56は混合弁の本体、57はワッ
クスサーモ、58はワックスサーモ57のピストン、5
9は混合湯水出口、60は湯入口、61は水入口、62
はワックスサーモ57を支持するための支持金具、63
は湯側弁部63aと水側弁部63bとを有する弁体、6
5は水側弁座、66は湯側弁座、67は弁体63をワッ
クスサーモ57に向けて上向きに付勢するバネ、68は
ピストン58に当接する支持座を示す。
【0019】モータ50が回転すると、これと同期して
接続金具51が回転する。そしてネジ部52,54を介
して付勢金具53が接続金具51の回転方向に同期して
接続金具51と本体56との間で回転して上下し、この
上下動によりワックスサーモ57がバネ55と支持座6
8に押されて上下する。ワックスサーモ57の下部には
支持金具62と弁体63すなわち湯側弁部63a、水側
弁部63bが接続されており、ワックスサーモ57の上
下動に伴い水と湯の混合比率が調整される仕組みとなっ
ている。すなわちワックスサーモ57が上がると上側の
湯側弁部63aが閉じて、下側の水側弁部63bが開
き、水入口61から水が導入され、ワックスサーモ57
が下がると上側の湯側弁部63aが開き、下側の水側弁
部63bが閉じて、湯入口60から湯が導入される。弁
体63が湯入口60と水入口61との中間に位置してい
れば、湯と水が同時にとり込まれる。
【0020】次に上記給湯装置A1の動作について詳し
く説明する。図1,2で出湯管9の端部に設けられた蛇
口(図示せず)を開くと、上水が入水管6より導入され
る。この上水を水量センサ12が検出すると、イグナイ
タ17が放電され、燃料比例弁16が開いて、バーナ1
が燃焼を開始する。続いて、入水量センサ12で入水量
Qを検出し、この入水量Qと設定温度T0と、入水温度
センサ13で検出される入水温度T1と、熱交換器を加
熱する目標温度T2とにより熱交換器側に流れる水量
Q’を Q’=(T0−T1)/(T2−T1)×Q の式より求め、この水量Q’と入水温度T1と目標温度
2とにより、湯水を80°Cまで加熱するために必要
な燃焼号数を 号数=(T2−T1)×Q’/25 の式で演算し、この燃焼号数に合わせて燃料比例弁を開
いて、急速に湯水を加熱する。この号数とは、1号が1
分間に1リットルの水を25°C上昇させる能力を言
う。なお上記各式は特公平5−2893号で公知のもの
である。
【0021】そして熱交換器からの湯水が例えば60°
C〜80°Cに到達する前に出湯温度センサ14の検出
温度に基づき燃料比例弁16の開度を調整し、湯水の温
度のオーバーシュートやアンダーシュートを防止する。
熱交換器において60〜80°Cまで沸き上げられた
湯水は冷却管8に導入されていく。そして冷却管8に高
温の湯水が流れるために、燃焼室3内部に結露が発生せ
ず、このためイオウ酸化物の蓄積が防止され、腐食が防
止される。また冷却管8を流れる湯水が60〜80°C
と高温であるため、燃焼室3内の高温部と冷却管に隣
接する箇所との温度差が小さくなり、このため熱応力に
よる金属疲労が防止される。
【0022】熱交換器4で加熱された湯水は、さらに燃
焼室の外側で加熱されることにより、冷却管8において
温度が2〜3°C上昇することになる。このため、出湯
温度センサ14の検出値に基づいて燃料比例弁16の開
度を調整し、出湯温度を安定させようとした場合、冷却
管8を通過することによる遅延時間と加熱昇温の影響に
より、温度調整を行っても最大で±3°Cもの湯温変動
がしばらく続くことになる。
【0023】そこで、混合湯温センサ15により湯水の
温度を検出して設定温度と比較し、設定温度に対する誤
差が2°C以上であれば、適宜混合弁11の駆動モータ
50を動かして湯と水の混合比率を調整してこの温度変
動を吸収し安定させる。また2°C未満の温度誤差の場
合には、モータ50を駆動せず、混合弁内部に設けたワ
ックスサーモ57によって自動的に開度調整を行わせ
て、湯水の混合比率を微調整する。
【0024】図5は上記給湯装置A1の制御動作を表す
フローチャートである。すなわち先ずS1で入水温度と
入水量と設定温度により燃焼号数を演算する。次いでS
2で、この演算号数により燃料比例弁16の開度を演算
し、S3にてこの開度に相当する電流を比例弁16に印
加して、比例弁16を演算開度に開かせて、燃料をバー
ナ1に供給する。さらにS4で、設定温度に基づいてR
OM33より混合弁11の開度を読み込み、その混合弁
11の開度になるようにモータ50を駆動して、設定温
度の湯水を出湯できるように予め設定する。
【0025】そしてS5で、出湯温度が所定温度未満か
否かを判定する。YESすなわち出湯温度が所定温度未
満である場合は、S6でその温度偏差に基づき比例弁1
6の開度を開方向に修正する。またS5でNOすなわち
出湯温度が所定温度未満でない場合は、S7に進んで出
湯温度が所定温度を越えているか否かを判定する。S7
でYESすなわち出湯温度が所定温度を越えている場合
は、S8でその温度偏差に基づき比例弁16の開度を閉
方向に修正する。S7でNOすなわち出湯温度が所定温
度を越えていない場合は、S9に進む。
【0026】S9では混合温度が設定温度未満であるか
否かを判断する。S9でYESすなわち混合温度が設定
温度未満である場合は、その温度差に基づきS10で混
合弁11の開度調整を行い、湯側弁部63aを開かせ
る。S9でNOすなわち混合温度が設定温度未満でない
場合は、S11に進み、混合湯温が設定温度を越えてい
るか否かを判断する。S11でYESすなわち混合湯温
が設定温度を越えている場合は12へ進み、その温度差
に基づき混合弁11の開度調整を行い、水側弁部63b
を開かせる。そしてNOすなわち混合湯温が設定温度を
越えていない場合と同様にS5へ戻り、S12までのル
ーチンを繰り返す。
【0027】次に本発明に係る給湯装置の第二実施例A
2について説明する。図6は給湯装置の第二実施例を示
す構造図、図7は同じく系統図である。第二実施例の構
成において第一実施例と同一の部分は同一符号を用いて
詳細な説明を省略する。本実施例においては、第一実施
例の混合弁11に代えて、入管6と出湯管9とを短絡
したバイパス管10にバイパス側水量制御弁21を設け
ると共に、バイパス管10と出湯管9との合流部22よ
りも上流側の出湯管9に出湯側水量制御弁23を設け
て、湯と水の混合を図っている。
【0028】各水量制御弁21,23は湯水の流量を調
整するもので、各水量制御弁21,23を調整すること
で湯水の混合比率が変化し、出湯温度が調整される。特
にバイパス側水量制御弁21としては閉止機能すなわち
バイパス流路を閉塞する機能を有するものが使用されて
いる。これは例えば60°C以上の出湯を行う場合に、
水が混合して所要の出湯温度が得られなくなるのを防止
するためである。
【0029】入水管6とバイパス管10との分岐部19
より上流側の入水管6には入水量センサ12と入水温度
センサ13とが設けられ、分岐部19より下流側の入水
管6には湯側入水量センサ24が設けられている。そし
て入水管6から導入される全体の入水量を入水量センサ
12で検出して設定温度と入水温度より熱交換器4側へ
の水量を演算してもよいが、熱交換器4側に入水する入
水量を湯側入水量センサ24で検出することにより、入
水量センサ12と入水量センサ24との検出値の差で熱
交換器4へ流れる水量とバイパス管10に流れる水量と
を演算により検出して、それぞれの流量から湯と水の混
合比率を演算しても良い。
【0030】また出湯管9と冷却管8との接続部付近に
は出湯温度センサ14が設けられ、バイパス管10との
合流部22より下流側の出湯管9には混合湯温センサ1
5が設けられている。図6,7で、1はバーナ、2は燃
料導入口、3は燃焼室、5はフィン、7は加熱管、8は
冷却管、16は燃料比例弁、17はイグナイタ、18は
炎検出器を示す。
【0031】図8は第二実施例の給湯装置A2 で使用
される制御装置38を示すものである。第一実施例との
相違点は、制御ブロック31の入力インタフェースに湯
側入水量センサ24が接続され、さらに制御ブロック3
1内の出力インタフェースに出湯側水量制御弁駆動回路
38とバイパス側水量制御弁駆動回路39とが接続さ
れ、回路38に出湯側水量制御弁23が、回路39にバ
イパス側水量制御弁21がそれぞれ接続されていること
である。
【0032】制御ブロック31にRAM32とROM3
3と温度設定器37が接続され、制御ブロック内のA/
D変換器に入水温度センサ13と出湯温度センサ14と
混合湯温センサ15とが接続され、制御ブロック31の
入力インタフェースに入水量センサ12と炎検出器18
が接続され、出力インタフェースに燃料比例弁駆動回路
34とイグナイタ駆動回路36が接続され、回路34,
36に燃料比例弁16及びイグナイタ17が接続されて
いるのは第一実施例と同様である。
【0033】次に本実施例の給湯装置A2 の動作を説
明する。入水管6に上水が導入されると、これを入水量
センサ12が検出し、イグナイタ17を放電させ、燃料
比例弁16を開いてバーナ1を燃焼させる。次いで制御
部が湯側入水量センサ24と入水温度センサ13からの
入水量と入水温度と設定温度とに基づき、湯水を80°
Cまで加熱するために必要な燃焼号数を演算し、この燃
焼号数に合わせて燃料比例弁16を開いて、急速に湯水
を加熱する。そして湯水の温度が例えば60°〜80°
Cに達する前に出湯温度センサ14の検出温度に基づき
燃料比例弁16の開度を調整する。
【0034】またこの動作と平行して、制御部が設定温
度に基づいてROM33より湯と水の混合比率を読み出
し、その比率に基づいてバイパス側水量制御弁21と湯
側水量制御弁23とを予め開き、加熱された湯とバイパ
ス管10からの水とが混合されて設定温度になるように
予め調整される。熱交換器4で沸き上げられた湯水は冷
却管8に導入され、冷却管内の高温の湯水で燃焼室3内
での結露の発生が防止され、且つ燃焼室3の高温部と冷
却管8に隣接する箇所との温度差が小さくなるため、熱
応力による金属疲労が防止される。
【0035】また熱交換器4で加熱された湯水が冷却管
8においてさらに2〜3°C上昇することに伴い、混合
湯温センサ15により湯水の温度を検出して設定温度と
比較し、設定温度に対する誤差があればバイパス側水量
制御弁21と出湯側水量制御弁23との流量を適宜調整
して湯と水の混合比を変えて、この温度変動を吸収し安
定させる。
【0036】図9は上記第二実施例の給湯装置A2の制
御動作を表すフローチャートである。すなわちS21で
入水温度と入水量と設定温度より燃焼号数を演算し、S
22でこの演算号数より燃料比例弁16の開度を演算
し、S23にてこの開度に相当する電流を比例弁16に
印加して、その演算開度で燃料をバーナ1に供給する。
次いでS24で、設定温度と入水量センサとによる入
水量に基づき、ROM33からバイパス側水量制御弁2
1の開度と、出湯側水量制御弁23の開度の比率を読み
込み、S25においてその開度に予め開かせることによ
り、湯と水が混合されて設定温度の湯水が得られるよう
にする。
【0037】さらにS26で出湯温度が所定温度未満か
否かを判定する。YESの場合はS27へ進み、その温
度偏差に基づき比例弁16の開度を開方向に修正する。
NOの場合はS28へ進み、出湯温度が所定温度を越え
ているか否かを判断する。S28でYESの場合はS2
9へ進み、その温度偏差に基づき比例弁16の開度を閉
方向に修正する。S28でNOの場合はS30へ進み、
混合湯温が設定温度未満か否かを判断する。
【0038】S30でYESの場合はS31に進み、そ
の温度差に基づき出湯側水量制御弁23を開く方向に、
またバイパス側水量制御弁21を閉じる方向にそれぞれ
調整して、湯と水の混合比率を調整する。S30でNO
の場合はS32に進み、混合湯温が設定温度を越えてい
るか否かを判断する。YESの場合はS33に進み、そ
の温度差に基づき出湯側水量制御弁23を閉じる方向に
調整し、バイパス側水量制御弁21を開く方向に調整し
て湯と水の混合比率を調整する。そしてS26〜S33
のルーチンを繰り返して常に安定した温度の湯水を出湯
させる。
【0039】
【発明の効果】以上の如くに、本発明によれば、以下の
ような効果を奏する。1)冷却管に冷水が流入しないた
め、燃焼室内の水分による結露が発生せず、燃焼室内に
イオウ酸化物の蓄積が発生しない。これにより燃焼室の
腐食が効果的に防止される。2)冷却管内の湯水の温度
と、燃焼室内の温度との差が小さいことから、熱応力に
よる金属疲労が発生せず、腐食と金属疲労による燃焼室
等の破断が効果的に防止され、寿命の長い給湯装置が得
られる。3)冷却管内の湯水の昇温に伴う出湯温度変動を
混合弁や水量制御弁で調整することにより、安定した出
湯特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給湯装置の第一実施例を示す構造
図である。
【図2】同じく給湯装置の第一実施例の系統図である。
【図3】第一実施例の給湯装置における制御装置を示す
ブロック図である。
【図4】第一実施例の給湯装置に使用する混合弁を示す
縦断面図である。
【図5】第一実施例の給湯装置の動作を示すフローチャ
ートである。
【図6】本発明の給湯装置の第二実施例を示す構造図で
ある。
【図7】同じく給湯装置の第二実施例の系統図である。
【図8】第二実施例の給湯装置における制御装置を示す
ブロック図である。
【図9】第二実施例の給湯装置の動作を示すフローチャ
ートである。
【図10】従来の給湯装置を示す構造図である。
【図11】従来の問題点である結露やイオウ酸化物の付
着状態等を示す説明図である。
【符号の説明】
1,A2 給湯装置 1 バーナ 3 燃焼室 4 熱交換器 6 入水管 8 冷却管 9 出湯管 10 バイパス管 11 混合弁 12 入水量センサ 13 入水温度センサ 14 出湯温度センサ 15 混合湯温センサ 16 燃料比例弁 21 バイパス側水量制御弁 23 出湯側水量制御弁 24 湯側入水量センサ 30,40 制御装置 37 温度設定器 57 ワックスサーモ 63 弁体
フロントページの続き (72)発明者 望月 照之 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−249504(JP,A) 特開 平4−73549(JP,A) 特開 平5−79696(JP,A) 特開 平6−288635(JP,A) 特開 平6−147646(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 1/10 302 F24D 17/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナに燃料を供給するための燃料比例
    弁と、該バーナの燃焼が行われる燃焼室と、該バーナの
    燃焼で湯水を加熱させる熱交換器と、該熱交換器内の加
    熱管に水を供給する入水管と、該加熱管内で加熱された
    湯水を出湯する出湯管と、該加熱管と出湯管との間に接
    続され、前記燃焼室の外周に配設された冷却管と、前記
    管と出湯管とを短絡するバイパス管と、該入管と
    バイパス管との分岐部より上流側の該入水管に設けられ
    た入水温度センサと入水量センサと、該バイパス管と出
    湯管との合流部よりも上流側の該出湯管に設けられた出
    湯温度センサと、該合流部よりも下流側の該出湯管に設
    けられた混合湯温センサと、該バイパス管からの水と出
    湯管からの湯とを混合する混合手段とを備える給湯装置
    の制御方法であって、 前記入水温度センサと入水量センサとの検出値と温度設
    定器の設定温度とにより、湯水を加熱するための燃料供
    給量を演算して、前記燃料比例弁から必要な燃料を前記
    バーナに供給し、且つ出湯温度が所定温度になるように
    前記混合手段を設定し、 前記燃焼室の外側で加熱されて温度上昇した冷却管側の
    湯水の温度を前記出湯温度センサで検出し、該出湯温度
    センサの検出値と所定温度との誤差を比較して、前記燃
    料比例弁の燃料供給量を修正すると共に、 前記混合湯温センサの検出値と温度設定器の設定温度と
    の誤差を比較し、前記混合手段で湯水の混合比率を調整
    して、設定温度の湯水を前記出湯管から出湯させる こと
    を特徴とする給湯装置の制御方法
  2. 【請求項2】 前記混合手段として、前記バイパス管と
    出湯管との合流部に設けられた混合弁を用いたことを特
    徴とする請求項1記載の給湯装置の制御方法
  3. 【請求項3】 前記混合弁、水入口と湯入口とを仕切
    る弁体を微動させて混合湯温の微調整を行うワックスサ
    ーモを内蔵させたことを特徴とする請求項2記載の給湯
    装置の制御方法
  4. 【請求項4】 前記入水温度センサと入水量センサと出
    湯温度センサと混合湯温センサとの検出値と、温度設定
    器の設定温度とに基づき、前記燃料比例弁の燃料供給量
    と前記混合弁の混合開度とを制御することを特徴とする
    請求項2又は3記載の給湯装置の制御方法
  5. 【請求項5】 前記混合手段として、前記バイパス管に
    設けられたバイパス側水量制御弁と、該バイパス管と前
    記出湯管との合流部より上流側の該出湯管に設けられた
    出湯側水量制御弁とを用いたことを特徴とする請求項1
    記載の給湯装置の制御方法
  6. 【請求項6】 前記入水温度センサと入水量センサと出
    湯温度センサと混合湯温センサとの検出値と、温度設定
    器の設定温度とに基づき、前記燃料比例弁の燃料供給量
    と、前記バイパス側水量制御弁と出湯側水量制御弁とに
    よる湯水の混合比率とを制御することを特徴とする請求
    項5記載の給湯装置の制御方法
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