JP3529962B2 - 原子炉格納容器の組立方法 - Google Patents
原子炉格納容器の組立方法Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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Description
子炉格納容器の組立方法、特に鉄筋コンクリート製原子
炉格納容器の天井部組立法を改善して安全性の向上を図
った格納容器組立方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】特公平６−７２９４０に示された原子炉
格納容器の上部構造の組立方法は、格納容器の円筒部躯
体の外側表面から立ち上げられたサポートビームの上部
と、格納容器の開口部円筒胴ライナに連結支持されたビ
ームを、円板状構造躯体の下端筋及び上端筋の位置を阻
害しない中央部に位置させて設け、下端筋よりも下方に
配備された鋼製ライナにＴ字鋼を設置して、Ｔ字鋼ごと
鋼製ライナを下端筋の縦方向鉄筋でビームを連結し、鋼
製ライナよりも上方に円板状構造躯体のコンクリートを
打設するものである。 【０００３】また、特開平１−２９５１９７に示された
格納容器の建設方法は、格納容器の天井部ライナ上にビ
ームを直置きし、このビームをガンマ線しゃへい壁上端
および格納容器の円筒部躯体から仮設支保工及びサポー
トビームを立ち上げて支持する構造となっている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】上記特公平６−７２９
４０に示された従来の方法では、格納容器の円筒部躯体
の外表面から立ち上げられたサポートビームの上部と、
格納容器の開口部円筒胴ライナとをそれぞれビームへ連
結させているため、格納容器の開口部円筒胴ライナ付近
への配筋施工時には、この連結ビームが邪魔になってい
た。 【０００５】このため、建設時に格納容器天井部の開口
部近傍の円周方向鉄筋に切れ目を入れざるを得ないの
で、格納容器天井部の強度が低下してしまう。その結
果、格納容器に内圧が作用した場合に、最も荷重を受け
る部分の一つである、円周方向鉄筋が荷重を受け持つこ
とができなくなる。同様のことが格納容器の円筒部躯体
にもいえる。 【０００６】また、上記公知例は、円盤状構造躯体の底
面とガンマ線しゃへい壁上端との間にある程度の隙間が
あることを前提としており、円盤状構造躯体底面とガン
マ線しゃへい壁上端との間に大きな仮設部材が必要とな
る。しかしながら、原子炉格納容器のドライウェル内上
部の円盤状構造躯体底面とガンマ線しゃへい壁上端との
間に大きな隙間があると、この付近の放射線量が下部よ
りも高くなってしまう。 【０００７】近年、原子炉格納容器のドライウェル内上
部、即ち円盤状構造躯体の底面とガンマ線しゃへい壁上
端部近傍での定期検査作業が多くなる傾向にあり、放射
線量を低減する対策が望まれている。 【０００８】また、特開平１−２９５１９７に示される
従来の方法では格納容器の天井部ライナにビームを直接
置くので、ビームが格納容器天井部の配筋施工を阻害す
る要因となり、格納容器天井部の強度が低下してしまう
可能性がある。すなわち、鉄筋を配置するためにビーム
に穴開けなどを必要とするからである。 【０００９】更に、ビームの支持法において、ガンマ線
しゃへい壁の上端部から仮設支保工を立ち上げている
が、ガンマ線しゃへい壁には原子炉からの一次系配管を
貫通させる開口部が複数あり、仮りに開口部を避けて仮
設支保工を取り付けるとするならば、一定のピッチでガ
ンマ線しゃへい壁へ仮設支保工を据付することは不可能
となる。このため、格納容器上部構造を支持するために
は特別な補強が必要となる。 【００１０】したがって、本発明の目的とするところ
は、原子炉格納容器の天井部付近の配筋施工を阻害する
ことなく、格納容器の天井部を建設する方法を提供する
ことである。 【００１１】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、まず、原子炉格納容器の開口部円筒胴ラ
イナへ連結支持していたビームを、ガンマ線しゃへい壁
の上端部から仮設支保工を立ち上げ、天井部ライナを介
してビームを支持することにより、格納容器の開口部円
筒胴ライナとビームの間に天井部の補強用鉄筋を配置す
ることのできるスペースを設ける。補強用鉄筋は、原子
炉格納容器の円周方向に沿って延びている鉄筋、原子炉
格納容器の半径方向に延びた鉄筋、あるいは縦横に延び
た格子状鉄筋が使用される。 【００１２】前述のビームは、一端が原子炉格納容器の
円筒部躯体の外周面より内側に位置し、他端が前記ガン
マ線しゃへい壁の外周面より外側に位置するものであ
る。これにより格納容器の開口部ライナとビームの一端
との間に形成される空間に補強用鉄筋を配置することが
可能となる。この補強用鉄筋は、原子炉格納容器の円周
方向に沿って延びている鉄筋、原子炉格納容器の半径方
向に延びた鉄筋、あるいは縦横に延びた格子状鉄筋が使
用される。 【００１３】ここで、ガンマ線しゃへい壁の上端部から
仮設支保工を立ち上げ、天井部ライナを介しビームを支
持する際に、天井部ライナ上には高さ調整用治具を載置
し、さらに高さ調整用治具上に互いに交叉する二方向、
例えば円周方向および半径方向に継手部の形成された鉄
筋カプラを積み上げてビームを支持することにより、格
納容器天井部の円周方向鉄筋および半径方向鉄筋を一体
化した状態でビームを支持することができる。 【００１４】同様に格納容器の円筒部躯体外表面からの
ビームの支持についても、格納容器円筒部躯体の鉛直方
向鉄筋を阻害しない格納容器円筒部躯体の中央部より仮
設支保工を立ち上げビームを支持することにより、格納
容器の円筒部躯体外面とビームの間に天井部の円周方向
鉄筋及び格納容器円筒部躯体の鉛直方向鉄筋を配置する
ことのできるスペースを設ける。 【００１５】また、ガンマ線しゃへい壁上端部より立ち
上げる仮設支保工は一定のピッチを保ち円周上にガンマ
線しゃへい壁外周を取り囲む形で配置すれば、必要十分
な強度を持たせることができる。ここで、ガンマ線しゃ
へい壁上端部より一定ピッチで仮設支保工を立ち上げる
にあたり、ガンマ線しゃへい壁への仮設支保工の取り付
けはガンマ線しゃへい壁内にリブを設けてある箇所に取
り付けることで格納容器上部構造を支持する上でのガン
マ線しゃへい壁への特別な補強は一切不要となる。 【００１６】ただし、ガンマ線しゃへい壁リブの設置さ
れない開口部については開口部上にガンマ線しゃへい壁
補強材を設置し、これに仮設支保工を取り付ける。更
に、ガンマ線しゃへい壁開口部の仮設支保工とガンマ線
しゃへい壁リブに設置される仮設支保工との間に補強板
を渡すことで、格納容器上部構造を支持することが可能
となる。 【００１７】上記によれば、鉄筋コンクリート製格納容
器の構造上最も強度の必要とする格納容器天井部の格納
容器の開口部円筒胴ライナ近傍の躯体および格納容器円
筒部躯体には切れ目の無い健全な鉄筋を配置させ、前記
格納容器天井部の格納容器の開口部円筒胴ライナおよび
格納容器円筒部躯体外面の補強用鉄筋に荷重を受け持た
せることができるので、格納容器天井部の信頼性が向上
する作用が得られる。更に、本発明を用いれば、円盤状
構造躯体面とガンマ線しゃへい壁上端との隙間を小さく
できるので、放射線しゃへい性能が高まる作用が得られ
る。 【００１８】 【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態例を図１な
いし図６により説明する。図１に示すように原子炉格納
容器の天井部ライナ１、はガンマ線しゃへい壁２の外壁
面の上部端から立ち上げられる仮設支保工３と、原子炉
格納容器の円筒部躯体８の中央部より立ち上げられる仮
設支保工４により支持されるビーム５によって吊られて
いる。 【００１９】支持法としては、格納容器の天井部ライナ
１に取り付けられているＴ字鋼６を利用し、そのＴ字鋼
６の上部に連結された鉄筋７とビーム５を接続して、ビ
ーム５により格納容器の天井部ライナ１を吊り固定した
あと、コンクリートを打設し円盤状構造躯体１９を構成
する。 【００２０】ビーム５の一端は、原子炉格納容器の円筒
部躯体８の外周壁面より内側に位置し、他端は、ガンマ
線しゃへい壁２の外壁面より外側に位置している。した
がって、ガンマ線しゃへい壁２の上部端から立ち上げら
れる仮設支保工３と、原子炉格納容器の円筒部躯体８の
中央部より立ち上げられる仮設支保工４によりビーム５
を支持することにより、格納容器の開口部円筒胴ライナ
９とビーム５との間に十分な間隙が形成される。 【００２１】この間隙は、ガンマ線しゃへい壁２に沿っ
て円周方向に鉄筋１０を配置するのに十分なスペースを
確保することができる。同様に原子炉格納容器の円筒部
躯体８の外壁面とビーム５の間にも十分な間隙が確保可
能であり、その間隙に格納容器円筒部躯体８に沿って円
周方向の鉄筋１１及び格納容器円筒部躯体８の鉛直方向
の鉄筋１２を配置することができる。放射状に複数設け
られているビーム５にほぼ平行して放射状に設けられて
いる半径方向鉄筋１２１は、この鉄筋と交叉する方向に
延びた鉄筋１１と交叉している。 【００２２】ここで、ガンマ線しゃへい壁２の上部端か
ら立ち上げる仮設支保工３は、図４、図５に示すように
ガンマ線しゃへい壁２内にリブ１５が設置されている個
所に取り付けることで、格納容器上部構造を支持するた
めのガンマ線しゃへい壁２への特別な補強は一切不要と
なり、また、構造上ガンマ線しゃへい壁リブ１５の設置
されないガンマ線しゃへい壁開口部１８は、開口部上に
ガンマ線しゃへい壁補強材１６を設置し、これに仮設支
保工３を取り付ける。 【００２３】さらにガンマ線しゃへい壁開口部１８の仮
設支保工３とガンマ線しゃへい壁リブ１５部に設置され
る仮設支保工３との間に補強板１７を渡すことで、格納
容器上部構造を支持することが可能となる。また、図
２、図３に示すように、ガンマ線しゃへい壁２の上部端
から立ち上げる仮設支保工３上には、円筒方向及び半径
方向に継手部の形成された鉄筋カプラ１３を高さ調整用
治具１４を介して載置し、ビーム５を支持する。 【００２４】図２では補強用鉄筋は格納容器の半径方向
に延びた鉄筋や円周方向に延びた円方向鉄筋を使用して
いるが、交叉する二方向に延びたものであれば良い。例
えば、図７に示すように、格子状に配置することも可能
である。 【００２５】本発明の上記実施の形態例によれば次の効
果を得ることができる。 【００２６】（１）鉄筋コンクリート製格納容器の構造
上最も強度の必要とする格納容器の開口部円筒胴ライナ
近傍の躯体および格納容器円筒部躯体に円周方向、半径
方向の鉄筋が切れ目なく配列されることにより格納容器
天井部の作業性、信頼性が向上を図ることができた。 【００２７】（２）ビームの支持に必要な仮設支保工及
び鉄筋カプラは既存のものを使用するため、本発明の実
用は容易に行われる。 【００２８】（３）円盤状構造躯対底面とガンマ線しゃ
へい壁上端との隙間を小さくできるので、放射線しゃへ
い性能が高まり、原子炉格納容器ドライウェル内の放射
線量低減が可能となる。 【００２９】（４）ガンマ線しゃへい壁側の格納容器上
部構造支持はガンマ線しゃへい壁のリブ取り付け部より
支持させるため、格納容器上部構造を支持するうえでの
ガンマ線しゃへい壁への特別な補強は一切不要であり、
本発明の実用は容易に行われる。 【００３０】 【発明の効果】本発明によれば、原子炉格納容器の建設
時の作業性と安全性を高め、合わせて、原子炉格納容器
の強度を高めてその品質を向上できる。更に、原子炉格
納容器内の放射線しゃへい機能が向上し、原子炉格納容
器ドライウェル内の放射線量を低減することができる。
上部の縦断面図である。 【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。 【図３】図１のＢ部詳細図である。 【図４】図１のＣ−Ｃ断面図である。 【図５】図４のＤ−Ｄ方向視図である。 【図６】鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の全体を表
す断面図である。 【図７】補強用鉄筋の他の実施の形態を示す断面図であ
る。 【符号の説明】 １…格納容器天井部ライナ、２…ガンマ線しゃへい壁、
３…仮設支保工、４…仮設支保工、５…ビーム、６…Ｔ
字鋼、７…鉄筋、８…格納容器円筒部躯体、９…開口部
円筒胴ライナ、１０…円周方向鉄筋、１１…円周方向鉄
筋、１２…鉛直方向鉄筋、１３…鉄筋カプラ、１４…高
さ調整用治具、１５…ガンマ線しゃへい壁リブ、１６…
ガンマ線しゃへい壁開口部補強材、１７…補強板、１８
…ガンマ線しゃへい壁開口部、１９…円盤状構造躯体、
２０…格子状鉄筋。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】原子炉圧力容器を取り巻くガンマ線しゃへ
い壁に支持され、前記ガンマ線しゃへい壁の外側に位置
する仮設支保工、及び原子炉格納容器の円筒部躯体に支
持された仮設支保工をそれぞれ立ち上げ、一端が前記原
子炉格納容器の円筒部躯体の外周面と内周面との間に位
置し、他端が前記ガンマ線しゃへい壁の外周面より外側
に位置するビームを、前記二つの仮設支保工で支持しな
がら、前記ビームに開口部ライナ及び天井部ライナから
なる原子炉格納容器ライナ、並びに前記原子炉格納容器
ライナと前記ビームとの間に配置され、交叉する二方向
に延びる補強用鉄筋を含む構造体を吊り下げ、前記ガン
マ線しゃへい壁上部端の前記仮設支保工が支持する原子
炉格納容器の天井部ライナ上に互いに交叉する二方向に
継手部の形成された鉄筋カプラを載置し、前記鉄筋カプ
ラに交叉する二方向に延びる前記補強用鉄筋を一体化さ
せ、前記ビームへ支持させるようにした状態で、コンク
リートを打設して固定することを特徴とする原子炉格納
容器の組立方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29874796A JP3529962B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 原子炉格納容器の組立方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29874796A JP3529962B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 原子炉格納容器の組立方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10142375A JPH10142375A (ja) | 1998-05-29 |
| JP3529962B2 true JP3529962B2 (ja) | 2004-05-24 |
Family
ID=17863725
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29874796A Expired - Lifetime JP3529962B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 原子炉格納容器の組立方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3529962B2 (ja) |
-
1996
- 1996-11-11 JP JP29874796A patent/JP3529962B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10142375A (ja) | 1998-05-29 |
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