JP3529272B2 - 薄箔用アルミニウム箔地及びその製造方法 - Google Patents
薄箔用アルミニウム箔地及びその製造方法Info
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Description
包装、フィルムコンデンサ、ラベル又はたばこ等に使用
される箔、特に箔厚が15μm以下の極薄のアルミニウ
ム箔用途に使用されるピンホール特性が優れたアルミニ
ウム箔地に関する。
ニウム合金は、箔地材料としては、JIS1N30等の
純アルミニウム、8079合金又は8021合金等が使
用されている。なお、以下、純アルミニウム及びアルミ
ニウム合金を総称してアルミニウムという。アルミニウ
ム箔地は、一般的に、これらのアルミニウム鋳塊に均質
化処理、熱間圧延、冷間圧延及び中間焼鈍を施し、ま
た、必要に応じてその後、冷間圧延を施すことにより製
造されている。
延及び最終焼鈍を行うことによりアルミニウム箔が得ら
れる。ところで、5.5乃至7μmのアルミニウム箔が
実用化されているが、箔需要は6乃至7μmが大半であ
り、同じ厚さのアルミニウム箔は箔圧延での互換性の点
によりJIS1N30を使用したいとの要望が強い。一
般的に、箔厚の減少に伴う問題点としては、ピンホール
が著しく増加し、箔が本来有するべき性能である光、気
体及び液体等に対するバリアー性が低下すると共に、ピ
ンホールによる圧延中の箔切れが生じ易いことが知られ
ている。
われ、ピンホールはマット面うねりの最大のところがブ
ライト面オイルピット等と連結して生ずることが知られ
ている。また、ピンホールはオイルピット面等の表面欠
陥と比べて、主にマット粗度に支配されることも知られ
ている。更に、オイルピットは圧延条件(リダクション
・バックテンション)に主に支配され、マット面は結晶
粒の自由変形により形成されると考えられ、箔地により
支配される要因が大きい(特公平3−60562号公
報、軽金属学会第70回予行集33,34,35)。
Fe含有量の増加や均質化処理以降の製造条件変更によ
りFe固溶度を減少させ、結晶粒を微細化することによ
り加工硬化を抑制できる箔として特開昭63−2632
2号公報等に開示されている。また、他の元素を添加す
るものも知られていて、例えば、Ni、Mn及びCrの
添加により結晶粒の微細化及び加工硬化の抑制を発現す
ることができる箔として特開昭63−282228号公
報、特開昭63−282244号公報及び特開平8−3
3644号公報等に開示されている。
Ni、Mn、Crを添加するアルミニウム箔地では前述
のような互換性のメリットがない。また、JIS1N3
0相当の組成(Fe含有量のない場合)では、均質化処
理以降の製造条件変更により析出促進を行っても、箔厚
が6乃至7μmのアルミニウム箔を得る箔圧延において
は、大きな加工硬化の抑制効果を得られないばかりか、
工程変更によっては結晶粒が逆に大きくなってしまうこ
ともあり、ピンホールの発生量の増加及び圧延中に箔切
れの頻発を生じ易い等の問題があった。
であり、JIS1N30相当の組成であっても、箔圧延
及びピンホール特性を損なうことなく、箔を薄箔化でき
るアルミニウム箔地及びその製造方法を提供することを
目的とする。
用アルミニウム箔は、Fe:0.3乃至1.0重量%、
Si:0.15重量%未満を含有し、残部がAl及び不
可避的不純物からなり、粒径が0.1乃至0.8μmの
金属間化合物の平均粒子間距離が0.7乃至2.5μm
であると共に、77Kにおける比抵抗値が3.1乃至
3.4nΩ・mであることを特徴とする。
の製造方法は、Fe:0.3乃至1.0重量%、Si:
0.15重量%未満を含有し、残部がAl及び不可避的
不純物である組成のアルミニウム合金の溶湯を、凝固時
の冷却速度を0.3乃至3.0℃/secで半連続鋳造
し、面削した後、400乃至620℃の温度範囲で均質
化処理を施し、終了温度が200乃至260℃の温度範
囲となるように仕上熱間圧延し、前記仕上熱間圧延終了
後に圧延率50%以上の冷間圧延を行い、300乃至4
50℃で2時間以上の中間焼鈍を施し、更に冷間圧延を
することにより、粒径が0.1乃至0.8μmの金属間
化合物の平均粒子間距離が0.7乃至2.5μmである
と共に、77Kにおける比抵抗値が3.1乃至3.4n
Ω・mであるアルミニウム箔地を製作することを特徴と
する。
に添加するCuの添加量が0.002重量%以下である
と共に、Tiの添加量も0.003重量%以下であるこ
とが好ましい。
却速度、均質化処理条件、仕上熱間圧延、冷間圧延率及
び中間焼鈍条件の制御により平均粒子間距離の適正化を
図ることにより、箔圧延性に優れ、箔圧延後、ピンホー
ルの発生数が少ないアルミニウム箔地を得ることができ
る。
ミニウム箔及び箔地に関する研究から、ピンホールを少
なくすることは、マット面粗度を低くすること、即ち、
仕上箔圧延時の変形ブロックを微小化することが必要で
あることを見出した。更には、マット面は結晶粒サイズ
のみではなく、転位セルサイズの自由変形によっても形
成されることも見出した。また、ピンホールを少なくす
るには、加工硬化を抑制することが有効であることは知
られているが、これは、転位整理によるサブグレイン化
により達成されることも究明した。
ム箔地を開発するため、鋭意研究を重ねた結果、粒径が
0.1乃至0.8μmの金属間化合物の平均粒子間距離
を転位セルサイズに調整することが有効であることを見
出した。また、JIS1N30組成の場合には、この平
均粒子間距離の適正化は、従来行われてきた均質化処理
以降の製造条件変更のみでは、調整困難であり、鍛造条
件の適正化と均質化処理以降の箔地製造条件を組合せて
制御することにより、その目的が達成されることを見出
した。本発明はこの知見に基づいてなされたものであ
る。
至1.0重量%、Si:0.15重量%未満を含有し、
残部がAl及び不可避的不純物である組成のアルミニウ
ム合金の溶湯を、凝固時の冷却速度を0.3乃至3.0
℃/secで半連続鋳造し、面削した後、400乃至6
20℃の温度範囲で均質化処理を施し、終了温度が20
0乃至260℃の温度範囲となるように仕上熱間圧延
し、前記仕上熱間圧延終了後に圧延率50%以上の冷間
圧延を行い、300乃至450℃で2時間の中間焼鈍を
施し、更に冷間圧延をすることにより、粒径が0.1乃
至0.8μmの金属間化合物の平均粒子間距離が0.7
乃至2.5μmであると共に、77Kにおける比抵抗値
が3.1乃至3.4nΩ・mであるアルミニウム箔地を
製作する。
成分限定理由について説明する。
ム中において他の元素と結合してAl−Fe系の金属間
化合物を生成する元素である。また、このAl−Fe系
の金属間化合物は、再結晶の核として作用するために、
Fe添加は結晶粒の微細化に効果がある。Fe含有量が
0.3重量%未満の場合では、鋳造時に晶出する金属間
化合物の数が不十分であり、結晶粒を微細化する効果を
得にくい。一方、Fe含有量が1.0重量%を超える場
合には、Al−Fe系の金属間化合物の数が多く形成さ
れるので、結晶粒の微細化効果は大きいが、箔圧延時の
変形抵抗が増大するため、圧延性が極端に低下する。従
って、Fe含有量は0.3乃至1.0重量%とする。
は、粗大なAl−Fe−Si系金属間化合物を生成し易
く、ピンホールが増大する原因となるため、少ない方が
良い。このため、Si含有量は0.15重量%未満であ
ることが望ましい。
物の平均粒子間距離:0.7乃至2.5μm 粒径が0.1乃至0.8μmの金属間化合物は、主に析
出物であり、均質化処理、熱間圧延及び中間焼鈍にて生
成する。これらの金属間化合物の分布は、箔圧延中の転
位蓄積及び整理に作用するために、その後の重合圧延に
おけるセルオーダーの変形ブロックサイズに影響を及ぼ
す。変形ブロックサイズの金属間化合物の平均粒子間距
離が0.7μm未満の場合には、重合圧延前パスでピン
止めとなり、即ち、転位蓄積が過多となり、後の重合圧
延にて複数の転位セル単位での変形ブロックとなるため
に、マット面が粗くなり、ピンホールが多発する。一
方、変形ブロックサイズの金属間化合物の平均粒子間距
離が2.5μmを超える場合には、重合圧延前パスでの
転位整理は容易となり、単一セルでの変形ブロックとな
るが、粗大セルが形成され易いために、マット面が粗く
なり、ピンホールが多発する。従って、粒径が0.1乃
至0.8μmの金属間化合物の平均粒子間距離は0.7
乃至2.5μmとする。
4nΩ・m 77Kにおける比抵抗値は、不純物の固溶量に対応し、
箔圧延時の加工硬化挙動と軟質強度に影響する。77K
における比抵抗値が3.1nΩ・m未満の場合には、余
りに転位整理が容易になりすぎ、上がり前々での転位整
理が上がり前での転位蓄積を生じ、後の重合圧延にて複
数の転位セル単位での変形ブロックになるために、マッ
ト面が粗くなり、ピンホールが多発する。一方、77K
における比抵抗値が3.4nΩ・mを超える場合には、
高い軟質強度は得られるが、重合圧延前パスで充分に転
位が整理されず、複数セルでの変形ブロックとなるため
に、マット面が粗くなり、ピンホールの多発する。従っ
て、77Kにおける比抵抗値は3.1乃至3.4nΩ・
mとする。
化によるO材強度の向上に有効であり、必要に応じて添
加しても良い。Cu含有量が0.005重量%未満の場
合には、固溶硬化が不十分であり、O材強度を向上する
強度を得にくい。一方、Cu含有量が0.02重量%を
超える場合には、固溶硬化の程度が大きすぎ、箔圧延時
の変形抵抗が増大するため、圧延性が極端に低下する。
従って、Cuは、0.02重量%以下であれば、必要に
応じて添加しても良い。
加され、鋳塊組織を微細化するために使用される。箔圧
延後に筋模様が問題となる場合には、0.03重量%以
下の範囲で添加しても良いが、添加しないで羽毛状晶と
した方が鋳塊で晶出する金属間化合物が微細になるた
め、筋模様に支障がなければTiは少ない方が好まし
い。従ってTiは、0.03重量%以下であれば、必要
に応じて添加しても良い。
ては、Mn,Mg,Zn,Cr,V,Zr,Bi,S
n,In,Pb等が挙げられるが、JIS1100及J
IS1N30程度の含有範囲であれば本発明の目的を損
なうものではない。
製造方法における条件処理の限定理由について説明す
る。
sec 前述のように、箔として優れたピンホール特性を発現す
るためには、箔地で粒径が0.1乃至0.8μmの金属
間化合物の平均粒子間距離を適性化する必要がある。こ
の平均粒子間距離の適性化は、従来行われてきた均質化
処理以降の製造条件の変更のみでは調整困難であり、鋳
造条件の適正化と均質化処理以降の箔地製造条件を組み
合わせて制御することにより、その目的は達成される。
即ち、凝固時の冷却速度を適正化することは平均粒子間
距離を適正化することとなり、ピンホールの低減に寄与
する。
えた場合には、造塊されたスラブは、その後の均質化処
理、熱間圧延処理及び中間焼鈍により、過飽和固溶した
Feが微細析出物として排出され、粒径が0.3μm以
下の析出物数を極端に増加させ、粒径が0.1乃至0.
8μmの金属間化合物の平均粒子間距離が狭くなり、ピ
ンホールの多発を招く。一方、0.3℃/sec未満の
場合には、グラススクリーン内で浮遊晶を生じるため、
圧延用スラブとして造塊することは困難となる。従っ
て、凝固時の冷却速度は0.3乃至3.0℃/secと
する。好ましくは、凝固時の冷却速度は0.3乃至2.
4℃/secである。
化処理を施す。この均質化処理は、固溶及び析出調整を
目的として行われ、粒径が0.1乃至0.8μmの金属
間化合物の平均粒子間距離を適正化する重要な処理であ
り、ピンホールの低減に寄与する。均質化処理温度が4
00℃未満の場合には、固溶元素の析出による析出数が
不十分となり、平均粒子間距離を広くするため、ピンホ
ールの多発を招く。なお、長時間の焼鈍を行う場合には
均質化処理温度が400℃未満でも固溶元素が充分に析
出するが、生産効率が悪くなるために好ましくない。一
方、均質化処理温度が620℃を超える場合には、固溶
元素の析出による析出数が不十分となり、平均粒子間距
離を広くするため、ピンホールの多発を招く。従って、
均質化処理温度は、400乃至620℃とする。この均
質化処理時間は特に規定するものではないが、2時間以
上行うことが好ましい。
至450℃ 前述の均質化処理の後、熱間圧延し、次に冷間圧延を施
し、更に中間焼鈍する。この焼鈍は固溶元素の析出及び
再結晶を目的として行われるものであるが、前述の平均
粒子間距離は、中間焼鈍温度及び仕上げ熱間圧延終了後
の冷間圧延における圧延率に影響される。この冷間圧延
率が50%未満又は中間焼鈍温度が300℃未満の場合
には、固溶元素の析出による析出数が不十分となり、平
均粒子間距離を広くすると共に、比抵抗値の上昇を招く
ことになる。このためにピンホールの多発を招く。一
方、中間焼鈍温度が450℃を超える場合でも、固溶元
素の析出による析出数が不十分となり、平均粒子間距離
を広くすると共に、比抵抗値の上昇を招くことになる。
このためにピンホールの多発を招く。従って、中間焼鈍
温度は300乃至450℃とする。この中間焼鈍時間は
特に規定するものではないが、2時間以上行うことが好
ましい。なお、中間焼鈍温度が320℃未満の場合で
は、比抵抗値の著しい低下を生じるために、ピンホール
の多発を招く。よって、中間焼鈍温度は、好ましくは3
20乃至450℃とする。
℃ 箔地の固溶度(比抵抗値)調整には、仕上熱間圧延終了
温度の管理が有効である。仕上熱間圧延終了温度が20
0℃未満の場合には、箔地として必要なコイル形状が得
られず、箔圧延での圧延性に劣る。一方、仕上熱間圧延
終了温度が260℃を超える場合には、比抵抗値の低下
を招き、ピンホールが多発する。従って、仕上熱間圧延
終了温度を200乃至260℃の範囲で終了する必要が
ある。
てその比較例と比較して具体的に説明する。
2に示す凝固時の冷却速度で半連続鋳造し、スラブを面
削した後、550℃の温度で5時間の均質化処理を行
い、その直後に熱間圧延を開始し、240℃で熱間圧延
を終了し、板厚5mmのアルミニウム板を得た。その
後、圧延率86%で冷間圧延を行い、得た板を375℃
の温度で4時間の中間焼鈍を行った。更に、冷間圧延し
て、厚さが0.3mmのアルミニウム箔地を製作した。
厚さが6μmのアルミニウム箔を作製し、箔圧延時にお
ける圧延性について評価した。その結果、圧延時におい
て円滑に圧延できた場合を○(良好)、同一圧延条件に
おいて、薄肉化が困難であるか、強度不足により圧延速
度を速くできない又は板厚分布等の平面性制御が困難等
のトラブルが発生する傾向が強かった場合を×(不良)
とした。なお、造塊時に浮遊晶の発生により、圧延用と
してスラブが取れなかったものも×(不良)とした。
し、常法に従い最終焼鈍を施した厚さ6μmのアルミニ
ウム箔を、幅が15mm、有効長さが100mmの短冊
状に形成して試験片を製作した。この試験片をインスト
ロン式の引張試験機により引張強さを測定し、これをO
材の強度とした。O材の強度は、60MPa未満が劣
り、60乃至75MPaが優れ、75MPaを超えるも
のが特に優れることを示す。
いて、ピンホール検知機により1m 2 当たりのピンホー
ル数(直径5μm以上のもの)を測定した。ピンホール
は100個/m2以下が優れる。
平均粒子間距離及び比抵抗値は以下に示す方法で測定し
た。
湯底側の定常部を採取し、次に長辺面中央部の表皮より
100mmの位置より小片を採取し、更に電解研磨の後
に交線法と二次枝法にてDASを測定することにより算
出した。詳細には、軽金属学会の研究報告書No.20
「アルミニウムのデントライトアームスペーシングと冷
却速度の測定法」に記載の方法にて行い、交線法と二次
枝法との測定値補正は数式1に示される経験式を使用し
た。凝固時の冷却速度の算出については、Fe量が0.
65重量%以下の場合は数式2を用い、Fe量が0.6
5重量%を超える場合は数式3を用いて算出する。
S
8μmの金属間化合物の平均粒子間距離である。この平
均粒子間距離は、透過型電子顕微鏡と画像処理装置を使
用して測定した。即ち、アルミニウム箔地より7.5m
m角の小片を採取し、厚さ0.1mmに研磨後、直径3
mmの円盤状に打ち抜いた。これを温度350℃、時間
5分の条件で転位除去処理を行い、次に、ジェット研磨
により厚さが5μmの観察サンプルを作製した。これら
を倍率10000倍にて析出物の観察をし、総面積が3
512μm2になる視野数の写真を撮影した。また、こ
の観察の際に、フリンジ法により観察点の厚さも測定す
ることにより、観察体積を算出した。更に、この観察体
積と画像処理によりカウントした粒径が0.1乃至0.
8μmの総金属間化合物の数とにより平均粒子間距離を
算出した。
0mmの小片を採取し、これを温度350℃、時間5分
の歪取り焼鈍の後に、ブリッジ回路法で常温と液体窒素
中で測定した抵抗値によりマティーセンの式を使用して
77Kにおける比抵抗値を算出した。
性、ピンホール数、O材強度、凝固時の冷却速度、平均
粒子間距離及び比抵抗値を下記表2にまとめて示す。
至6は、良好な圧延性を得た。また、ピンホール数及び
O材強度に関しても実施例No.1乃至6は、好ましい値
であり、全体に亘って良好なアルミニウム箔を得ること
ができた。
びO材強度は良好であるものの、過剰なFeの添加によ
り圧延性が低下した。比較例No.21は、圧延性は、良
好であったが、Feの添加不足により結晶粒を微細にす
ることができないために、ピンホール数及びO材強度が
実施例に比べて劣った。比較例22及び24は、圧延性
及びO材強度は良好であったが、比較例No.22は過剰
なSiの添加により、比較例No.24は過剰なTiの添
加により、多量のピンホールが発生した。比較例No.2
3は、O材強度は良好なものの、過剰なCuの添加によ
り、圧延性及びピンホール特性が実施例と比較して劣っ
た。
性及びO材強度は良好であるものの、鋳造凝固時の冷却
速度が請求項に規定された範囲よりも速すぎ、平均粒子
間距離が狭くなったために、マット面が粗くなり、極め
て多量のピンホールが発生した。比較例25、27、2
9及び31は、鋳造凝固時の冷却速度が請求項に規定さ
れた範囲よりも遅すぎ、グラススクリーン内で浮遊晶を
生じたために、圧延用スラブが製作できなかったもので
ある。比較例No.33は、請求項で規定した範囲よりも
比抵抗値が低いためにピンホールが多発すると共に、O
材強度も低くなった。比較例No.34は、請求項で規定
した範囲よりも比抵抗値が高いためにピンホールの発生
量が実施例と比較して多かった。
凝固時の冷却速度がそれぞれ同じ鋳塊について、面削し
た後、表3に示す条件で均質化処理を施し、その直後に
仕上熱間圧延を開始し表3に示す温度で仕上熱間圧延を
終了し、板厚5mmのアルミニウム板を得た。その後、
表3に示す条件で冷間圧延及び中間焼鈍を施し、冷間圧
延して、厚さ0.3mmのアルミニウム箔地を製作し
た。得られたアルミニウム箔地を箔圧延し、厚さが6μ
mのアルミニウム箔を製作した。
評価した圧延性、ピンホール数、O材強度、平均粒子間
距離及び比抵抗値を下記表4に示す。
7乃至12については、良好な圧延性を得た。また、ピ
ンホール数及びO材強度についても同様に実施例No.7
乃至12については、好ましい値であり、全体にわたっ
て良好な箔を得ることができた。
については良好であった。しかしながら、比較例No.3
5乃至46においては、均質化処理温度、仕上熱間圧延
終了温度又は中間焼鈍処理温度若しくは圧延率が請求項
で規定した範囲から外れているために、平均粒子間距離
が広くなった。よって、マット面が粗くなり、ピンホー
ルが多発した。また、比較例No.47は、仕上熱間圧延
終了温度が請求項に規定する範囲よりも低いために、良
好なコイル形状が得られなかった。よって、圧延性に劣
ると共に、ピンホールが多発した。
造凝固時の冷却速度、均質化処理条件、仕上熱間圧延終
了温度、冷間圧延率及び中間焼鈍条件の制御により平均
粒子間距離の適正化を図ることにより、箔圧延性に優
れ、箔圧延後、ピンホールの発生数が少ないアルミニウ
ム箔地を得ることができる。
ることにより、箔圧延性に優れ、箔圧延後のピンホール
の発生数が少ないと共に、O材強度にも優れるアルミニ
ウム箔地を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 Fe:0.3乃至1.0重量%、Si:
0.15重量%未満を含有し、残部がAl及び不可避的
不純物からなり、粒径が0.1乃至0.8μmの金属間
化合物の平均粒子間距離が0.7乃至2.5μmである
と共に、77Kにおける比抵抗値が3.1乃至3.4n
Ω・mであることを特徴とする薄箔用アルミニウム箔
地。 - 【請求項2】 Cuの含有量が0.02重量%以下であ
ることを特徴とする請求項1に記載の薄箔用アルミニウ
ム箔地。 - 【請求項3】 Tiの含有量が0.03重量%以下であ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄箔用アル
ミニウム箔地。 - 【請求項4】 Fe:0.3乃至1.0重量%、Si:
0.15重量%未満を含有し、残部がAl及び不可避的
不純物である組成のアルミニウム合金の溶湯を、凝固時
の冷却速度を0.3乃至3.0℃/secで半連続鋳造
し、面削した後、400乃至620℃の温度範囲で均質
化処理を施し、終了温度が200乃至260℃の温度範
囲となるように仕上熱間圧延し、前記仕上熱間圧延終了
後に圧延率50%以上の冷間圧延を行い、300乃至4
50℃で2時間以上の中間焼鈍を施し、更に冷間圧延を
することにより、粒径が0.1乃至0.8μmの金属間
化合物の平均粒子間距離が0.7乃至2.5μmである
と共に、77Kにおける比抵抗値が3.1乃至3.4n
Ω・mであるアルミニウム箔地を製作することを特徴と
する薄箔用アルミニウム箔地の製造方法。 - 【請求項5】 前記アルミニウム合金に添加するCuの
添加量が0.02重量%以下であることを特徴とする請
求項4に記載の薄箔用アルミニウム箔地の製造方法。 - 【請求項6】 前記アルミニウム合金に添加するTiの
添加量が0.03重量%以下であることを特徴とする請
求項4又は5に記載の薄箔用アルミニウム箔地の製造方
法。
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-
1998
- 1998-08-07 JP JP22500498A patent/JP3529272B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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三木功,Al−Fe合金の凝固時における鉄の挙度,軽金属,日本,軽金属学会,1975年 1月,Vol.25,No.1,p.1−9 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2000054045A (ja) | 2000-02-22 |
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