JP3529178B2 - 衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板 - Google Patents
衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板Info
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Description
される極低炭素鋼板に関するもので、例えば自動車など
に用いられる極低炭素薄鋼板などとして好ましいもので
ある。本発明鋼板は、メンバー類のみならず車体、足回
りなど上記特性の要求される分野に広く利用することが
できる。
的要求の高まりとともに、メンバー類などの部材が衝突
事故の際に局部的に変形し、衝撃を吸収するような車体
構造が考えられており、車体構造の最適化とともに、さ
らには鋼板そのものに高い衝撃吸収能が要求されるよう
になってきている。しかし、これまでの考え方は、これ
らの部位に単に静的強度の高い鋼板を用いるといった方
法がとられており、このため優れた成形性とのバランス
のみに主眼を置いた極低炭素鋼に関する発明が数多く提
案されてきた。
要求から明らかなように、メンバー類などのような衝撃
吸収部材用素材である鋼板に求められる特性は、静的高
強度と優れた成形性の両立では不充分で、実際の衝突時
の高歪み速度域での衝撃吸収能の高さをも加味したもの
でなければならない。即ち、本発明はこのような実情を
鑑み、成形性に優れる極低炭素鋼板において衝撃吸収能
を向上させるための成分と組織特性を提供するものであ
る。
の衝突に相当する高歪み速度域(101 〜103/秒) での各
種鋼板の衝撃吸収能を評価することにより、衝撃吸収能
に優れた極低炭素鋼板に関して以下の知見を得た。
伝播するために均一変形が起こりにくくなる。このた
め、加工硬化能を高めて、均一変形化を図ることと、歪
み速度感受性を高め、変形の局所化を起こしにくくする
ことが、動的強度を高めると同時に最大流動応力に至る
までの変形量を増大させることにつながり、結果的に衝
撃吸収能を向上させることになる。
ることにより、侵入型元素である炭素および窒素を炭化
物や窒化物として固定して歪み速度感受性を高めつつ、
析出物そのものは低減させて動的加工硬化能を高めてい
る。さらに、窒化物および酸化物を低減し、歪集中を抑
制している。また、結晶粒の等軸化を図ると同時に粗大
化を抑制することも動的均一変形能向上に効果がある。
項1の発明は、mass%でC:0.005%以下、Si:1%以下、Mn:
2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.02%以下を含み、Al:0.075%
以下、B:0.0015%以下のうち一種以上、かつ、Ti:0.113%
以下、Nb:0.035%以下、V:0.043%以下 のうち一種以上を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、不純物とし
てのN 、Oの関係がN+2xO≦0.008%を満足し、C 、Ti、A
l、B 、Nb、V 、N 、Sの関係が、(N/14)≦(Ti/48)+(Al/
27)+(B/11)、かつ (C/12)≦(Ti*/48)+(Nb/93)+(V/51)、
及びTi*=Ti-(48/14)xN-(48/32)xS を満足することを特
徴とする衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板である。
粒径が30μm以下、展伸度が1.3以下であることを特徴と
する衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板である。
さ)/(板厚方向平均結晶粒長さ)である。
i、Al およびBは窒化物形成元素であり、窒素を完全に
固定する量を単独または複合添加する必要があり、(N/1
4)≦(Ti/48)+(Al/27)+(B/11)の関係を満足させる必要が
ある。
炭素を完全に固定する量を単独または複合添加する必要
がある、但し、Tiは窒化物、硫化物を形成後に炭化物を
形成するので、炭化物を形成しうる有効Ti量(Ti*=Ti-
(48/14)xN-(48/32)xS )を計算に用いなければならな
い。従って、(C/12)≦(Ti*/48)+(Nb/93)+(V/51)の関係
を満足させる必要がある。
び炭素を窒化物、炭化物として固定すれば転位と侵入型
元素の相互作用がなくなり、鋼の歪み速度感受性が向上
する。
いので、(N/14)≦(Ti/48)+(Al/27)+(B/11)および(C/12)
≦(Ti*/48)+(Nb/93)+(V/51)なる関係を満足させること
により変形の局所化が抑制され、衝撃吸収能が高まる。
炭化物が多いと初期転位に対する抵抗となるものの、後
続転位に対しては抵抗となりにくくなるために加工硬化
能が小さくなる。従って、Cを0.005%以下とし、炭化物
を減少させることにより動的な均一変形能が向上し、衝
撃吸収能が高まる。
に存在するが、高温で生成するために炭化物に比較して
大きく、衝撃変形下では転位がこのような介在物に集積
し、変形の局所化を助長する。したがって、NとOは低
く抑えることが重要である。ここで、窒化物に比較して
酸化物の寄与は2倍と大きいために、N+2xO≦0.008%に
制限する必要がある。
素であり、Tiの添加量に影響を与えるが、特に規定は
しないで0.02%以下が一般的である。
変形の均一化を図る目的で以下のように結晶粒を規定す
ることが望ましい。
が均一化しやすい。動的には、結晶粒径が30μmを超え
ると、また展伸度が1.3を超えると均一変形能が低下し
始めるので、粒径30μm以下、展伸度1.3以下に規定する
ことが望ましい。
ないが、一般的含有量は以下の通りである。
を低下させるので、2.5%以下の添加が一般的である。
を低下させるので、1%以下の添加が一般的である。
を低下させるので、0.1%以下の添加が一般的である。
および表面処理鋼板のいずれにおいても得られるもので
ある。
にしたがって転炉または電気炉で溶製、鋳造し、熱間圧
延あるいは酸洗後冷間圧延により所望の板厚の鋼板にさ
れる。特に限定する必要はないが、再加熱圧延の場合は
加熱温度を1150℃以上、仕上温度をAr3以上として熱間
圧延を行い、冷延鋼板の場合は、さらに50%以上の圧下
率を確保した冷間圧延することで、本発明の効果は最大
限に発揮される。なお、熱間圧延時に再加熱を行わない
直送圧延の場合でも本発明の効果は全く損なわれない。
鈍、連続焼鈍ラインあるいは連続溶融亜鉛めっきライン
のいずれでもかまわないし、後者の場合の合金化処理の
有無は問わない。また、焼鈍後調質圧延を経て、電気め
っき、有機複合皮膜あるいは化成処理などの表面処理を
単独あるいは複合して施した場合にも、本発明の効果は
損なわれない。なお、溶接管、電縫管、ロールフォーミ
ング加工用素材にも適用できる。
成、表2に結晶粒径、展伸度および静的強度、衝撃試験
におけるエネルギー吸収量を示す。なお、成分組成の残
りはFe及び不可避不純物である。
ブを熱間圧延ーランナウトテーブル上での冷却ー巻取り
処理により、2.8〜4.0mm板厚の熱延鋼板を得た(鋼番13
〜15)。なお、平均的な仕上げ温度は900℃、巻取温度
は550〜650℃である。この熱延鋼板はさらに酸洗後冷間
圧延を行い(板厚0.6〜1.6mm)、780〜850℃の連続焼鈍を
し、0.5%の調質圧延を施した(鋼番1〜6、16〜22、27〜
29)。
間圧延後820℃で連続焼鈍し、460℃まで冷却した段階で
片面あたり55g/m2の溶融亜鉛をめっきし、引き続き500
℃で合金化処理を行った(鋼番7〜9、24〜26)。1.0%の
調質圧延後、一部については、溶融めっき後、電気めっ
き鋼板を得るために溶融亜鉛めっき後、さらに片面あた
り3g/m2の80%Fe-Zn合金の上層電気亜鉛めっきを施した
(鋼番10、25)。電気めっき鋼板については(鋼番11、
26)、調質圧延後、片面あたり30g/m2の88%Zn-Ni合金電
気めっきを行い、有機被覆鋼板については、電気めっき
の上にさらにクロメート層50g/m2、樹脂層1μmの複合被
覆を行った(鋼番12、23)。
41に準じ、引張速度は10mm/分で引張強度を評価した。
衝撃吸収能は平行部;5mmx10mmの小型引張試験片を用
い、引張速度は10m/秒で降伏後の最大流動応力までの吸
収エネルギーにより評価した。なお、応力〜歪み線図は
ホプキンソン棒法により応力波の影響を除去したうえで
測定した。本パラメーターは比較的簡便に評価でき、ハ
ット型成形後の曲げあるいは座屈変形時の衝撃吸収能と
良い相関があることを確認している。
は明らかに静的強度に対する衝撃エネルギー吸収量が多
く、衝撃吸収能に優れている。ただし、結晶粒径が30μ
mを超える、あるいは展伸度が1.3を超える鋼番16〜18は
発明鋼の中では若干衝撃吸収能に劣る。これに対し、比
較鋼のNが完全に固定されていない鋼番19、20 、Cが
完全に固定されていない鋼番21〜24、N+2xO量の多
い鋼番25〜27、C量の多い鋼番28,29は静的強度に対す
る衝撃エネルギー吸収量が少ない。
に対してエネルギー吸収能が高い極低炭素鋼板を新たな
設備の設置あるいは製造プロセスの変更をすることなく
製造することができる。
係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 mass%でC:0.005%以下、Si:1%以下、Mn:
2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.02%以下を含み、Al:0.075%
以下、B:0.0015%以下のうち一種以上、かつ、Ti:0.113%
以下、Nb:0.035%以下、V:0.043%以下 のうち一種以上を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、不純物とし
てのN 、Oの関係がN+2xO≦0.008%を満足し、C 、Ti、A
l、B 、Nb、V 、N 、Sの関係が、(N/14)≦(Ti/48)+(Al/
27)+(B/11)、かつ (C/12)≦(Ti*/48)+(Nb/93)+(V/51)、
及びTi*=Ti-(48/14)xN-(48/32)xS を満足することを特
徴とする衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板。 - 【請求項2】 平均結晶粒径が30μm以下、展伸度が1.3
以下であることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収
能に優れた極低炭素鋼板。ここで、展伸度=(圧延方向
平均結晶粒長さ)/(板厚方向平均結晶粒長さ)であ
る。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32652994A JP3529178B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32652994A JP3529178B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08176738A JPH08176738A (ja) | 1996-07-09 |
JP3529178B2 true JP3529178B2 (ja) | 2004-05-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32652994A Expired - Fee Related JP3529178B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 衝撃吸収能に優れた極低炭素鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3529178B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1080321C (zh) * | 1997-03-17 | 2002-03-06 | 新日本制铁株式会社 | 具有高冲击能量吸收性能的双相型高强钢板和生产该钢板的方法 |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32652994A patent/JP3529178B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08176738A (ja) | 1996-07-09 |
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