JP3528820B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP3528820B2
JP3528820B2 JP2001198727A JP2001198727A JP3528820B2 JP 3528820 B2 JP3528820 B2 JP 3528820B2 JP 2001198727 A JP2001198727 A JP 2001198727A JP 2001198727 A JP2001198727 A JP 2001198727A JP 3528820 B2 JP3528820 B2 JP 3528820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図14の回路図は、先に本出願人が提案し
た発明に基づいて構成することのできる、先行技術とし
てのスイッチング電源回路の一例を示している。この図
に示す電源回路の基本構成としては、一次側スイッチン
グコンバータとして電圧共振形コンバータを備えてい
る。
【0004】この図に示す電源回路では、ブリッジ整流
回路Di及び平滑コンデンサCiによって、商用交流電
源(交流入力電圧VAC)から交流入力電圧VACの1倍の
レベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成する。
【0005】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続する電圧共振形コンバータとしては、1石
によるシングルエンド方式が採用される。また駆動方式
としては自励式の構成を採っている。この場合、電圧共
振形コンバータを形成するスイッチング素子Q1には、
高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トラ
ンジスタ)が選定される。このスイッチング素子Q1の
コレクタ−エミッタ間に対しては、一次側並列共振コン
デンサCrが並列に接続される。また、ベース−エミッ
タ間に対しては、クランプダイオードDD−抵抗RDの直
列回路が接続される。ここで、並列共振コンデンサCr
は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得
られるリーケージインダクタンスL1と共に、一次側並
列共振回路を形成しており、これによって電圧共振形コ
ンバータとしての動作が得られるようになっている。そ
して、スイッチング素子Q1のベースに対しては、駆動
巻線NB−共振コンデンサCB−ベース電流制限抵抗RB
から成る自励発振駆動回路が接続される。スイッチング
素子Q1には、この自励発振駆動回路にて発生される発
振信号を基とするベース電流が供給されることでスイッ
チング駆動される。なお、起動時においては整流平滑電
圧Eiのラインから起動抵抗Rsを介してベースに流れ
る起動電流によって起動される。
【0006】直交型制御トランスPRTは、上記駆動巻
線NBと電流検出巻線NDの巻装方向に対してその巻装方
向が直交するようにして制御巻線Ncが巻装されて構成
され、後述するようにして一次側電圧共振形コンバータ
のスイッチング周波数を制御するために設けられる。こ
の直交形制御トランスPRTの構造については後述す
る。
【0007】絶縁コンバータトランスPITは、一次側
に得られるスイッチングコンバータのスイッチング出力
を二次側に伝送するために設けられる。この絶縁コンバ
ータトランスPITは、EE型コアに対して一次巻線N
1と二次巻線N2を分割して巻装し、中央磁脚に対しては
ギャップを形成することで、所要の結合係数による疎結
合の状態が得られるようにして、飽和状態が得られにく
いようにしている。
【0008】この絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1は、その一端が電流検出巻線NDを介して直流入
力電圧(整流平滑電圧Ei)のラインと接続され、多端
がスイッチング素子Q1のコレクタに接続されている。
スイッチング素子Q1は、直流入力電圧についてスイッ
チングを行うのであるが、上記した接続形態によって、
一次巻線N1及び電流検出巻線NDには、スイッチング素
子Q1のスイッチング出力が供給されることとなり、ス
イッチング周波数に対応する周期の交番電圧が発生す
る。
【0009】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0010】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共
振回路が備えられる。なお、本明細書では、このように
一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動作す
る構成のスイッチングコンバータについては、「複合共
振形スイッチングコンバータ」ともいうことにする。
【0011】この場合の絶縁コンバータトランスPIT
の二次側においては、先ず、二次巻線N2の巻終わり端
部に対して整流ダイオードDO1のアノードを接続し、カ
ソードを平滑コンデンサCO1の正極端子と接続すること
で、半波整流回路を形成している。この半波整流回路に
よっては、平滑コンデンサCO1の両端には、二次側直流
出力電圧EO1が得られることになる。また、この場合に
は、二次巻線N2に対してタップを設け、このタップ出
力に対して、図示するようにして整流ダイオードDO2及
び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路を形成して
いる。そして、この半波整流回路によっては、上記二次
側直流出力電圧EO1よりも低圧な二次側直流出力電圧E
O2が得られる。なお、具体的には、二次側直流出力電圧
EO1=135V、二次側直流出力電圧EO2=15Vとな
る。
【0012】これら二次側直流出力電圧EO1,EO2は、
それぞれ所要の負荷回路に対して供給されることにな
る。また、二次側直流出力電圧EO1は制御回路1の検出
用電圧として分岐出力される。
【0013】制御回路1は、直流出力電圧EO1と二次側
アース間に抵抗R3−R4が直列に接続され、この接続点
(分圧点)に対してシャントレギュレータQ3のコント
ロール端子が接続される。シャントレギュレータQ3の
アノードはアースに接地され、カソードは直交型制御ト
ランスPRTの制御巻線NCを介して、二次側直流出力
電圧EO2のラインに対して接続される。また、ここでは
シャントレギュレータQ3のカソードは、コンデンサC1
1を介して抵抗R3、R4の接続点と接続されている。ま
た、抵抗R4に対しては、コンデンサC3と抵抗R5の直
列接続回路が並列に接続される。
【0014】上記のような接続形態により形成される制
御回路1は、直流出力電圧EO1を検出入力とする誤差増
幅器として機能する。即ち、直流出力電圧EO1を抵抗R
3、R4により分圧した電圧がコントロール電圧としてシ
ャントレギュレータQ3のコントロール端子に対して入
力される。従ってシャントレギュレータQ3では、直流
出力電圧EO1に応じたレベルの電流を、制御電流Icと
して制御巻線NCに対して流すようにされる。つまり、
制御巻線NCに流れる制御電流レベルが可変制御される
ものである。制御巻線Ncに流れる制御電流レベルが可
変されることで、直交型制御トランスPRTにおいて
は、駆動巻線NBのインダクタンスLBを可変するように
制御することになる。これによって、自励発振駆動回路
における駆動巻線NB−共振コンデンサCBから成る共振
回路の共振周波数が変化し、スイッチング素子Q1のス
イッチング周波数が可変制御されることになる。このよ
うにしてスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が
可変されることで、二次側直流出力電圧が一定となるよ
うに制御される。つまり、電源の安定化が図られる。こ
こで、スイッチング周波数を可変するのにあたってはメ
インスイッチング素子Q1がオフとなる期間は一定とさ
れたうえで、オンとなる期間を可変制御するように動作
している。つまり、オン期間についての導通角制御を行
うと共にスイッチング周波数制御を実行している。な
お、本明細書では、このような複合的な制御を「複合制
御方式」ということとしている。
【0015】図15は、上記図14に示す構成の電源回
路の要部の動作として、重負荷時における各部の動作波
形を示している。ここでは主として一次側の動作が示さ
れている。自励発振駆動回路内の直列共振回路(NB,
CB)では、駆動巻線NBに得られた交番電圧により共振
動作を行うことで、図15(e)に示すように、正弦波
状の直列共振電流I2が得られる。そして、この直列共
振電流I2がベース電流制限抵抗RBを介することで、ス
イッチング素子Q1のベースには図15(d)に示すよ
うに、ベース電流(駆動電流)IBが流れる。この駆動
電流IBによって、スイッチング素子Q1は、スイッチン
グ動作を行う。
【0016】この際、スイッチング素子Q1のコレクタ
に流れるコレクタ電流IQ1は、図15(b)に示す波形
が得られる。また、スイッチング素子Q1//並列共振
コンデンサCrの並列接続回路の両端には、図15
(a)に示すようにして、この並列共振回路の作用によ
って並列共振電圧V1が発生する。この並列共振電圧V1
は、図のように、スイッチング素子Q1がオンとなる期
間TONは0レベルで、オフとなる期間TOFFにおいて正
弦波状のパルスとなる波形が得られ、電圧共振形として
の動作に対応している。
【0017】また、上記したタイミングによってスイッ
チング素子Q1がスイッチング動作を行うことで、一次
巻線N1に流れる巻線電流I1は、図15(c)に示すよ
うにしてスイッチング周期に応じた交番波形となる。
【0018】ここで、スイッチング素子Q1がオンとな
る期間TONにおいて、図15(e)の直列共振電流I2
が正極性の領域は、図15(d)の駆動電流IBの順方
向電流の領域に対応する。また、同じ期間TONにおい
て、直列共振電流I2が負極性の領域は、駆動電流IBの
逆方向電流となる。そして、この期間TONにおける駆動
電流IBの逆方向バイアス電流の領域がスイッチング素
子Q1の蓄積時間(tstg)となる。
【0019】スイッチング素子Q1のベース−エミッタ
間には、逆回復時間が長い低速のダンパーダイオードD
Dと抵抗RDの直列回路が接続されている。スイッチング
素子Q1がオフとなる期間TOFFでは、負となる直列共振
電流I2が、抵抗RD→クランプダイオードDD→ベース
電流制限抵抗RB→共振コンデンサCB→駆動巻線NBを
介して流れるが、これが図15(g)のダンパー電流I
D1として期間TOFFに得られる波形となる。そして次
に、期間TONが開始されると、並列共振コンデンサCr
の充放電エネルギーが、クランプダイオードDD→スイ
ッチング素子Q1のベース→コレクタを介して流れ、こ
れが、期間TON開始時(ターンオン時)における負極性
のダンパー電流(ID)となる。そして、この期間が終
了すると、ダンパーダイオードDDは逆回復時間の領域
となって正極性の方向に急峻に立ち上がり、以降は、図
示するようにして、期間TON終了時にかけて徐々に0レ
ベルとなっていく波形が得られる。
【0020】上記のようにして駆動電流IB及びダンパ
ー電流ID1が流れることに対応して、スイッチング素子
Q1のベース−エミッタ間電圧VBEは、図15(f)に
示すように、期間TOFFにおいては負極性による正弦波
状で、期間TONにおいては、その開始時のダンパー期間
では急峻に負極性にピークを持ち、これが終了すると正
極性の一定レベルで0レベルに対してオフセットが与え
られる波形となるものである。このオフセットレベル
は、例えば抵抗RDの抵抗値により決定される。
【0021】また、上記のようにして動作する図14の
電源回路の定電圧制御特性を図16に示す。二次側直流
出力電圧EO1の負荷電流Ioが0〜1.5Aの範囲で変
化するのに応じて、制御電流Icは、図のようにして変
化する。つまり、負荷電流が増加して重負荷の条件とな
り、二次側直流出力電圧EO1が低下していくのに従って
制御電流レベルを減少させるようにして制御が行われ
る。この結果、スイッチング周波数fsとしては、重負
荷の条件となるのに従って低下していくようにして制御
が行われる。また、交流入力電圧VACの変動に対応する
ものとして、交流入力電圧VAC=120VとVAC=90
Vの場合が示されているが、制御電流Icは、交流入力
電圧VAC=120V時の条件のほうが交流入力電圧VAC
=90V時の条件よりも増加しており、スイッチング周
波数fsについては、交流入力電圧VAC=120V時の
条件のほうが交流入力電圧VAC=90V時の条件よりも
高くなっている。これは、交流入力電圧VACのレベルが
高くなって二次側直流出力電圧EO1が上昇したとされる
場合には制御電流Icは増加されるようにして制御さ
れ、これに応じてスイッチング周波数fsも上昇される
ようにして制御されることを示している。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記構成にお
いて直交形制御トランスPRTは、共振電流検出巻線N
D、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装された可飽和
リアクトルである。図18に直交形制御トランスPRT
の構造を示す。図18(a)はその全体構造を説明する
ための外観斜視図、図18(b)は巻装される巻線の巻
線方向を説明するための断面斜視図である。図18
(a)に示すように、直交形制御トランスPRTは、フ
ェライトによる2つのダブルコの字形コア21,22を
組み合わせた立体形コア20によって形成されている。
一方のダブルコの字形コア21は、図18(a)(b)
に示されているように4本の磁脚21a,21b,21
c,21dを有して構成される。また、他方のダブルコ
の字形コア22も、例えば図18(a)(b)に示され
ているように4本の磁脚22a,22b,22c,22
dを有して構成される。そして、これら2つのダブルコ
の字形コア21,22の互いの磁脚21a〜21d,2
2a〜22dの端部を接合することで立体形コア20が
形成されている。
【0023】磁脚21a〜21dのそれぞれと磁脚22
a〜22dのそれぞれの接合部分については、上段の2
組或いは下段の2組において10μmのマイラーフィル
ムを挿入し、ギャップG=10μmとしている。そして
図17に示すように、駆動巻線NBのインダクタンスLB
の直流重畳特性は、制御電流Ic=10mA〜60mA
に対して、インダクタンスLB=8μH〜2.5μHに
変化する。
【0024】そして、図18(b)にも示されているよ
うに、例えばダブルコの字形コア22の2本の磁脚22
c,22dには制御巻線NCが巻回され、ダブルコの字
形コア21の磁脚21c,21bには検出巻線ND及び
駆動巻線NBが巻回されている。つまり、この直交形制
御トランスPRTは、検出巻線ND及び駆動巻線NBに対
して制御巻線NC が直交する方向に巻回された可飽和リ
アクトルとして構成される。この直交形制御トランスP
RTの制御巻線NCとしては、例えば60μmφのポリ
ウレタン被覆銅線により1000T(ターン)巻回さ
れ、検出巻線NDは0.3mmφのポリウレタン被覆銅
線により1T、駆動巻線NBは0.3mmφのポリウレ
タン被覆銅線により3T巻回される。
【0025】このような直交形制御トランスPRTで
は、制御巻線に流す制御電流量を少なくするために、ギ
ャップGが上記のように10μmという程度に僅小なも
のとしている。ところがこのため製造時においてはその
ギャップ厚の精度誤差が生じざるを得なくなるが、これ
は、直交型制御トランスPRTに巻装される駆動巻線N
Bのインダクタンス値についてばらつきを生じさせる。
またフェライトコアの透磁率、磁脚の接合時のずれ等の
ばらつきも、駆動巻線NBのインダクタンス値について
ばらつきを生じさせる。これらのことからインダクタン
スLBの許容値は、インダクタンス値が±10%変動す
るものとしなければならない。このためスイッチング素
子Q1の増幅率hFEや蓄積時間tstgのばらつきが生ず
るが、このばらつきに対して複合共振形コンバータの定
電圧保証範囲を、例えば商用交流電源が100V系であ
る場合に交流入力電圧VAC=100V±10%とするた
めには、直交形制御トランスPRTのインダクタンス可
変範囲は十分なマージンをもって設計しなければならな
い。つまり実用化の場合のマージン設計が困難なものと
なる。
【0026】また直交形制御トランスPRTの巻線仕様
は上記のとおりであり、さらに制御巻線NCと、検出巻
線ND及び駆動巻線NBとを互いに直交する方向に巻回す
ることは、製造上、巻線工程が非常に複雑となる。さら
にダブルコの字形コア21、22のそれぞれ4本の磁脚
をマイラフィルムを介してずれなく接合することも組立
工程を難しくしている。即ち直交形制御トランスPRT
は製造の難易度が高く、コストダウンも困難である。
【0027】また直交形制御トランスPRTの制御巻線
NCに流れる直流制御電流Icは、絶縁コンバータトラ
ンスPITの2次側の直流出力電圧E02ライン(15V
ライン)から供給され、その供給電力は0.9W〜0.
15Wの範囲で変動するが、この供給電力は無効電力で
あり、軽負荷時の電力損失が増加する。
【0028】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成する。つまり、直流入力電圧についてスイッチン
グを行うスイッチング素子を備えるスイッチング手段
と、一次巻線と二次巻線とを備えて、この一次巻線に得
られるスイッチング手段の出力を二次巻線に対して伝送
する絶縁コンバータトランスと、この絶縁コンバータト
ランスの一次巻線と一次側並列共振コンデンサとにより
形成され、スイッチング手段の動作を電圧共振形とする
ように設けられる一次側並列共振回路とを備える。ま
た、アモルファス磁性体による閉磁路型のコアに対し
て、検出巻線と、駆動巻線と、制御巻線とが巻装される
ドライブトランスと、駆動巻線と共振用コンデンサによ
り形成される直列共振回路を有して、この直列共振回路
の出力に基づいて上記スイッチング素子をスイッチング
駆動するスイッチング駆動手段とを備える。また、絶縁
コンバータトランスの二次巻線に対して、二次側並列共
振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側
並列共振回路と、この二次側並列共振回路に得られる交
番電圧を入力して整流動作を行うことで直流出力電圧を
得るように構成される直流出力電圧生成手段とを備え
る。そして、駆動巻線と、制御巻線と、コンデンサと、
導通制御素子としてのトランジスタ素子を直列に接続し
て形成される導通制御回路を備え、直流出力電圧のレベ
ルに応じて導通制御素子における電流導通量を可変制御
することにより、スイッチング素子のスイッチング周波
数を可変制御し、直流出力電圧についての定電圧制御を
行うようにされる定電圧制御手段とを備えることとし
た。
【0029】上記構成による電源回路は、ドライブトラ
ンスを備えることでスイッチング素子を自励式によって
駆動する複合共振形コンバータとしての基本構成を採
る。そして、定電圧制御のために、導通制御素子を備え
た導通制御回路を設けるようにしている。この導通制御
回路においては、自励式によりスイッチング駆動を行う
スイッチング駆動手段に流れる電流が分岐され、ドライ
ブトランスの制御巻線を介して導通制御素子に流れるよ
うにされる。そして、この導通制御素子における電流導
通量を可変することで、スイッチング駆動手段に流れる
電流量を可変し、これによって、スイッチング素子のス
イッチング周波数を可変制御するようにされる。そして
このような定電圧制御の構成であれば、例えば自励式の
場合にスイッチング周波数可変制御のために用いられて
いた直交型制御トランスを省略することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態としての電源回路の構成を示している。この図1に示
す電源回路は、一次側に電圧共振形コンバータを備える
と共に二次側には並列共振回路を備えた複合共振形スイ
ッチングコンバータとしての構成を採る。この図に示す
電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電
圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑
回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサ
Ciからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧V
ACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成す
るようにされる。
【0031】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1
石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングル
エンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コ
ンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータ
は自励式の構成を採っており、スイッチング素子Q1と
しては、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接
合型トランジスタ)が使用される。スイッチング素子Q
1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続さ
れ、エミッタは一次側アースに接続される。
【0032】また、スイッチング素子Q1のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列
に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシ
タンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次
側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子
Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路に
よる共振動作が得られることで、スイッチング素子Q1
のスイッチング動作としては電圧共振形となる。
【0033】また、スイッチング素子Q1 のベース−エ
ミッタ間にはクランプダイオードDD−抵抗RDの直列回
路が、図示する方向によって接続される。ここでは、ク
ランプダイオードDDのアノードが抵抗RDを介してエミ
ッタ(一次側アース)と接続され、カソードがベースに
対して接続される。なお、この場合のクランプダイオー
ドDDには低速リカバリ型のダイオード素子が選定され
る。
【0034】ドライブトランスCDTは、スイッチング
素子Q1を自励式により駆動するために設けられる。こ
の場合、ドライブトランスCDTの一次側は検出巻線N
Aとされ、この検出巻線NAは絶縁コンバータトランスP
ITの一次巻線N1に直列に接続されていることで、絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に伝達され
たスイッチング素子Q1のスイッチング出力を検出する
ようになっている。そして、この検出巻線NAに得られ
る交番電圧が誘起される二次側に対して、駆動巻線NB
が巻装される。この駆動巻線NBは、スイッチング素子
Q1をスイッチング駆動する自励発振駆動回路を形成す
る。さらに、本実施の形態の場合には、ドライブトラン
スCDTの一次側に対して制御巻線Ncが巻装される。
ここで、上記各巻線の巻き方向は、図示するようにし
て、駆動巻線NBと制御巻線Ncが同相で、これらの巻
線NB,Ncに対して検出巻線NAが逆相となるようにし
て巻装されている。なお、本実施の形態としてのドライ
ブトランスCDTの構造については後述する。
【0035】また、この場合には、上記検出巻線NAに
対して並列にインダクタLpが接続される。例えば本実
施の形態の場合、検出巻線NAの巻き数は1Tとされ、
そのインダクタンスLAは、電流が0レベルのときに
は、LA=10μHとなるのであるが、この程度に小さ
なインダクタンス値であっても、駆動巻線NBにおける
誘起電圧は必要以上に大きなものとなる。そこで、低イ
ンダクタンス値のインダクタLp(=1μH)を並列接
続することで、一次巻線N1から検出巻線NA(インダク
タンスLA)に流れようとする電流をインダクタLpに
も分流させ、その分、検出巻線NAに流れる電流量が少
なくなるようにしているものである。このようにすれ
ば、駆動巻線NBにおける誘起電圧レベルを小さなもの
とすることができる。これによっては、後述する自励発
振駆動回路のベース電流制限抵抗RBにおける電力損失
を低減させる作用を有する。
【0036】スイッチング素子Q1のベースに対して
は、図示するように、[ベース電流制限抵抗RB−駆動
巻線NB−時定数(共振用)コンデンサCB]の直列接続
回路が接続される。この直列接続回路は、スイッチング
素子Q1を自励式によりスイッチング駆動するための自
励発振駆動回路となる。
【0037】この場合、ドライブトランスCDTの検出
巻線NAは絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1
と直列接続されている。このため、自励発振駆動回路に
おけるドライブトランスCDTの駆動巻線NBは、一次
巻線N1に伝達されたスイッチング出力電圧により交番
電圧が励起される。そして、上記した自励発振駆動回路
としては、コンデンサCBと駆動巻線NBのインダクタン
スとによって、直列共振回路を形成する。
【0038】上記自励発振駆動回路の駆動巻線NBに
は、上記もしたように、検出巻線NAにより励起される
ことで、ドライブ電圧としての交番電圧が発生する。こ
のドライブ電圧によって直列共振回路(NB−CB)が自
励的に発振動作を行うことで共振出力が得られることに
なる。そして、この共振出力がベース電流制限抵抗RB
を介することで、スイッチング素子Q1のベースには、
スイッチング駆動信号としてのベース電流が流れるよう
にされる。これにより、スイッチング素子Q1は、直列
共振回路の共振周波数により決定されるスイッチング周
波数でスイッチング動作を行うことになる。そして、そ
のコレクタに得られるスイッチング出力を絶縁コンバー
タトランスPITの一次巻線N1に伝達する。
【0039】また、この場合の起動抵抗Rsは、整流平
滑電圧Eiのラインと駆動巻線NB−時定数コンデンサ
CBの接続点との間に対して挿入されている。例えば電
源起動時においては、整流平滑電圧Eiから起動抵抗R
sを介し、さらに駆動巻線NB−ベース電流制限抵抗RB
を介したベース電流が、スイッチング素子Q1のベース
に流れることで、スイッチング動作を開始させるように
なっている。
【0040】また、本実施の形態のドライブトランスC
DTに巻装される制御巻線Ncは、その巻始め端部側が
駆動巻線NBの巻終わり端部と接続される。また、制御
巻線Ncの巻終わり端部は、分割コンデンサCB2の直列
接続を介して、MOS−FETによる導通制御素子Q2
のドレインと接続される。導通制御素子Q2のソースは
一次側アースに接地されている。また、クランプダイオ
ードDD2は、導通制御素子Q2のドレイン−ソース間に
対して図示する方向により並列に接続される。この場合
のクランプダイオードDD2には、導通制御素子Q2とし
てのMOS−FETに内蔵される、いわゆるボディダイ
オードを利用することができる。このような接続形態に
よっては、駆動巻線NBと導通制御素子Q2とが、制御巻
線Nc−分割コンデンサCB2の直列接続回路を介するよ
うにして直列に接続されているものと見ることができ
る。
【0041】ここで、分割コンデンサCB2は、時定数コ
ンデンサCBの静電容量を分割するようにして設けられ
るものである。分割コンデンサCB2は、導通制御素子Q
2としての抵抗分を省略すれば、自励発振回路(CB−N
B−RB)において、駆動巻線NBに流れる交番電流を分
岐して、制御巻線Ncを介して二次側アースに流す経路
を接続しているものと見ることができる。そして、導通
制御素子Q2は、制御巻線Nc−分割コンデンサCB2に
流れる電流量を制御する導通制御の機能を有しているも
のと見ることができる。
【0042】また、絶縁コンバータトランスPITの一
次側には三次巻線N3が巻装されており、この三次巻線
N3に対して、図示するようにして、ダイオードD1とコ
ンデンサC1から成る半波整流回路を接続することで、
低圧の直流電圧を得るようにしている。そして、この低
圧直流電圧は、フォトカプラPCのフォトトランジスタ
から抵抗R1を介して、導通制御素子Q2のゲートに接続
されるようになっている。また、導通制御素子Q2のゲ
ート−ソース間には抵抗R2が挿入される。従って、導
通制御素子Q2のゲートにおいては、フォトトランジス
タから流れる電流レベルに応じた抵抗R2の両端電圧が
発生し、これがゲート電圧として導通制御素子Q2のゲ
ートに印加されることになる。導通制御素子Q2のゲー
ト側の回路が上記のようにして形成されていることで、
この導通制御素子Q2は、フォトカプラPCのフォトト
ランジスタにおいて変化する電流導通量に応じて、制御
巻線Ncから分割コンデンサCB2を介してドレインに流
れるドレイン電流IQ2としての導通量を可変するように
して制御することとなる。なお、フォトカプラPCのフ
ォトトランジスタの電流導通量を制御するのは、二次側
に設けられる制御回路1の動作となるのであるがこれに
ついては後述する。
【0043】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送す
る。この絶縁コンバータトランスPITは、例えばフェ
ライト材による2組のE型コアを互いの磁脚が対向する
ように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型
コアの中央磁脚に対して、分割ボビンを利用して一次巻
線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装し
ている。そして、中央磁脚に対してはギャップを形成す
るようにしている。これによって、所要の結合係数によ
る疎結合の状態が得られるようにしている。ギャップ
は、2組のE型コアの各中央磁脚を、2本の外磁脚より
も短くすることで形成することが出来る。また、結合係
数kとしては、例えばk≒0.85という疎結合の状態
を得るようにしており、その分、飽和状態が得られにく
いようにしている。
【0044】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。そして、この図1に示す回路において
は、二次巻線N2に対して二次側並列共振コンデンサC2
が並列に接続される。従って、この場合には、二次巻線
N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コ
ンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路
が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2
に誘起される交番電圧、及び検出巻線NAに得られる交
番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共
振動作が得られる。
【0045】つまり、この電源回路は、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路を
備え、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回
路を備えた「複合共振形スイッチングコンバータ」とさ
れるものである。
【0046】上記のようにして形成される電源回路の二
次側に対しては、二次巻線N2に接続される二次側整流
ダイオードDO1と平滑コンデンサCO1とからなる半波整
流回路が備えられ、これにより、二次巻線N2に誘起さ
れる交番電圧のほぼ等倍レベルに対応する二次側直流出
力電圧EO1を得るようにしている。また、ここでは、二
次巻線N2に対してタップ出力を設けて、このタップ出
力と二次側アース間に対して、図示するように、二次側
整流ダイオードD02と平滑コンデンサCO2から成る半波
整流回路を接続することで、低圧の二次側直流出力電圧
EO2を得るようにしている。この場合、二次側直流出力
電圧EO1は、制御回路1に対して定電圧制御のための検
出電圧として入力される。また、二次側直流電圧EO2
は、制御回路1の動作電源として利用される。
【0047】制御回路1は、直流出力電圧EO1と二次側
アース間に抵抗R3−R4が直列に接続され、この接続点
(分圧点)に対してシャントレギュレータQ3のコント
ロール端子が接続される。シャントレギュレータQ3の
アノードは二次側アースに接地され、カソードはフォト
カプラPCのフォトダイオード(カソード→アノー
ド)、及び抵抗R6の直列接続を介して、二次側直流出
力電圧EO2のラインに対して接続される。また、抵抗R
4に対しては、コンデンサC3と抵抗R5の直列接続回路
が並列に接続される。
【0048】上記のような接続形態により形成される制
御回路1は、直流出力電圧EO1を検出入力とする誤差増
幅器として機能する。即ち、直流出力電圧EO1を抵抗R
3、R4により分圧した電圧がコントロール電圧としてシ
ャントレギュレータQ3のコントロール端子に対して入
力される。従ってシャントレギュレータQ3では、直流
出力電圧EO1に応じたレベルの電流を、フォトカプラP
Cのフォトトランジスタに流すようにされる。フォトト
ランジスタにおける電流導通量が可変されれば、一次側
において導通制御素子Q2のゲートに接続されるフォト
カプラPCのフォトトランジスタにおける電流導通量が
可変されて、ゲート電圧を変化させることになるので、
前述したように、導通制御素子Q2のドレイン電流IQ2
のレベルを可変制御することになる。そして、これによ
り、導通制御素子Q2のドレインと分割コンデンサCB2
を介して接続される制御巻線Ncに流れる電流量が可変
されることになる。この動作によっては、スイッチング
素子Q1のスイッチング周波数を可変し、これによって
二次側直流出力電圧が一定となるように安定化を図るよ
うにされるのであるが、これについては後述する。
【0049】ここで、本実施の形態の電源回路に備えら
れるドライブトランスCDTの構造例について図5を参
照して説明する。本実施の形態のドライブトランスCD
Tは、この図に示すようにして、円筒型をくり抜くよう
にされたコア101を備え、このコア101に対して検
出巻線NAと駆動巻線NBを巻装する構造を有する。
【0050】そして、特に本実施の形態においては、上
記コア101については、コバルト系アモルファス磁性
体を用いることとしている。アモルファス磁性体は、図
6に示す磁化曲線として示されるように、いわゆる角形
比が高いヒステリシス特性となる。つまり、アモルファ
ス磁性体は、少ない電流変化に応じても磁気飽和の状態
となりやすいという性質を有している。そしてこの場合
には、コア101についてギャップを形成しないように
していることで、閉磁路型のコアを得るようにしてい
る。これにより、ドライブトランスCDTとしては、飽
和しやすい状態が得られることになり、可変インダクタ
ンストランスとして構成されることになる。このような
構成とされることで、ドライブトランスCDTに巻装さ
れる検出巻線NAと駆動巻線NBのインダクタンス特性と
しては、図7に示すようにして、各巻線に流れる電流I
に応じてそのインダクタンスが変化することになる。つ
まり、電流I=0(A)で素子としてのインダクタンス
値を有し、この電流Iの絶対値レベルが大きくなってい
くのにしたがって比例的に減少していくものとなる。
【0051】図2及び図3は、図1に示した構成による
電源回路における要部の動作を示す波形図である。図2
においては、負荷電力Po=162Wの重負荷時におけ
る条件の場合の動作を示し、図3においては、負荷電力
Po=0Wとなる無負荷時における条件の場合の動作を
示している。また、これらの図に示す動作を得るのにあ
たっては、各部品を次のようにして選定している。 駆動巻線NB=3T(ターン)、インダクタンスLB=1
00μH、 制御巻線Nc=6T、インダクタンスLc=400μH 検出巻線NA=1T コンデンサCB=CB2=1μF ベース電流制限抵抗RB=0.47Ω 抵抗RD=4.7Ω
【0052】ドライブトランスCDTに巻装される駆動
巻線NBには、前述したようにして励起作用による交番
電圧が発生する。そして、自励発振駆動回路(CB−NB
−RB)は、この駆動巻線NBに発生した交番電圧を基と
して自励発振動作を行う。つまり、時定数コンデンサC
Bと駆動巻線NBとにより形成される直列共振回路が共振
動作を行って、この共振出力を、ベース電流制限抵抗R
Bを介してベース電流としてスイッチング素子Q1のベー
スに流すようにされる。
【0053】ここで、上記直列共振回路(CB−NB)の
共振動作によって、時定数コンデンサCBには、図2
(g)、図3(g)に示すように、スイッチング周期に
対応する正弦波状の共振電圧V3が発生する。そして、
この直列共振回路(CB−NB)の共振出力としては、図
2(h)、図3(h)に示すようにして、駆動巻線NB
からベース電流制限抵抗RBを介してスイッチング素子
Q1のベース側に流入する駆動用電流IOが得られる。
【0054】本実施の形態の場合には、ドライブトラン
スCDTに巻装される駆動巻線Ncの巻終わり端部側
と、制御巻線Ncの巻始め端部側とが接続されているこ
とから、自励発振回路(CB−NB)にて得られたとされ
る共振電流をIrsとすれば、この共振電流Irsは、上記
駆動用電流IOと、制御巻線Nc−分割コンデンサCB2
の直列接続回路を介して導通制御素子Q2のドレインに
流れるドレイン電流IQ2とに分流することになる。さら
に、駆動用電流IOは、スイッチング素子Q1のベースに
流れるベース電流IBと、クランプダイオードDDを介し
て抵抗RDに流れるダンパー電流IDとして分岐して流れ
ることになる。
【0055】スイッチング素子がオンとなる期間TONに
おいては、クランプダイオードDDの逆回復時間trrの
効果によって、先ず、期間t3〜t1において、クラン
プダイオードDDが導通して、図2(d)、図3(d)
に示すようにしてダンパー電流IDが流れる。この期間
t3〜t1のダンパー電流IDは、スイッチング素子Q1
のベース→コレクタのPN接合を介して流れていく。こ
れに応じて、期間t3〜t1におけるスイッチング素子
Q1のコレクタ電流IQ1としては、図2(b)、図3
(b)に示すように、負極性の方向に流れる波形が得ら
れる。また、ベース電流IBは、図2(c)、図3
(c)に示すようにして、時点t3で正極性に立ち上が
り、時点t1に至るまでに0レベルに下降していく。
【0056】そして、この後の期間t1〜t2において
は、クランプダイオードDDはオフとなる。このとき、
ベース電流IB(図2(c)、図3(c))は、先ず正
極性による順方向電流IB1が流れ、この後においてベー
ス蓄積キャリア消滅時間tstgにより負極性に反転し、
逆方向電流IB2が流れる。このベース電流IBに応じ
て、スイッチング素子Q1は導通することになり、図2
(b)、図3(b)に示すようにして、スイッチング素
子Q1のコレクタには、正極性のコレクタ電流IQ1が流
れる。
【0057】そして、ベース電流IB(図2(c)、図
3(c))は、逆方向電流IB2が流れるベース蓄積キャ
リア消滅時間tstgが完了するとゼロレベルになり、こ
れによって、スイッチング素子Q1はオフとなる期間T
OFFに移行する。
【0058】上記のようにしてスイッチング素子Q1が
スイッチング動作を行うことで、一次側並列共振コンデ
ンサCrの両端に得られる共振電圧V1は、図2
(a)、図3(a)に示すようにして、スイッチング素
子Q1がオンとなる期間TONでは0レベルで、オフとな
る期間TOFFでは正弦波状のパルスとなる波形が得られ
る。これは、一次側スイッチングコンバータが電圧共振
形の動作であることを示している。
【0059】また、MOS−FETである導通制御素子
Q2の動作は、次のようになっている。導通制御素子Q2
のドレインは、制御巻線Ncを介して駆動巻線NBと直
列接続されていることで、前述もしたように、自励発振
駆動回路(CB−NB−RB)内の共振回路(CB−NB)
の共振出力である共振電流Irsは、ベース電流制限抵抗
RBを介して流れようとする駆動用電流IOと、導通制御
素子Q2のドレイン電流IQ2として分流して流れるよう
にされる。つまり、Irs=IO+IQ2として表すことが
できる。
【0060】ここで、導通制御素子Q2のドレインに対
して、制御巻線Nc−分割コンデンサCB2の直列接続回
路に流入するドレイン電流IQ2は、図2(f)、図3
(f)に示される。このドレイン電流IQ2は、期間TOF
F(期間t2〜t3)とこれに続く期間TON内の期間t
3〜t1においては、先ず0レベルとなった後において
クランプダイオードDD2が導通して、分割コンデンサC
B2に対して電流が流れるようにされることで、図示する
ように、負極正となる波形が得られる。そして、この後
の期間t1〜t2において、導通制御素子Q2としての
MOS−FETが導通して、ドレイン→ソースの方向に
より、正極性に反転したドレイン電流IQ2が流れる。ま
た、導通制御素子Q2のドレイン−ソース間電圧V2は、
上記のようにしてドレイン電流IQ2が流れることで、図
2(e)、図3(e)に示すように、期間t2〜t3〜
t1においては0レベル若しくは負極性が現れ、期間t
1〜t2において正極性となる波形が得られる。
【0061】ここで、例えば交流入力電圧VACが上昇す
る、或いは、負荷電力が小さくなるなどして二次側直流
出力電圧EO1のレベルが上昇したとする。制御回路1で
は、フォトカプラPCのフォトダイオードにおける電流
導通量を増加させるようにして制御することになる。こ
れによっては、一次側におけるフォトカプラPCのフォ
トトランジスタの導通量も増加するように制御されるこ
とになり、従って、導通制御素子Q2のベース電流が増
加し、ベース−エミッタ間電圧VBE2の振幅も拡大され
ることになる。
【0062】上記のようにして、導通制御素子Q2が制
御されることで、導通制御素子Q2のドレイン電流IQ2
の振幅も大きくなるように制御されることになる。ここ
で、先にも述べたようにして、導通制御素子Q2のドレ
イン電流IQ2は、直列共振回路(CB−NB)にて出力さ
れる共振電流Irsから分岐して流れるものであって、I
rs=IO+IQ2として表すことができる。このため、導
通制御素子Q2のドレイン電流IQ2の振幅が大きくなっ
て、期間t1〜t2におけるドレイン電流IQ2の電流量
が増加した場合には、それだけ、駆動用電流IOの電流
量が少なくなるように変化することになる。この駆動用
電流IOを基として得られるベース電流IBの波形は、例
えば図2(c)から図3(c)への遷移として示すよう
にして変化することになるが、これによっては、スイッ
チング素子Q1のベース蓄積キャリア消滅時間(tst
g)は短くなる。これに伴い、スイッチング素子Q1がオ
ンとなる期間TON内の期間t1〜t2の長さが短くなっ
ていくようにして可変されることになる。
【0063】期間TON内の期間t1〜t2が短くなれ
ば、その前の期間t3〜t1が不変であるとしても、期
間TON全体の長さは短くなるのであるから、スイッチン
グ素子Q1のスイッチング周波数は高くなるようにして
制御されることになる。これは、図2と図3の比較とし
て、期間TON+TOFFから成る1スイッチング周期の時
間長は、軽負荷の条件となるのに従って短くなっている
ことによって示されている。そして、スイッチング周波
数が可変制御されることによっては、例えば一次側並列
共振回路の共振インピーダンスが可変されることとなっ
て、絶縁コンバータトランスPITの一次側から二次側
に対して伝送される電力も可変されることになるわけで
ある。これにより、最終的には二次側直流出力電圧のレ
ベルも可変制御されることとなり、電源の安定化が図ら
れることとなる。具体的には、負荷電力Po=162W
〜0Wの変動範囲に対して、スイッチング周波数fsを
所定の範囲で可変制御して定電圧化を図ることができ
る。
【0064】なお、本実施の形態においてスイッチング
周波数を可変制御するのにあたっては、スイッチング素
子Q1がオフとなる期間TOFFは一定で、オンとなる期間
TONについて可変するようにされている。つまり、この
場合にも複合制御方式による定電圧制御動作が得られて
いるものである。
【0065】そして、上記した本実施の形態による定電
圧制御回路系の構成とすれば、図14に示されていた直
交型制御トランスPRTは省略されることとなる。これ
により、本実施の形態では、直交型制御トランスPRT
製造時におけるギャップのばらつき等に起因する駆動巻
線NBについてのインダクタンス値のばらつきの問題は
解消されることになる。従って、交流入力電圧VACの範
囲に対するマージンを少なく設定することが可能となる
ので、回路設計も容易なものとすることが可能になる。
また、直交形制御トランスPRTの製造工程の困難性に
かかる問題も解消される。さらにAC/DC電力変換効
率の向上も図られる。
【0066】また、図14の例のように直交形制御トラ
ンスPRTの制御巻線NCに制御電力を供給してスイッ
チング周波数を制御する構成ではないので、軽負荷時の
無効電力を低減し、電力損失を低減できる。
【0067】さらに、本実施の形態の構成であれば、導
通制御素子Q2に流れる電流は非常に少なく、また、導
通制御素子Q2にかかる電圧も低いものとなっている。
このため、導通制御素子Q2としてのMOS−FETに
ついては、耐圧30V、定格電流0.30A以下の、低
耐圧小容量品を選定すればよいことになる。例えば、先
に本出願人は、複合共振形スイッチングコンバータに対
して、一次側並列共振電圧又は二次側共振電圧をクラン
プするアクティブクランプ回路を設け、このアクティブ
クランプ回路の導通角制御によって電源の安定化を図る
構成を各種提案しているのであるが、この場合には、ア
クティブクランプ回路を形成するスイッチング素子(ト
ランジスタ)については、一次側並列共振電圧レベル又
は二次側共振電圧レベルに応じた高耐圧品を選定する必
要があり、それだけコスト及びサイズの点などで不利で
あった。これに対して本実施の形態では、導通制御素子
Q2としてのトランジスタ素子について低耐圧小容量品
が選定されるのであるから、それだけ低コスト化及び小
型軽量化を実現することが可能となるものである。
【0068】なお、本実施の形態としては、導通制御素
子Q2としてMOS−FETを選定するのではなく、例
えばバイポーラトランジスタ(耐圧30V、定格電流
0.15A)を選定することも可能である。ただし、本
実施の形態としての電源回路の構成のもとで単に導通制
御素子Q2をバイポーラトランジスタとした場合、負荷
電力Poが50W以下となる軽負荷の条件では異常発振
が生じる可能性を有している。これに対して、導通制御
素子Q2としてMOS−FETを使用すれば、このよう
な異常発振は容易に解消することができるものである。
【0069】また、本実施の形態では、図5〜図7によ
っても説明したように、可変インダクタンストランスと
してのドライブトランスCDTを備えるのであるが、こ
れによって、ドライブトランスCDTに巻装される駆動
巻線NBを備えて形成される自励発振駆動回路からスイ
ッチング素子Q1のベースに流すベース電流IBのピーク
レベルは、図2(c)、図3(c)に示すようにして、
順方向電流IB1よりも逆方向電流IB2のほうが大きくな
る。例えば実際としては、図14に示した電源回路の場
合の3〜4倍程度にまで増加している。これによって、
スイッチング素子Q1の下降時間は短くなってスイッチ
ング素子Q1のターンオフ時のスイッチング損失が低減
される。また、同時に蓄積時間tstgも短縮されること
で、スイッチング素子における電力損失はより少ないも
のとなる。さらには、バイポーラトランジスタであるス
イッチング素子Q1の電流増幅率hFEや蓄積時間tstgな
どのばらつき範囲も小さいものとなって、それだけ回路
設計及び部品管理が容易なものとなる。
【0070】また、本実施の形態としてのドライブトラ
ンスCDTの構造であれば、そのサイズ形状は、図5に
示すようにして、例えば4mm(直径)×6mm(高
さ)程度にまで小さなものとすることができる。例えば
図18に示したような直交型制御トランスPRTと比較
した場合には、約1/5程度にまで小型軽量なものとす
ることが可能である。
【0071】さらに、本実施の形態においては、検出巻
線NAに対してインダクタLpを並列に接続して、一次
巻線N1から流れる電流を分流させるようにしているこ
とで、駆動巻線NBにおける誘起電圧レベルを小さなも
のとしている。これによって、自励発振駆動回路(CB
−NB−RB)内の直列共振回路(CB−NB)の出力電圧
も抑制されるので、ベース電流制限抵抗RBに流れる電
流量は低減されることになる。つまり、ベース電流制限
抵抗RBにおける電力損失が低減される。
【0072】ここで図4に、図1に示した本実施の形態
としての電源回路における特性として、電力変換効率特
性、及びスイッチング周波数制御に要する制御電力を、
先行技術として示した図14の電源回路との比較により
示しておく。この図から分かるように、負荷電力Po=
0W〜162Wの負荷変動範囲に対応する制御電力Pc
は、図14に示した電源回路が、0.60W〜0.15
W程度であるのに対して、図1に示す電源回路は、0.
16W〜0.04Wであり、図14に示した電源回路よ
りも著しく低下していることが示されている。また、電
力変換効率ηAC−DCについては、負荷電力Po=0W〜
162Wの負荷変動範囲にわたって、図14に示した電
源回路よりも、図1に示した電源回路のほうが高くなっ
ていることが示されている。つまり、図1に示した電源
回路では、図14に示した電源回路と比較して、総合的
に電力変換効率の向上が図られているものである。そし
て、特に軽負荷の条件において、電力変換効率の向上率
が著しいという良好な結果が得られている。
【0073】図8は、本発明の第2の実施の形態として
のスイッチング電源回路の構成例を示している。なお、
この図において図1と同一部分には同一符号を付して説
明を省略する。この図8に示す電源回路としても、図5
又は図6に示した構造のドライブトランスCDTを備え
た構成とされるものである。
【0074】この図に示す電源回路においては、一次側
スイッチングコンバータへの入力電圧である整流平滑電
圧Eiを生成するのにあたって倍電圧整流回路を設ける
ようにされる。この倍電圧整流回路は、商用交流電源A
Cに対して、整流ダイオードDi1,Di2、及び平滑コ
ンデンサCi1,Ci2を、図示するようにして接続する
ことで形成される。そして、交流入力電圧VACを入力し
て、この交流入力電圧VACの2倍のレベルに対応するレ
ベルの整流平滑電圧Eiを生成する。このようにして倍
電圧整流回路を設ける構成は、例えば商用交流電源AC
100V系において比較的重負荷の条件に対応する場合
に好適とされる。
【0075】また、この図に示す電源回路の二次側にお
いては、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2
に対してセンタータップを設けて二次側アースに接続し
た上で、図示するようにして2本の整流ダイオードDO
1,DO2と平滑コンデンサCO1を接続することで全波整
流回路を形成している。そして、この全波整流回路によ
って、平滑コンデンサCO1の両端電圧としての二次側直
流出力電圧EO1を得るようにしている。なお、この図に
おいては、制御回路1を1つの機能ブロックとして示し
ているが、例えば実際には、図1に示した制御回路1と
同様の内部構成が採られていればよい。
【0076】このような第2の実施の形態としての構成
においても、例えば図5及び図6により説明した構造を
有するドライブトランスCDTを備え、また、図1の電
源回路と同様の定電圧制御回路系の構成を採っているこ
とで、直交型制御トランスPRTの省略をはじめとし
て、先の第1の実施の形態の電源回路と同様の効果を得
ることができる。
【0077】ところで、上記した各実施の形態の電源回
路につき、二次側に備えられる整流回路系としては各図
に示した構成に限定されることなく、例えば図9〜図1
3に示す構成を採るようにすることも考えられる。図9
においては、二次側並列共振回路(N2//C2)に対して
ブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCO1から成る
全波整流回路を図示する接続形態によって接続すること
で二次側直流出力電圧EO1を得るようにした構成が示さ
れている。
【0078】また、図10においては、二次側並列共振
回路(N2//C2)に対して、図示するようにして整流ダ
イオードDO1、整流ダイオードDO2、平滑コンデンサC
OA,COBを接続することで、全波整流方式による倍電圧
整流回路を形成している。この場合には、平滑コンデン
サCOA−COBの直列接続回路の両端電圧として、二次巻
線N2に発生する交番電圧レベルの2倍に対応する二次
側直流出力電圧EO1が得られることになる。
【0079】また、図11に示す二次側の構成として
は、二次巻線N2の巻終わり端部に対して二次側直列共
振コンデンサCsが直列に接続される。これによって、
絶縁コンバータトランスPITの二次側においては、二
次巻線N2のリーケージインダクタンスと二次側直列共
振コンデンサCsのキャパシタンスとによって二次側直
列共振回路を形成することになる。従って、この場合に
は、一次側に設けられる一次側並列共振回路(N1,C
r)と、二次側に設けられる二次側直列共振回路(N
2,Cs)とにより複合共振形コンバータを構成するこ
とになる。そして、この二次側直列共振回路に対して、
図に示すようにしてブリッジ整流回路DBR及び平滑コン
デンサCO1を接続することで、二次側直列共振回路(N
2,Cs)の共振作用により発生する二次側直列共振電
圧を全波整流する全波整流回路が形成される。そして、
平滑コンデンサCO1の両端に対しては、二次巻線N2に
発生する交番電圧レベルの等倍に対応する二次側直流出
力電圧EO1が得られることになる。
【0080】また、図12においては、二次側直列共振
回路(N2,Cs)に対して、整流ダイオードDO1、整
流ダイオードDO2、平滑コンデンサCOA,COBを、図示
するようにして接続することで倍電圧整流回路を形成し
ている。
【0081】また、図13においては、二次巻線N2に
対して図示するようにして2組の二次側直列共振コンデ
ンサCs1,Cs2を接続し、さらに4本の整流ダイオー
ドDO1,DO2,D03,DO4を図示する接続形態によって
接続して、二次側整流回路を形成する。このようにして
構成される二次側整流回路としては、4倍電圧整流回路
が形成される。この4倍電圧整流回路の動作説明にあた
り、[直列共振コンデンサCs1,整流ダイオードDO
1,DO2、平滑コンデンサCOA]から成る回路の動作に
ついて述べる。先ず、整流ダイオードDO1がオフとな
り、整流ダイオードDO2がオンとなる期間においては、
二次巻線N2の漏洩インダクタンスと直列共振コンデン
サCs1による直列共振作用によって、整流ダイオード
DO2により整流した整流電流を直列共振コンデンサCs
1に対して充電する動作が得られる。そして、整流ダイ
オードDO2がオフとなり、整流ダイオードDO1がオンと
なって整流動作を行う期間においては、二次巻線N2に
誘起された電圧に直列共振コンデンサCs1の電位が加
わるという直列共振が生じる状態で平滑コンデンサCOA
に対して充電が行われる動作となる。上記のようにして
整流動作が行われることで、平滑コンデンサCOAの両端
には、二次巻線N2の誘起電圧のほぼ2倍に対応する直
流電圧(整流平滑電圧)が得られる。また、[直列共振
コンデンサCs2,整流ダイオードDO3,DO4、平滑コ
ンデンサCOB]の組とから成る整流回路によっても同様
の動作によって、平滑コンデンサCOBの両端には、二次
巻線N2の誘起電圧のほぼ2倍に対応する直流電圧が得
られることになる。
【0082】そして、上記のようにして各段の整流回路
によって倍電圧整流動作が行われる結果、直列接続され
た平滑コンデンサCOA−平滑コンデンサCOBの両端に
は、二次巻線N2の誘起電圧のほぼ4倍に対応する二次
側直流出力電圧EO1が得られることになる。
【0083】なお、上記各実施の形態においてはスイッ
チング素子を1組備えるシングルエンド方式の場合が示
されているが、スイッチング素子を2組備える、いわゆ
るプッシュプル方式による、自励式の電圧共振形コンバ
ータとされても構わないものである。また、二次側につ
いても、各図に示した以外の回路構成による整流回路が
備えられて構わないものである。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、複合共振
形コンバータとして、ドライブトランスを備えた自励式
の構成を採る。これと共に、定電圧化のためのスイッチ
ング周波数制御は、スイッチング素子を駆動する自励発
振駆動回路(スイッチング駆動手段)の駆動巻線に対し
て、ドライブトランスに巻装した制御巻線と、分割コン
デンサと、導通制御素子の直列接続回路(導通制御回
路)を接続し、この直列接続回路の導通を制御すること
によって行うようにしている。そして、このような構成
であれば、これまでスイッチング周波数制御に必要とさ
れていた直交型制御トランスを省略することが可能にな
る。これにより、直交型制御トランスのギャップのばら
つき等に起因するインダクタンス値のばらつきの問題は
解消されることになる。特に本発明におけるドライブト
ランスのインダクタンスのばらつきは±5%程度とな
る。このため、交流入力電圧の範囲に対するマージンを
少なく設定することが可能となるので、回路設計も容易
なものとすることが可能になる。また、直交形制御トラ
ンスの製造工程の困難性にかかる問題も解消されること
になる。直交形制御トランスの制御巻線に制御電力を供
給してスイッチング周波数を制御する構成ではないとさ
れることで、軽負荷時の無効電力を低減し、電力損失を
低減できることになる。つまり、AC/DC電力変換効
率の向上も図られることになる。
【0085】また、本発明としての導通制御回路に備え
られる導通制御素子(バイポーラトランジスタ)には、
低電圧及び小レベルの電流が印加されるので、定電圧制
御に要する電力も低減されることになる。つまり、電源
回路における無効電力が低減され、これによっても電源
回路のAC/DC電力変換効率の低減を促進させること
ができる。また、導通制御素子としては、低耐圧、小容
量品が選定されることにもなるので、この点でも、小型
軽量化、及び低コスト化が促進される。
【0086】さらに本発明では、アモルファス磁性体に
よる閉磁路のコアによるドライブトランスとすること
で、スイッチング素子に流すべきベース電流として逆方
向電流のレベルを増加させるようにしている。これによ
っては、スイッチング損失を低減して電源回路としての
電力変換効率は向上されることになる。さらには、スイ
ッチング素子についての特性のばらつきも抑えることが
でき、設計及び部品管理も容易となって製造効率も向上
されることとなった。そしてまた、本発明としてのドラ
イブトランスの構造であれば、例えばこれまでに用いら
れていた直交型制御トランスと比較して、約1/5のサ
イズ、重量とすることができ、それだけ電源回路の小型
軽量化を図ることが可能となる。
【0087】また、上記構成の下で、ドライブトランス
に巻装される検出巻線に対して並列に低インダクタンス
値のインダクタを並列接続することで、スイッチング素
子のための自励発振駆動回路における損失を低減させる
ことができ、これによっても、電源回路における電力変
換効率の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチン
グ電源回路の構成例を示す回路図である。
【図2】本実施の形態の電源回路における要部の動作
(重負荷時)を示す波形図である。
【図3】本実施の形態の電源回路における要部の動作
(無負荷時)を示す波形図である。
【図4】図1に示す電源回路について、負荷変動に対す
るAC−DC電力変換効率、及び定電圧化のための制御電力
の各特性を、先行技術と比較して示す特性図である。
【図5】本実施の形態のドライブトランスの構造例を示
す斜視図である。
【図6】アモルファス磁性体の磁化曲線を示す図であ
る。
【図7】本実施の形態のドライブトランスに巻装される
巻線の電流レベルとインダクタンスとの関係を示す図で
ある。
【図8】本発明の第2の実施の形態としてのスイッチン
グ電源回路の構成例を示す回路図である。
【図9】実施の形態の他の二次側の構成例を示す回路図
である。
【図10】実施の形態の他の二次側の構成例を示す回路
図である。
【図11】実施の形態の他の二次側の構成例を示す回路
図である。
【図12】実施の形態の他の二次側の構成例を示す回路
図である。
【図13】実施の形態の他の二次側の構成例を示す回路
図である。
【図14】先行技術としてのスイッチング電源回路の構
成例を示す回路図である。
【図15】図14に示す電源回路における要部の動作を
示す波形図である。
【図16】図14に示す電源回路の定電圧制御特性を示
す説明図である。
【図17】図14に示す回路における、駆動巻線NBの
インダクタンスについての直流重畳特性を示す説明図で
ある。
【図18】直交形制御トランスの構造例を示す斜視図及
び断面図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Q1 スイッチング素子、Q2 導通制御
素子(MOS−FET)、PIT 絶縁コンバータトラ
ンス、CDT ドライブトランス、DD クランプダイ
オード、N1 一次巻線、N2 二次巻線、Cr 一次側
並列共振コンデンサ、NA 検出巻線、NB 駆動巻線、
Nc 制御巻線、C2 二次側並列共振コンデンサ、CB
時定数コンデンサ、CB2 分割コンデンサ、PC フ
ォトカプラ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/00 - 3/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流入力電圧についてスイッチングを行
    うスイッチング素子を備えるスイッチング手段と、 一次巻線と二次巻線とを備え、上記一次巻線に得られる
    上記スイッチング手段の出力を上記二次巻線に対して伝
    送する絶縁コンバータトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と一次側並列共
    振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手段
    の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並列
    共振回路と、 アモルファス磁性体による閉磁路型のコアに対して、検
    出巻線と、駆動巻線と、制御巻線とが巻装されるドライ
    ブトランスと、 上記駆動巻線と共振用コンデンサにより形成される直列
    共振回路を有して、この直列共振回路の出力に基づいて
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチ
    ング駆動手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して、二次
    側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成され
    る二次側並列共振回路と、 上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧を入力して
    整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成さ
    れる直流出力電圧生成手段と、 上記駆動巻線と、上記制御巻線と、コンデンサと、導通
    制御素子としてのトランジスタ素子を直列に接続して形
    成される導通制御回路を備え、上記直流出力電圧のレベ
    ルに応じて上記導通制御素子における電流導通量を可変
    制御することにより、スイッチング素子のスイッチング
    周波数を可変制御し、上記直流出力電圧についての定電
    圧制御を行うようにされる定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記検出巻線に対して、所要のインダク
    タンスを有するインダクタを並列に接続することを特徴
    とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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