JP3527935B2 - 土砂の圧送方法 - Google Patents

土砂の圧送方法

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JP3527935B2 JP34902995A JP34902995A JP3527935B2 JP 3527935 B2 JP3527935 B2 JP 3527935B2 JP 34902995 A JP34902995 A JP 34902995A JP 34902995 A JP34902995 A JP 34902995A JP 3527935 B2 JP3527935 B2 JP 3527935B2
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  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土砂の圧送方法に
するものであり、さらに詳しくは回転式カッタを備えた
メカニカルシールド機により土砂を掘削し、掘削した土
砂を排出移送するために使用する土砂の圧送方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近、砂層、細砂層、砂礫層などの掘削
に好ましいシールド工法の一種として掘削した土砂をポ
ンプを用いて泥土輸送管中を圧送して排出移送する泥土
圧式シールド工法が開発されている。従来の泥土圧式シ
ールド機の一例を図1及び図2に示す。図1は泥土圧式
シールド工法を適用する泥土圧式シールド機の設備の一
例を示す概略説明図、及び図2は図1の泥土圧式シール
ド機の要部の拡大図である。この泥土圧式シールド機1
は、一種の密閉型シールド機であり、掘削土砂に不透水
性を与えると共に流動性を与えるために掘削用液として
の泥漿を注入する工法を適用するものであり、モータ1
6により駆動される切羽即ちカッタ15を前面に設けた
隔壁11の後方にチャンバ2を形成している。該チャン
バ2内には、カッタ15で掘削した掘削土砂と泥漿を混
練する攪拌翼14、該混練物即ち泥土をチャンバ2外へ
送り出すモータ17により駆動されるスクリューコンベ
ヤ13a等を備えている。
【0003】この泥土圧式シールド機1については、チ
ャンバ2内の掘削土砂は、加圧手段で積極的に加圧され
る場合、土砂自体の土圧或いは掘削された土砂によって
土圧がかかる場合がある。チャンバ2には、該泥漿を注
入するため泥漿注入口12が設けられている。この泥漿
は、ベントナイトを分散させた分散液貯槽6から泥漿圧
送ポンプ19によって泥漿フロー9を経て坑内に設けた
注入ポンプ10に送り込まれる。更に、注入ポンプ10
に送り込まれた泥漿は、泥漿フロー9を経て調節バルブ
20で注入量を調節されて泥漿注入口12からチャンバ
2内へ注入される。必要があれば、水注入配管7から水
を混合し希釈して注入することもできる。一方、カッタ
15で掘削した掘削土砂は、チャンバ2内に注入された
泥漿と攪拌翼14によって混合され、チャンバ2から排
出に好ましい状態、即ち、適度な流動性、不透水性即ち
止水性に好ましい泥土に作られる。
【0004】チャンバ2に充填された泥土は、シールド
ジャッキ22の作動で発生する推力によってチャンバ2
内の泥土に泥土圧を発生させ、該泥土圧をカッタ15に
作用する土砂圧及び水圧に対抗させ、泥土圧式シールド
機1の掘進と排土を行うものである。掘削土砂と泥漿と
が混合されて生成した泥土は、チャンバ2の一部を構成
するハウジング23a内に配置したスクリューコンベヤ
13aによって移送され、さらにこのスクリューコンベ
ヤに連結されたハウジング23b内に配置したスクリュ
ーコンベヤ13bによって移送された後、第1の圧送ポ
ンプ3aにより泥土輸送管21中を圧送され立坑下に設
けられた第2の圧送ポンプ3bに移送され、この圧送ポ
ンプ3bにより泥土輸送管4中を上方に圧送され坑外の
泥土ホッパ5へ運び出され、該泥土はセメントなどの固
化剤を必要により混合されて泥土ホッパ5からダンプ車
8等で所定の場所へ運び去られる。なお、図中、18は
ケースジャッキである。
【0005】上記の泥土圧式シールド工法を用いて地盤
をシールド掘削する際、掘削土砂の流動性が悪くチャン
バ内やスクリューコンベヤ内で掘削土砂が詰まったりす
る問題を避けるために従来、一般的には、ベントナイト
のような微細土粒子分散液から成る泥漿にCMC、ポリ
カルボン酸、ナフタレンスルホン酸・ホルムアルデヒド
縮合物などの、多価アニオン性水溶性高分子からなる分
散剤を添加した泥漿を添加する工法が行われている。
【0006】しかしながら、ベントナイトのような微細
土粒子分散液は凡そ60〜70重量%もの多量の微細土
粒子を含むものが用いられており、しかも掘削する土砂
とほぼ同量の微細土粒子を用いる必要があるので、大型
の装置が必要となる、操作が煩雑になる、不経済となる
などの欠点があった。
【0007】泥土圧式シールド工法において掘削された
土砂を凝集状態の泥土にするためにアクリル酸塩、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アク
リルアミドを特定量含むアクリル系水溶性高分子、シル
ト粘土および水からなる3成分を掘削された土砂に混練
して凝集状態の泥土にする技術が提案されているが(特
公平7−16680号公報)、このアクリル系水溶性高
分子は、掘削した土砂を流動性のある泥土としてポンプ
を用いて泥土輸送管中を圧送できるようにするために高
分子化すると、泥土輸送管中を圧送中に固液分離して水
分だけが先に流出する現象が起こり、泥土輸送管を閉塞
する問題がある。
【0008】同様に、泥土圧式シールド工法において掘
削された土砂に、水に対して、アクリルアミドとアクリ
ル酸の共重合体(分子量300以上)のアクリル系樹脂
を単独または他の作泥材とともに添加した泥土圧系シー
ルド工事および泥土圧系推進工事における土木用加泥材
を添加する技術が提案されているが(特開平5−339
564号公報)、この土木用加泥材は、前記と同様に泥
土輸送管中を圧送中に固液分離して水分だけが先に流出
する現象が起こり、泥土輸送管を閉塞する問題がある。
【0009】また、シールド掘進機の先端の空間部に加
圧した気体を充填して行う圧気型シールド掘削工法にお
いて、掘削する切羽面に対して繊維質材料、吸水粘着性
の高分子材料を用いて漏気防止層を連続的に形成しなが
ら地盤を掘進するシールド工法が提案されているが(特
開平7−133689号公報)、この技術は特殊な工法
であって現在は試験施工が行われている段階であり、ま
た、この技術において繊維質材料、吸水粘着性の高分子
材料を用いるのは、上記のようにシールド掘進機の先端
の空間部からの気体の漏気防止であって、掘削した土砂
をポンプを用いて泥土輸送管中を圧送するためのもので
はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記の問題を解決することであり、多量の微細土粒子を用
いることなく、掘削した土砂に混合するだけで掘削した
土砂を流動性のある泥土としてポンプを用いて泥土輸送
管中を圧送して排出移送できる土砂の圧送方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題に
鑑み鋭意研究した結果、スルホン基を含む単量体を主と
して含有する水溶性ビニル単量体を逆相エマルジョン重
合して得られる特定の水溶性アニオン性共重合体を水に
溶解した液を土砂の圧送助剤として掘削した土砂に少量
混合するだけで掘削した土砂を流動性のある泥土として
ポンプを用いて泥土輸送管中を圧送して容易に排出移送
できることを見いだし本発明に到達した。
【0012】本発明の請求項1の発明は、スルホン基を
有する単量体を30〜100モル%含有する水溶性ビニ
ル単量体を重合して得られる水溶性アニオン性(共)重
合体を水に溶解した液を主成分とする液を、掘削した含
水土砂に添加して流動性のある泥土とした後、ポンプに
より配管中を移動させることを特徴とする土砂の圧送方
である。
【0013】本発明の請求項2の発明は、請求項1に記
載の土砂の圧送方法において、前記水溶性アニオン性
(共)重合体の1規定食塩水中における固有粘度が3d
l/g以上であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2に記載の土砂の圧送方法において、前記
ルホン基を有する単量体がアクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸あるいはその塩であることを特徴と
する。
【0015】本発明の請求項4の発明は、請求項1から
請求項3のいずれかに記載の土砂の圧送方法において、
前記スルホン基を有する単量体と共重合させる単量体が
アクリルアミドおよび/又はアクリル酸塩であることを
特徴とする。
【0016】本発明の請求項5の発明は、請求項1から
請求項4のいずれかに記載の土砂の圧送方法において、
前記水溶性アニオン性(共)重合体が、(A)スルホン
基を有する単量体を30〜100モル%含有する水溶性
ビニル単量体水溶液、(B)少なくとも1種類の炭化水
素から成る油状相、(C)逆相エマルジョンを生成する
に有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性
剤の混合体を強攪拌し、微細単量体相液滴を形成させた
後に重合操作を行い、水に溶解したものであることを特
徴とする。
【0017】本発明の請求項6の発明は、請求項1から
請求項5のいずれかに記載の土砂の圧送方法において、
前記含水土砂1m3 に対し、前記水溶性アニオン性
(共)重合体を純分で0.1〜5kg添加することを特
徴とする。
【0018】本発明の請求項7の発明は、請求項1から
請求項6のいずれかに記載の土砂の圧送方法において、
前記含水土砂の種類が土圧系シールド工法によるトンネ
ル工事の掘削残土であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるスルホン基を
含む単量体の具体例としては、アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸の塩、ビニルスルホン酸の塩、
スチレンスルホン酸の塩およびこれらの混合物を挙げる
ことができる。
【0020】本発明においては、スルホン塩基を含む水
溶性ビニル単量体とともに水溶性非イオン性ビニル単量
体を共重合してもよい。水溶性非イオン性ビニル単量体
の具体例としては(メタ)アクリルアミド、ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテルなどを挙げることが
できる。
【0021】本発明においては、他の共重合可能な水溶
性ビニル単量体として、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸およびその塩などのアニオ
ン性単量体を共重合してもよい。
【0022】本発明においては、生成する水溶性アニオ
ン性(共)重合体の分子量を調整するために必要に応じ
て連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤の具体
例としては、アルコール、メルカプタン、ホスファイ
ト、サルファイトまたはこれらのいずれかの混合物を挙
げることができる。
【0023】本発明に用いられるスルホン基を含む水溶
性ビニル単量体の量は30モル%以上100モル%以下
であり、好ましくは50モル%以上95モル%以下であ
る。30モル%未満ではスルホン基の分散作用が十分で
なく、潤滑剤または保水剤としての働きが不十分とな
り、掘削した土砂に少量混合するだけで掘削した土砂を
流動性のある泥土としてポンプを用いて泥土輸送管中を
圧送して容易に排出移送できなくなる。
【0024】本発明の水溶性アニオン性(共)重合体
が、土砂の圧送助剤として有用なためには分子量が高い
必要があり、1規定食塩水中における固有粘度が3dl
/g以上、好ましくは4dl/g以上、さらに好ましく
は5dl/g以上である。3dl/g未満では分子量が
低過ぎて潤滑剤または保水剤としての働きが不十分とな
る。また30dl/g超では分子量が高過ぎて泥土の粘
度が高くなり流動性のある泥土として排出移送できなく
なる。
【0025】本発明に用いられる水溶性アニオン性
(共)重合体は、通常使用されている公知の重合法によ
って共重合することができる。例えば、水溶液中で重合
してもよく、疎水性溶剤中での懸濁重合、逆相エマルジ
ョン重合も採用できる。重合温度は開始剤の種類により
異なるので特に限定されず、開始剤が機能する温度であ
れば差し支えない。また、使用する重合開始剤も一般的
に使用されているレドックス系、アゾ系などどのような
ものでも使用でき特に限定されない。特に疎水性界面活
性剤と有機溶剤中で水溶性ビニル単量体を必要に応じて
連鎖移動剤の存在下に共重合する逆相エマルジョン重合
方法が好ましい。たとえば、スルホン基を含む単量体を
少なくとも30モル%含有する水溶性ビニル単量体と連
鎖移動剤を含む水溶液と、HLBが3〜6である疎水性
界面活性剤を含む有機分散媒とを混合し乳化させた後、
ラジカル重合触媒の存在下、温度30〜80℃で重合さ
せ油中水型アニオン性重合体エマルジョンを製造する方
法がある(特開昭61−236250号)。この油中水
型エマルジョンに親水性界面活性剤を添加して水に混合
し、水中油型のエマルジョンに転相し使用する。
【0026】このような土砂の圧送助剤の形状は特に限
定されず、乾燥した粉状でも、エマルジョン、サスペン
ション等の液状品であっても良いが、水分散性の良好な
エマルジョンが好ましい。またその平均粒子径は10μ
m以下、好ましくは1μm以下のものである。
【0027】このような土砂の圧送助剤の添加量は、含
水土砂1m3 に対して、水溶性アニオン性(共)重合体
純分として好ましくは0.1〜5kg程度である。掘削
した土砂にこの程度の量を混合するだけで、多量の微細
土粒子を用いることなく、掘削した土砂を流動性のある
泥土としてポンプを用いて泥土輸送管中を圧送して容易
に排出移送できる。本発明においては、このような土砂
の圧送助剤とともに各種の公知の界面活性剤を添加する
ことができる。
【0028】本発明においては、図1および図2に示し
た従来の泥土圧式シールド機を用いたシールド工法にお
いて、掘削した土砂に土砂の圧送助剤を添加できるよう
にすることでそのまま使用できる。掘削した土砂に土
の圧送助剤を添加する位置は特に限定されず、例えば、
分散液貯槽6、泥漿フロー9、ポンプ3a、泥漿入口1
2、分散液貯槽6から泥漿入口12までの管路、チャン
バ2など、あるいはこれらの複数の箇所などを挙げるこ
とができる。次に図1に示した従来の泥土圧式シールド
機の分散液貯槽6で添加剤を添加する例について説明す
る。
【0029】砂の圧送助剤は分散液貯槽6において必
要な量添加、混合、溶解されて、必要に応じて添加され
る水やベントナイトのような粘土とともに粘度、濃度、
比重などが調整された泥漿とされ、この泥漿は圧送ポン
プ19によって泥漿フロー9を経て坑内に設けた注入ポ
ンプ10に送り込まれる。更に、注入ポンプ10に送り
込まれたこの泥漿は、泥漿フロー9を経て調節バルブ2
0で注入量を調節されて泥漿注入口12からチャンバ2
内へ注入される。カッタ15で掘削した掘削土砂は、チ
ャンバ2内に注入されたこの泥漿と攪拌翼14によって
混合され、チャンバ2から排出に好ましい状態、即ち、
適度な流動性、不透水性即ち止水性に好ましい泥土に作
られる。
【0030】掘削土砂とこの泥漿とが混合されて生成し
た泥土はスクリューコンベヤ13aによって移送され、
さらにこのスクリューコンベヤに連結されたスクリュー
コンベヤ13bによって移送された後、第1の圧送ポン
プ3aにより泥土輸送管21中を圧送され立坑下に設け
られた第2の圧送ポンプ3bに移送され、この圧送ポン
プ3bにより泥土輸送管4中を上方に圧送され坑外の泥
土ホッパ5へ運び出され、該泥土はセメントなどの固化
剤を必要により混合されて泥土ホッパ5からダンプ車8
等で所定の場所へ運び去られる。砂の圧送助剤を分散
液貯槽6で添加する例を示したが、上記のように添加箇
所はここに限定されるものではない。
【0031】また、上記の例では、掘削土砂と泥漿とが
混合されて生成した泥土は、チャンバ2→スクリューコ
ンベヤ13a→スクリューコンベヤ13b→圧送ポンプ
3a→泥土輸送管21→圧送ポンプ3b→泥土輸送管4
→泥土ホッパ5→ダンプ車8の経路を経て所定の場所へ
運び去られる例を示したが、泥土を移送する方法はこれ
に限定されない。例えば、スクリューコンベヤ13bの
代わりに、ポンプを用いてポンプ圧送する、パイプ排土
方式などを用いることができる。圧送ポンプ3aは複数
備えてもよく、また圧送ポンプに泥土が移送される前に
粉砕機を配設して大きな土砂、石などを粉砕し、分離す
る装置を設けてもよい。
【0032】掘削土砂と泥漿とが混合されて生成した泥
土の粒度組成は特に限定されないが75μm以下の含有
率15%以上、2mm以下の含有率85%以上、50m
m以上の含有率0%を満足することが好ましい。
【0033】本発明において泥土の圧送を行う送排泥ポ
ンプ、中継ポンプなどのポンプはピストンポンプ、1軸
スクリューポンプ、伸縮式筒状ポンプ、回転羽根ポンプ
など何れでも使用できるが、その構造により圧送可能な
距離や土砂性状などが異なるので、地盤などに応じて適
宜選定して使用することが好ましい。
【0034】
【作用】本発明で用いる土砂の圧送助剤はスルホン基の
分散作用により潤滑剤または保水剤として働くので、多
量の微細土粒子を用いることなく、掘削用液に少量添加
して掘削した土砂に混合するだけで掘削した土砂を流動
性のある泥土としてポンプを用いて泥土輸送管中を圧送
して排出移送できる。本発明で用いる土砂の圧送助剤は
掘削土砂によく浸透して解膠し易くなり、且つ土砂の粘
着性を低下させるので、回転式カッタを備えたメカニカ
ルシールド機により土砂を掘削して、掘削した土砂を泥
土としてポンプ圧送方式により容易に排出移送できる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0036】(試料調製例1) 攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190
℃ないし230℃のイソパラフィン120.0Kgおよ
びソルビタンモノオレート7.5Kgを仕込んだ。脱塩
水200Kgおよびアクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸ソーダ(AMPS)95.0モル%、アク
リル酸ソーダ(AAc)5.0モル%の組成のモノマー
165Kgの混合物を添加し、ホモジナイザーにて攪拌
乳化した。 得られたエマルジョンに窒素置換の後、ジ
メチルアゾビスイソブチレート40gを加え、温度50
℃に制御しながら重合反応を完結させ、その後ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル7.5Kgを添加混
合して試験に供する試料(試料−1)(砂の圧送助
剤)とした。得られたエマルジョンポリマーの固有粘度
を表1に記載する。
【0037】(試料調製例2) アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(AMPS)50.0モル%、アクリルアミド(AA
m)50.0モル%の組成のモノマー165Kgの混合
物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試
料(試料−2)(砂の圧送助剤)を作った。得られた
エマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0038】(試料調製例3) アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(AMPS)50.0モル%、アクリル酸ソーダ(AA
c)10.0モル%、アクリルアミド(AAm)40.
0モル%の組成のモノマー165Kgの混合物を用いた
以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−
3)(砂の圧送助剤)を作った。得られたエマルジョ
ンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0039】(試料調製例4) アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(AMPS)30.0モル%、アクリル酸ソーダ(AA
c)30.0モル%、アクリルアミド(AAm)40.
0モル%の組成のモノマー165Kgの混合物を用いた
以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−
4)(砂の圧送助剤)を作った。得られたエマルジョ
ンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0040】(試料調製例5) アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(AMPS)49.7モル%、アクリル酸ソーダ(AA
c)0.3モル%、アクリルアミド(AAm)50.0
モル%の組成のモノマー165Kgの混合物を用いた以
外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−
5)(砂の圧送助剤)を作った。得られたエマルジョ
ンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0041】(試料調製例6) アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(AMPS)40.0モル%、アクリルアミド(AA
m)60.0モル%の組成のモノマー165Kgの混合
物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試
料(試料−6)(砂の圧送助剤)を作った。
【0042】(比較試料調製例1) アクリル酸ソーダ(AAc)30.0モル%、アクリル
アミド(AAm)70.0モル%の組成のモノマー16
5Kgの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして試
験に供する試料(試料−7)を作った。得られたエマル
ジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0043】(比較試料調製例2) アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ
(AMPS)20.0モル%、アクリルアミド(AA
m)80.0モル%の組成のモノマー165Kgの混合
物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試
料(試料−8)を作った。得られたエマルジョンポリマ
ーの固有粘度を表1に記載する。
【0044】(比較試料調製例3) アクリル酸ソーダ(AAc)95.0モル%、アクリル
アミド(AAm)5.0モル%の組成のモノマー165
Kgの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして試験
に供する試料(試料−9)を作った。
【0045】(実施例) 孔径2mの土圧系シールド工法によるトンネル工事現場
において、前述したごとく、ベントナイト分散液中に試
料1〜6を溶解し、泥土1m3 に対してポリマー添加量
1.5Kgとなるようにチャンバー内に注入して掘削処
理を行い、スクリュウコンベヤ13bの後に設けられた
1軸スクリュウポンプ3a及び3bにより、それぞれの
長さが10mである泥土輸送管21および4中をポンプ
圧送した結果を表2に示す。
【0046】(比較例) 実施例と同様にして試料−7〜を用いてポンプ
圧送した結果を表2に示す。
【0047】(実施例) 実施例と同様にして試料−1を用いて、泥土1m
3 に対してポリマー添加量0.5(実施例)、1.5
(実施例)、3.5(実施例)となるようにチャン
バー内に注入して掘削処理を行い、スクリュウコンベヤ
13bの後に設けられた1軸スクリュウポンプ3a及び
3bにより、それぞれの長さが10mである泥土輸送管
21および4中をポンプ圧送した結果を表3に示す。
【0048】(実施例1012) 実施例と同様にして試料−4を用いて、泥土1m
3 に対してポリマー添加量0.5(実施例10)、1.
5(実施例11)、3.5(実施例12)となるように
チャンバー内に注入して掘削処理を行い、スクリュウコ
ンベヤ13bの後に設けられた1軸スクリュウポンプ3
a及び3bにより、それぞれの長さが10mである泥土
輸送管21および4中をポンプ圧送した結果を表3に示
す。
【0049】(比較例) 実施例と同様にして試料−7を用いて、泥土1m
3 に対してポリマー添加量0.5(比較例)、1.5
(比較例)、3.5(比較例)となるようにチャン
バー内に注入して掘削処理を行い、スクリュウコンベヤ
13bの後に設けられた1軸スクリュウポンプ3a及び
3bにより、それぞれの長さが10mである泥土輸送管
21および4中をポンプ圧送した結果を表3に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明で用いる土砂の圧送助剤を掘削し
た土砂に少量混合するだけで、多量の微細土粒子を用い
ることなく、掘削した土砂を流動性のある泥土としてポ
ンプを用いて泥土輸送管中を圧送して排出移送できる。
本発明で用いる土砂の圧送助剤を掘削した土砂に少量混
合するだけで、低カッタートルクで、チャンバ内に掘削
土砂が付着することがなく、掘削土砂の流動性を向上さ
せて、回転式カッタを備えた従来のメカニカルシールド
機により土砂を掘削して、掘削した土砂を流動性のある
泥土としてポンプを用いて泥土輸送管中を圧送して容易
に排出移送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 砂の圧送助剤を適用するシールド機の要部
の概略説明図である。
【図2】 図1の泥水式シールド機の要部の拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 泥土圧式シールド機 2 チャンバ 3a、3b 圧送ポンプ 4 泥土輸送管 5 泥土ホッパ 6 分散液貯槽 7 水注入配管 8 ダンプ車 9 泥漿フロー 10 注入ポンプ 11 隔壁 12 泥漿注入口 13a、13b スクリューコンベヤ 14 攪拌翼 15 カッタ 16、17 モータ 18 ケースジャッキ 19 泥漿圧送ポンプ 20 調節バルブ 21 泥土輸送管 22 シールドジャッキ22 23a、23b ハウジング
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 103:00 E21D 9/06 301S (56)参考文献 特開 平1−310087(JP,A) 特開 平5−7706(JP,A) 特開 平3−131400(JP,A) 特開 平6−193382(JP,A) 特開 平7−126619(JP,A) 特開 平5−339564(JP,A) 特開 平9−176626(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/12 E21D 9/06 C09K 7/00 - 7/02 C09K 17/20 - 17/22 C09K 103:00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン基を有する単量体を30〜10
    0モル%含有する水溶性ビニル単量体を重合して得られ
    る水溶性アニオン性(共)重合体を水に溶解した液を主
    成分とする液を、掘削した含水土砂に添加して流動性の
    ある泥土とした後、ポンプにより配管中を移動させるこ
    とを特徴とする土砂の圧送方法
  2. 【請求項2】 前記水溶性アニオン性(共)重合体の
    規定食塩水中における固有粘度が3dl/g以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の土砂の圧送方法
  3. 【請求項3】 前記スルホン基を有する単量体がアクリ
    ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸あるいはその
    塩であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に
    記載の土砂の圧送方法
  4. 【請求項4】 前記スルホン基を有する単量体と共重合
    させる単量体がアクリルアミドおよび/又はアクリル酸
    塩であることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載の土砂の圧送方法
  5. 【請求項5】 前記水溶性アニオン性(共)重合体が、
    (A)スルホン基を有する単量体を30〜100モル%
    含有する水溶性ビニル単量体水溶液、(B)少なくとも
    1種類の炭化水素から成る油状相、(C)逆相エマルジ
    ョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1
    種類の界面活性剤の混合体を強攪拌し、微細単量体相液
    滴を形成させた後に重合操作を行い、水に溶解したもの
    であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれ
    かに記載の土砂の圧送方法。
  6. 【請求項6】 前記含水土砂1m3 に対し、前記水溶性
    アニオン性(共)重合体を純分で0.1〜5kg添加す
    ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに
    記載の土砂の圧送方法。
  7. 【請求項7】 前記含水土砂の種類が土圧系シールド工
    法によるトンネル工事の掘削残土であることを特徴とす
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の土砂の圧送
    方法。
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