JP3527907B1 - 染毛剤組成物 - Google Patents

染毛剤組成物

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JP3527907B1
JP3527907B1 JP2003049681A JP2003049681A JP3527907B1 JP 3527907 B1 JP3527907 B1 JP 3527907B1 JP 2003049681 A JP2003049681 A JP 2003049681A JP 2003049681 A JP2003049681 A JP 2003049681A JP 3527907 B1 JP3527907 B1 JP 3527907B1
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克明 鈴木
弘尚 村越
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ホーユー株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 毛髪の損傷を抑制することができる染毛剤組
成物を提供する。 【解決手段】 染毛剤組成物は、アルカリ剤組成物と酸
化剤組成物とから構成される。アルカリ剤組成物には、
(A)アルカノールアミン、(B)下記一般式(1)及
び(C)酸化染料が含有されている。酸化剤組成物には
(D)酸化剤が含有されている。アルカリ剤組成物と酸
化剤組成物との混合物中には、前記(B)成分が0.5
〜10.0重量%含有されるとともに前記(D)成分が
0.05〜2.25重量%含有されている。 【化1】 (式中のR1及びR2は、水素原子、炭素数1〜30の脂
肪族基、5〜10員の複素環基又はC6〜C10員の芳
香族基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪に塗布されて
毛髪を染色する染毛剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の染毛剤組成物は、ア
ルカリ剤及び酸化染料が含有される第1剤と、酸化剤を
含有する第2剤とから構成されるものが知られている。
これらの第1剤と第2剤は使用時に混合調製され、第1
剤と第2剤の混合物が毛髪に塗布されることにより、毛
髪に染毛処理が施されるようになっている(例えば、特
許文献1参照)。この染毛剤組成物において過酸化水素
等の酸化剤は、酸化染料の発色、メラニンの脱色等の機
能を有している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−29946号公報([0
034]〜[0037])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
染毛剤組成物においては、機能を十分に発揮させるに必
要な量の酸化剤を含有させると、その酸化剤によって毛
髪が損傷し易いという問題があった。
【0005】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、毛髪の損傷を抑制することができる染毛剤
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1に記載の発明の染毛剤組成物では、(A)
アルカリ剤、(B)アスコルビン酸類及び(C)酸化染
料の各成分を含有するアルカリ剤組成物と、(D)酸化
剤を含有する酸化剤組成物とから構成され、前記アルカ
リ剤組成物及び酸化剤組成物の混合物中には、前記
(B)成分が0.5〜10.0重量%含有されるととも
に前記(D)成分が0.05〜2.25重量%含有さ
、(A)成分に対する(B)成分の重量比が0.2〜
11.1であるものである。
【0007】
【0008】請求項に記載の発明の染毛剤組成物で
は、請求項1に記載の発明において、前記(A)成分と
して、少なくともアルカノールアミンを含有するもので
ある。
【0009】請求項に記載の発明の染毛剤組成物で
は、請求項1又は請求項に記載の発明において、前記
アルカリ剤組成物及び酸化剤組成物が混合調製された混
合物のpHは、前記(B)成分によって、混合調製時の
pHから低下されるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を2剤式の染毛剤に適用した実施形態について詳細に説
明する。
【0011】染毛剤組成物としての2剤式の染毛剤は、
アルカリ剤組成物としての第1剤と、酸化剤組成物とし
ての第2剤とから構成されている。第1剤には、(A)
アルカリ剤、(B)下記一般式(1)で表される化合物
及び(C)酸化染料が含有されている。
【0012】
【化3】 (式中のR1及びR2は、水素原子、炭素数1〜30の脂
肪族基、5〜10員の複素環基又はC6〜C10員の芳
香族基を表し、前記脂肪族基はその一部がカルボニル
基、ヒドロキシル基、ハロゲン元素、スルホ基、カルボ
キシル基、ニトロ基又はフェニル基により置換可能であ
るものを示し、前記複素環基はその一部が炭素数1〜3
0のアルキル基、ハロゲン元素、フェニル基又はヒドロ
キシル基により置換可能であるものを示し、前記芳香族
基はその一部が炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン元
素、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ
ル基又はニトロソ基により置換可能であるものを示す。
なお、R1及びR2は同一でも異なってもよく、R1及び
2は部分的に結合されていてもよい。また、水酸基の
水素は金属元素に置換されているものを含む。ただし、
1とR2を部分的に結合する場合、R1が結合するカル
ボニル炭素とR2とが直接結合されたものを含む。) 一方、第2剤には酸化剤が含有されている。これらの第
1剤及び第2剤は、混合して使用される。第1剤及び第
2剤の混合物中における(B)上記一般式(1)で表さ
れる化合物の含有量は0.5〜10.0重量%である。
また、第1剤及び第2剤の混合物中における(D)酸化
剤の含有量は0.05〜2.25重量%である。第1剤
及び第2剤の混合物は、毛髪に塗布されることにより、
毛髪を染色することができるものである。 [第1剤]第1剤には、(A)アルカリ剤、(B)上記
一般式(1)で表される化合物及び(C)酸化染料が含
有される。
【0013】(A)成分のアルカリ剤は、第2剤中に含
有される(D)酸化剤の作用を促進することにより、毛
髪に明度を付与するために配合される。(A)成分の具
体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、アン
モニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−
1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アル
カリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニ
ン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。アルカ
ノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロ
パノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ
−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒ
ドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げら
れる。アンモニウム塩の具体例としては、ハロゲン化ア
ンモニウム、無機系アンモニウム塩、有機系アンモニウ
ム塩等が挙げられる。ハロゲン化アンモニウムとしては
塩化アンモニウム等、無機系アンモニウム塩としては炭
酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム
等、有機系アンモニウム塩としては乳酸アンモニウム、
クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等が
挙げられる。
【0014】これらの(A)成分は単独で配合してもよ
いし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これら
の(A)成分の中でも刺激臭を抑制することができるこ
とから、第1剤中には少なくともアルカノールアミンを
含有させることが好ましく、加えて毛髪に明度を付与す
る効果が高いことから、第1剤中にはモノエタノールア
ミンを含有させることがより好ましい。
【0015】第1剤及び第2剤の混合物(以下、単に混
合物という。)中における(A)成分の含有量は、好ま
しくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.2〜
4.8重量%、さらに好ましくは0.3〜4.5重量
%、最も好ましくは0.35〜4.0重量%である。こ
の含有量が0.1重量%未満であると、十分な明度が得
られないおそれがある。一方、5.0重量%を超えて配
合すると、仕上り後の毛髪に良好な感触を得ることがで
きないおそれがある。
【0016】(B)成分の上記一般式(1)で表される
エンジオール構造を有する化合物は、(D)酸化剤によ
る(C)酸化染料の酸化重合反応を促進させるとともに
混合物のpHをコントロールするために配合される。
(B)成分の具体例としては、アスコルビン酸類、3,
4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオ
ン、2,3−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−
オン等が挙げられる。
【0017】アスコルビン酸類としては、アスコルビン
酸、エリソルビン酸、それらの塩及び誘導体、等が挙げ
られる。アスコルビン酸の塩としては、アスコルビン酸
ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸
カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビ
ン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノー
ルアミン等が挙げられる。エリソルビン酸の塩としては
エリソルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0018】アスコルビン酸の誘導体としては、アスコ
ルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リ
ン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビ
ル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコ
ルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミ
リスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢
酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸ア
スコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコル
ビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフ
ェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコ
ルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アス
コルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルア
スコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェー
ト、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグル
コシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等
が挙げられる。これらの(B)成分は単独で配合しても
よいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これ
らの(B)成分の中でも、(D)酸化剤の酸化作用をさ
らに促進させることができることから、好ましくはアス
コルビン酸類、より好ましくはアスコルビン酸及びその
塩から選ばれる少なくとも一種である。
【0019】混合物中における(B)成分の含有量は、
0.5〜10.0重量%、好ましくは0.7〜9.5重
量%、より好ましくは0.9〜9.0重量%、さらに好
ましくは1.1〜9.0重量%である。この含有量が
0.5重量%未満であると、(D)酸化剤による(C)
酸化染料の酸化重合反応を十分に促進させることができ
ない。また、混合物のpHコントロール作用が得られな
い。一方、10.0重量%を超えて配合すると、酸化重
合反応が阻害され、染毛力が低下する。また、それ以上
のpHコントロール作用が得られない。
【0020】混合物中において、(A)成分に対する
(B)成分の重量比[=(B)成分の重量/(A)成分
の重量]は、好ましくは0.2以上、より好ましくは
0.25以上、さらに好ましくは0.3以上である。こ
の重量比が0.2未満であると、(B)成分のpHコン
トロール作用が十分に発揮されないおそれがある。な
お、この重量比の上限は、好ましくは11.1以下、よ
り好ましくは8.3以下、さらに好ましくは6.7以下
である。この重量比が11.1を超えて配合してもそれ
以上のpHコントロール作用が得られない。
【0021】第1剤のpHは、好ましくは8〜12、よ
り好ましくは9〜11である。第1剤のpHが8未満で
は、(D)酸化剤の作用を十分に促進することができな
いおそれがある。一方、pHが12を超えると毛髪が脱
色される際、毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれが
ある。
【0022】(C)酸化染料は、(D)酸化剤による酸
化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、
主要中間体及びカプラーに分類される。主要中間体とし
ては、フェニレンジアミン類とその塩類、アミノフェノ
ール類とその塩類、ジアミノピリジン類とその塩類等が
挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が
挙げられる。これらの主要中間体は単独で配合してもよ
いし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これら
の中でも、染毛力に優れることから、好ましくはp−フ
ェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジ
アミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フ
ェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレン
ジアミン、p−アミノフェノール、2,6−ジクロロ−
p−フェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファ
ミン酸及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種で
ある。
【0023】カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロ
ール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニ
レンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミ
ノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トル
エン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミ
ン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミ
ノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−ア
ミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチル
アミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノ
フェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子
酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍
子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシ
エチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチル
アミノ)−2−メチルフェノール、それらの塩類等が挙
げられる。これらのカプラーは単独で配合してもよい
し、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0024】この(C)成分は、様々な色調に変化させ
ることができることから、主要中間体から選ばれる少な
くとも一種及びカプラーから選ばれる少なくとも一種か
ら構成されることが好ましい。
【0025】混合物中における(C)成分の含有量は、
好ましくは0.005〜7.5重量%である。この含有
量が0.005重量%未満では十分な染毛力が得られに
くい。一方、7.5重量%を超えて配合してもそれ以上
の染毛力が得られにくい。
【0026】混合物中において、主要中間体に対する
(B)成分の重量比[=(B)成分/主要中間体]は、
好ましくは0.3〜5.0、より好ましくは0.5〜
3.0、さらに好ましくは0.5〜2.8である。この
重量比が0.3未満であると、十分な染毛力が得られに
くい。一方、5.0を超えて配合してもそれ以上の染毛
力が得られにくい。
【0027】第1剤には、その他の成分として水、pH
調整剤、界面活性剤、油性成分等を含有させることもで
きる。水は、各成分の溶媒又は分散媒として第1剤を溶
液、分散液又は乳化物とするために適量配合される。混
合物中における水の含有量は、好ましくは50〜95重
量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。この
含有量が50重量%未満では、水溶液、分散液又は乳化
物を安定して形成することが困難となるおそれがある。
一方、95重量%を超えて配合すると、混合物の均一性
及び安定性を確保しにくくなる。
【0028】第1剤には、第1剤のpHを上記の範囲に
容易に設定することができることからpH調整剤を含有
させることが好ましい。pH調整剤の具体例としては、
リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等が挙げ
られる。第1剤中におけるpH調整剤の配合量は、第1
剤のpHが上記の範囲となる量とするのが好ましい。
【0029】界面活性剤は、第1剤の安定性を保持する
ために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性
剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0030】非イオン性界面活性剤の具体例としては、
ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエ
ーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE
・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキ
ルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、P
OEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ
る。POEアルキルエーテル類の具体例としては、PO
Eラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEス
テアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げら
れる。
【0031】カチオン性界面活性剤の具体例としては、
塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリル
トリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアン
モニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭
化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリ
メチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノ
プロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリ
メチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアン
モニウムサッカリン等が挙げられる。
【0032】アニオン性界面活性剤の具体例としては、
ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラ
ウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸
塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫
酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミ
ン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリ
ルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0033】両性界面活性剤の具体例としては、2−ウ
ンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシ
メチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプ
ロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
等が挙げられる。
【0034】油性成分としては、高級アルコール、油脂
類、ロウ類、炭化水素類、エステル類、シリコーン類等
が挙げられる。高級アルコールの具体例としては、ラウ
リルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0035】油脂類の具体例としては、ホホバ油、オリ
ーブ油のグリセライド等、ロウ類の具体例としては、ミ
ツロウ、ラノリン等、炭化水素類の具体例としては、流
動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィン、スク
ワラン等が挙げられる。エステル類の具体例としては、
ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデ
シル等、シリコーン類の具体例としては、ジメチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエー
テル変性シリコーン、高重合シリコーン、アミノ変性シ
リコーン等が挙げられる。
【0036】さらに、その他の成分としてラウリン酸、
ミリスチン酸、リノレン酸等の脂肪酸、ソルビトール、
マルトース等の糖類、多価アルコール、バチルアルコー
ル、キミルアルコール等のアルキルグリセリルエーテ
ル、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アル
ギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導
体、架橋ポリアクリル酸、ポリ塩化ジメチルメチレンピ
ペリジウム等の水溶性高分子化合物、パラベン等の防腐
剤、EDTA−2Na等のキレート剤、フェナセチン、
8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸
ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安
定剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫
外線吸収剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規
格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載される
ものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
【0037】この第1剤の剤型は、水溶液状、分散液
状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙
げられる。 [第2剤]第2剤には、(D)酸化剤が含有される。こ
の(D)成分は、(C)酸化染料を酸化重合させて発色
させるとともに、毛髪に含まれるメラニンを脱色させる
ために配合される。(D)成分の具体例としては、過酸
化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウ
ム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸
化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過
酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸
化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン
酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの
(D)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み
合わせて配合してもよい。これらの(D)成分の中で
も、メラニンの脱色力に優れることから、好ましくは過
酸化水素である。
【0038】混合物中における(D)成分の含有量は、
0.05〜2.25重量%、より好ましくは0.15〜
2.0重量%である。この含有量が0.05重量%未満
であると、(C)酸化染料を十分に酸化重合させること
ができない。一方、2.25重量%を超えて配合する
と、毛髪の損傷を低減させることができない。
【0039】第2剤にはその他の成分として第1剤に記
載の水、油性成分、界面活性剤等が含有される。また、
(D)成分として過酸化水素を含有させた場合は、過酸
化水素の保存安定性を向上させるために安定化剤を含有
させることが好ましい。過酸化水素の安定化剤として
は、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレン
グリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リ
ン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及
びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられ
る。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発
行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なく
とも一種を配合してもよい。
【0040】この第2剤の剤型は、水溶液状、分散液
状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙
げられる。 [混合物]混合物は、第1剤及び第2剤を所定の割合で
混合調製することによって得られる。第1剤と第2剤と
の混合割合は、好ましくは重量比で第1剤:第2剤=
1:0.5〜1:5である。この混合割合よりも第1剤
が多くなるか又は第2剤が多くなると第1剤中及び第2
剤中における各成分の含有量を設定しにくくなるおそれ
がある。
【0041】混合調製時における混合物のpHは、好ま
しくは8〜12、より好ましくは9〜11である。この
pHが8未満では、(D)酸化剤の作用を十分に促進す
ることができないおそれがある。一方、pHが12を超
えると毛髪が脱色される際、毛髪に損傷等の不具合が発
生するおそれがある。
【0042】この混合物の剤型は、水溶液状、分散液
状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙
げられる。この混合物は毛髪に塗布され、混合物が塗布
された毛髪は、一定時間放置されることにより徐々に染
色される。ここで、混合物には(B)成分が含有されて
いるため、毛髪に塗布された混合物のpHは、放置時間
に伴って徐々に低下されるようになっている。染毛放置
時間終了後の混合物のpHは、(A)成分が毛髪にアル
カリとして残留することを低減することができ、毛髪の
感触をより良好にすることができることから、中性又は
酸性側に移行されることが好ましく、弱酸性であること
がより好ましい。
【0043】混合調製時における混合物のpHと、混合
調製時から30分後における混合物のpHとの差(pH
低下値)は、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜
9、さらに好ましくは3〜8である。このpH低下値が
1未満では、残留アルカリにより毛髪に損傷等の不具合
が発生するおそれがある。一方、10を超えるpHの低
下は、毛髪が過剰に収れんし、毛髪に損傷等の不具合が
発生するおそれがある。
【0044】混合調製時から30分後における混合物の
pHは、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜7、さ
らに好ましくは4〜6である。このpHが2未満では、
毛髪が過剰に収れんし、毛髪に損傷等の不具合が発生す
るおそれがある。一方、このpHが8を超えると残留ア
ルカリの影響により、毛髪に損傷等の不具合が発生する
おそれがある。
【0045】さて、染毛剤組成物としての第1剤及び第
2剤を調製するには、第1剤と第2剤の混合割合を考慮
して、各成分を所定量配合し、攪拌混合する。次に、第
1剤及び第2剤を使用するには、第1剤及び第2剤を所
定の混合割合で混合することによって混合物を調製し、
この混合物の必要量をコーム(櫛)又は刷毛に付着さ
せ、毛髪に塗布する。この混合物中では、(D)成分に
よって(C)成分が酸化重合されることにより、(C)
成分が発色されるようになっている。このとき、混合物
中には(B)成分が0.5〜10.0重量%含有されて
いる。この(B)成分によって(D)成分の酸化力は十
分に引き出されるため、(D)成分による(C)成分の
酸化重合反応は促進される。つまり、(D)成分による
(C)成分の酸化重合反応において、(B)成分は触媒
的な役割を果たすと推測される。従って、少量の(D)
成分であっても(C)成分を効率的に発色させることが
できる。よって、毛髪の損傷の原因となる(D)成分の
含有量を低減させることができる。
【0046】また、混合物には(A)成分が含有され、
アルカリ性を示している。混合物が塗布された毛髪は、
この状態で一定時間(例えば、10分から40分)放置
される。このとき、混合物中には、(B)成分が0.5
〜10重量%含有されている。この(B)成分のpHコ
ントロール作用によって、(A)成分が徐々に中和され
る。このため、放置時間の経過に伴って、混合物のpH
は、混合調製時のpHより徐々に低下される。
【0047】一定時間放置後の毛髪には、プレーンリン
ス(水、温水等による毛髪のすすぎ)が施され、毛髪の
染毛処理が仕上げられる。このとき、(B)成分のpH
コントロール作用により、混合物のpHは低下されてい
るため、仕上り後の毛髪における残留アルカリを低減す
ることができる。
【0048】以上詳述した実施形態によれば、次のよう
な効果が発揮される。 ・ 本実施形態の染毛剤組成物においては、第1剤及び
第2剤から構成されている。第1剤には、(A)成分、
(B)成分及び(C)成分が含有されている。第2剤に
は、(D)成分が含有されている。混合物中には、
(B)成分が0.5〜10.0重量%含有されるととも
に(D)成分が0.05〜2.25重量%含有されてい
る。このように構成した場合、(B)成分によって
(D)成分の酸化力を促進させることができる。従っ
て、混合物中における(D)成分の含有量を低減させる
ことができるため、毛髪の損傷を抑制することができ
る。
【0049】・ 本実施形態の染毛剤組成物において
は、(B)成分はアスコルビン酸類であることが好まし
い。この場合、(D)成分の酸化作用をさらに促進させ
ることができ、染毛力を向上させることができる。
【0050】・ 本実施形態の染毛剤組成物において
は、(A)成分として、少なくともアルカノールアミン
を含有することが好ましい。この場合、刺激臭を抑制す
ることができる。
【0051】・ 本実施形態の染毛剤組成物において
は、第1剤中には(B)成分が含有され、混合物のpH
は、(B)成分によって、混合調製時のpHから低下さ
れるようになっている。この場合、仕上り後の毛髪にお
ける残留アルカリを低減させることができ、仕上り後の
毛髪の感触を良好にすることができる。
【0052】・ 本実施形態の染毛剤組成物において
は、第1剤中には(B)成分が含有され、混合物のpH
は、中性又は酸性側に移行されるようになっている。こ
の場合、(A)成分がアルカリとして毛髪に残留するこ
とを防ぐことができ、仕上り後の毛髪の感触をさらに良
好にすることができる。
【0053】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形
態をさらに具体的に説明する。 (実施例1〜4及び比較例1〜3)表1に示す各成分を
混合することにより第1剤及び第2剤を調製した。第1
剤及び第2剤を混合することにより混合物を調製し、こ
の混合物を毛束に塗布した。混合物が塗布された毛束を
30分間放置した後、プレーンリンスを施すことによっ
て毛束の染毛処理を完了した。染毛処理が施された毛束
について、下記の(a)〜(c)の項目の評価を行っ
た。これらの評価結果を表1に示す。
【0054】なお、第1剤と第2剤は重量比において
1:1の割合で混合される。また、表1における各成分
の配合を示す数値の単位は重量%を示す。 (a)毛髪損傷度 毛束の根元から20〜30mmの部分に結び目を作り、
毛束の両端に一定条件で張力を加えた。次に、走査型電
子顕微鏡によって結び目部分におけるキューティクルの
浮き上がり状態を専門のパネラーが観察し、以下の4段
階の基準によって毛髪損傷度の評価を行った。
【0055】キューティクルがほとんど浮き上がらず、
非常に損傷が少ない(◎)。 キューティクルの最外層の一部のみが浮き上がってお
り、損傷が少ない(○)。
【0056】キューティクルの最外層が全体的に浮き上
がっており、損傷がややある(△)。キューティクルの
ほとんどが浮き上がっており、損傷がある(×)。
【0057】(b)染毛力 専門のパネラーが毛束の染色の程度を目視にて観察し、
優れる(◎)、良好(○)、やや不良(△)及び不良
(×)の4段階で官能評価した。
【0058】(c)感触 専門のパネラーが毛束を手で触れたときの感触につい
て、優れる(◎)、良好(○)、やや不良(△)及び不
良(×)の4段階で官能評価した。
【0059】
【表1】 表1の結果から明らかなように、実施例1〜4では毛髪
損傷度が非常に少ない又は少ない結果であるとともに、
染毛力が優れる又は良好な結果となった。実施例3及び
実施例4では、混合物中における(B)成分の含有量が
1.1重量%以上であるため、(D)成分による(C)
成分の酸化重合反応がさらに促進され、染毛力が優れる
結果となっている。また、実施例1〜4では(B)成分
のpHコントロール作用によって毛束におけるアルカリ
の残留を抑制することができ、感触について優れる又は
良好な結果となった。
【0060】これに対して、比較例1及び比較例2では
混合物中における(B)成分の含有量が0.5重量%未
満であるため、(D)成分による(C)成分の酸化重合
反応が促進されず、染毛力が不良となった。また、
(B)成分のpHコントロール作用が発揮されず、毛髪
に損傷がやや生じるとともに、感触が不良又はやや不良
であった。比較例3では(D)成分が過剰に配合されて
いるため、染毛力は良好であったが、毛髪に損傷が生じ
るとともに感触が不良となった。
【0061】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ 前記実施形態における染毛剤組成物は、第1剤及び
第2剤から構成されている。この他にアルカリ剤組成物
としての第1剤は、例えば第1a剤と第1b剤に分割構
成し、第1剤中に含有する成分を第1a剤と第1b剤に
振り分けてもよい。つまり、第1a剤には(A)成分、
(B)成分の一部量及び(C)成分を含有させ、第1b
剤には(B)成分の残量を含有させてもよい。さらに
は、第1a剤に(B)成分を含有させずに、第1b剤に
(B)成分の全量を含有させてもよい。そして、第1a
剤、第1b剤及び第2剤の混合物中において、(B)成
分が所定の含有量となるように構成する。この場合、
(B)成分の安定性が他の成分によって低下されること
を抑制することができ、保存時における(B)成分の安
定性を向上させることができる。
【0062】次に、上記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (1) 前記混合物のpHは、混合調製時のpHから1
〜10の範囲で低下される請求項に記載の染毛剤組成
物。
【0063】(2) 前記混合物のpHは、混合調製時
のpHから中性又は酸性側に移行される請求項又は上
記(1)に記載の染毛剤組成物。 (3) 前記アルカリ剤組成物及び酸化剤組成物が混合
調製された混合物における混合調製時のpHは8〜12
である請求項1から請求項、上記(1)及び(2)の
いずれか一項に記載の染毛剤組成物。
【0064】(4) 前記(C)成分は、主要中間体か
ら選ばれる少なくとも一種及びカプラーから選ばれる少
なくとも一種である請求項1から請求項及び上記
(1)から(3)のいずれか一項に記載の染毛剤組成
物。
【0065】(5) 前記主要中間体に対する前記
(B)成分の重量比[=(B)成分/主要中間体]が
0.3〜5.0である上記(4)に記載の染毛剤組成
物。この構成によれば、より染毛力を向上させることが
できる。
【0066】(6) 前記(A)成分はアルカノールア
ミンである請求項1から請求項及び上記(1)から
(5)のいずれか一項に記載の染毛剤組成物。 (定義) ・ 本明細書中における「pHコントロール作用」と
は、(D)成分の存在下において、反応過程により生成
される水素イオンが、(A)成分を中和させる作用をい
う。
【0067】・ 本明細書において、混合物の「pH低
下値」は、温度25℃にした第1剤及び第2剤を混合調
製した時におけるpHと、混合物を温度25℃、放置時
間30分の条件で放置した後のpHとから算出される値
である。
【0068】・本明細書中において、第1剤及び混合物
の「pH」の値は、第1剤又混合物の10重量%水溶液
を調製して、その水溶液を25℃にて測定した値であ
る。
【0069】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の染
毛剤組成物によれば、毛髪の損傷を抑制することができ
る。
【0070】また、染毛力を向上させることができる。
請求項に記載の染毛剤組成物によれば、請求項1に
載の発明の効果に加え、刺激臭を抑制することができ
る。
【0071】請求項に記載の染毛剤組成物によれば、
請求項1又は請求項に記載の発明の効果に加え、仕上
り後の毛髪の感触を良好にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−48518(JP,A) 特開 平5−97635(JP,A) 特開 昭55−20784(JP,A) 特公 昭40−23919(JP,B1) 特表2001−515023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/13

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルカリ剤、(B)アスコルビン
    酸類及び(C)酸化染料の各成分を含有するアルカリ剤
    組成物と、(D)酸化剤を含有する酸化剤組成物とから
    構成され、前記アルカリ剤組成物及び酸化剤組成物の混
    合物中には、前記(B)成分が0.5〜10.0重量%
    含有されるとともに前記(D)成分が0.05〜2.2
    5重量%含有され、(A)成分に対する(B)成分の重
    量比が0.2〜11.1であることを特徴とする染毛剤
    組成物
  2. 【請求項2】 前記(A)成分として、少なくともアル
    カノールアミンを含有する請求項1に記載の染毛剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ剤組成物及び酸化剤組成物
    が混合調製された混合物のpHは、前記(B)成分によ
    って、混合調製時のpHから低下される請求項1又は請
    求項2に記載の染毛剤組成物。
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