JP3527887B2 - 高気密型照明装置および該装置用筒状カバー - Google Patents

高気密型照明装置および該装置用筒状カバー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、室内空間の気密
性を保持しながら、この室内空間を照明する高気密型照
明装置および該装置用筒状カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の照明装置としては、例えば図5
に示すように、天井に形成された埋込孔に埋込取付する
ダウンライトが知られている。このダウンライトでは、
天井100の埋込孔101に装着された器具本体1の開
口部11に反射部材2が取り付けられている。そして、
反射部材2の側面部に設けられた貫通孔21からソケッ
ト3の先端部が突出する状態でソケット3が斜め下向き
に固定配置されている。なお同図(a)には、各部の位
置関係を説明するために、XY直角座標軸が示されてい
る。
【0003】このように構成されたダウンライトでは、
ソケット3の先端部に設けられた電極部31に電球を取
り付けて使用するのであるが、ダウンライトの耐熱性な
どの観点から取り付け可能な電球を制限したいという要
望がある。そこで、この要望を満足するために、ソケッ
ト3の先端部では電極部31より先端側に誤使用防止用
の筒状部材32が延びている。この筒状部材32は、そ
の内径については互いに異なるワット数の電球を取り付
け可能に設計されているものの、使用可能ワット数を超
えるワット数の電球をソケット3に取り付けようとする
と、その電球のバルブネック部が筒状部材32に当接
し、これによって電球取付を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誤使用防止
用の筒状部材32を設けた場合、次のような問題が生じ
る。この種の照明装置では、通常、反射部材2に設けら
れた取付孔22を、器具本体1に固定されているボルト
12に対してX方向において位置合せした後、そのまま
真っ直ぐ、つまり(+Y)方向に反射部材2を移動させ
ることで取付孔22をボルト12に外嵌挿通させる。そ
して、このボルト12にナット13を螺着することによ
って器具本体1に反射部材2を取付固定する。
【0005】しかしながら、誤使用防止用の筒状部材3
2を有するソケット3は、それを有さないソケットに比
べて長くなり、ソケット挿通用貫通孔21からのソケッ
ト3の突出量が多く、しかも筒状部材32のうち室内空
間側と反対側の端部320が(−X)方向に突出してい
る。そのため、上記したように通常通り反射部材2を器
具本体1に取り付けようとすると、反射部材2が筒状部
材32の端部320と干渉し、そのままでは反射部材2
を取り付けることができない。
【0006】そこで、従来のダウンライトでは、同図に
示すように、取付孔22をソケット3側、つまり(+
X)方向側に延びる長孔状に形成している。そして、予
め反射部材2をボルト12に対して(−X)方向にずら
した状態で(+Y)方向に移動させて反射部材2の長孔
22にボルト12を外嵌挿通する。それに続いて、反射
部材2を(+X)方向に移動させて位置合せした後、ボ
ルト12にナット13を螺着することによって器具本体
1に反射部材2を取り付けている。こうすることで、ソ
ケット3の筒状部材32と干渉することなしに、反射部
材2を器具本体1に取り付けることができる。また、取
外す場合も逆の手順で行うことができる。
【0007】しかしながら、反射部材2に長孔状の取付
孔22を設けることによって、ダウンライトの気密性が
低下してしまい、当該ダウンライトが取り付けられた室
内における冷暖房効率の低下や遮音効率の低下を招くと
いった問題が生じている。
【0008】この発明は上記課題に鑑みなされたもので
あり、電球の誤使用を防止することができ、しかも優れ
た気密性を有する高気密型照明装置および該装置用筒状
カバーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の空間
形成面によって取り囲まれた室内空間を照明する高気密
型照明装置であって、上記目的を達成するため、その開
口部を前記室内空間に向けた状態で、前記複数の空間形
成面の一に形成された埋込孔に対して装着自在な器具本
体と、その先端部に設けられる電極部を前記開口部に向
けながら前記器具本体内で斜め方向に固定配置されたソ
ケットと、その側面部に前記ソケットを挿通可能な貫通
孔が形成されるとともに、前記貫通孔に前記ソケットの
先端部を挿通させた状態のまま前記開口部を塞ぐよう
、しかも前記開口部に向かう一軸方向に移動されるこ
とにより前記器具本体に取り付けられる反射部材とを備
え、前記ソケットの先端部に、前記電極部より先端側に
電球の誤使用を防止する筒状部材を設ける一方、その筒
状部材の先端部のうち前記室内空間と反対側の端部が前
記反射部材を前記一軸方向に移動させるときに該反射部
材と干渉しないように切り欠かれた切欠部となってい
る。
【0010】このように構成された高気密型照明装置に
おいては、筒状部材の一部、例えば室内空間側端部が電
極部より先端側に位置しており、使用可能ワット数を超
えるワット数の電球をソケットに取り付けようとする
と、その電球のバルブネック部が室内空間側端部に当接
し、電球取付が防止される。また、筒状部材のうち室内
空間と反対側には切欠部が設けられているため、器具本
体に対して反射部材を位置合せしたまま反射部材を器具
本体に取り付けたり、そのまま反射部材を器具本体から
取外しても、ソケットとの干渉は発生しない。その結
果、従来装置のように器具本体に対して反射部材をずら
すために必須となっていた反射部材への長孔形成が不要
となり、優れた気密性が得られる。
【0011】なお、この発明における「筒状部材」と
は、ソケットの一部が筒状に形成されている場合の当該
筒状部位そのものと、筒状形状を有する部材が別個ソケ
ットに取り付けられている場合の当該部材とを含む意味
である。
【0012】また、この発明は、複数の空間形成面によ
って取り囲まれた室内空間にその開口部を向けた状態
で、前記複数の空間形成面の一に形成された埋込孔に対
して装着自在な器具本体と、その先端部に設けられる電
極部を前記開口部に向けながら前記器具本体内で斜め方
向に固定配置されたソケットと、その側面部に前記ソケ
ットを挿通可能な貫通孔が形成されるとともに、前記貫
通孔に前記ソケットの先端部を挿通させた状態のまま前
記開口部を塞ぐように、しかも前記開口部に向かう一軸
方向に移動されることにより前記器具本体に取り付けら
れる反射部材とを備えた高気密型照明装置に対して適用
可能な筒状カバーであって、上記目的を達成するため、
前記筒状カバーを前記ソケットの先端部に装着可能に構
成している。そして、その装着状態で前記筒状カバーの
先端部の一部が前記電極部より先端側に位置して電球の
誤使用を防止する一方、前記筒状カバーの先端部のうち
前記室内空間と反対側の端部が前記反射部材を前記一軸
方向に移動させるときに該反射部材と干渉しないように
切り欠かれた切欠部となっている。このため、筒状カバ
ーをソケットの装着することによって、上記と同様にし
て電球の誤取付が防止されるとともに、優れた気密性が
得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる高気密
型照明装置の一の実施形態たるダウンライトを示す図で
ある。同図(a)は当該装置の部分断面図であり、同図
(b)は電球取付前に反射部材側から見た平面図であ
る。なお同図(a)には、各部の位置関係を説明するた
めに、XY直角座標軸が示されている。
【0014】このダウンライトは室内の天井100に埋
設されて天井から室内空間を照明する照明装置であり、
ダウンライトの器具本体1は、その開口部11を床面方
向、つまり(−Y)方向を向けて天井100の埋込孔1
01に対して装着自在となっている。
【0015】また、この器具本体1内には、図1(a)
に示すように、ソケット3の電極部31が器具本体1の
開口部11に向いた状態で、ソケット3は斜め方向姿勢
で固定配置されている。このソケット3の先端部では、
電極部31より先端側に電球の誤使用を防止する筒状部
材32が設けられており、この点では従来例と共通する
が、次の点で大きく相違している。すなわち、この実施
形態では、筒状部材32の先端部のうち室内空間と反対
側、つまり(+Y)方向側の端部321が切欠部となっ
ている。そのため、次に説明する反射部材2を筒状部材
32と干渉させることなく、器具本体1に取り付けた
り、取外すことができる。
【0016】この反射部材2は椀状形状を有しており、
その側面部にはソケット3を挿通可能な貫通孔21が形
成されている。また、反射部材2の底部には、器具本体
1の底部に取り付けられ、その底部から(−Y)方向に
延びるボルト12に対して外嵌挿通可能な丸孔が取付孔
25として形成されている。このように構成された反射
部材2については、取付孔25とボルト12とを一致さ
せたまま、真っ直ぐ、つまり(+Y)方向に移動させて
取付孔25をボルト12に外嵌挿通させる。このとき、
この実施形態では上記したように筒状部材32に切欠部
321を設けることで筒状部材32の(−X)方向への
突出を抑えているので、図1(a)の矢印で示すように
反射部材2と筒状部材32との干渉を防止することがで
きる。そして、このように取付孔25のボルト12への
外嵌挿通が完了すると、ボルト12にナット13を螺着
することによって器具本体1に反射部材2が取付固定さ
れる。なお、取外す場合には、逆の手順で行えばよい。
【0017】以上のように、この実施形態によれば、従
来装置(図5)のように器具本体1に対して反射部材2
をずらすために必須となっていた反射部材2への長孔形
成が不要となり、取付孔25の形状をボルト12に対応
する丸孔とすることができるため、優れた気密性が得ら
れる。また、筒状部材32に切欠部321を設けている
ものの、室内空間側、つまり(−Y)方向側には依然と
して筒状部材32の端部322は電極部31より先端側
に位置しており、例えば使用可能ワット数を超えるワッ
ト数の電球をソケットに取り付けようとすると、その電
球のバルブネック部が筒状部材の(−Y)側端部322
に当接し、電球取付を防止することができる。
【0018】図2は、この発明にかかる高気密型照明装
置の他の実施形態たるダウンライトを示す図である。同
図(a)は当該装置の部分断面図であり、同図(b)は
電球取付前に反射部材側から見た平面図である。なお同
図(a)においても、図1と同様に、各部の位置関係を
説明するために、XY直角座標軸が示されている。
【0019】この実施形態にかかる高気密型照明装置が
先の実施形態(図1)と大きく相違するのは次の相違点
であり、その他の構成については全く同一であるため、
以下においては、相違点を中心に説明する。
【0020】その相違点とは、図1に示す実施形態で
は、ソケット3の先端部が筒状部位となっており、当該
筒状部位がこの発明の「筒状部材」となっているのに対
し、図2に示す実施形態ではソケット3とは別個の筒状
形状を有する筒状カバー4をこの発明の「筒状部材」と
して取り付けている点である。この筒状カバー4は、図
3に示すように、円筒部材に先端部(同図の左手側端
部)41の一部が斜めに切り取られて切欠部42が形成
されている。また、円筒部材の内周面に複数の突起部4
3が円筒部材の内部に向けて突設されている。なお、筒
状カバー4については、耐熱性を有する材料、例えばフ
ェノール等の耐熱用樹脂などで構成することができる。
【0021】このように構成された筒状カバー4を、そ
の切欠部42が室内空間と反対側、つまり(+Y)方向
を向いた状態のまま、ソケット3の先端部に挿入する
と、突起部43がソケット3との摩擦力によって密着固
定される。なお、突起部43の形状、大きさ、個数など
については、この実施形態に限定されるものではなく、
任意である。また、取付方法についても、摩擦力を用い
る代わりに接着剤や固定金具などを用いてもよいことは
いうまでもない。
【0022】このようにソケット3に取り付けられた筒
状カバー4は先の実施形態の「筒状部材」として機能す
ることとなる。すなわち、筒状カバー4の先端部41の
一部によって電球の誤使用を防止する一方、その筒状カ
バー4に切欠部42を形成することによって上記実施形
態と同様に優れた気密性を確保することができる。
【0023】また、筒状カバー4については、既に取り
付けられたダウンライトに対して装着することも可能で
あるため、次のような作用効果も得られる。すなわち、
既に取り付けられているダウンライトが誤使用防止用の
筒状部材を有していない場合、取り付け可能な電球を制
限することができないが、このようなダウンライトのソ
ケットに筒状カバー4を装着することで、電球の誤使用
を防止することができるようになる。また、反射部材を
取外す場合にも、筒状カバー4の先端部のうち室内空間
と反対側、つまり(+Y)方向側に切欠部42が設けら
れているため、筒状カバー4と干渉することなしに反射
部材を取外すことができる。このように、筒状カバー単
体によっても特有の作用効果が得られる。
【0024】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。例えば、上記実施形態では、筒状部材32の(+
Y)側端部をY方向に沿って切り取り、切欠部321を
形成しているが、その切欠部321の形状については、
これに限定されるものではない。例えば図4に示すよう
に、半筒状に切り取って切欠部321を形成するように
してもよい。また、筒状カバー4の切欠部42の形状に
ついても同様である。
【0025】また、上記においては、天井100の埋込
孔101に埋設されるダウンライトに本発明を適用した
場合について詳述したが、本発明の適用対象はこれに限
定されるものではなく、室内空間を形成する複数の空間
形成面の一、たとえば側壁面に埋設される照明装置にも
本発明を適用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる高気密
型照明装置によれば、筒状部材の室内空間側端部が電極
部より先端側に位置するように構成されているので、例
えば使用可能ワット数を超えるワット数の電球をソケッ
トに取り付けようとすると、その電球のバルブネック部
が筒状部材の室内空間側端部に当接し、電球の誤使用を
防止することができる。また、筒状部材に切欠部を設け
ているので、器具本体に対して反射部材を位置合せした
まま反射部材を器具本体に取り付けたとしても、ソケッ
トとの干渉は発生せず、従来装置のようにソケットとの
干渉を避けるために器具本体に対して反射部材をずらす
ために必須となっていた反射部材への長孔形成を不要と
し、優れた気密性を確保することができる。
【0027】また、この発明にかかる筒状カバーによれ
ば、ソケットの先端部に対して装着可能となっており、
その装着状態で前記筒状カバーの先端部の一部が前記電
極部より先端側に位置して電球の誤使用を防止すること
ができる。一方、前記筒状カバーの先端部のうち前記室
内空間と反対側の端部が切欠部となっているため、器具
本体に対して反射部材を位置合せしたまま反射部材を器
具本体に取り付けたとしても、ソケットとの干渉は発生
せず、従来装置のようにソケットとの干渉を避けるため
に器具本体に対して反射部材をずらすために必須となっ
ていた反射部材への長孔形成を不要とし、優れた気密性
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる高気密型照明装置の一の実施
形態たるダウンライトを示す図である。
【図2】この発明にかかる高気密型照明装置の他の実施
形態たるダウンライトを示す図である。
【図3】図2のダウンライトに用いられる筒状カバーを
示す図である。
【図4】この発明にかかる高気密型照明装置の別の実施
形態を示す図である。
【図5】従来の照明装置を示す図である。
【符号の説明】
1…器具本体 2…反射部材 3…ソケット 4…筒状カバー(筒状部材) 11…開口部 21…貫通孔 25…取付孔 31…電極部 32…筒状部材 41…(筒状カバーの)先端部 42…(筒状カバーの)切欠部 100…天井(空間形成面) 101…埋込孔 321…切欠部 322…(室内空間側)端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21S 8/02 F21V 17/00 F21V 19/00 F21V 21/04 F21W 131:30 F21Y 101:00 H01R 33/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の空間形成面によって取り囲まれた
    室内空間を照明する高気密型照明装置であって、 その開口部を前記室内空間に向けた状態で、前記複数の
    空間形成面の一に形成された埋込孔に対して装着自在な
    器具本体と、 その先端部に設けられる電極部を前記開口部に向けなが
    ら前記器具本体内で斜め方向に固定配置されたソケット
    と、 その側面部に前記ソケットを挿通可能な貫通孔が形成さ
    れるとともに、前記貫通孔に前記ソケットの先端部を挿
    通させた状態のまま前記開口部を塞ぐように、しかも前
    記開口部に向かう一軸方向に移動されることにより前記
    器具本体に取り付けられる反射部材とを備え、 前記ソケットの先端部に、前記電極部より先端側に電球
    の誤使用を防止する筒状部材が設けられる一方、その筒
    状部材の先端部のうち前記室内空間と反対側の端部が
    記反射部材を前記一軸方向に移動させるときに該反射部
    材と干渉しないように切り欠かれた切欠部となっている
    ことを特徴とする高気密型照明装置。
  2. 【請求項2】 複数の空間形成面によって取り囲まれた
    室内空間にその開口部を向けた状態で、前記複数の空間
    形成面の一に形成された埋込孔に対して装着自在な器具
    本体と、その先端部に設けられる電極部を前記開口部に
    向けながら前記器具本体内で斜め方向に固定配置された
    ソケットと、その側面部に前記ソケットを挿通可能な貫
    通孔が形成されるとともに、前記貫通孔に前記ソケット
    の先端部を挿通させた状態のまま前記開口部を塞ぐよう
    、しかも前記開口部に向かう一軸方向に移動されるこ
    とにより前記器具本体に取り付けられる反射部材とを備
    えた高気密型照明装置に対して適用可能な筒状カバーで
    あって、 前記筒状カバーは前記ソケットの先端部に装着可能とな
    っており、その装着状態で前記筒状カバーの先端部の一
    部が前記電極部より先端側に位置して電球の誤使用を防
    止する一方、前記筒状カバーの先端部のうち前記室内空
    間と反対側の端部が前記反射部材を前記一軸方向に移動
    させるときに該反射部材と干渉しないように切り欠かれ
    切欠部となっていることを特徴とする筒状カバー。
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