JP3527192B2 - 高硬度焼結体チップドリル - Google Patents

高硬度焼結体チップドリル

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幸男 福本
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として瓦などの
窯業製品といった高硬度の物品に穴を開けることができ
るドリルの構造に関する発明である。 【0002】 【従来の技術】高硬度の物品に穴を開けるためのドリル
として、図10の(a),(b) に示すようにドリル本体Aの
先端に、回転中心を通る直径方向の溝Bを穿設し、この
溝Bに切り刃として超硬チップ(タングステンカーバイ
トチップ)Cをロウ付けした超硬チップドリルが知られ
ている。従来の超硬チップドリル用のチップは、図9
示すような一体物であって、先端角度の山肩に形成した
チップの先端面に、左右逆方向から逃げ面C1を形成して
回転の前面に切り刃C2を形成している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】瓦葺き工事の際に針金
を通すための穴を瓦に穿設する場合のように、窯業製品
に穴を開けるために、従来は先に説明した超硬チップド
リルを利用していた。ところが、窯業製品は非常に硬く
超硬チップドリルを使用してもたちまち磨耗してしま
い、長く使用することができないのが現状であった。近
年、高圧相型窒化硼素(CBN)や焼結ダイヤモンド
(PCD)といった高硬度焼結体を、母材の表面に形成
した高硬度焼結板が刃物材として開発された。本発明
は、上記高硬度焼結板を利用し瓦などの窯業製品に穴を
開けることができる実用的なドリルを提供することを目
的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は板状の母材6の片面に高硬度焼結体層5を
形成した高硬度焼結板4を利用する。片面に高硬度焼結
体層5が形成された高硬度焼結板4を切り出して高硬度
焼結体のチップ3とするが、切り出すチップは本来のチ
ップ形状を二分割した形状の二つの分割チップ3a,3bで
構成する。この分割チップ3a,3bは、ドリル本体1の先
端に穿設した直径方向の溝2に、ロウ付けなどの接合手
段によって接合する。溝2に接合する分割チップ3a,3b
は、回転の前面に高硬度焼結体層5が位置するように配
置し、高硬度焼結体によって切り刃7,7を構成する。 【0005】このとき、前記二つの分割チップ3a,3b
は、先端の切断位置をチップ形状の中心からずらせた形
状とし、分割チップ3a,3bの突き合わせ位置が回転中心
と一致しないようにする。これにより、分割チップの剥
離、脱落を効果的に防止することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高硬度焼結体
チップドリルの好ましい実施の形態を添付図面に基づい
て説明する。図2の(a) に示すように、ドリル本体1の
先端に中心を通る直径方向の溝2を穿設し、この溝2に
二つの分割チップ3a,3bをロウ付けなどの接合手段で接
合する。 【0007】近年開発された高硬度焼結体は、母材6と
して円板の超硬材(タングステンカーバイト)を利用し
その片面に、高圧相型窒化硼素(CBN)や焼結ダイヤ
モンド(PCD)を焼結させて高硬度焼結体層5を形成
したものが高硬度焼結板4として製品化されている。こ
の高硬度焼結板4から、図5、図6に示すように放電ワ
イヤーカットなどの手段で、二種類の分割チップ3a,3b
を切り出し、これを組み合わせてドリル用の先端角度の
山形であるチップ3として利用する。 【0008】図1に示すように、分割チップ3aと3bは、
表裏反転させて突き合わせることによって完全なチップ
3の山形が完成するようにし、二つの分割チップ3aと3b
を組み合わせてドリル本体1の先端に穿設した溝2に接
合する。二つの分割チップ3aと3bは、回転の前面に高硬
度焼結体層5を位置させて配置することによって、高硬
度焼結体で切り刃7,7を形成することができる。すな
わち、二つの分割チップ3aと3bは、それぞれ先端面を一
定の角度で研削して逃げ面8を形成すると、高硬度焼結
体層5による鋭角の切り刃7,7が形成される。なお、
片面に焼結ダイヤモンドなどの高硬度焼結体層5が形成
されている分割チップ3a及び3bをドリル本体1の溝2に
接合する場合、高硬度焼結体層5はロウ付けが困難であ
るため、分割チップの母材6部分とドリル本体1とが溝
2においてロウ付けされることになる。 【0009】二つの分割チップ3aと3bは、チップ形状を
中心で分割した表裏反転の対称形、すなわち先端を傾斜
させた同形の分割チップを組み合わせて使用することも
考えられる。この場合、二つの分割チップの突き合わせ
部分が、回転中心に位置することになる。本発明者らの
研究によると、二つの分割チップ3a,3bの突き合わせ位
置がドリルの回転中心に位置すると、図8に示すよう
に、分割チップ3a,3bの突き合わせ部分に切粉9が侵入
する場合があることが判明した。分割チップの突き合わ
せ部分に切粉9が侵入すると、分割チップ3a,3bが押し
広げられ、いずれか一方もしくは双方の分割チップが脱
落して穿孔することができなくなってしまう。 【0010】二つの分割チップの突き合わせ部分に、切
粉9が侵入する理由として次のことが考えられる。ドリ
ルの回転中心においては、回転速度(切削速度)がゼロ
であるため、回転中心位置にある切粉は分割チップの突
き合わせ部分に押し付けられ外周方向に排除されにく
い。そして、穿孔作業に伴う発熱によって、分割チップ
の接合強度が低下し、分割チップの突き合わせ部分をこ
じ開けるように切粉9が侵入する。分割チップ3a,3bの
接合強度の低下は、ロウ付けに使用するロウ材に関連す
る。すなわち、ロウ付け温度が摂氏900度以上になる
と、ダイヤモンド焼結体が変質するため、それ以下の温
度で接合するロウ材を使用する必要がある。そのため、
穿孔作業に伴う発熱によって接合強度の低下を招く。特
に、直径の小さなドリルでは、分割チップのロウ付け面
積が小さく、また穿孔に伴う発熱の影響が大きいため、
分割チップが脱落し易いことが判明した。ある程度、直
径の大きなドリルでは分割チップの突き合わせ位置が回
転の中心であっても分割チップの脱落は少なくなる。 【0011】上記、主として小径の分割チップの脱落を
回避する方法として、本発明は図1及び図2に示すよう
な変形の分割チップ3a,3bの形状を工夫したものであ
。この分割チップ3a,3bは、二つの分割チップの先端
における切断位置をチップ形状の中心からずらせ、分割
チップの突き合わせ部分が回転中心に位置しないように
した。この構成とすることによって、図7に示すように
切粉9が押し付けられる中心位置に、切粉が入り込む
うな突き合わせ部分がなくなる。中心から少し離れたと
ころに分割チップの突き合わせ部分が位置するが、中心
から少しでも離れると周速度があることから、切粉が円
滑に排出され、突き合わせ部分に侵入することがなくな
る。 【0012】先端における切断位置をチップ形状の中心
からずらせた分割チップの形状は、中心から少し離れた
位置において直線的に切断した形状としてもよい。しか
しながら、ロウ付けの接合強度のバランスなどの点か
ら、図示例の分割チップ形状を工夫した。この分割チッ
プ形状は、中心での二分割を基本形状とし、先端部分に
おける切断方向を一方の分割チップ3aから他方の分割チ
ップ3bにはみ出させたものである。したがって、一方の
分割チップ3aの先端部にはみ出し部10が形成されるとと
もに、他方の分割チップ3bに切除面11が形成されること
になる。 【0013】先端における切断位置の偏心寸法Xは、大
きな寸法である必要はない。一例として、直径4〜5ミ
リメートル程度のドリルで、偏心寸法Xが0.2 〜1.0 ミ
リメートルを想定する。勿論、0.1 ミリメートル以下の
偏心では効果が少なく、必要以上に大きな偏心では、高
硬度焼結体層5による有効な切り刃が少なくなり、切削
能力の低下を招く。 【0014】二つの分割チップ3aと3bは、先端面を一定
の角度で研削して逃げ面8(先端二番面)を形成するこ
とによって、高硬度焼結体層5による鋭角の切り刃7,
7を形成する。すなわち、チップの先端は通常のドリル
先端の形状に形成するものである。その他、図3,図4
に示すようにチップの肩部分などの隅に丸みを形成して
おくと、高硬度である分割チップの衝撃による破損を
避することができる。 【0015】本発明に係る高硬度焼結体チップドリル
は、窯業製品だけでなく従来の超硬チップドリルで能率
的に穿孔することができなかった石材、ガラス材などの
穿孔に利用することもできる。本発明者らは、従来超硬
チップドリルで穿孔されていた三州瓦に対する直径4ミ
リメートルの穿孔作業で、従来の超硬チップドリルと本
発明の高硬度焼結体チップドリルとで比較実験を行っ
た。その結果、従来の超硬チップドリルでは、35〜7
0個の穿孔によって磨滅してしまい、それ以上の穿孔を
行うことができなかった。 【0016】これに対し、図3に示すように二つの分割
チップの切断位置を回転中心からずらせた本発明に係る
高硬度焼結体チップドリルでは、750〜1000個も
の穿孔を行うことができた。この場合においても、高硬
度焼結体のチップそのものは磨滅しておらず、排出され
る切粉によってドリル本体(シャンク)が磨滅して最終
的にねじ切れる現象が発生したものである。ちなみに、
ドリル本体の磨耗分を考慮して、直径5ミリメートルの
ドリルで穿孔実験を行ったところ、2000個以上の穿
孔を行うことができた。なお、同じ高硬度焼結体チップ
ドリルであっても、図8に示すように二つの分割チップ
の突き合わせ位置が回転中心に位置するものでは、15
0〜250個程度の穿孔で分割チップが脱落する現象が
発生した。上記の比較実験は、従来の超硬チップドリル
でもある程度穿孔することができる瓦に対する穿孔実験
であるが、本発明の高硬度焼結体チップドリルは、従来
の超硬チップドリルでは全く穿孔することができなかっ
たものに対しても穿孔することが可能となる。 【0017】 【発明の効果】請求項1に記載した本発明の高硬度焼結
体チップドリルによれば、片面に高硬度焼結体層が形成
されている分割チップを用いることによって、従来穿孔
が困難であった窯業製品など、高硬度の物品に穿孔する
ことができる。特に、従来は超硬チップドリルを使用し
ても多くの穿孔を行うことが出来なかった、三州瓦のよ
うな瓦として高硬度である窯業製品の穿孔に利用した場
合にも優れた耐久性を発揮することができる。このと
き、分割チップ の突き合わせ部分に切粉が侵入して分割
チップの一方もしくは双方が脱落するようなことがな
く、耐久性に優れた高硬度焼結体チップドリルとするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の高硬度焼結体チップドリル用チップの
斜視図及び正面図、 【図2】図1に示す実施形態のチップを接合する状態を
示す側面図及び平面図、 【図3】高硬度焼結体チップドリル用チップの別の実施
形態を示す正面図、 【図4】図3に示す高硬度焼結体チップドリル用チップ
の斜視図、 【図5】片面に高硬度焼結体層を形成した高硬度焼結板
の一例を示す平面図、 【図6】高硬度焼結板の部分断面図、 【図7】本発明に係る高硬度焼結体チップドリルによる
穿孔状態を示す概略図、 【図8】分割チップの突き合わせ位置が回転中心に位置
する高硬度焼結体チップドリルによる穿孔状態を示す概
略図、 【図9】従来の超硬チップドリル用のチップの斜視図、 【図10】図9に示すチップを接合する状態を示す側面
図及び平面図。 【図11】従来の超硬チップドリル用のチップの斜視
図、 【図12】図11に示すチップを接合する状態を示す側
面図及び平面図。 【符号の説明】 1…ドリル本体、 2 …溝、 3 …チップ、 3a,3b…
分割チップ、 4…高硬度焼結板、 5 …高硬度焼結体
層、 6…母材、 7…切り刃、 8…逃げ面、 9…
切粉、 10…はみ出し部、 11…切除面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 51/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ドリル本体の先端に中心を通る直径方向に
    溝を穿設し、該溝に切り刃となるチップをロウ付けなど
    で接合するチップドリルにおいて、板状の母材の片面に
    高硬度焼結体層を形成した高硬度焼結板を切り出して高
    硬度焼結体のチップとし、該高硬度焼結体のチップはチ
    ップ形状を二分割した二つの分割チップで構成し、該
    つの分割チップは回転方向の前面に高硬度焼結体層が位
    置するように配置して切り刃を構成するとともに、二つ
    の分割チップの先端における切断位置をチップ形状の中
    心からずらせた形状とし、分割チップの突き合わせ位置
    を回転中心に位置させないようにしたことを特徴とした
    高硬度焼結体チップドリル。
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