JP3526708B2 - 放線菌プロモーター - Google Patents

放線菌プロモーター

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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写プロモーター
活性を有する新規DNA、該DNAを含むことからなる
組換えDNAベクター、該ベクターにより形質転換され
た宿主細胞、該宿主細胞の利用、およびプラバスタチン
・ナトリウムの新規製造方法に関する。本発明を利用す
ることにより、微生物培養による有用タンパク質の工業
的生産が可能である。
【0002】
【従来の技術】近年の遺伝子工学の進歩により、微生物
細胞に外来遺伝子を導入し発現させることが可能になっ
た。中でも、遺伝子組換えタンパク質製造のために大腸
菌を宿主として利用する技術は特に発達しており、広く
工業的に実用化されている。また大腸菌以外では、酵母
による組換えタンパク質製造技術の工業化も進んでい
る。
【0003】放線菌(特にストレプトミセス:Stre
ptomyces属)は抗生物質の生産等に汎用されて
いる原核微生物である。放線菌においては、1980年
代にホップウッドらにより確立された宿主−ベクター系
により外来遺伝子の導入技術が一般化し[Hopwood, D.
A., et al. (1987) "Methods in Enzymology", 153,116
-166, Academic Press, New York 参照]、それを契機
に発現ベクター系の研究開発も進展し始めた。そのよう
な、放線菌の発現ベクター用の転写プロモーターとして
は、例えば抗生物質チオストレプトン誘導性のプロモー
ターであるtipA[Murakami, T., et al.(1989) J.
Bacteriol., 171, 1459 参照]等が知られている。
【0004】高脂血症薬プラバスタチン・ナトリウムは
血清中のコレステロールを低下させるという極めて優れ
た薬効を有することが知られている[Arai, et al. (19
88)Ann. Rep. Sankyo Res. Lab., 40, 1-38参照]。プ
ラバスタチン・ナトリウムは糸状菌ペニシリウム・シト
リナムの生産するML−236B・ナトリウムを基質と
して用い、放線菌ストレプトミセス・カルボフィラス等
を用いて微生物水酸化を行うことにより生産することが
できる。また、その水酸化を行う本体がシトクロムP−
450sca (以下「P−450sca 」のように略記す
る)系であることが既に明らかにされている[Serizawa
et al. (1990) Biochimica et Biophysica, 1084, 35-
40参照]。
【0005】松岡らは、放線菌ストレプトミセス・カル
ボフィラスから、ML−236B・ナトリウムの6位水
酸化を触媒するP−450sca 分子種を精製し、その性
質を明らかにした[Matsuoka et al. (1989) Eur. J. B
iochem., 184, 707-713 参照]。また、芹澤らはストレ
プトミセス・カルボフィラスからP−450sca-2 をコ
ードするDNAをクローニングし発現させた[特開平6
−70780、およびWatanabe, I., et al (1995) Gen
e, 163, 81-85参照]。このDNAは、P−450sca-2
遺伝子の5’側非翻訳領域の 1 kb 部位と共に、マル
チ・コピー・プラスミド pIJ 702 に組み込まれ、スト
レプト・リビダンス TK21 を形質転換するために用いら
れた。形質転換されたストレプト・リビダンス TK21
は、ストレプトミセス・カルボフィラスよりさらに早く
ML-236Bをプラバスタチン・ナトリウムに変換した。ゆ
えに、この 1 kb 部位は強いプロモーター活性を有して
いることが示された。しかるに、該部位において、プロ
モーター活性を有する領域の特定が行われておらず、し
かも、P−450sca-2 の発現調節機構は未解明であ
り、5’側非翻訳領域の鎖長を短くしてもその機能を保
持し得るか否かについては全く知られていない。
【0006】同時に、本報告において、P−450
sca-2 の発現は転写における基質誘導(substrate indu
ction )に従うことが示され、すなわち、ML-236B と
フェノバルビタールは、P−450の発現を30倍増大
せしめることが見いだされた。この知見はノザン・ブロ
ッティングにより得られた。すなわち、ML-236B 非存在
下ではP−450遺伝子の転写は見いだされなかった
が、ML-236B 存在下では、3種の転写物が見いだされ
た。また、転写のレベルは基質存在下で最大値に到達す
るまで6時間以上も増大し続けた。
【0007】この 1 kb 部位をプロモーターとして使用
する場合には転写が最大レベルに到達するまで6時間以
上も要し、工業上利用することは困難である。逆にいう
ならば、工業上利用するプロモーターは、基質誘導に従
わず、安定して恒常的にプロモーター活性を保持するも
のが好ましい。
【0008】また、この 1 kb 部位は、上記の通り既に
分離されているものであるが、転写プロモーター活性を
有する領域の特定、および該プロモーターのヌクレオチ
ド配列決定は行われていない。一般に、組換えDNAベ
クターで宿主細胞を形質転換する際、ベクターの鎖長が
長いほど宿主細胞に導入されにくく形質転換効率は低く
なる。それゆえ、プロモーターの鎖長は、その機能を損
なわない限りにおいてできるだけ短い方が好ましい。従
って、P−450sca-2 遺伝子の5’側非翻訳領域から
鎖長の短いプロモーターを、プロモーター活性を充分に
保持したままで分離・同定し、該プロモーターを組み込
んだ発現ベクターを作製することにより、組換えタンパ
ク質を工業的に生産するための実用的手段を提供するこ
とができる。
【0009】すなわち、本発明の目的は、基質誘導に従
わず転写プロモーター活性を有する新規DNA、該DN
Aを含む組換えDNAベクター、該ベクターで形質転換
された宿主細胞、および、該宿主細胞を利用して組換え
タンパク質の製造方法を提供することにある。さらに、
組換えタンパク質としてP−450を発現する宿主を用
いて、プラバスタチン・ナトリウムの製造方法を提供す
ることも、本発明の目的の一つである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)転写プ
ロモーター活性を有し、ストレプトミセス・カルボフィ
ラスのチトクローム・P−450をコードするオープン
・リーディング・フレームの5’側に隣接する約1キロ
塩基対の非翻訳領域の一部から成り、基質誘導に従わな
いDNA、(2)ストレプトミセス・カルボフィラスに
属する菌株の少なくともひとつで転写プロモーター活性
を有する、(1)記載のDNA、(3)ストレプトミセ
ス・リビダンスに属する菌株の少なくともひとつで転写
プロモーター活性を有する、(1)記載のDNA、
(4)チトクローム・P−450がチトクローム・P−
450sca-2 である(1)乃至(3)のいずれかひとつ
に記載のDNA、(5)DNA鎖の鎖長が、少なくとも
74 塩基対以上であることを特徴とする(1)乃至
(4)のいずれかひとつに記載のDNA、(6)DNA
鎖の鎖長が、少なくとも 300塩基対以上であること
を特徴とする(1)乃至(4)のいずれかひとつに記載
のDNA、(7)配列表の配列番号1に示されるヌクレ
オチド配列に含まれる連続する配列を含むことから成
り、該配列のヌクレオチド番号428のヌクレオチドを
開始点として5’方向へ連続することを特徴とする
(1)乃至(6)のいずれかひとつに記載のDNA、
(8)(1)乃至(7)のいずれかひとつに記載のDN
Aと実質的なヌクレオチド配列相同性を有し、転写プロ
モーター活性を有し、基質誘導に従わないDNA、
(9)配列表の配列番号1に示されるヌクレオチド配列
のヌクレオチド番号1から428のヌクレオチドから成
る配列と60℃、6×sscの条件下でハイブリダイズ
し、転写プロモーター活性を有し、基質誘導に従わない
DNA、(10)配列表の配列番号1に示されるヌクレ
オチド配列のヌクレオチド番号1から320のヌクレオ
チドから成る配列と60℃、6×sscの条件下でハイ
ブリダイズし、転写プロモーター活性を有し、基質誘導
に従わないDNA、(11)配列表の配列番号1に示さ
れるヌクレオチド配列のヌクレオチド番号1から428
のヌクレオチドから成る、(1)記載のDNA、(1
2)配列表の配列番号1に示されるヌクレオチド配列の
ヌクレオチド番号1から320のヌクレオチドから成
る、(1)記載のDNA、(13)配列表の配列番号1
に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチド番号1から
158のヌクレオチドから成る、(1)記載のDNA、
(14)配列表の配列番号1に示されるヌクレオチド配
列のヌクレオチド番号1から101のヌクレオチドから
成る、(1)記載のDNA、(15)配列表の配列番号
1に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチド番号1か
ら74のヌクレオチドから成る、(1)記載のDNA、
(16)ストレプトミセス・リビダンスSANK627
95(FERM BP−5299)から得られる、
(1)記載のDNA、(17)(1)乃至(16)のい
ずれかひとつに記載のDNAを含むことから成る組換え
DNAベクター、(18)(1)乃至(16)のいずれ
かひとつに記載のDNA、および該DNAの制御下に所
望のポリペプチドをコードするDNAを含むことから成
り、宿主細胞内で該所望のポリペプチドを産生させるこ
とを特徴とする(17)記載の組換えDNAベクター、
(19)(1)乃至(16)のいずれかひとつに記載の
DNA、および該DNAの制御下にシトクロムP−45
sca-2 をコードするDNAを含むことから成り、宿主
細胞内でシトクロムP−450sca-2 を産生させること
を特徴とする(16)または(17)記載の組換えDN
Aベクター、(20)(17)乃至(19)のいずれか
ひとつに記載の組換えDNAベクターにより形質転換さ
れた宿主細胞、(21)放線菌であることを特徴とす
る、(20)記載の宿主細胞、(22)形質転換放線菌
株ストレプトミセス・リビダンス SANK 6279
5(FERM BP−5299)、(23)(17)ま
たは(19)のいずれかひとつに記載の組換えDNAベ
クターにより形質転換された宿主細胞を、該ベクター中
に含まれるDNAによりコードされた所望のポリペプチ
ドの産生が可能な条件下で培養して該所望のポリペプチ
ドを産生させ、次いで、該所望のポリペプチドを回収す
ることを特徴とする、該所望のポリペプチドの製造方
法、(24)(19)記載の組換えDNAベクターによ
り形質転換された放線菌ストレプトミセス・リビダンス
TK21株を、該ベクター中に含まれるDNAによりコ
ードされるシトクロムP−450sca-2 の産生が可能な
条件下で、ML−236B・ナトリウムを含む培地中で
培養し、該形質転換体が産生するシトクロムP−450
sca-2 の触媒作用により該形質転換体細胞内においてM
L−236B・ナトリウムをプラバスタチン・ナトリウ
ムに変換させ、次いで、該形質転換体細胞および/また
は培地よりプラバスタチン・ナトリウムを回収すること
を特徴とする、プラバスタチン・ナトリウムの製造方
法、(25)形質転換された放線菌株がストレプトミセ
ス・リビダンス SANK62795(FERM BP
−5299)である、(24)記載のプラバスタチン・
ナトリウムの製造方法、に関する。
【0011】本発明者らは、ストレプトミセス・カルボ
フィラスのP−450遺伝子に連結する5’−非翻訳領
域のサイズ、特に、P−450sca-2 遺伝子に連結する
5’−非翻訳領域のサイズを小さくしても(以下、これ
を「短縮化」という。)、転写のプロモーションに影響
を与えないこと、及び、かかる短縮化が行われた場合に
基質誘導の要求性が除かれることを見いだした。基質誘
導の要求性を除去すると、恒常的な転写プロモーター活
性を有するプロモーターを得ることができる。さらに、
短縮化されたプロモーター領域は、1キロ塩基対(以
下、「1 kbp 」のように表示する。)を有するプロモー
ターの基本値(基質非存在下での値)より高いプロモー
ター活性を有していた。
【0012】さらに短縮化されたプロモーターの転写活
性は恒常的であり、ML−236Bや他の好適な基質と
6時間以上共存した後に初めてプロモーター活性の最大
値が発揮されるような基質誘導に従うプロモーターに比
較して、工業的な使用に適している。
【0013】本発明の、転写プロモーター活性を有し、
ストレプトミセス・カルボフィラスのチトクローム・P
−450をコードするオープン・リーディング・フレー
ムの5’側に隣接する約1キロ塩基対長の非翻訳領域の
一部から成り、基質誘導に従わないDNAのうち好適に
は 160 bp であり、さらに好適には 300 bp である。本
発明のDNAを得るための短縮化は、制限エンドヌクレ
アーゼによる特異的切断部位の切断やエキソヌクレアー
ゼによる3’側または5’側からの切断等、当該技術分
野で周知の方法にて行うことができる。
【0014】本発明者らは、該約1キロ塩基対長の非翻
訳領域の5’側の切断が特に好適な結果を生じ、該プロ
モーター配列の3’側に位置する 74 bp の部位でさえ
依然としてプロモーター活性を有することを確認した。
したがって、好適な例として、本発明のDNAは、前述
の 1 kbp の5’−非翻訳領域’の5’末端より3’末
端方向に部分的に切断されたDNAである。このような
DNAが転写プロモーター活性を有し、基質誘導に従わ
ない限り、特に長さの限定はない。
【0015】また、本発明者らが見いだした複数の具体
的なDNAは、前述の 1 kbp の5’−非翻訳領域’の
5’末端より3’末端方向に部分的に切断されたDNA
であり、したがってチトクローム・P−450をコード
するオープン・リーディング・フレームの5’側に隣接
するものであるが、本発明のDNAは特に領域の限定は
なく、該 1 kb の領域中のうちのいずれの部分的領域
も、このようなDNAが転写プロモーター活性を有し、
基質誘導に従わない限り、本発明に含まれる。本発明者
らは、428 bp と全長 1 kbp の間に基質誘導の依存性
が失われる塩基対を有するプロモーターが存在すること
も見いだした。428 bp との特異的な長さを有する配列
は5’末端よりの切断で得られたが、該 1 kb の領域
中のうちのいずれの 428 bp の配列も、転写プロモータ
ー活性を有し、基質誘導に従わない限り、本発明に含ま
れる。
【0016】「基質誘導」なる概念は、一般的には生体
内の特定の系が特定の基質の存在下で初めて機能するこ
とをいい、本発明の属する技術分野で周知である。P−
450sca-2 の場合は、この現象は mRNA の転写を誘導
するためにプロモーター部位に作用する、ML−236
Bのような基質により達成される。ML−236BがP
−450sca-2 の天然の基質か否かは明らかではない。
したがって、該5’−非翻訳領域のプロモーターを誘導
し得るような、ML−236Bと異なる基質も存在し得
る。そのような該5’−非翻訳領域のプロモーターを誘
導し得る基質として、フェノバルビタールが挙げられ
る。
【0017】本発明の各DNAは、公知の放線菌プロモ
ーターを含むいかなる公知のDNAとの間にもヌクレオ
チド配列相同性はなく、新規なヌクレオチド配列を有し
ていた。
【0018】本発明者らはまた、該転写プロモーターを
含む組換えDNAベクターを作成し、該ベクターを利用
して放線菌ストレプトミセス・リビダンスTK21株を
形質転換し、P−450sca-2 遺伝子を該菌株で発現さ
せることに成功した。さらに、前記の形質転換されたス
トレプトミセス・リビダンスを利用してML−236B
・ナトリウムからプラバスタチン・ナトリウムを製造す
ることに成功し、本発明を完成した。
【0019】本発明においては、タンパク質もしくはペ
プチドの細胞内生合成過程において該タンパク質もしく
は該ペプチドをコードするDNAからmRNAへの転写
を開始させる機能を有するDNAを「転写プロモータ
ー」と呼び、このような機能を「転写プロモーター活
性」と呼ぶ。本発明においては、そのような転写プロモ
ーター活性を有するDNAとして、配列表の配列番号1
のヌクレオチド番号1〜428のヌクレオチド配列で示
されるDNAを例示している。また、当該配列を含むこ
とから成り、さらに上流および/または下流に他のヌク
レオチド配列が付加したDNAも本発明に含まれる。さ
らに、該DNAと全く同一の配列を有していなくても、
該DNAにハイブリダイズする、該DNAの全体または
一部との間に高いヌクレオチド配列相同性を有するDN
Aが転写プロモーター活性を有することがある。そのよ
うな、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1〜42
8のDNAとハイブリダイズし、かつ転写プロモーター
活性を有するDNAも本発明に含まれる。
【0020】本発明の転写プロモーター活性を有するD
NAは、これを好適なベクターに組込み、さらに、該D
NAの制御下に所望のポリペプチドをコードするDNA
を組み込んで組換えDNAベクターを作成し、好適な宿
主細胞に導入することにより、該ポリペプチドの産生に
利用することができる。このような組換えDNAベクタ
ー、該ベクターにより形質転換された宿主細胞、および
該宿主細胞を利用した所望のポリペプチドの製造方法も
本発明に含まれる。所望のポリペプチドは例えば、新規
または公知のタンパク質(またはペプチド)の天然型、
改変型、重合型、2種類以上の異なるタンパク質(また
はペプチド)の融合体、あるいは新規に設計されたポリ
ペプチド等、いかなるアミノ酸配列を有するものでもよ
い。このようなポリペプチドのうち、好適にはシトクロ
ムP−450sca-2 である。
【0021】本発明の組換えDNAベクターの作製の基
礎となるベクターは、宿主細胞内で自己複製可能である
もの、すなわち自己複製するために必要なヌクレオチド
配列を含むものであればよいが、好適には放線菌用のプ
ラスミドベクターpIJ702である。宿主細胞は使用
するベクターに適したものであればよく、天然から採取
したもの、または購入もしくは分譲によって入手可能な
ものを利用することができる。好適には放線菌であり、
さらに好適には放線菌ストレプトミセス・カルボフィラ
スまたはストレプトミセス・リビダンスであり、最も好
ましくは放線菌ストレプトミセス・リビダンスTK21
株である。
【0022】本発明のDNAの制御下にシトクロムP−
450sca-2 をコードするDNAを連結した組換え発現
ベクターで放線菌ストレプトミセス・リビダンスを形質
転換し、該形質転換菌をML−236B・ナトリウムを
含む培地中で培養すると、該形質転換菌により産生され
るシトクロムP−450sca-2 の触媒作用により、ML
−236B・ナトリウムをプラバスタチン・ナトリウム
に変換させることができる。このようにして生産された
プラバスタチン・ナトリウムは、公知の方法により回収
することができる。本発明にはこのようなプラバスタチ
ン・ナトリウムの製造方法も含まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のDNAは、放線菌ストレ
プトミセス・カルボフィラスから、渡辺らの方法[Wata
nabe, I., et al (1995) Gene, 163, 81-85 参照]によ
り該DNAをクローニングすることにより得られる。D
NAの供給源となる微生物は、本発明においては、放線
菌ストレプトミセス・カルボフィラスが好適であり、さ
らに、SANK 62585株(FERM BP−11
45)が好適である。すなわち、ストレプトミセス・カ
ルボフィラスから調製した全DNAを用いて、pUC1
8(宝酒造(株)社製)等をベクターとするゲノム・ラ
イブラリーを作製し、このライブラリーについてP−4
50sca-2 ポリペプチドのN末端アミノ酸配列から予測
されるオリゴヌクレオチドを合成してプローブに用い、
コロニー・ハイブリダイゼーション法[Maniatis,T. et
al.(1982) "Molecular Cloning-A Laboratory Manua
l", Cold Spring Harbor Laboratory, New York 参照]
等によりスクリーニングすることにより本発明のDNA
の全部または一部を含むDNAを保持するクローンを取
得することができる。そのようにして取得したDNAが
本発明のDNAの一部のみしか含んでいない場合であっ
ても、取得したDNAを鋳型として標識プローブを作製
し、ゲノム・ライブラリーのスクリーニングを繰り返す
ことにより、最終的に本発明のDNAの全てを含むDN
Aを保持するクローンを取得することが可能である。し
かしながら、本発明のDNAをクローニングする方法は
上記に限定されるわけではなく、例えば、クローニング
ベクターはpBR322等他の市販のものを用いてもよ
い。
【0024】得られたクローンより本発明のDNAを採
取する方法は、当業者に周知の方法[Maniatis,T. et a
l.(1982) "Molecular Cloning-A Laboratory Manual",
ColdSpring Harbor Laboratory, New York 参照]に従
い実施できる。例えば細胞よりプラスミドDNAに相当
する画分を分離し、該プラスミドDNAより本発明のD
NAを制限酵素等を用いて切り出すことにより行ない得
る。なお、本発明の形質転換放線菌株ストレプトミセス
・リビダンス SANK 62795は工業技術院生命
工学工業技術研究所に平成7年11月21日付で国際寄
託され、受託番号FERM BP−5299が付され
た。該菌株は、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
1〜428のヌクレオチド配列からなる転写プロモータ
ー活性を有するDNA、およびシトクロムP−450
sca-2 をコードするDNAを含み、かつ該プロモーター
活性により該タンパク質を放線菌細胞で産生させること
ができる組換えDNAベクターであるpSCA310−
Δ428を保持する放線菌である。従って、該菌株を培
養後、菌体よりpSCA310−Δ428を単離し、こ
れを制限酵素で消化してから配列表の配列番号1のヌク
レオチド番号1〜428のヌクレオチド配列からなるD
NAを単離することができる。
【0025】このようにして得られるDNAのヌクレオ
チド配列決定は、例えばマキサム−ギルバートの化学修
飾法[Maxam, A. M. and Gilbert, W. (1980) Methods
in Enzymology 65,499-559参照]やM13ファージを用
いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法[Messing, J. an
d Vieira, J., (1982) Gene, 19, 269-276参照]等によ
り行なうことができる。
【0026】また、本発明のDNAは例えば配列表の配
列番号1のヌクレオチド番号1〜428のヌクレオチド
配列を含むDNAをホスファイト・トリエステル法[Hu
nkapillar, M., et al. (1984) Nature, 310, 105-111
参照]等、当業者に周知の方法に従い化学合成すること
により得ることも可能である。
【0027】あるDNAが配列表の配列番号1のヌクレ
オチド番号1〜428のヌクレオチド配列を含むことか
らなるDNAとハイブリダイズするか否かは、以下のよ
うにして調べることができる。すなわち、まず被検検体
のDNAを必要に応じてアガロースゲル電気泳動した
後、ニトロセルロースまたはナイロン等の膜にブロット
し、吸着したDNAを熱処理や紫外線照射等により膜に
固定する。配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1〜
428のヌクレオチド配列を含むことからなるDNA
を、ランダムプライマー法[Feinberg, A. P., et al.
(1983) Anal. Biochem., 132, 6-13参照]、ニックトラ
ンスレーション法[Maniatis, T., et al. (1982) "Mol
ecular Cloning: A Laboratory Manual" Cold Spring H
arbor Laboratory, New York参照]等に従って、 32
等の放射性同位元素、ビオチン、ジゴキシゲニンまたは
酵素等で標識したプローブを作製する。該プローブを含
むハイブリダイゼーション溶液中に膜を浸して、所定の
温度でインキュベーションした後、膜を洗浄し、それぞ
れの標識に即した方法によりプローブを検出する。ハイ
ブリダイゼーション溶液中に含まれるSSC(sali
ne−sodium citrate:「クエン酸ナト
リウム−生理食塩水液」;1×SSCは0.15Mの塩
化ナトリウム、15mMのクエン酸ナトリウムを含む)
の濃度は好適には4乃至8×SSC、さらに好適には6
×SSCである。また、インキュベーション温度は好適
には30乃至70℃、さらに好適には60℃である。
【0028】上記の方法を利用することにより、配列表
の配列番号1のヌクレオチド番号1〜428のヌクレオ
チド配列を含むDNAとハイブリダイズするDNAを、
種々のゲノムライブラリーからクローニングすることが
できる。さらに、そのようにして得たDNAは、当業者
に周知の方法により人工的に改変することができる。具
体的には例えば、サイトスペシフィック・ミュータジェ
ネシス[Mark, D. F.,et al. (1984) Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 81, 5662-5666参照]等の方法を用いて、
DNAの所望の位置の1個または2個以上のヌクレオチ
ドが置換、欠失または挿入された改変体を作製すること
が可能である。そのような人工改変体も、転写プロモー
ター活性を有する限り、本発明に含まれる。
【0029】上記のごとくして得られた本発明のDNA
が転写プロモーター活性を有するものであることを確認
するためには、(i)該DNAの制御下に好適なタンパ
ク質をコードするDNAを連結したものを好適なベクタ
ー(例えば、放線菌用のプラスミドpIJ702[Kat
z, E., et al. (1983) J Gen. Microbiol., 129, 2703-
2714 参照]等)に挿入した組換えDNAベクターを作
製し、(ii)該ベクターが細胞内で保持され、かつ自
己複製され得るような好適な宿主細胞(例えば、pIJ
702を利用したベクターに対しては放線菌ストレプト
ミセス・リビダンス等)を該ベクターで形質転換した
後、以下に挙げるような方法により該タンパク質をコー
ドする遺伝子の発現を調べることができる。形質転換
は、例えば放線菌の場合はホップウッドらの文献[Hopw
ood, D. A., et al. (1985) "Genetic Manipulation of
Streptomyces: A Laboratory Manual", The John Inne
s Foundation, Norwich 参照]に従って実施することが
できる。なお、転写プロモーター活性の確認を容易にす
るためには、発現させようとする遺伝子は形質転換前の
宿主細胞中に存在しないかまたは発現していないものが
好ましい。
【0030】a)ノーザンハイブリダイゼーション法
[Maniatis, T., et al. (1982) "Molecular Cloning:
A Laboratory Manual", Cold Spring Harbor Laborator
y, NewYork 参照]:形質転換後の宿主細胞を培養し、
該細胞から抽出・精製したRNAをアガロースゲル電気
泳動した後、ニトロセルロースまたはナイロン等の膜に
ブロットする。32P等の放射性同位元素またはビオチ
ン、ジゴキシゲニン、酵素等で標識した該タンパク質遺
伝子を特異的に検出するプローブ(DNA、RNAまた
は合成オリゴヌクレオチド)を用いて、ハイブリダイゼ
ーション法により、該タンパク質遺伝子から転写された
mRNAを検出する。
【0031】b)RNA−PCR法[Innis, M. A., et
al. (1990) "PCR PROTOCOLS", Academic Press, New Y
ork 参照]:ノーザンハイブリダイゼーション法と同様
にRNAを調製する。つぎに、該RNAを鋳型とし、オ
リゴ(dT)、または発現させようとしたタンパク質遺
伝子の一部に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド
をプライマーとして用いて、逆転写酵素によりcDNA
を合成する。さらに、このcDNAを鋳型として、該タ
ンパク質遺伝子配列に特異的な2種類のオリゴヌクレオ
チドプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を行って、両プライマー間の配列を有するDNAを
増幅する。反応後のサンプルを電気泳動して、期待され
る長さのバンドの有無により所望の遺伝子が転写されて
いるか否かを判定する。
【0032】c)生産されたタンパク質の生理活性を調
べる方法:本発明のDNAの3’末端に、酵素等固有の
活性を有するタンパク質をコードするDNAを連結した
組換えDNAベクターを作製し、該ベクターで形質転換
した細胞における該タンパク質の活性を測定する。例え
ば、シトクロムP−450sca-2 をコードするDNAを
連結したベクターを、P−450sca-2 を産生しない放
線菌株であるストレプトミセス・リビダンスに導入し、
この形質転換体をML−236B・ナトリウムの存在下
で培養してプラバスタチン・ナトリウムの生成量を測定
する。あるいは、薬剤耐性遺伝子を利用する方法、クロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子
[Gorman, C. M. et al. (1982) Mol. Cell. Biol., 2,
1044-1051参照]やルシフェラーゼ遺伝子[de Wet, J.
R. et al. (1987) Mol. Cell. Biol., 7, 725-737参
照]等をリポーターとして利用する方法等が実施できる
が、これらに限定されない。
【0033】d)特異的な抗体を用いてタンパク質を同
定する方法 本発明のDNAの3’末端に、特異的な抗体が入手可能
なタンパク質をコードするDNAを連結した組換えDN
Aベクターを作成し、該ベクターで形質転換した細胞の
培養液または細胞破砕液と該抗体を反応させ、抗原抗体
複合体の量を測定する。該測定方法としては、例えば、
ラジオイムノアッセイ法[Berson, R. S., et al. (197
3) "Methods in Investigative and Diagnostic Endocr
inology", Vol.2A, 2B, North-Holland Publishing C
o., Amsterdam 参照]、エンザイムイムノアッセイ法
[Engvall, E., (1980) Methods in Enzymology, 70
(A), 419-439 参照]、ウエスタンブロット法[Harlo
w,E., et al. (1988) "Antibodies− A Laboratory Ma
nual", p.471, Cold Spring Harbor Laboratory, New Y
ork参照]、免疫沈降法[Kessler, S. W., (1981) "Met
hods in Enzymology", 73(B), 442-459参照]等が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0034】ただし、本発明のDNAの転写プロモータ
ー活性を調べる方法はこれらに限定されず、例えば、発
現させようとするタンパク質が、活性や抗原性以外の固
有の性質を有する場合は、該性質を利用した方法を用い
ることができる。
【0035】このようにして単離された本発明のDNA
を、好適なベクターに再び組込み、さらに、該DNAの
制御下に所望のポリペプチドをコードするDNAを組み
込むことにより、他の宿主細胞を形質転換させ、該宿主
細胞において該ポリペプチドを産生させることが可能で
ある。このポリペプチドは例えば、新規または公知のタ
ンパク質(またはペプチド)の天然型、改変型、重合
型、2種類以上の異なるタンパク質(またはペプチド)
の融合体、あるいは新規に設計されたポリペプチド等、
いかなるアミノ酸配列を有するものでもよい。該ポリペ
プチドのうち、好適にはシトクロムP−450sca-2
あり、該タンパク質を発現させるベクターとしてはpS
CA310−Δ428を例示できる。該ベクターは前述
の寄託菌株ストレプトミセス・リビダンス SANK
62795(FERM BP−5299)より単離する
ことができる。
【0036】宿主としては、例えば放線菌ストレプトミ
セス・リビダンス(Streptomyces lividans )やストレ
プトミセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophil
us)、大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus su
btilis) 等が挙げられる。
【0037】目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内で形質
発現させるには、宿主と適合し得る種由来のレプリコ
ン、すなわち複製起点および調節配列を含んでいるプラ
スミドベクターで宿主細胞を形質転換すればよい。また
ベクターは形質転換細胞に表現形質(表現型)の選択性
を付与することができる配列を持つものが望ましい。
【0038】例えば、宿主細胞として放線菌を利用する
場合の形質転換法としては、リゾチームを利用して放線
菌をスフェロプラスト化した後、組換えDNAベクター
とポリエチレングリコールを含む緩衝液とを加えて該ベ
クターを細胞内に取り込ませる方法[Thompson, C. J.,
et al. (1982) J. Bacteriol., 151, 668-677またはHo
pwood, D. A., et al. (1985) "Genetic Manipulation
of Streptomyces: A Laboratory Manual", The John In
nes Foundation, Norwich 参照]がよく用いられる。ま
た、形質転換株の選択マーカーとしてはチオストレプト
ン耐性遺伝子[Hopwood, D. A., et al. (1987) "Metho
ds in Enzymology" 153, 116, AcademicPress, New Yor
k参照]がよく用いられるが、これに限定されない。
【0039】宿主細胞として大腸菌を利用する場合の形
質転換法としては、大腸菌に塩化カルシウムや塩化マグ
ネシウムまたは塩化ルビジウムを共存させて調製したコ
ンピテント細胞に、組換えDNAベクターを加える方法
[Hanahan, D., (1983) J. Mol. Biol. 166, 557-580参
照]、大腸菌と組換えDNAベクターの浮遊液に高電圧
パルスを加えることにより該ベクターを細胞内に取り込
ませる方法[エレクトロポレーション法:Dower, W.
J., et al. (1988) Nucleic Acids Res., 16, 6127およ
び Calvin, N. M., et al. (1988) J. Bacteriol., 17
0, 2796参照]がよく用いられる。また、形質転換株の
選択マーカーとしてはアンピシリンやテトラサイクリン
等の薬剤耐性マーカー遺伝子がよく用いられ、これらの
マーカーを当業者に周知の方法により利用することがで
きる[Maniatis, T., et al. (1982)"Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual", Cold Spring Harbor Labora
tory,New York 参照]が、これらに限定されない。
【0040】宿主細胞として枯草菌を利用する場合の形
質転換法としては、リゾチームを利用して枯草菌をプロ
トプラスト化した後、組換えDNAベクターとポリエチ
レングリコールを含む緩衝液とを加えて該ベクターを細
胞内に取り込ませる方法[Cheng, S., et al. (1979) M
ol. Gen. Genet., 168, 111 参照]、前述のエレクトロ
ポレーション法等がよく用いられる。また、形質転換株
の選択マーカーとしてはクロラムフェニコール等の薬剤
耐性マーカー遺伝子等がよく用いられるが、これらに限
定されない。
【0041】上記で得られる所望の形質転換体は、当業
者に周知の方法で培養することができ、該培養により細
胞内または細胞外に所望のポリペプチドが産生される。
該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に
応じて慣用される各種のものを適宜選択できる。また、
所望のポリペプチド産生が可能であるような宿主細胞の
培養条件としては、通常該宿主細胞を好適に培養する条
件を採用できるが、該ポリペプチドの性質等により適宜
変更することもできる。
【0042】例えば、放線菌の場合は、放線菌が通常利
用する栄養物を含有する培地で培養することができる。
該栄養物としては、一般微生物培養に利用される、当業
者に周知のものが使用できる。例えば、炭素源としてグ
ルコース、シュークロース、澱粉、グリセリン、水飴、
糖蜜、大豆油等を使用し得る。また窒素源としては大豆
粉、小麦胚芽、肉エキス、ペプトン、コーンスチーブリ
カー、乾燥酵母、硫酸アンモニウム等を使用し得る。そ
の他必要に応じて食塩、塩化カリ、炭酸カルシウム、リ
ン酸塩等の無機塩の他、菌の発育を助け、所望のポリペ
プチドの産生促進に必要な添加物を適宜組み合わせ使用
することができる。培養方法としては、微生物一般に用
いられる培養法、例えば液体培養法が可能であり、工業
的には深部培養法が適している。培養は好気的条件で行
われ、培養温度は20〜37℃、好適には26〜28℃
である。
【0043】上記のような条件で培養することにより形
質転換体の細胞内または細胞外に産生されるポリペプチ
ドは、該ポリペプチドの物理的性質や化学的性質等を利
用した各種の当業者に周知の分離操作法により、分離・
精製し、回収することができる。該ポリペプチドが細胞
外に放出される場合は、培養液を遠心して得られる上清
から該ポリペプチドを分離・精製し、回収することがで
きる。細胞内に蓄積された該ポリペプチドを分離・精製
するためには、まずプロテアーゼ阻害剤を含む溶液中に
懸濁しておいた細胞を、超音波破砕機等、当業者に周知
の手段を用いて破砕しておく。その後の分離・精製およ
び回収方法としては、具体的には例えば通常の蛋白沈殿
剤による処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィ
ー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換
体クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体ク
ロマトグラフィー、透析法、これらの組合せ等が挙げら
れる。
【0044】上記方法により、容易に高収率、高純度で
所望のポリペプチドを工業的規模で製造できる。
【0045】また、本発明の組換えDNAベクターで形
質転換された宿主細胞により産生されるポリペプチドの
活性を、未精製または部分精製の標品で利用することも
可能である。例えば、本発明の転写プロモーターDNA
およびP−450sca-2 をコードするDNAを組み込ん
だ組換えDNAベクターを放線菌ストレプトミセス・リ
ビダンスへ導入し、産生されたP−450sca-2 ポリペ
プチドに該放線菌細胞内で電子伝達系を構成させること
により、ML−236B・ナトリウムの6位水酸化反応
を触媒する形質転換体微生物を取得することができる。
該形質転換体は、プラバスタチン・ナトリウム等の製造
プロセスに利用することができ、該プロセスにより製造
されるプラバスタチン・ナトリウムは芹澤らの方法[Se
rizawa,N., et al. (1983) J. Antibiotics, 36, 608
参照]により回収することができる。そのような形質転
換体として、前述した寄託菌株ストレプトミセス・リビ
ダンス SANK 62795(FERM BP−52
99)を例示できる。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されない。
【0047】実施例1. 転写プロモーター活性を有す
るDNAの分離、およびシトクロムP−450sca-2
現用プラスミドベクターの構築(1−1)プラスミドpSCA101およびpSCA1
08の構築 プラスミドpSCA101およびpSCA108は、渡
辺らの方法によりストレプトミセス・カルボフィラスの
染色体DNAからシトクロムp450sca-2 遺伝子をク
ローニングし、市販のプラスミドベクターにこれらの遺
伝子を組み込むことにより得た[Watanabe, I., et al
(1995) Gene, 163, 81-85 および特開平6−70780
参照]。すなわち、プラスミドpSCA101は、シト
クロムp450sca-2 遺伝子のN末端領域および5’側
非翻訳領域を含む1.7kbpのPvuII消化DNA
断片をプラスミドベクターpBR322(宝酒造(株)
社製)のPvuII切断部位に組み込んだものであり、
また、pSCA108はシトクロムp450sca-2 のコ
ード領域の全長を含む2.0kbpのSacI消化DN
A断片をプラスミドベクターpUC18(宝酒造(株)
社製)のSacI切断部位に組み込んだものである。
【0048】(1−2)プラスミドpSCA106の構
まず、10μgのpSCA101を100単位の制限酵
素PvuIIで37℃下、3時間消化し、1%のアガロ
ースゲルで電気泳動した。
【0049】電気泳動後のゲルを0.5μg/mlの臭
化エチジウム溶液中で20分間振盪して染色した後、ゲ
ルをトランスイルミネーター上に置いて観察しながら
1.7kbpに相当するバンド部分を剃刀刃を用いて分
離した。これを透析膜(排出限界分子量12000〜1
4000、ギブコ社製)中に移し密閉したものを90m
Mのほう酸、2.5mMのエチレンジアミン四酢酸(以
下「EDTA」という)を含む90mMのトリス−塩酸
緩衝液(pH8.3)を入れたサブマリン型電気泳動漕
中に入れ、100V、2時間通電することにより、DN
A断片をアガロースゲルから溶出させた。透析膜中の溶
液を当業者に周知の方法によりフェノール・クロロホル
ム処理し、水層をエタノール処理してDNAを沈殿させ
た後、沈殿したDNAを減圧乾燥した[Maniatis, T. e
t al. (1986) Molecular Cloning-A Laboratory Manua
l, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harb
or,New York参照](以下、本段落の一連の操作を「切
り出し」という)。
【0050】次に、プラスミドベクターpUC119
(宝酒造(株)社製)10μgを100単位の制限酵素
SmaIで25℃下、3時間消化してから、フェノール
・クロロホルム処理し、水層をエタノール処理してDN
Aを沈殿させた後、沈殿したDNAを減圧乾燥した。こ
のSmaI消化したpUC119に、4単位のアルカリ
フォスファターゼ(東洋紡(株)社製)を添加し、1m
M EDTAを含む10mMのトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0:以下「TE緩衝液」という)200μl中
で、37℃下、30分間反応させることにより、該Sm
aI消化pUC119の末端を脱リン酸化した。反応後
の溶液をフェノール・クロロホルム処理し、水層をエタ
ノール処理してDNAを沈殿させた後、沈殿したDNA
を減圧乾燥した。このSmaI消化し末端を脱リン酸化
した100ngのpUC119に、P450sca-2 遺伝
子のN末端領域および5’側非翻訳領域を含む1.7k
bpのPvuII消化DNA断片50ngを加え、さら
にT4DNAリガーゼ(宝酒造(株)社製)を1800
単位添加し、反応緩衝液(6.6mMの塩化マグネシウ
ム、10mMのジチオスレイトール、0.1mMのAT
P、66mMのトリス−塩酸(pH7.6):以下「T
4DNAリガーゼ反応緩衝液」という。)50μl中で
16℃下、2時間反応させた。反応液の一部で大腸菌H
B101株をハナハンの方法[Hanahan, D. (1980) J.
Mol. Biol., 166, 557-580参照]に従って形質転換し、
アンピシリンを100μg/ml含む培地(10g/リ
ットルのトリプトン、5g/リットルのイーストエキス
トラクト及び5g/リットルの塩化ナトリウムを含む:
以下「L培地」という。)に接種した。該形質転換菌を
37℃下で培養してアンピシリン耐性コロニーを選択
し、L培地で培養して菌体を集めプラスミドDNAを調
製した。このDNAの一部を制限酵素消化し、アガロー
スゲル電気泳動を行って、期待された通りのプラスミド
が構築されていることを確認した。このプラスミドをp
SCA106と命名した。
【0051】(1−3)プラスミドpSCA111の構
プラスミドpSCA106が有するp450sca-2 のプ
ロモーター領域とpSCA108が有するp450
sca-2 の構造遺伝子全長を連結したプラスミドpSCA
111の構築は次の方法に従った。すなわち、まず10
μgのpSCA108を100単位の制限酵素SacI
で37℃下、5時間消化し、1%アガロースゲルで電気
泳動した後、2.0kbpのSacI消化DNA断片を
切り出した。一方、10μgのpSCA106を100
単位の制限酵素SacIで37℃下、3時間消化し、1
%アガロースゲルで電気泳動した後、4kbpのSac
I消化DNA断片を切り出した。この4kbpのSac
I消化DNA断片の末端を、前記SmaI消化pUC1
19と同様の方法で脱リン酸化した。脱リン酸化反応後
の溶液をフェノール・クロロホルム処理し、水層をエタ
ノール処理してDNAを沈殿させた後、沈殿したDNA
を減圧乾燥した。このSacI消化および脱リン酸化し
たpSCA106の4kbpのDNA断片100ng
と、p450sca-2の構造遺伝子全長を含む2.0kb
pのSacI消化DNA断片50ngを混合し、さらに
T4DNAリガーゼ1800単位を添加し、T4DNA
リガーゼ反応緩衝液50μl中で、16℃下、2時間反
応させた。以下、(1−2)で記載した方法と同様にし
て大腸菌を形質転換し、プラスミドpSCA111を得
た。
【0052】(1−4)プラスミドpSCA212の構
10μgのpSCA111を100単位の制限酵素Xb
aIおよび100単位の制限酵素PstIで37℃、3
時間消化した後、フェノール・クロロホルム処理し、水
層をエタノール処理してDNAを沈殿させ、沈殿したD
NAを減圧乾燥した。
【0053】このXbaIおよびPstIで消化したp
SCA111中に含まれるP−450sca-2 遺伝子の
5’非翻訳領域の5’末側を、ヘニコフの方法[Heniko
ff, S.(1984) Gene, 28, 351-359 参照]により欠失さ
せた。すなわち、XbaIおよびPstIで消化した1
0μgのpSCA111に対して、200単位のエキソ
ヌクレアーゼIII(宝酒造(株)社製)を添加し、5
mMの塩化マグネシウム、10mMの2−メルカプトエ
タノールを含む50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)100μl中で、37℃下、1〜5分間反応さ
せた。反応停止は65℃で5分間加温することにより行
った。反応停止後、該反応液をフェノール・クロロホル
ム処理し、水層をエタノール処理してDNAを沈殿さ
せ、沈殿したDNAを減圧乾燥した。次に、このDNA
に50単位のムングビーンヌクレアーゼ(宝酒造(株)
社製)を添加し、100mMの塩化ナトリウム、1mM
の酢酸亜鉛および5%(v/v)のグリセロールを含む
30mMの酢酸緩衝液(pH5.0)40μl中で、3
7℃下、30分反応させた。該反応液をフェノール・ク
ロロホルム処理し、水層をエタノール処理してDNAを
沈殿させ、沈殿したDNAを減圧乾燥した。このDNA
に5単位のT4DNAポリメラーゼ(宝酒造(株)社
製)を添加し、66mMの酢酸カリウム、10mMの酢
酸マグネシウム、0.5mMのジチオスレイトールおよ
び0.1mg/mlのウシ血清アルブミン(宝酒造
(株)社製)を含む33mMのトリス−塩酸緩衝液(p
H7.9)10μl中で、37℃下、5分間反応させ、
末端を平滑化した。この反応液をフェノール・クロロホ
ルム処理し、水層をエタノール処理してDNAを沈殿さ
せ、沈殿したDNAを減圧乾燥した。このDNAに10
単位のアルカリフォスファターゼを添加し、1mMの塩
化マグネシウムを含む50mMのトリス−塩酸緩衝液
(pH9.0)400μl中で37℃下、30分間反応
させた。反応後、フェノール・クロロホルム処理し、水
層をエタノール処理してDNAを沈殿させ、沈殿したD
NAを減圧乾燥した。このDNAに、リン酸化XbaI
リンカー(宝酒造(株)社製)を100ng、T4DN
Aリガーゼを1800単位添加し、T4DNAリガーゼ
反応緩衝液50μl中で16℃下、2時間反応させた。
以下、(1−2)で記載した方法と同様にして大腸菌を
形質転換し、両末端が連結して環状化したプラスミドp
SCA212を得た。
【0054】(1−5)プラスミドpSCA301の構
放線菌用の多コピープラスミドpIJ702[Katz,
E., et al. (1983) J. Gen. Microbiol. 129, 2703-271
4 参照]10μgを100単位の制限酵素SacI、お
よび100単位の制限酵素SphIで37℃、3時間消
化した後、1%アガロースゲルで電気泳動し、5.4k
bpのバンドに相当するDNA断片を切り出した。
【0055】配列中にHindIII切断部位およびE
coRI切断部位を有し、かつSacIおよびSphI
切断末端を有する2本鎖オリゴヌクレオチドを作製する
ために、下記の配列で表されるオリゴヌクレオチドをD
NA合成機(モデル380、アプライドバイオシステム
ズ社製)を用いてホスホアミダイト法[Beaucage, S.
L., et al (1981) Tetrahedron Letters 22, 1859-1862
参照]により合成した。
【0056】5'-GATCTAAGCTTGAATTCGCATG-3' (配列表
の配列番号2) 5'-CGAATTCAAGCTTA-3' (配列表の配列番号3) これら2種類のオリゴヌクレオチド各14μmolずつ
を400μlのTE緩衝液中で混合し、100℃で5分
間加熱後、緩やかに25℃まで冷却することにより、こ
れら2種類のオリゴヌクレオチドの相補的な配列の間で
2本鎖を形成させた。
【0057】SacIおよびSphIで消化したpIJ
702の5.4kbpの断片1μgに、上記2本鎖オリ
ゴヌクレオチド100ngを加え、さらにT4DNAリ
ガーゼを1800単位添加し、T4DNAリガーゼ反応
緩衝液100μl中で16℃下、2時間反応させた。次
いで、以下の[1]に記載した方法により、スフェロプ
ラスト化させた放線菌ストレプトミセス・リビダンスT
K21株をこの反応液中に含まれるDNAで形質転換
し、さらにチオストレプトン存在下で培養して耐性菌を
選択した。さらに、以下の[2]に記載した方法によ
り、該耐性菌からプラスミドを単離した。
【0058】[1]ストレプトミセス・リビダンスTK
21株の形質転換法 ストレプトミセス・リビダンスTK21株の形質転換は
トンプソンらの方法[Thompson, C. J., et al. (1982)
J. Bacteriol., 151, 668-677参照]に準じて行った。
すなわち、ストレプトミセス・リビダンスTK21株
[Hopwood, D. A., et al. (1983) J. Gen. Microbio
l., 129, 2257-2269参照]を20mlのGPY培地a)
植菌し、28℃、120rpmで3日間培養した。テフ
ロンホモジナイザーを用いて前培養液中の菌体をほぐ
し、そのうちの5mlを110mlのS−GGCy 培地
b)に植菌して、坂口フラスコで28℃、120rpmで
24時間本培養した。本培養後、培養液を3000rp
m、4℃で10分間遠心して菌体を回収した。この菌体
をP緩衝液c)で洗浄し、再度3000rpm、4℃で1
0分間遠心して沈殿を得た。P緩衝液による洗浄はさら
に2回行い、湿菌体を得た。湿菌体1gに対してP緩衝
液を10ml加え、これを湿菌体懸濁液とした。湿菌体
懸濁液に同量の20mg/mlのリゾチームを含むP緩
衝液を加え、30℃、120rpmで1.5時間穏やか
に振盪して、ストレプトミセス・リビダンスTK21株
をスフェロプラスト化した。この懸濁液を8枚重ねのガ
ーゼを用いて2回濾過した後、3000rpm、4℃で
10分間遠心分離し沈殿を得た。再びP緩衝液でスフェ
ロプラストを2回洗浄し、3000rpm、4℃で、1
0分間遠心分離し沈殿を得た。これにP緩衝液0.8m
lを加えて懸濁し氷上で静置した。このストレプトミセ
ス・リビダンスTK21株のスフェロプラスト懸濁液1
00μlにT4DNAリガーゼ反応液を20μl加え、
氷上で2分間静置した。次いで、20%(w/v)のポ
リエチレングリコール1540を含むP緩衝液を500
μl加え、氷上で2分間静置後、P緩衝液を5ml加え
た。このうち100μlを2%(w/v)バクトアガー
を含む再生培地d)10ml上に穏やかに塗抹し、28℃
で約20時間静置培養した。この培地プレートに45℃
の0.7%(w/v)バクトアガーを含む再生培地にチ
オストレプトンを75μl/mlになるように溶解した
ものを5ml重層して28℃で培養した。3〜5日後に
チオストレプトン耐性株を分離した。
【0059】上記形質転換操作で使用した培地および緩
衝液の組成は、それぞれ以下の通りであった。なお、溶
媒としては全て蒸留水を使用した。
【0060】 a)GPY培地 グルコース 20g/リットル(w/v) ポリペプトン 10g/リットル(w/v) イーストエキストラクト 1g/リットル(w/v) (pH7.0−7.2) b)S−GGCy 培地 A液 サッカロース 340g/リットル(w/v) グリセロール 4g/リットル(w/v) グリシン 1g/リットル(w/v) カザミノ酸 4g/リットル(w/v) イーストエキストラクト 1g/リットル(w/v) 硫酸マグネシウム7水和物 1g/リットル(w/v) 塩化カルシウム2水和物 0.1g/リットル(w/v) 微量金属塩溶液e) 4ml/リットル(v/v) B液 リン酸2水素カリウム 20g/リットル(w/v) リン酸水素2カリウム12水和物 80g/リットル(w/v) A液とB液は別滅菌し、A液100mlとB液10mlを混合した。
【0061】 c)P緩衝液 サッカロース 102g/リットル(w/v) 硫酸カリウム 0.248g/リットル(w/v) 塩化マグネシウム6水和物 2.00g/リットル(w/v) 微量金属塩溶液e) 1.98ml/リットル(v/v) リン酸2水素カリウム 49.5g/リットル(w/v) 塩化カルシウム1水和物 3.64g/リットル(w/v) TES(pH7.2) 5.67g/リットル(w/v) d)再生培地 サッカロース 100g/リットル(w/v) グルコース 9.69g/リットル(w/v) カザミノ酸 96.9mg/リットル(w/v) イーストエキストラクト 1.94g/リットル(w/v) マルトエキストラクト 4.84g/リットル(w/v) 硫酸カリウム 243mg/リットル(w/v) 塩化マグネシウム6水和物 9.84g/リットル(w/v) リン酸2水素カリウム 48.4mg/リットル(w/v) 塩化カルシウム2水和物 2.85g/リットル(w/v) TES(pH7.2) 5.56g/リットル(w/v) 微量金属塩溶液e) 1.94ml/リットル(v/v) 水酸化ナトリウム 0.00484N L−プロリン 2.91g/リットル(w/v) DL−ノルロイシン 48.4mg/リットル(w/v) L−チロシン 0.969g/リットル(w/v) e)微量金属塩溶液 塩化亜鉛 40mg/リットル(w/v) 塩化鉄(II)6水和物 200mg/リットル(w/v) 塩化銅(II)2水和物 10mg/リットル(w/v) 塩化マンガン(II)4水和物 10mg/リットル(w/v) ほう酸ナトリウム10水和物 10mg/リットル(w/v) モリブデン酸アンモニウム4水和物 10mg/リットル(w/v) [2]放線菌からのプラスミド単離法 上記[1]で得られたチオストレプトン耐性菌株を25
μg/mlのチオストレプトンを含むGPY培地100
ml中、28℃、200rpmで3日間培養した。培養
液を遠心分離し(5000rpm、4℃、10分)、沈
殿した菌体を回収した。この菌体を10mg/mlのリ
ゾチーム(シグマ社製)、50mMのグルコース、10
mMのEDTAを含む25mMのトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)4mlに懸濁し、30℃で1時間保温し
た。この懸濁液に0.2Mの水酸化ナトリウムを含む1
%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム溶液を8ml加え
攪拌した後、氷上で10分間静置した。さらに、3Mの
酢酸ナトリウム溶液(pH4.8)を6ml加え攪拌し
た後、遠心分離(10000rpm、4℃、15分)し
て上清を回収した。10mlの吸着用緩衝液(750m
Mの塩化ナトリウム、15%(v/v)エタノール、
0.15%(v/v)トライトンX−100を含む50
mMの3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(以
下「MOPS」という)(pH7.0))で平衡化した
キアゲンチップ500カラム(フナコシ(株)社製)
に、回収した上清を全量供与した後、30mlの洗浄用
緩衝液(1Mの塩化ナトリウム、15%(v/v)エタ
ノールを含む50mMのMOPS(pH7.0))によ
りカラムを洗浄した。次いで、15mlの溶出用緩衝液
(1.25Mの塩化ナトリウム、15%(v/v)エタ
ノールを含む50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.
5))により、プラスミドを含む溶出画分を得た。該溶
出画分に10.5mlのイソプロパノールを加えた後、
10000rpm、4℃で、15分間遠心分離し、沈殿
したDNAを回収した。このDNAを400μlのTE
緩衝液に溶解し、2mg/mlのリボヌクレアーゼA
(シグマ社製)を5μl加えて、37℃で30分保温し
た。以下、このDNA溶液をフェノール・クロロホルム
処理し、水層をエタノール処理してDNAを沈殿させた
後、沈殿したDNAを減圧乾燥してプラスミドpSCA
301を得た。
【0062】(1−6)プラスミドpSCA310−Δ
428の構築 10μgのpSCA301に100単位のEcoRI、
および100単位のHindIIIを加え、37℃下、
3時間消化した後、フェノール・クロロホルム処理し、
水層をエタノール処理してDNAを沈殿させ、沈殿した
DNAを減圧乾燥した。
【0063】一方、10μgのpSCA212を100
単位の制限酵素EcoRI、および100単位の制限酵
素HindIIIで37℃、3時間消化した後、1%ア
ガロースゲルで電気泳動し、シトクロムP−450
sca-2 遺伝子を含む2.2kbpのDNA断片を切り出
した。
【0064】EcoRIおよびHindIII消化した
pSCA301 100ngに、pSCA212から切
り出したP−450sca-2 遺伝子を含む2.2kbpの
DNA断片を200ng加え、さらにT4DNAリガー
ゼを1800単位添加し、T4DNAリガーゼ反応緩衝
液100μl中で16℃下、2時間反応させた。以下、
(1−5)の[1]で記載した方法と同様にして、この
反応液に含まれるDNAでストレプトミセス・リビダン
スを形質転換し、チオストレプトン耐性菌を選択した結
果、ストレプトミセス・リビダンス SANK 627
95株を得た。さらに、(1−5)の[2]で記載した
方法と同様にして、該菌株を培養してプラスミドpSC
A310−Δ428を得た。
【0065】以上の工程を図1に簡単に示した。pSC
A310−Δ428は、シトクロムP−450sca-2
伝子発現調節領域の3’側約0.4kbp、およびシト
クロムP−450sca-2 のオープンリーディングフレー
ムを含み、放線菌で複製可能なプラスミドベクターであ
る。
【0066】(1−7)pSCA205の構築 プラスミドpSCA205は、特開平6-70780 記載の方
法で構築した。
【0067】実施例1- 3で得られた pSCA101
10μgをPvuII 100ユニットで37℃、3時間処
理後、1%アガロースゲル電気泳動を行い、P−450
sca- 2 遺伝子のN末端領域を含むPvuII 断片 1.7 kb を
切り出した。これを透析チューブに移し、1×TBE緩
衝液中で100V、2時間処理し、目的のDNA断片を
ゲルから溶出した。これを常法によりフェノール処理
し、エタノール沈殿後減圧乾燥した。
【0068】次に、pUC119 10μgを SmaI 1
00ユニットで37℃、3時間処理し、常法によりフェ
ノール処理後エタノール沈殿し、減圧乾燥した。この S
maI処理した ppUC119を200μlのTE緩衝液
に溶解し、アルカリフォスファターゼ(東洋紡(株)
製)を4ユニット加え、37℃、30分間反応させ末端
を脱リン酸化した。これを常法によりフェノール処理
後、エタノール沈殿減圧乾燥した。この SmaI 及びアル
カリフォスファターゼ処理したpUC119のSmaI部位
にP−450sca-2 のN末端領域を含む PvuII断片(1.
7 kb)をDNAライゲーションキット(宝酒造(株)
製)を用いて挿入し、このプラスミドをpSCA106
とした。
【0069】次に、pSCA106が有するP−450
sca-2 のプロモーター領域とpSCA108が有するP
−450sca-2 の構造遺伝子を連結したプラスミドpS
CA111の構築は次のようにした。
【0070】すなわち、pSCA108 10μgをSa
cI 100ユニットで37℃、5時間処理し、1%アガ
ロースゲル電気泳動でP−450sca-2 の構造遺伝子2.
0kbを分離した。このSacI断片(2.0kb )を切り出し、
1×TBE中で100V、2時間処理し、DNA断片を
溶出した。これを常法によりフェノール処理後、エタノ
ール沈殿減圧乾燥した。
【0071】一方、pSCA106 10μgをSac
I 100ユニットで37℃、5時間処理後、1%アガ
ロースゲル電気泳動によりSacI断片 4 kb を分離した。
この断片をゲルから切り出し透析チューブに移した後、
1×TBE緩衝液中で100V、2時間処理し、このD
NA断片を溶出した。これを常法によりフェノール処理
後、エタノール沈殿減圧乾燥した。これを200μlの
TE緩衝液に溶解し、アルカリフォスファターゼ(東洋
紡(株)製)4ユニットを加え、37℃、30分間処理
して末端をリン酸化した。これを再び常法によりフェノ
ール処理後、エタノール沈殿減圧乾燥した。
【0072】pSCA106由来のアルカリフォスファ
ターゼ処理したSacI断片 4kbと、pSCA108由来の
SacI断片の連結は、DNAライゲーション・キット(宝
酒造(株)製)により行い、作成したプラスミドをpS
CA111とした。
【0073】pSCA111 10μgを100ユニッ
トのHind III で37℃、5時間処理した。これを常法
によりフェノール処理後、エタノール沈殿減圧乾燥し
た。このHindIII 処理したpSCAIIIをDNAブラ
ンティングキット(宝酒造(株)製)により末端を平滑
化した。これを再び常法によりフェノール処理後、エタ
ノール沈殿減圧乾燥した。これをTE緩衝液200μl
に溶解し、アルカリフォスファターゼ(東洋紡(株))
4ユニットを加え、37℃で30分間反応させ、末端を
脱リン酸化した。これを再び常法によりフェノール処理
後、エタノール沈殿減圧乾燥した。以上の処理をしたp
SCA111 100μgにSacIリンカー(宝酒造
(株))を16.5 ng 加えDNAライゲーションキット
(宝酒造(株))によりこれらを環状化し、pSCA1
11のHindIII 部位をSacI部位に置換したpSCA11
2を構築した。
【0074】pSCA112よりP−450sca-2 構造
遺伝子及びそのプロモーターを含むSacI 断片 2.8 kb
を取得するため、pSCA112の SacI による部分分
解を行った。すなわち、pSCA111 22.1mg
を SacI 1250 ユニットで37℃、22時間処理した。
これを1%アガロースゲル電気泳動を行い、ゲルを0.
5μg/ml 臭化エチヂウムにより染色後、SacI断片
2.8 kb を切り出した。これを透析チューブに移し、1
×TBE緩衝液中で150V、1.5時間処理しSacI断
片2.8kb を溶出した。これを常法によりフェノール処理
後、エタノール沈殿減圧乾燥した。これを1 g/ml
の塩化セシウムを含むTE緩衝液に溶解し、0.1 m
g/mlになるように臭化エチヂウムを加え、120,000
回転/分( 650,000 × g)15℃で2時間超遠心分離
し、SacI 断片 2.8 kb を分離後、塩化ナトリウム及び
50 mM トリス−塩酸緩衝液( pH 8.0 )で飽和させた
イソプロパノールで3回抽出して臭化エチヂウムを除
き、TE緩衝液中で一晩4℃で透析した。これを常法に
よりエタノール沈殿し、70%エタノールで洗浄後減圧
乾燥し、部分精製 SacI 断片 2.8 kb を76μg得た。
【0075】このようにして精製した SacI 断片 2.8 k
b はpSCA112のpUC119に由来するDNA断
片3.2 kbを含んでいた。そこで、これを除くため部分精
製SacI 断片( 2.8 kb )75μgを205ユニットの
Pvu I で37℃、12時間処理した。これを再び1%
アガロースゲル電気泳動により分離し、SacI 断片2.8
kb のバンドを切り出した。これを透析チューブに移
し、1×TBE中で150V、1時間処理し、DNA断
片を溶出後、これを常法によりフェノール処理後、エタ
ノール沈殿減圧乾燥した。これを1 g/mlの塩化セ
シウムを含むTE緩衝液に溶解し、0.1 mg/ml
になるように臭化エチジウムを加え、120,000 回転/分
( 650,000 × g )、15℃で2時間超遠心分離し
た。SacI断片2.8 kbを分離後、塩化ナトリウム及び 50
mMトリス−塩酸緩衝液( pH 8.0 )で飽和したイソプロ
パノールで3回抽出して臭化エチヂウムを除き、TE緩
衝液中で4℃、一晩透析した。これを常法によりエタノ
ール沈殿し、70%エタノールで洗浄後減圧乾燥し、T
E緩衝液20μlに溶解した。以上の操作によりP−4
50sca-2 構造遺伝子及びそのプロモーターを含むSacI
断片(2.8 kb)を9.8 μg得た。
【0076】一方、pIJ702 200μgをSacI
300ユニットで37℃で20時間処理した。これを常
法によりフェノール処理後、エタノール沈殿減圧乾燥し
た。これをTE800μlに溶解し、アルカリフォスフ
ァターゼを80ユニット加え、37℃で30分間処理
後、常法によりフェノール処理後、エタノール沈殿減圧
乾燥した。
【0077】これを1 g/ml の塩化セシウムを含
むTE緩衝液に溶解し、0.1mg/mlになるように
臭化エチヂウムを加え、120,000 回転/分( 650,000
× g)、15℃で2時間超遠心分離した。SacI 処理し
たpIJ702のバンドを分離後、塩化ナトリウム及び
50 mM トリス−塩酸緩衝液( pH 8.0 )で飽和したイ
ソプロパノールで3回抽出し、臭化エチヂウムを除去し
た。これをTE緩衝液に対して4℃で一晩透析後、常法
によりエタノール沈殿し、70%エタノールで洗浄後、
減圧乾燥した。以上の処理により SacI 及びアルカリフ
ォスファターゼ処理したpIJ702を37μg得た。
【0078】SacI 及びアルカリフォスファターゼ処理
したpIJ702 1 μgにP−450sca-2 構造遺
伝子及びプロモーターを含む SacI 断片 2.8 kb を
2.4μg加え、DNAライゲーションキット(宝酒造
(株))により2つの断片を凍結後、これを用いてスト
レプトミセス・リビダンスTK21株を形質転換し、形
質転換株からホップ・ウッドらのアルカリ法及び超遠心
分離法(ホップウッドら:「ジェネティック・マニピュ
レーション・オブ・ストレプトミセス・ア・ラボラトリ
ー・マニュアル」(1985年、ノルウィッチ所在、ジョン
・インズ・インスティチュート[ Hopwood, et al., "G
enetic Manipulation of Streptomyces Alaboratory Ma
nual" (JohnInnes Institute, Norwich, 1985)により
プラスミドを精製し、pSCA205を得た。
【0079】実施例2. ヌクレオチド配列決定 プラスミドpSCA310−Δ428をチャングらの方
法[Zhang, H. et al., (1988) Nucleic Acids Res., 1
6, 1220 参照]に準じてアルカリ変性し鋳型DNAを調
製した。すなわち、5μgのpSCA310−Δ428
を、0.2mMのEDTAおよび0.2Mの水酸化ナト
リウムを含む10mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)20μl中で、37℃下、5分間保温してアルカリ
変性させた後、エタノール処理してDNAを沈殿させ
た。沈殿したDNAを70%(v/v)エタノールで洗
浄し、減圧乾燥したものを、ヌクレオチド配列決定のた
めの鋳型DNAとした。ヌクレオチド配列の決定は7−
デアザシークェネース・バージョン2.0キット(東洋
紡(株)社製)を用いて行った。その結果、pSCA3
10−Δ428中のシトクロムP−450sca-2 遺伝子
発現調節領域の3’側約0.4kbp部分のヌクレオチ
ド配列は、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1〜
428のヌクレオチド配列で示される428bpのDN
Aであることが判明した。
【0080】実施例3. プラバスタチン・ナトリウム
の生産のための培養、および生成量の測定 形質転換株ストレプトミセス・リビダンス SANK
62795株、およびストレプトミセス・リビダンスT
K21株のそれぞれを、チオストレプトン20μg/m
lを含むイースト培地(2%(w/v)グルコース、1
%(w/v)ペプトン、および0.1%(w/v)酵母
エキス(ディフコ社製)、pH7.0)100mlを入
れた500ml容三角フラスコに植菌し、28℃、20
0rpmで3日間前培養した。前培養液5mlをチオス
トレプトン20μg/mlを含むイースト培地100m
lに入れ、28℃で24時間培養後、ML−236B・
ナトリウム[Endo, A., et al. (1976) J. Antibiotic
s, 29, 1346参照]を500μg/mlの最終濃度にな
るように添加し、28℃、200rpmでさらに振盪培
養した。培養液中に生成されたプラバスタチン・ナトリ
ウムの量を測定するため、ML−236B・ナトリウム
添加1時間後に培養液の一部をサンプルとして回収し、
高速液体クロマトグラフィーによる該サンプルの分画を
行った。高速液体クロマトグラフィーの実施条件は以下
の通りである。
【0081】カラム:ラジアルパックカートリッジC1
8(ウォーターズ社製) 溶媒: 30%アセトニトリル、0.1%トリエチルア
ミンを含む0.1%リン酸緩衝液(pH3.2) 流速: 1ml/分 検出波長:237nm プラバスタチン・ナトリウムの保持時間: 11.9分 上記と同一の条件で既知量のプラバスタチン・ナトリウ
ム標準品[Serizawa,N., et al. (1983) J. Antibiotic
s, 36, 608 参照]のクロマトグラフィーを行った。該
標準品の検出チャートのピーク面積を基準にして、培養
液サンプルの検出チャートのプラバスタチンに相当する
ピークの面積から生成プラバスタチン・ナトリウム量を
算出した。ストレプトミセス・リビダンス SANK
62795株は、51μg/mlのプラバスタチン・ナ
トリウムを生成したのに対して、ストレプトミセス・リ
ビダンスTK21株はプラバスタチン・ナトリウムを生
成しなかった。
【0082】実施例4.プラスミドpSCA310−△
320、pSCA310−△158、pSCA310−
△101及びpSCA310−△74の構築 P−450sca-2 遺伝子のプロモーター領域の性状をさ
らに詳しく解析するため、P−450sca-2 構造遺伝子
に隣接する5’プロモーター領域の長さの異なる各断片
を含む複数のプラスミドを構築した。これらのプラスミ
ド、pSCA310−△320、pSCA310−△1
58、pSCA310−△101及びpSCA310−
△74は、以下の方法で構築された(構築の詳細は図2
に示してある。)。各々のプラスミドは5’から3’の
方向へ切断された該5’プロモーター領域が挿入されて
おり、実施例1−4記載の方法と同様の方法で調製され
た。切断断片の長さはエキソヌクレアーゼIIIにより
切断した直後に正確に予測することはできないので、各
々のプラスミドは長さの異なるプロモーターを含んでい
る。
【0083】1)pSCA310−△320の構築 pSCA213 は実施例1−4に記載されたのと同様の方法で
pSCA 111 DNA から得られた(図2参照)。pSCA213 DN
A は EcoRI と Hind III で切断され、切断後の産物は
1%アガロースゲルで電気泳動された。P−450
sca-2 遺伝子及びこれに隣接する5’プロモーター領域
を含む約 2.1 kb の EcoRI- Hind III DNA断片がゲル
から切り出された。切り出されたDNA はフェノール・ク
ロロフォルムで処理され、エタノール沈殿処理の後減圧
下乾燥させた。
【0084】100 μgのpSCA301 は EcoRI 及び
Hind III により切断され、実施例1−6と同様に調製
された。このDNAは、1800 単位の T4 リガーゼ
を含むリガーゼ緩衝液に、上記で得られた 2.1 kb の E
coRI- Hind III DNA 断片約200 ng とともに添加さ
れ、最終容積は 100 μl とした。反応は16℃で2時
間行われた。反応終了後、前述の「 [1]ストレプト
ミセス・リビダンスTK21株の形質転換法」に従い、
ライゲーションされたDNAによりストレプトミセス・
リビダンスTK21株を形質転換した。この方法により
得られたチオストレプトン抵抗性のストレプトミセス・
リビダンス株は、TK21/pSCA310−△320
と命名された。前述の「[2]放線菌からのプラスミド
単離法」に従い、この菌株よりプラスミドDNAが得ら
れ、pSCA310−△320と命名された。
【0085】2)pSCA310−△158の構築 pSCA214 は実施例1−4に記載されたのと同様の方法で
pSCA 111 DNA から得られた(図2参照)。上記1)と
同様の方法で、pSCA214 DNA は EcoRI と Hind III で
切断され、切断後の産物は1%アガロースゲルで電気泳
動された。P−450sca-2 遺伝子及びこれに隣接する
5’プロモーター領域を含む約 1.93 kbの EcoRI- Hind
III DNA 断片がゲルから切り出された。この断片は、
上記1)と同様の方法で、pSCA301 を形質転換するため
に用いられた。
【0086】得られたチオストレプトン抵抗性のストレ
プトミセス・リビダンス株は、TK21/pSCA31
0−△158と命名された。この菌株よりプラスミドD
NAが得られ、pSCA310−△158と命名され
た。
【0087】3)pSCA310−△101の構築 pSCA215 は実施例1−4に記載されたのと同様の方法で
pSCA 111 DNA から得られた(図2参照)。上記1)と
同様の方法で、pSCA215 DNA は EcoRI と Hind III で
切断され、切断後の産物は1%アガロースゲルで電気泳
動された。P−450sca-2 遺伝子及びこれに隣接する
5’プロモーター領域を含む約 1.87 kbの EcoRI- Hind
III DNA 断片がゲルから切り出された。この断片は、
上記1)と同様の方法で、pSCA301 を形質転換するため
に用いられた。
【0088】得られたチオストレプトン抵抗性のストレ
プトミセス・リビダンス株は、TK21/pSCA31
0−△101と命名された。この菌株よりプラスミドD
NAが得られ、pSCA310−△101と命名され
た。
【0089】4)pSCA310−△74の構築 pSCA216 は実施例1−4に記載されたのと同様の方法で
pSCA 111 DNA から得られた(図2参照)。上記1)と
同様の方法で、pSCA215 DNA は EcoRI と Hind III で
切断され、切断後の産物は1%アガロースゲルで電気泳
動された。P−450sca-2 遺伝子及びこれに隣接する
5’プロモーター領域を含む約 1.85 kbの EcoRI- Hind
III DNA 断片がゲルから切り出された。この断片は、
上記1)と同様の方法で、pSCA301 を形質転換するため
に用いられた。
【0090】得られたチオストレプトン抵抗性のストレ
プトミセス・リビダンス株は、TK21/pSCA31
0−△74と命名された。この菌株よりプラスミドDN
Aが得られ、pSCA310−△74と命名された。
【0091】5)プロモ−タ−断片のサイズ及びヌクレ
オチド配列の決定 プラスミドpSCA310−△320、pSCA310
−△158、pSCA310−△101及びpSCA3
10−△74に存在する5’プロモーター断片の長さ
は、実施例2と同様の方法で決定された。
【0092】プラスミドpSCA310−△320にお
いては、該5’プロモーター断片の長さは 320 bp であ
ることが示され、配列表の配列番号1のヌクレオチド番
号109−428のヌクレオチド配列に対応していた。
【0093】プラスミドpSCA310−△158にお
いては、該5’プロモーター断片の長さは 158 bp であ
ることが示され、配列表の配列番号1のヌクレオチド番
号271−428のヌクレオチド配列に対応していた。
【0094】プラスミドpSCA310−△101にお
いては、該5’プロモーター断片の長さは 101 bp であ
ることが示され、配列表の配列番号1のヌクレオチド番
号328−428のヌクレオチド配列に対応していた。
【0095】プラスミドpSCA310−△74におい
ては、該5’プロモーター断片の長さは 74 bpであるこ
とが示され、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号3
55−428のヌクレオチド配列に対応していた。
【0096】6)プラバスタチン・ナトリウムのプラス
ミド依存性の生産 以下の形質転換体について、実施例3に記載した方法に
従い、プラバスタチン・ナトリウムの生産量が測定され
た:ストレプトミセス・リビダンスTK21/pSCA
310−△320、ストレプトミセス・リビダンスTK
21/pSCA310−△158、ストレプトミセス・
リビダンスTK21/pSCA310−△101及びス
トレプトミセス・リビダンスTK21/pSCA310
−△74。ストレプトミセス・リビダンスTK21は、
コントロールとして用いられた。結果は以下の表1に示
される。
【0097】
【表1】 ストレプトミセス・リビダンス形質転換体 プラバスタチン・ナトリウム ( μg/ml ) TK21/pSCA310−△320 52 TK21/pSCA310−△158 12 TK21/pSCA310−△101 17 TK21/pSCA310−△74 16 TK21 0 このように、この実施例で調製されたプラスミドの5’
プロモーターのすべては、有用なプロモーター活性を示
すことが観察された。
【0098】実施例5.ノザン・ブロッティングにより
測定されるML−236Bによる転写誘導 1)全RNAの調製 以下のストレプトミセス・リビダンスの菌株、すなわ
ち、ストレプトミセス・リビダンスTK21/ pSCA20
5、ストレプトミセス・リビダンス TK21/pSCA31
0−△428、ストレプトミセス・リビダンス TK21/p
SCA310−△320、ストレプトミセス・リビダン
ス TK21/pSCA310−△158、ストレプトミセス
・リビダンス TK21/pSCA310−△101 及びス
トレプトミセス・リビダンス TK21/pSCA310−△
74は実施例3と同様の方法で培養した。
【0099】実施例3と同様に、ML236−B・ナト
リウムは試験実験系においては最終濃度 500 μg/ml
となるように培養系に添加された。ネガティブ・コント
ロールの実験においては、培養系は同様に調製された
が、ML236−Bは添加されなかった。この段階で、
試験実験系にML−236Bが添加された後に、培養は
1時間、28℃、200r.p.m.で継続された。こ
の後培養液は4℃、4,000 × g で10分間遠心され、
ペレットは液体窒素中にて速やかに凍結され、-80 ℃以
下で保存された。
【0100】あらかじめドライ・アイスで冷却した乳鉢
中で、凍結保存菌体3gを粉状になるまで粉砕した。こ
れをグアニジン・チオシアネート溶液(4M グアニジ
ンチオシアネート(フルカ社製)、4%(w/v)ザル
コシル(シグマ社製)、0.1%(w/v)、アンチフ
ォームA(シグマ社製)、20mM EDTA・二ナト
リウム、4mM 2−メルカプトエタノール及び25m
Mクエン酸三ナトリウム(pH7.0))15mlで満
たしておいた遠沈管に移し、激しく攪拌後、ポリトロン
・ホモジナイザーを用いて30秒菌体を破砕した。これ
を 9,000 r.p.m. ( 10,000 × g)、4℃で15分間遠
心分離した。上清を再び 9,000 r.p.m.( 10,000 ×
g)、4℃で15分間遠心分離した。上清7mlを、あ
らかじめ3mlの0.1M EDTA・二ナトリウムを
含む5.7M 塩化セシウム溶液を入れておいた超遠心
管(13PA;日立工機(株)社製)を静かに重層し、
3,000 r.p.m.( 4,000 × g )で15時間遠心した。
遠心分離後、沈殿を0.3ml の1 mM EDTA
・二ナトリウムを含む10mM トリス−塩酸緩衝液
( pH 8.0 )(以下、「TE」という。)に溶解した。
これに30μlの3M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液( p
H 5.2 )、及び 1 ml のエタノールを添加した。これ
を 14,500 r.p.m. ( 18,000 × g )、4℃で10分
間遠心分離し、沈殿に80%(v/v)エタノールを添
加し、再び、 14,500 r.p.m. ( 18,000 × g )、4
℃で5分間遠心分離した。沈殿を減圧乾燥後、40μl
のTEに溶解したものを全RNAとした。
【0101】2)プローブの調製 10 μgのプラスミド pSCA205 を100単位の制限
酵素 PvuII で37℃、3時間消化後、1%(w/v )ア
ガロース・ゲルで電気泳動し、0.49 kb の PvuII 断片
を切り出した。この断片を当業者に周知の方法により、
フェノール・クロロフォルム抽出し、エタノール沈殿
後、減圧乾燥した。このDNA断片 500 ng をニック・
トランスレーション・キット(アマシャム社製)によ
り、32P−dCTP(6000Ci/mmole)を用いて標識した。標
識後のPvuII 断片( 0.49 kb )を2回エタノール沈殿
し、未反応の32P−dCTPを除去した。この方法により調
製したプローブは、400 μl のTE緩衝液に溶解し、-2
0 ℃で保存した。
【0102】3)ノザン・ハイブリダイゼーション 調製した全RNA 10 μg をそれぞれ、0.92 M ホルム
アルデヒド、 8 mM 酢酸ナトリウム、1 mM EDTA を含む
20 mM MOPS (シグマ社製)緩衝液( pH 7.0)中、1.2
%(w/v) アガロース・ゲルで、100V、4時間電気泳
動した。電気泳動後、ゲルを0.1 M 酢酸アンモニ
ウムに浸して、穏やかに30分間振とうした。引き続い
て、1M 酢酸アンモニウムを含む50 mM トリス−塩酸
緩衝液(pH 8.0 )中でゲルを1時間振とう後、当業者
に周知の方法で、泳動した全RNAをナイロン・メンン
ブレンに転写した[マニアチスら(1982)「モレキュラ
ー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル」コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・ニュー
ヨーク、"Molecular Cloning-A Laboratory Manual" Co
ld Spring Harbor Laboratory, New York" 参照]。こ
れを80℃で減圧下、2時間焼きつけて、RNAをナイロ
ン・メンブレンに固定した。その後、ナイロン・メンブ
レンを50%(v/v)ホルムアミド、2.5 ×デンハルト溶液
a) 、100 μg/ml サケ精子DNA、0.1%(w/v) SDS
を含む 5 × SSPE b)30 ml に浸し、さらに、上記で調
製したP−450sca-2 の一部をコードする標識DNA
断片( 0.49 kb )を100 μl 添加して、42
℃、一晩反応させた。その後、ナイロン・メンブレンを
0.1%(w/v) SDSを含む 2×SSPE 中で、室温で5分間
2回洗浄し、さらに 0.1%(w/v)SDSを含む 1×SSPE
中で、55℃、15 分間洗浄した。ナイロン・メンブレンを
風乾後、イメージ・アナライザー BA 100 (富士フィル
ム社製)を用いて、P−450sca-2 遺伝子の約 1.8 k
b のmRNAの相対的な生成量を測定した。その際、ス
トレプトミセス・リビダンス TK21/pSCA205 株における
ML236−B・ナトリウム無添加の場合を1として、
他の場合を相対強度で示した。その結果を表2に示す。
【0103】
【表2】 P−450sca-2 遺伝子のmRNAの相対生成量 ──────────────────────────────────── ストレプトミセス・リビダンス株名 ML236−B・ナトリウム 無添加 添加 ──────────────────────────────────── TK21/ pSCA205 1.0 26 TK21/ pSCA310-△428 株 31 32 TK21/ pSCA310-△320 株 36 31 TK21/ pSCA310-△158 株 4.8 8.9 TK21/ pSCA310-△101 株 7.6 15 TK21/ pSCA310-△74 株 2.2 1.3 ──────────────────────────────────── a) 1×デンハルト溶液 ウシ血清アルブミン (シグマ社製) 0.2 g/l フィコール400 (ファルマシア社製) 0.2 g/l ポリビニルピロリドン (シグマ社製) 0.2 g/l b) 1 × SSPE 塩化ナトリウム 180 mM EDTA・二ナトリウム 0.1 mM リン酸二水素ナトリウム・ニ水和物 18.6 mM リン酸水素二ナトリウム・十二水和物 101 mM 5’上流非翻訳領域全長 1kb を有するストレプトミセ
ス・リビダンス TK21/pSCA205 株の場合は、プロモータ
ー活性はML−236B・ナトリウムに依存的だった
が、5’上流非翻訳領域を欠失させたストレプトミセス
・リビダンスTK21/ pSCA310-△428 株またはストレプト
ミセス・リビダンスTK21/ pSCA310-△320株の場合は、
P−450sca-2 遺伝子の転写は構成的となり、ML−
236B・ナトリウム非存在下でも、強い転写が確認さ
れた。
【0104】
【配列表】
配列番号: 1 配列の長さ: 428 配列の型: 核酸 鎖の数: 二本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: Genomic DNA ハイポセティカル: No アンチセンス: No 起源: 生物名: ストレプトミセス・カルボフィラス 株名: SANK 62585 (FERM BP−1
145) 配列: CAGCAGGACC AGGACGTCGC CGCGCAGTTC GCCGGTATCG GGGAGGTCGA CCTCGGAGAT 60 CTTCCCCAAC CGGCAGGCGT CGACCACGAG TTGGGCCCGG CTCGGCCACC TGCGGTAGAC 120 CGCCGCCTTT CCCGTGCGGG CCCGGACCGC CACCCGCTCC ATGGTGAGCG AGGCGTAACC 180 CACCTCGCCG AGCTCGTCCA AAGTCGCCAG CAGAATGGCG CTTTCCAGTT CCTCGCCGCG 240 ACGACGCGGG CCTTTGCGGT GGTCAAGGGG TGGTTCGGTG GCCGGTTCCG TGGCCGGTTC 300 GGCACTGTTG GGCACCCCTG CCTCCCGTGT CTGTCGCATA GGGGCCGTTG CGTTCTTCCG 360 GGTGGACAGC CTAGCCTCCA ACTTAGAGAA CAGTCCGTTC TTTAACGTCT GAGGTTTCGA 420 GGGTTTCG 428 配列番号: 2 配列の長さ: 22 配列の型: 核酸 鎖の数: 一本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: 他の核酸(Synthetic DNA ) ハイポセティカル: No アンチセンス: No 配列: GATCTAAGCT TGAATTCGCA TG 22 配列番号: 3 配列の長さ: 14 配列の型: 核酸 鎖の数: 一本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: 他の核酸(Synthetic DNA ) ハイポセティカル: No アンチセンス: No 配列: CGAATTCAAG CTTA 14
【0105】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のDNAを利用す
ることにより、宿主微生物に所望のポリペプチドを産生
させることが可能になった。さらに、放線菌ストレプト
ミセス・リビダンスTK21株にシトクロムP−450
sca-2 遺伝子を発現させることにより、高脂血症治療薬
プラバスタチンナトリウムを効率よく製造する微生物を
得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpSCA310−Δ428の構築図
【図2】プラスミドpSCA310−Δ320、pSC
A310−Δ158、pSCA310−Δ101、pS
CA310−Δ74の構築図
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // A61K 31/235 A61P 3/06 A61P 3/06 C12R 1:465 (C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:465) (C12N 9/02 C12R 1:465) (C12P 7/62 C12R 1:465) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写プロモーター活性を有し、配列表の配
    列番号1に示されるヌクレオチド配列の一部から成るD
    NAであって、少なくとも配列表の配列番号1に示され
    るヌクレオチド配列のヌクレオチド番号109から42
    8のヌクレオチドから成る配列を含み、基質誘導に従わ
    ないDNA。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス・カルボフィラスに属す
    る菌株の少なくともひとつで転写プロモーター活性を有
    する、請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】ストレプトミセス・リビダンスに属する菌
    株の少なくともひとつで転写プロモーター活性を有す
    る、請求項1記載のDNA。
  4. 【請求項4】配列表の配列番号1に示されるヌクレオチ
    ド配列に含まれる連続する配列を含むことから成り、該
    配列のヌクレオチド番号428のヌクレオチドを開始点
    として5’方向へ連続することを特徴とする請求項1乃
    のいずれかひとつに記載のDNA。
  5. 【請求項5】配列表の配列番号1に示されるヌクレオチ
    ド配列のヌクレオチド番号1から428のヌクレオチド
    から成る、請求項1記載のDNA。
  6. 【請求項6】配列表の配列番号1に示されるヌクレオチ
    ド配列のヌクレオチド番号109から428のヌクレオ
    チドから成る、請求項1記載のDNA。
  7. 【請求項7】ストレプトミセス・リビダンスSANK6
    2795株(FERM BP−5299)から得られ
    る、請求項1記載のDNA。
  8. 【請求項8】請求項1乃至のいずれかひとつに記載の
    DNA、および該DNAの制御下に所望のポリペプチド
    をコードするDNAを含むことから成り、宿主細胞内で
    該所望のポリペプチドを産生させることを特徴とする組
    換えDNAベクター。
  9. 【請求項9】請求項1乃至のいずれかひとつに記載の
    DNA、および該DNAの制御下にシトクロムP−45
    sca-2 をコードするDNAを含むことから成り、宿主
    細胞内でシトクロムP−450sca-2 を産生させること
    を特徴とする請求項記載の組換えDNAベクター。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の組換えDNA
    ベクターにより形質転換された宿主細胞。
  11. 【請求項11】放線菌であることを特徴とする、請求項
    10記載の宿主細胞。
  12. 【請求項12】組み換えベクターpSCA310−Δ4
    28を含む形質転換放線菌株ストレプトミセス・リビダ
    ンス SANK 62795(FERM BP−529
    9)。
  13. 【請求項13】請求項8または9に記載の組換えDNA
    ベクターにより形質転換された宿主細胞を、該ベクター
    中に含まれるDNAによりコードされた所望のポリペプ
    チドの産生が可能な条件下で培養して該所望のポリペプ
    チドを産生させ、次いで、該所望のポリペプチドを回収
    することを特徴とする、該所望のポリペプチドの製造方
    法。
  14. 【請求項14】請求項記載の組換えDNAベクターに
    より形質転換された放線菌ストレプトミセス・リビダン
    スTK21株を、該ベクター中に含まれるDNAにより
    コードされるシトクロムP−450sca-2 の産生が可能
    な条件下で、ML−236B・ナトリウムを含む培地中
    で培養し、該形質転換体が産生するシトクロムP−45
    sca-2 の触媒作用により該形質転換体細胞内において
    ML−236B・ナトリウムをプラバスタチン・ナトリ
    ウムに変換させ、次いで、該形質転換体細胞および/ま
    たは培地よりプラバスタチン・ナトリウムを回収するこ
    とを特徴とする、プラバスタチン・ナトリウムの製造方
    法。
  15. 【請求項15】形質転換された放線菌株がストレプトミ
    セス・リビダンス SANK 62795(FERM
    BP−5299)である、請求項14記載のプラバスタ
    チン・ナトリウムの製造方法。
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