JP3526233B2 - 回折光学素子及びそれを用いた光学系 - Google Patents

回折光学素子及びそれを用いた光学系

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JP3526233B2 JP09877499A JP9877499A JP3526233B2 JP 3526233 B2 JP3526233 B2 JP 3526233B2 JP 09877499 A JP09877499 A JP 09877499A JP 9877499 A JP9877499 A JP 9877499A JP 3526233 B2 JP3526233 B2 JP 3526233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は回折光学素子及びそれを
用いた光学系に関し、特に複数の波長、あるいは所定の
帯域の光が特定次数(設計次数)に集中するような格子
構造を有した回折光学素子及びそれを用いた光学系に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光学系の色収差を補正する方
法の1つとして、分散の異なる2つの材質の硝材(レン
ズ)を組み合わせる方法がある。
【0003】この従来の硝材の組み合わせにより色収差
を減じる方法に対して、レンズ面やあるいは光学系の1
部に回折作用を有する回折光学素子(以下回折格子とも
言う)を設けることで、色収差を減じる方法がSPIE
Vol.1354 International Lens Design Conference(1
990)等の文献や特開平4−213421号公報、特
開平6−324262号公報、USP5,044,70
6等により開示されている。
【0004】これは、光学系中の屈折面と回折面とで
は、ある基準波長の光線に対する色収差の出方が逆方向
に発現するという物理現象を利用したものである。さら
に、このような回折光学素子は、その周期的構造の周期
を変化させることで非球面レンズ的な効果をも持たせる
ことができ収差の低減に大きな効果がある。
【0005】ここで、屈折においては、1本の光線は屈
折後も1本の光線であるのに対し、回折においては、各
次数に光が分かれてしまう。そこで、レンズ系として回
折光学素子を用いる場合には、使用波長領域の光束が1
つの特定次数(以後設計次数とも言う)に集中するよう
に格子構造を決定する必要がある。特定の次数に光が集
中している場合では、それ以外の回折光の光線の強度は
低いものとなり、強度が0の場合にはその回折光は存在
しないものとなる。
【0006】そのため前記特長を、有用するためには使
用波長域全域において設計次数の光線の回折効率が十分
高いことが必要になる。また、設計次数以外の回折次数
をもった光線が存在する場合は、設計次数の光線とは別
な所に結像するため、フレア光となる。従って回折効果
を利用した光学系においては、設計次数での回折効率の
分光分布及び設計次数以外の光線の振る舞いについても
十分考慮する事が重要である。
【0007】図12に示すような回折光学素子101を
光学系のある面に形成した場合の、特定の回折次数に対
する回折効率の特性を図13に示す。以下、回折効率の
値は全透過光束に対する各回折光の光量の割合であり、
格子境界面での反射光などは説明が複雑になるので考慮
していない値になっている。
【0008】この図13で、横軸は波長をあらわし、縦
軸は回折効率を表している。この回折光学素子は、1次
の回折次数(図中実線)において、使用波長領域でもっ
とも回折効率が高くなるように設計されている。即ち設
計次数は1次となる。さらに、設計次数近傍の回折次数
(1次±1次の0次と2次)の回折効率も併せ並記して
おく。図13に示されるように、設計次数では回折効率
はある波長で最も高くなり(以下「設計波長」と言う)
それ以外の波長では序々に低くなる。
【0009】この設計次数での回折効率の低下分は、他
の次数の回折光となり、フレアとなる。また、回折光学
素子を複数個使用した場合には特に、設計波長以外の波
長での回折効率の低下は透過率の低下にもつながる。
【0010】この回折効率の低下を減少できる構成が特
開平9−127322号公報に開示されている。これは
図14に示すように3つの回折格子116,117,1
18を3種類の異なる材料と、3種類の異なる格子厚d
1,d2,d3を最適に選び、等しいピッチ分布で近接
して配置することで図15に示すように可視域全域で高
い回折効率を実現している。
【0011】また回折効率の低下を減少できる構成の回
折光学素子を本発明者は特開平10−133149号公
報に提案している。上記提案で提示された構成は図16
に示したように基板124に2つの回折格子126,1
27を2層に重ね合わされた積層断面形状をもつ。そし
て2層を構成する材質の屈折率、分散特性および各格子
厚を最適化することにより、高い回折効率を実現してい
る。
【0012】以上の回折光学素子はいずれも屈折光学系
と合成で使用することで色収差の補正などをおこなって
おり、回折光学素子単体では、補正されない構成となっ
ている。
【0013】これに対し、USP5,589,982に
開示された例では図18に示すように使用波長域で複数
の次数に高い回折効率を有し、図17に示すように各次
数のピーク波長(設計波長)での焦点位置が等しくなる
ような構成とすることで回折光学素子単体で色収差補正
をおこなっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】先の、USP5,58
9,982で提案されている回折光学素子は各次数の設
計波長での色収差は図17に示される光束として1点に
収束し、良好に補正されている。しかしながら図におけ
る波長570nmの光は9次と10次の2つの次数に回
折するため、図中で示す10次光とで示す9次光で結像
位置が異なり2重像のようになってくる。
【0015】また、特開平9−127322号公報や特
開平10−133149号公報に於いては、複数の回折
格子を近接して配置した構成をとっている。そして、少
なくとも2つの回折格子は2つの異なる材料で形成して
いる。
【0016】このため製造する点から、2つの材料は、
所望の光学特性を満足するほかに、密着性の良い材料、
熱膨張率の近い材料、加工性に優れたものを用いてい
る。
【0017】本発明は、2層又はそれ以上の多層を積層
した回折格子の各層(各回折格子部)を適切に構成する
ことにより高い回折効率を有すると共に容易に製造で
き、しかも高い回折効率が維持でき、フレアなどを有効
に抑制できる回折光学素子及びそれを用いた光学系の提
供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の回折光
学素子は、複数の回折格子を積層し、使用波長領域全域
で特定次数(設計次数)の回折効率を高くするようにし
た回折光学素子において、該複数の回折格子は互いに空
気層を挟んで対向するn個(nは2以上の整数)の回折
格子を有しており、該n個の回折格子は、それぞれ使用
波長領域で高い回折効率を有する複数の回折次数が存在
し、該n個の回折格子を光の入射側より順に第i(i=
1〜n)回折格子とし、該第1回折格子の前記複数の回
折次数の各回折次数で最も回折効率が高くなる波長を
それぞれλm1(m1は回折次数)、該第2回折格子の
前記複数の回折次数の各回折次数で最も回折効率が高く
なる波長をそれぞれλm2(m2は回折次数)、該第
i回折格子の前記複数の回折次数の各回折次数で最も回
折効率が高くなる波長をそれぞれλmi(miは回折
次数)としたとき、各回折格子の波長λm1,λm
2,…λmiのグループは同じ数の波長を持ち、グル
ープに含まれる複数の波長は、 λm1≒λm2≒‥‥‥λmi とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
構成され、かつ実質的に等しいとみなせる波長に対応し
各回折格子の回折次数は、 m1+m2+‥‥‥mi=C(Cは定数) を前記使用波長領域で満足していることを特徴としてい
る。
【0019】請求項2の発明の回折光学素子は、複数の
回折格子を積層し、使用波長領域全域で特定次数(設計
次数)の回折効率を高くするようにした回折光学素子に
おいて、該複数の回折格子は互いに空気層を挟んで対向
するn個(nは2以上の整数)の回折格子を有してお
り、該n個の回折格子は、それぞれ複数の回折次数が存
在し、該n個の回折格子を光の入射側より順に第i(i
=1〜n)回折格子とし、該第1回折格子の前記複数の
回折次数の各回折次数で最も回折効率が高くなる波長
それぞれλm1(m1は回折次数)、該第2回折格子
の前記複数の回折次数の各回折次数で最も回折効率が高
くなる波長をそれぞれλm2(m2は回折次数)、該
第i回折格子の前記複数の回折次数の各回折次数で最も
回折効率が高くなる波長をそれぞれλmi(miは回
折次数)としたとき、各回折格子の波長λm1,λm
2,…λmiのグループ同じ数の波長を持ち、グルー
プに含まれる複数の波長は、 λm1≒λm2≒‥‥‥λmi とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
構成され、かつ実質的に等しいとみなせる波長に対応し
各回折格子の回折次数は、 m1+m2+‥‥‥mi=C(Cは定数) を前記使用波長域で満足しており、該回折格子のうち設
計波長λ0での入射側の材質の屈折率をn011,射出
側の材質の屈折率をn021、格子厚をd、回折次数を
mとしたとき (n011−n021)d=m・λ0 を満足していることを特徴としている。
【0020】請求項3の発明は請求項1又は2の発明に
おいて、前記複数の回折格子のうち2つの回折格子は、
互いに分散の異なる材質から構成されることを特徴とし
ている。
【0021】請求項4の発明は請求項1,2又は3の発
明において、前記複数の回折格子のうち2つの回折格子
は、各回折格子の非格子領域で接合されることを特徴と
している。
【0022】請求項5の発明は請求項1から4のいずれ
か1項の発明において、前記複数の回折格子のうち2つ
の回折格子は各回折格子の非格子領域の格子高さ方向の
相対間隔を規制する規制部を有していることを特徴とし
ている。
【0023】請求項6の発明は請求項1から5のいずれ
か1項の発明において、前記積層される複数の回折格子
の格子形状は格子の向きが異なる回折格子が少なくとも
一つ以上含まれることを特徴している。
【0024】請求項7の発明の回折光学素子は、複数の
回折格子を積層し、使用波長領域全域で特定次数(設計
次数)の回折効率を高くするようにした回折光学素子に
おいて、該複数の回折格子は空気層を挟んで第1,第2
の回折格子を有しており、該2個の回折格子は、それぞ
れ使用波長領域で高い回折効率を有する複数の回折次数
が存在し、該第1回折格子の前記複数の回折次数の各回
折次数で最も回折効率が高くなる波長をそれぞれλm
(mは回折次数)、該第2回折格子の前記複数の回折次
数の各回折次数で最も回折効率が高くなる波長をそれ
ぞれλm′(m′は回折次数)としたとき各回折格子
の波長λm,λm′のグループは同じ数の波長を持ち、
グループに含まれる複数の波長は、 λm≒λm′ とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
構成され、かつ m+m′=C(Cは定数) を前記使用波長域で満足していることを特徴としてい
る。
【0025】請求項8の発明の回折光学素子は、複数の
回折格子を積層し、使用波長領域全域で特定次数(設計
次数)の回折効率を高くするようにした回折光学素子に
おいて、該複数の回折格子は空気層を挟んで第1,第2
回折格子を有しており、該2個の回折格子は、それぞれ
複数の回折次数が存在し、該第1回折格子の前記複数の
回折次数の各回折次数で最も回折効率が高くなる波長
それぞれλm(mは回折次数)、該第2回折格子の前
記複数の回折次数の各回折次数で最も回折効率が高くな
波長をそれぞれλm′(m′は回折次数)としたと
き各回折格子の波長λm,λm′のグループは同じ数
の波長を持ち、グループに含まれる複数の波長は、 λm≒λm′ とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
構成され、波長λmと波長λm′とが実質的に等しく、
かつ m+m′=C(Cは定数) を前記使用波長域で満足しており、該回折格子のうち設
計波長λ0での入射側の材質の屈折率をn011、射出
側の材質の屈折率をn021、格子厚をd、回折次数を
mとしたとき (n011−n021)d=m・λ0 を満足していることを特徴としている。
【0026】請求項9の発明は請求項7又は8の発明に
おいて、前記第1,第2の2つの回折格子は、互いに分
散の異なる材質から構成されることを特徴としている。
【0027】請求項10の発明は請求項7,8又は9の
発明において、前記第1,第2の2つの回折格子は各回
折格子の非格子領域で接合されることを特徴としてい
る。
【0028】請求項11の発明は請求項7から10のい
ずれか1項において、前記第1,第2の2つの回折格子
は各回折格子の非格子領域の格子高さ方向の相対間隔を
規制する規制部を有していることを特徴としている。
【0029】請求項12の発明は請求項7から11のい
ずれか1項において、前記積層される複数の回折格子の
格子形状は格子の向きが異なる回折格子が少なくとも一
つ以上含まれることを特徴としている。
【0030】請求項13の発明は、請求項1〜12のい
ずれか1項の発明において、複数の回折格子のうち、少
なくとも2つの回折格子は非格子領域で接合しているこ
とを特徴としている。
【0031】請求項14の発明は請求項13の発明にお
いて、前記2つの回折格子は各回折格子の非格子領域の
格子高さ方向の相対間隔を規制する規制部を有している
ことを特徴としている。
【0032】請求項15の発明は請求項1から14のい
ずれか1項の発明において、前記使用波長域が、可視光
域であることを特徴としている。
【0033】請求項16の発明は請求項1から15のい
ずれか1項の発明において、前記第1の回折格子及び、
第2の回折格子の少なくとも一方が、回折格子部を形成
する材質と基板が同材質であることを特徴としている。
【0034】請求項17の発明の光学系は、請求項1か
ら16のいずれか1項記載の回折光学素子を用いたこと
を特徴としている。
【0035】請求項18の発明の光学系は、結像光学系
であることを特徴としている。
【0036】請求項19の発明の光学系は、観察光学系
であることを特徴としている。
【0037】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は本発明の実
施形態1の回折光学素子の正面図及び側面図である。回
折光学素子1は第1の回折光学素子(回折格子)2と第
2の回折光学素子(回折格子)3が近接配置した構成と
なっている。
【0038】図2は図1の回折光学素子を図中A−A′
断面で切断した断面形状の一部の概略図である。図2は
回折格子6,7の格子深さ方向にかなりデフォルメされ
た図となっている。
【0039】本実施形態の回折光学素子1の断面格子形
状は、基板4の表面に回折格子6が作成された第1の回
折光学素子2と基板5の表面に回折格子7が作成された
第2の回折光学素子3とが空気8を介して近接配置した
構成となっている。そして全層を通して一つの回折光学
素子としての光学作用をすることを特徴としている。
【0040】同図は2つの回折格子6,7を積層してい
るが空気層を挟んでn層(nは2以上の整数)積層して
も良い。以下、2層を例にとり説明する。
【0041】次に本発明の回折光学素子の回折効率につ
いて説明する。図12に示すような1層の透過型の回折
格子104で、設計波長λ0で回折効率が最大となる条
件は、光束が格子に対して垂直入射した場合は、回折格
子104の山と谷の光学光路長差が波長の整数倍になれ
ばよく (n011−n021)d=mλ0 ‥‥‥(1) となる。ここでn011は波長λ0での入射側の材質の
屈折率、n021は波長λ0での射出側の材質(図では
空気)の屈折率である。dは格子厚、mは回折次数であ
る。
【0042】本発明における複数の回折次数を有する回
折光学素子でも、基本は同様で、(1)式を満足する回
折次数と設計波長が複数存在することになる。
【0043】そこで、複数の次数mでの設計波長をλm
とすると、本実施形態の構成では、第1の回折光学素子
2の設計波長のグループをλm、第2の回折光学素子3
の設計波長のグループをλm′としたとき、2つの回折
光学素子2,3の設計波長λm,λm′が実質的に等し
い波長となり、且つ等しい設計波長の回折次数mとm′
が m+m′=は整数) ‥‥‥(2) を満足するように2つの回折光学素子2,3が選択され
る。
【0044】そして、空気層を挟んで近接して配置され
た第1の回折光学素子2と第2の回折光学素子3を合成
してなる回折光学素子1は、回折次数cで高い回折効率
を有することとなる。
【0045】以下に具体的な例を引用し説明する。まず
第1の回折光学素子2として以下の構成をとる。格子部
を形成する材質は大日本インキ化学工業(株)製の紫外
線硬化樹脂(商品名)C001(nd=1.524、νd=50.
8)、格子厚d1は9.5μmとする。
【0046】図12に示した回折光学素子を同じ材料で
構成した場合、設計次数が1次だと格子厚が約1μm程
度であったのに比べてかなり格子厚は深くなっているこ
とになる。
【0047】使用波長域として可視域を考え、図3に可
視域での上記第1の回折光学素子2の回折効率を示す。
波長400nmから波長700nmの可視域に於いて7
次から13次の回折次数が存在していることが判る。こ
の次数の中で回折効率が最大となる設計波長λm(mは
回折次数)を有するのは、8次から12次の回折次数と
なり、グラフから各設計波長の値は回折次数の小さな方
から順に、λ8=621nm,λ9=555nm,λ10=
504nm,λ11=460nm,λ12=427nmとな
る。
【0048】ここで回折方向を図2中で0次回折光から
左寄りに回折するのを正の回折次数とする。また格子厚
も図中左から右に格子厚が減少する第1の回折光学素子
3の格子形状の場合が正となり、逆に左から右に格子厚
が増加する第2の回折光学素子3の格子形状の場合が負
となる。
【0049】同様に第2の回折光学素子3として以下の
構成をとる。格子部を形成する材質は紫外線硬化樹脂2
(nd=1.635、νd=23.0)、格子厚d2は−6.9μmと
する。
【0050】図4に第2の回折光学素子3の可視域での
回折効率を示す。この場合は−6次から−12次の回折
次数が存在していることが判る。回折効率が最大となる
設計波長λm′(m′は回折次数)を有するのは、−7
次から−11次の回折次数となり、図から各設計波長の
値は回折次数の小さな方から順に、λ-7=624nm,
λ-8=554nm,λ-9=501m,λ-10=460n
m,λ-11=428nmとなる。
【0051】ここで、第1の回折光学素子の設計波長の
グループλmと第2の回折光学素子の設計波長のグルー
プλm′を比較してみる。2つの回折格子の設計波長は
ほぼ等しい波長となっている。
【0052】以下本発明においては、2つの設計波長の
差が10nm未満の場合、2つの設計波長は実質的に等
しいとする。
【0053】例えば、第1の回折光学素子2の8次の設
計波長621nmと、第2の回折光学素子3の−7次の
設計波長624nmは差が3nmであるので、本発明で
は、2つの波長は実質的に等しい(621nm≒624
nm)設計波長であるとする。
【0054】このようにすると前述の2つの回折光学素
子は、第1の回折光学素子の8次と第2の回折光学素子
の−7次の他に、第1の回折光学素子の9次と第2の回
折光学素子の−8次、10次と−9次、11次と−10
次、12次と−11次が等しい設計波長であると見做さ
れる。
【0055】次に第1の回折光学素子の設計波長λmと
第2の回折光学素子の設計波長λm′で等しい設計波長
と見做された設計波長の次数の和を求めてみる。第1の
回折光学素子の8次と第2の回折光学素子の−7次が等
しい設計波長なので、この場合の設計次数の和は m+m′=8+(−7)=1 となる。
【0056】他の等しい設計波長の次数の和も同様に求
めると m+m′=9+(−8)=1 m+m′=10+(−9)=1 m+m′=11+(−10)=1 m+m′=12+(−11)=1 と常に一定の値c=1を示すことになる。
【0057】次に、上述したような2つの回折光学素子
を近接して配置することで得られる合成された回折光学
素子の特性について調べてみる。図5にc次回折光及び
近傍の回折次数c±1次の可視域での回折効率を示す。
上記構成では、c=1のため1次回折光及び近傍の0次
2次の回折効率を表す図になっている。
【0058】図からわかるように1次回折光が可視域全
域で高い回折効率を維持していることがわかる。また、
0次及び2次回折光は図12の従来例に比べて大幅に低
減されていることがわかる。
【0059】以上述べたように複数の設計次数で高い回
折効率を有する回折光学素子を用い、2つの回折光学素
子の回折次数と各設計波長を最適に選ぶことで、近接し
て合成した回折光学素子の特定次数での回折効率を高く
維持できることができる。
【0060】また本発明の回折光学素子は、第1の回折
光学素子と第2の回折光学素子が空気を介して近接して
いる。そのため従来に比べて格子厚は厚くなっている
が、各々の回折光学素子を従来と同じ製造方法で作るこ
とができ、前述した製造上の問題は大幅に改善される。
【0061】以上の説明は、1次元の回折光学素子につ
いて行ったが、図6に示すように中心から周辺にいくに
従って格子ピッチが変化する回折光学レンズへ応用でき
る。
【0062】また、本実施形態の説明では平板上に回折
格子部を設けた素子であるが、各基板形状は図7に示す
ように任意のレンズ形状であってもよいし、格子面が曲
面であっても同様の効果が得られる。
【0063】また本実施形態では、各回折光学素子の使
用波長域での回折次数は複数存在すればよく特に使用次
数に限定するものではない。また2つの回折光学素子の
実質的に等しい設計波長の回折次数の和も上記実施例の
c=1に限定するものではない。
【0064】尚、本発明の回折光学素子を構成する複数
の回折格子は、該複数の回折格子は互いに空気層を挟ん
で対向するn個(nは2以上の整数)の回折格子を有し
ており、該n個の回折格子は、それぞれ使用波長領域で
高い回折効率を有する複数の回折次数が存在し、該n個
の回折格子を光の入射側より順に第i(i=1〜n)回
折格子とし、該第1回折格子の前記複数の回折次数の各
回折次数で最も回折効率が高くなる波長をλm1(m1
は回折次数)、該第2回折格子の前記複数の回折次数の
各回折次数で最も回折効率が高くなる波長をλm2(m
2は回折次数)、該第i回折格子の前記複数の回折次数
の各回折次数で最も回折効率が高くなる波長をλmi
(miは回折次数)としたとき、各回折格子の波長のグ
ループλm,λm2,λmiは同じ波長数を持ち、グル
ープに含まれる波長は、 λm1≒λm2≒‥‥‥λmi とみなせる波長から構成され、かつ前記実質的に等しい
波長を所有する各回折格子の回折次数は、 m1+m2+‥‥‥mi=C(Cは定数) を前記回折効率が高くなる全ての波長で満足していれば
良い、 (実施形態2)次に本発明の回折光学素子の実施形態2
について説明する。前記実施形態では、2つの回折光学
素子を近接して配置する構成となっていた。ここで2つ
の回折光学素子の相対的な位置はかなり精度良く合せら
れる必要がある。
【0065】そこで、本実施形態では図8に示すように
回折光学素子の格子が存在しない非格子部で2つの回折
光学素子2,3を接着部16で接着する構成をとってい
る。
【0066】このような構成にすることで、接着までを
クリーンルームなどのゴミの少ない環境で組み立てれ
ば、格子面にゴミの付着は大幅に低減できる。また接着
後は格子面に触れることはなくなるので、本実施形態の
回折光学素子1を他の光学系に組込む際の作業性につい
ても大幅に改善される。
【0067】(実施形態3)次に本発明の回折光学素子
の実施形態3について説明する。前記回折光学素子は、
2つの回折格子を近接して配置する構成となっている。
実施形態2において2つの格子間の相対位置は3次元的
に誤差を生じる場合がある。そのため接着前の位置合わ
せが重要になっている。
【0068】そこで実施形態3では図9に示すように非
格子領域に格子高さ方向の間隔を規制する箇所(規制
部)17を設けることで、格子深さ方向の相対間隔を精
度良く出している。
【0069】このような構成により格子の位置合せは図
中xy方向のみの位置合わせを行うことになり作業性は
大幅に改善される。また、位置合わせ中に格子同士が干
渉し格子先端が変形するなどの問題もなくなる。
【0070】なお、本実施形態の格子高さ規制箇所17
は格子部を作成するときに格子と同じ材料で一体に製造
すれば、精度、コストともに好ましい。
【0071】(実施形態4)次に本発明の回折光学素子
の実施形態4について説明する。前記回折光学素子は基
板と回折格子面を形成する材料が異なっていたがこれに
限定するものではなく、格子面を形成する材料を基板と
同じ材料で構成し基板と一体で製造してもよい。このよ
うな構成にすることで、基板外径と格子中心の位置が精
度良くあわせられる。或いは基板がレンズ形状を有する
場合は、基板レンズの芯と格子中心を良好に合せること
が可能になる。
【0072】従って、本発明の回折光学素子を他のレン
ズに組込む際の光軸合せ精度が向上し、回折光学素子が
偏心することによって生じる結像性能等の収差の劣化は
大幅に低減することができる。
【0073】(実施形態5)図10は本発明の回折光学
素子を用いた光学系の実施形態5の要部概略図である。
図10はカメラ等に用いる撮影光学系の断面を示したも
のであり、同図中、9は撮影レンズで、内部に絞り10
と回折光学素子1を持つ。11は結像面であるフィルム
またはCCDである。
【0074】回折光学素子1を用いることで、回折効率
の波長依存性は大幅に改善されているので、フレアが少
なく低周波数での解像力も高い高性能な撮影レンズが得
られる。また回折光学素子1は、簡単な製法で作成でき
るので、撮影光学系としては量産性に優れた安価な光学
系を提供できる。
【0075】図10では絞り10近傍の平板ガラス面に
回折光学素子1を設けたが、これに限定するものではな
く、レンズ曲面表面に設けても良いし、撮影レンズ内に
複数、回折光学素子を使用しても良い。
【0076】また、本実施形態では、カメラの撮影レン
ズの場合を示したが、これに限定するものではなく、ビ
デオカメラの撮影レンズ、事務機のイメージスキャナー
や、デジタル複写機のリーダーレンズなど広波長域で使
用される結像光学系に使用しても同様の効果が得られ
る。
【0077】(実施形態6)図11は本発明の回折光学
素子を用いた光学系の実施形態6の要部概略図である。
図11は、双眼鏡等観察光学系の断面を示したものであ
り、同図中、12は対物レンズ、13は像を成立させる
ためのプリズム、14は接眼レンズ、15は評価面(瞳
面)である。図中、1は回折光学素子である。回折光学
素子1は対物レンズ12の結像面11での色収差等を補
正する目的で形成されている。
【0078】回折光学素子を用いることで、回折効率の
波長依存性は大幅に改善されているので、フレアが少な
く低周波数での解像力も高い高性能な光学系が得られ
る。また回折光学素子は、簡単な製法で作成できるの
で、観察光学系としては量産性に優れた安価な光学系を
提供できる。
【0079】本実施形態では、対物レンズ12の近傍に
回折光学素子1を形成した場合を示したが、これに限定
するものではなく、プリズム表面や接眼レンズ内の位置
であっても同様の効果が得られる。しかしながら、結像
面より物体側に設けることで対物レンズのみでの色収差
低減効果があるため、肉眼の観察系の場合すくなくとも
対物レンズ側に設けることが望ましい。
【0080】また本実施形態では、双眼鏡の場合を示し
たが、これに限定するものではなく地上望遠鏡や天体観
測用望遠鏡などであってもよく、またレンズシャッター
カメラやビデオカメラなどの光学式のファインダーであ
っても同様の効果が得られる。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、2層又は
それ以上の多層を積層した回折格子の各層(各回折格子
部)を適切に構成することにより高い回折効率を有する
と共に容易に製造でき、しかも高い回折効率が維持で
き、フレアなどを有効に抑制できる回折光学素子及びそ
れを用いた光学系を達成することができる。
【0082】特に、 (ア-1)広い波長域で用いられ、使用波長域で複数の回
折次数で高い回折効率を有する回折光学素子に於いて、
各回折次数で最も回折効率が高くなる波長をλm(mは
回折次数)とする第1の回折格子と各回折次数で最も回
折効率が高くなる波長をλm′(m′は回折次数)とす
る第2の回折格子を有し、前記第1の回折格子の波長λ
mと第2の回折格子の波長λm′が実質的に等しい波長
となり、且つ等しい波長での回折次数mとm′が m+m′=c(cは定数) を満足する2つの回折格子を近接して配置したことによ
り、2つの回折格子が合成された回折光学素子としては
回折次数c次で高い回折効率が維持でき、光学系に組み
込んだ場合も、フレア等を有効に抑制できる光学系が提
供できる。
【0083】(ア-2)2つの回折格子は各回折格子部の
非格子領域で接合されることにより、回折光学素子の取
扱い性が大幅に改善され、また回折格子部へのゴミの付
着のない良好な回折光学素子を提供できる。
【0084】(ア-3)非格子領域の格子高さ規制部を設
けることにより、2つの回折格子の位置合わせが格子輪
帯方向のみの合せとなるので、作業性が改善される。さ
らに、位置合わせ中に回折格子同士が干渉し、格子先端
部が変形するなどの事故は大幅に低減される。
【0085】(ア-4)基板と回折格子の回折格子部を形
成する材料を同一とし、基板と回折格子を一体で作成す
るような構成とすることにより、基板外径と格子中心の
位置精度や、基板がレンズの場合は、基板レンズの芯と
格子中心を精度良く合せられるので、上記偏心による結
像性能の劣化は大幅に低減でき、性能の良いレンズ系を
提供できる。
【0086】(ア-5)回折光学素子を撮影レンズに使用
すれば、安価で高精度な撮影レンズを提供できる。
【0087】(ア-6)回折光学素子を観察光学系に使用
すれば、安価で高精度な観察光学系を提供できる。等の
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の1次元回折格子の説明図
【図2】本発明の実施形態1の断面回折格子形状
【図3】本発明の実施形態1の第1の回折格子の回折効
率の概略図
【図4】本発明の実施形態1の第2の回折格子の回折効
率の概略図
【図5】本発明の実施形態1の合成された回折光学素子
の回折効率の概略図
【図6】本発明の実施形態1の回折光学素子を適用した
回折光学レンズの説明図
【図7】本発明の実施形態1の他の回折光学レンズの説
明図
【図8】本発明の実施形態2の回折光学素子の概略図
【図9】本発明の実施形態3の回折光学素子の概略図
【図10】本発明の実施形態5の撮影光学系の説明図
【図11】本発明の実施形態6の観察光学系の説明図
【図12】従来例の格子形状(三角波形状)の概略図
【図13】従来例の回折効率の概略図
【図14】従来例の積層型回折光学素子の断面形状の概
略図
【図15】従来例の積層型回折光学素子の回折効率の概
略図
【図16】従来例の積層型回折光学素子の断面形状の概
略図
【図17】従来例の回折光学素子の結像性能説明図の概
略図
【図18】従来例の回折光学素子の回折効率の概略図
【符号の説明】
1 回折光学素子 2 素子基板 3 回折格子部 4 第1層の領域 5 第2層の領域 6 第1の回折格子部 7 第2の回折格子部 8 格子エッジ部 9 屈折レンズ 10 絞り 11 結像面 12 対物レンズ 13 プリズム 14 接眼レンズ 15 評価面(瞳面) 16 接着部 17 格子高さ規制部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−84118(JP,A) 特開 平11−64616(JP,A) 特開 平11−44808(JP,A) 特開 平2−143201(JP,A) 特開 平10−160916(JP,A) 特開 平6−194509(JP,A) 特開 平9−325203(JP,A) 特開 平11−44810(JP,A) 特開 平9−189892(JP,A) 特開 平11−223717(JP,A) 特開 平11−160512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/18 G02B 27/42

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の回折格子を積層し、使用波長領域
    全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くするよう
    にした回折光学素子において、該複数の回折格子は互い
    に空気層を挟んで対向するn個(nは2以上の整数)の
    回折格子を有しており、該n個の回折格子は、それぞれ
    使用波長領域で高い回折効率を有する複数の回折次数が
    存在し、該n個の回折格子を光の入射側より順に第i
    (i=1〜n)回折格子とし、該第1回折格子の前記複
    数の回折次数の各回折次数で最も回折効率が高くなる
    波長をそれぞれλm1(m1は回折次数)、該第2回折
    格子の前記複数の回折次数の各回折次数で最も回折効率
    が高くなる波長をそれぞれλm2(m2は回折次
    数)、該第i回折格子の前記複数の回折次数の各回折次
    数で最も回折効率が高くなる波長をそれぞれλmi
    (miは回折次数)としたとき、各回折格子の波長λ
    m1,λm2,…λmiのグループは同じ数の波長を持
    ち、グループに含まれる複数の波長は、 λm1≒λm2≒‥‥‥λmi とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
    構成され、かつ実質的に等しいとみなせる波長に対応し
    各回折格子の回折次数は、 m1+m2+‥‥‥mi=C(Cは定数) を前記使用波長領域で満足していることを特徴とする回
    折光学素子。
  2. 【請求項2】 複数の回折格子を積層し、使用波長領域
    全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くするよう
    にした回折光学素子において、該複数の回折格子は互い
    に空気層を挟んで対向するn個(nは2以上の整数)の
    回折格子を有しており、該n個の回折格子は、それぞれ
    複数の回折次数が存在し、該n個の回折格子を光の入射
    側より順に第i(i=1〜n)回折格子とし、該第1回
    折格子の前記複数の回折次数の各回折次数で最も回折効
    率が高くなる波長をそれぞれλm1(m1は回折次
    数)、該第2回折格子の前記複数の回折次数の各回折次
    数で最も回折効率が高くなる波長をそれぞれλm2
    (m2は回折次数)、該第i回折格子の前記複数の回折
    次数の各回折次数で最も回折効率が高くなる波長を
    れぞれλmi(miは回折次数)としたとき、各回折格
    の波長λm1,λm2,…λmiのグループ同じ数
    の波長を持ち、グループに含まれる複数の波長は、 λm1≒λm2≒‥‥‥λmi とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
    構成され、かつ実質的に等しいとみなせる波長に対応し
    各回折格子の回折次数は、 m1+m2+‥‥‥mi=C(Cは定数) を前記使用波長域で満足しており、該回折格子のうち設
    計波長λ0での入射側の材質の屈折率をn011,射出
    側の材質の屈折率をn021、格子厚をd、回折次数を
    mとしたとき (n011−n021)d=m・λ0 を満足していることを特徴とする回折光学素子。
  3. 【請求項3】 前記複数の回折格子のうち2つの回折格
    子は、互いに分散の異なる材質から構成されることを特
    徴とする請求項1又は2の回折光学素子。
  4. 【請求項4】 前記複数の回折格子のうち2つの回折格
    子は、各回折格子の非格子領域で接合されることを特徴
    とする請求項1,2又は3の回折光学素子。
  5. 【請求項5】 前記複数の回折格子のうち2つの回折格
    子は各回折格子の非格子領域の格子高さ方向の相対間隔
    を規制する規制部を有していることを特徴とする請求項
    1から4いずれか1項の回折光学素子。
  6. 【請求項6】 前記積層される複数の回折格子の格子形
    状は格子の向きが異なる回折格子が少なくとも一つ以上
    含まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1
    項の回折光学素子。
  7. 【請求項7】 複数の回折格子を積層し、使用波長領域
    全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くするよう
    にした回折光学素子において、該複数の回折格子は空気
    層を挟んで第1,第2の回折格子を有しており、該2個
    の回折格子は、それぞれ使用波長領域で高い回折効率を
    有する複数の回折次数が存在し、該第1回折格子の前記
    複数の回折次数の各回折次数で最も回折効率が高くなる
    波長をそれぞれλm(mは回折次数)、該第2回折格
    子の前記複数の回折次数の各回折次数で最も回折効率が
    高くなる波長をそれぞれλm′(m′は回折次数)と
    したとき各回折格子の波長λm,λm′のグループは
    同じ数の波長を持ち、グループに含まれる複数の波長
    は、 λm≒λm′ とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
    構成され、かつ m+m′=C(Cは定数) を前記使用波長域で満足していることを特徴とする回折
    光学素子。
  8. 【請求項8】 複数の回折格子を積層し、使用波長領域
    全域で特定次数(設計次数)の回折効率を高くするよう
    にした回折光学素子において、該複数の回折格子は空気
    層を挟んで第1,第2回折格子を有しており、該2個の
    回折格子は、それぞれ複数の回折次数が存在し、該第1
    回折格子の前記複数の回折次数の各回折次数で最も回折
    効率が高くなる波長をそれぞれλm(mは回折次
    数)、該第2回折格子の前記複数の回折次数の各回折次
    数で最も回折効率が高くなる波長をそれぞれλm′
    (m′は回折次数)としたとき各回折格子の波長λ
    m,λm′のグループは同じ数の波長を持ち、グルー
    プに含まれる複数の波長は、 λm≒λm′ とみなせる前記複数の回折次数に対応した数の波長から
    構成され、波長λmと波長λm′とが実質的に等しく、
    かつ m+m′=C(Cは定数) を前記使用波長域で満足しており、該回折格子のうち設
    計波長λ0での入射側の材質の屈折率をn011、射出
    側の材質の屈折率をn021、格子厚をd、回折次数を
    mとしたとき (n011−n021)d=m・λ0 を満足していることを特徴とする回折光学素子。
  9. 【請求項9】 前記第1,第2の2つの回折格子は、互
    いに分散の異なる材質から構成されることを特徴とする
    請求項7又は8の回折光学素子。
  10. 【請求項10】 前記第1,第2の2つの回折格子は各
    回折格子の非格子領域で接合されることを特徴とする請
    求項7,8又は9の回折光学素子。
  11. 【請求項11】 前記第1,第2の2つの回折格子は各
    回折格子の非格子領域の格子高さ方向の相対間隔を規制
    する規制部を有していることを特徴とする請求項7から
    10のいずれか1項の回折光学素子。
  12. 【請求項12】 前記積層される複数の回折格子の格子
    形状は格子の向きが異なる回折格子が少なくとも一つ以
    上含まれることを特徴とする請求項7から11のいずれ
    か1項の回折光学素子。
  13. 【請求項13】 前記複数の回折格子のうち、少なくと
    も2つの回折格子は非格子領域で接合していることを特
    徴とする請求項1から12のいずれか1項の回折光学素
    子。
  14. 【請求項14】 前記2つの回折格子は各回折格子の非
    格子領域の格子高さ方向の相対間隔を規制する規制部を
    有していることを特徴とする請求項13の回折光学素
    子。
  15. 【請求項15】 前記使用波長域が、可視光域であるこ
    とを特徴とする請求項1から14のいずれか1項の回折
    光学素子。
  16. 【請求項16】 前記第1の回折格子及び、第2の回折
    格子の少なくとも一方が、回折格子部を形成する材質と
    基板が同材質であることを特徴とする請求項1から15
    のいずれか1項の回折光学素子。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1項記載の
    回折光学素子を用いたことを特徴とする光学系。
  18. 【請求項18】 前記光学系は、結像光学系であること
    を特徴とする請求項17の光学系。
  19. 【請求項19】 前記光学系は、観察光学系であること
    を特徴とする請求項17の光学系。
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