JP3526165B2 - 光加工機及びそれを用いたオリフィスプレートの製造方法 - Google Patents

光加工機及びそれを用いたオリフィスプレートの製造方法

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JP3526165B2
JP3526165B2 JP07069097A JP7069097A JP3526165B2 JP 3526165 B2 JP3526165 B2 JP 3526165B2 JP 07069097 A JP07069097 A JP 07069097A JP 7069097 A JP7069097 A JP 7069097A JP 3526165 B2 JP3526165 B2 JP 3526165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光加工機及びそれを
用いたオリフィスプレートの製造方法に関し、特にコヒ
ーレント光を線状光束として加工物に照射し、該加工物
に例えば複数の開口を配列した周期構造のパターンを微
細加工し、インクジェット方式のプリンタに使用するオ
リフィスプレートを製造する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザ等からのコヒーレント光
を利用した光加工は、他の化学反応応用加工や機械的加
工等とともに広い分野で利用されている。特に、近年の
技術革新により、材料、光学技術、生産技術等の要件が
整い、微細加工の分野でコヒーレント光を利用した光加
工法が盛んに用いられるようになってきた。
【0003】光加工機として、オリフィスプレートの作
製をマスク投影方式を利用したレーザ加工にて行う光加
工機が種々と提案されている。この光加工機で用いられ
ている照明光学系(照明装置)ではマスクを均一に照明
する為に全体がケーラー照明を用いたものが提案されて
いる。また線状光束でマスクを照明する為にマスクの長
手方向にケーラー照明系を構成し、幅方向にクリティカ
ル照明系を構成した照明光学系も種々と提案されてい
る。特にこの照明光学系において、幅方向の照明領域を
拡大する為の光学素子を光路中に配置した光加工機が、
例えば特開平8−240787号公報で提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の線状光束を用い
た照明光学系では、マスク面上に形成された線状のマス
クパターンの長手方向(第1平面)にケーラー照明を形
成する為に光束を分割する素子、或いは光源像を形成す
るシリンドリカルレンズが光路中に配置されている。一
方、長手方向と直交する幅方向(第2平面)には光学作
用を行う素子は特に配置されていない構成であった。こ
の照明光学系では光源像を投影レンズに送る凸レンズの
後側焦点に配置されたマスクに対し、幅方向では光束が
焦点を結ぶような構成になっている。マスク面では幅方
向の強度分布はそのためガウス型、ベッセル型となり、
この分布関数の大きさで加工できる範囲が制約されてい
る。
【0005】又、同時に加工部分の形状にこの分布関数
のプロフィールが反映されてくる。又、長手方向に関し
てもマスク面での長手方向のむらは、この方向に光束を
どれだけ多く分割できるかに依存している。この為、光
束を分割する為の光学素子の形状をどうしても小さくし
て多くの光束に分割する必要があった。
【0006】又、被照射面の照明領域の位置を変えて光
加工する方法として、レーザ光をミラーやプリズム等の
偏向手段で偏向させて被照射面を照明する方法がある。
このときのレーザ光の偏向は光源像が形成される位置近
傍に偏向手段を配置して、該偏向手段を駆動させて光束
を走査することによって行っている。しかしながら、高
エネルギーのレーザ光を用いたレーザ加工機では光源像
を偏向手段で偏向させると該偏向手段が損傷してくると
いう問題がある。その為、高エネルギーのレーザ光の走
査方法には光学素子が損傷しないような光学的な配置が
必要となっている。
【0007】本発明の第1の目的は、レーザ光源からの
レーザ光で照明光学系によってマスク面上のパターンを
照明し、該パターンを投影レンズで加工物に結像して光
加工を行う際に、適切に設定したアナモフィック光学素
子とフライアイレンズとを用いて長手方向と幅方向にレ
ーザ光源からの光束を複数に分割して、複数の光源像を
形成することによって、マスク面上のパターンの照明領
域を均一に、しかも照明領域の大きさを変化させること
ができ、加工物を容易かつ高精度に光加工することがで
きる光加工機及びそれを用いたオリフィスプレートの製
造方法の提供にある。
【0008】本発明の第2の目的は、レーザ光源からの
レーザ光で照明光学系によってマスク面上のパターンを
照明し、該パターンを投影レンズで加工物に結像して光
加工を行う際に、適切に設定した2つの偏向手段を用い
て、マスク面上のパターンの照明領域を均一に照明する
とともに、照明領域を一方向に変化させることができ、
加工物を容易かつ高精度に光加工することができる照明
装置及びそれを用いたオリフィスプレートの製造方法の
提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の光加工
機は、光源から放射された光束で照明系によってマスク
面上のパターンを照明し、該パターンを投影レンズで加
工物上に投影し、該加工物を該パターンで加工する光加
工機において、該照明系はアナモフィック光学素子と
単レンズを複数個配列したフライアイレンズを有し、
射光束は、第1平面内では該アナモフィック光学素子に
より屈折する事なく該フライアイレンズにより複数の光
束に分割して複数の光源像を形成するとともにケーラー
照明系を構成し、該第1平面と直交する第2平面内では
該アナモフィック光学素子により複数の光束に分割して
複数の光源像を形成するとともにクリティカル照明系を
構成していることを特徴としている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て前記フライアイレンズの各々の単レンズは前記アナモ
フィック光学素子で形成した複数の光源像の位置近傍に
各々前側焦点が位置するように配置されていることを特
徴としている。請求項3の発明は、請求項1の発明にお
いて前記アナモフィック光学素子は前記第2平面内で屈
折力を有するシリンドリカルレンズを有し、該アナモフ
ィック光学素子を光軸方向に移動させて、前記マスク面
上の該第2平面内での照明領域を可変としていることを
特徴としている。請求項4の発明は、請求項1、2又は
3の発明において前記マスク面上のパターンは前記第1
平面内で周期構造のパターンより成り、前記アナモフィ
ック光学素子は前記第1平面内で屈折力を有しないシリ
ンドリカルレンズより成り、該第1平面内において前記
フライアイレンズで形成された複数の光源像と前記投影
レンズの入射瞳位置が略共役関係となっており、前記第
2平面内においては該アナモフィック光学素子で形成さ
れた複数の光源像と該マスク面とが略共役関係となって
いることを特徴としている。
【0011】請求項5の発明の照明装置は光源から放射
された光束で照明光学系によって被照射面上を照明する
照明装置において、該照明光学系は、前記光源からの光
束を第1平面内において複数の光束に偏向分割する偏向
分割手段と、第1平面内において屈折力を有し該光源か
らの光束を所定面上に光源像を形成するシリンドリカル
レンズと、該所定面から外れた位置に2つの偏向手段と
を有し、該偏向分割手段で分割した複数の光束の中心光
線は光軸上の一点で交差するようにして該2つの偏向手
段に導光し、該2つの偏向手段を該所定面上の光源像の
見かけ上の位置が不変となるように該第1平面と直交す
る第2平面内において回動させることによって該被照射
面上の照明領域を可変としていることを特徴としてい
る。
【0012】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て前記2つの偏向手段は、前記被照射面のうち前記第2
平面内における照明領域を可変としていることを特徴と
している。請求項7の発明は、請求項5又は6の発明に
おいて前記照明光学系は前記2つの偏向手段からの光束
を前記被照射面上に集光する凸レンズを有していること
を特徴としている。
【0013】請求項8の発明の光加工機は請求項5乃至
のいずれか1項記載の照明装置を用いて、被照射面上
に設けたマスク面上のパターンを照明し、該パターンを
投影レンズで加工物上に投影して該加工物を該パターン
で加工していることを特徴としている。
【0014】請求項9の発明の光加工機は請求項の光
加工機において、前記照明光学系は前記第1平面内でケ
ーラー照明系を構成し、該第1平面と直交する第2平面
内でクリティカル照明を構成していることを特徴として
いる。
【0015】請求項10の発明のオリフィスプレートの
製造方法は請求項1,2,3,4,又はの光加工機
を用いて前記マスク面上の複数の開口を一方向に配列し
たパターンを基板上に転写して該基板上に複数の小孔を
穿孔して、オリフィスプレートを製造したことを特徴と
している。
【0016】請求項11の発明のバブルジェットプリン
タは請求項10のオリフィスプレートの製造方法により
製造したオリフィスプレートを有していることを特徴と
している。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の光加工機の実施形
態1の要部概略図である。また図2は図1の実施形態1
の側面概略図である。
【0018】本実施形態は被加工物に平行溝(1つ1つ
の溝の長さは極めて短い)をアブレーション加工(穿
孔)するものである。本実施形態では後述する投影レン
ズ8の光軸をX軸として、マスク7のマスクパターン7
aの並ぶ方向をY軸とし、X軸及びY軸に直交する方向
をZ軸方向として、図1にはXY断面図(第1平面)、
図2にはXZ断面図(第2平面)を図示している。
【0019】図中、1はレーザ光源であり、例えばエキ
シマレーザより成り、強出力のコヒーレント光を放射し
ている。2,3は各々ミラーであり、レーザ光源1から
の光束を反射偏向させて、後述するマスク7の長手方向
であるY方向とレーザ光束の長手方向とを一致させてい
る。4は光軸方向(X方向)に移動可能なアナモフィッ
ク光学素子としてのシリンドリカルレンズ(シリンドリ
カルレンズアレイ)であり、XZ面内のみに屈折作用を
持っている。5はフライアイレンズであり、複数の微小
レンズを2次元的に配置している。フライアイレンズ5
の後側焦点5bに多数の2次光源像が形成されている。
6は凸レンズ(正レンズ)であり、フライアイレンズ5
からの光束を集光してマスク7を照明している。
【0020】マスク7にはオリフィスプレート等の被加
工物9上に光加工する為のマスクパターン(パターン)
7aがY方向に設けられている。マスク7は不透明なバ
ックグランドにZ方向に長い(但し、長さの絶対値は極
めて小さい)多数の透過スリットを紙面Y方向に等間隔
に並べてマスクパターンを形成している。従ってマスク
パターン7aは一見するとY方向に伸びる直線のように
見える。尚、マスク7は凸レンズ6の焦点位置に設置し
ている。
【0021】8は投影レンズであり、マスク7のマスク
パターン7aを被加工物9の加工面上に結像している。
被加工物9はその加工面上に与えられるマスクパターン
7aの像により光加工を受ける。8aは投射レンズ8の
絞り(入射瞳)であり、本実施形態の場合、XY断面内
において投射レンズ8の入射瞳8aとフライアイレンズ
5の後側焦点5bとは共役となっている。
【0022】次に本実施形態の光学的作用を図1のXY
面内と図2のXZ面内に分けて説明する。図1のXY面
内においては、レーザ光源1より射出する平行なレーザ
光はミラー2,3で反射した後にシリンドリカルレンズ
4に入射する。尚、このとき光学部材を用いてレーザ光
をシリンドリカルレンズ4の入射径に拡大又は縮小させ
て入射させても良い。シリンドリカルレンズ4はY方向
には光学作用を有しない構成である為、入射光束はその
まま平行光束として(即ち屈折することなく)、フライ
アイレンズ5に入射している。フライアイレンズ5は入
射してきた略平行な光束に対して、その後側焦点位置5
bに複数の光源像を形成する。凸レンズ6はフライアイ
レンズ5による複数の光源像を投影レンズ8の入射瞳8
aに投影する作用を持っている。
【0023】フライアイレンズ5を構成している単レン
ズの焦点距離f2は以上の関係から、 m :凸レンズ6で生ずる光源像の倍率 n :フライアイレンズ5の長手方向(Y方向)の分割
数 A :フライアイレンズ5へ入射するレーザ光束の長手
方向の大きさ d :マスク7面で確保すべき長手方向の大きさ f3:凸レンズ6の焦点距離 b :凸レンズ6から投影レンズ8の入射瞳8aまでの
距離 としたとき、
【0024】
【数1】 で与えられる。
【0025】本実施形態においてフライアイレンズ5に
入射した光束は、フライアイレンズ5の焦点位置5bに
各々光源像を形成するが、このとき複数の光源像は凸レ
ンズ6に対しては複数の物点となり、該複数の物点から
射出する光束が凸レンズ6によって投射レンズ8の絞り
(入射瞳)8a内に複数の光源像として結像している。
このとき複数の物点からの各光束はマスク7のところで
互いに重なり合うように設定し、これによりマスク7を
均一に照明している。このように本実施形態におけるX
Y断面内での照明系は所謂ケーラー照明系を構成してい
る。
【0026】一方、図2のXZ断面内において、レーザ
光源1からのレーザ光束は、ミラー2,3で反射し、シ
リンドリカルレンズ4に入射し、その後側焦点4bに複
数の光源像を形成する。このときフライアイレンズ5の
前側焦点位置にシリンドリカルレンズ4の各レンズを射
出した光束の集光点が一致するようにしている。これに
よってフライアイレンズ5から出射された光束が光軸と
平行になるようにしている。この状態で光束を凸レンズ
6に入射させている。マスク7は凸レンズ6の焦点面に
配置しており、凸レンズ6からの光束がマスク7面上で
集光するようにしている。
【0027】このように本実施形態では、光束を分割し
光源像を形成する光学素子として、単レンズで構成され
るフライアイレンズを使用し、そのフライアイレンズの
前側焦点位置に複数の光源像を形成するシリンドリカル
レンズを配置することで長手方向に分割した光線だけで
なく、幅方向にも分割作用を発生させることでマスク面
での照明むらを軽減している。
【0028】本実施形態では、XZ面内の光学系が所謂
クリティカル照明系を構成するようにしている。本実施
形態における光学系は、XY面内ではケーラー照明によ
ってマスクパターン7aの在る領域を均一に照明し、X
Z面内では略クリティカル照明によってマスクパターン
7aを強力なレーザ光で照明し、総合して極めて効率良
くマスク7を照明している。
【0029】そしてマスク7で加工すべきパターンを与
えられたレーザ光は、投射レンズ8を介して幾何光学的
に被加工物9上に結像し、該被加工物9に所定倍率にて
マスクパターン7aの形状の溝が穿たれるようにしてい
る。
【0030】本実施形態において、XZ断面におけるマ
スク7での照明域の幅wは凸レンズ6の焦点距離をf
3、フライアイレンズ5から出射された各光束の幅方向
の広がりをθとすると、略 w=f3* θ となる。
【0031】本実施形態では、シリンドリカルレンズ4
を光軸方向(X方向)に移動可能としている。このとき
図1のXY断面内におけるマスク7面上でのレーザ光の
照明領域はシリンドリカルレンズ4が移動しても、シリ
ンドリカルレンズ4の屈折力がないので不変となる。一
方、図2のXZ断面内においては、シリンドリカルレン
ズ4を移動させるとシリンドリカルレンズ4に屈折力が
ある為、それからの射出光束が発散又は収斂してレンズ
6に入射する。
【0032】この結果、マスク7面上の照明領域の大き
さが変化する。このときのXZ断面内における照明領域
の変化は光軸に対して対称的に広がり、この広がった領
域においても各光束は重なり合う。これによって照明域
を均一な照度分布で可変となるようにしている。
【0033】本実施形態におけるXZ断面内において、
投影レンズ8の入射瞳8aの位置で光束がケラレない為
の条件は、 f1:シリンドリカルレンズ4を構成している単レンズ
の焦点距離 f2:フライアイレンズ5を構成している単レンズの焦
点距離 f3:凸レンズ6の焦点距離 A :シリンドリカルレンズにて分割された光束のZ方
向の大きさ L :マスク7面から投影レンズ8の入射瞳8aまでの
距離 h :シリンドリカルレンズ4において構成している各
レンズの母線のZ方向の最大高さ K :入射瞳8aの直径 X :入射瞳8aでの光軸からの高さ としたとき、
【0034】
【数2】 本実施形態では以上のように、マスク7面を線状照明す
るとともに、シリンドリカルレンズ4を光軸方向に移動
可能とし、これによってXY断面内においては照明領域
を不変としたケーラー照明を行い、XZ断面内において
のみマスク7面上での照明領域を照度分布を均一にした
状態で変化させている。
【0035】図3は本発明の照明装置を光加工機に適用
したときの実施形態2の要部概略図である。また図4は
図3の実施形態2の側面概略図である。
【0036】本実施形態は実施形態1と同様に被加工物
に平行溝(1つ1つの溝の長さは極めて短い)をアブレ
ーション加工(穿孔)するものである。本実施形態では
図1,図2と同様に後述する投影レンズ8の光軸をX軸
として、マスク7のマスクパターン7aの並ぶ方向をY
軸とし、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし
て、図3にはXY断面図(第1平面)、図4にはXZ断
面図(第2平面)を図示している。
【0037】図中、1はレーザ光源であり、例えばエキ
シマレーザより成り、強出力のコヒーレント光を放射し
ている。2,3は各々ミラーであり、レーザ光源1から
の光束を反射偏向させて、後述するマスク7の長手方向
であるY方向とレーザ光束の長手方向とを一致させてい
る。11は偏向分割手段としてのプリズムユニットであ
り、複数のプリズムを有し、ミラー3からのレーザ光を
Y方向に複数のレーザ光に分割している。同図は2つの
プリズムを所定の間隔で対向配置し、ミラー3からのレ
ーザ光よりプリズムを通過しない光束を含めて3つの光
束に分割している。
【0038】4は光学素子としてのシリンドリカルレン
ズ(シリンドリカルレンズアレイ)であり、XZ面内の
みに屈折作用を持っている。シリンドリカルレンズ4は
複数(3つ)の入射光束を後述する第1プリズム12の
射出面側の面4bに集光させて、複数の光源像(2次光
源像)を形成している。尚、このとき光学部材を用いて
レーザ光をシリンドリカルレンズ4の入射径に拡大又は
縮小させて入射させても良い。
【0039】12は第1プリズム(偏向手段)、13は
第2プリズム(偏向手段)である。第1プリズム12と
第2プリズム13はいずれも図4のXZ断面内において
回動可能となっており、またXZ断面内においてのみ入
射光束を偏向させて凸レンズ(正レンズ)6に導光して
いる。これによって後述するマスク7面上をレーザ光で
Z方向に走査し、照明領域が変位可能となるようにして
いる。
【0040】6は凸レンズ(正レンズ)であり、第2プ
リズム13からの光束を集光してマスク(被照射面)7
を照明している。
【0041】マスク7にはオリフィスプレート等の被加
工物9上に光加工する為のマスクパターン(パターン)
7aがY方向に設けられている。マスク7は不透明なバ
ックグランドにZ方向に長い(但し、長さの絶対値は極
めて小さい)多数の透過スリットを紙面Y方向に等間隔
に並べてマスクパターンを形成している。従ってマスク
パターン7aは一見するとY方向に伸びる直線のように
見える。尚、マスク7は凸レンズ6の焦点位置に設置し
ている。
【0042】8は投影レンズであり、マスク7のマスク
パターン7aを被加工物9の加工面上に結像している。
被加工物9は加工面上に与えられるマスクパターン7a
の像により光加工を受ける。8aは投射レンズ8の絞り
(入射瞳)であり、本実施形態の場合、投射レンズ8の
入射瞳8aとシリンドリカルレンズ4の後側焦点4bと
は凸レンズ6によって共役となっている。
【0043】本実施形態において、各要素2,3,1
1,4,12,13,6は照明光学系の一要素を構成し
ている。
【0044】次に本実施形態の光学的作用を図3のXY
面内と図4のXZ面内に分けて説明する。図3のXY面
内においては、レーザ光源1より射出する平行なレーザ
光はミラー2,3で反射した後に、プリズムユニット1
1に入射し、Y方向に3つの光束に分割している。
【0045】プリズムユニット11で分割された3つの
光束の中心光線は光軸上のある点で交差するが、この交
差した位置11aはシリンドリカルレンズ4の前側焦点
位置近傍に対応するように間隔を決定している。この
為、シリンドリカルレンズ4から出射される分割された
光束の中心光線は光軸と略平行になって、次の第1、第
2プリズム12,13へ入射する。第1、第2プリズム
12,13ではY方向には偏向作用は持たない構成で、
光束はY方向に単に平行移動する。
【0046】シリンドリカルレンズ4はXY断面内にお
いて屈折力を有している為に、Y方向では第1、第2プ
リズム12,13間の位置4bに複数の光源像を形成す
る。その為、第1プリズム12と第2プリズム13は光
源像の位置4bに近づかないように配置している。これ
によって強力なレーザ光がプリズム面に集光してプリズ
ムを破壊するのを防止している。第2プリズム13から
出射された光束は、そのまま凸レンズ6へ入射しマスク
7の上で各光源像からの光束は重なり合う。
【0047】マスク7を通過した光束は投影レンズ8へ
入射する。凸レンズ6はY方向にシリンドリカルレンズ
4で面4bに形成された光源像を投影レンズ8に送る。
マスク面7から出射された光束は投影レンズ8の入射瞳
8aの位置で光源像が形成されるようになっている。投
影レンズ8から出た光束は加工面9でマスク7のマスク
像(パターン)を投影する。
【0048】本実施形態においてシリンドリカルレンズ
4に入射した光束は、シリンドリカルレンズ4の焦点位
置4bに各々光源像を形成するが、このとき複数の光源
像は凸レンズ6に対しては複数の物点となり、該複数の
物点から射出する光束が凸レンズ6によって投射レンズ
8の絞り(入射瞳)8a内に複数の光源像として結像し
ている。このとき複数の物点からの各光束はマスク7の
ところで互いに重なり合うように設定し、これによりマ
スク7を均一に照明している。このように本実施形態に
おけるXY断面内での照明系は所謂ケーラー照明系を構
成している。
【0049】一方、図4のXZ面内において、レーザ光
源1からのレーザ光束は、ミラー2,3で反射し、プリ
ズムユニット11に入射する。プリズムユニット11へ
入射した光束は、この面内では何も光学的な作用を受け
ず、シリンドリカルレンズ4へ入射する。ここでもレー
ザ光束は偏向作用は受けずに第1プリズム12へ平行光
束の状態で入射する。
【0050】第1プリズム12に入射したレーザ光は第
1プリズム12でXZ断面内で偏向屈折され、第2プリ
ズム13へ入射する。更に第2プリズム13から射出し
たレーザ光束は平行光束のまま出射される。このとき第
2プリズム13から見たときに光束は虚物点から出射さ
れるように見える。第1プリズム12をY軸回りに回転
させたとき、第2プリズム13へ入射する光束の第2プ
リズム13に対する角度は変化するが、第2プリズム1
3の角度を調整することで先に述べた虚物点4bを回転
に対して不動な状態にしている。
【0051】この不動な位置4bをXY面内でシリンド
リカルレンズ4で形成される光源像の位置4bと略同じ
にしている。そして凸レンズ6で投影レンズ8の入射瞳
8aの位置にできる光源像が第2プリズム13の回転に
伴って動くことがなくなる。更に第2プリズム13から
出射される光線は平行光束で凸レンズ6に入射する。そ
して凸レンズ6によって、マスク面7に焦点を結ぶこと
になる。このように第1、第2プリズム12,13を回
動させることによって、マスク面7で線状の照明領域が
Z方向に走査されるようにして、マスク7面上の広範囲
の照明を容易にしている。
【0052】このように本実施形態では、第1プリズム
12を回動させて射出光束を偏向させるとき、面4bに
形成した複数の光源像の見かけ上の位置がXZ断面内に
おいて変位するので、第1プリズム12と同期させて第
2プリズム13を回動させて、第1プリズム12の回動
に伴う面4b上の見かけ上の光源像の位置が変位しない
ようにしている。
【0053】以上のように本実施形態では、XZ断面内
の光学系が所謂クリティカル照明系を構成するようにし
ている。本実施形態における光学系は、XY面内ではケ
ーラー照明によってマスクパターン7aの在る領域を均
一に照明し、XZ面内では略クリティカル照明によって
マスクパターン7aを強力なレーザ光で照明し、総合し
て極めて効率良くマスク7を照明している。
【0054】そしてマスク7で加工すべきパターンを与
えられたレーザ光は、投射レンズ8を介して幾何光学的
に被加工物9上に結像し、該被加工物9に所定倍率にて
マスクパターン7aの形状の溝が穿たれるようにしてい
る。
【0055】以上のように本実施形態では、線状照明に
よってマスク7面を走査照明することが可能となり、加
工エネルギーを下げずに2次元的な加工が可能となる。
また時間管理も含めて考えると局所的に加工深さを変え
ることができる為、3次元的なレーザ加工を容易に実現
することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、レーザ光
源からのレーザ光で照明光学系によってマスク面上のパ
ターンを照明し、該パターンを投影レンズで加工物に結
像して光加工を行う際に、適切に設定したアナモフィッ
ク光学素子とフライアイレンズとを用いて長手方向と幅
方向にレーザ光源からの光束を複数に分割して、複数の
光源像を形成することによって、マスク面上のパターン
の照明領域を均一に、しかも照明領域の大きさを変化さ
せることができ、加工物を容易かつ高精度に光加工する
ことができる光加工機及びそれを用いたオリフィスプレ
ートの製造方法を達成することができる。
【0057】又、本発明によれば以上のように、レーザ
光源からのレーザ光で照明光学系によってマスク面上の
パターンを照明し、該パターンを投影レンズで加工物に
結像して光加工を行う際に、適切に設定した2つの偏向
手段を用いて、マスク面上のパターンの照明領域を均一
に照明するとともに、照明領域を一方向に変化させるこ
とができ、加工物を容易かつ高精度に光加工することが
できる照明装置及びそれを用いたオリフィスプレートの
製造方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の要部平面図
【図2】 本発明の実施形態1の要部側面図
【図3】 本発明の実施形態2の要部平面図
【図4】 本発明の実施形態2の要部側面図
【符号の説明】
1 レーザ光源 2,3 ミラー 4 シリンドリカルレンズ 5 フライアイレンズ 6 凸レンズ 7 マスク 8 投影レンズ 9 加工物 11 プリズムユニット 12,13 偏向手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−230057(JP,A) 特開 平9−50958(JP,A) 特開 平8−184781(JP,A) 特開 平7−171965(JP,A) 特開 平4−339585(JP,A) 特開 平4−9291(JP,A) 実開 昭50−22795(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/06 - 26/073

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から放射された光束で照明系によっ
    てマスク面上のパターンを照明し、該パターンを投影レ
    ンズで加工物上に投影し、該加工物を該パターンで加工
    する光加工機において、該照明系はアナモフィック光学
    素子と単レンズを複数個配列したフライアイレンズを
    有し、入射光束は、第1平面内では該アナモフィック光
    学素子により屈折する事なく該フライアイレンズにより
    複数の光束に分割して複数の光源像を形成するととも
    ケーラー照明系を構成し、該第1平面と直交する第2平
    面内では該アナモフィック光学素子により複数の光束に
    分割して複数の光源像を形成するとともにクリティカル
    照明系を構成していることを特徴とする光加工機。
  2. 【請求項2】 前記フライアイレンズの各々の単レンズ
    は前記アナモフィック光学素子で形成した複数の光源像
    の位置近傍に各々前側焦点が位置するように配置されて
    いることを特徴とする請求項1の光加工機。
  3. 【請求項3】 前記アナモフィック光学素子は前記第2
    平面内で屈折力を有するシリンドリカルレンズを有し、
    該アナモフィック光学素子を光軸方向に移動させて、前
    記マスク面上の該第2平面内での照明領域を可変として
    いることを特徴とする請求項1又は2の光加工機。
  4. 【請求項4】 前記マスク面上のパターンは前記第1平
    面内で周期構造のパターンより成り、前記アナモフィッ
    ク光学素子は前記第1平面内で屈折力を有しないシリン
    ドリカルレンズより成り、該第1平面内において前記フ
    ライアイレンズで形成された複数の光源像と前記投影レ
    ンズの入射瞳位置が略共役関係となっており、前記第2
    平面内においては該アナモフィック光学素子で形成され
    た複数の光源像と該マスク面とが略共役関係となってい
    ることを特徴とする請求項1,2又は3の光加工機。
  5. 【請求項5】 光源から放射された光束で照明光学系に
    よって被照射面上を照明する照明装置において、該照明
    光学系は、前記光源からの光束を第1平面内において複
    数の光束に偏向分割する偏向分割手段と、第1平面内に
    おいて屈折力を有し該光源からの光束を所定面上に光源
    像を形成するシリンドリカルレンズと、該所定面から外
    れた位置に2つの偏向手段とを有し、該偏向分割手段で
    分割し た複数の光束の中心光線は光軸上の一点で交差す
    るようにして該2つの偏向手段に導光し、該2つの偏向
    手段を該所定面上の光源像の見かけ上の位置が不変とな
    るように該第1平面と直交する第2平面内において回動
    させることによって該被照射面上の照明領域を可変とし
    ていることを特徴とする照明装置。
  6. 【請求項6】 前記2つの偏向手段は、前記被照射面の
    うち前記第2平面内における照明領域を可変としている
    ことを特徴とする請求項5の照明装置。
  7. 【請求項7】 前記照明光学系は前記2つの偏向手段か
    らの光束を前記被照射面上に集光する凸レンズを有して
    いることを特徴とする請求項5又はの照明装置。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至7のいずれか1項記載の照
    明装置を用いて、被照射面上に設けたマスク面上のパタ
    ーンを照明し、該パターンを投影レンズで加工物上に投
    影して該加工物を該パターンで加工していることを特徴
    とする光加工機。
  9. 【請求項9】 請求項の光加工機において、前記照明
    光学系は前記第1平面内でケーラー照明系を構成し、該
    第1平面と直交する第2平面内でクリティカル照明を構
    成していることを特徴とする光加工機。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,又はの光
    加工機を用いて前記マスク面上の複数の開口を一方向に
    配列したパターンを基板上に転写して該基板上に複数の
    小孔を穿孔して、オリフィスプレートを製造したことを
    特徴とするオリフィスプレートの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10のオリフィスプレートの製
    造方法により製造したオリフィスプレートを有している
    ことを特徴とするバブルジェットプリンタ。
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