JP3530769B2 - 照明装置及びそれを用いた光加工機 - Google Patents
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Description
用いた光加工機に関し、特にコヒーレント光を線状光束
として加工物に照射し、該加工物に例えば複数の開口を
配列した周期構造のパターンを微細加工し、インクジェ
ット方式のプリンタに使用するオリフィスプレートを製
造する際に好適なものである。
光を利用した光加工は、他の化学反応応用加工や機械的
加工等と共に広い分野で利用されている。特に、近年の
技術革新により、材料、光学技術、生産技術等の要件が
整い、微細加工の分野でコヒーレント光を利用した光加
工法が盛んに用いられるようになってきた。
製をマスク投影方式を利用したレーザ加工にて行う光加
工機が種々と提案されている。この光加工機で用いられ
る照明光学系(照明装置)ではマスクを均一に照明する
ために全体がケーラー照明を用いたものが提案されてい
る。また線状光束でマスクを照明するためにマスクの長
手方向にケーラー照明系を構成し、幅方向にクリティカ
ル照明系を構成した照明光学系も種々と提案されてい
る。米国特許第4733944号では、2組の直交シリ
ンドリカルレンチキュラーを用いて、加工面での照明領
域を可変させる光学系を提案している。又、特開平8−
257770号公報では長手方向と幅方向に独立した光
学系を配置してマスクを照明する構成が提案されてい
る。
方向にはレーザ光をそのまま集光している構成をとって
いた。この為マスクの幅方向の位置が変化すると加工現
象が変化するという問題があった。米国特許第4733
944号で提案されている、直交シリンドリカルレンチ
キュラーを用いた照明装置は照明範囲のアスペクト比
(長手方向と幅方向の比)が50以上で最大90程度と
なる領域での作用は考慮されていない。又、直交する2
方向での照明方法は同じであり、2組の直交シリンドリ
カルレンチキュラーレンズの間隔を変えて、被照射面上
の照明範囲をアスペクト比を変えずに変化させている。
米国特許第4733944号では、被照射面の水平方向
又は垂直方向の一方向のみの照明範囲を変化させること
ができなかった。即ち、アスペクト比を変化させること
ができなかった。
以上の照明領域において、照明領域を均一に、しかも一
方向のみの照明領域を変化させることができ、加工物を
容易かつ高精度に光加工することができる照明装置及び
それを用いた光加工機の提供を目的とする。
置は、光源から射出した光束で被照射面を照明する照明
装置において、光軸を含む互いに直交する平面を第1平
面と第2平面としたとき、該第1平面はケーラー照明を
し、該第2平面はクリティカル照明をしており、該第2
平面内においてのみ屈折力を有し、かつ互いに対向配置
した第1,第2の光学素子を有し、該第1,第2の光学
素子はアフォーカル系を構成しており、該第1,第2の
光学素子を光軸方向に移動させて角倍率を変えて、該被
照射面の該第2平面内における照射範囲を可変としてい
ることを特徴としている。
て、前記第1,第2の光学素子は複数のシリンドリカル
レンズをを一方向に配列したシリンドリカルレンズアレ
イより成っていることを特徴としている。
項2の発明において、前記光学系は前記第1平面内にお
いてのみ屈折力を有する第3の光学素子を有しているこ
とを特徴としている。
2の発明又は請求項3の発明において、前記第1,第2
の光学素子は前記第2平面内において基準状態でアフォ
ーカル系を構成していることを特徴としている。
項4の発明のいずれか1つにおいて、前記第1,第2の
光学素子は奇数個(3以上)のシリンドリカルレンズア
レイより成っていることを特徴としている。
項5の発明のいずれか1つにおいて、前記被照射面上の
照明範囲は前記第1平面と第2平面とで寸法が異なって
いることを特徴としている。
項6の発明のいずれか1つにおいて、前記被照射面の照
明範囲のアスペクト比は50〜90であることを特徴と
している。
明から請求項7の発明のいずれか1つの照明装置を用い
て被照射面上に設けたマスクのパターンを照明し、該パ
ターンを投影レンズで加工物上に投影し、該加工物を該
パターンで加工することを特徴としている。
造方法は請求項8の光加工機を用いて前記マスク面上の
複数の開口を一方向に配列したパターンを基板上に転写
して該基板上に複数の小孔を穿孔して、オリフィスプレ
ートを製造したことを特徴としている。
求項9の発明のオリフィスプレートの製造方法により製
造したオリフィスプレートを有していることを特徴とし
ている。
光加工機の実施形態1の要部平面図(XY断面)であ
る。又、図2は図1の実施形態1の要部側面図(XZ断
面図)である。本実施形態は被加工物に平行溝(1つ1
つの溝の長さを極めて短い)をアブレーション加工(穿
孔)するものである。本実施形態では後述する投影レン
ズ10の光軸をX軸として、マスク9のマスクパターン
9aの並ぶ方向をY軸(長手方向)とし、X軸及びY軸
に直交する方向をZ軸(幅方向)として、図1にはXY
断面図(第1平面)、図2にはXZ断面図(第2平面)
を図示している。
シマレーザーより成り、強出力のコヒーレント光を放射
している。2,3は各々ミラーであり、レーザ光源1か
らの光束を反射偏向させて、後述するマスク9の長手方
向であるY方向とレーザ光束の長手方向とを一致させて
いる。4は拡大光学系であり、XY断面とXZ断面とで
異なった屈折力を有し、入射光束の径を一方向にのみ拡
大して、XY断面とXZ断面での光束径を略同じにして
いる。5は第1の光学素子としての光束分割素子、6は
第2の光学素子としての光束分割素子であり、いずれも
XZ断面内のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ
を複数、Z方向に配列して、入射光をXZ断面内におい
て複数(図では奇数個,3個)の光束に分割している。
7は第3の光学素子としての光束分割素子であり、XY
断面内のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズを複
数、Y方向に配列しており、入射光をXY断面内におい
て複数(図では奇数個,3個)の光束に分割している。
8はレンズ系であり、第3の光分割素子7からの光束で
マスク9を照明している。尚、各要素2〜8は照明装置
の一部を構成する光学系を構成している。又、各要素
5,6,7は光束分割手段の一部を構成している。
工物11上に光加工するためのマスクパターン(パター
ン)9aがY方向に設けられている。マスク9は不透明
なバックグランドにZ方向に長い(但し、長さの絶対値
は極めて小さい)多数の透過スリットを紙面Y方向に等
間隔に並べてマスクパターンを形成している。従ってマ
スクパターン9aは一見するとY方向に伸びる直線のよ
うに見える。尚、マスク9はレンズ系8の焦点位置に設
置している。10は投影レンズ(投射レンズ)であり、
マスク9のマスクパターン9aを被加工物11の加工面
上に結像している。被加工物11はその加工面上に与え
られるマスクパターン9aの像により光加工を受ける。
10aは投影レンズ10の絞り(入射瞳)であり、本実
施形態の場合、XY断面内において投影レンズ10の入
射瞳10aと第3の光束分割素子7の複数の光源像から
形成される後側焦点7bとは共役となっている。
面内と図2のXZ面内に分けて説明する。図1のXY面
内においては、レーザ光源1より射出する平行なレーザ
光はミラー2,3で反射した後に拡大光学系4に入射す
る。拡大光学系4では何の光学作用も受けずに第1,第
2,第3光学分割素子5,6,7に順次入射する。この
うち、第1,第2光束分割素子5,6では何の光学作用
も受けない。第3の光束分割素子7では、入射してきた
略平行な光束に対して、その後側焦点位置7bに複数の
光源像を形成する。レンズ系8は第3の光束分割素子7
による複数の光源像を投影レンズ10の入射瞳10aに
投影する作用を持っている。
に入射した光束は、第3の光束分割素子7の焦点位置7
bに各々光源像を形成するが、このとき複数の光源像は
レンズ系8に対しては複数の物点となり、該複数の物点
から射出する光束がレンズ系8によって投影レンズ10
の絞り(入射瞳)10a内に複数の光源像として結像す
るように結像倍率を設定している。
シリンドリカルレンズはどれも同じ焦点距離を有するレ
ンズで構成されているため、各シリンドリカルレンズの
中心から一定の位置から出射される光線は同じ角度をも
っているため、これらの光線群はマスク9では一点で重
なり合う。各シリンドリカルレンズの大きさを干渉しな
いように決定することにより、マスク9での強度が加算
平均されるようにしている。つまり、光強度の平坦化を
行っている。この平坦化の度合いは光束の分割個数に依
存し、必要な均一度に応じて決定している。このときの
分割個数は奇数であることが望ましい。これは、実際に
加工したときに加工物の形状が分割素子の中心部の光束
で左右されるためである。偶数個な場合、加工面から見
たときに垂直軸の両側からくる光線の強度バランスでそ
の加工物の形状が決まり、これが崩れると所望の形状が
得られなくなってしまう。そのため、分割素子の中心で
その形状の大枠を決めておくことは重要である。このよ
うに本実施形態におけるXY断面内での照明系は所謂ケ
ーラー照明系を構成している。
光源1からのレーザ光束は、ミラー2,3で反射し拡大
光学系4に入射する。拡大光学系4によってZ方向に光
束は拡大され、出射時ではY方向と略同じ大きさになる
ように倍率を調整している。拡大光学系4から出射され
た光束は第1の光束分割素子5において光束はZ方向に
複数の光束に分割され、分割された光束は光束分割素子
5を構成しているシリンドリカルレンズの焦点位置に集
光する。
正の屈折作用を持ったものである。第1の光束分割素子
5から出た光束は次に第2の光束分割素子6へ入射す
る。このとき第1,第2の光束分割素子5,6を構成す
る各シリンドリカルレンズの基準配置は、アフォーカル
系を構成するようになっている。つまり、第1の光束分
割素子5のある高さにあるシリンドリカルレンズとアフ
ォーカル系を構成するように第2の光束分割素子6の中
に同じ高さのところにシリンドリカルレンズが配置され
ている。そして、その組み合わせが分割数だけあること
になる。第1の光束分割素子5を構成するシリンドリカ
ルレンズは正の屈折作用を持っているため、第2の光束
分割素子6を構成するシリンドリカルレンズも正の屈折
作用を持つものである。
に複数の光束に分割されるが、第1,第2の光束分割素
子5,6の関係がアフォーカル系を構成するようになっ
ているため実際には分割しない状態と本質的には変わら
ない。しかし、アフォーカル系の状態を崩してやると光
束分割素子6から出射される光束はある角度持つように
なってくる。アフォーカル系の状態を崩す一方法は光束
分割素子5,6の間隔を変えてやることであるが光束分
割素子5,6のアフォーカル系を構成している1対のシ
リンドリカルレンズの中心軸の高さは間隔変化に対して
変化しない。つまり、中心軸を通る光線はなにも変化せ
ず、出射される。このときの第1,第2の光束分割素子
5,6による光束の分割数は図1で述べたように奇数個
が良い。このため、第1,第2の光束分割素子のシリン
ドリカルレンズも奇数個の3つとなっている。このよう
に第2の光束分割素子6から出射された光束は第3の光
束分割素子7を通過し、レンズ系8と通過しマスク9へ
至る。
うにレンズ系8の後側焦点位置に配置されている。この
ため、第2の光束分割素子6より出射された各光束で平
行な光線はレンズ系8によってマスク9で集光する。第
1,第2の光束分割素子5,6の間隔を変化させたと
き、マスク9のZ方向の照明域の変化の様子を観察する
とマスク9の位置はレンズ系8の後側焦点位置にあるた
め、平行な光線である各アフォーカル系の中心光線は各
々平行な光線であるのでマスク9一点に集まり、かつ光
軸と平行でもあるからマスク9上で光軸と交わるといえ
る。第1,第2の光束分割素子5,6の間隔変化に対し
て中心軸は不動であるから、マスク9で重なる点も不動
である。しかし、第2の光束分割素子6から出射される
各光束は間隔変化に応じて角度を持つため、マスク9で
は照明範囲が変化することになる。つまり、マスク9で
のZ方向の照明範囲は中心が不動で同時に第1,第2の
光束分割素子5,6の間隔変化によって照明域が対照的
に増減することになる。即ち、アスペクト比と照明域の
双方が変化する。ただ、この照明範囲の増減には制約が
ある。それは、この作用はZ方向でマスク9に集光して
いた光束の集光位置をデフォーカスすることであるがマ
スク9はレンズ系8、投影レンズ10の間にあり、デフ
ォーカスによってレンズ系8あるいは投影レンズ10の
レンズ表面に集光点が移ることは良くない。それはこの
光学系が加工するためのシステムで高エネルギーレーザ
を使用しているため、集光点がレンズ表面近傍にあると
レンズを損傷することになるからである。このため、デ
フォーカスの範囲はそれらレンズ損傷を発生しないよう
にしている。マスク9から出射された光束は投影レンズ
10を経て加工面11に至る。
クリティカル照明系を構成するようにしている。本実施
形態における光学系は、XY面内ではケーラー照明によ
ってマスクパターン9aのある領域を均一に照明し、X
Z面内では略クリティカル照明によってマスクパターン
9aを強力なレーザ光で照明し、総合して極めて効率良
くマスク9を照明している。
えられたレーザ光は、投影レンズ10を介して幾何学的
に被加工物11上に結像し、該被加工物11に所定倍率
にてマスクパターン9aの形状の溝が穿たれるようにし
ている。
方向)にも均一化するために幅方向にも光束を分割する
ために奇数個のシリンドリカルレンズを組み合わせた2
組のシリンドリカルレンズアレイ(第1,第2の光学素
子)を導入し、長手方向(Y方向)にも1組のシリンド
リカルレンズアレイを用いることで照明範囲のアスペク
ト比が50〜90の照明を実現している。又、同時に幅
方向に関して集光位置を移動することで照明範囲を可変
としている。
正の屈折力作用を有する1対のシリンドリカルレンズア
レイを用いているが、どちらが負の屈折作用のシリンド
リカルレンズアレイでも問題はない。又、実現されるア
フォーカル系の角倍率は任意であるが、必要以上に縮小
しガラスを破損するものでなければ良い。光束分割の開
口サイズ、レンズ系8の倍率は投影レンズ10の入射瞳
サイズを超えない範囲であればどのようなものであって
もかまわない。
比が50以上の照明領域において、照明領域を均一に、
しかも照明領域の大きさを変化させることができ、加工
物を容易かつ高精度に光加工することができる照明装置
及びそれを用いた光加工機を達成することができる。
ク)での幅方向にも強度分布の平坦化が行われ、マスク
位置の変化によって加工形状が変化することができなく
なり、装置に関わる調整が減少し信頼性の高い照明装置
及びそれを用いた光加工機を達成することができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 光源から射出した光束で被照射面を照明
する照明装置において、光軸を含む互いに直交する平面
を第1平面と第2平面としたとき、該第1平面はケーラ
ー照明をし、該第2平面はクリティカル照明をしてお
り、該第2平面内においてのみ屈折力を有し、かつ互い
に対向配置した第1,第2の光学素子を有し、該第1,
第2の光学素子はアフォーカル系を構成しており、該第
1,第2の光学素子を光軸方向に移動させて角倍率を変
えて、該被照射面の該第2平面内における照射範囲を可
変としていることを特徴とする照明装置。 - 【請求項2】 前記第1,第2の光学素子は複数のシリ
ンドリカルレンズをを一方向に配列したシリンドリカル
レンズアレイより成っていることを特徴とする請求項1
の照明装置。 - 【請求項3】 前記光学系は前記第1平面内においての
み屈折力を有する第3の光学素子を有していることを特
徴とする請求項1又は2の照明装置。 - 【請求項4】 前記第1,第2の光学素子は前記第2平
面内において基準状態でアフォーカル系を構成している
ことを特徴とする請求項1,2又は3の照明装置。 - 【請求項5】 前記第1,第2の光学素子は奇数個(3
以上)のシリンドリカルレンズアレイより成っているこ
とを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の照明装
置。 - 【請求項6】 前記被照射面上の照明範囲は前記第1平
面と第2平面とで寸法が異なっていることを特徴とする
請求項1から5のいずれか1項の照明装置。 - 【請求項7】 前記被照射面の照明範囲のアスペクト比
は50〜90であることを特徴とする請求項1から6の
いずれか1項の照明装置。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項の照明装
置を用いて被照射面上に設けたマスクのパターンを照明
し、該パターンを投影レンズで加工物上に投影し、該加
工物を該パターンで加工することを特徴とする光加工
機。 - 【請求項9】 請求項8の光加工機を用いて前記マスク
面上の複数の開口を一方向に配列したパターンを基板上
に転写して該基板上に複数の小孔を穿孔して、オリフィ
スプレートを製造したことを特徴とするオリフィスプレ
ートの製造方法。 - 【請求項10】 請求項9のオリフィスプレートの製造
方法により製造したオリフィスプレートを有しているこ
とを特徴とするインクジェットプリンタ。
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