JP3525830B2 - エッチング装置 - Google Patents

エッチング装置

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JP3525830B2
JP3525830B2 JP32568399A JP32568399A JP3525830B2 JP 3525830 B2 JP3525830 B2 JP 3525830B2 JP 32568399 A JP32568399 A JP 32568399A JP 32568399 A JP32568399 A JP 32568399A JP 3525830 B2 JP3525830 B2 JP 3525830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハを下
面側を開放させた状態で保持し、その保持状態で前記半
導体ウエハの上面のエッチング面を内底面としたエッチ
ング処理室を構成するエッチングポットを、エッチング
ベース上に支持するようにしたエッチング装置に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば半導体圧力セン
サや半導体加速度センサ等のセンサチップを製造するに
あたっては、図7(a)に示すように、半導体ウエハ
(シリコンウエハ)1に数百〜数千のセンサチップ2を
形成し、その後、各チップ2を切離すことが行なわれ
る。この場合、図7(b)に示すように、半導体ウエハ
1の片面側には、エピタキシャル層が形成され、各セン
サチップ2に対応して信号処理回路を構成する回路素子
や給電用電極等が形成されるようになっており、以てこ
の面が回路面1aとされている。
【0003】そして、圧力センサの場合、センサチップ
2は、図8に示すような形状をなし、前記回路面1aと
は反対側の面に、周囲部を除く全体に凹部2aを形成す
ることによりダイヤフラムが形成されるようになってい
る。また、加速度センサの場合も、図9に示すように、
回路面1aとは反対側の面に、中央部に島状の膨らみを
残した状態で凹部2aが形成されるようになっている。
一般に、前記凹部2aを形成するためには、半導体ウエ
ハ1の回路面1aと反対側のエッチング面1bを、凹部
2a形成部分を除いてマスク3により覆ったうえで、そ
のエッチング面1bを例えば水酸化カリウムなどの強ア
ルカリ液に浸す浸漬方式のエッチング法(例えば異方性
エッチング)が用いられる。
【0004】図10は、従来のエッチング装置を示して
いる。ここで、前記半導体ウエハ1は、その回路面1a
及びエッチング面1bの外周縁部(センサチップ2の非
形成領域)がマスキング材4により覆われた状態で、例
えばセラミックプレートからなるエッチング治具5に保
持される。そして、その状態で、エッチング液6を収容
した処理槽7に浸されることにより、エッチング面1b
に対するエッチングがなされるようになる。また、所定
厚みのエッチングがなされたところで、エッチング治具
5に保持された半導体ウエハ1を処理槽7から取出し、
水洗浄がなされることにより、エッチングが停止される
ようになる。
【0005】この場合、エッチング液6を処理に適した
温度(例えば110℃)に維持するために、処理槽7に
は、ヒータ8が添設されていると共に、そのヒータ8
は、エッチング液6の温度を検出する温度センサ9に検
出に基づいて、ヒータ制御回路10により制御されるよ
うになっている。処理槽7内には、エッチング液6を撹
拌する撹拌機11も設けられる。尚、電気化学ストップ
エッチングを行なう場合には、更に、エッチング液6内
に浸される電極12、その電極12と半導体ウエハ1
(回路面1a)との間に直流電流を流すための電源1
3、流れる電流値を検出する電流検出器14等が設けら
れるようになっている。
【0006】ところで、センサチップ2を形成する場
合、図8及び図9に示す、半導体ウエハ1(センサチッ
プ2)にエッチングにより形成される薄肉部(圧力セン
サの場合ダイヤフラム)の厚みTを、目標厚みとするよ
う精度良く加工することが、センサとしての性能面で重
要となる。従って、上記エッチング処理を行なうにあた
っては、凹部2aの所定のエッチング深さが得られた時
点でエッチングを停止させるよう管理することが必要と
なる。従来では、一般に、この厚み管理の方法として時
間管理方式が採用されていた。
【0007】この時間管理方式は、エッチング時間とエ
ッチング深さとがほぼ比例関係にあることを利用し、図
11に示すように、予め単位時間あたりのエッチング量
(エッチングレートという)を試験的に求めて、時間と
エッチング深さの関係を示すグラフを作成しておく。そ
して、半導体ウエハ1の元の厚みT0 と、目標となる厚
みTとから、(T0 −T)のエッチング深さが得られる
時間t1をグラフより求め、実際のエッチング時間(浸
漬時間)を管理するものであった。
【0008】ところが、この方法では、エッチングレー
トの正確な再現性が要求されるため、エッチング液6の
濃度や温度の厳密な管理を行なう必要があり、現実的に
は、近年求められる精度(ウエハ間平均厚みばらつき±
0.5μm)を一度のエッチング処理により得ることは
困難であった。そのため、実際には、エッチング処理と
厚み測定とを複数回に分け、それら処理を繰返すことが
行なわれていた。
【0009】また、電気化学ストップエッチングの場合
には、図12に示すように、時間経過に伴い、電流検出
器14により検出される電流値が変動し、目標とする厚
みTの近傍で電流のピーク値Pが現れることを利用し、
ピーク値Pが現れてから所定時間t2経過後にエッチン
グを停止することが行なわれている。これによれば、エ
ッチングレートの影響が少ないため、上記の時間管理方
式に比べ、厚み管理の精度は高いものとなる。
【0010】ところが、この電気化学ストップエッチン
グでは、20μm以上の厚いダイヤフラムのエッチング
はできず、また、エピ層より薄い厚みを得ることが原理
的に行なえないといった事情がある。そして、半導体ウ
エハ1間でのエピ層の厚みが±10%程度のばらつきが
あるため、±1μm程度のウエハ間平均厚みばらつきが
生じ、やはり1回の処理では十分な厚みの精度が得られ
ないものとなっていた。このように、従来の方式では、
エッチング中の半導体ウエハ1の厚みを、正確に直接把
握してエッチング停止時期を制御することができないと
いう根本的な問題があったのである。
【0011】そこで、本出願人は、半導体ウエハ1の厚
みを、非接触で直接的に検出することができる厚みセン
サを開発し、先に出願している(特開平7−30601
8号公報参照)。この厚みセンサにより、半導体ウエハ
1のエッチング部分の厚みをモニタしながら、エッチン
グ処理を制御することができれば、厚み制御を高精度に
行なうことが可能となる。しかしながら、上記した従来
の浸漬方式のエッチング処理方法では、厚みセンサの配
置自体が困難であり、仮に配置できたとしても、センサ
をエッチング液6から保護するための複雑な構造が必要
となるなど、実用化は難しい。
【0012】これに対し、本発明者等は、従来の浸漬方
式に代えて、半導体ウエハを保持した状態で該半導体ウ
エハの上面のエッチング面を内底面とするエッチング処
理室を構成するエッチングポットを用いる、いわゆるポ
ット工法を開発してきている。このポット工法によれ
ば、半導体ウエハ1の回路面1a側を開放させることが
でき、上記した厚みセンサの取付けが実現可能となる。
【0013】ところが、センサチップ2の小形化,高精
度化に伴い、一辺が例えば1mm以下の微小な凹部2a
を形成する場合、半導体ウエハ1の測定点kと厚みセン
サの焦点との位置合せを、いかに高精度に行なうかが新
たな技術的課題となっているのである。尚、エッチング
処理を高温で行なうような場合には、エッチングポット
の各部の熱膨張,収縮が発生し、半導体ウエハ1の測定
点kと厚みセンサとの位置合せ精度を低下させることに
もなり、その対処も求められる。
【0014】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、厚みセンサにより、エッチング中の半
導体ウエハの厚みを直接的に把握することができるもの
であって、その際の半導体ウエハの測定点と厚みセンサ
との位置合せを高精度で行なうことができるエッチング
装置を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のエッ
チング装置は、エッチングポットにより半導体ウエハを
保持するものにあって、エッチングポットの下面部に、
位置決めプレートを位置調整手段により前後左右方向の
取付け位置の調整可能に取付けると共に、エッチングポ
ットを支持するエッチングベースに、半導体ウエハの厚
みを下面側から非接触で検出する厚みセンサを設け、位
置決めプレートによってエッチングポットがエッチング
ベースに対して位置決め支持されることにより、厚みセ
ンサが半導体ウエハの所定の測定点の厚みを検出するよ
うに位置合せされるところに特徴を有する。
【0016】これによれば、位置調整手段により、エッ
チングポットに対する位置決めプレートの位置調整を行
なうことによって、半導体ウエハの所定の測定点に対す
る厚みセンサの位置合せを正確に行なうことが可能とな
る。従って、厚みセンサにより、エッチング中の半導体
ウエハの厚みを直接的に把握することができるものであ
って、その際の半導体ウエハの測定点と厚みセンサとの
位置合せを高精度で行なうことができるという優れた効
果を得ることができる。
【0017】この場合、エッチングベースの所定位置に
設けられた複数の位置決めピンが、位置決めプレートの
所定位置に形成された複数の位置決め穴に夫々挿入され
ることにより、エッチングベースに対するエッチングポ
ットの位置決めが行なわれるようにすることができる
(請求項2の発明)。これにより、簡単な構成で、確実
にエッチングベースに対するエッチングポットの位置決
めが行なわれるようになる。
【0018】またこのとき、位置決めピンを、エッチン
グベースに設けられた基準プレートに取付けるように
し、それら基準プレート及び位置決めピン並びに位置決
めプレートを、機械的強度に加えて、温度変化に対する
寸法安定性に優れた金属又はセラミック製とすることが
望ましい(請求項3の発明)。これによれば、熱膨張,
収縮に起因してエッチングベースに対するエッチングポ
ットの位置決め精度が低下することを抑制することがで
きる。
【0019】そして、半導体ウエハの下面に対して近接
及び離間する方向に移動可能な主昇降部をエッチングベ
ースに設け、前記厚みセンサをその主昇降部に取付ける
ことができる(請求項4の発明)。これによれば、厚み
測定時において、厚みセンサを、半導体ウエハの下面に
対して上下方向に適切な高さ離れた位置に配置すること
ができる。
【0020】このとき、エッチングポットに、半導体ウ
エハの下面の外周縁部を加熱可能に保持する加熱リング
を設け、その加熱リングを主昇降部の上昇ストッパとし
て機能させる構成とすることができる(請求項5の発
明)。これによれば、主昇降部を加熱リングに当接する
まで上昇させることにより、厚みセンサを、加熱リング
ひいては半導体ウエハに対して常に上下方向に一定の距
離離れた位置に停止させることができ、厚みセンサの上
下方向の位置合せが容易となる。
【0021】また、主昇降部に発熱体を設け、主昇降部
が加熱リングに当接することにより、発熱体の熱が加熱
リングに対して伝達される構成としても良い(請求項6
の発明)。これによれば、主昇降部と加熱リングとの当
接により、加熱リングに対する熱伝達及び厚みセンサの
上下方向の位置決めを同時に行なうことができ、構成を
簡単に済ませることができる。
【0022】さらには、発熱体を発熱ケース内に収容
し、その発熱ケースを介して加熱リングに熱伝達を行な
う構成とすると共に、それら発熱ケース及び加熱リング
を、熱伝導性に優れ且つ温度変化に対する寸法安定性に
優れた金属製とすることができる(請求項7の発明)。
これによれば、発熱ケースから加熱リングへの熱伝達が
良好に行なわれると共に、熱膨張,収縮に起因して加熱
リングに対する主昇降部の上下方向の当接位置精度が低
下することを抑制することができる。
【0023】前記厚みセンサを、主昇降部に対して該主
昇降部の移動方向と同じ方向に移動可能とするためのセ
ンサ昇降機構を設けることもできる(請求項8の発
明)。これによれば、半導体ウエハと厚みセンサとの距
離の変化があっても、センサ昇降機構により厚みセンサ
の高さ位置の調整を行なうことができ、適切な距離で半
導体ウエハの厚みを検出することができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を多数個の圧力セン
サのセンサチップを形成する半導体ウエハのエッチング
処理に適用した一実施例について、図1ないし図9を参
照しながら説明する。尚、この実施例でも、図7〜図9
に示したような、半導体ウエハ1をエッチング処理する
ことにより、各センサチップ2の凹部2aを形成する場
合を例としている。従って、これら半導体ウエハ1やセ
ンサチップ2等は従来例で述べたものと共通するので、
新たな図示を省略し、符号を共通して使用することとす
る。
【0025】図1は、本実施例に係るエッチング装置2
1の全体構成を示している。このエッチング装置21
は、大きく分けて、半導体ウエハ1を保持するエッチン
グポット22、このエッチングポット22の下面側を支
持するエッチングベース23、エッチングポット22の
上面側に被せられるように設けられるエッチングヘッド
24、を備えている。また、図示はしないが、このエッ
チング装置21の全体を制御(生産管理)するマイコン
等からなる制御装置が設けられている。さらには、本実
施例では、後述する位置合せ治具25(図6参照)も備
えている。以下、上記各部について詳述する。
【0026】まず、前記エッチングポット22の構成に
ついて図2及び図3も参照して述べる。このエッチング
ポット22は、その底部を構成し前記半導体ウエハ1を
下から支持する支持ベース26、この支持ベース26に
載置状に設けられ前記半導体ウエハ1を加熱するための
加熱リング27、周壁部を構成すると共に前記支持ベー
ス26との間で半導体ウエハ1を挟付けて保持する押え
リング28、前記支持ベース26と押えリング28とを
締結するための締結手段を構成するシリンダ29等を備
えて構成される。
【0027】図2等に示すように、前記支持ベース26
は、例えばテフロン(PTFE)等の高い耐熱性及び耐
食性を有した合成樹脂からなり、前記半導体ウエハ1よ
りも十分大きな外径を有し且つ中央部に前記半導体ウエ
ハ1よりも径小な円形の貫通孔26aを有する比較的厚
肉な円板状に構成されている。
【0028】前記加熱リング27は、熱伝導性に優れ且
つ高い耐食性及び機械的強度を有し、更に半導体ウエハ
1と同等の熱膨張係数を有した金属、例えばニッケルか
らなり、前記支持ベース26の貫通孔26aに嵌り込む
ような円筒状に構成されると共に、その上端部に前記半
導体ウエハ1の外径と同等の外径を有し外周部が上方に
若干量立上がる鍔状部27aが一体に形成されている。
また、この加熱リング27は、後述する発熱体(リング
ヒータ)と熱的に接続される。
【0029】これにて、前記半導体ウエハ1は、エッチ
ング面1bを上面として前記加熱リング27の鍔状部2
7aに外周縁部を揃えた状態で載置されることにより、
支持ベース26に保持されるようになっている。このと
き、加熱リング27の中空部及び支持ベース26の貫通
孔26aによって、半導体ウエハ1の下面側は開放され
た状態となる。また、加熱リング27によって、半導体
ウエハ1の下面側外周部を加熱することができるように
なっている。
【0030】そして、前記支持ベース26の上面には、
前記半導体ウエハ1(加熱リング27)の外周側に位置
するようにして、やや深い嵌合凹部26bが全周にリン
グ状に形成されている。さらに、支持ベース26の下面
には、図3にも示すように、リング状凹部26cが、幅
が広く且つ底の浅い状態で形成されている。このリング
状凹部26c内に、後述する位置決めプレート30が設
けられるようになっている。
【0031】前記押えリング28は、前記支持ベース2
6と同等の材料からなり、上下方向に比較的短いほぼ円
筒状をなすと共に、その下半部側は、前記支持ベース2
6とほぼ同等の外径となるように外周方向に膨らんでい
る。そして、その下面側には、支持ベース26の嵌合凹
部26bの上半部に嵌り込むリング状のガイド凸部28
aが一体に設けられている。また、押えリング28の下
部内周部には、パッキン保持部28bが設けられ、この
パッキン保持部28bにパッキン31が取付けられてい
る。このパッキン31は、耐食性を有したゴム等の弾性
体から、内周形状が前記半導体ウエハ1の外周形状に対
応したリング状に構成されている。
【0032】この押えリング28は、前記ガイド凸部2
8aが、前記嵌合凹部26bに嵌込まれることにより、
前記支持ベース26に対して位置合せ状態に重ね合せら
れる。このとき、加熱リング27上に載置された半導体
ウエハ1の上面の外周縁部(センサチップ2の形成部分
の外側部位)に、前記パッキン31の内周部下部が当接
してシールするようになる。そして、この状態では、押
えリング28の下面外周部と、支持ベース26の上面外
周部とが、上下に所定の隙間を介して対向するようにな
り、この隙間部分に、前記シリンダ29が配置される。
【0033】このシリンダ29は、例えばゴム等の弾性
材からリング状に構成され、断面がほぼ正方形状をなす
と共に、上面の内周縁部及び外周縁部、並びに、下面の
内周縁部及び外周縁部に、4方向にいわば断面X字状に
張出したシールリップ29aを一体に有して構成されて
いる。また、このシリンダ29には、上下に貫通する連
結孔29bが、例えば円周方向に等間隔に8個形成され
ている。
【0034】このシリンダ29の上面側の2つのシール
リップ29aにより、前記押えリング28の外周下面側
に、密閉された真空ポケット32が形成され、下面側の
2つのシールリップ29aにより、前記支持ベース26
の外周上面側に、密閉された真空ポケット33が形成さ
れ、それらが前記連結孔29bによってつながった状態
とされる。そして、図示しない真空ポンプにより、前記
真空ポケット32,33内が真空(減圧)状態とされる
ようになっており、もってシリンダ29が弾性的に変形
しながら、押えリング28と支持ベース26とが相互に
引寄せられる方向に引張られて締結されるようになるの
である。このときの締結力は全周に均等に作用するよう
になる。
【0035】これにより、半導体ウエハ1を保持したエ
ッチングポット22が構成されるようになり、このエッ
チングポット22内には、半導体ウエハ1のエッチング
面1bを内底面とし、押えリング28の内周壁を内壁と
したエッチング処理室34が形成されるのである。この
エッチング処理室34内には、例えばKOH等のエッチ
ング液35(図1参照)や洗浄用の純水が収容されるよ
うになっている。これにて、エッチングポット22が半
導体ウエハ1を保持するマスキング用の治具として機能
すると共に、エッチング処理用の容器としても機能する
のである。
【0036】さて、前記支持ベース26の下面部(リン
グ状凹部26c内)に設けられる位置決めプレート30
部分について述べる。ここで、図1及び図2(並びに図
6)は、便宜上、エッチングポット22を図3のA−A
線に沿う断面で示しており、縦断正面図(右半部)と、
縦断右側面図(左半部)とを中心で合体させた形態で示
している。図3にも示すように、この位置決めプレート
30は、例えば金属から薄形のリング状に形成され、前
記リング状凹部26cの溝幅寸法よりも小さいリング幅
寸法、つまりリング状凹部26cの内周側より大きい内
径を有し且つ外周側よりも小さい外径を有している。
【0037】一方、前記支持ベース26には、図3に示
すように、下面側のリング状凹部26cと上面側の嵌合
凹部26bとをつなぐように、3個の取付穴26dが形
成されている。これら3個の取付穴26dは、図で右側
及びそれと90度離れた前側(図3で上側)並びに、そ
れらと等間隔に離れた左後ろ側(図3で左下側)の3か
所に位置して形成されている。そして、これら3個の取
付穴26dには、夫々金属製のジョイントピン36,3
7,38が、その頭部が嵌合凹部26bの下部に位置す
るように上方から差込まれており、前記位置決めプレー
ト30はそれらジョイントピン36,37,38の下端
部に連結固定されている。
【0038】このとき、ジョイントピン36,37,3
8の外径寸法に比べて、各取付穴26dの内径寸法の方
が大きく構成されているため、ジョイントピン36,3
7,38は取付穴26d内を水平方向に若干量の移動が
可能とされ、これにより、位置決めプレート30は、リ
ング状凹部26c内を若干量の移動が可能に取付けられ
ているのである。ちなみに、本実施例では、位置決めプ
レート30は、左右方向(X軸方向)及び前後方向(Y
軸方向)に夫々±2mm程度の移動が可能に取付けられ
ている。
【0039】そして、この支持ベース26には、位置決
めプレート30の取付位置を調整する位置調整手段とし
ての、X軸方向調整機構39及びY軸方向調整機構40
が組込まれている。即ち、前記ジョイントピン36の軸
部の中間部には、ねじ穴36aがX軸方向に貫通して形
成されており、支持ベース26には、外周面右側部で開
口し内周側に向けてX軸方向に延びるねじ挿通穴26e
が、そのねじ穴36aと連続するように形成されてい
る。そして、前記ねじ挿通穴26eを通して前記ねじ穴
36aに螺合するX軸方向移動ねじ41が、支持ベース
26の外周面右側部に取付けられた基準ナックル42に
支持されて設けられている。
【0040】これにて、X軸方向調整機構39が構成さ
れ、X軸方向移動ねじ41の基端部のつまみ部を回転さ
せることにより、ジョイントピン36のX軸方向位置ひ
いては位置決めプレート30のX軸方向位置を調整する
ことができるようになっている。尚、X軸方向移動ねじ
41は、ねじ挿通穴26eに対して前後方向(Y軸方
向)に若干量のがたが許容された状態で配置されるよう
になっている。
【0041】同様に、前記ジョイントピン37の軸部の
中間部には、ねじ穴37aがY軸方向に貫通して形成さ
れており、支持ベース26には、外周面前側部で開口し
内周側に向けてY軸方向に延びるねじ挿通穴26fが、
そのねじ穴37aと連続するように形成されている。そ
して、前記ねじ挿通穴26fを通して前記ねじ穴37a
に螺合するY軸方向移動ねじ43が、支持ベース26の
外周面前側部に取付けられた基準ナックル44に支持さ
れて設けられている。
【0042】これにて、Y軸方向調整機構40が構成さ
れ、Y軸方向移動ねじ43の基端部のつまみ部を回転さ
せることにより、ジョイントピン37のY軸方向位置ひ
いては位置決めプレート30のY軸方向位置を調整する
ことができるようになっている。尚、この場合も、Y軸
方向移動ねじ43は、ねじ挿通穴26fに対して左右方
向(X軸方向)に若干量のがたが許容された状態で配置
されるようになっている。
【0043】このように構成されたX軸方向調整機構3
9及びY軸方向調整機構40により、位置決めプレート
30の支持ベース26(エッチングポット22に対す
る)前左右方向、つまり半導体ウエハ1の面方向(水平
方向)の取付位置の調整が可能とされているのである。
この位置決めプレート30の取付位置の調整は、後述す
るように位置合せ治具25を用いて行なわれるようにな
っている。
【0044】そして、前記位置決めプレート30には、
位置決め穴30aが直径方向の両端側の2か所に位置し
て形成されている。尚、図3に示すように、これら位置
決め穴30aの形成位置は、ジョイントピン36,37
の取付け位置とは本来異なるものであるが、図1及び図
2(並びに図6)では、便宜上、同一の断面に存在する
ように図示されている。
【0045】次に、前記エッチングベース23の構成に
ついて、図1を参照して述べる。このエッチングベース
23は、例えばテフロン等の高い耐熱性及び耐食性を有
した材料からなり、設置面上に水平に載置される設置部
23aの上部に、前記エッチングポット22(支持ベー
ス26)を支持する支持台部23bを有した円筒状に構
成されている。また、前記支持台部23bの中央部に
は、前記支持ベース26の貫通孔26aに対応してそれ
より僅かだけ径小な円形孔23cが形成されている。
尚、前記設置部23aと支持台部23bとの接合部分に
は、Oリング45が設けられ、気密にシールされてい
る。
【0046】そして、前記支持台部23bの直径方向の
両端側の2か所には前記位置決めプレート30の位置決
め穴30aに対応して、2個の位置決めピン46が上下
に貫通するように設けられている。これら位置決めピン
46は、その下端部が、前記支持台部23bの裏面側に
設けられたリング状の基準プレート47に固定されてお
り、上端部が前記位置決め穴30aに挿入により嵌合さ
れるように設けられている。このとき、位置決めピン4
6はニッケル等の金属から構成され、基準プレート47
も、SUS304等の金属から構成されている。尚、こ
れら位置決めピン46と支持台部23bの貫通孔との間
にも、Oリング48が設けられて気密性が確保されてい
る。
【0047】また、このエッチングベース23の内部に
は、前記加熱リング27を加熱するための加熱ユニット
49、この加熱ユニット49を上下動させるための主昇
降部50、前記加熱ユニット49に設けられ前記半導体
ウエハ1の厚みを検出する厚みセンサ51、この厚みセ
ンサ51の前記加熱ユニット49に対する上下位置を調
整するセンサ昇降機構たるセンサ高さ調整機構52が設
けられる。
【0048】そのうち加熱ユニット49は、熱伝導性の
良い金属から下面が開口した円筒状に構成された発熱ケ
ース53、この発熱ケース53の内周部に設けられた発
熱体たるリングヒータ54、このリングヒータの内側に
設けられた断熱リング55、前記発熱ケース53の上面
部に取付けられた断熱プレート56を備えて構成されて
いる。前記発熱ケース53は、前記支持台部23bの円
形孔23cの内径に対応した外径を有し、その円形孔2
3cの内周面を上下に摺動可能に設けられている。この
摺動面にもOリング57が設けられている。
【0049】前記主昇降部50は、エッチングベース2
3の内底部に設けられた昇降シリンダ58、この昇降シ
リンダ58のロッドに取付けられた昇降プレート59、
この昇降プレートから上方に延びて設けられた複数本の
支柱60、これら支柱60の上端に取付けられ前記加熱
ユニット49(発熱ケース53)の下端部に連結される
取付プレート61を備えている。これにて、前記昇降シ
リンダ58の駆動により、加熱ユニット49は、図示し
たような上昇位置と、図示しない下降位置との間で上下
動されるようになっているのである。このとき、加熱ユ
ニット49の上昇位置では、前記加熱リング27の下面
部が、加熱ユニット49の上昇ストッパとして機能する
のである。
【0050】この加熱ユニット49の上昇位置では、発
熱ケース53の上面が加熱リング27の下面に当接して
熱的に接続されるようになっていると共に、前記断熱プ
レート56が加熱リング27の内周部に位置され、その
断熱プレート56の中心を上下に貫通するように設けら
れた前記厚みセンサ51の上端部が、前記半導体ウエハ
1の下面側に所定量だけ離間して位置されるようになっ
ている。
【0051】このとき、図示しないガイドロッドによ
り、前記昇降プレート59ひいては加熱ユニット49
は、前記基準プレート47つまり位置決めピン46に対
して、一定の水平方向位置を保った状態で上下動される
ようになっており、もって基準プレート47つまり位置
決めピン46に対する厚みセンサ51の水平方向位置
が、常に一定の位置関係(中心に来る)を保つようにさ
れている。
【0052】前記厚みセンサ51は、図4,図5にも示
すように、前記半導体ウエハ1の所定の測定点kの厚み
を、半導体ウエハ1の下面(回路面1a)側から非接触
で検出するものである。その原理については、本出願人
の先の出願に係る特開平7−306018号公報に詳し
いので、詳しい説明は省略するが、先端から半導体を透
過する光ビーム(例えば赤外線)Bを、波長を変化させ
ながら照射し、半導体ウエハ1の底面で反射する反射光
と表面で反射する反射光との干渉光を検出して、その干
渉光の位相あるいは周期の変化から半導体ウエハ1の測
定点kの実際の厚みを直接的に検出するものである。
【0053】そして、この厚みセンサ51は、前記断熱
リング55の内周部に配置されたセンサホルダ62に支
持されて、前記断熱プレート56を上下に貫通するよう
に設けられている。前記センサホルダ62は、前記昇降
プレート59から上方に延びて設けられたガイドバー6
3に沿って上下動可能に設けられ、前記センサ高さ調整
機構52により上下動されることにより、前記厚みセン
サ51の半導体ウエハ1に対する上下方向位置(焦点距
離)が微調整されるようになっている。尚、断熱プレー
ト56と厚みセンサ51との間にもシール用のOリング
64が設けられている。
【0054】前記センサ高さ調整機構52は、前記昇降
プレート59に上方に延びて回転可能に設けられ前記セ
ンサホルダ62に螺合して上下動させる昇降ねじ65、
前記昇降プレート59に取付けられたサーボモータ6
6、このサーボモータ66の回転を前記昇降ねじ65に
伝達する歯車機構67から構成されている。これにて、
前記サーボモータ66により昇降ねじ65が回転され、
前記センサホルダ62ひいては厚みセンサ51が、加熱
ユニット49に対して上下動するのである。このとき、
図1に概略的に示すように、前記厚みセンサ51の検出
信号は、前記制御装置の一部を構成する厚み評価ユニッ
ト68に入力され、この厚み評価ユニット68が、常に
厚みセンサ51の最適な焦点を得るように前記サーボモ
ータ66をフィードバック制御するようになっているの
である。
【0055】次いで、前記エッチングヘッド24につい
て、図1を参照して述べる。このエッチングヘッド24
は、前記エッチングポット22の押えリング28の上面
開口部を一部が嵌り込んだ状態に塞ぐ蓋状をなし、ヘッ
ドシール69を挟んでエッチングポット22上に載置さ
れる。このエッチングヘッド24には、前記エッチング
処理室34内に連通するエッチング液供給口24a及び
洗浄水供給口24bが設けられていると共に、エッチン
グ処理室34内の液を排出するための排液口24cが設
けられている。
【0056】詳しく図示はしないが、前記エッチング液
供給口24aには、エッチング処理室34内にエッチン
グ液(KOH)35を調整された温度で供給するための
エッチング液供給機構70が接続されている。また、前
記洗浄水供給口24bには、エッチング処理室34内に
洗浄水(純水)を供給するための洗浄水供給機構71が
接続されている。さらに、図示はしないが、前記排液口
24cには、エッチング処理室34内の液を強制排出す
るための排液装置(例えばエゼクタ等の真空排液装置)
が接続されている。
【0057】そして、このエッチングヘッド24には、
エッチング処理室34内のエッチング液35を撹拌する
ための、モータ72a及び撹拌羽根72bからなる撹拌
機72が設けられていると共に、エッチング液35を加
熱するためのヒータ73が設けられている。図示はしな
いが、エッチング液35の温度を検出するための温度セ
ンサも設けられている。
【0058】さらに、このエッチングヘッド24には、
電気化学ストップエッチングを行なう際に使用される電
極74が設けられている。この電極74は、スイッチ7
5、直流電源76、電流検出器77の直列接続回路の一
端に接続されている。図示はしないが、その直列接続回
路の他端側は、前記エッチングポット22の支持ベース
26に設けられ半導体ウエハ1に接触する給電電極に接
続されるようになっている。尚、エッチングヘッド24
の前記撹拌機72及びヒータ73並びに電極74の取付
部分には、夫々Oリング78が設けられている。
【0059】以上のように構成されたエッチング装置2
1の各機構は、後の作用説明にて述べるように、前記制
御装置により、運転プログラム及び予め設定された製品
・処理条件(製品種類、測定点kの位置、凹部2aにお
ける目標厚みT、温度等のエッチング条件など)に基づ
いて制御され、もって、予備加熱工程、エッチング工
程、洗浄工程等からなるエッチング処理を実行するよう
になっている。
【0060】次に、上記構成の作用について、前記位置
合せ治具25の構成と併せて述べる。半導体ウエハ1に
対するエッチング処理を行なうにあたっては、まず、そ
の準備段階として、エッチングポット22に半導体ウエ
ハ1をセットする作業が行なわれると共に、エッチング
ポット22(支持ベース26)に対して位置決めプレー
ト30を位置決めする作業が行なわれる。尚、このとき
には、既に半導体ウエハ1の回路面1aには所定の回路
が形成され、エッチング処理面1bは、凹部2a形成部
分を除いてマスク3により覆われている。
【0061】エッチングポット22に半導体ウエハ1を
セットするには、まず、支持ベース26(加熱リング2
7)上に半導体ウエハ1をエッチング面1bを上面とし
て載置し、次いで、その支持ベース26に対し、押えリ
ング28を外周部にシリンダ29を挟んで重ねるように
配置し、この後、シリンダ29により形成される真空ポ
ケット32,33内を真空状態として、押えリング28
と支持ベース26とを締結させる。
【0062】これにて、図1,図2に示すように、半導
体ウエハ1は、その上面の外周縁部がパッキン31によ
ってシールされてエッチング面1b以外の部分がマスキ
ングされた状態でエッチングポット22に支持され、以
て、半導体ウエハ1のエッチング面1bを内底面とし、
押えリング28の内周面を内壁としたエッチング処理室
34が構成される。このとき、シリンダ29により半導
体ウエハ1の外周縁部全周が均等な力で締結され、半導
体ウエハ1は安定した状態で保持されるようになる。ま
た、半導体ウエハ1の下面外周部は、加熱リング27に
熱的に接続されるようになる。
【0063】次いで、エッチングポット22に対する位
置決めプレート30の位置決め作業が行なわれるのであ
るが、この位置決めは、図6に示すように、エッチング
ポット22を上下反転した状態とし、その上に、位置合
せ治具25を配置して行なわれる。この位置合せ治具2
5は、プレート79、このプレート79の両端側に下向
きに取付けられた2本の位置決めピン80、プレート7
9の中心に下向きに取付けられた拡大カメラ81を備え
てなり、前記2個の位置決めピン80を、夫々位置決め
プレート30の位置決め穴30aに挿入した状態にセッ
トされる。
【0064】そして、この状態で、前記拡大カメラ81
は半導体ウエハ1の中心部分を撮影し、その拡大画像が
モニタ82に表示されるようになっている。モニタ82
の画面の中心位置には、マーカ(照準)83が設けられ
ている。このとき、プレート79に対する位置決めピン
80の位置及びカメラ81の視野の中心位置は、前記エ
ッチングベース23に設けられた基準プレート47に対
する位置決めピン46の位置及び厚みセンサ51の中心
位置に一致するように設定されている。
【0065】この場合、前記X軸方向移動ねじ41及び
Y軸方向移動ねじ43が操作されると、エッチングポッ
ト22つまり半導体ウエハ1に対して位置決めプレート
30が左右前後方向に夫々移動されるので、作業者は、
モニタ82の画像を見ながらそれらねじ41,43を操
作して、半導体ウエハ1の測定点kが、マーカ83の中
心に一致するように位置決めプレート30の位置を調整
する。このとき、マスク3は回路面1aに対して相対的
に位置決めされて形成されているので、回路面1aの回
路パターンから半導体ウエハ1の測定点kを特定するこ
とができる。
【0066】なお、前記測定点kは、圧力センサチップ
2の場合には、図4,図5,図8に示すように、半導体
ウエハ1の中心部に位置する所定のセンサチップ2の凹
部2aの中心位置となり、加速度センサチップ2の場合
には、図9に示すように、凹部2aのうち一つのコーナ
ー部分になる。この位置合せの精度は、例えば±0.0
5mmの精度で実行することができ、例えば凹部2aの
一辺が1mm以下のセンサチップ2でも高精度に位置決
めすることが可能となる。
【0067】このように位置決めプレート30の位置調
整が完了すると、位置合せ治具25を取外し、エッチン
グポット22を正規の上下向きとして、前記エッチング
ベース23上にセットすることが行なわれる。このとき
には、位置決めプレート30の位置決め穴30aに、位
置決めピン46を挿入した状態とされるのであるが、上
記したように位置決めプレート30がエッチングポット
22に対して位置決めされていることにより、厚みセン
サ51の中心が、半導体ウエハ1の測定点kに一致する
ように位置合せされるようになるのである。また、これ
と共に、エッチングポット22の上部にエッチングヘッ
ド24がセットされ、エッチング装置21が構成され
る。
【0068】エッチング処理が開始されると、まず主昇
降部50によって加熱ユニット49が加熱リング27に
当接するまで上昇されて加熱リング27に対する熱伝達
が可能な状態となる。また、リングヒータ54(加熱ユ
ニット49)は予め設定された温度に調整された状態と
され、これにて、加熱リング27を加熱する予備加熱が
行なわれる。このとき、加熱ユニット49が加熱リング
27に当接するまで上昇することにより、厚みセンサ5
1が加熱リング27ひいては半導体ウエハ1に対して上
下方向に適切な高さ離れた位置に配置されるようになる
と共に、図4及び図5に示すように、厚みセンサ51
が、測定点kの真下に来るように位置される。
【0069】さらに、前記厚み評価ユニット68により
センサ高さ調整機構52が制御されて、厚みセンサ51
の高さ位置が、半導体ウエハ1の下面に対して適切な焦
点距離となるように、厚みセンサ51の高さ位置の微調
整がなされる。尚、焦点距離が合わない場合や、計測厚
みが製品種類に応じた値と異なる場合には、エラーとな
り警報を発生してその後の処理を中止する。
【0070】予備加熱の工程後、図1に示すように、エ
ッチング液供給機構70により、温度,濃度が調整され
たエッチング液35がエッチング液供給口24aからエ
ッチング処理室34内に供給されてエッチング工程が開
始される。このエッチング工程では、撹拌機72により
エッチング液35が撹拌されると共に、温度センサの検
出に基づいてヒータ73が制御され、エッチング液35
は適切な温度に維持される。これにて、半導体ウエハ1
のエッチング面1bのうちマスク3の存在しない部分が
食刻され、凹部2aが次第に深く形成されていくように
なる。
【0071】しかして、上記予備加熱工程及びエッチン
グ工程の初期(エッチング液34が供給されてから全体
の温度が安定するまで)には、エッチングポット22の
各部(特に合成樹脂製の部分)やエッチングベース23
が熱膨張する事情がある。ところが、本実施例では、加
熱リング27、加熱ユニット49の発熱ケース53、位
置決めプレート30やジョイントピン36〜38、基準
プレート47及び位置決めピン46は、全て温度変化に
対する寸法安定性に優れた金属製とされているので、半
導体ウエハ1の面方向(水平方向)に関する測定点kと
厚みセンサ51との位置合せ状態が維持され、高い位置
決め精度が確保されるのである。
【0072】また、各部の上下方向に対する熱膨張や半
導体ウエハ1自体の熱歪みやたわみ等により、半導体ウ
エハ1と厚みセンサ51との高さ方向の位置(焦点距
離)について変化を招く虞がある。そこで、本実施例で
は、エッチング液35の温度が安定した状態(熱変形が
停止した状態)で、前記厚み評価ユニット68によりセ
ンサ高さ調整機構52が制御されて、厚みセンサ51の
高さ位置の再調整がなされるようになっている。
【0073】さて、このエッチング工程においては、前
記厚みセンサ51により半導体ウエハ1の測定点kの厚
みの検出が継続的に行なわれる。このとき、本実施例で
は、厚みセンサ51により検出された厚みを、例えば実
験的に求められ予め設定されている予測値と比較し、そ
れらがほぼ一致していることがモニタリングされながら
エッチング工程を進行させるようになっている。尚、厚
みセンサ51により検出された厚みが予測値とかけ離れ
た値となって場合には、エッチングの進行あるいは厚み
センサ51に異常があったと判断し、半導体ウエハ1を
救済すべく、処理が停止されるようになっている。
【0074】そして、エッチングが正常に進行し、厚み
センサ51が目標厚みTを検出した時点で(実際にはエ
ッチング停止までのタイムラグを考慮して目標厚みTと
なる手前の時点で)、ヒータ73が停止されると共に、
洗浄水供給機構71を動作させて洗浄水供給口24bか
ら、エッチング処理室34内に洗浄水が供給されエッチ
ング液35が希釈,冷却されてエッチングが停止され
る。このとき、エッチング処理室34内の液は、排液口
24cから強制排出されるようになる。
【0075】厚みセンサ51の検出厚みに変化がなくな
ったことが確認された時点で、エッチング工程が終了し
たと判断され、加熱ユニット49が下降されると共に、
さらにエッチング処理室34内に洗浄水を供給しながら
撹拌する洗浄工程が実行される。半導体ウエハ1のエッ
チング面1bの所定の清浄度が得られるまで(例えば3
分間)洗浄工程が実行され、その後、洗浄水が排液口2
4cから強制排出される。しかる後、その半導体ウエハ
1がエッチングポット22から取出されて処理が完了す
る。
【0076】このように本実施例によれば、従来の時間
管理方式や電気化学ストップエッチングの方式と異な
り、厚みセンサ51によりエッチング中の半導体ウエハ
1の測定点kの実際の厚みを直接的に把握してエッチン
グ工程の停止時点を制御することができる。この結果、
従来のようなエッチング工程を複数回に分けて行なう必
要はなくなり、1回の処理で、半導体ウエハ1の凹部2
a部分の厚みの制御を高精度で行なうことができる。ち
なみに、本実施例では、半導体ウエハ1間での凹部2a
部分の厚みばらつきを、±0.5μm以下と飛躍的に改
善することができた。
【0077】そして、本実施例では、位置決めプレート
30を介してエッチングポット22がエッチングベース
23に対して位置決め支持されることにより、厚みセン
サ51が半導体ウエハ1の所定の測定点kの厚みを検出
するように水平方向に位置合せされる構成としたので、
半導体ウエハ1の測定点kと厚みセンサ51との位置合
せを高精度で行なうことができるという優れた効果を得
ることができる。
【0078】このとき、半導体ウエハ1を支持する加熱
リング27、厚みセンサ51を保持する加熱ユニット4
9(発熱ケース53)、位置決めプレート30やジョイ
ントピン36〜38、基準プレート47及び位置決めピ
ン46は、全て温度変化に対する寸法安定性に優れた金
属製とされているので、各部の熱膨張・収縮があって
も、水平方向に関する半導体ウエハ1の測定点kと厚み
センサ51との高い位置合せ精度が確保され、ひいては
厚みセンサ51により常に正確な厚み検出を行なうこと
ができ、信頼性の高いものとなる。しかも、センサ高さ
調整機構52などにより、上下方向にも半導体ウエハ1
と厚みセンサ51とを高精度で位置合せすることができ
る。
【0079】さらに、本実施例のエッチング装置21に
よれば、制御装置に製品・処理条件(製品種類、測定点
kの位置、凹部2aにおける目標厚みT、温度等のエッ
チング条件など)を設定することにより、製品の厚みや
チップパターンの相違する多くの種類の製品に対応する
ことができ、それらに対するエッチング及び洗浄の工程
を自動で連続して行なうことができるといったメリット
も得ることができるものである。
【0080】尚、上記実施例では、エッチングポット2
2に対する位置決めプレート30の位置決めを、位置合
せ治具25を用いて人的に行なうようにしたが、パター
ン認識装置等を組込むことにより自動化することも可能
であり、さらには、エッチング装置自体に、自動位置決
め機構を組込む構成とすることも可能である。エッチン
グポット22に対する位置決めプレート30の可動範囲
についても、±2mmとしたのは一例に過ぎず、製品に
よって自在に変更することができる。また、位置決めプ
レート30や基準プレート47及び位置決めピン46の
材質としては、金属に代えて、温度変化に対する寸法安
定性に優れたセラミックを採用することもでき、同様の
作用・効果を得ることができる。
【0081】その他、エッチングの停止方法としては、
例えばエッチングポット22を上下反転させて(あるい
は傾けて)エッチング液35を排出し、その後シャワー
状に半導体ウエハ1のエッチング面1bに洗浄水を吹付
けるといった方法でも良い。また、加熱リング27や加
熱ユニット49については、必要に応じて設ければ良
く、さらには、圧力センサや加速度センサのセンサチッ
プの製造以外にも、エッチング処理全般に適用すること
ができる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で、適宜
変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、エッチング装
置の全体構成を示す縦断面図
【図2】エッチングポットの構成を示す縦断面図(図3
のA−A線に沿う断面図)
【図3】エッチングポットの底面図
【図4】半導体ウエハの測定点と厚みセンサとの関係を
示す拡大縦断面図
【図5】半導体ウエハの測定点と厚みセンサとの関係を
示す斜視図
【図6】位置決めプレートの位置決め作業時の様子を示
す縦断面図
【図7】半導体ウエハの概略的な平面図(a)及び縦断
面図(b)
【図8】圧力センサチップの平面図(a)及び縦断面図
(b)
【図9】加速度センサチップの平面図(a)及び縦断面
図(b)
【図10】従来のエッチング装置の構成を概略的に示す
【図11】エッチング深さとエッチング時間との関係を
示す図
【図12】電気化学ストップエッチングにおける時間経
過に伴う電流値の変化の様子を示す図
【符号の説明】
図面中、1は半導体ウエハ、1bはエッチング面、2は
センサチップ、2aは凹部、21はエッチング装置、2
2はエッチングポット、23はエッチングベース、24
はエッチングヘッド、25は位置合せ治具、26は支持
ベース、27は加熱リング、28は押えリング、29は
シリンダ、30は位置決めプレート、34はエッチング
処理室、35はエッチング液、39はX軸方向調整機構
(位置調整手段)、40はY軸方向調整機構(位置調整
手段)、46は位置決めピン、47は基準プレート、4
9は加熱ユニット、50は主昇降部、51は厚みセン
サ、52はセンサ高さ調整機構(センサ昇降機構)、5
3は発熱ケース、54はリングヒータ(発熱体)、kは
測定点を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 吉次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 石原 康生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平11−154663(JP,A) 特開 平4−176880(JP,A) 特開2000−277483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306,21/308

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハを下面側を開放させた状態
    で保持し、その保持状態で前記半導体ウエハの上面のエ
    ッチング面を内底面としたエッチング処理室を構成する
    エッチングポットと、このエッチングポットの下面側を
    支持するエッチングベースとを備えるエッチング装置で
    あって、 前記エッチングポットの下面部に取付けられた位置決め
    プレートと、 この位置決めプレートの前記エッチングポットに対する
    前後左右方向の取付け位置を調整する位置調整手段と、 前記エッチングベースに設けられ前記エッチングポット
    に保持された半導体ウエハの厚みを下面側から非接触で
    検出する厚みセンサとを具備すると共に、 前記位置決めプレートによって前記エッチングポットが
    前記エッチングベースに対して位置決め支持されること
    により、前記厚みセンサが前記半導体ウエハの所定の測
    定点の厚みを検出するように位置合せされることを特徴
    とするエッチング装置。
  2. 【請求項2】 前記エッチングベースに対するエッチン
    グポットの位置決めは、該エッチングベースの所定位置
    に設けられた複数の位置決めピンが、前記位置決めプレ
    ートの所定位置に形成された複数の位置決め穴に夫々挿
    入されることにより行なわれることを特徴とする請求項
    1記載のエッチング装置。
  3. 【請求項3】 前記位置決めピンは、前記エッチングベ
    ースに設けられた基準プレートに取付けられ、それら基
    準プレート及び位置決めピン並びに前記位置決めプレー
    トは、金属又はセラミック製であることを特徴とする
    求項2記載のエッチング装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体ウエハの下面に対して近接及
    び離間する方向に移動可能な主昇降部が前記エッチング
    ベースに設けられ、前記厚みセンサは前記主昇降部に取
    付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のエッチング装置。
  5. 【請求項5】 前記エッチングポットは、前記半導体ウ
    エハの下面の外周縁部を加熱可能に保持する加熱リング
    を備え、その加熱リングが前記主昇降部の上昇ストッパ
    として機能することを特徴とする請求項4記載のエッチ
    ング装置。
  6. 【請求項6】 前記主昇降部は発熱体を備えて構成さ
    れ、該主昇降部が前記加熱リングに当接することによ
    り、前記発熱体の熱が前記加熱リングに対して伝達され
    ることを特徴とする請求項5記載のエッチング装置。
  7. 【請求項7】 前記発熱体は発熱ケース内に収容され、
    その発熱ケースが前記加熱リングに当接すると共に、そ
    れら発熱ケース及び加熱リングは金属製であることを特
    徴とする請求項6記載のエッチング装置。
  8. 【請求項8】 前記厚みセンサを、前記主昇降部に対し
    て該主昇降部の移動方向と同じ方向に移動可能とするた
    めのセンサ昇降機構を備えることを特徴とする請求項4
    ないし7のいずれかに記載のエッチング装置。
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